JP2002030240A - インク組成物及び下図作成方法 - Google Patents

インク組成物及び下図作成方法

Info

Publication number
JP2002030240A
JP2002030240A JP2000215394A JP2000215394A JP2002030240A JP 2002030240 A JP2002030240 A JP 2002030240A JP 2000215394 A JP2000215394 A JP 2000215394A JP 2000215394 A JP2000215394 A JP 2000215394A JP 2002030240 A JP2002030240 A JP 2002030240A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
ink composition
solvent
design
pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000215394A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4321953B2 (ja
Inventor
Zenshiro Iijima
飯島善四郎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adger Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Adger Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Adger Kogyo Co Ltd filed Critical Adger Kogyo Co Ltd
Priority to JP2000215394A priority Critical patent/JP4321953B2/ja
Publication of JP2002030240A publication Critical patent/JP2002030240A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4321953B2 publication Critical patent/JP4321953B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pens And Brushes (AREA)
  • Coloring (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 正確で簡便に所望の図案を転写体に圧力転写
することができるインク組成物及びそれを用いた下図作
成方法を提供する。 【解決手段】 常温液体のポリアルキレングリコール及
び/又はエチレングリコールモノエーテルと、1価アル
コール、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素の中か
ら選ばれた溶媒とからなる混合溶媒に、着色剤を溶解し
てなるインク組成物及びこのインク組成物を含有する筆
記具。下図作成方法は、デザインシートを転写体表面に
置く工程、上記筆記具により該図案をトレースすること
により該インクをデザインシートを通して転写体表面に
転写する工程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク組成物に関
し、より詳しくは、デザインシート(型紙)上の図案に
従ったパターンを紙、布、木材、プラスチック、金属、
皮革等の転写体に転写する場合に好適に用いられるイン
ク組成物に関する。本発明は、又、上記インク組成物を
用いた筆記具、及び図案に従ったパターンを転写体に作
成する下図作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、デザイン紙上の図案等を他の転写
体に転写するには、デザイン紙と転写体の間に複写紙
(カーボンペーパー、チャコペーパー)を入れ、図案の
上からルレット(点線押圧用具)、鉄筆或いはボールペ
ン等で所望のデザインに従ってトレースし、この押圧力
によって複写紙に含有又は付着している色素を転写体上
に移行させ、これによって所望のデザインを転写体上に
形成する方法が採用されていた。しかしながら、この方
法においては、図案の形成を複写紙の含有又は付着して
いるインク層の転写によって行っているため、強い押圧
力で鉄筆やボールペン等を図案の上から押付けてトレー
スする必要がある。このため、例えば転写体が布の場合
には、鉄筆、ボールペン等の押圧力によって、その書く
部分の布地が伸長したりする等の問題がある。又、その
押圧力で複写紙が破損するという問題がある。更に、デ
ザイン紙と転写物との間に複写紙を入れるために、これ
ら三層の相対位置が図案作成中にずれ易く、図案を正確
に転写体に写すことが困難である。ひとたびズレが生じ
ると、再び位置合わせすることは非常に困難であるた
め、充分な前作業によって移動しないように用意してか
ら転写を行う必要がある。特開平9−263736公報
には、図案の上に透明もしくは半透明のシート材を重
ね、インクを用いてシート材に図案をトレースし、トレ
ースした図案を持つシート材を転写体に重ね、ついで加
熱してトレースした図案を転写体に移行させる下図作成
方法が開示されている。この方法によれば、チャコペー
パー等の複写紙は不要であるが、アイロンなどで加熱す
る工程を必要とする。なお、この方法にはサルチル酸及
び/又はアセチルサリチル酸と、白色以外の着色剤と、
アルコールなどの有機溶媒からなるインク組成物が用い
られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の欠
点を解消し、チャコペーパー等の複写紙も加熱工程も必
要とせずに、所望の図案(画線等)を所望の転写体に正
確で簡便に明瞭に転写することが可能なインク組成物、
そのインク組成物を含有する筆記具、及びその筆記具を
用いた下図作成方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
20℃で液体のポリアルキレングリコール及びエチレン
グリコールモノエーテルの中から選ばれた少なくとも1
種の第1の溶媒と、1価アルコール、ケトン、エステ
ル、ハロゲン化炭化水素の中から選ばれた少なくとも1
種の第2の溶媒からなる混合溶媒と、該混合溶媒に溶解
された着色物質からなるインク組成物である。該インク
組成物を含む筆記具を用いて布などの転写体上に置かれ
た図案を持つデザインシート(型紙等)の図案に従って
押圧筆記するのみで、該インクはデザインシート中を容
易に浸透して、転写体上に移転するため、図案に応じた
パターンを転写体上に正確に転写し得る。
【0005】本発明の第2の発明は、該着色物質がサル
チル酸及びアセチルサリチル酸の中から選ばれた少なく
とも1種である第1の発明のインク組成物である。サル
チル酸及びアセチルサリチル酸は白色の呈色物質として
機能し、暗色もしくは濃色の転写体に白色の図案を与え
る。この白色図案は、水を含んだ布等で拭ったり、加熱
もしくは経時により消色する。
【0006】本発明の第3の発明は、該着色物質が白色
以外の着色物質であり、該混合溶媒にサルチル酸及びア
セチルサリチル酸の中から選ばれた少なくとも1種が更
に溶解されている第1の発明のインク組成物である。こ
のインク組成物は用いた着色物質に応じた色の図案を与
える。サルチル酸及びアセチルサリチル酸はインクの浸
透性を向上させる。又、酸により発色する着色物質にた
いしてはサルチル酸及びアセチルサリチル酸は顕色剤と
しても機能する。
【0007】本発明の第4の発明は、前記着色物質が消
色性画像を与えるものである第3の発明のインク組成物
である。このインク組成物の図案は消色性のものとな
る。
【0008】本発明の第5の発明は、前期第2の溶媒に
対する前期第1の溶媒の重量比が、20:70未満であ
る第1乃至第4の発明のいずれかのインク組成物であ
る。
【0009】本発明の第6の発明は、第1乃至第5の発
明のいずれかのインク組成物を収容したインク容器と、
該インク容器内のインク組成物が浸出される硬質のペン
先とを備えてなる筆記具筆記具である。これにより、従
来のチャコペーパーは不要となる。
【0010】本発明の第7の発明は、1価アルコール、
ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素の中から選ばれ
た少なくとも1種の溶媒と、該溶媒に溶解された着色物
質又は着色物質とその顕色剤からなるインク組成物を収
容したインク容器と、該インク容器内のインク組成物が
浸出される硬質のペン先とを備えてなる筆記具である。
この筆記具により優れたインク画像転写性がもたらされ
る。
【0011】本発明の第8の発明は、デザインシートを
転写体表面に置く工程と、前記第6又は第7の発明の筆
記具を用いて該デザインシート上の図案をトレースし
て、該図案に対応する該インク組成物の図案を該デザイ
ンシートを通して該転写体表面に転写する工程からなる
下図作成方法下図作成方法である。これにより、従来の
チャコペーパーは不要となる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のインクは、図案を持つ紙
等のデザインシートに対し浸透性を有するとともに、そ
の下に置かれた布などの転写体上に達することが必要な
条件である。即ち、図案をデザインシート表面から通常
の筆圧でトレースしたとき、インクがこのデザインシー
トの裏面にまで浸透するとともに、転写体上にトレース
した図案が転写されることが必要である。この要件は、
20℃で液体のポリアルキレングリコール及びエチレン
グリコールモノエーテルの中から選ばれた少なくとも1
種の第1の溶媒と、1価アルコール、ケトン、エステ
ル、ハロゲン化炭化水素の中から選ばれた少なくとも1
種の第2の溶媒とからなる混合溶媒に、着色物質を溶解
させたインク組成物により満足できる。
【0013】第1の溶媒として用いるポリアルキレング
リコールは20℃で液体であることが必要で、分子量4
00以下、好ましくは300以下の低分子量のものが望
ましい。特に、分子量200以下のポリエチレングリコ
ールがインクの浸透性、乾燥遅延性、更に後述する任意
成分であるサリチル酸又はアセチルサリチル酸の溶解性
等の点で最も好ましく用いられる。エチレングリコール
モノエーテルはセロソルブとも呼ばれる。メチルセロソ
ルブ及びエチルセロソルブがサリチル酸又はアセチルサ
リチル酸の溶解性、インクの浸透性、乾燥遅延性等の点
で最も好ましく用いられる。エチレングリコールモノエ
ーテルは上記ポリアルキレングリコールと併用しても良
い。
【0014】第1の溶媒と混用される第2の溶媒は1価
アルコール、ケトン、エステル、炭化水素、ハロゲン化
炭化水素の中から選ばれる。1価アルコールとしては例
えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、ブタノール、イソブタノール等が挙げられ
る。ケトンとしては例えばアセトン、メチルエチルケト
ンが挙げられる。エステルとしては例えば酢酸エチルが
挙げられる。ハロゲン化炭化水素としては例えば塩化メ
チレン、トリクロロエチレンが挙げられる。揮発性、安
全性、溶解性、無臭性等の点でアルコール特にエタノー
ルの使用が最も好ましい。
【0015】第2の溶媒(アルコール等)に対する第1
の溶媒(ポリエチレングリコール及び/又はエチレング
リコールモノエーテル)の混合重量比(第1溶媒:第2
溶媒)は、にじみ性、浸透性、転写性の点で、通常2
0:80未満である。その下限は好ましくは0.1:9
9.9、更に好ましくは1:99である。上記混合比
は、好ましくは15:85以下でであり、10:90未
満とすると浸透性が特に高まる。
【0016】又、第1の溶媒を用いることにより、第2
の溶媒単独の場合の揮発性を抑制することができるし、
又第2の溶媒の紙に対する浸透性を助長することができ
る。又、混合溶媒を用いることにより蒸散速度は遅くな
り、インクの貯蔵性が高まる上、転写性も改善される。
【0017】高められたインクの滲み防止性及びインク
転写性の理由で、該混合溶媒にサルチル酸及びアセチル
サリチル酸(以下これらを(アセチル)サリチル酸とし
て総称する)の中から選ばれた少なくとも1種を溶解さ
せることが好ましい。この場合、(アセチル)サリチル
酸は、インク組成物における呈色成分として、或いは顕
色剤としても機能するものである。具体的には、呈色成
分としては、白色系の呈色成分として機能する。この白
色図案は、熱又は経時により蒸散して消色し、又水で拭
うことにより消色する。一方、顕色剤としては、酸性物
質として機能し、後に詳述する特定の色素に対して顕色
作用を有する。又、(アセチル)サリチル酸は、上記混
合溶媒とあいまってインクの浸透性及び転写性の向上を
もたらす。(アセチル)サリチル酸は上記混合溶媒に対
し1重量%以上飽和濃度以下、好ましくは5重量%以上
飽和濃度以下の量で用いられる。
【0018】なお、混合溶媒のうち、第1溶媒は(アセ
チル)サリチル酸を溶解することができるが、第2の溶
媒との混合溶媒の方が多量の(アセチル)サリチル酸を
溶解することができる。
【0019】本発明のインク組成物は着色成分として可
溶性の着色剤が含有される。着色剤としては顕色剤の作
用を受ける依存型のものと、その作用を受けない独立型
のものとに分けることができる。依存型の例としてはメ
チルレッド、プロピルレッド、ナフチルレッド等の酸塩
基指示薬、及びクリスタルバイオレットラクトン、ロー
ダミンラクトン等のラクトン系色素があげられる。顕色
剤としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、(アセチ
ル)サリチル酸等の酸性物質、トリエタノールアミン等
のアミンなどの塩基性物質が挙げられる。これらの顕色
剤は単独又は2種以上の混合物として用いられる。顕色
剤として(アセチル)サリチル酸を用いる場合は、これ
らの色素は(アセチル)サリチル酸により顕色する一
方、この顕色は熱又は水で消色し、或いは時日の経過と
共に(アセチル)サリチル酸の蒸散とともに消色する。
本発明のインク組成物には水を含まないことがインクの
浸透性、画像の転写性の点で望ましい。
【0020】独立型の着色剤としては上記混合溶媒に可
溶な染料又は顔料が挙げられ、例えば、ベーシックレッ
ド(Basic Red)12、ソルベントレッド(Solvent Re
d)8、バリファストレッド(VALIFAST RED)331
2、バリファストイエロー(VALIFAST YELLOW)111
0、バリファストブルー(VALIFAST BLUE)2606、
クリスタルバイオレット等が挙げられる。これらは消色
性ではない。独立型の消色性着色剤としてはチオシアン
酸コバルトが挙げられ、このものは水で拭うことにより
消色可能な画像を与える。
【0021】インク組成物中の着色剤の含有量は呈色が
はっきり表われるのに充分な量であれば良い。一般的に
は、酸指示薬及びラクトン等の依存型着色剤の場合はイ
ンク組成物に対し0.01重量%乃至15重量%であ
り、好ましくは0.05重量%乃至10重量%が望まし
い。フタレイン系指示薬の場合は、インク組成物に対し
0.05重量%乃至10重量%であり、好ましくは0.
5重量%乃至5重量%が望ましい。又、非消色性の独立
型の着色剤はインク組成物に対し0.1重量%乃至15
重量%、好ましくは0.5重量%乃至10重量%であ
る。チオシアン酸コバルトの如き消色性の独立型着色剤
はインク組成物に対し0.3重量%乃至25重量%、好
ましくは1重量%乃至15重量%である。上記の各タイ
プの着色剤は適宜組み合わせて併用することができる。
【0022】布などの転写体の上に、所望の図案が描か
れたデザインシートを置き、本発明のインク組成物を含
有し且つ筆圧の実質的に全てがデザインシートに伝わる
ような硬質のペン先をもつペンなどの筆記具を用いて、
この図案をトレースすると、インクはデザイン紙を通し
て、インクは転写体に転移し、転写体上に図案に従った
パターンを写すことができる。硬質のペン先としては、
軸線方向にインキ流出孔を配設したプラスチック、金属
又はセラミック加工体、繊維の樹脂加工又は熱融着加工
体、先端にボールを回転可能に保持したチップ等が用い
られる。
【0023】布などの転写体の上に、所望の図案が描か
れたデザインシートを置き、1価アルコール、ケトン、
エステル、ハロゲン化炭化水素の中から選ばれた少なく
とも1種の溶媒と、該溶媒に溶解された着色物質又は着
色物質とその顕色剤からなるインク組成物を収容したイ
ンク容器と、該インク容器内のインク組成物が浸出され
る硬質のペン先とを備えてなる筆記具を用いて、該図案
をトレースすると、インクはデザイン紙を通して、イン
クは転写体に転移し、転写体上に図案に従ったパターン
を写すことができる。ただし、20℃で液体のポリアル
キレングリコール又はエチレングリコールモノエーテル
が含有されないことから、転写画像に滲みが生じる傾向
がある。この場合の溶媒、着色物質、顕色剤は前記した
ものが使用できる。
【0024】本発明のインクの呈色機構については次の
ように考えられる。 (1)(アセチル)サリチル酸を着色剤として用いる場
合 インク中に溶存している(アセチル)サリチル酸は、溶
媒が蒸散した後、白色画像を与える。この白色は熱を加
えるか又は経時と共に退色していく。水でぬぐうことに
よっても消色する。
【0025】(2)酸指示薬を用いた場合 例えばメチルレッドは変色域がpH4.4〜6.2であ
りpH4.4未満では赤色、pH6.2を超えると橙色
になる。画像は、酸性物質として(アセチル)サリチル
酸を用いる場合、これと共存している間は赤色を呈して
いるが、(アセチル)サリチル酸の蒸散に伴い、この赤
色も橙色になり更に水でぬぐうと淡い黄色に変化する。
酸性物質としてクエン酸などを用いる場合は、経時変化
はないが、水でぬぐうと淡い黄色に変化する
【0026】(3)ラクトン系を併用した場合 例えばクリスタルバイオレットラクトンを使用した場
合、画像は酸性物質の作用と反応して青色を呈する。こ
の青色は酸性物質が(アセチル)サリチル酸の場合、こ
れの蒸散に伴い、次第に退色する。即ち時日の経過と共
に転写体の呈色は消えていく。水でぬぐうことによって
も消色する。クエン酸などの可溶性酸性物質の添加によ
り転写体上における画像の呈色期間を長くすることがで
きる。クエン酸などの水可溶性酸性物質を用いた場合
は、青色の呈色は水でぬぐうことにより消色する。
【0027】(4)消色性独立型着色剤を併用した場合 例えばチオシアン酸コバルトをインク中に溶存させる場
合には、画像は淡青色を呈する。この青色画像は水で容
易に消色することができる。
【0028】(5)非消色性独立型着色剤を併用した場
合 例えばVALIFAST YELLOW 1110をインク中に溶存させ
る場合には、画像は黄色を呈する。この黄色画像は容易
に消色することはできない。
【0029】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。部は重量部を意味する。
【0030】実施例1 エタノール97部にポリエリレングリコール(分子量2
00)3部を加えて混合溶媒を得た。 (A)上記の混合溶媒20部にクリスタルバイオレット
0.3部を加え、撹拌溶解すると青色のインクが得られ
た。このインクをペンの中綿(インクタンク)に充填さ
せ、中綿の先端に挿入してある硬質のプラスチックペン
先から浸出してくるようにした。別に所望の図案を有す
る型紙とその図案を転写したい白布を重ねて、粘着テー
プで動かないように固定した。そしてこの型紙の図案に
そってペンでなぞると、転写体である布上に所望のデザ
インを転写することができた。
【0031】(B)又、上記の混合溶媒20部にメチル
レッド0.05部を溶解させて橙色インクを得た。この
インクを用いて上記(A)と同様にしてサインペンをつ
くり、布の上に置かれた型紙の図案にそってサインペン
でなぞると、布上に所望の橙色デザインを転写すること
ができた。この転写デザインは自然に消色しないが、水
を含んだ布で拭うことにより淡黄色となった。
【0032】(C)上記の混合溶媒20部にチオシアン
酸コバルト1部を溶解させて淡青色インクを得た。この
インクを用いて上記(A)と同様にしてサインペンをつ
くり、布の上に置かれた型紙の図案にそってサインペン
でなぞると、布上に所望の青色デザインを転写すること
ができた。このデザインは水を含んだ布で拭うことによ
り消色した。
【0033】(D)原溶液20部にVALIFAST RED331
2を0.2部撹拌溶解して赤色インクを作成した。この
インクを用いて上記(A)と同様にしてサインペンをつ
くり、布の上に置かれた型紙の図案にそってサインペン
でなぞると、布上に所望の赤色デザインを転写すること
ができた。
【0034】実施例2 エタノール92部にポリエリレングリコール(分子量2
00)8部を加え、これにサリチル酸20部を加えて撹
拌し、完全に溶解させた。これを原溶液として以下の実
験を行った。
【0035】(A)上記の原溶液20部をとり、これに
クリスタルバイオレットラクトン0.4部を加え、溶解
せしめて青色のインクを得た。このインクを用いて実施
例1(A)と同様な作業を行うことにより所望のデザイ
ンを転写することができた。この青色デザインは転写し
てから2日後に自然消色した。
【0036】(B)原溶液20部にメチルレッド0.1
部を溶解させて赤色のインクを得た。このインクを用い
て実施例1(A)と同様な作業を行うことにより所望の
デザインを布上に転写することができた。この赤色デザ
インは経時とともに橙色となり、水を含んだ布で拭うこ
とにより淡黄色となった。
【0037】(C)原溶液20部にチオシアン酸コバル
ト2部を加え、撹拝して、淡青色のインクを得た。この
インクを用いて上記(B)と同様な作業を行うことによ
り所望のデザインを布上に転写することができた。この
青色デザインは水を含んだ布で拭うことにより消色し
た。
【0038】(D)原溶液20部にVALIFAST BLUE26
06を0.1部溶解して青色インクを作成した。このイ
ンクを用いて上記(B)と同様な作業を行うことにより
所望のデザインを布上に転写することができた。なお、
実施例1(A)〜(D)と比べると実施例2(A)〜
(D)の方がいずれも布上の転写デザインに滲みが見ら
れず鮮明であった。
【0039】実施例3 実施例2において、ポリエチレングリコールに代えてエ
チルセロソルブ(エチレングリコールモノエチルエーテ
ル)を用いた以外は実施例2と同様にして実験を行っ
た。結果は実施例2と同様であった。
【0040】実施例4 実施例2において、エタノールに代えてイソプロピルア
ルコールを用いた以外は実施例2と同様にして実験を行
った。結果は実施例2と同様であった。
【0041】実施例5 実施例2の原溶液をインクとして用いて実施例1(A)
と同様な作業を行うことにより所望の白色デザインを、
型紙の下に置いた黒色布上に転写することができた。こ
の白色デザインは加熱によって消色した。
【0042】実施例6 実施例2においてサリチル酸に代えてアセチルサリチル
酸を用いた以外は同様にして各種インクを作成し、実施
例2と同様にして実験を行った。結果は実施例2と同様
であった。
【0043】実施例7 (A)エタノール20部ににクリスタルバイオレットラ
クトン0.4部とクエン酸4部を溶解せしめて青色のイ
ンクを得た。このインクを用いて実施例1(A)と同様
な作業を行うことにより、若干の滲みがあるが所望のデ
ザインを転写することができた。この青色デザインは水
を含んだ布で拭うことにより消色した。
【0044】実施例8 (B)エタノール20部にメチルレッド0.1部を溶解
させて橙色のインクを得た。このインクを用いて実施例
1(A)と同様な作業を行うことにより、若干の滲みが
あるが所望のデザインを布上に転写することができた。
この橙色デザインは、水を含んだ布で拭うことにより淡
黄色となった。
【0045】比較例1 イソプロピルアルコール80部と塩化エチレン20部と
の混合溶媒にサリチル酸30部を溶解させ、次いでポリ
エリレングリコール(分子量60〜110万)0.8部
を溶解させた。これにメチルレッド0.1部を加え、撹
拌溶解させて橙赤色インクを得た。このインクを用いて
実施例1(A)と同様な作業を行ったが鮮明なデザイン
を布上に転写することができなかった。
【0046】比較例2 イソプロピルアルコール70部と塩化エチレン30部と
の混合溶媒にアセチルサリチル酸20部を溶解させ、次
いでポリエリレングリコール(分子量60〜110万)
0.8部を溶解させた。これにクリスタルバイオレット
ラクトン0.2部を加え、撹拌溶解させて青色インクを
得た。このインクを用いて実施例1(A)と同様な作業
を行ったが所望のデザインを布上に転写することができ
なかった。
【0047】比較例3 水100部に、チオシアン酸コバルト15部を溶解さ
せ、更にポリエリレングリコール(分子量200)10
部を溶解させて青色インクを得た。このインクを用いて
実施例1(A)と同様な作業を行ったが、所望のデザイ
ンを布上に転写することができなかった。
【0048】
【発明の効果】本発明のインクは、着色剤を特定の混合
溶媒に溶解したことから、そのデザインシートへの浸透
性及び転写体への圧力転写性が高まり、従来のようなチ
ャコペーパーなどの複写紙を用いることなく所望の図案
を転写体に直接転写することができる。更に消色性又は
非消色性着色剤を含有することにより、各種の色のイン
クとすることができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 20℃で液体のポリアルキレングリコー
    ル及びエチレングリコールモノエーテルの中から選ばれ
    た少なくとも1種の第1の溶媒と、1価アルコール、ケ
    トン、エステル、ハロゲン化炭化水素の中から選ばれた
    少なくとも1種の第2の溶媒からなる混合溶媒と、該混
    合溶媒に溶解された着色物質からなるインク組成物。
  2. 【請求項2】 該着色物質がサルチル酸及びアセチルサ
    リチル酸の中から選ばれた少なくとも1種である請求項
    1記載のインク組成物。
  3. 【請求項3】 該着色物質が白色以外の着色物質であ
    り、該混合溶媒にサルチル酸及びアセチルサリチル酸の
    中から選ばれた少なくとも1種が更に溶解されている請
    求項1記載のインク組成物。
  4. 【請求項4】 前記着色物質が消色性画像を与えるもの
    である請求項3記載のインク組成物。
  5. 【請求項5】 前期第2の溶媒に対する前期第1の溶媒
    の重量比が、20:70未満である請求項1乃至4のい
    ずれかに記載のインク組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のイン
    ク組成物を収容したインク容器と、該インク容器内のイ
    ンク組成物が浸出される硬質のペン先とを備えてなる筆
    記具。
  7. 【請求項7】 1価アルコール、ケトン、エステル、ハ
    ロゲン化炭化水素の中から選ばれた少なくとも1種の溶
    媒と、該溶媒に溶解された着色物質又は着色物質とその
    顕色剤からなるインク組成物を収容したインク容器と、
    該インク容器内のインク組成物が浸出される硬質のペン
    先とを備えてなる筆記具。
  8. 【請求項8】 デザインシートを転写体表面に置く工程
    と、請求項6又は7に記載の筆記具を用いて該デザイン
    シート上の図案をトレースして、該図案に対応する該イ
    ンク組成物の図案を該デザインシートを通して該転写体
    表面に転写する工程からなる下図作成方法。
JP2000215394A 2000-05-11 2000-07-17 インク組成物及び下図作成方法 Expired - Fee Related JP4321953B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000215394A JP4321953B2 (ja) 2000-05-11 2000-07-17 インク組成物及び下図作成方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000138776 2000-05-11
JP2000-138776 2000-05-11
JP2000215394A JP4321953B2 (ja) 2000-05-11 2000-07-17 インク組成物及び下図作成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002030240A true JP2002030240A (ja) 2002-01-31
JP4321953B2 JP4321953B2 (ja) 2009-08-26

Family

ID=26591689

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000215394A Expired - Fee Related JP4321953B2 (ja) 2000-05-11 2000-07-17 インク組成物及び下図作成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4321953B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7489714B2 (ja) 2020-11-13 2024-05-24 シヤチハタ株式会社 筆記具

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7489714B2 (ja) 2020-11-13 2024-05-24 シヤチハタ株式会社 筆記具

Also Published As

Publication number Publication date
JP4321953B2 (ja) 2009-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1706463B1 (en) Writing instruments with eradicable inks and eradicating fluids
JP4909536B2 (ja) 水消去性インキ組成物
JPH0655918B2 (ja) 白色系インク組成物
JP2002030240A (ja) インク組成物及び下図作成方法
US6521033B1 (en) Ink composition, writing instrument containing same and method of forming image on receiving surface
JP2008223037A (ja) 編集ペン用の着色液体組成物
JP4012269B2 (ja) 水で消去可能なインク
JPS6124423B2 (ja)
JPH01289881A (ja) 筆記板用マーキングインキ
JP2001026734A (ja) インク組成物及び下図作成方法
US4840833A (en) Ink composition and a pressure sensitive reproducing
JPH01249869A (ja) 水性顔料インキ
JP2892393B2 (ja) 油性インキ組成物
JP4097634B2 (ja) 経時消去性インキ組成物
JP7489714B2 (ja) 筆記具
JP4812305B2 (ja) 水性インキ組成物
JP3976400B2 (ja) 転写用インク組成物およびそれを用いた転写用シート
JP2000127358A (ja) インクジェット記録方法を用いた潜像印刷方法ならびにその随時可能な現像方法
JP3098900B2 (ja) 耐水性を有する水性インキ組成物
JPH09263726A (ja) インク組成物および下図作成方法並びに用具
JPS6138222B2 (ja)
JPS5832669A (ja) インク消去液
JPS58217566A (ja) 消去可能な無色染料−顕色剤系インキ
JP3013476B2 (ja) インキ組成物
WO1980001387A1 (en) Ink compositions

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081007

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090526

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090602

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4321953

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150612

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees