JP4322185B2 - 分光分析装置用の受光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被計測物からの光を導入する光導入部、及び、その光導入部により導入される光を分光する分光部が、取付用基板の裏側に並べた状態で、且つ、前記光導入部の光入射部を前記取付用基板の表側に向けた状態で前記取付用基板に取り付けられた分光分析装置用の受光装置に関する。
かかる分光分析装置用の受光装置(以下、単に受光装置と称する場合がある)は、例えば、蜜柑、りんご等の農産物の糖度、酸度等の内部品質情報を計測するように構成した分光分析装置用の受光装置として用いられるものであり、その分光分析装置は、投光部にて、被計測物にその内部品質情報計測用の光を投射し、受光装置にて、投光部から光が投射された被計測物からの光(透過光又は反射光)を分光して分光スペクトルデータを計測し、制御部にて、受光装置にて計測した分光スペクトルデータに基づいて被計測物の内部品質情報を求めるように構成してある。
受光装置では、光導入部にて、被計測物からの光を光入射部を通じて導入し、その導入した光を分光部にて分光し、その分光した光を計測部にて計測して分光スペクトルデータを得るようになっている。
そして、被計測物からの光を適切に光導入部にて導入して分光部に入射させる必要があることから、光導入部及び分光部を、十分な強度を有する取付用基板の裏側に並べた状態で且つ光導入部の光入射部を取付用基板の表側に向けた状態で取付用基板に取り付けて、光導入部と分光部との間での光軸のずれを抑制するようにしてある(例えば、特許文献1参照。)。
前記特許文献1には明確に記載されていないが、従来では、分光部はその一側面の全面を取付用基板に当て付けた状態で取付用基板に取り付けていた。
特開2004−163369号公報
ところで、このような受光装置は、被計測物からの光を光入射部に入射させるために、取付用基板の表側を被計測物に向けた姿勢で配置することになり、その取付用基板は、投光部から投射された光や投光部から被計測物に投射されて被計測物の表面で乱反射した光や被計測物を透過した光を受けて昇温することになる。
しかしながら、従来では、上述のように、分光部をその一側面の全面を取付用基板に当て付けた状態で取付用基板に取り付けていることから、取付用基板が昇温すると、その取付用基板からの伝熱により、分光部が昇温することになって分光部の温度変動が大きくなり、分光スペクトルデータの計測精度が低下することとなっていた。
説明を加えると、分光部では、例えば反射鏡、回折格子等の部材からなる光学系にて、光導入部から導入された光を分光する状態で所定の光路にて導いて計測部に投射させることになるが、分光部の温度変動が大きくなると、その温度変動に伴う熱歪により、分光部の光路がずれたり、その光路と計測部との相対位置関係がずれたりして、分光スペクトルデータの計測精度が低下することになるのである。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、分光スペクトルデータの計測精度を向上し得る分光分析装置用の受光装置を提供することにある。
本発明の分光分析装置用の受光装置は、被計測物からの光を導入する光導入部、及び、その光導入部により導入される光を分光する分光部が、取付用基板の裏側に並べた状態で、且つ、前記光導入部の光入射部を前記取付用基板の表側に向けた状態で前記取付用基板に取り付けられたものであって、
第1特徴構成は、前記分光部の分光部基板と前記取付用基板との間にその分光部基板よりも平面積が小さい断熱板を介在させて、前記分光部基板における前記断熱板が重なる部分以外の部分と前記分光部基板との間に間隙を開けた状態で、前記分光部基板を前記取付用基板に取り付けることで、前記分光部が、熱伝導が抑制される状態で前記取付用基板に取り付けられている点を特徴とする。
即ち、分光部が、熱伝導が抑制される状態で取付用基板に取り付けられていることから、取付用基板が被計測物の表面で乱反射した光や被計測物を透過した光を受けて昇温しても、その取付用基板から分光部への熱伝導が抑制されるので、取付用基板の温度変動に起因した分光部の温度変動を抑制することが可能となる。
そして、分光部の温度変動を抑制することが可能となることにより、分光部の反射鏡、回折格子等の部材からなる光学系においてその光路で隣接する部材同士の相対位置関係のズレを抑制して、光路のズレを抑制することが可能となり、分光部における分光精度を向上することが可能となる。
従って、分光部における分光精度を向上することが可能となるので、分光スペクトルデータの計測精度を向上し得る分光分析装置用の受光装置を提供することができるようになった。
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記分光部を収納する分光部ケーシングに、前記分光部にて分光された光を計測する計測部が一体的に組み付けられている点を特徴とする。
即ち、分光部を収納する分光部ケーシングに、分光部にて分光された光を計測する計測部が一体的に組み付けられているので、取付用基板の温度変動に起因した分光部の光学系と計測部との間の相対位置関係のズレを抑制することが可能となる。
そして、分光部の光学系と計測部との間の相対位置関係のズレを抑制することが可能となることにより、光学系にて光を分光する状態で計測部に投射するように案内する光路と計測部との相対位置関係のズレを抑制することが可能となる。
従って、分光部の光路と計測部との相対位置関係のズレをも抑制することが可能となるので、分光部の分光スペクトルデータの計測精度を一段と向上することができるようになった。
第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、
前記光導入部及び前記分光部を覆う覆い体が前記取付用基板に取り付けられて、前記取付用基板と前記覆い体とから本体ケーシングが構成され、
前記計測部の作動を制御する計測制御部が、前記本体ケーシング内に、前記分光部における前記取付用基板の存在側とは反対側に位置させて設けられ、
前記本体ケーシング内における前記分光部が配設された領域に、前記光導入部と前記分光部との並び方向に交差する方向に向けて温調用空気を通風する温調式通風手段が設けられ、
前記本体ケーシング内における前記光導入部が配設された領域に対して通風作用する循環用通風手段が、前記本体ケーシング内に設けられている点を特徴とする。
即ち、温調式通風手段により、本体ケーシング内における分光部が配設された領域に、光導入部と分光部との並び方向に交差する方向に向けて温調用空気が通風されるので、その温調用空気が、分光部における取付用基板の存在側とは反対側に設けられている計測制御部に通風されることになり、計測制御部の温度変動が抑制される。
そして、計測制御部の温度変動が抑制されるので、計測部による分光スペクトルの計測誤差を抑制することが可能となる。
又、循環用通風手段が、本体ケーシング内における光導入部が配設された領域に対して通風作用するので、その通風作用に伴って、温調式通風手段により通風される温調用空気を、本体ケーシング内における光導入部が配設された領域に流動させるようにすることが可能となって、その領域内の空気が混合、攪拌され、その領域内の温度変動が抑制されると共に、温度分布が均等化される。
そして、本体ケーシング内における光導入部が配設された領域内の温度変動が抑制されると共に、温度分布が均等化されることにより、光導入部における光を導くための光路の変動を抑制することが可能となるので、光導入部により被計測物からの光を適切に分光部に入射させることができるようになり、分光部における被計測物からの光の分光精度を向上することが可能となる。
従って、分光部における被計測物からの光の分光精度を向上することができると共に、計測部による分光スペクトルの計測誤差を抑制することが可能となるので、分光スペクトルデータの計測精度をより一層向上するようにする上で好ましい手段を提供することができるようになった。
第4特徴構成は、上記第3特徴構成に加えて、
前記光導入部から前記分光部への光の導入を許容する開放状態と阻止する遮蔽状態とに切り換え自在なシャッタ手段が設けられ、
前記循環用通風手段が、前記シャッタ手段に対して通風作用するように構成されている点を特徴とする。
即ち、シャッタ手段が開放状態に切り換えられると、光導入部により被計測物からの光が分光部に導入されて、計測部により被計測物からの光の分光スペクトルデータが計測され、シャッタ手段が遮蔽状態に切り換えられると、分光部への光の導入が阻止されて、計測部により、無光状態でのデータ(例えば、暗電流)が計測される。
又、循環用通風手段が、シャッタ手段に対して通風作用するので、その通風作用によりシャッタ手段が冷却される。
つまり、このような受光装置では、分光分析装置における分析精度(例えば、被計測物の内部品質情報の計測精度)を向上するために、光導入部から分光部への光の導入を許容する開放状態と阻止する遮蔽状態とに切り換え自在なシャッタ手段を設けて、そのシャッタ手段の切り換えにより、被計測物からの光の分光スペクトルデータに加えて、無光状態でのデータも計測して、それら被計測物からの光の分光スペクトルデータと無光状態でのデータとに基づいて、分光分析を精度良く行うことが可能なように構成してある。
そして、そのようなシャッタ手段は、開放状態においては光が通過し、遮蔽状態においては光が当たることにより、昇温するので、循環用通風手段をシャッタ手段に対して通風作用させるようにして、シャッタ手段を冷却することにより、シャッタ手段周辺で局部的に高温域が発生するのを回避して、本体ケーシング内における光導入部が配設された領域の温度分布をより一層均等化して、分光スペクトルデータの計測精度を向上することが可能となる。
従って、昇温し易いシャッタ手段を分光分析装置における分析精度を向上すべく受光装置に設けながらも、受光装置の本体ケーシング内における光導入部が配設された領域の温度分布をより一層均等化して、分光スペクトルデータの計測精度を向上することができるので、分光分析装置における分析精度をより一層向上し得る分光分析装置用の受光装置を提供することができるようになった。
第5特徴構成は、上記第3又は第4特徴構成に加えて、
前記温調式通風手段にて通風される温調用空気が前記分光部側に流動するのを遮蔽する遮風体が設けられ、
前記計測部が、前記遮風体の内方に位置する状態で前記分光部の側方に設けられている点を特徴とする。
即ち、遮風体により、温調式通風手段にて通風される温調用空気が計測部に直接当たるのが防止されるので、計測部の温度変動が抑制される。
つまり、温調式通風手段により温調用空気を通風して、計測部の作動を制御する計測制御部の温度変動を抑制するようにするに当たっては、計測制御部の温度変動を抑制するために、温調式通風手段により、温度を変更調節して温調用空気を通風することになるが、そのように温度が変更調節される温調用空気が直接計測部に当たると、計測部の温度変動が大きくなって、分光スペクトルデータの計測精度が低下する虞がある。
そこで、遮風体により、温調式通風手段により通風される空気が直接計測部に当たるのを防止することにより、計測部の温度変動を抑制することが可能となるので、分光スペクトルデータの計測精度を向上することが可能となるのである。
従って、分光スペクトルデータの計測精度をより一層向上するようにする上で好ましい手段を提供することができるようになった。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
先ず、本発明に係る分光分析装置用の受光装置を備えた分光分析装置について説明する。
この分光分析装置は、蜜柑等の果菜類の如き被計測物の糖度や酸度等の内部品質を計測するものであり、図1及び図2に示すように、被計測物Mを受皿4tに載置支持した状態で計測箇所Pを経由して搬送する搬送コンベア4と、前記計測箇所Pの水平方向両横側方に振り分けた配置した投光部1及び前記受光装置としての受光部2と、分光分析装置の運転の制御及び被計測物Mの内部品質情報を求める制御部3等を備えて構成されている。
以下、分光分析装置の各部について説明を加える。
先ず、搬送コンベア4について、説明を加える。
図1及び図2に示すように、搬送コンベア4は、無端回動チェーン(図示省略)に設定間隔をあけて被計測物載置用の前記受皿4tを取り付けて回動駆動する構成となっており、被計測物Mをそれら複数の受皿4tに載置した状態で、計測箇所Pを順次通過していくように一列で縦列状に搬送するように構成されている。
次に、前記投光部1の構成について詳細に説明する。
図3ないし図6に示すように、この投光部1は、ハロゲンランプからなる光源5からの光を被計測物に投射するように導く導光部G(導光手段に相当する)、その導光部Gの光路に位置させる光通過用開口6の開口面積をステッピングモータにて構成される開口調節用電動モータ7(駆動手段に相当する)による絞り板8(開口面積変更用可動体に相当する)の移動操作により変更して、被計測物に投射される光の投射範囲を変更調節する投射範囲調節部A(投射範囲調節手段に相当する)、及び、冷却用送風機10等を投光部ケーシング11内に設けて構成してある。
そして、詳細は後述するが、開口調節用電動モータ7と絞り板8とを熱伝導が抑制される状態で連動連結してある。
前記光源5は搬送コンベア4による搬送方向に沿って離間させて2台備え、その2台の光源5に各別に対応する2台の前記導光部Gを、それら2台の導光部Gにて形成される2本の光路が計測箇所Pに位置する被計測物Mの表面部又はその近傍にて交差するように設けてある。
各導光部Gは、光源5が発光する光を反射させて被計測物Mの表面に焦点を合わせるための凹面形状の光反射板12、その光反射板12にて集光された光源5からの光を平行光に変更させるコリメータレンズ13、平行光に変化した光を反射して屈曲させる反射板14、この反射板14にて反射された光を集光させる集光レンズ15を備えて構成してある。
前記投射範囲調節部Aも、前記2台の導光部Gに各別に対応させる状態で2台設けてある。
そして、各投射範囲調節部Aは、前記光通過用開口6として、開口面積が最大の円形の最大光通過用開口6bと、その最大光通過用開口6bよりも開口面積が小さい円形の絞り用光通過用開口6sとの2個を備えるように構成してある。
つまり、各投射範囲調節部Aは、前記最大光通過用開口6bを備えてその最大光通過用開口6bを光路に位置させる状態で固定設置した開口形成部材9と、前記絞り用光通過用開口6sを備えた前記絞り板8とを備えて構成してあり、その絞り板8は、後述するように、その絞り用光通過用開口6sを前記光路に位置させる絞り照射位置、及び、前記最大光通過用開口6bに重ならない最大投射位置に移動自在に構成してある。
2枚の前記開口形成部材9は、夫々の最大光通過用開口6bが夫々に対応する光反射板12にて集光される光の焦点位置近くに位置する状態で、互いに対向するように設けてある。
又、2枚の前記絞り板8は、夫々が開口形成部材9における光路下手側、即ち、光源5側とは反対側に近接し、且つ、同軸の揺動軸心にて揺動自在な状態で、互いに対向するように設けてある。
そして、図5に示すように、1台の前記開口調節用電動モータ7を互いに対向する2枚の絞り板8の中間に配設して、2枚の絞り板8夫々を1台の開口調節用電動モータ7に伝動軸Sにより連動連結してある。
そして、開口調節用電動モータ7を回動駆動させることにより2枚の絞り板8を一体的に揺動操作して、各絞り板8を、その絞り用光通過用開口6sを前記光路に位置させる絞り投射位置(図4ないし図6参照)と、前記最大光通過用開口6bに重ならない最大投射位置(図3参照)と、絞り用光通過用開口6sが形成されていない部分が最大光通過用開口6bに重なって光の通過を遮断する遮光位置(図示省略)の3位置に位置切り換えするように構成してある。
つまり、この実施形態では、前記投射範囲調節部Aを、投光部1から計測対象Pに位置する被計測物に投射される光の投射範囲を2段階に変更調節できるように構成してあり、更に、投光部1からの光が計測箇所Pに投射されるのを遮蔽する状態にも切り換え可能なように構成してある。
ちなみに、絞り板8を前記絞り投射位置に切り換えて、前記光路に絞り用光通過用開口6sを位置させる状態にすると、光が例えば10mmφ程度のスポットで被計測物に投射され、絞り板8を前記最大投射位置に切り換えて、前記光路に最大光通過用開口6bを位置させる状態にすると、光が例えば20mmφ程度のスポットで被計測物に投射されるように構成してある。
又、1台の開口調節用電動モータ7を、2台の投射範囲調節部A夫々の絞り板8を前記光路に位置させる光通過用開口6の開口面積を変更調節すべく揺動操作するように設けることにより、低廉化を図っている。
図5及び図7に示すように、各伝動軸Sは、金属製の棒状軸部分16と、その棒状軸部分16が挿入され且つその棒状軸部分16よりも大径の穴17hを備えた金属製の穴付き軸部分17と、その穴付き軸部分17に径方向内方に向けて捩じ込まれて、穴付き軸部分17の穴17hとそれに挿入された棒状軸部分16とを非接触状態で両者の相対移動が阻止されるように締結する2本の押さえネジ18とを備えて構成し、穴付き軸部分17の穴17hと棒状軸部分16が非接触状態となることにより、前記開口調節用電動モータ7と前記絞り板8との熱伝導が抑制されるように構成してある。
ちなみに、前記棒状軸部分16は、開口調節用電動モータ7の出力軸に取り付け、前記穴付き軸部分17は前記絞り板8に取り付けてある。
又、前記2本の押さえネジ18は、穴付き軸部分17に互いに対向する状態で捩じ込むようにしてある。
つまり、上述したように、開口調節用電動モータ7と絞り板8とを熱伝導が抑制される状態で連動連結してあり、光源5からの光の通過により絞り板8が昇温しても、その絞り板8から開口調節用電動モータ7への熱伝導が抑制されることとなり、絞り板8からの熱伝導に起因した開口調節用電動モータ7の加熱が抑制される。
更に、絞り板8を開口形成部材9における光源5側とは反対側に設けて、光源5からの光を開口形成部材9により遮ることにより、光源5からの光が絞り板8に投射されるのを抑制して絞り板8の昇温を抑制しているので、絞り板8からの熱伝導に起因した開口調節用電動モータ7の加熱がより一層抑制される。
図1ないし図6に示すように、前記投光部ケーシング11は、概ね直方体形状に構成してあり、その計測箇所Pの側の一側面を、詳細は後述するが、支持部材62に吊り下げ支持するための取付用基板11sにて構成してあり、その概ね直方体形状の投光部ケーシング11を、その取付用基板11sが垂直方向に沿う姿勢で取付用基板11sにて支持部材62に吊り下げ支持するようにしてある。
図5及び図6に示すように、前記2台の光源5は、投光部ケーシング11の底板11b上に、前述のように、前記搬送コンベア4による搬送方向に沿って離間させて設けてある。
前記投光部ケーシング11の底板11bにおける各光源5の下方に対応する2ヶ所には、吸気口11iを形成し、投光部ケーシング11の上壁11tには、2個の排気口11eを、前記搬送コンベア4による搬送方向に沿って離間させて形成してある。
前記冷却用送風機10として2台の冷却用送風機10を、夫々、各排気口11eの下方に各別に位置するように配設してある。
更に、各冷却用送風機10の下方には、外部光の入射を防止する遮光板19を配設してある。
前記2台の冷却用送風機10を通風作用させると、2個の吸気口11iから吸い込まれた冷却用空気が、投光部ケーシング11内を各光源5の配設領域を通過する状態で通流して、各排気口11eから排出される。
つまり、2台の光源5夫々を冷却用空気の通流経路に配設して、2台の光源5を効率良く冷却するように構成してある。
投光部ケーシング11をその取付用基板11sが垂直方向に沿う姿勢にて前記支持部材62に吊り下げ支持した状態において、前記反射板14は、コリメータレンズ13からの平行光を水平方向に対して斜め下向きに向けて反射するように垂直方向に対して下向きの傾斜状になるように配置し、前記集光レンズ15は、前記反射板14にて斜め下向きに反射される光を斜め下向きに向けて透過させて集光するように、垂直方向に対して斜め下向きの傾斜状になるように配置されている。
そして、投光部ケーシング11をその取付用基板11sが垂直方向に沿う姿勢にて支持部材62に吊り下げ支持した状態で、投光部1により光を斜め下向きに投射することができるように構成されている。
ちなみに、この実施形態では、前記投光部1により光を斜め下向きに投射するに当たって、その投射方向の水平方向に対する下向きの角度は7°程度に設定してある。
次に、図3、図9ないし図11に基づいて、受光部2の構成について説明する。
この受光部2は、被計測物Mからの光を導入する光導入部I、及び、その光導入部Iにより導入される光を分光する分光部としての分光器Bを、矩形状の取付用基板21の裏側に並べた状態で、且つ、光導入部Iの光入射部としての光入射筒24を取付用基板21の表側に向けた状態で取付用基板21に取り付けて構成してある。
それら光導入部I及び分光器Bを覆う覆い板22を前記取付用基板21に取り付けて、それら取付用基板21と覆い板22とから密閉状の本体ケーシング23を構成してある。
前記覆い板22は、取付用基板21における光導入部Iと分光器Bとの並び方向に沿う2辺の夫々から取付用基板21に直交する方向に夫々延びる2枚の側板部分22s、取付用基板21における光導入部I側の辺から取付用基板21に直交する方向に延びる底板部分22b、取付用基板21における分光器B側の箇所から取付用基板21に直交する方向に延びる上板部分22t、及び、取付用基板21に対向する状態で、前記2枚の側板部分22s、前記底板部分22b及び前記上板部分22tに連なる蓋板部分22cとから成る。
図3及び図9に基づいて、前記光導入部Iについて説明を加えると、この光導入部Iは、前記取付用基板21にその表側に向けて取り付けた前記光入射筒24、その光入射用筒24から入射する被計測物Mからの光を平行光にさせるように集光する集光レンズ25、その集光レンズ25にて平行光に変化した光のうち計測対象の波長領域(600nm〜1000nm)の範囲の光だけを反射し、それ以外の波長の光をそのまま通過させるバンドパスミラー26、バンドパスミラー26により反射された計測対象光を集光させる集光レンズ27、その集光レンズ27を通過した計測対象光をそのまま通過させる開放状態と、前記計測対象光の通過を阻止する遮蔽状態とに切り換え自在なシャッタ手段としてのシャッタ機構28、波長校正用のフィルターの切り換えを行うフィルター切り換え機構29等を備えて構成してある。
又、受光部2には、バンドパスミラー26をそのまま直進状態で通過した光の光量を検出する光量検出センサ30も備えてある。
前記分光器Bは、図8に示すように、前記光導入部Iにより導入される計測対象光を入射させる入射スリット31を備えた分光部ケーシングとしての暗箱32内に、前記入射スリット31から入射した計測対象光を集光する状態で反射する上手側凹面反射鏡33、その上手側凹面反射鏡33にて反射された計測対象光を複数の波長の光に分光する凹面回折格子34、及び、その凹面回折格子34によって分光された計測対象光を集光する状態で反射する下手側凹面反射鏡35を収納して構成してある。
図3、図8ないし図11に示すように、前記暗箱32は、概ね直方体形状であり、その一側面を形成する矩形状の分光器基板32k(分光部基板に相当)に、前記上手側凹面反射鏡33、前記凹面回折格子34、及び、前記下手側凹面反射鏡35を支持させ、前記暗箱32における前記本体ケーシング22の底板部分22bに対向する側板部分32bに、前記入射スリット31を備えてある。
そして、前記下手側凹面反射鏡35にて反射された各波長毎の光量を検出することにより分光スペクトルデータを計測する計測部としての受光センサ36を、前記暗箱32における前記本体ケーシング22の一方の側板部分22sに対向する側板部分32sに一体的に組み付けてある。
前記受光センサ36は、前記凹面回折格子34にて分光反射されて前記下手側凹面反射鏡35にて反射された光を同時に各波長毎に受光するとともに波長毎の信号に変換して出力する、1024画素の電荷蓄積型のCCDラインセンサにて構成してある。
図3、図9ないし図11に示すように、前記分光器Bは、前記受光センサ36を組み付けた側板部分32sを光導入部Iと分光器Bとの並び方向に交差する方向に向けた姿勢で、その分光器基板32kと本体ケーシング23の取付用基板21との間にその分光器基板32kよりも平面積が小さい断熱板37を介在させた状態で取付用基板21から分光器基板32kにわたって断熱板37を貫通する状態で複数のボルト(図示省略)を締め付けることにより、取付用基板21に取り付けてある。ちなみに、前記断熱板37は、フッ素樹脂(例えばPTFE)等の熱伝導率の小さい材料から成る。
つまり、分光器Bを、その分光器基板32kと前記取付用基板21との間にその分光器基板32kよりも平面積が小さい断熱板37を介在させて、分光器基板32kにおける断熱板37が重なる部分以外の部分と取付用基板21との間に間隔を開けた状態で、分光器基板32kを用いて取付用基板21に取り付けることにより、分光器Bを、熱伝導が抑制される状態で取付用基板21に取り付けてある。
前記受光センサ36の作動を制御する計測制御部38を、前記取付用基板21に立設した複数の制御部取付用シャフト39を用いて、本体ケーシング23内に、前記分光器Bにおける取付用基板21の存在側とは反対側に位置させて設けてある。
又、前記シャッタ機構28は、図8に示すように、放射状に複数のシャッタスリット28sが形成された円板28Aを、パルスモータ28Bによって縦軸芯周りで回転操作される状態で備えて構成してある。そして、前記シャッタスリット28sは前記暗箱32の入射スリット31と略同形状であり、そのシャッタスリット28sが入射スリット31に重なると光を通過させる開放状態となり、シャッタスリット28sの位置が入射スリット31からずれると光を遮断する遮断状態となるようになっている。
そして、前記シャッタ機構28は、光の漏洩がないように前記入射スリット31に対して円板28Aを密接状態で摺動する状態で、前記暗箱32における前記入射スリット31を備えた側板部分32bに支持させてある。
更に、図9に示すように、前記シャッタ機構28を上述のように前記暗箱32における前記入射スリット31を備えた側板部分32bに支持させるに当たっては、前記暗箱32の分光器基板32kと間隙40を有する状態で配置してある。
つまり、計測対象光の通過により昇温するシャッタ機構28から前記暗箱32の分光器基板32kへの伝熱を遮断して、その分光器基板32kの温度変化を抑制することにより、前記上手側凹面反射鏡33、前記凹面回折格子34、前記下手側凹面反射鏡35を経由して受光センサ36に至る光路における隣接するもの同士の相対位置関係のズレを抑制するようにして、分光スペクトルデータの計測精度を向上するようにしてある。
図10及び図11に示すように、前記覆い板22における2枚の側板部分22s夫々における前記計測制御部38に対向する部分に、温調式通風手段としての温調式通風部41を、温調用空気を前記計測制御部38に向けて、即ち、光導入部Iと分光器Bとの並び方向に交差する方向の内側に向けて通風するように設けてある。
つまり、2台の温調式通風部41により、本体ケーシング23内における分光器Bが配設された領域に、光導入部Iと分光器Bとの並び方向に交差する方向での両側から、光導入部Iと分光器Bとの並び方向に交差する方向の内側に向けて温調用空気を通風する構成としてある。
各温調式通風部41は、本体ケーシング23の内外にまたがる状態で前記本体ケーシング23の側板部分22sに設けてあり、その温調式通風部41は、ペルチエ素子(図示省略)を本体ケーシング23の内部空間と外部空間との間で熱移動させるように備えると共に、ペルチエ素子の本体ケーシング内部側の面から離れる方向に通風する空調用送風機42、ペルチエ素子の本体ケーシング外部側に熱移動対象の空気を供給する外部用送風機43、及び、温調式通風部41の運転を制御する制御回路(図示省略)等を備えて構成してある。
前記温調式通風部41のケーシング41kにおいて、前記本体ケーシング23内に位置する部分における互いに対向する両側壁部分の夫々に、吸気口41wを形成してあり、前記空調用送風機42の通風作用により、前記本体ケーシング23内の空気を両吸気口41wから前記ケーシング41k内に吸い込んで前記ペルチエ素子の温調域を通過させた後、分光器Bが配設された領域に吹き出すように構成してある。
そして、温調対象域(即ち、本体ケーシング23内における分光器Bが配設された領域)の温度を検出する温度センサ(図示省略)の検出温度が目標調節温度になるように、前記空調用送風機42にて通風する温調用空気の温度を調節すべく、前記制御回路により前記ペルチエ素子を作用させるように構成してある。
図10及び図11に示すように、前記本体ケーシング23内における前記底板部分22b側の部分に、循環用通風手段としての2台の循環用送風機44を、光導入部Iと分光器Bとの並び方向に交差する方向に並べて、夫々の送風方向を前記分光器B側に向けた状態で設けてある。
つまり、2台の循環用送風機44を、本体ケーシング23内における光導入部Iが配設された領域に対して通風するように設けてある。
前記分光器Bの暗箱32における前記受光センサ36を組み付けた側板部分32sの側の温調式通風部41にて通風される温調用空気が分光器Bの側に流動するのを遮蔽するように、遮風体45を、前記温調式通風部41の温調用空気吹き出し部分の前方に位置させて、前記取付用基板21に立設した複数の遮風体取付用シャフト46を用いて設けてある。
つまり、受光センサ36を、前記遮風体45の内方に位置する状態で、前記分光器Bの側方に設けてある。
図10及び図11において矢印にて示すように、上述のように構成した受光部2においては、前記2台の温調式通風部41により、本体ケーシング23内における分光器Bが配設された領域に、光導入部Iと分光器Bとの並び方向に交差する方向での両側から、光導入部Iと分光器Bとの並び方向に交差する方向の内側に向けて、前記領域の温度が目標調節温度になるように温調用空気が通風されるので、前記計測制御部38が前記目標調節温度になるように調節される。
又、そのように2台の温調式通風部41により温調用空気を通風するにしても、前記受光センサ36側の温調式通風部41の温調用空気吹き出し部分と受光センサ36との間を横切る形態で、遮風体45が設けられていて、温調式通風部41から吹き出された温調用空気が受光センサ36に当たるのが遮風体45により防止されるので、受光センサ36の温度変化を抑制することができて、内部品質情報の検出精度を向上することが可能となる。
又、前記2台の循環用送風機44を本体ケーシング23における光導入部Iが配設された領域に通風作用させることにより、前記2台の温調式通風部41により本体ケーシング23内における分光器Bが配設された領域に通風された温調用空気をシャッタ機構28が配設された領域を通過させて光導入部I側に向けて流動させながら、本体ケーシング23内の空気をその全域にわたって流動させるようにしてある。そのことにより、シャッタ機構28を効率良く冷却して、シャッタ機構28の周辺で局部的に高温域が発生するのを回避して、本体ケーシング23における光導入部Iが配設された領域内の温度変化を抑制すると共に、温度分布を均等化するように構成してある。つまり、前記2台の循環用送風機44が前記シャッタ機構28に対して通風作用するように構成してある。
そして、上述のように本体ケーシング23における光導入部Iが配設された領域の温度変化が抑制されることにより、被計測物Mからの光を前記光入射筒24、前記集光レンズ25、前記バンドパスミラー26、前記集光レンズ27、前記シャッタ機構28を経由して前記入射スリット31に導く光路における隣接するもの同士の相対位置関係のズレを抑制することができて、光導入部Iにより適切に分光器Bの入射スリット31に被計測物Mからの光を入射させることができるのである。
上述したように、前記受光部2は、それを構成する各部材が本体ケーシング23を用いてユニット状に組み立てられた構成となっている。
そして、前記受光部2は、本体ケーシング23の取付用基板21を用いて支持する状態で、設置対象箇所に設けるように構成してあり、この実施形態では、後述するように、取付用基板21にて支持部材63に吊り下げ支持するように構成してある。
そして、前記光導入部Iは、取付用基板21が垂直方向に沿う姿勢で本体ケーシング23が支持部材63に吊り下げ支持された状態で、被計測物Mからの透過光を受け入れる光軸が水平方向を向くように、前記取付用基板21に取り付けてある。
図1及び図2に示すように、投光部1と受光部2とが着脱自在に取り付けられる装置枠体Fを、計測箇所Pにおける搬送コンベア4の左右両側に相当する箇所を投光用箇所及び受光用箇所とするように、投光部1と受光部2に対する一対の取付部を備える状態で設けてある。
更に、前記装置枠体Fには、投光部1及び受光部2を一体的に上下方向に位置調節自在な上下位置調節機構51、及び、投光部1及び受光部2夫々を各別に装置枠体Fに対して計測箇所Pに位置する被計測物Mに接近並びに離間する方向、すなわち、水平方向であって搬送コンベア4の搬送方向と直交する方向に沿って位置調節自在な水平位置調節機構52を備えてある。
次に、前記上下位置調節機構51について説明する。
図1、図2及び図12に示すように、装置枠体Fの上部側箇所から位置固定状態で4本の固定支持棒53を垂下する状態で設け、これら4本の固定支持棒53の下端部には支持台54を取り付けてある。そして、この4本の固定支持棒53に対して4箇所の摺動支持部55により上下方向にスライド移動自在に昇降台56を支持してある。又、装置枠体Fの上部側箇所から垂下状態に支持した送りネジ57を電動モータ58にて回動自在に設け、昇降台56に備えた雌ネジ部材59がこの送りネジ57に螺合しており、送りネジ57を電動モータ58にて回動操作することで昇降台56を任意の位置に上下移動調節可能な構成となっている。尚、送りネジ57は手動操作ハンドル60でも回動自在に構成してある。
次に、水平位置調節機構52について説明する。
前記昇降台56には、図1、図2及び図12に示すように、投光部1と受光部2の並び方向に沿って延びる2本のガイド棒61を設けてあり、ユニット状に組み付けられた投光部1及び受光部2の夫々が着脱自在に取り付けられる一対の取付部としての支持部材62、63を各ガイド棒61にスライド移動自在に支持した構成となっている。前記各ガイド棒61は長手方向両端側で連結具64にて連結してある。又、前記昇降台56には、投光部1と受光部2の並び方向に沿って延びる2本の送りネジ65、66を夫々水平位置調整用電動モータ67、68によって回動操作可能に設け、各支持部材62、63に備えられた雌ネジ部69、70が各送りネジ65、66に螺合しており、電動モータ67、68にて前記各送りネジ65、67を各別に正逆回動させることで、前記各支持部材62、63を各別に搬送コンベア4の搬送方向と直交する水平方向に沿って位置調節可能な構成となっている。従って、各支持部材62、63に夫々各別に取り付けられる投光部1及び受光部2は電動モータ67、68にて前記各送りネジ65、66を各別に正逆回動させることで前記水平方向、すなわち、計測箇所Pに対して接近並びに離間する方向での相対位置を変更調節することが可能となる。
従って、上下位置調整用電動モータ58にて送りネジ57を回動操作させると昇降台56が昇降調節されるが、それに伴って昇降台56に支持されている投光部1及び受光部2を一体的に昇降調節することができ、前記各水平位置調整用電動モータ67、68を回動操作させることで投光部1及び受光部2を各別に搬送コンベア4の搬送方向と直交する水平方向に沿って移動調節することができる。
前記各支持部材62、63に対する投光部1及び受光部2の取り付け構成について説明を加えると、図1、図3及び図13に示すように、ユニット状に設けられた投光部1及び受光部2夫々の取付用基板11s、21の夫々に、水平方向に適宜間隔をあけて横向きに突出する複数の位置決め用突起11a,21aが設けられ、前記各支持部材62、63に下向きに支持した吊り下げアーム49,50の下端部には、それらの位置決め用突起11a,21aに対応する位置決め孔49h、50hが形成され、各支持部材62、63に対して投光部1及び受光部2夫々を取り付けるときは、位置決め用突起11a,21aを位置決め孔49h、50hに嵌め合わせて位置決めした状態でその近くの適宜箇所をボルト止めすることで投光部1及び受光部2を取り付ける構成となっている。
このように投光部1を支持部材62に取り付けた状態では、上述のように、取付用基板11sが垂直方向を向く姿勢となり、投光部1から光が斜め下向きに投射されることになる。
又、上述のように受光部2を支持部材63に取り付けた状態では、上述のように、取付用基板21が垂直方向を向く姿勢となり、受光部2にて被計測物Mからの透過光を受け入れる光軸が水平方向を向くようになる。
上述のように受光部2を支持部材63に吊り下げ支持すると、その取付用基板21が計測箇所Pに面する状態となり、その取付用基板21が、投光部1から投射された光や投光部1から被計測物Mに投射されて被計測物Mの表面で乱反射した光や被計測物Mを透過した光を受けて昇温することになるが、上述のように、分光器Bが熱伝導が抑制される状態で取付用基板21に取り付けられているので、取付用基板21から分光器Bへの伝熱が抑制されて、分光器Bの温度変動が抑制されることとなり、分光器Bにおける光路のズレ、及び、その光路と受光センサ36との相対位置関係のズレを抑制することができて、分光スペクトルデータの計測精度を向上することができる。
又、上述のように投光部1及び受光部2をユニット状に構成して各支持部材62、63に着脱自在に構成することにより、投光部1及び受光部2のメンテナンスを行うときには、投光部1及び受光部2を支持部材62、63から取り外して行うことができ、メンテナンス作業が簡略化されることになる。
図1ないし図3に示すように、計測箇所Pの上方側で、搬送コンベア4にて被計測物Mを搬送するのに支障の無い高さに位置させて、前記支持台54から下方側に延設した支持アーム71により支持される状態でリファレンスフィルター72を設けてある。このリファレンスフィルター72は、所定の吸光度特性を有する光学フィルターで構成され、具体的には、一対のオパールガラスを用いて構成されている。
そして、上下位置調節機構51によって投光部1及び受光部2を一体的に上下移動調節することによって、図1ないし図3に示すように、投光部1からの光が搬送コンベア4に載置される計測対象物Mを透過した後に受光部2にて受光される通常計測状態と、図示は省略するが、投光部1からの光が前記リファレンスフィルター72を透過した後に受光部2にて受光されるリファレンス計測状態とに切り換えることができるように構成してある。
尚、詳述はしないが、この内部品質計測装置の外周部は、被計測物の搬送に伴う通過箇所を除いて装置枠体Fに備えられた壁体によって囲われて外部から光が入り込まないようになっている。
次に、制御部3の制御動作について簡単に説明する。
制御部3は、被計測物Mに対する通常の計測に先立って、投光部1からの光を被計測物Mに代えて前記リファレンスフィルター72に投射して、そのリファレンスフィルター72からの透過光を、受光部2にて分光してその分光した光を受光して得られた分光スペクトルデータを基準分光スペクトルデータとして求める基準データ計測モードと、搬送コンベア4により搬送される被計測物Mに対して、投光部1から光を投射して計測分光スペクトルデータを得て、この計測分光スペクトルデータと前記基準分光スペクトルデータとに基づいて被計測物Mの内部品質を解析する通常データ計測モードとに切り換え自在に構成してある。
又、前記制御部3の記憶部(図示省略)には、被計測物Mの品種に応じた通常用計測条件、及び、前記基準データ計測モードにおける基準用計測条件を記憶させてある。そして、被計測物Mの蜜柑、りんご等の品種の違いに応じて設定位置を人為的に切り換える切換操作具(図示省略)が設けられ、この切換操作具の設定情報が制御部3に入力され、入力された被計測物Mの品種に対応する通常用計測条件にて、通常データ計測モードが実行される構成となっている。
前記通常用計測条件及び基準用計測条件は、夫々、開口調節用電動モータ7、上下位置調整用電動モータ58、水平位置調節用電動モータ67、68の制御情報から成り、下記のように設定される。
通常用計測条件における開口調節用電動モータ7の制御情報は、導光部Gの光路に位置させる光通過用開口6を計測箇所Pに位置する被計測物Mが大きいときは最大光通過用開口6bとし、小さいときは絞り用光通過用開口6sとするための制御情報であり、被計測物Mの品種に応じて、各品種の被計測物Mの大きさに合わせて設定してある。
通常用計測条件における上下位置調整用電動モータ58の制御情報は、投光部1の上下方向の位置を、計測箇所Pに位置する被計測物Mの外周面における投光部1からの光の投射部分が被計測物Mの略赤道部分となるような位置に調整するための制御情報であり、被計測物Mの品種に応じて、各品種の被計測物Mの大きさに合わせて設定してある。
通常用計測条件における水平位置調節用電動モータ67、68の制御情報は、投光部1の水平方向での位置を、その投光部1から投射される集束光の焦点位置が計測箇所Pに位置する被計測物Mの略表面と一致し、且つ、受光部2の水平方向での位置を、前記集光レンズ24の光入射側の焦点が被計測物Mの外周面に略一致するような位置に調整するための制御情報であり、被計測物Mの品種に応じて、各品種の被計測物Mの大きさに合わせて設定してある。
基準用計測条件における開口調節用電動モータ7の制御情報は、導光部Gの光路に位置させる光通過用開口6をその時点で前記切換操作具にて設定されている被計測物Mの品種に対応するものと同じものにするために制御情報である。
基準用計測条件における上下位置調整用電動モータ58の制御情報は、投光部1の上下方向の位置を、リファレンスフィルター72に対する投光部1の投射位置がリファレンスフィルター72の略中央部分となるような校正用の設定位置に調整するための制御情報である。
基準用計測条件における水平位置調節用電動モータ67、68の制御情報は、投光部1の水平方向での位置を、その投光部1から投射される集束光の焦点位置がリファレンスフィルター72の略表面と一致し、且つ、受光部2の水平方向での位置を、前記集光レンズ24の光入射側の焦点がリファレンスフィルター72の略表面に一致するような位置に調整するための制御情報である。
前記基準データ計測モードにおいては、開口調節用電動モータ7、上下位置調整用電動モータ58及び水平位置調節用電動モータ67、68を基準用計測条件にて作動させる。そして、前記シャッタ機構28を開放状態に切り換えて、投光部1からの光を被計測物Mに代えて前記リファレンスフィルター72に投射して、そのリファレンスフィルター72からの透過光を、受光部2にて分光してその分光した光を受光して得られた分光スペクトルデータを基準分光スペクトルデータとして計測する。
又、前記基準データ計測モードにおいては、受光部2への光が遮断された無光状態での受光センサ36の検出値(暗電流データ)も計測される。すなわち、前記受光部2のシャッタ機構28を遮蔽状態に切り換えて、そのときの受光センサ36の単位画素毎における検出値を暗電流データとして求めるようにしている。
前記通常データ計測モードにおいては、開口調節用電動モータ7、上下位置調整用電動モータ58及び水平位置調節用電動モータ67、68を被計測物Mの品種に応じた通常用計測条件にて作動させる。そして、搬送コンベア4の搬送方向における計測箇所Pの上手側において被計測物Mの通過を検出する通過検出センサ(図示省略)による検出情報に基づいて、被計測物Mが前記計測箇所Pを通過する周期を検出し、その周期に同期させる状態で、分光した光を受光して電荷蓄積動作を設定時間実行する電荷蓄積処理と、蓄積した電荷を送り出す送出処理とを設定周期で繰り返すように、受光センサ36の動作を制御する。
つまり、各被計測物Mが計測箇所Pを通過すると予測される時間帯において、受光センサ36が設定時間だけ電荷蓄積処理を実行し、被計測物Mが計測箇所Pに存在しないと予測される各被計測物M同士の中間位置付近が計測箇所Pに位置するようなタイミングで蓄積した電荷を送り出す送出処理を実行するように、受光センサ36の動作を制御する。
そして、制御部3は、受光センサ36が前記電荷蓄積処理を行う状態において、遮蔽状態から開放状態に切り換えてその開放状態を開放維持時間が経過する間維持した後に遮蔽状態に戻すように、シャッタ機構28の動作を制御する。
又、制御部3は、前記光量検出センサ30にて検出される受光量、すなわち、被計測物Mの光透過量の実測値の変化に基づいて、被計測物Mが計測箇所Pに到達したか否かを検出するようになっており、被計測物Mが到達したことを検出するとシャッタ機構28を開放状態に切り換え、前記開放維持時間だけ開放状態を維持した後に、シャッタ機構28を遮蔽状態に切り換えて計測処理を終了する構成となっている。
具体的に説明すると、被計測物Mが到達するまでは投光部1から投射される光によってほぼ最大値が出力されているが、被計測物Mが計測箇所Pに至ると計測用光が遮られて光量検出センサ30の検出値(受光量)が減少し始めて検出値が予め設定した設定値以下にまで減少したときに、被計測物Mが計測箇所Pに到達したものと判断して、その時点から設定時間が経過したときに、シャッタ機構28を開放状態に切り換える。そして、前記開放維持時間だけ開放状態を維持した後に、シャッタ機構28を遮蔽状態に切り換えるのである。
尚、このような計測処理を実行しているときに、搬送コンベア4が異常停止したような場合には、投光部1における投射範囲調節部Aの絞り板8を遮光位置に切り換えて移動停止している被計測物に長い間、光源からの強い光が投射されることを防止させるようにしている。
そして、制御部3は、このようにして得られた各種データに基づいて公知技術である分光分析手法を用いて被計測物Mの内部品質を解析する演算処理を実行するように構成してある。
つまり、上記したようにして得られた計測分光スペクトルデータを、前記基準データ計測モードにて求められた基準分光スペクトルデータ、及び、暗電流データを用いて正規化して、分光された各波長毎の吸光度スペクトルデータを得るとともに、その吸光度スペクトルデータの二次微分値を求める。そして、その二次微分値及び予め設定されている検量式により、被計測物Mに含まれる糖度に対応する成分量や酸度に対応する成分量を算出する解析演算処理を実行するように構成してある。
吸光度スペクトルデータdは、基準分光スペクトルデータをRd、計測分光スペクトルデータをSdとし、暗電流データをDaとすると、
〔数1〕
d=log[(Rd−Da)/(Sd−Da)]
という演算式にて求められる。
そして、制御部3は、このようにして得られた吸光度スペクトルデータdを二次微分した値のうち特定波長の値と、下記の数2に示されるような検量式とを用いて、被計測物Mに含まれる糖度や酸度に対応する成分量を算出するための検量値を求めるのである。
〔数2〕
Y=K0+K1・A(λ1)+K2・A(λ2)
但し、
Y ;成分量に対応する検量値
K0,K1,K2 ;係数
A(λ1),A(λ2) ;特定波長λにおける吸光度スペクトルの二次微分値
尚、成分量を算出する成分毎に、特定の検量式、特定の係数K0,K1,K2、及び、波長λ1,λ2等が予め設定されて記憶されており、制御部3は、この成分毎に特定の検量式を用いて各成分の検量値(成分量)を算出する構成となっている。
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 分光分析装置において本発明の受光装置2を配置する形態は、上記の実施形態に例示した如き、計測対象の被計測物Mを位置させる計測箇所Pにおける投光部1とは反対側に配置する形態に限定されるものではない。
例えば、図14に示すように、計測箇所Pの両側方に2台の投光部1を振り分けて対向配置し、受光装置2を、計測箇所Pにおける2台の投光部1の並び方向に直交する方向の側の側方に配置しても良い。
この場合、図14に示すように、2台の投光部1を計測箇所Pの水平方向両横側方に振り分けて配置し、受光装置2を計測箇所Pの下方に配置する場合、搬送コンベア4における被計測物Mを載置する受皿4tに、被計測物Mからの光を透過する光通過孔を備えさせて、その光通過孔を通過してくる被計測物Mからの透過光を受光装置2にて受光することになる。
又、図示を省略するが、受光装置2を、被計測物Mからの反射光を受光するように、被計測物Mに対して投光部1の側と同じ側に配置しても良い。
これらの場合も、受光装置2は、その取付用基板21が計測箇所Pに面する状態で配置されて、取付用基板21が、投光部1から被計測物Mに投射されて被計測物Mの表面で乱反射した光や被計測物Mを透過した光を受けて昇温することになるが、分光器Bが熱伝導が抑制される状態で取付用基板21に取り付けられているので、取付用基板21から分光器Bへの伝熱が抑制されて、分光器Bの温度変動が抑制される。
(ロ) 前記光通過用開口6の形状は、上記の実施形態において例示した円形に限定されるものではなく、楕円形やスリット状でも良い。
(ハ) 本発明の受光装置を用いる分光分析装置としては、上記の実施形態において例示した如き蜜柑等の果菜類を被計測物とするものに限定されるものではなく、穀物等、種々のものを被計測物とするものが適用可能である。
実施形態に係る受光装置を備えた分光分析装置の正面図 実施形態に係る受光装置を備えた分光分析装置の縦断左側面図 実施形態に係る受光装置を備えた分光分析装置の要部の縦断正面図 実施形態に係る受光装置を備えた分光分析装置の投光部の縦断正面図 実施形態に係る受光装置を備えた分光分析装置の投光部の縦断右側面図 実施形態に係る受光装置を備えた分光分析装置の投光部の横断平面図 実施形態に係る受光装置を備えた分光分析装置の投光部における伝動軸の縦断面図 実施形態に係る受光装置の分光器の縦断右側面図 実施形態に係る受光装置の縦断正面図 実施形態に係る受光装置の縦断左側面図 実施形態に係る受光装置の横断平面図 実施形態に係る受光装置を備えた分光分析装置の上下位置調節機構及び水平位置調節機構を示す平面図 実施形態に係る受光装置を備えた分光分析装置の投光部及び受光装置の支持構造を示す斜視図 別実施形態に係る受光装置を備えた分光分析装置の正面図
21 付用基板
22 い体
23 体ケーシング
24 入射部
28 ャッタ手段
32 光部ケーシング
32k 分光部基板
36 測部
37 断熱板
38 測制御部
41 調式通風手段
44 環用通風手段
45 風体
光部
導入部
計測物

Claims (5)

  1. 被計測物からの光を導入する光導入部、及び、その光導入部により導入される光を分光する分光部が、取付用基板の裏側に並べた状態で、且つ、前記光導入部の光入射部を前記取付用基板の表側に向けた状態で前記取付用基板に取り付けられた分光分析装置用の受光装置であって、
    前記分光部の分光部基板と前記取付用基板との間にその分光部基板よりも平面積が小さい断熱板を介在させて、前記分光部基板における前記断熱板が重なる部分以外の部分と前記分光部基板との間に間隙を開けた状態で、前記分光部基板を前記取付用基板に取り付けることで、前記分光部が、熱伝導が抑制される状態で前記取付用基板に取り付けられている分光分析装置用の受光装置。
  2. 前記分光部を収納する分光部ケーシングに、前記分光部にて分光された光を計測する計測部が一体的に組み付けられている請求項1記載の分光分析装置用の受光装置。
  3. 前記光導入部及び前記分光部を覆う覆い体が前記取付用基板に取り付けられて、前記取付用基板と前記覆い体とから本体ケーシングが構成され、
    前記計測部の作動を制御する計測制御部が、前記本体ケーシング内に、前記分光部における前記取付用基板の存在側とは反対側に位置させて設けられ、
    前記本体ケーシング内における前記分光部が配設された領域に、前記光導入部と前記分光部との並び方向に交差する方向に向けて温調用空気を通風する温調式通風手段が設けられ、
    前記本体ケーシング内における前記光導入部が配設された領域に対して通風作用する循環用通風手段が、前記本体ケーシング内に設けられている請求項2記載の分光分析装置用の受光装置。
  4. 前記光導入部から前記分光部への光の導入を許容する開放状態と阻止する遮蔽状態とに切り換え自在なシャッタ手段が設けられ、
    前記循環用通風手段が、前記シャッタ手段に対して通風作用するように構成されている請求項3記載の分光分析装置用の受光装置。
  5. 前記温調式通風手段にて通風される温調用空気が前記分光部側に流動するのを遮蔽する遮風体が設けられ、
    前記計測部が、前記遮風体の内方に位置する状態で前記分光部の側方に設けられている請求項3又は4記載の分光分析装置用の受光装置。
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