JP2001026734A - インク組成物及び下図作成方法 - Google Patents

インク組成物及び下図作成方法

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JP2001026734A
JP2001026734A JP19993199A JP19993199A JP2001026734A JP 2001026734 A JP2001026734 A JP 2001026734A JP 19993199 A JP19993199 A JP 19993199A JP 19993199 A JP19993199 A JP 19993199A JP 2001026734 A JP2001026734 A JP 2001026734A
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salicylic acid
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Zenshiro Iijima
善四郎 飯島
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Adger Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正確で簡便に所望の図案を転写体に圧力転写
することができるインク組成物及びそれを用いた下図作
成方法を提供する。 【解決手段】 常温液体のポリエチレングリコール及び
/又はエチレングリコールモノエーテルと、1価アルコ
ール、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素の中から
選ばれた溶媒とからなる混合溶媒に、サルチル酸及び/
又はアセチルサリチル酸を溶解してなるインク組成物。
更に、白色以外の着色物質が混合溶媒に溶解されている
ことができる。下図作成方法は、デザイン紙上の図案に
インクを塗布、浸透させる工程、デザイン紙を転写体表
面に置く工程、押圧具により該図案をトレースすること
により該インクをデザイン紙から該転写体表面に圧力転
写する工程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク組成物に関
し、デザイン紙(型紙)上の図案に従ったパターンを
紙、布、木材、プラスチック、金属、皮革等の転写体に
転写する場合に好適に用いられるインク組成物に関す
る。本発明は、又、図案に従ったパターンを転写体に作
成する下図作成方法に関する。
【従来の技術】従来、デザイン紙上の図案等を他の転写
体に転写するには、デザイン紙と転写体の間に複写紙
(カーボンペーパー、チャコペーパー)を入れ、図案の
上からルレット(点線押圧用具)、鉄筆或いはボールペン
等で所望のデザインに従ってトレースし、この押圧力に
よって複写紙に含有又は付着している色素を転写体上に
移行させ、これによって所望のデザインを転写体上に形
成する方法が採用されていた。しかしながら、この方法
においては、図案の形成を複写紙の含有又は付着してい
るインク層の転写によって行っているため、強い押圧力
で鉄筆やボールペン等を図案の上から押付けてトレース
する必要がある。このため、例えば転写体が布の場合に
は、鉄筆、ボールペン等の押圧力によって、その書く部
分の布地が伸長したりする等の問題がある。又、その押
圧力で複写紙が破損するという問題がある。更に、デザ
イン紙と転写物との間に複写紙を入れるために三層を形
成するので相対位置が図案作成中にずれ易く、図案を正
確に転写体に写すことが困難である。ひとたびズレが生
じると、再び位置合わせすることは非常に困難であるた
め、充分な前作業によって移動しないように用意してか
ら転写を行う必要がある。特開平9−263736公報
には、図案の上に透明もしくは半透明のシート材を重
ね、インクを用いてシート材に図案をトレースし、トレ
ースした図案を持つシート材を転写体に重ね、ついで加
熱してトレースした図案を転写体に移行させる下図作成
方法が開示されている。この方法によれば、チャコペー
パー等の複写紙は不要であるが、アイロンなどで加熱す
る工程を必要とする。なお、この方法にはサルチル酸及
び/又はアセチルサリチル酸と、白色以外の着色剤と、
アルコールなどの有機溶媒からなるインク組成物が用い
られる。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の欠
点を解消し、複写紙も加熱工程も必要とせずに、所望の
図案(画線等)を所望の転写体に正確で簡便に明瞭に転
写することが可能な下図作成方法及びその方法に有利に
用いられるインク組成物を提供することを目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記従来技術
の諸問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、サリチル
酸及び/又はアセチルサリチル酸をポリエチレングリコ
ール及び/又はセロソルブと他の有機溶媒とからなる混
合溶媒と組み合わせることにより、これらを含むインク
が図案を持つデザイン紙(型紙)に容易に浸透し、単に
鉄筆、ボールペン等でデザイン紙上に塗布したインクを
図案に従って押圧するのみで、図案に応じたパターンを
転写体上に正確に転写し得ることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0004】本発明の第1の発明は、20℃で液体のポ
リエチレングリコール及びエチレングリコールモノエー
テルの中から選ばれた少なくとも1種の第1の溶媒と、
1価アルコール、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水
素の中から選ばれた少なくとも1種の第2の溶媒からな
る混合溶媒と、該混合溶媒に溶解されたサルチル酸及び
アセチルサリチル酸の中から選ばれた少なくとも1種の
溶質成分とからなるインク組成物である。サルチル酸及
びアセチルサリチル酸は白色の呈色物質としても機能
し、暗色もしくは濃色の転写体に白色の図案を与える。
この白色図案は、水を含んだ布等で拭ったり、加熱もし
くは経時により消色する。
【0005】本発明の第2の発明は、白色以外の着色物
質が更に溶解されている第1の発明のインク組成物であ
る。このインク組成物は用いた着色物質に応じた色の図
案を与える。この場合、着色物質の種類によってはサル
チル酸及びアセチルサリチル酸は顕色剤としても機能す
る。
【0006】本発明の第3の発明は、前記着色物質が消
色性画像を与えるものである第2の発明のインク組成物
である。このインク組成物の図案は消色性のものとな
る。
【0007】本発明の第4の発明は、第1乃至第3の発
明のいずれかのインク組成物を収容したインク容器を備
えてなる筆記具である。
【0008】本発明の第5の発明は、デザイン紙上の図
案にインクを塗布、浸透させる工程、デザイン紙を転写
体表面に置く工程、押圧具により該図案をトレースする
ことにより該インクをデザイン紙から該転写体表面に圧
力転写する工程からなる下図作成方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の方法に用いるインクは図
案を持つ紙等のデザイン紙(型紙)に対し、浸透性を有
することが必要な条件である。即ち、このデザイン紙を
通し裏面にまで浸透することが必要である。この要件
は、20℃で液体のポリエチレングリコール及びエチレ
ングリコールモノエーテルの中から選ばれた少なくとも
1種の第1の溶媒と、1価アルコール、ケトン、エステ
ル、ハロゲン化炭化水素の中から選ばれた少なくとも1
種の第2の溶媒とからなる混合溶媒と、該混合溶媒に溶
解されたサルチル酸及びアセチルサリチル酸(以下これ
らを(アセチル)サリチル酸として総称する)の中から
選ばれた少なくとも1種の溶質成分とからなるインク組
成物により満足できる。
【0010】第1の溶媒として用いるポリエチレングリ
コールは20℃で液体であることが必要で、分子量40
0以下、好ましくは300以下の低分子量のものが望ま
しい。特に、分子量200以下のポリエチレングリコー
ルが(アセチル)サリチル酸の溶解性、インクの浸透
性、乾燥遅延性等の点で最も好ましく用いられる。エチ
レングリコールモノエーテルは式HOCH2CH2OR
(Rは炭化水素基を表す)で示されるものでセロソルブ
とも呼ばれる。メチルセロソルブ及びエチルセロソルブ
が(アセチル)サリチル酸の溶解性、インクの浸透性、
乾燥遅延性等の点で最も好ましく用いられる。エチレン
グリコールモノエーテルは上記ポリエチレングリコール
と併用しても良い。
【0011】第1の溶媒と混用される第2の溶媒は1価
アルコール、ケトン、エステル、炭化水素、ハロゲン化
炭化水素の中から選ばれ、(アセチル)サリチル酸を溶
解させることができるものならば、何れも使用可能であ
る。1価アルコールとしては例えばメタノール、エタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、
イソブタノール等が挙げられる。ケトンとしては例えば
アセトン、メチルエチルケトンが挙げられる。エステル
としては例えば酢酸エチルが挙げられる。ハロゲン化炭
化水素としては例えば塩化メチレン、トリクロロエチレ
ンが挙げられる。揮発性、安全性、溶解性、無臭性等の
点でアルコール特にエタノールの使用が最も好ましい。
【0012】第2の溶媒(アルコール等)に対する第1
の溶媒(ポリエチレングリコール及び/又はエチレング
リコールモノエーテル)の混合重量比(第1溶媒:第2
溶媒)は任意であるが、一般的には5:95〜90:1
0、好ましくは10:90〜70:30である、更に好
ましくは20:80〜50:50である。第1の溶媒の
使用割合が過度に小さいとインクの乾燥性が速くなり
又、(アセチル)サリチル酸の溶解性が低下する。一
方、第1の溶媒の使用割合が過度に大きいとインクの乾
燥性が遅くなり、紙への浸透性も低下する。
【0013】混合溶媒の作用につき1価アルコールを第
2溶媒として使用する場合について述べると、1価アル
コールは(アセチル)サリチル酸を溶解することが出来
るが、1価アルコール単独の溶媒の場合よりも、1価ア
ルコールと第2の溶媒との混合溶媒の方が多量の(アセ
チル)サリチル酸を溶解することができる。例えば、常
温においてエチルアルコール100cm3に対しサリチ
ル酸は約35gで飽和溶液になるが、エチルアルコール
60cm3と分子量200のポリエチレングリコール4
0cm3との混合溶媒に対しサリチル酸は約50gで飽
和溶液になる。又、第2の溶媒を用いることにより、1
価アルコール単独の場合の揮発性を抑制することができ
るし、又1価アルコールの紙に対する浸透性を助長する
ことができる。従って、混合溶媒中に溶存している(ア
セチル)サリチル酸のデザイン紙の中への浸透が充分に
行われる。又、混合溶媒を用いることにより蒸散速度は
遅くなり、インクの貯蔵性が高まる上、デザイン紙に塗
布した後で紙質に長時間残留する。
【0014】本発明のインク組成物の(アセチル)サリ
チル酸は、インク組成物における呈色成分として、或い
は顕色剤としても機能するものである。具体的には、呈
色成分としては、白色系の呈色成分として機能する。こ
の白色図案は、熱又は経時により蒸散して消色し、又水
で拭うことにより消色する。一方、顕色剤としては、酸
性物質として機能し、後に詳述する特定の色素に対して
顕色作用を有する。又、(アセチル)サリチル酸は、上
記混合溶媒とあいまってインクの浸透性の向上をもたら
す。(アセチル)サリチル酸は上記混合溶媒に対し1重
量%以上飽和濃度以下、好ましくは5重量%以上飽和濃
度以下の量で用いられる。
【0015】本発明のインク組成物は白色以外の着色剤
を含むことができる。このような着色剤としては、有機
溶媒に可溶性であり、かつ(アセチル)サリチル酸の影
響により、色素としての機能を損なわないものであれ
ば、いかなるものも使用できる。着色剤としては(アセ
チル)サリチル酸の作用を受ける依存型のものと、その
作用を受けない独立型のものとに分けることができる。
依存型の例としてはメチルレッド、プロピルレッド、ナ
フチルレッド等の酸塩基指示薬、及びクリスタルバイオ
レットラクトン、ローダミンラクトン等のラクトン系色
素があげられる。これらの色素は(アセチル)サリチル
酸により顕色する一方、この顕色は熱又は水で消色し、
或いは時日の経過と共に(アセチル)サリチル酸の蒸散
とともに消色する。
【0016】独立型の着色剤としては上記混合溶媒に可
溶な染料又は顔料が挙げられ、例えば、ベーシックレッ
ド(Basic Red)12、ソルベントレッド(Solvent Re
d)8、バリファストレッド(VALIFAST RED)331
2、バリファストイエロー(VALlFAST YELLOW)111
0、バリファストブルー(VALIFAST BLUE)2606等
が挙げられる。これらは消色性ではない。独立型の消色
性着色剤としてはチオシアン酸コバルトが挙げられ、こ
のものは水で拭うことにより消色可能な画像を与える。
独立型の着色剤と併用する場合、(アセチル)サリチル
酸は呈色剤としても顕色剤としても作用しないがインク
画像の圧力転写の点でその存在は不可欠である。このこ
とは、依存型の着色剤と併用する場合でも、(アセチ
ル)サリチル酸は顕色剤として作用するほかにもインク
画像の圧力転写性の向上効果を与えるものであることを
示している。
【0017】インク組成物中の着色剤の含有量は呈色が
はっきり表われるのに充分な量であれば良い。一般的に
は、酸、塩基指示薬及びラクトン等の依存型着色剤の場
合はインク組成物に対し0.01重量%乃至10重量%
であり、好ましくは0.1重量%乃至5重量%が望まし
い。なお、依存型着色剤の呈色時間を延長するために混
合溶媒に可溶性の酸を顕色剤としてインク組成物に含有
させることができる。このような酸としては、例えば、
クエン酸を挙げることができ、その使用量はインク組成
物に対し0.05重量%乃至10重量%であるが、好ま
しくは0.1重量%乃至5重量%である。又、非消色性
の独立型の着色剤はインク組成物に対し0.1重量%乃
至15重量%、好ましくは0.5重量%乃至10重量%
である。チオシアン酸コバルトの如き消色性の独立型着
色剤はインク組成物に対し0.3重量%乃至25重量
%、好ましくは1重量%乃至15重量%である。
【0018】本発明のインク組成物を所望の図案が描か
れたデザイン紙(型紙)に塗布した後、鉄筆、ルレッ
ト、ボールペン等の押圧具を用いて図案をなぞると、こ
の押圧力によって、インクはデザイン紙の下に置かれた
転写体に転移し、転写体上に図案に従ったパターンを写
すことができる。本発明の呈色機構については次のよう
に考えられる。
【0019】(1)白色以外の着色剤が存在しない場合 インク中に溶存している(アセチル)サリチル酸が溶媒
が蒸散した後、画像は白色を呈する。そしてこの白色は
熱を加えるか又は経時と共に退色していく。水でぬぐう
ことによっても消色する。
【0020】(2)酸塩基指示薬を併用した場合 例えばメチルレッドは変色域がpH4.4〜6.2であ
りpH4.4未満では赤色、pH6.2を超えると黄色
になる。画像は酸性物質としての(アセチル)サリチル
酸と共存している間は赤色を呈しているが、(アセチ
ル)サリチル酸の蒸散に伴い、この赤色も黄色になり更
に水でぬぐうと淡い黄色に変化する。
【0021】(3)ラクトン系を併用した場合 例えばクリスタルバイオレットラクトンを使用した場
合、画像は(アセチル)サリチル酸の酸性物質としての
作用と反応して青色を呈する。この青色は(アセチル)
サリチル酸の蒸散に伴い、次第に退色する。即ち時日の
経過と共に転写体の呈色は消えていく。水でぬぐうこと
によっても消色する。クエン酸などの可溶性酸性物質の
添加により転写体上における画像の呈色期間を長くする
ことができる。
【0022】(4)消色性独立型着色剤を併用した場合 例えばチオシアン酸コバルトをインク中に溶存させる場
合には、画像は淡青色を呈する。この青色画像は水で容
易に消色することができる。
【0023】(5)非消色性独立型着色剤を併用した場
合 例えばVALlFAST YELLOW1110をインク中に溶存させ
る場合には、画像は黄色を呈する。この黄色画像は容易
に消色することはできない。
【0024】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。
【0025】実施例1 エタノール60gにポリエリレングリコール(分子量2
00)40gを加え、これにサリチル酸50gを加えて
撹拌し、完全に溶解させた。これを原溶液として以下の
実験を行った。 (A)上記の原溶液20gをとり、これにクリスタルバ
イオレット0.3gを加え、撹拌すると青色のインクを
得た。このインクをサインペンの中綿(インクタンク)
に充填させ、中綿の先端に挿入してあるペン芯から浸出
してくるようにした。別に所望の図案を有する型紙とそ
の図案を転写したい白布を重ねて、粘着テープで動かな
いように固定した。そしてこの型紙の図案上にインクを
塗布し、次に図案にそって鉄筆でなぞると、転写体であ
る布上に所望のデザインを転写することができた。そし
てこの転写デザインは4日後に自然に消色した。
【0026】(B)又、別にこの原溶液20gにメチル
レッド0.05gを溶解させてインクを得た。このイン
クを中綿に含浸させてサインペンを作り、上記と同じよ
うに型紙と布とを粘着テープで固定し、この型紙にイン
クを塗布すると赤色を呈した。この型紙の所望のデザイ
ンに従ってルレットでなぞると、布上に赤色の点線を画
くことができた。得られた赤色デザインは自然に消色し
ないが、水で拭うことにより淡黄色となった。
【0027】(C)原溶液20gにチオシアン酸コバル
ト1gを加えて攪拌して、淡青色インクを得た。このイ
ンクを用いて上記(A)と同様にしてサインペンをつく
り、このインクで型紙の上を塗布し、鉄筆でこの上をな
ぞると、所望のデザインを布上に転写することができ
た。このデザインは水によって消色した。
【0028】(D)原溶液20gにVALIFAST RED331
2を0.2g撹拌溶解して赤色インクを作成した。この
インクをもってサインペンをつくり、転写体である布上
に密着した型紙の上にインクを塗布し、次にその上を鉄
筆をもって所望のデザインに沿って画線をかくと布上に
所望のデザインを得ることができた。
【0029】実施例2 エタノール70gにエチルセロソルブ(エチレングリコ
ールモノエチルエーテル)30gを混合させ、これにア
セチルサリチル酸45gを溶解した。これを原溶液とし
て以下の実験を行った。
【0030】(A)上記の原溶液20gをとり、これに
クリスタルバイオレットラクトン0.4gを加え、溶解
せしめて青色のインクを得た。このインクを用いて実施
例1(B)と同様な作業を行うことにより所望のデザイ
ンを転写することができた。この青色デザインは転写し
てから2日後に自然消色した。
【0031】(B)原溶液20gにメチルレッド0.1
gを溶解させて赤色のインクを得た。このインクを用い
て実施例1(A)と同様な作業を行うことにより所望の
デザインを布上に転写することができた。この赤色デザ
インは自然に消色しないが、水で拭うことにより淡黄色
となった。
【0032】(C)原溶液20gにチオシアン酸コバル
ト2gを加え、攪拌して、淡青色のインクを得た。この
インクを用いて上記(B)と同様な作業を行うことによ
り所望のデザインを布上に転写することができた。この
青色デザインは水によって消色した。
【0033】(D)原溶液20gにVALIFAST Blue26
06を0.1g溶解して青色インクを作成した。このイ
ンクを用いて上記(B)と同様な作業を行うことにより
所望のデザインを布上に転写することができた。
【0034】実施例3 イソプロピルアルコール70gにポリエチレングリコー
ル(分子量200)30gを加え、これに更にサリチル
酸45gを溶解させ、原溶液を作成した。この原溶液を
用いて実施例1の(A)、(B)、(C)及び(D)と
全く同じ実験を行った。結果は実施例1と同様であっ
た。
【0035】実施例4 実施例1の原溶液をインクとして実施例1(A)と同様
にしてサインペンをつくり、このインクで型紙の上を塗
布し、鉄筆でこの上をなぞると、所望の白色デザイン
を、型紙の下に置いた黒色布上に転写することができ
た。この白色デザインは加熱によって消色した。
【0036】実施例5 実施例1においてサリチル酸に代えてアセチルサリチル
酸を用いた以外は同様にして各種インクを作成した。
【0037】実施例6 実施例2においてアセチルサリチル酸に代えてサリチル
酸を用いた以外は同様にして各種インクを作成した。
【0038】比較例1 エタノール60gにポリエリレングリコール(分子量2
00)40gを加え、混合溶媒を得た。この混合溶媒5
0gにチオシアン酸コバルト3gを加え、攪拌溶解させ
て青色インクを得た。このインクを用いて実施例1
(A)と同様にしてサインペンを作成した。所望の図案
を有する型紙とその図案を転写したい布を重ねて、粘着
テープで動かないように固定した。そしてこの型紙の図
案上にインクを塗布し、その後直ちに図案にそって鉄筆
でなぞると、転写体である布上にデザインが転写できた
がその画像濃度は低く、鮮明な青色デザインは得られな
かった。又、インク塗布後2時間放置してから鉄筆でな
ぞったが布上にデザインは転写できなかった。
【0039】実施例7 比較例1の混合溶媒50gにサリチル酸20gを溶解さ
せ、更にチオシアン酸コバルト3gを加え、攪拌溶解さ
せて青色インクを得た。このインクを用いて実施例1
(A)と同様にしてサインペンを作成した。次いで比較
例1と同様な図案転写実験を行ったところインク塗布直
後に形成した青色デザインも塗布後2時間放置してから
形成した青色デザインもいずれも鮮明であった。((ア
セチル)サリチル酸)による転写性の向上メカニズムは
明らかではないが、溶剤の蒸散後、溶質((アセチル)
サリチル酸)はそれに着色剤が付着もしくは付加した状
態で紙質中に残り、そのため着色剤の圧力転写を容易に
するものと考えられる。
【0040】
【発明の効果】本発明のインクは、(アセチル)サリチ
ル酸を特定の混合溶媒に溶解したことから、そのデザイ
ン紙(型紙)への浸透性及び乾燥防止性ならびに転写体
への圧力転写性が高まり、従来のような複写紙を用いる
ことなく所望の図案を転写体に直接転写することができ
る。更に消色性又は非消色性着色剤を含有することによ
り、各種の色のインクとすることができる。図案転写作
業はデザイン紙(型紙)にインクを塗布してから直ちに
鉄筆等を用いて転写物に書くのみではなく、塗布してか
ら数時間後においても所望のデザインを転写物に転写す
ることができる。本発明のインクは圧力転写用に有利に
適用できるが、これに限らず、通常の消色性白色イン
ク、消色性有色インクとして、又、特開平9−2637
36公報に示すような熱転写方式の下図作成方法にも利
用できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 20℃で液体のポリエチレングリコール
    及びエチレングリコールモノエーテルの中から選ばれた
    少なくとも1種の第1の溶媒と、1価アルコール、ケト
    ン、エステル、ハロゲン化炭化水素の中から選ばれた少
    なくとも1種の第2の溶媒からなる混合溶媒と、該混合
    溶媒に溶解されたサルチル酸及びアセチルサリチル酸の
    中から選ばれた少なくとも1種の溶質成分とからなるイ
    ンク組成物。
  2. 【請求項2】 白色以外の着色物質が更に溶解されてい
    る請求項1記載のインク組成物。
  3. 【請求項3】 前記着色物質が消色性画像を与えるもの
    である請求項2記載のインク組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のイン
    ク組成物を収容したインク容器を備えてなる筆記具。
  5. 【請求項5】 デザイン紙上の図案にインクを塗布、浸
    透させる工程、デザイン紙を転写体表面に置く工程、押
    圧具により該図案をトレースすることにより該インクを
    デザイン紙から該転写体表面に圧力転写する工程からな
    る下図作成方法。
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