JP4323208B2 - 面光源装置及びそれに用いる導光体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エッジライト方式の面光源装置に関するものであり、特に、小型化及び消費電力低減を企図した面光源装置に関するものである。本発明の面光源装置は、例えば携帯電話機などの携帯型電子機器のディスプレイパネルや各種機器のインジケータとして使用される比較的小型の液晶表示装置のバックライトに好適に適用される。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、液晶表示装置は、携帯用ノートパソコン等のモニターとして、あるいは液晶テレビやビデオ一体型液晶テレビ等の表示部として、更にはその他の種々の分野で広く使用されてきている。液晶表示装置は、基本的にバックライト部と液晶表示素子部とから構成されている。バックライト部としては、液晶表示装置のコンパクト化の観点からエッジライト方式のものが多用されている。従来、バックライトとしては、矩形板状の導光体の少なくとも1つの端面を光入射端面として用いて、該光入射端面に沿って直管型蛍光ランプなどの線状または棒状の一次光源を配置し、該一次光源から発せられた光を導光体の光入射端面から導光体内部へと導入し、該導光体の2つの主面のうちの一方である光出射面から出射させるものが広く利用されている。
【0003】
このようなバックライトでは、線状または棒状の一次光源の両端部に近い導光体コーナー部や、導光体の光入射端面に隣接する側端面の近くの領域に十分な光量が到達せず、これらの部分や領域の輝度が低下しやすいという問題がある。
【0004】
ところで、近年、携帯電話機や携帯用ゲーム機などの携帯用電子機器あるいは各種電気機器また電子機器のインジケータなどの比較的小さな画面寸法の液晶表示装置について、小型化とともに消費電力の低減が要望されている。そこで、消費電力低減のために、バックライトの一次光源として、点状光源である発光ダイオード(LED)が使用されている。LEDを一次光源として用いたバックライトとしては、例えば特開平7−270624号公報(特許文献1)に記載されているように、線状の一次光源を用いるものと同様な機能を発揮させるために、複数のLEDを導光体の光入射端面に沿って一次元に配列している。このように複数のLEDの一次元配列による一次光源を用いることにより、所要の光量と画面全体にわたる輝度分布の均一性とを得ることができる。
【0005】
しかるに、小型の液晶表示装置の場合には、更に一層の消費電力の低減が要求されており、これに応えるためには使用するLEDの数を少なくすることが必要である。しかしながら、LEDの数を少なくすると発光点間の距離が長くなるので、隣接発光点の間の領域に近接する導光体の領域が拡大し、この導光体領域から所要の方向へと出射する光の強度が低下する。これは、面光源装置発光面における観察方向の輝度分布の不均一化(すなわち、輝度むら)をもたらす。
【0006】
また、特公平7−27137号公報(特許文献2)では、光出射面が粗面の導光体を用い、多数のプリズム列を配列したプリズムシートを、そのプリズム面が導光体側となるように導光体の光出射面上に配置し、バックライトの消費電力を抑えるとともに、輝度も極力犠牲にしないために出射光の分布を狭くする方法が提案されている。しかし、このようなバックライトでは、低消費電力で高い輝度が得られるものの、輝度むらがプリズムシートを通して視認されやすいものであった。
【0007】
これら輝度むらのうち、最も重大な問題になるものは、図27に示したような、複数のLEDの配列における両端のLED2より外側に対応する導光体領域または隣接LED2の中間に発生する暗い影の部分(暗部)である。実際の発生例を図28に示す。この暗部の面積が大きく、液晶表示装置の表示画面に対応するバックライトの有効発光領域でも視認されるようになると、バックライトの品位が大きく低下する。特に、消費電力の低減を図るために、使用するLEDの個数を少なくしたり、装置の小型化を図るために、LEDと有効発光領域との間の距離を小さくする場合には、暗部が有効発光領域で視認されやすくなる。この輝度むらの原因は、導光体の光入射端面に隣接して配置された個々のLEDから発せられる光が指向性を持っており、更に導光体に入射する際の屈折作用により導光体に入射した光は広がりが比較的狭くなるためである。更に、光出射面の法線方向から観察されるのは、プリズムシートのプリズム列の方向に略垂直の方向の光のみであるため、観察される光の広がりは、実際に導光体から出射される光の広がりより小さくなる。このように、一次光源として点状光源を用いる従来のバックライトでは、消費電力の低減と輝度分布の均一性維持とを両立させることは困難であった。
【0008】
さらに、一次光源として冷陰極管等の線状光源を使用したバックライトにおいて、入射面近傍部の暗部等を解消する方法として、例えば特開平9−160035号公報(特許文献3)には導光体の光入射端面を粗面化する方法が提案されているが、LED等の点状光源を一次光源として用いたバックライトでは、このような方法では十分に前記のような暗い部分を解消することはできなかった。
【0009】
一方、実開平5−6401号公報(特許文献4)や特開平8−179322号(特許文献5)公報等には、冷陰極管等の線状光源を用いたバックライトにおいて、導光体からの出射光を光入射面と平行な方向において収束させる目的で、光入射端面に略垂直な方向に沿って延びる多数のプリズム列を導光体の光出射面あるいはその反対面に並列して形成したものが提案されている。このようなプリズム列を形成した導光体では、導光体に入射した光は、導光体のプリズム列での反射によって、入射光の向きに対する傾斜角が大きくなる方向に向けられたり、更に入射光の向きの方へと戻されたりする。このため、導光体に入射した光の進行方向はプリズム列の延びる方向に収束するため、輝度の向上が可能となる。このような導光体をLEDを用いたバックライトに適用した場合には、導光体に入射した光は、導光体のプリズム列での反射によって入射光の向きに対して広がり、この広がった光がプリズムシートのプリズム列と略垂直の方向に出射するために、プリズムシートを通して見た光の分布が広がって見える。
【0010】
しかし、導光体に形成されているのが、断面形状が直線部からなるプリズム列であると、特定方向に異方性をもって光が広げられるため、図29に示したような斜め方向に明るい筋状の輝度むらが発生する。実際の発生例を図28に示す。また、図30のように、各々の点状光源から出射した光同士が重なる部分で輝度が高くなることによる輝度むらの発生が見られる。実際の発生例を図31に示す。
【0011】
更に、一次光源間や隅部の暗い領域をなくすために、上述のように、光入射端面を粗面化した場合には、暗い領域は小さくなるものの、図32に示されるような斜め方向に明るい筋状の輝度むらが、更に顕著に観察されるようになる。実際の発生例を図33に示す。
【0012】
本発明の目的は、以上のような面光源装置の低消費電力化のための少ない数の点状一次光源の使用等に伴う種々の輝度むらを解消して、高品位の面光源装置を提供することにある。
【0013】
【特許文献1】
特開平7−270624号公報
【特許文献2】
特公平7−27137号公報
【特許文献3】
特開平9−160035号公報
【特許文献4】
実開平5−6401号公報
【特許文献5】
特開平8−179322号
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記の目的を達成するものとして、
点状の一次光源から発せられる光を導光し、且つ前記一次光源から発せられる光が入射する光入射端面及び導光される光が出射する光出射面を有する板状の導光体であって、
前記光出射面及びその反対側の裏面のうちの一方に、前記光出射面に沿った面内での前記導光体に入射した光の指向性の方向にほぼ沿って延び、且つ互いに略平行に配列された複数の凹凸構造列が形成されており、少なくとも前記一次光源の近傍において、前記複数の凹凸構造列のその延在方向と直交する断面形状は、その各微小領域での接線と前記凹凸構造列形成面とのなす傾斜角度の絶対値が20°以上50°以下の角度成分の存在割合が10%以上であることを特徴とする面光源装置用導光体、
が提供される。
【0015】
本発明の一態様においては、前記凹凸構造列はレンズ列であり、前記複数の凹凸構造列は略同一の形状の複数の前記レンズ列が繰り返し配列されたものからなる。本発明の一態様においては、前記凹凸構造列の表面の一部または全部が粗面化されている。
【0016】
本発明の一態様においては、少なくとも前記一次光源の近傍において、0°以上80°以下の全ての角度α°について、前記傾斜角度の絶対値がα°以上α°+10°以下の角度成分の存在割合が60%以下である。
【0017】
本発明の一態様においては、前記凹凸構造列形成面は、前記一次光源の近傍に位置し前記凹凸構造列が形成された領域Aと、該領域Aに近接して位置し前記凹凸構造列が形成された領域Bとを有しており、前記領域Aと前記領域Bとで前記断面形状が異なる。
【0018】
本発明の一態様においては、前記傾斜角度の絶対値が30°以上50°以下の角度成分の存在割合は、前記領域Bのほうが前記領域Aよりも少ない。本発明の一態様においては、前記領域Bに形成された前記凹凸構造列の谷部傾斜角は、前記領域Aに形成された前記凹凸構造列の谷部傾斜角より小さい。本発明の一態様においては、前記領域Bに形成された前記凹凸構造列の形状が、位置によって徐々に変化している。本発明の一態様においては、前記領域Bは、有効発光領域の前記一次光源に近い側の端部の一部または全部に形成されている。本発明の一態様においては、前記凹凸構造列形成面は、前記領域A以外のほぼ全域が前記領域Bとされている。本発明の一態様においては、前記領域Bが帯状に形成されている。本発明の一態様においては、前記領域Bが島状とされている。
【0019】
本発明の一態様においては、少なくとも前記一次光源の近傍において、前記傾斜角度の絶対値が35°以上60°以下の角度成分の存在割合が4%以上55%以下であるか、または前記傾斜角度の絶対値が15°以下の角度成分の存在割合が25%以上85%以下である。
【0020】
本発明の一態様においては、前記凹凸構造列の全部または一部の前記断面形状は、外方へ凸の曲線からなる。本発明の一態様においては、前記凹凸構造列の全部または一部の前記断面形状は、外方へ凹の曲線からなる。本発明の一態様においては、前記凹凸構造列の全部または一部の前記断面形状は、外方へ凸の領域と外方へ凹の領域とを有する曲線からなる。本発明の一態様においては、前記凹凸構造列の全部または一部の前記断面形状は、略多角形状である。本発明の一態様においては、前記凹凸構造列の全部または一部の前記断面形状は、直線と曲線とを組み合わせた形状である。
【0021】
本発明の一態様においては、前記凹凸構造列形成面は、前記一次光源の近傍に前記断面形状が曲線状である凹凸構造列の配列された第1の領域が形成されており、該第1の領域と隣接して前記断面形状が略多角形状である凹凸構造列の配列された第2の領域が形成されている。
【0022】
本発明の一態様においては、0°以上80°以下の全ての角度α°について求めた前記傾斜角度の絶対値がα°以上α°+10°以下の角度成分の存在割合の最大値は、前記第2の領域のほうが前記第1の領域より大きい。
【0023】
本発明の一態様においては、前記凹凸構造列形成面は、金型の凹凸構造列形状転写面の一部または全部をブラスト処理し、前記金型を用いた成形により前記凹凸構造列形状転写面を転写して得られたものである。本発明の一態様においては、前記凹凸構造列形成面は、金型の凹凸構造列形状転写面の一部または全部を研磨処理し、前記金型を用いた成形により前記凹凸構造列形状転写面を転写して得られたものである。本発明の一態様においては、前記凹凸構造列形成面は、金型の凹凸構造列形状転写面の一部または全部をエッチング処理し、前記金型を用いた成形により前記凹凸構造列形状転写面を転写して得られたものである。本発明の一態様においては、前記凹凸構造列形成面は、一部または全部にブラスト痕を有する。本発明の一態様においては、前記凹凸構造列形成面は、第1の凹凸構造列形状転写面を有する第1の金型を用いた成形により前記第1の凹凸構造列形状転写面を転写して成形物を得、該成形物の前記第1の凹凸構造列形状転写面に対応する表面の一部または全部をブラスト処理して得られた表面を転写して第2の凹凸構造列形状転写面を有する第2の金型を得、該第2の金型を用いた成形により前記第2の凹凸構造列形状転写面を転写して得られたものである。
【0024】
本発明の一態様においては、前記光入射端面は異方性粗面からなり、該異方性粗面は前記光出射面に沿った方向での平均傾斜角が前記光出射面と直交する方向での平均傾斜角より大きい。本発明の一態様においては、前記異方性粗面は、前記光出射面に沿った方向での平均傾斜角が3°〜30°であり、前記光出射面と直交する方向での平均傾斜角が5°以下である。本発明の一態様においては、前記異方性粗面は、前記光出射面と直交する方向で測定される場合の異方性粗面形成面に対する傾き角8°以上の領域の長さが全測定長の5%以下である。本発明の一態様においては、前記異方性粗面は、前記光出射面に直交する方向に延びるレンズ列の表面が粗面化されている。
【0025】
本発明の一態様においては、前記光出射面及び前記裏面の少なくとも一方及び/または導光体内部に光出射機構を備えている。本発明の一態様においては、前記光出射機構は、前記光出射面及び前記裏面の少なくとも一方に形成された、粗面または前記導光体に入射した光の指向性の方向またはそれと略直交にほぼ沿って延びた互いに略平行な複数のレンズ列である。本発明の一態様においては、前記複数のレンズ列は、前記導光体に入射した光の指向性の方向での平均傾斜角が0.2°〜20°である。本発明の一態様においては、前記複数のレンズ列は、その表面が粗面化されている。本発明の一態様においては、前記光出射機構は、導光体内部に導光体の主成分とは屈折率が異なる成分が含有されてなる。
【0026】
本発明の一態様においては、必要な光の広がり角が100°以上であって、前記凹凸構造列形成面には、前記光入射端面から有効発光領域に至るまでのほぼ全域に、前記傾斜角度の絶対値が30°以上50°以下の角度成分の存在割合が10%以上である領域が形成されている。本発明の一態様においては、必要な光の広がり角が90°以上であって、前記凹凸構造列形成面には、前記光入射端面から有効発光領域に至るまでの一部または全部の領域に、前記傾斜角度の絶対値が25°以上50°以下の角度成分の存在割合が20%以上である領域が形成されている。本発明の一態様においては、必要な光の広がり角が80°以上であって、前記凹凸構造列形成面には、前記光入射端面から有効発光領域に至るまでの一部または全部の領域に、前記傾斜角度の絶対値が25°以上50°以下の角度成分の存在割合が10%以上である領域が形成されている。本発明の一態様においては、必要な光の広がり角が70°以上であって、前記凹凸構造列形成面には、前記光入射端面から有効発光領域に至るまでの一部または全部の領域に、前記傾斜角度の絶対値が20°以上50°以下の角度成分の存在割合が10%以上である領域が形成されている。
【0027】
本発明の一態様においては、前記光出射面または前記裏面には、前記光入射端面の形成された端縁の近傍に、前記導光体に入射した光の指向性の方向に対して斜めの方向に延びる複数の斜めレンズ列が形成されている。本発明の一態様においては、前記斜めレンズ列は、前記導光体に入射した光の指向性の方向に対して、必要な光の広がり角の半分に相当する角度傾いた方向に延びている。本発明の一態様においては、前記斜めレンズ列は、その延在方向と直交する断面の形状が、その各微小領域での接線と前記斜めレンズ列形成面とのなす傾斜角度の絶対値が20°以上50°以下の角度成分の存在割合が10%以上である。
【0028】
また、本発明によれば、上記の目的を達成するものとして、
以上の様な面光源装置用導光体と、該導光体の前記光入射端面に隣接して配置されている前記一次光源と、前記導光体の光出射面に隣接して配置されている少なくとも1つの光偏向素子とを備えており、該光偏向素子は、前記導光体の光出射面に対向して位置する入光面とその反対側の出光面とを有しており、前記導光体に隣接する光偏向素子の前記入光面に、前記導光体の光入射端面の形成されている入射端縁と略平行の方向に延び且つ互いに平行な複数のレンズ列を備えていることを特徴とする面光源装置、
が提供される。
【0029】
本発明の一態様においては、前記光偏向素子の入光面の複数のレンズ列のそれぞれは、2つの面を備えており且つ該面のうちの一方から入射した光を前記面のうちの他方により全反射させるものである。本発明の一態様においては、前記導光体の裏面に対向して光反射素子が配置されている。
【0030】
本発明の一態様においては、前記光入射端面は前記導光体の一端縁または一隅部に形成されている。本発明の一態様においては、前記導光体の前記一端縁または一隅部に隣接して複数の前記一次光源が間隔をおいて配置されており、前記導光体の前記一端縁の近傍において、前記傾斜角度の絶対値が30°以上50°以下の角度成分の存在割合が10%以上である領域が、前記一次光源の隣接するものどうしから到来する光が当該領域内で重なるように設けられている。本発明の一態様においては、前記導光体の前記一端縁または一隅部に隣接して複数の前記一次光源が間隔をおいて配置されており、前記導光体の光出射機構の平均傾斜角は、前記一次光源の正面の領域とこれらの間の領域とで異なる。本発明の一態様においては、前記導光体の前記一端縁または一隅部に隣接して複数の前記一次光源が間隔をおいて配置されており、前記一次光源のうちのいずれか1つのみを点灯させて前記導光体の有効発光領域の前記光入射端面側の端縁から3mm〜3.5mmの幅0.5mmの領域にてその長さ方向に1mm間隔で法線輝度を測定し測定位置と輝度との関係をプロットした時に、得られる半値幅距離が前記隣接する一次光源間の距離に対して0.8倍〜1.2倍の範囲内にある。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0032】
図1は、本発明による面光源装置の一つの実施形態を示す分解斜視図である。図1に示されているように、本実施形態の面光源装置は、点状の一次光源としての3つのLED2と、該LEDから発せられる光を光入射端面から入射させ導光して光出射面から出射させるXY面内の矩形板状の導光体4と、該導光体に隣接配置される光偏向素子6及び光反射素子8とを備えている。導光体4は上下2つの主面と該主面の外周縁どうしを連ねる4つの端縁とを有している。
【0033】
LED2は導光体4の互いに略平行な1対の端縁のうちの一方(図1の左手前側の端縁:入射端縁)に隣接し且つそのY方向に関する中央及びその両側に互いに適宜の距離隔てて配置されている。本発明においては、一次光源であるLED等の点状光源は、低消費電力化の観点から出来るだけ数が少ない方が好ましいが、導光体4の大きさ等によって複数個を等間隔あるいは近接して配置することができる。
【0034】
導光体4の入射端縁には、LED2が配置される位置に相当する光入射端面41が形成されている。導光体4に形成される光入射端面41は、凹筒面状等となるように入射端縁を凹状に切欠くことによって形成されていてもよい。LED発光面と光入射端面とは、凹凸逆の互いに嵌り合う形状(双方が平面である場合を含む)であることが好ましい。
【0035】
また、光入射端面41は、XY面内での光の広がりを大きくするために、粗面化することが好ましい。粗面の形成方法としては、フライス工具等で切削する方法、砥石、サンドペーパー、バフ等で研磨する方法、ブラスト加工、放電加工、電解研磨、化学研磨等による方法が挙げられる。ブラスト加工に使用されるブラスト粒子としては、ガラスビーズのような球形のもの、アルミナビーズのような多角形状のものが挙げられるが、多角形状のものを使用する方が光を広げる効果の大きな粗面を形成できることから好ましい。切削加工や研磨加工の加工方向を調整することにより、異方性の粗面を形成することもできる。この粗面加工は、導光体の光入射端面に直接施すこともできるが、金型の光入射端面に相当する部分を加工して、これを成形時に転写することもできる。
【0036】
導光体4は、一方の主面(図では上面)が光出射面43とされている。この光出射面43は、導光体4内にて導光される光を当該光出射面43に対して傾斜した方向(即ちXY面に対して傾斜した方向)に光を出射させる指向性光出射機構を備えている。該指向性光出射機構は、例えば粗面(マット面)からなる。該指向性光出射機構は、光出射面43の法線方向(Z方向)及び入射端縁と直交するX方向との双方を含むXZ面内の分布において指向性のある光を出射させる。この出射光分布のピークの方向が光出射面43となす角度は、例えば10°〜40°であり、出射光分布の半値幅は例えば10°〜40°である。
【0037】
導光体4は、他方の主面(図では下面:裏面)が凹凸構造列形成面としてのレンズ列形成面44とされている。該レンズ列形成面44は、LED2から発せられ導光体4に入射した光の指向性の方向(光強度分布における最大強度の方向)にほぼ沿った方向に延び且つ互いに略平行に配列された多数の凹凸構造列としてのレンズ列を有する。例えば、導光体4に入射した光の指向性の方向が略X方向である場合には、図2に示されているように、レンズ列44aの方向をX方向とすることができる(図2では各レンズ列44aの稜線が示されている)。なお、本発明においては、レンズ列44aの方向は、光を広げる効果を大きく損なわない範囲であれば、導光体2に入射した光の指向性の方向からずれていてもよく、この様な方向は導光体4に入射した光の指向性の方向にほぼ沿った方向とみなされる。この場合、レンズ列44aの方向は、導光体に入射した光の指向性の方向に対して20°以内の範囲とすることが好ましく、より好ましくは10°以内の範囲である。この様な方向にレンズ列を形成することによって、導光体に入射した光がXY面内で広げられ、暗い領域が発生しにくくなる。
【0038】
光偏向素子6は、導光体4の光出射面43上に配置されている。光偏向素子6の2つの主面は、それぞれ全体としてXY面と平行に位置する。2つの主面のうちの一方(導光体の光出射面43側に位置する主面)は入光面61とされており、他方が出光面62とされている。出光面62は、導光体4の光出射面43と平行な平坦面とされている。入光面61は、多数のレンズ列61aが互いに平行に配列されたレンズ列形成面とされている。入光面61のレンズ列61aは、導光体4に入射したLED2からの光の指向性の方向と略直交する方向に延び、互いに平行に形成されている。本実施形態では、レンズ列61aはY方向に延びている。
【0039】
図3に、光偏向素子6による光偏向の様子を示す。この図は、XZ面内での導光体4からのピーク出射光(出射光分布のピークに対応する光)の進行方向を示すものである。導光体4の光出射面43から斜めに出射される光は、レンズ列61aの第1面へ入射し第2面により全反射されてほぼ出光面62の法線の方向に出射する。また、YZ面内では、上記のようなレンズ列44aの作用により広範囲の領域において出光面62の法線の方向の輝度の十分な向上を図ることができる。
【0040】
本発明においては、輝度むらの発現を抑えるために、導光体4に形成されるレンズ列44a等の凹凸構造列の断面形状を適正化する。以下、本発明においてレンズ列断面形状等の凹凸構造列の特定に必要な微小領域での傾斜角度(微少傾斜角度)及びそれに基づく角度成分の存在割合(分布度数)の計算方法を示す。
【0041】
レンズ列44a等の凹凸構造列の断面形状を特定する微少傾斜角度や分布度数を計算するための断面としては、レンズ列等の凹凸構造列が延びている方向に略垂直な断面をとる(図4(a)参照)。レンズ列44a等の凹凸構造列が互いに完全に平行でない場合には、各々のレンズ列等の凹凸構造列の延びている方向に直交するような曲面状の断面をとる(図4(b)参照)。実際の導光体の断面(YZ面で切断して得られた断面)を撮影して得られた断面形状の例を図5に示す。
【0042】
図5の様な断面形状から、図6(a)に示されている様に断面形状の繰り返し構造の5周期分の形状を抽出する。この断面形状を、その形状線に沿って500等分(各繰り返し単位につき100等分)し500個の微小領域に分割する。なお、断面形状の抽出は5周期分に限定されることはなく、また分割個数は500に限定されることはなく、これらは、全体の断面形状を代表する微少傾斜角度や分布度数として適切なものを得ることができる限りにおいて、適宜変更可能である。
【0043】
図6(b)に示されているように、各微小領域において、その接線(たとえば当該微小領域の中央位置での接線:近似的には図6(b)に示す様に両端を結ぶ線分で代表させることも可能である:以下同様)とレンズ列形成面44などの凹凸構造列形成面[ここではレンズ列などの凹凸構造列を度外視した平面を指す:以下同様]とのなす角度(傾斜角度)の絶対値を求め、全微小領域についての傾斜角度絶対値の度数分布(各傾斜角度を持つ微小領域の数の全微小領域の数に対する割合)を、角度1°ごとに算出する(即ち、当該角度をα°として、α°−0.5°以上且つα°+0.5°未満の角度範囲を角度α°で代表させる)。この度数分布の算出例を図7に示す。
【0044】
得られた度数分布において、ある範囲の角度をとる微小領域の数の全微小領域の数に対する割合を求め、これを当該角度範囲の角度成分の存在割合とする。この存在割合により、レンズ列などの凹凸構造列の形状を特定する。例えば、図7で、20°以上50°以下の角度範囲の微小領域数の全微小領域数に対する割合が35%であった場合、20°以上50°以下の角度成分の存在割合は35%であるとする。
【0045】
図8に示されているように、断面形状の繰り返し構造の各繰り返し単位の形状が左右非対称である場合には、断面形状の繰り返し構造の5周期分の形状を抽出し、その各繰り返し単位の左側部分のみについて、それぞれその形状線に沿って50等分して、合計250個の微小領域に分割し、同様にして各繰り返し単位の右側部分のみについて、それぞれその形状線に沿って50等分して、合計250個の微小領域に分割する。そして、左側部分の各微小領域において、その接線とレンズ列形成面44などの凹凸構造列形成面とのなす角度(傾斜角度)の絶対値を求め、全微小領域についての傾斜角度絶対値の度数分布を、角度1°ごとに算出する。同様にして、右側部分についても全微小領域についての傾斜角度絶対値の度数分布を、角度1°ごとに算出する。なお、断面形状の抽出は5周期分に限定されることはなく、また分割個数も上記のものに限定されることはなく、これらは、左側部分及び右側部分のそれぞれについて全体の断面形状を代表する微少傾斜角度や分布度数として適切なものを得ることができる限りにおいて、適宜変更可能である。
【0046】
なお、図9に示されているように、凹凸構造列には、断面形状において必ずしも単位形状の繰返しとは認められない不規則形状の場合もあるが、その場合には、断面形状の形状線に沿って測定した長さ500μm分を抽出し、これを形状線に沿って500等分し、これにより得られた長さ1μmの各微小領域について、上記と同様にして度数分布を算出する。なお、断面形状の抽出は長さ500μm分に限定されることはなく、また分割個数も500個に限定されることはなく、これらは、全体の断面形状を代表する微少傾斜角度や分布度数として適切なものを得ることができる限りにおいて、適宜変更可能である。
【0047】
また、本発明においては、略同一な単位形状が規則的に繰り返す断面形状の場合(即ち、凹凸構造列がレンズ列である場合)には、隣接する繰り返し単位どうしの境界部に形成される谷部(断面形状において最も低い位置の近傍の領域)の形状が光学性能に大きな影響を与える。そこで、評価項目として、レンズ谷部傾斜角を採用する。その測定は次のとおりである。上記のようにして断面形状の繰り返し構造の例えば5周期の形状を抽出する。この断面形状を、その形状線に沿って例えば500等分程度(各繰り返し単位につき100等分)に等分して例えば500個の微小領域に分割する。繰り返し単位どうしの境界部に形成される5つのレンズ谷部において、繰り返し単位どうしの境界から左右それぞれ6つの微小領域の上記傾斜角度の平均値を求める。そして、各繰り返し単位の形状が左右対称の場合には、以上のようにして求めた10の平均値の平均をとり、当該レンズ列の谷部傾斜角とする。なお、各繰り返し単位の形状が左右非対称の場合には、以上のようにして求めた左側及び右側それぞれについて、5つの平均値の平均をとり当該レンズ列の左側谷部傾斜角及び右側谷部傾斜角とする。
【0048】
さて、図27に示す暗部の輝度むらは、上述のように、一次光源間隔が広く、光入射端面から有効発光領域までの距離が小さい場合に、該有効発光領域内において視認されやすい。このような輝度むらを低減するためには、導光体に入射した光を一次光源の近傍即ち光入射端面の近傍にてXY面内で十分に広げ、広い領域で光偏光素子6を通して光が観察される様にすることが必要である。そのため、本発明においては、少なくとも一次光源の近傍即ち光入射端面の近傍のレンズ列44aを、光を広げる作用に優れた形状としている。上述のように、導光体に入射した光は、XY面内ではレンズ列44aでの反射によって光の指向性の向きに対して斜め方向に進行し、この斜め方向に進行する光はレンズ列44aでの反射によって入射光の指向性の方向の方へと戻される。この結果、導光体に入射した光は、XY面内で広がり、しかも光偏向素子6のレンズ列61aと略垂直の方向に進行する。このため、光偏向素子を通して光出射面法線方向から観察した時に、光は広がって見える。
【0049】
この様な光を広げる作用を高めるためには、レンズ列44a等の凹凸構造列の断面形状において、20°以上50°以下の角度成分の存在割合が一定値以上である形状が好ましい。より光を広げる作用を高めるためには、25°以上50°以下の角度成分の存在割合が一定値以上である形状が好ましく、または、30°以上50°以下の角度成分の存在割合が一定値以上である形状が好ましく、または、35°以上50°以下の角度成分の存在割合が一定値以上である形状が好ましく、または、40°以上50°以下の角度成分の存在割合が一定値以上である形状が好ましい。この作用を高めるためには、上記角度成分の存在割合が多いほど好ましい。
【0050】
ここで、レンズ列44a等の凹凸構造列の断面形状とは、上記パラメータ算出の際に抽出した平均化されたものを意味し、従って、断面形状が上記のような不規則形状である場合には、個々の凹凸構造列の形状にとらわれずに平均化されたものを意味する。また、断面形状の繰り返し構造の各繰り返し単位の形状が上記の様な左右非対称のものである場合には、左側部分及び右側部分のそれぞれについて上記に該当することが必要である。以下、凹凸構造列がレンズ列であり、断面形状の繰り返し構造の各繰り返し単位の形状が左右対称のものである場合について説明するが、他の場合も同様である。
【0051】
光を広げる作用を高めるためには、少なくとも一次光源の近傍(光入射端面の近傍)において、レンズ列44aの断面形状における傾斜角度の絶対値で示される20°以上50°以下の角度成分の存在割合が10%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であることが望ましい。
【0052】
更に光を広げる作用を高めるためには、少なくとも一次光源の近傍(光入射端面の近傍)において、レンズ列44aの断面形状における25°以上50°以下の角度成分の存在割合が10%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であることが望ましい。
【0053】
更に光を広げる作用を高めるためには、少なくとも一次光源の近傍(光入射端面の近傍)において、レンズ列44aの断面形状における25°以上50°以下の角度成分の存在割合が20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、あるいは、レンズ列44aの断面形状における30°以上50°以下の角度成分の存在割合が5%以上、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上であることが望ましい。
【0054】
更に光を広げる作用を高めるためには、少なくとも一次光源の近傍(光入射端面の近傍)において、レンズ列44aの断面形状における30°以上50°以下の角度成分の存在割合が10%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、あるいは、レンズ列44aの断面形状における35°以上50°以下の角度成分の存在割合が8%以上、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、あるいは、レンズ列44aの断面形状における40°以上50°以下の角度成分の存在割合が2%以上、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上であることが望ましい。
【0055】
光出射面法線方向で測定した輝度を高めるためには、導光体に入射した光の光出射面と平行な面内での指向性の方向に対して斜めの方向の光を、光の指向性の方向に向ける作用が大きい方が望ましく、そのためには、反射によって光の進行方向を変化させながら、レンズ列44aの延びる方向に収束させる作用を持つようなレンズ列44aが設けられていることが望ましい。
【0056】
図29に示されるような、レンズ列44aで特定方向に異方性をもって光が広げられるために発生する斜め方向が明るい筋状の輝度むらを抑制するためには、光が特定の角度に集中しないようにレンズ列44aの断面形状を曲線状にすることが好ましい。具体的には、少なくとも一次光源の近傍において、レンズ列44aの断面形状において或る角度をα°として、α°以上α°+10°以下の角度成分の存在割合を、α°=0°〜80°の範囲内の全角度について求めた時に、その最大値が60%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下となるようにするのが望ましい。
【0057】
この最大値が大きすぎると、レンズ列44aの断面形状が直線的になり、或る特定の方向に異方性をもって光が広げられやすくなるために、図29に示すような斜め方向が明るい筋状の輝度むらが発生する。
【0058】
一方、α°以上α°+10°以下の角度成分の存在割合の最大値を小さくしようとすると、レンズ列の断面形状は多くの角度成分を持たざるを得なくなる。本発明では、後述のように、35°以上の角度成分が多くなりすぎると、入射光の指向性の方向に進行する光が相対的に多くなり、一次光源の前方が明るくなる現象が生ずる。しかも、50°より大きい角度成分は光を広げる作用も小さい。このため、レンズ列の断面形状は、ほとんどの微小領域が角度成分60°以下、好ましくは50°以下の範囲に分布していることが望ましい。従って、α°以上α°+10°以下の角度成分の存在割合の最大値は15%以上、好ましくは20%以上が望ましい。
【0059】
以上の理由から、前述の40°以上50°以下の角度成分の存在割合は、60%以下が好ましく、50%以下がより好ましく、40%以下が更に好ましい。また、前述の35°以上50°以下の角度成分の存在割合は、90%以下が好ましく、75%以下がより好ましく、60%以下が更に好ましい。また、前述の30°以上50°以下の角度成分の存在割合は、80%以下が好ましい。
【0060】
次に、光入射端面41につき説明する。光入射端面を粗面化すると、導光体へ入射した光の光出射面43と平行な面内での光の指向性の方向に対して斜め方向の光が多く入射するようになる。これにより、XY面内での光の広がりが大きくなり、図27のような暗部は小さくなる。しかし、光の広がりが大きくなると、斜め方向に進む光はレンズ列44aでの反射により出射しやすいので、最も光の広がりの大きい角度で、図32のような明るい筋状の部分が発生しやすくなる。
【0061】
この輝度むらが有効発光領域内で発生することを防ぐためには、一次光源近傍の領域と有効発光領域とで、レンズ列の構造を異ならせることが有効である。具体的には、最も光を広げる作用が強い30°以上50°以下の角度成分を、一次光源近傍では多く、有効発光領域内では少なくする。あるいは、谷部傾斜角を、一次光源近傍では大きく、有効発光領域内では小さくする。これらの手段によって、一次光源近傍では、光はレンズ列44aでの反射により、光の指向性の向きに対して斜めの方向に広がり、更に入射光の指向性の方向に戻されたりしながら、進行する。この結果、導光体4に入射した光はXY面内で広がり、しかも光偏向素子6としてのレンズシート例えばプリズムシートのプリズム列と垂直の方向に出射する光が増加するため、プリズムシートを通して観察した場合に、光は広がって見える。そして、図32の輝度むらの原因となる最も広がった角度の光は、有効発光領域内での形状が異なるレンズ列44aでの反射では入射光の指向性の方向へは戻らなくなる。その結果、プリズムシートを通して観察した時に、図32に示す筋状の明るい線は見られなくなる。
【0062】
更に具体的にいえば、図10に示されている様に、一次光源近傍の領域Aをレンズ列形成面の断面形状における30°以上50°以下の角度成分の存在割合が大きい領域となし、有効発光領域にかかる前に上記30°以上50°以下の角度成分の存在割合がより少ない或は谷部傾斜角がより小さい別の領域Bに切り替えることが領域Aと領域Bとの境界が視認されることがなく好ましい。具体的には、有効発光領域より0.1mm以上手前から領域Bに切り替えることが好ましく、さらに好ましくは0.3mm以上であり、より好ましくは0.5mm以上である。そして、有効発光領域の全部を領域Bとし(図10(a))或は有効発光領域の一部を領域Bとする(図10(b))。
【0063】
領域Bのレンズ列44aの具体的断面形状は、30°以上50°以下の角度成分の存在割合が、領域Aと比較して5%以上少ない、好ましくは8%以上少ないことが望ましい。或は、領域Bのレンズ列44aの具体的断面形状は、谷部傾斜角が、領域Aと比較して5°以上小さい、好ましくは10°以上小さい、更に好ましくは15°以上小さいことが望ましい。領域Aと領域Bとの断面形状の差が小さすぎると、図32の輝度むら防止の効果が低減する傾向にある。
【0064】
また、領域Bのレンズ列44aの具体的形状は、30°以上50°以下の角度成分の存在割合が40%以下、好ましくは30%以下、且つ、5%以上、好ましくは10%以上、更に好ましくは15%以上が望ましい。あるいは、35°以上50°以下の角度成分の存在割合が30%以下、好ましくは20%以下、且つ、2%以上、好ましくは8%以上、更に好ましくは13%以上が望ましい。あるいは、領域Bのレンズ列44aの具体的形状は、谷部傾斜角が30°以下、好ましくは25°以下、更に好ましくは20°以下、且つ、5°以上、好ましくは8°以上、更に好ましくは10°以上が望ましい。これらの角度成分存在割合や谷部傾斜角が大きすぎると、図32の輝度むら防止の効果が低下する傾向にあり、小さすぎると、一次光源近傍の領域で広げられた光をプリズムシートのプリズム列と垂直な方向に反射することができなくなり、プリズムシートによって光出射面の法線方向に立ち上がる光の成分が減少し、その結果として法線方向の輝度が低下する傾向にある。
【0065】
この領域Aと領域Bとの切り替え部は、徐々にレンズ列44aの形状が変化するような構造になっていることが好ましい。これにより、切り替え部を、有効発光領域の端縁(即ち、有効発光領域と液晶表示装置の非表示部に対応する領域との境界)の近くに位置させても、レンズ列形状切り替え部の構造が有効発光領域内へと写り込むのを避けることができる。
【0066】
レンズ列形成面の形状を部分的に変化させる方法として、粗面化する方法がある。種々の方法でレンズ列の表面の少なくとも一部を粗面化することによって、容易且つ安価に、レンズ列形状の少なくとも一部を変化させることができる。また、この変化の程度を連続的に変え、位置によって徐々にレンズ列形状を変えることも可能である。レンズ列44aを粗面化することで、図30に示すような輝度むらをも解消することができる。
【0067】
図30に示すような、複数の一次光源から発せられる光の重なりによる輝度むらを低減するためには、各一次光源から発せられる光の輝度分布と、光源間距離との関係を適正にすることが好ましい。具体的には、光偏向素子6と光反射素子8とを設置した状態で、導光体4の端縁に隣接して設置された複数の一次光源2のうちの1つのみ点灯した時に、図11に示されているように、有効発光領域の光入射端面側の端縁から3mm〜3.5mmの幅0.5mmの領域Sにて、その長さ方向(y方向)に沿って1mm間隔で法線輝度を測定して、測定位置y[mm]と輝度との関係をプロットした時に、その半値全幅距離の一次光源間距離に対する比率が0.8倍〜1.2倍の範囲内にあること、好ましくは略等しいことが望ましい。図12(a),(b)に測定位置y[mm]と輝度との関係をプロットしたグラフの例を示す。図12(a)は、この比率が1.2倍より大きい場合を示し、図12(b)は、この比率が0.8倍より小さい場合を示す。この比率が大きすぎると、図13(a)に示すように、隣接一次光源2からの光の分布の重なりが大きくなり、この重なりの部分が特に明るくなり明暗模様が発生しやすくなる。また、上記比率が小さすぎると、図13(b)に示すように、一次光源2からの光の分布の広がりが不足し、一次光源の正面の部分が特に明るくなり隣接一次光源の中間位置に対応する領域が相対的に暗くなり明暗模様が発生しやすい。
【0068】
以上のような各一次光源から発せられる光の輝度分布と光源間距離との関係の適正化のためには、レンズ列44aの断面形状が、一次光源の近傍において、以下の条件を満たすことが好ましい。即ち、上記半値全幅距離を小さくする場合には、レンズ列44aの35°以上60°以下の角度成分の存在割合または15°以下の角度成分の存在割合を大きくすることが好ましい。逆に、上記半値全幅距離を大きくする場合には、レンズ列44aの35°以上60°以下の角度成分の存在割合または15°以下の角度成分の存在割合を小さくすることが好ましい。35°以上の角度成分が多いと、入射光の指向性の方向に対して斜めに進行する光は、レンズ列44aにより反射され一次光源の極く近傍で出射してしまうので、入射光の指向性の方向に進行する光が相対的に多くなる。また、15°以下の角度成分が多いと、レンズ列44aによって光が広がりにくくなるので、入射光の指向性の方向に進行する光が相対的に多くなる。
【0069】
具体的には、一次光源間距離は典型的には5mm以上15mm以下であるので、その場合に上記条件を満たすレンズ列の断面形状は、少なくとも一次光源の近傍において、35°以上60°以下の角度成分の存在割合が4%以上55%以下、または15°以下の角度成分の存在割合が25%以上85%以下であることが好ましい。35°以上60°以下の角度成分の存在割合は、10%以上45%以下であることがさらに好ましく、より好ましくは20%以上40%以下である。また、15°以下の角度成分の存在割合は、30%以上70%以下であることがさらに好ましい。
【0070】
上記導光体を面光源装置に組み込んで使用する際には、面光源装置の設計に応じて、レンズ列44aの形状を設定するのが好ましい。以下、その様な実施形態を示す。
【0071】
図27の様な輝度むらが有効発光領域内で視認されなくなるために必要なレンズ列44aの構造は、複数の一次光源間の距離、及び、導光体光入射端面と有効発光領域との間の距離によって異なる。図14に示すように、一次光源間距離をKとし、導光体光入射端面と有効発光領域との間の距離をLとした場合、暗部が有効発光領域にかからないようにするためには、
a=tan-1[K/(2L)]
θ=a・360/π
で求められるθ[°]より、光の広がり角が大きいことが必要である。以上の様にして求められるθを「必要な広がり角」と定義する。
【0072】
一次光源間距離が大きい場合や、光入射端面または光入射端縁と有効発光領域との間の距離が小さい場合には、有効発光領域の手前で光を最大限に広げないと、図27の暗部が有効発光領域内で視認される。
【0073】
必要な広がり角が100°以上の場合には、光入射端縁と有効発光領域の端縁との間の非表示部対応領域のほぼ全域を、最も光を広げる効果の大きな形状とすることが好ましい。このような形状としては、30°以上50°以下の角度成分の存在割合が10%以上、好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上が望ましい。あるいは、レンズ列44aの断面形状における35°以上50°以下の角度成分の存在割合が8%以上、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上が望ましい。あるいは、レンズ列44aの断面形状における40°以上50°以下の角度成分の存在割合が2%以上、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上であることが望ましい。
【0074】
また、図29に示す輝度むらの発生を抑止するためには、レンズ列44aの断面形状における30°以上50°以下の角度成分の存在割合は80%以下が好ましい。あるいは、レンズ列44aの断面形状における35°以上50°以下の角度成分の存在割合は90%以下、好ましく75%以下、更に好ましくは60%以下が望ましい。あるいは、レンズ列44aの断面形状における40°以上50°以下の角度成分の存在割合は60%以下、好ましく50%以下、更に好ましくは40%以下が望ましい。
【0075】
この場合、非表示部対応領域のうち、少なくとも、導光体光入射端縁から有効発光領域との境界より1mm手前までの領域を、上記のような形状とすることが好ましい。
【0076】
必要な広がり角が100°未満の場合にも、光入射端縁と有効発光領域の端縁との間の非表示部対応領域の一部または全部の領域を、以下の様な形状にすれば、暗部は有効発光領域で視認されなくなる。
【0077】
即ち、必要な広がり角が90°以上100°未満の場合には、25°以上50°以下の角度成分の存在割合が20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上が望ましい。あるいは、30°以上50°以下の角度成分の存在割合が5%以上、好ましくは10%以上、更に好ましくは15%以上が望ましい。
【0078】
必要な広がり角が80°以上90°未満の場合には、25°以上50°以下の角度成分の存在割合が10%以上、好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上が望ましい。
【0079】
必要な広がり角が70°以上80°未満の場合には、20°以上50°以下の角度成分の存在割合が10%以上、好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上が望ましい。
【0080】
また、図29に示す輝度むらの発生を抑止するためには、レンズ列44aの断面形状における30°以上50°以下の角度成分の存在割合は80%以下が好ましい。あるいは、レンズ列44aの断面形状における35°以上50°以下の角度成分の存在割合は90%以下、好ましく75%以下、更に好ましくは60%以下が望ましい。あるいは、レンズ列44aの断面形状における40°以上50°以下の角度成分の存在割合は60%以下、好ましく50%以下、更に好ましくは40%以下が望ましい。
【0081】
高い輝度を発現させるためには、レンズ列44aとして光を広げる作用が強いものを用いることが好ましい。必要な広がり角が90°以上100°未満の場合には、必要な広がり角が100°以上の場合の条件をも満たすことが好ましい。必要な広がり角が80°以上90°未満の場合には、必要な広がり角が90°以上100°未満の場合の条件をも満たすことが好ましく、更に必要な広がり角が100°以上の場合の条件をも満たすことがより好ましい。必要な広がり角が70°以上80°未満の場合には、必要な広がり角が80°以上90°未満の場合の条件をも満たすことが好ましく、必要な広がり角が90°以上100°未満の場合の条件をも満たすことがより好ましく、更に必要な広がり角が100°以上の場合の条件をも満たすことが一層好ましい。
【0082】
光を広げる効果が強いレンズ列は、光入射端縁から少なくとも隣接一次光源からの光の重なりが発生する位置までの距離の領域に設けることが好ましい。この光入射端縁から光の重なりが発生する位置までの距離は一次光源間距離によって異なり、一次光源間距離が7mm未満の時には光入射端縁から1.5mmまで、一次光源間距離が7mm以上9mm未満の時には光入射端縁から2.0mmまで、一次光源間距離が9mm以上11mm未満の時には光入射端縁から3.0mmまで、一次光源間距離が11mm以上13mm未満の時には光入射端縁から4.0mmまで、一次光源間距離が13mm以上15mm以下の時には光入射端縁から5.0mmまでの領域には少なくとも、光を広げる効果が強いレンズ列を配置することが好ましい。
【0083】
図32に示すような輝度むらを解消するために、上記レンズ列の形成された領域に隣接して、30°以上50°以下の角度成分の存在割合が小さい或は谷部傾斜角が小さい形状のレンズ列を形成した領域を形成し、これにより領域の切り替えを行なうことが好ましい。
【0084】
あるいは、この様な領域の切り替えを行なうことなしに、より容易に導光体を作製するためには、一次光源の近傍のレンズ列44aによる光の広がりを、必要な広がり角と同程度に抑えておくことが好ましい。
【0085】
必要な広がり角が100°未満で、レンズ列44aが光を広げる角度も小さくて良い場合には、入射面を粗面にした場合の輝度むらは必ずしも発生しないので、この様な場合は、有効発光領域を30°以上50°以下の角度成分の存在割合が小さい或は谷部傾斜角が小さい形状のレンズ列を形成した領域としなくともよい。その結果、より簡便に導光体製造用金型が作製できる。この場合のレンズ列44aの形状は、必要な広がり角が90°以上100°未満の場合には、必要な広がり角が100°以上の場合の上記条件を満たさないことが好ましい。また、必要な広がり角が80°以上90°未満の場合には、必要な広がり角が90°以上100°未満の場合の上記条件及び必要な広がり角が100°以上の場合の上記条件を満たさないことが好ましい。また、必要な広がり角が70°以上80°未満の場合には、必要な広がり角が80°以上90°未満の場合の上記条件、必要な広がり角が90°以上100°未満の場合の上記条件及び必要な広がり角が100°以上の場合の上記条件を満たさないことが好ましい。
【0086】
レンズ列44aの形状が互いに異なる領域Aと領域Bとの配置について、更に説明する。上記図10(a)のように、一次光源2の近傍に領域Aを配置し、有効発光領域の全体とその一次光源よりの端縁から領域Aまでの領域に領域Bを配置することができる。また、上記図10(b)のように、一次光源2の近傍に領域Aを配置し、該領域Aに隣接し且つ有効発光領域の一次光源よりの端縁を含む帯状の領域に領域Bを配置することができる。ここで、有効発光領域のうちの領域B以外の領域は、領域Aと同様な構造でもよいし、それ以外の構造としてもよい。但し、この場合には、有効発光領域内でレンズ列44aの形状が変化することになるので、形状変化(形状切り替え)に起因する輝度むらが視認されないようにするために、形状切り替えを徐々に行なうのが好ましい。
【0087】
更に、図15のように、領域Bが、領域Aに隣接し且つ有効発光領域の一次光源側の端縁の一部を含む場所に島状に配置されている構造も好ましい。ここで、有効発光領域のうちの領域B以外の領域は、領域Aと同様な構造でもよいし、それ以外の構造としてもよい。但し、この場合には、有効発光領域内でレンズ列44aの形状が変化することになるので、形状変化(形状切り替え)に起因する輝度むらが視認されないようにするために、形状切り替えを徐々に行なうのが好ましい。
【0088】
図30に示す様な、複数の一次光源からの光の重なりによる輝度むらを低減するためには、上述したように、各一次光源からの出射光の輝度分布と、一次光源間距離との関係を適切に設定することが好ましい。
【0089】
具体的には、一次光源間距離が7mm未満の場合、前記度数分布において35°以上60°以下の角度成分の存在割合が12%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上で、且つ55%以下、好ましくは45%以下であること、或は、前記度数分布において40°以上60°以下の角度成分の存在割合が9%以上、好ましくは16%以上、より好ましくは24%以上で、且つ42%以下、好ましくは34%以下であること、或は、前記度数分布において15°以下の角度成分の存在割合が40%以上85%以下であることが望ましい。
【0090】
また、一次光源間距離が7mm以上9mm未満の場合、前記度数分布において35°以上60°以下の角度成分の存在割合が10%以上、好ましくは18%以上、より好ましくは28%以上で、且つ53%以下、好ましくは43%以下であること、或は、前記度数分布において40°以上60°以下の角度成分の存在割合が7%以上、好ましくは14%以上、より好ましくは22%以上で、且つ40%以下、好ましくは32%以下であること、或は、前記度数分布において15°以下の角度成分の存在割合が40%以上80%以下であることが望ましい。
【0091】
また、一次光源間距離が9mm以上11mm未満の場合、前記度数分布において35°以上60°以下の角度成分の存在割合が8%以上、好ましくは16%以上、より好ましくは26%以上で、且つ51%以下、好ましくは41%以下であること、或は、前記度数分布において40°以上60°以下の角度成分の存在割合が5%以上、好ましくは12%以上、より好ましくは20%以上で、且つ38%以下、好ましくは30%以下であること、或は、前記度数分布において15°以下の角度成分の存在割合が35%以上75%以下であることが望ましい。
【0092】
また、一次光源間距離が11mm以上13mm未満の場合、前記度数分布において35°以上60°以下の角度成分の存在割合が6%以上、好ましくは14%以上、より好ましくは24%以上で、且つ49%以下、好ましくは39%以下であること、或は、前記度数分布において40°以上60°以下の角度成分の存在割合が3%以上、好ましくは10%以上、より好ましくは18%以上で、且つ36%以下、好ましくは28%以下であること、或は、前記度数分布において15°以下の角度成分の存在割合が30%以上70%以下であることが望ましい。
【0093】
また、一次光源間距離が13mm以上15mm未満の場合、前記度数分布において35°以上60°以下の角度成分の存在割合が4%以上、好ましくは12%以上、より好ましくは22%以上で、且つ47%以下、好ましくは37%以下であること、或は、前記度数分布において40°以上60°以下の角度成分の存在割合が1%以上、好ましくは8%以上、より好ましくは16%以上で、且つ34%以下、好ましくは26%以下であること、或は、前記度数分布において15°以下の角度成分の存在割合が25%以上70%以下であることが望ましい。
【0094】
レンズ列44aの好ましい断面形状としては、断面形状線の一部または全部が、図16の様な外方へ凸の曲線からなる形状、図17の様な外方へ凹の曲線からなる形状、図18の様な外方へ凸の領域と外方へ凹の領域とを有する曲線からなる形状がある。また、レンズ列44aの好ましい断面形状としては、図19のように多角形状(即ち直線からなる形状)、図20のように直線と曲線とを組み合わせた形状などがある。これらの多角形状または直線を含む形状を用いる場合には、図29の輝度むらが生じない様にするためには、形状を特に適正に設定することが好ましい。上述したように、或る角度α°以上α°+10°以下の角度成分の存在割合を0°〜80°の範囲の角度α°について求めた場合に、その最大値が60%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下になるようにするのが望ましい。そして、レンズ列の断面形状がいくつかの直線を含む場合には、それぞれの直線に対応する平面により光が反射され、これにより光を広げる作用が強く、しかも反射する角度が互いに大きく異なる様な構造であると、光はいろいろな方向に進行し、図29の輝度むらは生じにくくなる。好ましい形状は、図19の多角形状で、レンズ列形成面とのなす角度が、約40°、約30°、約20°の直線を有するもの、あるいは、約40°、約30°、約20、約0°の直線を有するものが好ましい。また、この条件を満たす直線を有する図20の構造であってもよい。これらの構造であると、たとえ、或る角度α°以上α°+10°以下の角度成分の存在割合が大きい場合であっても、他の角度成分で、光がα°近傍の角度成分とは大きく異なる方向に反射されるので、図29の輝度むらは生じにくい。
【0095】
図19及び図20の断面形状において、直線(辺)の数は、2以上20以下が好ましく、3以上15以下がより好ましく、4以上10以下が一層好ましい。辺の数が少なすぎる場合には、光がいろいろな方向に広がらないため、図29の輝度むらが生じやすくなり、一方、辺の数が多すぎる場合には、レンズ列44aを有する導光体の製造が困難になる。
【0096】
また、レンズ列44aの一次光源近傍の領域での断面形状が曲線形状であり、この領域に隣接する領域の断面形状が略三角形状等の略多角形状である導光体も好ましく用いられる。具体的には、レンズ列44aの左右それぞれの斜面において、或る角度α°以上α°+10°以下の角度成分の存在割合を0°〜80°の範囲の角度α°について求めた場合に、その最大値が一次光源近傍領域よりもこれに隣接する領域の方が高くなっている導光体は好ましく用いられる。これは、一次光源の近傍では、断面形状が曲線状のレンズ列により輝度むらの発生なしに光を広げ、これに隣接する領域では、断面形状が略三角形状等の略多角形状をなすレンズ列44aにより光を集光し、高い輝度を得るようにすることができる。
【0097】
レンズ列44aの配列ピッチは、10〜100μmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは10〜80μm、さらに好ましくは20〜70μmの範囲である。尚、本発明においては、レンズ列44aのピッチは、上記範囲内であれば、全てのレンズ列44aで同一としてもよいし、部分的に異なるものでも良いし、徐々に変化していても良い。
【0098】
必要な広がり角が110°以上と特に大きい場合には、導光体入射光の指向性の方向にほぼ沿って延びたレンズ列のみでは、十分に光を広げることが難しい。この様な場合には、導光体4の光出射面または裏面に、図21に示される様な、入射光の指向性の方向(X方向)に対して斜めの方向に延びる斜めレンズ列50を配置することが好ましい。特に、レンズ列が必要な広がり角に対応する方向と略同一の方向に延びていることが望ましい。この様な斜めレンズ列50が存在することで、レンズ列44aでは適切に反射されない様な大きな角度のなす入射光成分をも良好に反射して進行方向がレンズ列44aで適正に反射され得る角度に変えられる。この斜めレンズ列50の好ましい形成位置は、非表示部対応領域の一次光源間に対応する領域であって、これを形成しない場合には光偏向素子6たとえばプリズムシートを通して暗部が観察される領域であることが好ましい。この領域には、プリズムシートのプリズム列と垂直な方向を向いていない光が存在しているので、この領域の光の進行方向を変化させることが図27の暗部を低減するのに有効な手段となる。形成される斜めレンズ列は、上記レンズ列44aと同様な方法で算出される20°以上50°以下の角度成分の存在割合が10%以上且つ80以下であることが好ましい。この存在割合が小さすぎると光の進行方向を変化させる作用が低下し、大きすぎると新たな輝線が生じ、新たな輝度むらの原因となりやすい。
【0099】
また、同様の目的で、導光体4の光出射面または裏面に、図22に示される様なドットパターン52を設けてもよい。ドットパターン52は、エッチングやレーザー加工等により形成することができる。この様なドットパターン52が存在することで、レンズ列44aでは適切に反射されない様な入射光の指向性の方向に対する大きな角度のなす入射光成分をも良好に反射して進行方向がレンズ列44aで適正に反射され得る角度に変えられる。このドットパターンの好ましい形成位置は、非表示部対応領域の一次光源間に対応する領域であって、これを形成しない場合にはプリズムシートを通して暗部が観察される領域であることが好ましい。この領域には、プリズムシートのプリズム列と垂直な方向を向いていない光が存在しているので、この位置の光の進行方向を変化させることが図27の暗部を低減するのに有効な手段となる。形成されるドットパターンの各ドットの形状は、一次光源とドットとを結ぶ直線と直交する断面において、上記レンズ列44aと同様な方法で算出される20°以上80°以下の角度成分の存在割合が10%以上且つ80%以下であることが好ましい。この存在割合が小さすぎると光の進行方向を変化させる作用が低下し、大きすぎると新たな輝線が生じ、新たな輝度むらの原因となりやすい。
【0100】
本発明では、導光体4の光出射機構としては、上記の粗面の他に、図23に示すように、プリズム列、レンチキュラーレンズ列またはV字状溝等の多数のレンズ列を、導光体4に入射したLED2からの光の指向性の方向と略直交する方向(Y方向)または略平行な方向(X方向)に延び、互いに平行に形成したものを用いることができる。なお、この場合のレンズ列は直線状に限定されず、LED2を囲むような湾曲状のものであってもよい。
【0101】
光出射機構としての粗面やレンズ列形成面は、導光体に入射した光の指向性の方向で測定したISO4287/1−1984による平均傾斜角θaが0.2°〜20°の範囲のものとすることが、光出射面43内での輝度の均斉化を図る点から好ましい。平均傾斜角θaは、さらに好ましくは0.3°〜12°の範囲であり、特に好ましくは0.5°〜8°の範囲である。この平均傾斜角θaは、導光体4の厚さ(t)と入射光が伝搬する方向の長さ(L)との比(L/t)によって最適範囲が設定されることが好ましい。すなわち、導光体4としてL/tが100以上のものを使用する場合は、平均傾斜角θaを0.2°〜10°とすることが好ましく、さらに好ましくは0.3°〜8°の範囲であり、より好ましくは0.5°〜6°の範囲である。また、導光体4としてL/tが100未満のものを使用する場合は、平均傾斜角θaを0.5°〜20°とすることが好ましく、さらに好ましくは0.8°〜15°の範囲であり、より好ましくは1°〜10°の範囲である。
【0102】
光出射機構としてY方向に延びるレンズ列を用いる場合には、この目的で使用されるレンズ列43aは、配列ピッチが好ましくは10μm〜100μm、より好ましくは20μm〜80μm、さらに好ましくは30μm〜70μmの範囲であり、頂角が好ましくは140°〜179.6°、より好ましくは156°〜179.4°、特に好ましくは164°〜179°の範囲である。
【0103】
導光体4に形成される光出射機構としての粗面あるいはレンズ列の平均傾斜角θaは、ISO4287/1−1984に従って、触針式表面粗さ計を用いて粗面形状を測定し、測定方向の座標をxとして、得られた傾斜関数f(x)から次の(1)式および(2)式を用いて求めることができる。ここで、Lは測定長さであり、Δaは平均傾斜角θaの正接である。
【0104】
Δa=(1/L)∫0 L|(d/dx)f(x)|dx ・・・ (1)
θa=tan-1(Δa) ・・・ (2)
また、導光体の光出射機構として、導光体中に、導光体の主成分とは異なる屈折率を持つ物質を存在させてもよい。この様な異屈折率の物質としては、微粒子状のものを導光体中に分散させてもよいし、異屈折率の層を導光体の表面や内部に設けてもよい。異屈折率の物質は、導光体の主成分との屈折率差が0.002以上0.3以下が好ましく、0.005以上0.2以下がより好ましく、0.01以上0.1以下が更に好ましい。異屈折率の物質の形状としては、微粒子状のものを分散することが、製造の容易性の点から特に好ましい。微粒子の例としては、シリコン系、スチレン系やその共重合体、アクリル系やその共重合体、無機物微粒子等が挙げられる。微粒子の濃度としては、0.01wt%以上10wt%以下が好ましく、0.1wt%以上5wt%以下がより好ましく、0.2wt%以上3wt%以下が更に好ましい。
【0105】
さらに、導光体4としては、その光出射率が0.5%〜5%の範囲にあるものが好ましく、より好ましくは1%〜3%の範囲である。これは、光出射率が0.5%より小さくなると導光体4から出射する光量が少なくなり十分な輝度が得られなくなる傾向にあり、光出射率が5%より大きくなると一次光源2の近傍で多量の光が出射して、光出射面43内でのX方向における光の減衰が著しくなり、光出射面43での輝度の均斉度が低下する傾向にあるためである。このように導光体4の光出射率を0.5%〜5%とすることにより、光出射面から出射するピーク光の方向が光出射面となす角度が10°〜40°であり、Y方向を含み光出射面43に垂直な面における出射光分布の半値幅が10°〜40°であるような指向性の高い出射特性の光を導光体4から出射させることができ、その出射方向を光偏向素子6で効率的に偏向させることができ、高い輝度を有する面光源装置を提供することができる。
【0106】
本発明において、導光体4からの光出射率は次のように定義される。光出射面43の光入射端面41側での出射光の光強度(I0 )と該端面から距離Lの位置での出射光強度(I)との関係は、導光体4の厚さ(Z方向寸法)をtとすると、次の(3)式のような関係を満足する。
【0107】
I=I0 ・α(1−α)L/t ・・・ (3)
ここで、定数αが光出射率であり、光出射面43におけるX方向での単位長さ(導光体厚さtに相当する長さ)当たりの導光体4から光が出射する割合(%)である。この光出射率αは、縦軸に光出射面43からの出射光の光強度の対数と横軸に(L/t)をプロットすることで、その勾配から求めることができる。
【0108】
この光出射機構は、導光体4の光出射面43内で出射率が不均一分布となるように設けることもできる。例えば、光出射機構として粗面を使用する場合には、その表面粗さの光出射面43内での分布が不均一となるように粗面化処理を施すことによって出射率の不均一分布を形成することができる。
【0109】
出射率を不均一にすることで、輝度むらを低減することができる。導光体の光出射機構の平均傾斜角を、光出射機構が有効発光領域全体で均一な状態では上記光偏向素子と光反射素子と一次光源とを設置して法線輝度を測定した時に輝度低下が生ずる領域では大きくし、輝度が高くなる領域では小さく設定することで、輝度むらを低減することができる。この手法は、レンズ列44aや光入射端面の粗面の程度を適正化しても残留する程度の軽い輝度むらを低減するのに適している。
【0110】
あるいは、レンズ列44aを部分的に粗面化する場合、反対面に設けた光出射機構の出射率をレンズ列44aの粗面化の程度が強い位置では低く、粗面化の程度が弱い位置では高く設定することで、法線輝度を均一にすることができる。
【0111】
本発明においては、以上の説明の様に、導光体4の光出射面43に光出射機構を形成し、その反対側の主面(裏面)をレンズ列44aを形成したレンズ列形成面とすることが好ましいが、本発明においては、光出射面をレンズ列44aの形成面とし、その反対側の主面に光出射機構を形成してもよい。
【0112】
図24は、本発明による面光源装置用導光体の一部をLEDとともに示す部分分解斜視図である。本実施形態では、光入射端面41は異方性粗面からなる。この異方性粗面は、光出射面43に沿ったY方向での平均傾斜角θaが光出射面43と直交するZ方向での平均傾斜角θaより大きい。このような粗面とすることで、LED2から発せられ光入射端面41から導光体4内へと入射する光のXY面内での分布を広げることができる。これにより、XZ面内での分布を過度に広げることに基づく光入射端面近傍での導光体4からの過度の光出射を防止して、光出射面43の広い領域へと効率よく所要の強度の光を導くことができ、輝度の均斉度の向上に寄与することができる。
【0113】
この光入射端面41の異方性粗面は、光出射面43に沿ったY方向での平均傾斜角が好ましくは3°〜30°、更に好ましくは4°〜25°、特に好ましくは5°〜20°である。平均傾斜角が3°未満であると上記の作用効果が小さくなる傾向にあり、平均傾斜角が30°を越えた場合、XY面内の光の分布が広がらずに輝度が低下していく傾向にある。また、上記の作用効果を得るためには、光出射面43と直交するZ方向での平均傾斜角が5°以下、特に3°以下であるのが好ましい。更に、光入射端面41の異方性粗面は、前記光出射面43に沿った方向で測定した場合の傾き角8°以上の領域の長さが全測定長の5%以下であることが好ましい。傾き角8°以上の領域の長さが全測定長の5%を越えると、XY面内での光の分布を過度に広げることに基づく光入射端面近傍での導光体4からの過度の光出射による輝度低下が生ずる傾向にある。
【0114】
このような異方性粗面としては、ほぼZ方向に延びる互いに略平行な、規則的または不規則的な凹凸構造が好ましい。より具体的には、ほぼZ方向に延びる互いに略平行なレンズ列、またはこのレンズ列を粗面化したものが挙げられる。
【0115】
本発明の導光体4は、光透過率の高い合成樹脂から構成することができる。このような合成樹脂としては、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、環状ポリオレフィン樹脂が例示できる。特に、メタクリル樹脂が、光透過率の高さ、耐熱性、力学的特性、成形加工性に優れており、最適である。このようなメタクリル樹脂としては、メタクリル酸メチルを主成分とする樹脂であり、メタクリル酸メチルが80重量%以上であるものが好ましい。導光体4の粗面の表面構造やプリズム列等の表面構造、または光入射端面の異方性粗面構造を形成するに際しては、透明合成樹脂板を所望の表面構造を有する型部材を用いて熱プレスすることで形成してもよいし、スクリーン印刷、押出成形や射出成形等によって成形と同時に形状付与してもよい。また、熱あるいは光硬化性樹脂等を用いて構造面を形成することもできる。
【0116】
これらの型部材の形成方法について述べる。本発明の導光体に形成するレンズ列44aの形状を部分的に変化させる方法としては、切削あるいはエッチング等によって形成されたレンズ列形状転写面を有する金型の一部または全部をブラストする方法、レンズ列形状面を有する金型の一部または全部を研磨し、これを転写する方法、レンズ列形状転写面を有する第1の金型を用いて成形して得られた成形物の一部または全部をブラストし、これを再び転写することによりレンズ列形状転写面を有する第2の金型を得る方法等が挙げられる。これらの方法によって、あるいは導光体4のレンズ列形成面の少なくとも一部に直接ブラスト処理によりブラスト痕を形成することによって、レンズ列44aの断面形状の度数分布や谷部傾斜角を変化させることができる。
【0117】
また、導光体の光出射機構のレンズ列や粗面を形成する方法、あるいは光入射端面の異方性粗面構造を形成する方法としては、金型切削あるいはエッチング、ブラスト、あるいはこれらの方法を併用する方法が挙げられる。金型を切削した後、ブラストにより粗面化する方法は、特に好ましく用いられる。
【0118】
光偏向素子6に形成されるレンズ形状は、目的に応じて種々のものが使用され、例えば、プリズム形状、レンチキュラーレンズ形状、フライアイレンズ形状、波型形状等が挙げられる。中でも断面略三角形状の多数のプリズム列が配列されたプリズムシートが特に好ましい。プリズム列の頂角は、50°〜80°の範囲とすることが好ましく、より好ましくは55°〜70°の範囲である。
【0119】
本発明の光偏向素子6は、光透過率の高い合成樹脂から構成することができる。このような合成樹脂としては、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、環状ポリオレフィン樹脂が例示できる。特に、メタクリル樹脂が、光透過率の高さ、耐熱性、力学的特性、成形加工性に優れており、最適である。このようなメタクリル樹脂としては、メタクリル酸メチルを主成分とする樹脂であり、メタクリル酸メチルが80重量%以上であるものが好ましい。光偏光素子6のプリズム列等の表面構造を形成するに際しては、透明合成樹脂板を所望の表面構造を有する型部材を用いて熱プレスすることで形成してもよいし、スクリーン印刷、押出成形や射出成形等によって成形と同時に形状付与してもよい。また、熱あるいは光硬化性樹脂等を用いて構造面を形成することもできる。これらの型部材は、金型切削あるいはエッチング等によって得られる。更に、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリメタクリルイミド系樹脂等からなる透明フィルムあるいはシート等の透明基材上に、活性エネルギー線硬化型樹脂からなる粗面構造またレンズ列配列構造を表面に形成してもよいし、このようなシートを接着、融着等の方法によって別個の透明基材上に接合一体化させてもよい。活性エネルギー線硬化型樹脂としては、多官能(メタ)アクリル化合物、ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル類、アリル化合物、(メタ)アクリル酸の金属塩等を使用することができる。
【0120】
光反射素子8としては、例えば表面に金属蒸着反射層を有するプラスチックシートを用いることができる。本発明においては、光反射素子8として反射シートに代えて、導光体4の光出射面の反対側の主面44に金属蒸着等により形成された光反射層等を用いることも可能である。尚、導光体4の4つの側端面(光入射端面41を除く)にも反射部材を付することが好ましい。
【0121】
図25は、本発明による面光源装置の更に別の実施形態を示す斜視図である。本実施形態では、上述の様な導光体4の光入射端縁に隣接し且つY方向に適宜の距離隔てられて2つのLED2が配置されている。これら2つのLEDは、それらから発せられる光の最大強度光の方向がX方向を向き互いに平行になるように配置されている(上記の実施形態も同様)。
【0122】
有効発光領域F以外の領域の光偏向素子6、導光体4及び光反射素子8の積層体の端面部並びにLED2を覆うようにして、光拡散性を有する反射シート10が付設されている。これにより、導光体4、光偏向素子6及び光反射素子8の積層体の端面部から出射する光及びLED2のケースから漏れ出す光をXY面内において良好に拡散させて反射させ導光体4へと再入射させることができ、導光体光出射面43の広い領域へと所要の強度の光を導くことができ、輝度の均斉度の向上に寄与することができる。
【0123】
LED2などの一次光源と光入射端面41との距離は0.2mm以下とするのが好ましい。一次光源と光入射端面との距離が0.2mmを越えると、輝度低下が発生しやすくなる傾向にある。
【0124】
図26は、本発明による面光源装置の更に別の実施形態を示す断面図である。本実施形態では、有効発光領域F以外の領域の上述の様な導光体4及び光反射素子8の積層体の端面部並びにLED2を覆うようにして、光拡散性を有する反射シート10が付設されている。その上に、光偏向素子6が配置されている。これによっても、図25の実施形態と類似の作用効果を得ることができ、一層高い輝度を得ることができる。
【0125】
以上のようなLED2、導光体4、光偏向素子6および光反射素子8からなる面光源装置の発光面(光偏光素子6の出光面62)上に、液晶表示素子を配置することにより液晶表示装置が構成される。
【0126】
図35は、以上の様な液晶表示装置の模式的部分断面図である。図35において、光偏光素子6上に該光偏光素子6と実質上平行に液晶表示素子160が配置されており、該液晶表示素子160は上方からフレーム部材162によりその外周縁部が覆われている。従って、上方から液晶表示素子160を観察する際に有効な表示画面(有効表示画面)は、面光源装置の有効発光領域Fに対応する領域となる。換言すれば、面光源装置の有効発光領域Fは、液晶表示素子160を観察する際の有効表示画面に対応する領域として設定される。
【0127】
【実施例】
以下、本発明の実施例及び比較例を示す。尚、実施例及び比較例において、導光体断面形状の微小領域傾斜角度の測定は、導光体のレンズ列形成面のレプリカを作製し、それをレンズ列の延在方向と直交する面で切断し、切断端面を光学顕微鏡あるいは原子顕微鏡、あるいはその他の撮像手段で拡大して得られた断面形状線に基づき行なった。微小領域傾斜角度の絶対値の度数分布の算出及び谷部傾斜角の算出は、上記図6に関連して説明した様にして行なった。但し、上述したように断面形状を等分して微小領域を設定すると、断面形状の座標の測定が煩雑になることがある。その場合、下記の方法で簡単に算出を行なうことができる。
【0128】
まず、切断端面を、Y座標が等分になるように分割し、微小領域を設定する。その後、上述したのと同じ方法で、Y座標を等分した微小領域に関しての微小領域傾斜角度の絶対値の度数分布を算出する。算出した度数分布のそれぞれの傾斜角度の、度数/[傾斜角度の余弦(Cos)]を求める。次に、度数/[傾斜角度の余弦(Cos)]の総和を求める。次に、各傾斜角度について、{度数/[傾斜角度の余弦(Cos)]}/総和を求める。この値が、断面形状を等分して微小領域を設定した時の度数分布となる。
【0129】
平均傾斜角の測定は、触針式表面粗さ計(東京精器社製サーフコム570A型)にて、触針として1μmR、55゜円錐ダイヤモンド針(010−2528)を用いて、駆動速度0.03mm/秒で測定した。測定長は2mmとした。抽出曲線の平均線の傾斜の補正を行った後、前記(1)式および(2)式に従ってその曲線を微分した曲線の中心線平均値を求めた。また、一次光源1灯点灯時の輝度分布半値幅距離の測定は、上記図11に関し説明した様にして行なった。更に、輝度むらの判定は、面光源装置の発光面側を280mmの距離からCCDカメラで撮影して得た画像を目視することで行なった。
【0130】
[実施例1]
鏡面仕上げをした有効面積34mm×48mm、厚さ3mmのステンレススチール板の表面を、粒径53μm以下のガラスビーズ(不二製作所社製FGB−400)を用いて、ステンレススチール板から吹付けノズルまでの距離を32cmとして、吹付け圧力5kgf/cm2 で、長さ34mmの辺から3.5mmまでの領域を除いた領域に対してブラスト処理を行って、部分的に粗面化した。これにより、部分的に粗面の形状転写面を有する第1の金型を得た。
【0131】
一方、鏡面仕上げをした有効面積34mm×48mm、厚さ3mmの真鍮板の表面に、ピッチ50μmのレンズ列を長さ48mmの辺に平行に連設した対称的レンズパターンを切削加工により形成した。これにより、レンズパターンの形状転写面(凹状曲面)を有する第2の金型を得た。該第2の金型の長さ34mmの辺から3.5mmまでの領域を除いた領域に対して、粒径53μm以下のガラスビーズ(不二製作所社製FGB−400)を用いて吹付け圧力2kgf/cm2 で32cmの距離からブラスト処理を行って、レンズパターンの形状転写面を一部粗面化した。
【0132】
以上の第1の金型及び第2の金型を用いて射出成形を行い、短辺34mm、長辺48mmの長方形で、厚さが長辺に沿って0.8mm(非粗面化側端部)〜0.6mm(粗面化側端部)と変化するくさび形状であり、一方の主面が平均傾斜角3.0°の粗面部分と平坦面部分とからなる光出射面であり、他方の主面がレンズ列形成面からなる透明アクリル樹脂板を作製した。
【0133】
この透明アクリル樹脂板の厚さ0.8mmの短辺側の端面に対してサンドペーパーを用いて異方性粗面化処理を行なって、主面に沿った方向の平均傾斜角が9°(傾き角8°以上の領域の割合が1%)で主面に略直交する方向の平均傾斜角が0.5°の光入射端面を形成した。
【0134】
導光体の厚さ0.8mmの短辺側端面(光入射端面)に対向するようにして、3個のLED(日亜化学工業社製NSCW215biR)を10.0mmの間隔で配置した。この導光体のレンズ列形成面側には光散乱反射シート(辻本電機製作所社製SU−119)を配置し、光出射面側には頂角65°でピッチ50μmのプリズム列が多数並列に形成されたプリズムシート(三菱レイヨン社製M165)を、そのプリズム形成面が対向するように配置し、面光源装置を作製した。
【0135】
この面光源装置は、液晶表示素子と組み合わせて、有効発光領域の寸法が31mm×42mmで、導光体光入射端面から有効発光領域までの距離が4mmの液晶表示装置を構成するためのものであり、必要な広がり角は103°であった。
【0136】
得られた導光体の光出射面の平均傾斜角は、光入射端面から3.5mmまでの領域では0°であり、それ以外の領域では3.0°であった。
【0137】
得られた導光体のレンズ列形成面の断面形状は、次のとおりであった。
【0138】
(領域A:光入射端面から3.5mmまでの領域)
外方へ凸の曲線
傾斜角度絶対値の度数分布:
20°以上50°以下−−67%
25°以上50°以下−−51%
30°以上50°以下−−39%
35°以上50°以下−−26%
40°以上50°以下−− 8%
15°以下−−−−−−−33%
35°以上60°以下−−26%
40°以上60°以下−− 8%
α°以上α°+10°以下の割合の最大値:
31%(α°=31°)
谷部傾斜角:31°
(領域B:領域A以外の領域)
外方へ凸の曲線
傾斜角度絶対値の度数分布:
30°以上50°以下−−26%
谷部傾斜角:12°
中央の一次光源のみ点灯時の輝度分布半値幅距離は、11mmであった。
【0139】
全ての一次光源を点灯し面光源装置を発光させて有効発光領域の輝度むらを判定した。CCDカメラで撮影した画像を図34に示す。図27の暗部、図29の筋状の輝線、図30の光源同士の分布重なりによる明部及び図32の筋状の輝線のいずれも観察されなかった。
【0140】
[実施例2]
第1の金型のブラスト処理を長さ34mmの辺から3.0mmまでの領域を除いた領域に対して行ない、その際の吹付け圧力を4kgf/cm2 〜6kgf/cm2 の範囲内で変化させ、第2の金型のブラスト処理を長さ34mmの辺から3.0mmまでの領域を除いた領域に対して行ない、その際の吹付け圧力を1.5kgf/cm2 とすること以外は、実施例1と同様にして実施した。
【0141】
得られた導光体の光出射面の平均傾斜角は、光入射端面から3.0mmまでの領域では0°であり、それ以外の領域では2.5°〜3.5°で有効発光領域中央部が最大であった。
【0142】
得られた導光体のレンズ列形成面の断面形状は、次のとおりであった。
【0143】
(領域A:光入射端面から3.0mmまでの領域)
外方へ凸の曲線
傾斜角度絶対値の度数分布:
20°以上50°以下−−67%
25°以上50°以下−−51%
30°以上50°以下−−39%
35°以上50°以下−−26%
40°以上50°以下−− 8%
15°以下−−−−−−−33%
35°以上60°以下−−26%
40°以上60°以下−− 8%
α°以上α°+10°以下の割合の最大値:
31%(α°=31°)
谷部傾斜角:31°
(領域B:領域A以外の領域)
外方へ凸の曲線
傾斜角度絶対値の度数分布:
30°以上50°以下−−29%
谷部傾斜角:12°
全ての一次光源を点灯し面光源装置を発光させて有効発光領域の輝度むらを判定したところ、図27の暗部、図29の筋状の輝線、図30の光源同士の分布重なりによる明部及び図32の筋状の輝線のいずれも観察されなかった。
【0144】
[実施例3]
第1の金型のブラスト処理を、先ず長さ34mmの辺から3.0mmまでの領域を除いた領域に対して吹付け圧力3kgf/cm2 で行ない、次いで同じ長さ34mmの辺から8.0mmの領域を除いた面に対して吹付け圧力4kgf/cm2 〜6kgf/cm2 の範囲内で変化させて行ない、また第2の金型のブラスト処理を長さ34mmの辺から3.0mm〜8.0mmまでの領域を除く領域に対して行なうこと以外は、実施例2と同様にして実施した。
【0145】
得られた導光体の光出射面の平均傾斜角は、光入射端面から3.0mmまでの領域では0°であり、光入射端面から3.0mm〜8.0mmまでの領域では2.0°であり、それ以外の領域では2.5°〜3.5°で有効発光領域中央部が最大であった。
【0146】
得られた導光体のレンズ列形成面の断面形状は、次のとおりであった。
【0147】
(領域A:光入射端面から3.0mmまでの領域)
外方へ凸の曲線
傾斜角度絶対値の度数分布:
20°以上50°以下−−67%
25°以上50°以下−−51%
30°以上50°以下−−39%
35°以上50°以下−−26%
40°以上50°以下−− 8%
15°以下−−−−−−−33%
35°以上60°以下−−26%
40°以上60°以下−− 8%
α°以上α°+10°以下の割合の最大値:
31%(α°=31°)
谷部傾斜角:31°
(領域B:領域A以外の領域)
外方へ凸の曲線
傾斜角度絶対値の度数分布:
30°以上50°以下−−29%
谷部傾斜角:12°
全ての一次光源を点灯し面光源装置を発光させて有効発光領域の輝度むらを判定したところ、図27の暗部、図29の筋状の輝線、図30の光源同士の分布重なりによる明部及び図32の筋状の輝線のいずれも観察されなかった。
【0148】
[実施例4]
鏡面仕上げをした有効面積65mm×65mm、厚さ3mmのステンレススチール板の表面を、粒径53μm以下のガラスビーズ(不二製作所社製FGB−400)を用いて、ステンレススチール板から吹付けノズルまでの距離を32cmとして、吹付け圧力4kgf/cm2 〜6kgf/cm2 で、一辺から5.0mmまでの領域を除いた領域に対してブラスト処理を行って、部分的に粗面化した。これにより、部分的に粗面の形状転写面を有する第1の金型を得た。
【0149】
一方、鏡面仕上げをした有効面積65mm×65mm、厚さ3mmの真鍮板の表面に、ピッチ50μmのレンズ列を一辺に平行に連設した実施例1とは異なる形状の対称的レンズパターンを切削加工により形成した。これにより、レンズパターンの形状転写面(凹状曲面)を有する第2の金型を得た。
【0150】
以上の第1の金型及び第2の金型を用いて射出成形を行い、一辺65mmの長方形で、厚さが長辺に沿って0.9mm(非粗面化側端部)〜0.7mm(粗面化側端部)と変化するくさび形状であり、一方の主面が平均傾斜角2.5°〜3.5°の粗面部分と平坦面部分とからなる光出射面であり、他方の主面がレンズ列形成面からなる透明アクリル樹脂板を作製した。
【0151】
この透明アクリル樹脂板の厚さ0.9mmの辺側の端面に対してサンドペーパーを用いて異方性粗面化処理を行なって、主面に沿った方向の平均傾斜角が4°(傾き角8°以上の領域の割合が0.5%)で主面に略直交する方向の平均傾斜角が0.3°の光入射端面を形成した。
【0152】
導光体の厚さ0.9mmの辺側の端面(光入射端面)に対向するようにして、7個のLED(日亜化学工業社製NSCW215biR)を8.5mmの間隔で配置した。この導光体のレンズ列形成面側には光散乱反射シート(辻本電機製作所社製SU−119)を配置し、光出射面側には頂角65°でピッチ50μmのプリズム列が多数並列に形成されたプリズムシート(三菱レイヨン社製M165)を、そのプリズム形成面が対向するように配置し、面光源装置を作製した。
【0153】
この面光源装置は、液晶表示素子と組み合わせて、有効発光領域の寸法が60mm×60mmで、導光体光入射端面から有効発光領域までの距離が5.5mmの液晶表示装置を構成するためのものであり、必要な広がり角は75°であった。
【0154】
得られた導光体の光出射面の平均傾斜角は、光入射端面から5.0mmまでの領域では0°であり、それ以外の領域では2.5°〜3.5°で有効発光領域中央部が最大であった。
【0155】
得られた導光体のレンズ列形成面の断面形状は、次のとおりであった。
【0156】
外方へ凸の曲線
傾斜角度絶対値の度数分布:
20°以上50°以下−−63%
25°以上50°以下−−55%
30°以上50°以下−−46%
35°以上50°以下−−36%
40°以上50°以下−−25%
15°以下−−−−−−−30%
35°以上60°以下−−36%
40°以上60°以下−−25%
α°以上α°+10°以下の割合の最大値:
37%(α°=34°)
谷部傾斜角:42°
中央の一次光源のみ点灯時の輝度分布半値幅距離は、9mmであった。
【0157】
全ての一次光源を点灯し面光源装置を発光させて有効発光領域の輝度むらを判定したところ、図27の暗部、図29の筋状の輝線、図30の光源同士の分布重なりによる明部及び図32の筋状の輝線のいずれも観察されなかった。
【0158】
[実施例5]
第2の金型の対称的レンズパターンの形状転写面として実施例1のブラストを行なう前と同一の形状のものを使用し、第2の金型の一辺から4.0mmまでの領域を除く領域に対して、粒径53μm以下のガラスビーズ(不二製作所社製FGB−400)を用いて吹付け圧力2.0kgf/cm2 で32cmの距離からブラスト処理を行って、レンズ列形成面を一部粗面化すること以外は、実施例4と同様にして実施した。
【0159】
得られた導光体の光出射面の平均傾斜角は、光入射端面から5.0mmまでの領域では0°であり、それ以外の領域では2.5°〜3.5°で有効発光領域中央部が最大であった。
【0160】
得られた導光体のレンズ列形成面の断面形状は、次のとおりであった。
【0161】
(領域A:光入射端面から4.0mmまでの領域)
外方へ凸の曲線
傾斜角度絶対値の度数分布:
20°以上50°以下−−67%
25°以上50°以下−−51%
30°以上50°以下−−39%
35°以上50°以下−−26%
40°以上50°以下−− 8%
15°以下−−−−−−−33%
35°以上60°以下−−26%
40°以上60°以下−− 8%
α°以上α°+10°以下の割合の最大値:
31%(α°=31°)
谷部傾斜角:31°
(領域B:領域A以外の領域)
外方へ凸の曲線
傾斜角度絶対値の度数分布:
30°以上50°以下−−26%
谷部傾斜角:12°
全ての一次光源を点灯し面光源装置を発光させて有効発光領域の輝度むらを判定したところ、図27の暗部、図29の筋状の輝線、図30の光源同士の分布重なりによる明部及び図32の筋状の輝線のいずれも観察されなかった。
【0162】
[実施例6]
対称的レンズパターンの形状転写面(凹状曲面)の形状を変更すること以外は、実施例4と同様にして実施した。
【0163】
得られた導光体の光出射面の平均傾斜角は、光入射端面から5.0mmまでの領域では0°であり、それ以外の領域では2.5°〜3.5°で有効発光領域中央部が最大であった。
【0164】
得られた導光体のレンズ列形成面の断面形状は、次のとおりであった。
【0165】
外方へ凸の曲線
傾斜角度絶対値の度数分布:
20°以上50°以下−−61%
25°以上50°以下−−38%
30°以上50°以下−−26%
35°以上50°以下−−19%
40°以上50°以下−−10%
15°以下−−−−−−−33%
35°以上60°以下−−19%
40°以上60°以下−−10%
α°以上α°+10°以下の割合の最大値:
35%(α°=25°)
谷部傾斜角:12°
全ての一次光源を点灯し面光源装置を発光させて有効発光領域の輝度むらを判定したところ、図27の暗部、図29の筋状の輝線、図30の光源同士の分布重なりによる明部及び図32の筋状の輝線のいずれも観察されなかった。
【0166】
[実施例7]
第1の金型に対して部分的ブラスト処理を行なう代わりに、同一の領域を切削加工して、頂角168°で長さ34mmの辺と平行な方向のプリズム列をピッチ30μmで多数形成するための転写構造を形成し、また対称的レンズパターンの形状転写面の形状[領域Bに対応する部分]を変更すること以外は、実施例1と同様にして実施した。
【0167】
得られた導光体の光出射面の平均傾斜角は、光入射端面から3.5mmまでの領域では0°であり、それ以外の領域では6.0°であった。
【0168】
得られた導光体のレンズ列形成面の断面形状は、次のとおりであった。
【0169】
(領域A:光入射端面から3.5mmまでの領域)
外方へ凸の曲線
傾斜角度絶対値の度数分布:
20°以上50°以下−−67%
25°以上50°以下−−51%
30°以上50°以下−−39%
35°以上50°以下−−26%
40°以上50°以下−− 8%
15°以下−−−−−−−33%
35°以上60°以下−−26%
40°以上60°以下−− 8%
α°以上α°+10°以下の割合の最大値:
31%(α°=31°)
谷部傾斜角:31°
(領域B:領域A以外の領域)
略五角形状(図19に示される形状)
傾斜角度絶対値の度数分布:
30°以上50°以下−−85%
谷部傾斜角:43°
全ての一次光源を点灯し面光源装置を発光させて有効発光領域の輝度むらを判定したところ、図27の暗部、図29の筋状の輝線、図30の光源同士の分布重なりによる明部及び図32の筋状の輝線のいずれも観察されなかった。
【0170】
[実施例8]
導光体光入射端面から有効発光領域までの距離が2.8mmの液晶表示装置を構成するため、必要な広がり角122°とすること、及び、第1の金型のブラスト処理を長さ34mmの辺から2.0mmまでの領域を除いた領域に対して吹き付け圧力4kgf/cm2 〜6kgf/cm2 の範囲内で変化させて行ない、このブラスト処理しなかった領域にエッチングにて頂角130°でX方向に対し左右に55°傾斜した方向の斜めプリズム列形成のための転写パターンを形成すること以外は、実施例1と同様にして実施した。
【0171】
得られた導光体の光出射面の斜めプリズム部以外の平均傾斜角は、光入射端面から2.0mmまでの領域では0°であり、それ以外の領域では2.5°〜3.5°で有効発光領域中央部が最大であった。
【0172】
得られた導光体のレンズ列形成面の断面形状は、次のとおりであった。
【0173】
(領域A:光入射端面から3.5mmまでの領域)
外方へ凸の曲線
傾斜角度絶対値の度数分布:
20°以上50°以下−−67%
25°以上50°以下−−51%
30°以上50°以下−−39%
35°以上50°以下−−26%
40°以上50°以下−− 8%
15°以下−−−−−−−33%
35°以上60°以下−−26%
40°以上60°以下−− 8%
α°以上α°+10°以下の割合の最大値:
31%(α°=31°)
谷部傾斜角:31°
(領域B:領域A以外の領域)
外方へ凸の曲線
傾斜角度絶対値の度数分布:
30°以上50°以下−−26%
谷部傾斜角:12°
全ての一次光源を点灯し面光源装置を発光させて有効発光領域の輝度むらを判定したところ、図27の暗部、図29の筋状の輝線、図30の光源同士の分布重なりによる明部及び図32の筋状の輝線のいずれも観察されなかった。
【0174】
[実施例9]
対称的レンズパターンの形状転写面(凹状曲面)の形状を変更すること以外は、実施例4と同様にして実施した。
【0175】
得られた導光体の光出射面の平均傾斜角は、光入射端面から5.0mmまでの領域では0°であり、それ以外の領域では2.5°〜3.5°で有効発光領域中央部が最大であった。
【0176】
得られた導光体のレンズ列形成面の断面形状は、次のとおりであった。
【0177】
外方へ凸の曲線
傾斜角度絶対値の度数分布:
20°以上50°以下−−22%
25°以上50°以下−−0%
30°以上50°以下−−0%
35°以上50°以下−−0%
40°以上50°以下−−0%
15°以下−−−−−−−70%
35°以上60°以下−−0%
40°以上50°以下−−0%
α°以上α°+10°以下の割合の最大値:
40%(α°=10°)
谷部傾斜角:23°
全ての一次光源を点灯し面光源装置を発光させて有効発光領域の輝度むらを判定したところ、図27の暗部、図29の筋状の輝線、図30の光源同士の分布重なりによる明部及び図32の筋状の輝線のいずれも観察されなかった。
【0178】
[実施例10]
導光体光入射端面から有効発光領域までの距離が5.5mmの液晶表示装置を構成するため、必要な広がり角85°とすること、及び、対称的レンズパターンの形状転写面(凹状曲面)の形状を変更し、第1の金型のブラスト処理を長さ34mmの辺から5.0mmまでの領域を除いた領域に対して行ない、第2の金型のブラスト処理を行なわないこと以外は、実施例2と同様にして実施した。
【0179】
得られた導光体の光出射面の平均傾斜角は、光入射端面から5.0mmまでの領域では0°であり、それ以外の領域では2.5°〜3.5°で有効発光領域中央部が最大であった。
【0180】
得られた導光体のレンズ列形成面の断面形状は、次のとおりであった。
【0181】
外方へ凸の曲線
傾斜角度絶対値の度数分布:
20°以上50°以下−−59%
25°以上50°以下−−39%
30°以上50°以下−−18%
35°以上50°以下−−11%
40°以上50°以下−− 0%
15°以下−−−−−−−40%
35°以上60°以下−−11%
40°以上60°以下−− 0%
α°以上α°+10°以下の割合の最大値:
20%(α°=21°)
谷部傾斜角:21°
全ての一次光源を点灯し面光源装置を発光させて有効発光領域の輝度むらを判定したところ、図27の暗部、図29の筋状の輝線、図30の光源同士の分布重なりによる明部及び図32の筋状の輝線のいずれも観察されなかった。
【0182】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、面光源装置の低消費電力化のための少ない数の点状一次光源の使用に伴う輝度むらを解消して、高品位の面光源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による面光源装置を示す分解斜視図である。
【図2】本発明による導光体を一次光源とともに示す底面図である。
【図3】光偏向素子による光偏向の様子を示す図である。
【図4】本発明による導光体を一次光源とともに示す底面図である。
【図5】本発明による導光体のレンズ列の断面形状の一例を示す図である。
【図6】本発明による導光体のレンズ列の断面形状の特定のための傾斜角度の度数分布の算出方法の説明図である。
【図7】傾斜角度の度数分布の一例を示す図である。
【図8】本発明による導光体の非対称レンズ列の断面形状の特定のための傾斜角度の度数分布の算出方法の説明図である。
【図9】本発明による導光体の不規則形状の凹凸構造列の断面形状の特定のための傾斜角度の度数分布の算出方法の説明図である。
【図10】本発明による導光体を一次光源とともに示す底面図である。
【図11】本発明による面光源装置の法線輝度分布の測定方法を示す模式的平面図である。
【図12】法線輝度分布の例を示す図である。
【図13】複数の一次光源の使用に基づく輝度分布の例を示す図である。
【図14】必要な広がり角の説明図である。
【図15】本発明による導光体を一次光源とともに示す底面図である。
【図16】本発明による導光体のレンズ列の断面形状の一例を示す図である。
【図17】本発明による導光体のレンズ列の断面形状の一例を示す図である。
【図18】本発明による導光体のレンズ列の断面形状の一例を示す図である。
【図19】本発明による導光体のレンズ列の断面形状の一例を示す図である。
【図20】本発明による導光体のレンズ列の断面形状の一例を示す図である。
【図21】本発明による導光体を一次光源とともに示す平面図である。
【図22】本発明による導光体を一次光源とともに示す平面図である。
【図23】本発明による導光体を一次光源とともに示す平面図である。
【図24】本発明による導光体を一次光源とともに示す部分分解斜視図である。
【図25】本発明による面光源装置を示す斜視図である。
【図26】本発明による面光源装置を示す断面図である。
【図27】面光源装置における輝度むらの発生を説明するための模式図である。
【図28】面光源装置における輝度むらの例を示す図である。
【図29】面光源装置における輝度むらの発生を説明するための模式図である。
【図30】面光源装置における輝度むらの発生を説明するための模式図である。
【図31】面光源装置における輝度むらの例を示す図である。
【図32】面光源装置における輝度むらの発生を説明するための模式図である。
【図33】面光源装置における輝度むらの例を示す図である。
【図34】本発明による面光源装置における輝度分布の例を示す図である。
【図35】本発明による面光源装置を使用した液晶表示装置の模式的部分分解断面図である。
【符号の説明】
2 LED
4 導光体
41 光入射端面
43 光出射面
43a プリズム列
44 レンズ列形成面
44a レンズ列
6 光偏向素子
61 入光面
61a レンズ列
62 出光面
8 光反射素子
10 光拡散性反射シート
50 斜めレンズ列
52 ドットパターン
F 有効発光領域
Claims (5)
- 一次光源(2)から発せられる光を導光し、且つ前記一次光源(2)から発せられる光が入射する光入射端面(41)及び導光される光が出射する光出射面(43)を有する板状の導光体(4)であって、
前記光出射面(43)及びその反対側の裏面のうちの一方に、前記光出射面(43)に沿った面内での前記導光体(4)に入射した光の指向性の方向にほぼ沿って延び、且つ互いに略平行に配列された複数の凹凸構造列(44a)が形成されており、少なくとも前記一次光源(2)の近傍において、前記複数の凹凸構造列(44a)のその延在方向と直交する断面形状は、その各微小領域での接線と前記凹凸構造列形成面(44)とのなす傾斜角度の絶対値が20°以上50°以下の角度成分の存在割合が10%以上であり、少なくとも前記一次光源(2)の近傍において、0°以上80°以下の全ての角度α°について、前記傾斜角度の絶対値がα°以上α°+10°以下の角度成分の存在割合が60%以下であることを特徴とする面光源装置用導光体(4)。 - 少なくとも前記一次光源(2)の近傍において、前記傾斜角度の絶対値が35°以上60°以下の角度成分の存在割合が4%以上55%以下であるか、または前記傾斜角度の絶対値が15°以下の角度成分の存在割合が25%以上85%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の面光源装置用導光体(4)。
- 前記凹凸構造列形成面(44)は、前記一次光源(2)の近傍に位置し前記凹凸構造列(44a)が形成された領域Aと、該領域Aに近接して位置し前記凹凸構造列(44a)が形成された領域Bとを有しており、前記領域Aと前記領域Bとで前記断面形状が異なることを特徴とする、請求項1または2に記載の面光源装置用導光体(4)。
- 前記凹凸構造列形成面(44)は、金型の凹凸構造列形状転写面の一部または全部をブラスト処理し、前記金型を用いた成形により前記凹凸構造列形状転写面を転写して得られたものであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の面光源装置用導光体(4)。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の面光源装置用導光体(4)と、該導光体(4)の前記光入射端面(41)に隣接して配置されている前記一次光源(2)と、前記導光体(4)の光出射面(43)に隣接して配置されている少なくとも1つの光偏向素子(6)とを備えており、該光偏向素子(6)は、前記導光体(4)の光出射面(43)に対向して位置する入光面(61)とその反対側の出光面(62)とを有しており、前記導光体(4)に隣接する光偏向素子(6)の前記入光面(61)に、前記導光体(4)の光入射端面(41)の形成されている入射端縁と略平行の方向に延び且つ互いに平行な複数のレンズ列(61a)を備えていることを特徴とする面光源装置。
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