JP4321953B2 - インク組成物及び下図作成方法 - Google Patents

インク組成物及び下図作成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デザインシート(型紙)上の図案に従ったパターンを紙、布、木材、プラスチック、金属、皮革等の転写体に転写する場合に好適に用いられる筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デザイン紙上の図案等を他の転写体に転写するには、デザイン紙と転写体の間に複写紙(カーボンペーパー、チャコペーパー)を入れ、図案の上からルレット(点線押圧用具)、鉄筆或いはボールペン等で所望のデザインに従ってトレースし、この押圧力によって複写紙に含有又は付着している色素を転写体上に移行させ、これによって所望のデザインを転写体上に形成する方法が採用されていた。
しかしながら、この方法においては、図案の形成を複写紙の含有又は付着しているインク層の転写によって行っているため、強い押圧力で鉄筆やボールペン等を図案の上から押付けてトレースする必要がある。このため、例えば転写体が布の場合には、鉄筆、ボールペン等の押圧力によって、その書く部分の布地が伸長したりする等の問題がある。又、その押圧力で複写紙が破損するという問題がある。更に、デザイン紙と転写物との間に複写紙を入れるために、これら三層の相対位置が図案作成中にずれ易く、図案を正確に転写体に写すことが困難である。ひとたびズレが生じると、再び位置合わせすることは非常に困難であるため、充分な前作業によって移動しないように用意してから転写を行う必要がある。
特開平9−263736公報には、図案の上に透明もしくは半透明のシート材を重ね、インクを用いてシート材に図案をトレースし、トレースした図案を持つシート材を転写体に重ね、ついで加熱してトレースした図案を転写体に移行させる下図作成方法が開示されている。この方法によれば、チャコペーパー等の複写紙は不要であるが、アイロンなどで加熱する工程を必要とする。なお、この方法にはサルチル酸及び/又はアセチルサリチル酸と、白色以外の着色剤と、アルコールなどの有機溶媒からなるインク組成物が用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術の欠点を解消し、チャコペーパー等の複写紙も加熱工程も必要とせずに、所望の図案(画線等)を所望の転写体に正確で簡便に明瞭に転写することが可能なインク組成物を含有する筆記具を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、20℃で液体のポリアルキレングリコール及びエチレングリコールモノエーテルの中から選ばれた少なくとも1種の第1の溶媒と、1価アルコール、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素の中から選ばれた少なくとも1種の第2の溶媒からなる混合溶媒と、該混合溶媒に溶解された着色物質からなるインク組成物を用いる。該インク組成物を含む筆記具を用いて布などの転写体上に置かれた図案を持つデザインシート(型紙等)の図案に従って押圧筆記するのみで、該インクはデザインシート中を容易に浸透して、転写体上に移転するため、図案に応じたパターンを転写体上に正確に転写し得る。
【0005】
上記インク組成物においては、該着色物質がサルチル酸及びアセチルサリチル酸の中から選ばれた少なくとも1種であることができる。サルチル酸及びアセチルサリチル酸は白色の呈色物質として機能し、暗色もしくは濃色の転写体に白色の図案を与える。この白色図案は、水を含んだ布等で拭ったり、加熱もしくは経時により消色する。
【0006】
上記インク組成物においては、該着色物質が白色以外の着色物質であり、該混合溶媒にサルチル酸及びアセチルサリチル酸の中から選ばれた少なくとも1種が更に溶解されていることができる。このインク組成物は用いた着色物質に応じた色の図案を与える。サルチル酸及びアセチルサリチル酸はインクの浸透性を向上させる。又、酸により発色する着色物質にたいしてはサルチル酸及びアセチルサリチル酸は顕色剤としても機能する。
【0007】
上記インク組成物においては、前記着色物質が消色性画像を与えるものであることができる。このインク組成物の図案は消色性のものとなる。
【0008】
上記インク組成物においては、前第2の溶媒に対する前第1の溶媒の重量比が、20:80未満であることができる
【0009】
本発明の第1の発明は、インク組成物を収容したインク容器と、該インク容器内のインク組成物が浸出される硬質のペン先とを備えてなる筆記具であって、該インク組成物が20℃で液体のポリアルキレングリコール及びエチレングリコールモノエーテルの中から選ばれた少なくとも1種の第1の溶媒と、1価アルコール、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素の中から選ばれた少なくとも1種の第2の溶媒からなり、該第2の溶媒に対する該第1の溶媒の重量比が20:80未満である混合溶媒と、該混合溶媒に溶解された着色物質からなるとともに、転写体表面に置かれたデザインシート上の図案を該筆記具でトレースしたとき、該インク組成物が該デザインシートを浸透して該転写体表面に該図案が直接転写されるようにした筆記具である。これにより、従来のチャコペーパーは不要となる。
【0010】
本発明の第2の発明は、1価アルコール、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素の中から選ばれた少なくとも1種の溶媒と、該溶媒に溶解された着色物質又は着色物質とその顕色剤からなるインク組成物を収容したインク容器と、該インク容器内のインク組成物が浸出される硬質のペン先とを備えてなる筆記具であって、転写体表面に置かれたデザインシート上の図案を該筆記具でトレースしたとき、該インク組成物が該デザインシートを浸透して該転写体表面に該図案が直接転写されるようにした筆記具である。この筆記具により優れたインク画像転写性がもたらされる。
【0011】
本発明の第1及び第2の発明による筆記具を用いて下図作成を行うには、デザインシートを転写体表面に置き、発明の筆記具を用いて該デザインシート上の図案をトレースして、該図案に対応する該インク組成物の図案を該デザインシートを通して該転写体表面に転写するだけでよい。これにより、従来のチャコペーパーは不要となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のインクは、図案を持つ紙等のデザインシートに対し浸透性を有するとともに、その下に置かれた布などの転写体上に達することが必要な条件である。即ち、図案をデザインシート表面から通常の筆圧でトレースしたとき、インクがこのデザインシートの裏面にまで浸透するとともに、転写体上にトレースした図案が転写されることが必要である。この要件は、20℃で液体のポリアルキレングリコール及びエチレングリコールモノエーテルの中から選ばれた少なくとも1種の第1の溶媒と、1価アルコール、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素の中から選ばれた少なくとも1種の第2の溶媒とからなる混合溶媒に、着色物質を溶解させたインク組成物により満足できる。
【0013】
第1の溶媒として用いるポリアルキレングリコールは20℃で液体であることが必要で、分子量400以下、好ましくは300以下の低分子量のものが望ましい。特に、分子量200以下のポリエチレングリコールがインクの浸透性、乾燥遅延性、更に後述する任意成分であるサリチル酸又はアセチルサリチル酸の溶解性等の点で最も好ましく用いられる。エチレングリコールモノエーテルはセロソルブとも呼ばれる。メチルセロソルブ及びエチルセロソルブがサリチル酸又はアセチルサリチル酸の溶解性、インクの浸透性、乾燥遅延性等の点で最も好ましく用いられる。エチレングリコールモノエーテルは上記ポリアルキレングリコールと併用しても良い。
【0014】
第1の溶媒と混用される第2の溶媒は1価アルコール、ケトン、エステル、炭化水素、ハロゲン化炭化水素の中から選ばれる。1価アルコールとしては例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等が挙げられる。ケトンとしては例えばアセトン、メチルエチルケトンが挙げられる。エステルとしては例えば酢酸エチルが挙げられる。ハロゲン化炭化水素としては例えば塩化メチレン、トリクロロエチレンが挙げられる。揮発性、安全性、溶解性、無臭性等の点でアルコール特にエタノールの使用が最も好ましい。
【0015】
第2の溶媒(アルコール等)に対する第1の溶媒(ポリエチレングリコール及び/又はエチレングリコールモノエーテル)の混合重量比(第1溶媒:第2溶媒)は、にじみ性、浸透性、転写性の点で、通常20:80未満である。その下限は好ましくは0.1:99.9、更に好ましくは1:99である。上記混合比は、好ましくは15:85以下でであり、10:90未満とすると浸透性が特に高まる。
【0016】
又、第1の溶媒を用いることにより、第2の溶媒単独の場合の揮発性を抑制することができるし、又第2の溶媒の紙に対する浸透性を助長することができる。又、混合溶媒を用いることにより蒸散速度は遅くなり、インクの貯蔵性が高まる上、転写性も改善される。
【0017】
高められたインクの滲み防止性及びインク転写性の理由で、該混合溶媒にサルチル酸及びアセチルサリチル酸(以下これらを(アセチル)サリチル酸として総称する)の中から選ばれた少なくとも1種を溶解させることが好ましい。この場合、(アセチル)サリチル酸は、インク組成物における呈色成分として、或いは顕色剤としても機能するものである。具体的には、呈色成分としては、白色系の呈色成分として機能する。この白色図案は、熱又は経時により蒸散して消色し、又水で拭うことにより消色する。一方、顕色剤としては、酸性物質として機能し、後に詳述する特定の色素に対して顕色作用を有する。又、(アセチル)サリチル酸は、上記混合溶媒とあいまってインクの浸透性及び転写性の向上をもたらす。(アセチル)サリチル酸は上記混合溶媒に対し1重量%以上飽和濃度以下、好ましくは5重量%以上飽和濃度以下の量で用いられる。
【0018】
なお、混合溶媒のうち、第1溶媒は(アセチル)サリチル酸を溶解することができるが、第2の溶媒との混合溶媒の方が多量の(アセチル)サリチル酸を溶解することができる。
【0019】
本発明のインク組成物は着色成分として可溶性の着色剤が含有される。着色剤としては顕色剤の作用を受ける依存型のものと、その作用を受けない独立型のものとに分けることができる。
依存型の例としてはメチルレッド、プロピルレッド、ナフチルレッド等の酸塩基指示薬、及びクリスタルバイオレットラクトン、ローダミンラクトン等のラクトン系色素があげられる。顕色剤としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、(アセチル)サリチル酸等の酸性物質、トリエタノールアミン等のアミンなどの塩基性物質が挙げられる。これらの顕色剤は単独又は2種以上の混合物として用いられる。顕色剤として(アセチル)サリチル酸を用いる場合は、これらの色素は(アセチル)サリチル酸により顕色する一方、この顕色は熱又は水で消色し、或いは時日の経過と共に(アセチル)サリチル酸の蒸散とともに消色する。本発明のインク組成物には水を含まないことがインクの浸透性、画像の転写性の点で望ましい。
【0020】
独立型の着色剤としては上記混合溶媒に可溶な染料又は顔料が挙げられ、例えば、ベーシックレッド(Basic Red)12、ソルベントレッド(Solvent Red)8、バリファストレッド(VALIFAST RED)3312、バリファストイエロー(VALIFAST YELLOW)1110、バリファストブルー(VALIFAST BLUE)2606、クリスタルバイオレット等が挙げられる。これらは消色性ではない。独立型の消色性着色剤としてはチオシアン酸コバルトが挙げられ、このものは水で拭うことにより消色可能な画像を与える。
【0021】
インク組成物中の着色剤の含有量は呈色がはっきり表われるのに充分な量であれば良い。一般的には、酸指示薬及びラクトン等の依存型着色剤の場合はインク組成物に対し0.01重量%乃至15重量%であり、好ましくは0.05重量%乃至10重量%が望ましい。フタレイン系指示薬の場合は、インク組成物に対し0.05重量%乃至10重量%であり、好ましくは0.5重量%乃至5重量%が望ましい。
又、非消色性の独立型の着色剤はインク組成物に対し0.1重量%乃至15重量%、好ましくは0.5重量%乃至10重量%である。チオシアン酸コバルトの如き消色性の独立型着色剤はインク組成物に対し0.3重量%乃至25重量%、好ましくは1重量%乃至15重量%である。上記の各タイプの着色剤は適宜組み合わせて併用することができる。
【0022】
布などの転写体の上に、所望の図案が描かれたデザインシートを置き、本発明のインク組成物を含有し且つ筆圧の実質的に全てがデザインシートに伝わるような硬質のペン先をもつペンなどの筆記具を用いて、この図案をトレースすると、インクはデザイン紙を通して、インクは転写体に転移し、転写体上に図案に従ったパターンを写すことができる。硬質のペン先としては、軸線方向にインキ流出孔を配設したプラスチック、金属又はセラミック加工体、繊維の樹脂加工又は熱融着加工体、先端にボールを回転可能に保持したチップ等が用いられる。
【0023】
布などの転写体の上に、所望の図案が描かれたデザインシートを置き、1価アルコール、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素の中から選ばれた少なくとも1種の溶媒と、該溶媒に溶解された着色物質又は着色物質とその顕色剤からなるインク組成物を収容したインク容器と、該インク容器内のインク組成物が浸出される硬質のペン先とを備えてなる筆記具を用いて、該図案をトレースすると、インクはデザイン紙を通して、インクは転写体に転移し、転写体上に図案に従ったパターンを写すことができる。ただし、20℃で液体のポリアルキレングリコール又はエチレングリコールモノエーテルが含有されないことから、転写画像に滲みが生じる傾向がある。この場合の溶媒、着色物質、顕色剤は前記したものが使用できる。
【0024】
本発明のインクの呈色機構については次のように考えられる。
(1)(アセチル)サリチル酸を着色剤として用いる場合
インク中に溶存している(アセチル)サリチル酸は、溶媒が蒸散した後、白色画像を与える。この白色は熱を加えるか又は経時と共に退色していく。水でぬぐうことによっても消色する。
【0025】
(2)酸指示薬を用いた場合
例えばメチルレッドは変色域がpH4.4〜6.2でありpH4.4未満では赤色、pH6.2を超えると橙色になる。画像は、酸性物質として(アセチル)サリチル酸を用いる場合、これと共存している間は赤色を呈しているが、(アセチル)サリチル酸の蒸散に伴い、この赤色も橙色になり更に水でぬぐうと淡い黄色に変化する。酸性物質としてクエン酸などを用いる場合は、経時変化はないが、水でぬぐうと淡い黄色に変化する
【0026】
(3)ラクトン系を併用した場合
例えばクリスタルバイオレットラクトンを使用した場合、画像は酸性物質の作用と反応して青色を呈する。この青色は酸性物質が(アセチル)サリチル酸の場合、これの蒸散に伴い、次第に退色する。即ち時日の経過と共に転写体の呈色は消えていく。水でぬぐうことによっても消色する。クエン酸などの可溶性酸性物質の添加により転写体上における画像の呈色期間を長くすることができる。クエン酸などの水可溶性酸性物質を用いた場合は、青色の呈色は水でぬぐうことにより消色する。
【0027】
(4)消色性独立型着色剤を併用した場合
例えばチオシアン酸コバルトをインク中に溶存させる場合には、画像は淡青色を呈する。この青色画像は水で容易に消色することができる。
【0028】
(5)非消色性独立型着色剤を併用した場合
例えばVALIFAST YELLOW 1110をインク中に溶存させる場合には、画像は黄色を呈する。この黄色画像は容易に消色することはできない。
【0029】
【実施例】
次に本発明を実施例により更に詳細に説明する。部は重量部を意味する。
【0030】
実施例1
エタノール97部にポリエリレングリコール(分子量200)3部を加えて混合溶媒を得た。
(A)上記の混合溶媒20部にクリスタルバイオレット0.3部を加え、撹拌溶解すると青色のインクが得られた。このインクをペンの中綿(インクタンク)に充填させ、中綿の先端に挿入してある硬質のプラスチックペン先から浸出してくるようにした。別に所望の図案を有する型紙とその図案を転写したい白布を重ねて、粘着テープで動かないように固定した。そしてこの型紙の図案にそってペンでなぞると、転写体である布上に所望のデザインを転写することができた。
【0031】
(B)又、上記の混合溶媒20部にメチルレッド0.05部を溶解させて橙色インクを得た。このインクを用いて上記(A)と同様にしてサインペンをつくり、布の上に置かれた型紙の図案にそってサインペンでなぞると、布上に所望の橙色デザインを転写することができた。この転写デザインは自然に消色しないが、水を含んだ布で拭うことにより淡黄色となった。
【0032】
(C)上記の混合溶媒20部にチオシアン酸コバルト1部を溶解させて淡青色インクを得た。このインクを用いて上記(A)と同様にしてサインペンをつくり、布の上に置かれた型紙の図案にそってサインペンでなぞると、布上に所望の青色デザインを転写することができた。このデザインは水を含んだ布で拭うことにより消色した。
【0033】
(D)原溶液20部にVALIFAST RED3312を0.2部撹拌溶解して赤色インクを作成した。このインクを用いて上記(A)と同様にしてサインペンをつくり、布の上に置かれた型紙の図案にそってサインペンでなぞると、布上に所望の赤色デザインを転写することができた。
【0034】
実施例2
エタノール92部にポリエリレングリコール(分子量200)8部を加え、これにサリチル酸20部を加えて撹拌し、完全に溶解させた。
これを原溶液として以下の実験を行った。
【0035】
(A)上記の原溶液20部をとり、これにクリスタルバイオレットラクトン0.4部を加え、溶解せしめて青色のインクを得た。このインクを用いて実施例1(A)と同様な作業を行うことにより所望のデザインを転写することができた。この青色デザインは転写してから2日後に自然消色した。
【0036】
(B)原溶液20部にメチルレッド0.1部を溶解させて赤色のインクを得た。このインクを用いて実施例1(A)と同様な作業を行うことにより所望のデザインを布上に転写することができた。この赤色デザインは経時とともに橙色となり、水を含んだ布で拭うことにより淡黄色となった。
【0037】
(C)原溶液20部にチオシアン酸コバルト2部を加え、撹拝して、淡青色のインクを得た。このインクを用いて上記(B)と同様な作業を行うことにより所望のデザインを布上に転写することができた。この青色デザインは水を含んだ布で拭うことにより消色した。
【0038】
(D)原溶液20部にVALIFAST BLUE2606を0.1部溶解して青色インクを作成した。このインクを用いて上記(B)と同様な作業を行うことにより所望のデザインを布上に転写することができた。
なお、実施例1(A)〜(D)と比べると実施例2(A)〜(D)の方がいずれも布上の転写デザインに滲みが見られず鮮明であった。
【0039】
実施例3
実施例2において、ポリエチレングリコールに代えてエチルセロソルブ(エチレングリコールモノエチルエーテル)を用いた以外は実施例2と同様にして実験を行った。結果は実施例2と同様であった。
【0040】
実施例4
実施例2において、エタノールに代えてイソプロピルアルコールを用いた以外は実施例2と同様にして実験を行った。結果は実施例2と同様であった。
【0041】
実施例5
実施例2の原溶液をインクとして用いて実施例1(A)と同様な作業を行うことにより所望の白色デザインを、型紙の下に置いた黒色布上に転写することができた。この白色デザインは加熱によって消色した。
【0042】
実施例6
実施例2においてサリチル酸に代えてアセチルサリチル酸を用いた以外は同様にして各種インクを作成し、実施例2と同様にして実験を行った。結果は実施例2と同様であった。
【0043】
実施例7
(A)エタノール20部ににクリスタルバイオレットラクトン0.4部とクエン酸4部を溶解せしめて青色のインクを得た。このインクを用いて実施例1(A)と同様な作業を行うことにより、若干の滲みがあるが所望のデザインを転写することができた。この青色デザインは水を含んだ布で拭うことにより消色した。
【0044】
実施例8
(B)エタノール20部にメチルレッド0.1部を溶解させて橙色のインクを得た。このインクを用いて実施例1(A)と同様な作業を行うことにより、若干の滲みがあるが所望のデザインを布上に転写することができた。この橙色デザインは、水を含んだ布で拭うことにより淡黄色となった。
【0045】
比較例1
イソプロピルアルコール80部と塩化エチレン20部との混合溶媒にサリチル酸30部を溶解させ、次いでポリエリレングリコール(分子量60〜110万)0.8部を溶解させた。これにメチルレッド0.1部を加え、撹拌溶解させて橙赤色インクを得た。このインクを用いて実施例1(A)と同様な作業を行ったが鮮明なデザインを布上に転写することができなかった。
【0046】
比較例2
イソプロピルアルコール70部と塩化エチレン30部との混合溶媒にアセチルサリチル酸20部を溶解させ、次いでポリエリレングリコール(分子量60〜110万)0.8部を溶解させた。これにクリスタルバイオレットラクトン0.2部を加え、撹拌溶解させて青色インクを得た。このインクを用いて実施例1(A)と同様な作業を行ったが所望のデザインを布上に転写することができなかった。
【0047】
比較例3
水100部に、チオシアン酸コバルト15部を溶解させ、更にポリエリレングリコール(分子量200)10部を溶解させて青色インクを得た。このインクを用いて実施例1(A)と同様な作業を行ったが、所望のデザインを布上に転写することができなかった。
【0048】
【発明の効果】
本発明の筆記具は、着色剤を特定の混合溶媒に溶解したインクを用いたことから、そのデザインシートへの浸透性及び転写体への圧力転写性が高まり、従来のようなチャコペーパーなどの複写紙を用いることなく所望の図案を転写体に直接転写することができる。更に消色性着色剤を含有することにより、転写画像を消色性の画像とすることができる。

Claims (3)

  1. ンク組成物を収容したインク容器と、該インク容器内のインク組成物が浸出される硬質のペン先とを備えてなる筆記具であって、該インク組成物が20℃で液体のポリアルキレングリコール及びエチレングリコールモノエーテルの中から選ばれた少なくとも1種の第1の溶媒と、1価アルコール、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素の中から選ばれた少なくとも1種の第2の溶媒からなり、該第2の溶媒に対する該第1の溶媒の重量比が20:80未満である混合溶媒と、該混合溶媒に溶解された着色物質からなるとともに、転写体表面に置かれたデザインシート上の図案を該筆記具でトレースしたとき、該インク組成物が該デザインシートを浸透して該転写体表面に該図案が直接転写されるようにした筆記具
  2. 1価アルコール、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素の中から選ばれた少なくとも1種の溶媒と、該溶媒に溶解された着色物質又は着色物質とその顕色剤からなるインク組成物を収容したインク容器と、該インク容器内のインク組成物が浸出される硬質のペン先とを備えてなる筆記具であって、転写体表面に置かれたデザインシート上の図案を該筆記具でトレースしたとき、該インク組成物が該デザインシートを浸透して該転写体表面に該図案が直接転写されるようにした筆記具
  3. 前記着色物質が消色性画像を与えるものである請求項1又は2に記載の筆記具
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