JP4321900B2 - 駆動方式切換クラッチ構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、4輪駆動と2輪駆動の駆動方式を切り換えできる自動四輪車の駆動方式切換クラッチ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
この駆動方式切換クラッチには、入力軸と出力軸を連結して4輪駆動とし、断絶して2輪駆動とする構造のものがあり、この種のクラッチ構造の例(実公昭63−3298号公報)を図12に示す。
【0003】
変速機ケース01内において内燃機関のカウンタ軸02の出力がリングギヤ03を介して差動ケース04に伝達され、差動ケース04の回転がピニオンギヤ05と左右サイドギヤ06,06の噛合を介して左右の駆動車軸07,07に伝達されて前輪が回転される。
【0004】
変速機ケース01にクラッチケース010が合わせ面で接合されて前記差動機構に駆動方式を切り換えるクラッチ機構が取り付けられている。
前記差動ケース04に一体のクランウンギヤ08が、入力軸011のピニオンギヤ011aに噛合しており、この入力軸011は変速機ケース01にリテーナ012を介して軸受013により回転自在に軸支されている。
【0005】
一方入力軸011と同軸に配置される出力軸015は、クラッチケース010に軸受016により回転自在に軸支されている。
入力軸011のフランジ011bの外周面に軸方向に指向したクラッチ歯が形成され、出力軸015の拡径円筒部015aが入力軸011の端部を囲繞し、入力軸011のフランジ011bに対向し同径の環状端部外周面に軸方向に指向したクラッチ歯が形成されている。
【0006】
この出力軸015側のクラッチ歯に軸方向の摺動を許して嵌合する円筒状のクラッチ部材020が、入力軸011側への摺動で入力軸011のフランジ011bのクラッチ歯にも同時に嵌合して入力軸011と出力軸015を連結し、出力軸015側への移動で入力軸011側のクラッチ歯との嵌合を解いて入力軸011と出力軸015を断絶する。
【0007】
クラッチケース010には出力軸015に平行にフォーク軸021が軸方向に摺動自在に支持されており、フォーク軸021に一体に嵌着したフォーク部材022がそのフォーク爪をクラッチ部材020の外周面に形成された外周溝に係合させている。
【0008】
したがってフォーク軸021を軸方向に摺動させることでフォーク部材022がクラッチ部材020を軸方向に移動して入力軸011と出力軸015の連結及び断絶を行うことができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このクラッチ部材020を移動させるフォーク部材022にはフォーク部材022と一体のフォーク軸021に加わる軸方向の力が直接作用する。
出力軸015に大きな負荷が作用していて出力軸015と入力軸011との間で大きな相対的回転力が働いているときは両者を仲介するクラッチ部材020の摺動摩擦が大きく容易に動かないことがあるが、斯かる場合にフォーク軸021に過大な力を加えて無理に動かそうとすると、クラッチ部材020,フォーク部材022に無理な力が加わって変形したりして作動性及び耐久性を劣化させたり、フォーク駆動機構を破壊してしまうおそれがある。
【0010】
本発明は、斯かる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、クラッチ部材に無理な力が加わるのを防止してクラッチ部材に作用する駆動力による破損のおそれのない耐久性に優れた同駆動方式切換クラッチ構造を供する点にある。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
上記目的を達成するために、本発明は、クラッチケースに同軸に軸支された入力軸と出力軸とがクラッチ部材の軸方向の摺動によって連結又は断絶され4輪駆動と2輪駆動とが切り換えられる駆動方式切換クラッチ構造において、前記クラッチ部材に爪部を嵌合して軸方向に摺動させるフォーク部材が支持ケース部材内でフォーク軸に支持されて駆動されるフォーク駆動機構を有し、前記フォーク部材に作用する荷重に限界を設定する荷重リミット手段を前記フォーク駆動機構に設け、前記荷重リミット手段は、前記フォーク軸の作動をスプリングの弾性範囲内で前記フォーク部材に伝達する構造であり、前記フォーク駆動機構は、前記フォーク軸の大径部より先端側に形成された小径部の端部に受止プレートが固着され、前記フォーク軸は、前記小径部が前記支持ケース部材内に突出した内壁に形成された円孔を貫通するとともに、前記大径部と前記内壁との間で前記小径部が前記フォーク部材を貫通して摺動自在に軸支し、前記受止プレートと前記内壁との間に第1の圧縮スプリングが介装され、前記受止プレートと前記フォーク部材との間に前記第1の圧縮スプリングの内側で前記内壁の前記円孔を通って第2の圧縮スプリングが介装される駆動方式切換クラッチ構造とした。
【0012】
フォーク駆動機構に荷重リミット手段を設けたので、過大な駆動力が加わってもクラッチ部材には無理な力が作用せず、作動性及び耐久性を向上させ、フォーク駆動機構の破損等を防止することができる。
【0014】
フォーク軸から過大な力が加わることがなく弾性部材の弾性範囲内で弾性定数に基づき所定のリミット荷重を設定でき、フォーク部材及びクラッチ部材には無理な力が作用しない。
【0016】
スプリングがフォーク部材に作用する荷重に限界を設定してフォーク部材及びクラッチ部材には無理な力が作用しないようにしており、構造が簡単でコストも低減できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る一実施の形態について図1ないし図11に基づいて説明する。
本実施の形態に係る駆動方式切換クラッチ機構2と後輪側の差動機構3が一体に組付けられた駆動伝達装置1の左側面図を図1に,右側面図を図2に,断面図(図2においてIII−III線に沿って切断した断面図)を図3に示す。
【0018】
ギヤケース5は、前半部のクラッチケース6と後半部の差動キャリヤ7が一体に形成されたもので、クラッチケース6は円筒部6aと後底端部6bとから概ね有底円筒形状をしており、その後底端部6bに扁平な円筒部7aと中空の左底端部7bとから有底円筒形状をした差動キャリヤ7が一体に延設されている。
【0019】
クラッチケース6と差動キャリヤ7は後底端部6bと左底端部7bどうしが一体に連結され、クラッチケース6の円筒形状の中心軸が前後方向に指向し、差動キャリヤ7の円筒形状の中心軸が左右方向に指向して、両者は直交している。
【0020】
クラッチケース6の内部にクラッチ機構2が納められ、差動キャリヤ7の右側円開口を覆うようにして中空の差動キャリヤカバー8が右側から合体し、その内部に差動機構3が納められる。
【0021】
図3を参照して差動機構3は、差動キャリヤ7及び差動キャリヤカバー8内においてリングギヤ60と一体の左右合体した差動ケース61が左右方向に指向する中心軸を中心に玉軸受62,63により回転自在に支持されている。
【0022】
差動ケース61内で中心軸に直交して架設されたピニオンシャフト64に一対のピニオンギヤ65,65が回転自在に軸支され、各ピニオンギヤ65,65にともにベベルギヤ式に噛み合う一対のサイドギヤ66,66がピニオンシャフト64を挟んで左右にそれぞれ回転自在に支持されている。
この各サイドギヤ66,66に左右アクスル軸がそれぞれスプライン嵌合される。
【0023】
一方クラッチ機構2は、クラッチケース6にクラッチ機構2の入力軸11と出力軸12が前後に同軸に軸支される。
図3を参照して出力軸12は、軸方向にスプライン軸部12a,円柱部12b,ピニオンギヤ12c,円柱端部12dが前から後方へ順に形成されている。
この出力軸のピニオンギヤ12cが前記差動機構3のリングギヤ60に噛合して動力が差動機構3に伝達されるようになっている。
【0024】
クラッチケース6の後底端部6bは、外径が2段階に縮小されて後方へ先細に形成されていて、その後端の内径の縮小された部分にころ軸受13が介装されて出力軸12の円柱端部12dが軸支され、出力軸12の円柱部12bがクラッチケース6の円筒部6aに介装された玉軸受14に軸支され、よって出力軸12はころ軸受13と玉軸受14によりクラッチケース6に回転自在に軸支される。
【0025】
なお玉軸受14は、そのアウタレースがロックナット15によりクラッチケース6に固定され、インナレースがロックナット16により出力軸12に固定される。
こうして回転自在に軸支された出力軸12のスプライン軸12aにドリブンギヤ17が嵌合されている。
ドリブンギヤ17は、円筒部17aの後端部にフランジ17bが形成され、フランジ17bの外周面に軸方向に指向したクラッチ歯17cが形成されている。
【0026】
一方入力軸11は、スプライン軸部11aとその後端が拡径して円筒状に後方へ延出した円筒部11bとで形成されており、円筒部11bの外周面に軸方向に指向したクラッチ歯11cが前記ドリブンギヤ17のクラッチ歯17cと同径で形成されている。
スプライン軸部11aはヨーク部材18の基端部を嵌入して、その突出端部に螺合されたロックナット19でヨーク部材18が一体に固定されている。
【0027】
前記出力軸12のスプライン軸部12aに嵌合したドリブンギヤ17の円筒部17aに、ころ軸受20を介装して入力軸11の円筒部11bが外側から嵌装される。
また入力軸11の円筒部11bの基部辺りに嵌合された玉軸受21とクラッチケース6の開口部との間にリテーナ22が螺入される。
【0028】
したがって入力軸11は、クラッチケース6にリテーナ22を介して位置決めされ、玉軸受21により回転自在に軸支されるとともに、出力軸12にドリブンギア17を介して同軸に位置決めされ、ころ軸受20により回転自在に軸支される。
【0029】
リテーナ22は、その小径部22aがクラッチケース6の開口部と玉軸受21との間に挿入され、クラッチケース6の開口部より外の大径部22bとヨーク部材18との間にシール部材23が介装されている。
【0030】
入力軸11の円筒部11bの端面とドリブンギヤ17のフランジ17bは、対向近接しており、円筒部11bのクラッチ歯11cとフランジ17bのクラッチ歯17cは同径で同軸に前後に並んで配置される。
【0031】
そして入力軸11の円筒部11bのクラッチ歯11cに、円筒状をして内周面にクラッチ歯が形成されたクラッチ部材25が軸方向に摺動自在に噛合されており、同クラッチ部材25が円筒部11bからはみ出して後方へ移動すると、出力軸12と一体のドリブンギヤ17のクラッチ歯17cにも噛合して入力軸11と出力軸12とを連結して入力軸11の回転を出力軸12側に伝達することができる。
【0032】
該クラッチ部材25が円筒部11bからはみ出さない前方位置にあるときは、入力軸11と出力軸12とは断絶されて入力軸11の回転は出力軸12側に伝達されない。
このようにクラッチ部材25の軸方向(前後方向)の摺動位置で入力軸11と出力軸12の連結と断絶が行われる。
【0033】
クラッチ部材25の外周面には周方向に外周溝25aが形成されている。
クラッチケース6の円筒部6aの右側面は平坦面6cが形成され、図4に示すように同平坦面6cに縦長長方形状の矩形口6dが形成されており、矩形口6dはクラッチ部材25の外周溝25aの軸方向の摺動範囲に対向している。
なお平坦面6cには矩形口6dを挟んで前後対角位置にボルトねじ孔6e,6eが形成されている。
【0034】
このクラッチケース6の平坦面6cにフォーク駆動機構30が取り付けられる。
フォーク駆動機構30は、略矩形箱状の支持ケース部材31に纏めてユニット化されており、支持ケース部材31の開口部の左側開口端面がクラッチケース6の平坦面6cに当接して取り付けられる。
【0035】
支持ケース部材31の前記ボルトねじ孔6e,6eに対応する部分にボルト孔がそれぞれ穿設されてボルト38,38を挿入し、ボルトねじ孔6e,6eにボルト締めして支持ケース部材31を取り付ける。
【0036】
支持ケース部材31の厚肉の前壁をフォーク軸32の大径部32aが前後方向に貫通して摺動自在に支持されている。
フォーク軸32は大径部32aと小径部32bとからなり、小径部32bが支持ケース部材31内を後方へ延出してフォーク部材33の基端部を貫通して摺動自在にフォーク部材33を軸支している。
【0037】
フォーク部材33は板状をなし、図5及び図6に示すようにフォーク軸32に貫通された基端部から末広がりに一対の爪部33a,33aが二股に分かれて延出しており、該一対の爪部33a,33aが、前記クラッチ部材25の外周溝25aに両側から挟むように係合する。
なおフォーク部材33は、基端部から爪部33a,33aと略直角方向に別に突出部33bを有している。
【0038】
支持ケース部材31内にはフォーク軸32に垂直な内壁31aが形成されていて、内壁31aに穿設された円孔31bを、フォーク軸32のフォーク部材33を貫通した小径部32bがさらに貫通している。
したがってフォーク部材33は、支持ケース部材31の前壁と内壁31aとの間にあってフォーク軸32の小径部32bに貫通軸支されている。
【0039】
フォーク軸32の小径部32bの後端には円板状の受止プレート34が固着されており、同受止プレート34と内壁31aとの間に圧縮スプリング36が介装されている。
また内壁31aの円孔31bは、同円孔31bを貫通するフォーク軸32の小径部32bより径が一回り大きく小径部32bとの間に空隙を有し、同空隙を通って別の圧縮スプリング37が受止プレート34とフォーク部材33との間に介装されている。
同圧縮スプリング37は、前記圧縮スプリング36の内側に配置され、フォーク部材33を押圧する荷重リミッタ機構35を構成している。
【0040】
支持ケース部材31の側壁に前記ボルト38の1本により共締めされるブラケット40が設けられ、ブラケット40によりワイヤアウタ41の端部がフォーク軸32に対向した位置に嵌着支持される。
ワイヤアウタ41の嵌着された端部から突出したインナワイヤ42が、フォーク軸32の端部に係着される。
【0041】
なお支持ケース部材31の前壁にはリミットセンサ39が嵌着され、ケース内部に突出した作動点39aが所定位置で前記フォーク部材33の突出部33bに対向している。
【0042】
こうして支持ケース部材31にはフォーク軸32、フォーク部材33、圧縮スプリング36,37、リミットセンサ39、ブラケット40を介してインナワイヤ42等が組付けられてフォーク駆動機構30を1ユニットとして構成している。
【0043】
フォーク駆動機構30がユニット化された支持ケース部材31をクラッチケース6の側面に当接し、その際支持ケース部材31の開口より突出したフォーク部材33をクラッチケース6の矩形口6dより挿入して一対の爪部33a,33aをクラッチ部材25の外周溝25aに係合させる。
そしてボルト38,38によりクラッチケース6の側面に支持ケース部材31がボルト締めにより取り付けられる。
【0044】
ワイヤアウタ41は、運転席の操作レバー45まで延びている。
図8に示すように操作レバー45は、支軸46を中心に揺動し、支軸46に対して操作部45aと反対側に長孔45bが形成されている。
一方ワイヤアウタ41より突出したインナワイヤ42に連結された長尺の端部材43が長尺方向に摺動自在に支持されており、同端部材43に突設された係合ピン44が前記操作レバー45の長孔45bに係合している。
【0045】
操作レバー45は、支軸46より操作部45a側にピン47が突設され、操作レバー45が端部材43に対して垂直になったときの支軸46に関してピン47と反対側所定位置にピン48が車体に対して立設され、両ピン47,48間に引張スプリング49が介装されている。
なお操作レバー45の揺動範囲はストッパ50,51で規制されている。
【0046】
いま図3および図8に図示されている状態は、クラッチ機構2の入力軸11側のクラッチ歯11cに摺動自在に噛合するクラッチ部材25が後方へ移動して出力軸12側のクラッチ歯17cにも噛合して入力軸11と出力軸12が連結され、動力が差動機構3側に伝達される4輪駆動状態にある。
【0047】
ここで図9に図示するように操作レバー45を右回りに揺動操作すると、ストッパ51に当接したところで、引張スプリング49により揺動位置が維持され、インナワイヤ42が引っ張られてフォーク軸32を前方へ移動する。
【0048】
フォーク軸32の移動で受止プレート34が一体に前進し圧縮スプリング36,37を更に圧縮し、内側の圧縮スプリング37はフォーク部材33を前方へ押圧することになり、この圧縮スプリング37の復元力によりフォーク部材33が押圧されて前進しようとし圧縮スプリング37の復元力以上の力はフォーク部材33に作用することなく荷重リミット機構35が働く。
圧縮スプリング37は、常に弾性範囲内で作用するよう設定されており、圧縮スプリング37のばね定数に基づきリミット荷重が決定される。
【0049】
出力軸12に大きな負荷が作用していて出力軸12と入力軸11との間で大きな相対的回転力が働いているときは両者を仲介するクラッチ部材25の摺動摩擦が大きく容易に動かないことがあり、斯かる場合に無理に移動させようとして操作レバーを過大な力で操作しインナワイヤを引っ張ってフォーク駆動機構を破壊してしまうことがあるが、上記のような荷重リミット機構35により斯かる不具合を解消することができる。
【0050】
圧縮スプリング37の復元力によりフォーク部材33が押圧され無理なくクラッチ部材25が移動することができるときに、圧縮スプリング37により図10に示すようにフォーク部材33がクラッチ部材25とともに前方へ移動し、出力側のクラッチ歯17cとの噛合を解き入力軸11と出力軸12との間を断絶し2輪駆動状態に切り換わる。
【0051】
この2輪駆動状態からまた操作レバー45を、図11に示すように左回りに揺動操作すると、インナワイヤ42の前方への引張力が解かれ圧縮スプリング36の復元力によりフォーク軸32が後方へ移動し、フォーク軸32の大径部32aの端面に押されてフォーク部材33がクラッチ部材25とともに後方へ移動して出力軸12側のクラッチ歯17cと噛合して入力軸11と出力軸12とが連結され、再び4輪駆動状態に切り換わる。
【0052】
なおフォーク部材33が前方へ移動するとリミットセンサ39が作動して2輪駆動状態にあることを検知することができ、リミットスイッチ39が作動しないときは4輪駆動状態である。
本駆動方式切換クラッチ機構2は、以上のように動作する。
【0053】
入力軸11と出力軸12を一体形成されたクラッチケース6が同軸に支持する構造であり、入力軸11と出力軸12の軸心位置決めが確実にかつ容易になされる。
またフォーク部材33がフォーク駆動機構30とともにユニット化されて扱いやすくクラッチケース6の側方から取り付けられるので、フォーク部材33の爪部33a,33aをクラッチ部材25に係合させて組付けるのが容易にできる。
よって本駆動方式切換クラッチ機構2は組立性に優れている。
【0054】
一体の円筒形状したクラッチケース6が、出力軸12をころ軸受13と玉軸受14を介して回転自在に軸支するとともに、入力軸11をリテーナ22により位置決めして玉軸受21を介して回転自在に軸支するので、従来のように入力軸と出力軸を別々のケースで支持し両ケースを合わせ面で当接合体させる構造において軸心位置合わせが容易でない点や合体でボルト締めのためのフランジにより外径寸法が大径化する点等の問題が解消され、軸心位置合わせが容易でクラッチケース6の外径も小径化できる。
【0055】
なおリテーナ22はクラッチケース6の開口にねじ込みにより螺入されるので、クラッチケース6の外径を拡大することはなく、確実かつ容易に入力軸11の軸心位置決めができ組付性が良いとともにボルトを廃止することができる。
【0056】
円筒形状したクラッチケース6は、出力軸12を軸支するころ軸受13と玉軸受14および入力軸11を玉軸受21を介して軸支するリテーナ22をそれぞれ嵌合支持する各円孔を同軸加工することができ、加工数の低減と加工時間の短縮を図ることができるとともに、加工精度の向上も図ることができる。
なおロックナット15を螺合するねじ孔も同軸加工できる。
【0057】
従来のように入力軸と出力軸を別々のケースで支持し両ケースを合わせ面で当接合体させるケースにフォーク駆動機構が組み込まれる構造においては、入出力軸とフォーク軸との軸間の高い寸法精度及び組付精度を要求されるが、本駆動方式切換クラッチ機構2は、クラッチケース6に側方からフォーク駆動機構30がユニット化されて取り付けられるので、入出力軸11,12とフォーク軸32との軸間の高い寸法精度も必要なく、また組付けも容易である。
【0058】
前記したように本駆動方式切換クラッチ機構2のフォーク駆動機構30には、圧縮スプリング37による荷重リミット機構35が設けられているので、操作レバーを過大な力で操作してもフォーク部材33及びクラッチ部材25には無理な力が作用せず、耐久性を向上させ、フォーク駆動機構の破損等を防止することができる。
【0059】
荷重リミット機構35が圧縮スプリング37による簡単な構造であり、フォーク駆動機構30を大型化することなく、コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る駆動方式切換クラッチ機構を組み込んだ駆動伝達装置の左側面図である。
【図2】同右側面図である。
【図3】図2においてIII−III線に沿って切断した断面図である。
【図4】フォーク駆動機構を外した駆動伝達装置の右側面図である。
【図5】図3においてV−V線に沿って切断した断面図である。
【図6】フォーク駆動機構の正面図である。
【図7】同側面図である。
【図8】駆動方式切換クラッチ機構の断面図と操作レバーを示す図である。
【図9】操作レバーを右回りに揺動操作したときの駆動方式切換クラッチ機構の断面図と操作レバーを示す図である。
【図10】次の状態の駆動方式切換クラッチ機構の断面図と操作レバーを示す図である。
【図11】次に操作レバーを左回りに揺動操作したときの駆動方式切換クラッチ機構の断面図と操作レバーを示す図である。
【図12】従来の駆動方式切換のクラッチ構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1…駆動伝達装置、2…駆動方式切換クラッチ機構、3…差動機構、5…ギヤケース、6…クラッチケース、7…差動キャリヤ、8…差動キャリヤカバー、
11…入力軸、12…出力軸、13…ころ軸受、14…玉軸受、15,16…ロックナット、17…ドリブンギヤ、18…ヨーク部材、19…ロックナット、20…ころ軸受、21…玉軸受、22…リテーナ、23…シール部材、25…クラッチ部材、
30…フォーク駆動機構、31…支持ケース部材、32…フォーク軸、33…フォーク部材、34…受止プレート、35…荷重リミット機構、36,37…圧縮スプリング、38…ボルト、39…リミットセンサ、40…ブラケット、41…ワイヤアウタ、42…インナワイヤ、43…端部材、44…係合ピン、45…操作レバー、46…支軸、47,48…ピン、49…引張スプリング、50,51…ストッパ、
60…リングギヤ、61…差動ケース、62,63…玉軸受、64…ピニオンシャフト、65…ピニオンギヤ、66…サイドギヤ。

Claims (1)

  1. クラッチケースに同軸に軸支された入力軸と出力軸とがクラッチ部材の軸方向の摺動によって連結又は断絶され4輪駆動と2輪駆動とが切り換えられる駆動方式切換クラッチ構造において、
    前記クラッチ部材に爪部を嵌合して軸方向に摺動させるフォーク部材が支持ケース部材内でフォーク軸に支持されて駆動されるフォーク駆動機構を有し、
    前記フォーク部材に作用する荷重に限界を設定する荷重リミット手段を前記フォーク駆動機構に設け
    前記荷重リミット手段は、前記フォーク軸の作動をスプリングの弾性範囲内で前記フォーク部材に伝達する構造であり、
    前記フォーク駆動機構は、
    前記フォーク軸の大径部より先端側に形成された小径部の端部に受止プレートが固着され、
    前記フォーク軸は、前記小径部が前記支持ケース部材内に突出した内壁に形成された円孔を貫通するとともに、前記大径部と前記内壁との間で前記小径部が前記フォーク部材を貫通して摺動自在に軸支し、
    前記受止プレートと前記内壁との間に第1の圧縮スプリングが介装され、
    前記受止プレートと前記フォーク部材との間に前記第1の圧縮スプリングの内側で前記内壁の前記円孔を通って第2の圧縮スプリングが介装されることを特徴とする駆動方式切換クラッチ構造。
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