JP4321781B2 - プレート型熱交換器 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は,伝熱プレートの複数枚をその間にシール兼用のスペーサ体を挟むことによって第1熱交換室と第2熱交換室とを交互に形成するように積層して成るプレート型熱交換器のうち,水等の液体の加熱蒸発に使用するか,或いは,水蒸気の冷却凝縮に使用するようにしたプレート型熱交換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
先行技術としての特許文献1は,前記した構成のプレート型熱交換器を,その各熱交換室のうち第1熱交換室に供給した海水又は水等の被蒸発液体を,第2熱交換室に供給した加熱用蒸気等の加熱用流体にて加熱して沸騰するという蒸発に使用することと,その各熱交換室のうち第1熱交換室に導入した水蒸気を,第2熱交換室に供給した冷却流体にて冷却するという凝縮に使用することを提案している。
【0003】
この場合,前記特許文献1に記載されている先行技術のプレート型熱交換器は,これを蒸発器として使用する場合には,前記各伝熱プレートの上辺における両隅部のうち一方の隅部又は前記上辺の一部に,前記各第1熱交換室内からの蒸気出口を,前記各伝熱プレートの下辺における両隅部のうち前記蒸気出口と対角を成す他方の隅部に,前記各第1熱交換室内への被蒸発液体の入口を各々設ける一方,前記各伝熱プレートの上辺における両隅部のうち他方の隅部に,前記各第2熱交換室内への加熱用流体の入口を,前記各伝熱プレートの下辺における両隅部のうち一方の隅部に,前記各第2熱交換室内からの加熱用流体の出口を各々設けるという構成にしている。
【0004】
また,前記特許文献1に記載されている先行技術のプレート型熱交換器は,これを凝縮器として使用する場合には,前記各伝熱プレートの上辺における両隅部のうち一方の隅部又は前記上辺の一部に,前記各第1熱交換室内への蒸気入口を,前記各伝熱プレートの下辺における両隅部のうち前記蒸発入口と対角を成す他方の隅部に,前記各第1熱交換室内からの凝縮水出口を各々設ける一方,前記各伝熱プレートの下辺における両隅部のうち一方の隅部に,前記各第2熱交換室内への冷却用流体の入口を,前記各伝熱プレートの上辺における両隅部のうち前記冷却用流体入口と対角を成す他方の隅部に,前記各第2熱交換室内からの冷却用流体の出口を各々設けるという構成にしている。
【特許文献1】
特開平9−299927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし,前記先行技術のプレート型熱交換器は,これを蒸発器として使用する場合,第1熱交換室内のうち一つの隅部における被蒸発液体入口より供給した被蒸発液体は,主として,圧力損失が最も低くなる方向,つまり,第1熱交換室内を沸騰蒸発しながら被蒸発液体入口から蒸気出口に向かう方向に略直線的に流れる一方,前記第2熱交換室内のうち一つの隅部における加熱用流体入口より供給された加熱用流体も,主として,圧力損失が最も低くなる方向,つまり,第2熱交換室内を加熱用流体入口から加熱用流体出口に向かう方向に略直線的に流れることにより,前記第1熱交換室内のうち前記蒸気出口に向かう方向の主流に対して左右両側又は片側の部分には,流れの淀み部分ができる一方,前記第2熱交換室内のうち加熱用流体出口に向かう方向の主流に対して左右両側又は片側の部分に,流れの淀み部分ができる。
【0006】
そして,前記第1熱交換室及び第2熱交換室内に前記のような流れの淀み部分が存在することは,伝熱プレートにおける表面の全体を熱交換に有効に利用することができないから,単位伝熱面積当たりの蒸発能力の低下,ひいては,大型化及び重量のアップを招来するという問題がある。
【0007】
特に,蒸発器として使用する場合,第1熱交換室内に導入された被蒸発液体は,加熱用流体によって加熱されてその一部が沸騰蒸発しながら蒸気出口に向かって流れるが,沸騰蒸発が比較的激しい部分では,沸騰蒸発した蒸気によってその部分の圧力が上昇するため被蒸発液体が流れ難くなる。このため,被蒸発液体は本来期待されている加熱用流体入口の方向には流れ難く,加熱用流体出口の方向に流れ易くなるから,蒸発装置としての効率が著しく阻害され,また,加熱用流体入口近傍の第1熱交換室内には,少ない被蒸発液体で蒸発させるためスケールが生じ易いという問題がある。
[0008]
また,前記先行技術のプレート型熱交換器を,蒸気の凝縮器として使用する場合においても,水蒸気は,主として,凝縮しながら第1熱交換室内を蒸気入口から凝縮水出口に向かう方向に略直線的に流れる一方,冷却用流体は,主として,第2熱交換室内を冷却用流体入口から冷却用流体出口に向かう方向に略直線的に流れることにより,前記の場合と同様に,前記第1熱交換室内のうちその対角の方向への流れに対して左右両側又は片側の部分,及び前記第2熱交換室内のうちその対角の方向への流れに対して左右両側又は片側の部分に流れの淀み部分ができて,伝熱プレートにおける表面の全体を熱交換に有効に利用することができないから,単位伝熱面積当たりの凝縮能力の低下,ひいては,大型化及び重量のアップを招来するという問題がある。
[0009]
しかも,前記のように両熱交換室内に流れの淀みができることは,この部分にスケールの発生・付着が旺盛になるから,このスケールを除去するための清掃メンテナンスを頻繁に行わなければならないことも問題であった。
[0010]
特に,この単位伝熱面積当たりの蒸発能力或いは凝縮能力が低下する傾向は,大型化を図るために,前記各伝熱プレートを横長の長方形にした場合においてより顕著になるのであった。
[0011]
本発明は,この問題を解消したプレート型の熱交換器を提供することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
[0012]
この技術的課題を達成するため本発明の請求項1は,
「伝熱プレートの複数枚を,その間に蒸気の発生又は蒸気の凝縮を行う第1熱交換室の複数個と,加熱又は冷却を行う第2熱交換室の複数個とを交互に形成するように積層して成るプレート型熱交換器において,
前記各伝熱プレートは,その積層方向から見て矩形状であり,この各伝熱プレートには,その上辺に前記各第1熱交換室内の上部に開口する蒸気出口又は蒸気入口が設けられ,その下辺に前記各第1熱交換室内の底部に開口する被蒸発液体入口又は凝縮水出口が設けられており,更に,前記各伝熱プレートには,前記各第2熱交換室内に連通する加熱用流体の入口及び出口又は冷却用流体の入口及び出口が設けられている一方,前記各第1熱交換室内には,当該第1熱交換室を形成する一対の伝熱プレートに沿って前記上辺から下辺の方向に延びるように構成して成るトンネル状流体通路の複数本が,前記上辺又は下辺に沿った方向に適宜間隔で形成され,この各トンネル状流体通路の上端は,前記各第1熱交換室内の上部に前記蒸気出口又は蒸気入口から前記上辺に沿って延びるように形成した第1流体分配通路に連通し,前記各トンネル状流体通路の下端は,前記各第1熱交換室内の底部に前記被蒸発液体入口又は凝縮水出口から前記下辺に沿って延びるように形成した第2流体分配通路に連通している。」
ことを特徴としている。
[0013]
本発明の請求項2は,
「前記請求項1の記載において,前記各第2熱交換室内に,前記加熱用流体の入口から出口の方向に延びるか,或いは,前記冷却用流体の入口から出口の方向に延びるように構成したトンネル状流体通路の複数本が設けられている。」
ことを特徴としている。
[0014]
本発明の請求項3は,
「前記請求項1又は2の記載において,前記各トンネル状流体通路が,前記各熱交換室を形成する両伝熱プレートの間に挟まれるスペーサ体に設けた仕切り部にて形成されている。」
ことを特徴としている。
[0015]
本発明の請求項4は,
「前記請求項1又は2の記載において,前記各トンネル状流体通路が,前記各熱交換室を形成する両伝熱プレートの各々に設けた複数本の山脈状隆起部における稜線を当該各熱交換室内において線状に接触することによって形成されている。」
ことを特徴としている。
[0016]
本発明の請求項5は,
「前記請求項4の記載において,前記各山脈状隆起部が,前記各熱交換室を形成する両伝熱プレートにおける一部を膨らませ変形して形成した構成である。」
ことを特徴としている。
[0017]
本発明の請求項6は,
「前記請求項4又は5の記載において,前記各山脈状隆起部が,断続する構成である。」ことを特徴としている。
[0018]
本発明の請求項7は,
「前記請求項4又は5の記載において,前記各山脈状隆起部が,各伝熱プレートの積層方向から見てヘリンボン模様の配列である。」
ことを特徴としている。
[0019]
本発明の請求項8は,
「前記請求項1〜7のいずれかの記載において,前記蒸気出口又は蒸気入口が,前記上辺における中央の部分又はその近傍に設けられ,前記被蒸発液体入口又は凝縮水出口が,前記下辺における両隅部又はその近傍に設けられている。」
ことを特徴としている。
[0020]
本発明の請求項9は,
「前記請求項8の記載において,前記蒸気出口又は蒸気入口が,前記上辺に沿って横長の形状である。」
ことを特徴としている。
[0021]
本発明の請求項10は,
「前記請求項8又は9の記載において,前記加熱用流体の入口又は冷却用流体の入口が,前記上辺における両隅部のうち一方の隅部又はその近傍に,前記加熱用流体の出口又は冷却用流体の出口が,前記上辺における両隅部のうち他方の隅部又はその近傍に設けられている。」
ことを特徴としている。
[0022]
本発明の請求項11は,
「伝熱プレートの複数枚を,その間に蒸気の発生又は蒸気の凝縮を行う第1熱交換室の複数個と,加熱又は冷却を行う第2熱交換室の複数個とを交互に形成するように積層して成るプレート型熱交換器において,
前記各伝熱プレートは,その積層方向から見て矩形状であり,この各伝熱プレートの上辺の部分には,前記各第1熱交換室内の上部に開口する蒸気出口又は蒸気入口が当該上辺に沿って横長の形状にして設けられ,前記各伝熱プレートの下辺における両隅部には,前記各第1熱交換室内の底部に開口する被蒸発流体入口又は凝縮水出口が設けられ,前記各伝熱プレートには,前記各第2熱交換室内に連通する加熱用流体の入口又は冷却用流体の入口が,前記下辺における両隅部のうち一方の隅部に位置する前記被蒸発流体入口又は凝縮水出口に隣接して設けられ,更に,前記各伝熱プレートの上辺における両隅部のうち一方の隅部には,前記各第2熱交換室内に連通する加熱用流体の出口又は冷却用流体の出口が設けられ,そして,前記各第1熱交換室内には,当該第1熱交換室を形成する一対の伝熱プレートに沿って前記上辺から下辺の方向に延びるように構成して成るトンネル状流体通路の複数本が,前記上辺又は下辺に沿った方向に適宜間隔で形成され,この各トンネル状流体通路の上端は,前記各第1熱交換室内の上部に前記蒸気出口又は蒸気入口から前記上辺に沿って延びるように形成した第1流体分配通路に連通し,前記各トンネル状流体通路の下端は,前記各第1熱交換室内の底部に前記被蒸発流体入口又は凝縮水出口から前記下辺に沿って延びるように形成した第2流体分配通路に連通しており,更に,前記各第2熱交換室内には,前記加熱用流体の入口又は冷却用流体の入口から前記加熱用流体の出口又は冷却用流体の出口に至る流体通路が,折り返し状にして形成されている。」
ことを特徴としている。
【発明の効果】
[0023]
前記請求項1に記載したように構成することで,前記第1熱交換室内における流体は,その内部に形成した前記各トンネル状の流体通路内に,各流体分配通路を介してその一端から流入して他端から流出することになるから,前記流体を,前記第1熱交換室の全体に行きわたらせるように広い範囲にわたって誘導することができる。
[0024]
また,第1熱交換室内においては,下辺部で一旦トンネル状流体通路に流れ込んだ被蒸発液体は,沸騰蒸発による圧力上昇があっても途中で逸れることなくその通路を通って蒸気出口に向かって流れることになるから,加熱用流体入口の近傍においても,被蒸発液体を十分供給することができる。
[0025]
これらにより,前記第1熱交換室内に流れの淀みができることを確実に低減できるから,単位伝熱面積当たりの蒸発能力又は凝縮能力を,確実に向上することができて,小型・軽量化を図ることができるとともに,第1熱交換室内における伝熱面にスケールが発生することを低減できるから,スケールを除去するための清掃メンテナンスを行う頻度を大幅に少なくできる。
[0026]
この場合において,前記各トンネル状流体通路は,請求項3に記載した構成にすることができるが,これを,請求項4に記載した構成にすることにより,各伝熱プレートを積層することで,前記トンネル状流体通路を同時に形成することができるから,組み立て及び分解が至極容易にできるとともに,各伝熱プレートの清掃が容易にできる利点がある。
[0027]
また,請求項2に記載した構成によると,第1熱交換室内と,第2熱交換室内との両方に,流れの淀みができることを確実に低減できるから,単位伝熱面積当たりの蒸発能力又は凝縮能力を,大幅に向上することができる。
[0028]
前記請求項4における山脈状隆起部を,請求項5に記載したように,前記伝熱プレートの一部を膨らませ変形して形成することにより,前記各伝熱プレートにおける有効な伝熱面積の増大を図ることができるとともに,前記各山脈状隆起部を,金属板に対するプレス加工によって形成することができるから,製造コストを低減できる。
[0029]
しかも,前記請求項5において各トンネル状流体通路は,前記伝熱プレートの表面に設けた各山脈状隆起部における稜線と,前記伝熱プレートの裏面に設けた各山脈状隆起部における稜線とを線状に接触することで形成するという形態であることにより,前記各山脈状隆起部の高さを,前記伝熱プレートの表面及び裏面のうちいずれか一方にのみ山脈状隆起部を設ける場合よりも低くできるから,前記金属板に対するプレス加工がより容易になり,製造コストをより低減できる。
[0030]
また,前記各山脈状隆起部を,請求項7に記載したように,ヘリンボン模様の配列にすることにより,伝熱面積の一層の増大を図ることができる。
[0031]
前記各山脈状隆起部を,請求項6に記載したように,断続の構成にすることにより,この各山脈状隆起部によって形成されるトンネル状流体通路内を流れる流体は,前記断続の間の箇所から隣接のトンネル状流体通路との間を出入りすることになるから,誘導の作用を阻害しない範囲において必要に応じて断続させることにより,流体の全体への広がりを助長することができる利点がある。
[0032]
特に,前記請求項2に記載した構成のプレート型熱交換器を,蒸発器として使用する場合,各第2熱交換室内に加熱用流体入口から流入した加熱用流体は,当該第2熱交換室内にその両側の伝熱プレートにおける各山脈状隆起部にて形成されている各トンネル状流体通路内にその一端から流入して他端から流出するように流れることになるから,この各トンネル状流体通路を,前記第2熱交換室の全体にわたって広がって延びるように構成することにより,圧力損失が最も低くなる方向,つまり,前記加熱用流体入口から加熱用流体出口に向かうという圧力損失が最も低くなる方向に流れることを阻止して、前記第2熱交換室の全体に行きわたらせるように広い範囲にわたって誘導することができる。
[0033]
前記各第1熱交換室内に被蒸発液体供給口から流入した被蒸発液体は,前記第2熱交換室からの加熱によって蒸発しながら,当該第1熱交換室内にその両側の伝熱プレートにおける各山脈状隆起部にて形成されている各トンネル状流体通路内にその一端から流入して他端から流出するように流れることになるから,この各トンネル状流体通路を,前記第1熱交換室の全体にわたって広がって延びるように構成することにより,この各トンネル状流体通路によって,圧力損失が最も低くなる方向,つまり,前記被蒸発液体供給口から蒸気出口に向かう方向に流れることを阻止して,前記第1熱交換室の全体に行きわたらせるように広い範囲にわたって誘導することができる。
[0034]
これにより,前記第1熱交換室及び前記第2熱交換室内に流れの淀みができることを確実に低減できるから,単位伝熱面積当たりの蒸発能力を,前記各伝熱プレートを横長の矩形にした場合においても,大幅に向上することができて,小型・軽量化を図ることができる。
[0035]
また,前記請求項2に記載した構成のプレート型熱交換器を,凝縮器として使用する場合,各第2熱交換室内に冷却用流体入口から流入した冷却用流体は,当該第2熱交換室内にその両側の伝熱プレートにおける各山脈状隆起部にて形成されている各トンネル状流体通路内にその一端から流入して他端から流出するように流れることになるから,この各トンネル状流体通路を,前記と同様に、前記第2熱交換室の全体にわたって広がって延びるように構成することにより,この各トンネル状流体通路によって,圧力損失が最も低くなる方向,つまり,前記冷却用流体入口から冷却用流体出口に向かう方向に流れることを阻止して、前記第2熱交換室の全体に行きわたらせるように広い範囲にわたって誘導することができる。
[0036]
一方,前記各第1熱交換室内に蒸気入口から流入した蒸気は,前記第2熱交換室からの冷却によって凝縮しながら,当該第1熱交換室内にその両側の伝熱プレートにおける各山脈状隆起部にて形成されている各トンネル状流体通路内にその一端から流入して他端から流出するように流れることになるから,この各トンネル状流体通路を,前記と同様に、前記第1熱交換室の全体にわたって広がって延びるように構成することにより,この各トンネル状流体通路によって,圧力損失が最も低くなる方向,つまり,前記蒸気入口から凝縮水出口に向かう方向に流れることを阻止して,前記第1熱交換室の全体に行きわたらせるように広い範囲にわたって誘導することができる。
[0037]
これにより,前記第1熱交換室及び前記第2熱交換室内に流れの淀みができることを確実に低減できるから,単位伝熱面積当たりの凝縮能力を,前記各伝熱プレートを横長の矩形にした場合においても,大幅に向上することができて,小型・軽量化を図ることができる。
[0038]
しかも,前記したように,両熱交換室内に流れの淀み部ができることを確実に低減できることにより,両熱交換室内における伝熱面にスケールが発生することを低減できるから,スケールを除去するための清掃メンテナンスを行う頻度を大幅に少なくできる。
[0039]
ところで,蒸発或いは凝縮に使用するプレート型熱交換器において,これを大型化する場合には,請求項8に記載したように構成するか,或いは,請求項9に記載したように構成するか,若しくは,請求項10に記載したように構成する。また,請求項11に記載したように構成しても良い。
[0040]
この場合においても,前記と同様に,前記各第1熱交換室及び前記各第2熱交換室内に流れの淀みができることを確実に低減できることにより,蒸発能力或いは凝縮能力を大幅に向上することができて,小型・軽量化を図ることができるとともに,スケールを除去するための清掃を行う頻度を大幅に少なくできる。
[0041]
なお,前記トンネル状流体通路は,前記第1熱交換室及び第2熱交換室のうちいずれか一方のみに設ける場合においても,前記した各種の効果を得ることができることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
[0042]
[図1]第1の実施の形態による熱交換器の正面図である。
[図2]図1の側面図である。
[図3]図2,図5及び図6のIII−III視拡大断面図である。
[図4]図2,図5及び図6のIV−IV視拡大断面図である。
[図5]図1及び図3のV−V視拡大断面図である。
[図6]図1及び図4のVI−VI視拡大断面図である。
[図7]前記熱交換器に使用する第1伝熱プレートの斜視図である。
[図8]前記熱交換器に使用する第2伝熱プレートの斜視図である。
[図9]前記第1伝熱プレートの変形例を示す斜視図である。
[図10]前記第2伝熱プレートの変形例を示す斜視図である。
[図11]前記第1伝熱プレートの別の変形例を示す斜視図である。
[図12]前記第2伝熱プレートの別の変形例を示す斜視図である。
[図13]第2の実施の形態による熱交換器の正面図である。
[図14]図13の側面図である。
[図15]図14,図17及び図18のXV−XV視拡大断面図である。
[図16]図14,図17及び図18のXVI−XVI視拡大断面図である。
【図17】図13及び図16のXVII−XVII視拡大断面図である。
【図18】図13及び図15のXVIII −XVIII 視拡大断面図である。
【図19】第2の実施の形態の変形例において図15と同じ箇所の断面図である。
【図20】図19のXX−XX視断面図である。
【図21】第2の実施の形態の変形例において図16と同じ箇所の断面図である。
【図22】第3の実施の形態による熱交換器の正面図である。
【図23】図22の側面図である。
【図24】図23のXXIV−XXIV視拡大断面図である。
【図25】図23のXXV −XXV 視拡大断面図である。
【図26】第3の実施の形態の変形例において図24と同じ箇所の断面図である。
【図27】第3の実施の形態の変形例において図25と同じ箇所の断面図である。
【図28】第3の実施の形態の別の変形例において図24と同じ箇所の断面図である。
【図29】第3の実施の形態の別の変形例において図25と同じ箇所の断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1,31,61 プレート型熱交換器
2,32,62 第1伝熱プレート
3,33,63 第2伝熱プレート
4,34,64 第1熱交換室
5,35,65 第1シール体
6,36,66 第2熱交換室
7,37,67 第2シール体
11,41,71 蒸気出口
12,72a 加熱用流体入口
42a,42b 加熱用蒸気入口
13,43,73a,73b 被蒸発液体供給口
14,72b 加熱用流体出口
15,45,75 第1伝熱プレートの表面の山脈状隆起部
16,46,76 第1伝熱プレートの裏面の山脈状隆起部
17,47,77 第2伝熱プレートの表面の山脈状隆起部
18,48,78 第2伝熱プレートの裏面の山脈状隆起部
19,49,79 第1熱交換室内のトンネル状流体通路
19′,19″,49′,79′ 第1熱交換室内の流体分配通路
20,50,80 第2熱交換室内のトンネル状流体通路
81 不凝縮性ガス出口
【発明を実施するための最良の形態】
[0044]
以下,本発明の実施の形態を図面について説明する。
[0045]
図1〜図12は,第1の実施の形態で,蒸発に使用する比較的小型にしたプレート型熱交換器1を示す。
[0046]
この熱交換器1は,比較的薄い金属板にて矩形にした第1伝熱プレート2の複数枚と,同じく比較的薄い金属板にて矩形にした第2伝熱プレート3の複数枚とを,第1伝熱プレート2と第2伝熱プレート3との間に第1熱交換室4を形成するためのシール兼用のスペーサ体5を挟み,第2伝熱プレート3と第1伝熱プレート2との間に第2熱交換室6を形成するためのシール兼用のスペース体7を挟むように交互に積層し,この積層体を,その一端面に配設した面板8と他端面に配設した面板9とを互いにボルト10にて締結することによって構成している。
[0047]
前記各伝熱プレート2,3には,その上辺における両隅部のうち一方の隅部又はその近傍において前記各第1熱交換室4内に連通する蒸気出口11が,その上辺における両隅部のうち他方の隅部又はその近傍において前記各第2熱交換室6内に連通する加熱用流体入口12が各々穿設され,これら蒸気出口11及び加熱用流体入口12は,前記両面板8,9のうちいずれか一方又は両方に開口している。
[0048]
なお,前記蒸気出口11は,上辺の一部に設けるという構成にすることができる。
[0049]
更に,前記各伝熱プレート2,3には,その下辺における両隅部のうち前記蒸気出口11に対して対角を成す隅部又はその近傍において前記各第1熱交換室4内に連通する被蒸発液体供給口13が,その下辺における両隅部のうち前記加熱用流体入口12に対して対角を成す隅部又はその近傍において前記各第2熱交換室6内に連通する加熱用流体出口14が各々穿設され,これら被蒸発液体供給口13及び加熱用流体出口14は,同じく,前記両面板8,9のうちいずれか一方又は両方に開口している。
[0050]
この構成において,前記各第1熱交換室4内に,被蒸発液体供給口13から供給された被蒸発液体は,両側における前記第2熱交換室6からの熱伝達によって加熱されて沸騰蒸発し,発生した蒸気が,蒸発しなかった一部の被蒸発液体(ブライン)と一緒に,前記各第1熱交換室4内から蒸気出口11より排出される。
[0051]
一方,前記各第2熱交換室6内に,加熱用流体入口12から供給された加熱蒸気等の加熱用流体は,両側における前記第1熱交換室4に対する熱伝達によって被蒸発流体を加熱したのち,加熱用流体出口14から凝縮水等になって排出される。
[0052]
そして,前記各伝熱プレート2,3のうち前記第1伝熱プレート2には,図7に示すように,その表面2a,つまり,当該第1伝熱プレート2が前記第1熱交換室4内にのぞむ面に,例えば,縦方向に山脈状に延びる隆起部15の複数個を,横方向に適宜間隔で平行又は略平行に並べて設けるとともに,その裏面2b,つまり,当該第1伝熱プレート2が前記第2熱交換室6内にのぞむ面に,例えば,横方向に山脈状に延びる隆起部16の複数個を,適宜間隔で平行又は略平行に並べて設ける。
[0053]
一方,前記各伝熱プレート2,3のうち前記第2伝熱プレート3には,図8に示すように,その裏面3b,つまり,当該第2伝熱プレート3が前記第1熱交換室4内にのぞむ面に,例えば,縦方向に山脈状に延びる隆起部17の複数個を,前記第1伝熱プレート2の表面2aにおける各山脈状隆起部15の配列に合わせて,適宜間隔で平行又は略平行に並べて設けるとともに,その表面3a,つまり,当該第2伝熱プレート3が前記第2熱交換室6内にのぞむ面に,例えば,横方向に山脈状に延びる隆起部18の複数個を,前記第1伝熱プレート2の裏面2bにおける各山脈状隆起部16の配列に合わせて,適宜間隔で平行又は略平行に並べて設ける。
[0054]
前記各山脈状隆起部15,16,17,18は,伝熱プレートの一部を膨らみ変形することによって形成している。
[0055]
そして,前記各伝熱プレート2,3を前記したように積層したとき,前記第1伝熱プレート2の表面2aにおける各山脈状隆起部15の稜線と,前記第2伝熱プレート3の裏面3bにおける各山脈状隆起部17の稜線とを,その長い部分(好ましくは全長)にわたって線状に接触するように構成することにより,前記各第1熱交換室4内のうち,当該第1熱交換室4内において互いに接触する前記各山脈状隆起部15,17間の部分に,例えば,縦方向,つまり,前記上辺から下辺の方向に延びて両端が第1熱交換室4内に開口するトンネル状流体通路19の複数個を,前記上辺又は下辺に沿った方向に適宜間隔で並べて形成する。
この場合,前記各トンネル状流体通路19の上端は,前記各第1熱交換室4内の上部に前記各伝熱プレート2,3の上辺に沿って延びるように形成した第1流体分配通路19′を介して前記蒸気出口11に連通しており,また,前記各トンネル状流体通路19の下端は,前記各第1熱交換室4内の底部に前記各伝熱プレート2,3の下辺に沿って延びるように形成した第2流体分配通路19″を介して前記被蒸発液体供給口13に連通している。
[0056]
一方,前記各伝熱プレート2,3を前記したように積層したとき,前記第1伝熱プレート2の裏面2bにおける各山脈状隆起部16の稜線と,前記第2伝熱プレート3の表面3aにおける各山脈状隆起部18の稜線とを,その長い部分(好ましくは全長)にわたって線状に接触するように構成することにより,前記各第2熱交換室6内のうち,当該第2熱交換室6内において互いに接触する前記各山脈状隆起部16,18間の部分に,例えば,横方向,つまり,前記加熱用流体入口12から前記加熱用流体出口14に向かう方向に対してこれを横切る方向に延びて両端が第2熱交換室6内に開口するトンネル状流体通路20を複数個並列に形成する。
[0057]
このように構成することにより,各第2熱交換室6内に加熱用流体入口12から流入した加熱用蒸気等の加熱用流体は,当該第2熱交換室6内にその両側の伝熱プレート2,3における各山脈状隆起部16,18にて形成されている各トンネル状流体通路20内に流入して,この各トンネル状流体通路20によって,圧力損失が最も低くなる方向に流れることを阻止して,図4に矢印で示すように,前記加熱用流体入口12から加熱用流体出口14に向かう方向に対して,例えば,これを横切る方向等のように,第2熱交換室6内の全体にわたって広がるように誘導される一方,前記各第1熱交換室4内に被蒸発液体供給口13から流入した被蒸発液体は,前記第2熱交換室6からの加熱によって蒸発しながら,当該第1熱交換室4内にその両側の伝熱プレート2,3における各山脈状隆起部15,17にて形成されている各トンネル状流体通路19内に流入して,この各トンネル状流体通路19によって,圧力損失が最も低くなる方向に流れることを阻止して,図3に矢印で示すように,前記被蒸発液体供給口13から蒸気出口11に向かう方向に対して,例えば,これを横切る方向等のように,第1熱交換室4内の全体にわたって広がるように誘導されることにより,前記第1熱交換室4及び前記第2熱交換室6内に流れの淀みができることを確実に低減できる。
[0058]
この第1の実施の形態において,前記した縦方向の山脈状隆起部15,17と,横方向の山脈状隆起部16,18とを,図7及び図8に示すように,その交差箇所において分断するというように断続状に構成した場合であったが,図9及び図10に示すように,例えば,縦方向の山脈状隆起部15,17を連続する構成にする一方,例えば,横方向の山脈状隆起部16,18を分断するというように断続状に構成したり,或いは,図11及び図12に示すように,横方向の山脈状隆起部16,18を連続する構成にする一方,縦方向の山脈状隆起部15,17を分断するというように断続状に構成したりすることができる。
【0059】
また,前記各山脈状隆起部15,16,17,18は,各伝熱プレート2,3とは別体にして,これを各伝熱プレート2,3に対して溶接等にて固着するように構成しても良いが,この各山脈状隆起部15,16,17,18を,前記したように,各伝熱プレート2
,3における一部を膨らみ変形することで形成するという構成にすることにより,前記各伝熱プレート2,3における有効な伝熱面積の増大を図ることができるとともに,前記各山脈状隆起部を,金属板に対するプレス加工によって形成することができる。
【0060】
しかも,前記各第1熱交換室4内における各トンネル状流体通路19を,第1伝熱プレート2の表面に設けた山脈状隆起部15と第2伝熱プレート3の裏面に設けた山脈状隆起部17とを線状に接触することで形成し,前記各第2熱交換室6内における各トンネル状流体通路20を,第2伝熱プレート3の表面に設けた山脈状隆起部18と第1伝熱プレート2の裏面に設けた山脈状隆起部16とを線状に接触することで形成したことにより,前記各山脈状隆起部15,16,17,18の高さ寸法を,当該各山脈状隆起部を伝熱プレートにおける表面又は裏面のみに設ける場合よりも低くすることができる。
【0061】
更にまた,前記した各トンネル状流体通路19,20は,前記した構成によって形成することに限らず,その一部又は全部を,前記各伝熱プレート2,3の間に介挿されるシール兼用のスペーサ体5,7から内向きに延びる延長部によって形成するように構成することができる。
【0062】
そして,前記第1の実施の形態は,プレート型熱交換器1は,蒸発器として使用する場合であったが,このプレート型熱交換器1を,以下に述べるように,蒸気の凝縮器として使用することができる。
【0063】
すなわち,凝縮器として使用する場合には,前記蒸気出口11を,凝縮しようとする蒸気の蒸気入口に,前記被蒸発液体供給口13を凝縮水出口に,前記加熱用流体入口12及び前記加熱用流体出口14のうち一方を冷却流体入口に,他方を冷却流体出口に各々構成するのであり,この場合,図3において流れの方向を示す矢印は,逆向きになることはいうまでもない。
【0064】
次に,図13〜図18は,第2の実施の形態によるプレート型熱交換器31を示す。
【0065】
この第2の実施の形態は,蒸発器として使用するプレート型熱交換器31を,前記第1の実施の形態の場合よりも大型にした場合である。
【0066】
この第2の実施の形態におけるプレート型熱交換器31は,比較的薄い金属板にて矩形にした第1伝熱プレート32の複数枚と,同じく比較的薄い金属板にて矩形にした第2伝熱プレート33の複数枚とを,第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート33との間に第1熱交換室34を形成するためのシール体35を挟み,第2伝熱プレート33と第1伝熱プレート32との間に第2熱交換室36を形成するためのシール体37を挟むように交互に積層し,この積層体を,その一端面に配設した面板38と他端面に配設した面板39とを互いにボルト40にて締結することによって構成している。
【0067】
前記各伝熱プレート32,33には,その上辺における略中央の部分又はその近傍において前記各第1熱交換室34内に連通する横長の蒸気出口41が,その上辺における両隅部又はこの両隅部に近い部分において前記各第2熱交換室36内に連通する加熱用蒸気入口42a,42bが各々穿設され,これら蒸気出口41及び両加熱用蒸気入口42a,42bは,前記両面板38,39のうちいずれか一方又は両方に開口している。
【0068】
なお,前記蒸気出口41は,上辺の一部に設けるという構成にすることができる。
【0069】
更に,前記各伝熱プレート32,33には,その下辺における両隅部又はその近傍において前記各第1熱交換室34内に連通する被蒸発液体供給口43a,43bが,その下辺における略中央の部分又はその近傍において前記各第2熱交換室36内に連通する加熱用蒸気凝縮水出口44が各々穿設され,これら両被蒸発液体入口43a,43b及び加熱用蒸気凝縮水出口44は,同じく,前記両面板38,39のうちいずれか一方又は両方に開口している。
[0070]
この構成において,前記各第1熱交換室34内に,両被蒸発液体供給口43a,43bから供給された被蒸発液体は,両側における前記第2熱交換室36からの熱伝達によって加熱されて沸騰蒸発し,発生した蒸気が,蒸発しなかった一部の被蒸発液体(ブライン)と一緒に,前記各第1熱交換室34内から蒸気出口41より排出される。
[0071]
一方,前記各第2熱交換室36内に,両加熱用蒸気入口42a,42bから供給された加熱用蒸気は,両側における前記第1熱交換室34への熱伝達によって冷却されて凝縮し,その凝縮水が凝縮水出口44から排出される。
[0072]
そして,前記各伝熱プレート32,33のうち前記第1伝熱プレート32には,図15に示すように,当該第1伝熱プレート32が前記第1熱交換室34内にのぞむ面(表面)に,例えば,縦方向に山脈状に延びる隆起部45の複数個を,横方向に適宜間隔で平行に並べて設けるとともに,当該第1伝熱プレート2が前記第2熱交換室36内にのぞむ面(裏面)に,例えば,横方向に山脈状に延びる隆起部46の複数個を,適宜間隔で平行に並べて設ける。
[0073]
一方,前記各伝熱プレート32,33のうち前記第2伝熱プレート33には,図16に示すように,当該第2伝熱プレート33が前記第1熱交換室34内にのぞむ面(表面)に,例えば,縦方向に山脈状に延びる隆起部47の複数個を,前記第1伝熱プレート32の表面における各山脈状隆起部45の配列に合わせて,適宜間隔で平行に並べて設けるとともに,当該第2伝熱プレート33が前記第2熱交換室36内にのぞむ面(裏面)に,例えば,横方向に山脈状に延びる隆起部48の複数個を,前記第1伝熱プレート32の裏面における各山脈状隆起部46の配列に合わせて,適宜間隔で平行に並べて設ける。
[0074]
前記各山脈状隆起部45,46,47,48は,伝熱プレートの一部を膨らみ変形することによって形成している。
[0075]
そして,前記各伝熱プレート32,33を前記したように積層したとき,前記第1伝熱プレート32の表面における各山脈状隆起部45の稜線と,前記第2伝熱プレート33の表面における各山脈状隆起部47の稜線とを,その長い部分(好ましくは全長)にわたって線状に接触するように構成することにより,前記各第1熱交換室34内のうち,当該第1熱交換室34内において互いに接触する前記各山脈状隆起部45,47間の部分に,例えば,縦方向,つまり,矩形の上辺から下辺の方向に延びて両端が第1熱交換室34内に開口するトンネル状の流体通路49の複数個を,前記上辺又は下辺に沿った方向に適宜間隔で並べて形成する。
この場合,前記各トンネル状流体通路49の上端は,前記各第1熱交換室34内の上部に前記各伝熱プレート32,33の上辺に沿って延びるように形成した第1流体分配通路49′を介して前記蒸気出口41に連通しており,また,前記各トンネル状流体通路49の下端は,前記各第1熱交換室34内の底部に前記各伝熱プレート32,33の下辺に沿って延びるように形成した第2流体分配通路49″を介して前記両被蒸発液体入口43a,43bに連通している。
[0076]
一方,前記各伝熱プレート32,33を前記したように積層したとき,前記第1伝熱プレート32の裏面における各山脈状隆起部46の稜線と,前記第2伝熱プレート33の裏面における各山脈状隆起部48の稜線とを,その長い部分(好ましくは全長)にわたって線状に接触するように構成することにより,前記各第2熱交換室36内のうち,当該第2熱交換室36内において互いに接触する前記各山脈状隆起部46,48間の部分に,例えば,横方向,つまり,前記両加熱蒸気入口42から前記凝縮水出口44に向かう方向に対してこれを横切る方向に延びて両端が第2熱交換室36内に開口するトンネル状の流体通路50を複数個並列に形成する。
[0077]
このように構成することにより,各第2熱交換室36内に両加熱蒸気入口42a,42bから流入した加熱用蒸気は,当該第2熱交換室36内にその両側の伝熱プレート32,33における各山脈状隆起部46,48にて形成されている各トンネル状流体通路50内に流入して,この各トンネル状流体通路50によって,圧力損失が最も低くなる方向に流れることを阻止して,図16に矢印で示すように,前記両加熱用蒸気入口42a,42bから凝縮水出口44に向かう方向に対して,例えば,これを横切る方向等のように,第2熱交換室36内の全体にわたって広がるように誘導される一方,前記各第1熱交換室34内に両被蒸発液体供給口43a,43bから流入した被蒸発液体は,前記第2熱交換室36からの加熱によって蒸発しながら,当該第1熱交換室34内にその両側の伝熱プレート32,33における各山脈状隆起部45,47にて形成されている各トンネル状流体通路49内に流入して,この各トンネル状流体通路49によって,圧力損失が最も低くなる方向に流れることを阻止して,図15に矢印で示すように,前記両被蒸発液体供給口43a,43bから蒸気出口41に向かう方向に対して,例えば,これを横切る方向等のように,第1熱交換室34内の全体にわたって広がるように誘導されることにより,前記第1熱交換室34及び前記第2熱交換室36内に流れの淀みができることを確実に低減できる。
[0078]
この第2の実施の形態において,前記した縦方向の山脈状隆起部45,47と,横方向の山脈状隆起部46,48とを,図示するように,その交差箇所において分断するというように断続状に構成することに代えて,前記第1の実施の形態の場合と同様に,縦方向の山脈状隆起部45,47を連続する構成にしたり,横方向の山脈状隆起部46,48を連続する構成にしたりすることができる。
[0079]
なお,この第2の実施の形態においては,前記各第1伝熱プレート32の表裏両面における各山脈状隆起部を,図19に示すように,上辺から下辺の方向に延びてく字状に屈曲した山脈状隆起部45′,46′にすることにより,全体としてヘリンボン模様の配列にする一方,前記各第2伝熱プレート33の表裏両面における各山脈状隆起部を,図21に示すように,く字状に屈曲した山脈状隆起部47′,48′にすることにより,全体としてヘリンボン模様の配列にすることができる。
[0080]
このようにヘリンボン模様の配列にすることで,伝熱面積を一層に増大できるのであり,このヘリンボン模様の配列にすることは,前記第1の実施の形態に対しても同様に適用できることはいうまでもない。
[0081]
また,この第2の実施の形態においても,前記各山脈状隆起部を,各伝熱プレートとは別体にして,これを各伝熱プレートに対して溶接等にて固着するように構成しても良いことは勿論である。
[0082]
そして,前記第2の実施の形態は,プレート型熱交換器31は,蒸発器として使用する場合であったが,このプレート型熱交換器31を,蒸気の凝縮器として使用することができる。
[0083]
凝縮器として使用する場合には,前記蒸気出口41を蒸気入口に,前記被蒸発液体供給口43a,43bを凝縮水出口に,前記両加熱用蒸気入口42a,42bのうち一方の加熱用蒸気入口42aを冷却流体入口に,他方の加熱用蒸気入口42bを冷却流体入口に各々構成するのであり,この場合,図15及び図19において,流れの方向を示す矢印は,全て逆向きになることはいうまでもない。
[0084]
次に,図22〜図25は,第3の実施の形態を示す。
[0085]
この第3の実施の形態は,蒸発器として使用するプレート型熱交換器の変形例であり,前記第2の実施の形態の場合と同様に,大型にした場合である。
【0086】
この第3の実施の形態におけるプレート型熱交換器61は,比較的薄い金属板にて矩形にした第1伝熱プレート62の複数枚と,同じく比較的薄い金属板にて矩形にした第2伝熱プレート63の複数枚とを,第1伝熱プレート62と第2伝熱プレート63との間に第1熱交換室64を形成するためのシール体65を挟み,第2伝熱プレート63と第1伝熱プレート62との間に第2熱交換室66を形成するためのシール体67を挟むように交互に積層し,この積層体を,その一端面に配設した面板68と他端面に配設した面板69とを互いにボルト70にて締結することによって構成している。
【0087】
前記各伝熱プレート62,63には,その上辺における略中央の部分又はその近傍において前記各第1熱交換室64内に連通する横長の蒸気出口71が,その上辺における左右両隅部のうち一方の隅部又はその近傍に,前記各第2熱交換室66内に連通する温水等の加熱用流体入口72aが,他方の隅部又はその近傍に前記各第2熱交換室66内に連通する加熱用流体出口72bが各々穿設され,これら蒸気出口71,加熱用流体入口72a及び加熱用流体出口72bは,前記両面板68,69のうちいずれか一方又は両方に開口している。
【0088】
なお,前記蒸気出口71は,上辺の一部に設ける構成にすることができる。
【0089】
更に,前記各伝熱プレート62,63には,その下辺における左右両隅部又はその近傍において前記各第1熱交換室64内に連通する被蒸発液体入口73a,73bが穿設され,これら両被蒸発液体入口73a,73bは,同じく,前記両面板68,69のうちいずれか一方又は両方に開口している。
【0090】
この構成において,前記各第1熱交換室64内に,両被蒸発液体入口73a,73bから供給された被蒸発液体は,両側における前記第2熱交換室66からの熱伝達によって加熱されて沸騰・蒸発し,発生した蒸気が,蒸発しなかった一部の被蒸発液体(ブライン)と一緒に,前記各第1熱交換室64内から蒸気出口71より排出される。
【0091】
一方,前記各第2熱交換室66内に,加熱用流体入口72aから供給された加熱用流体は,両側における前記第1熱交換室64への熱伝達したのち,加熱用流体出口72bから排出される。
【0092】
そして,前記各伝熱プレート62,63のうち前記第1伝熱プレート62には,前記第2の実施の形態の場合と同様に,図24に示すように,当該第1伝熱プレート62が前記第1熱交換室64内にのぞむ面(表面)に,例えば,縦方向に山脈状に延びる隆起部75の複数個を,横方向に適宜間隔で平行に並べて設けるとともに,当該第1伝熱プレート62が前記第2熱交換室66内にのぞむ面(裏面)に,例えば,横方向に山脈状に延びる隆起部76の複数個を,適宜間隔で平行に並べて設ける。
[0093]
一方,前記各伝熱プレート62,63のうち前記第2伝熱プレート63には,前記第2の実施の形態の場合と同様に,図25に示すように,当該第2伝熱プレート63が前記第1熱交換室64内にのぞむ面(表面)に,例えば,縦方向に山脈状に延びる隆起部77の複数個を,前記第1伝熱プレート62の表面における各山脈状隆起部75の配列に合わせて,適宜間隔で平行に並べて設けるとともに,当該第2伝熱プレート63が前記第2熱交換室66内にのぞむ面(裏面)に,例えば,横方向に山脈状に延びる隆起部78の複数個を,前記第1伝熱プレート62の裏面における各山脈状隆起部76の配列に合わせて,適宜間隔で平行に並べて設ける。
[0094]
前記各山脈状隆起部75,76,77,78は,伝熱プレートの一部を膨らみ変形することによって形成している。
[0095]
そして,前記各伝熱プレート62,63を前記したように積層したとき,前記第1伝熱プレート62の表面における各山脈状隆起部75の稜線と,前記第2伝熱プレート63の表面における各山脈状隆起部77の稜線とを,その長い部分(好ましくは全長)にわたって線状に接触するように構成することにより,前記各第1熱交換室64内のうち,当該第1熱交換室64内において互いに接触する前記各山脈状隆起部75,77間の部分に,例えば,縦方向,つまり,矩形の上辺から下辺の方向に延びて両端が第1熱交換室74内に開口するトンネル状の流体通路79の複数個を,前記上辺又は下辺に沿った方向に適宜間隔で並べて形成する。
この場合,前記各トンネル状流体通路79の上端は,前記各第1熱交換室64内の上部に前記各伝熱プレート62,63の上辺に沿って延びるように形成した第1流体分配通路79′を介して前記蒸気出口71に連通しており,また,前記各トンネル状流体通路79の下端は,前記各第1熱交換室64内の底部に前記各伝熱プレート62,63の下辺に沿って延びるように形成した第2流体分配通路79″を介して前記両被蒸発液体入口73a,73bに連通している。
[0096]
一方,前記各伝熱プレート62,63を前記したように積層したとき,前記第1伝熱プレート62の裏面における各山脈状隆起部76の稜線と,前記第2伝熱プレート63の裏面における各山脈状隆起部78の稜線とを,その長い部分(好ましくは全長)にわたって接触するように構成することにより,前記各第2熱交換室66内のうち,当該第2熱交換室66内において互いに接触する前記各山脈状隆起部76,78間の部分に,例えば,横方向,つまり,前記加熱用流体入口72aから前記加熱用流体出口72bに向かう方向に対してこれを横切る方向に延びて両端が第2熱交換室66内に開口するトンネル状流体通路80を複数個並列に形成する。
【0097】
このように構成することにより,各第2熱交換室66内に前記加熱用流体入口72aから流入した加熱用流体は,当該第2熱交換室66内にその両側の伝熱プレート62,63における各山脈状隆起部76,78にて形成されている各トンネル状流体通路80内に流入して,この各トンネル状流体通路80によって,圧力損失が最も低くなる方向に流れることを阻止して,図25に矢印で示すように,前記加熱用流体入口72aから加熱用流体出口72bに向かう方向に対して,例えば,これを横切る方向等のように,第2熱交換室66内の全体にわたって広がるように誘導される一方,前記各第1熱交換室64内に両被蒸発液体入口73a,73bから流入した被蒸発液体は,前記第2熱交換室66からの加熱によって沸騰・凝縮しながら,当該第1熱交換室64内にその両側の伝熱プレート62,63における各山脈状隆起部75,77にて形成されている各トンネル状流体通路79内に流入して,この各トンネル状流体通路79によって,圧力損失が最も低くなる方向に流れることを阻止して,図24に矢印で示すように,前記両被蒸発液体入口73a,73bから前記蒸気出口71に向かう方向に対して,例えば,これを横切る方向等のように,第1熱交換室64内の全体にわたって広がるように誘導されることにより,前記第1熱交換室64及び前記第2熱交換室66内に流れの淀みができることを確実に低減できる。
【0098】
この第3の実施の形態においても,前記した表面側への縦方向の山脈状隆起部75,77と,裏面側への横方向の山脈状隆起部76,78とを,図示のように,その交差箇所において分断するというように断続状に構成することに代えて,前記第1の実施の形態の場合と同様に,縦方向の山脈状隆起部75,77を連続する構成にしたり,横方向の山脈状隆起部76,78を連続する構成にしたりすることができる。
【0099】
なお,この第3の実施の形態においても,前記各第1伝熱プレート62の表裏両面における各山脈状隆起部,及び,前記各第2伝熱プレート63の表裏両面における各山脈状隆起部を,く字状に屈曲した山脈状隆起部にすることにより,全体としてヘリンボン模様の配列にしたりすることができる。
【0100】
また,この第3の実施の形態においても,前記各山脈状隆起部を,各伝熱プレートとは別体にして,これを各伝熱プレートに対して溶接等にて固着するように構成しても良いことは勿論である。
[0101]
そして,前記第3の実施の形態は,プレート型熱交換器61は,蒸発器として使用する場合であったが,このプレート型熱交換器61を,蒸気の凝縮器として使用することができる。
[0102]
凝縮器として使用する場合には,前記蒸気出口71を蒸気入口に,前記被蒸発液体供給口73a,73bを凝縮水出口に,前記加熱用流体入口72aを冷却用流体入口に,前記加熱用流体出口72bを冷却用流体出口に各々構成するのである。
[0103]
この場合,図24において,流れの方向を示す矢印は,全て逆向きになることはいうまでもなく,また,この場合には,前記各第1熱交換室64における下辺の中央の部分に,凝縮水出口81を設ける一方,下辺の左右両隅部における被蒸発液体供給口73a,73bを不凝縮性ガスの抽出口に構成するようにしても良い。
[0104]
この第3の実施の形態によるプレート型熱交換器61における変形例として,図26及び図27に示すように構成することができる。
[0105]
すなわち,この変形例は,前記第2熱交換室66内への加熱用流体入口72aを,矩形の上辺における一方の隅部から下辺の一方の隅部における被蒸発液体供給口73aに隣接する部位に,前記第2熱交換室66内からの加熱用流体出口72bを,前記矩形の上辺における一方の隅部に各々移動する一方,前記第2熱交換室66内に,スペーサ体67から内向きに一体に延びる仕切り部67′を設けることにより,前記加熱用流体入口72aから加熱用流体出口72bに向かって折り返し状流れ通路に構成したものである。
[0106]
この場合においても,前記折り返し状流れ通路の内部には,前記第3の実施の形態と同様に,各山脈状隆起部76,78にて複数のトンネル状流体通路80を形成できることはいうまでもない。
[0107]
この構成にすると,矩形の上辺における蒸気出口71における上辺に沿って当該上辺における他方の隅部にまで延長して,その流れ抵抗を低くすることができる一方,前記第2熱交換室66内における熱伝達を,仕切り部67′による折り返し状の流れ通路の形成によって加熱用流体を前記第2熱交換室66内の全体にいきわたらせることと,加熱用流体の流れ速度を上昇させることとで,大幅に促進できるから,蒸発又は凝縮の処理能力のアップを図ることができる。特に,加熱用流体として非凝縮性の液体を用いる場合に適している。
[0108]
また,前記第3の実施の形態によるプレート型熱交換器61における別の変形例として,図28及び図29に示すように構成することができる。
[0109]
すなわち,この別の変形例は,前記加熱用流体入口72aを二つにして,矩形の一端部の上下に設ける一方,前記加熱用流体出口72bを,矩形の他端部の下隅部に設けて,更に,前記第2熱交換室66内に,スペーサ体67から内向きに一体に延びる仕切り部67″を設けることにより,前記両加熱用流体入口72aから加熱用流体出口72bに向かって二つの流れ通路を形成するという構成にしたものである。
[0110]
この場合においても,前記二つの流れ通路の内部には,前記第3の実施の形態と同様に,各山脈状隆起部76,78にて複数のトンネル状流体通路80を形成できることはいうまでもない。
[0111]
この構成によると,前記図26及び図27に示す変形例と同様に,蒸気出口71における上辺に沿って当該上辺における他方の隅部にまで延長して,その流れ抵抗を低くできることに加えて,前記第2熱交換室66内における熱伝達を仕切り部67″による二つの流れ通路の形成によって促進できるから,蒸発又は凝縮の処理能力のアップを図ることができる。特に,加熱用流体として水蒸気を用いる場合に適している。
[0112]
なお,前記図26及び図27に示す変形例,並びに,前記図28及び図29に示す別の変形例において,第2熱交換室66内に加熱用流体に対するトンネル状流体通路80をするための各山脈状隆起部76,78は,図に示すように,スペーサ体67から一体に延びる仕切り部67′,67″にて通路断面が区分されていることにより,前記仕切り部67′,67″を設ける分だけ少なくできることはいうまでもない。
[0113]
また,前記図26及び図27に示す変形例においては,一回だけの折り返し通路にする場合を示したが,二回又は三回の折り返し通路に構成することができる。
Claims (11)
- 伝熱プレートの複数枚を,その間に蒸気の発生又は蒸気の凝縮を行う第1熱交換室の複数個と,加熱又は冷却を行う第2熱交換室の複数個とを交互に形成するように積層して成るプレート型熱交換器において,
前記各伝熱プレートは,その積層方向から見て矩形状であり,この各伝熱プレートには,その上辺に前記各第1熱交換室内の上部に開口する蒸気出口又は蒸気入口が設けられ,その下辺に前記各第1熱交換室内の底部に開口する被蒸発液体入口又は凝縮水出口が設けられており,更に,前記各伝熱プレートには,前記各第2熱交換室内に連通する加熱用流体の入口及び出口又は冷却用流体の入口及び出口が設けられている一方,前記各第1熱交換室内には,当該第1熱交換室を形成する一対の伝熱プレートに沿って前記上辺から下辺の方向に延びるように構成して成るトンネル状流体通路の複数本が,前記上辺又は下辺の沿った方向に適宜間隔で形成され,この各トンネル状流体通路の上端は,前記各第1熱交換室内の上部に前記蒸気出口又は蒸気入口から前記上辺に沿って延びるように形成した第1流体分配通路に連通し,前記各トンネル状流体通路の下端は,前記各第1熱交換室内の底部に前記被蒸発液体入口又は凝縮水出口から前記下辺に沿って延びるように形成した第2流体分配通路に連通していることを特徴とするプレート型熱交換器。 - 前記請求項1の記載において,前記各第2熱交換室内に,前記加熱用流体の入口から出口の方向に延びるか,或いは,前記冷却用流体の入口から出口の方向に延びるように構成したトンネル状流体通路の複数本が設けられていることを特徴とするプレート型熱交換器。
- 前記請求項1又は2の記載において,前記各トンネル状流体通路が,前記各熱交換室を形成する両伝熱プレートの間に挟まれるスペーサ体に設けた仕切り部にて形成されていることを特徴とするプレート型熱交換器。
- 前記請求項1又は2の記載において,前記各トンネル状流体通路が,前記各熱交換室を形成する両伝熱プレートの各々に設けた複数本の山脈状隆起部における稜線を当該各熱交換室内において線状に接触することによって形成されていることを特徴とするプレート型熱交換器。
- 前記請求項4の記載において,前記各山脈状隆起部が,前記各熱交換室を形成する両伝熱プレートにおける一部を膨らませ変形して形成した構成であることを特徴とするプレート型熱交換器。
- 前記請求項4又は5の記載において,前記各山脈状隆起部が,断続する構成であることを特徴とするプレート型熱交換器。
- 前記請求項4又は5の記載において,前記各山脈状隆起部が,各伝熱プレートの積層方向から見てヘリンボン模様の配列であることを特徴とするプレート型熱交換器。
- 前記請求項1〜7のいずれかの記載において,前記蒸気出口又は蒸気入口が,前記上辺における中央の部分又はその近傍に設けられ,前記被蒸発液体入口又は凝縮水出口が,前記下辺における両隅部又はその近傍に設けられていることを特徴とするプレート型熱交換器。
- 前記請求項8の記載において,前記蒸気出口又は蒸気入口が,前記上辺に沿って横長の形状であることを特徴とするプレート型熱交換器。
- 前記請求項8又は9の記載において,前記加熱用流体の入口又は冷却用流体の入口が,前記上辺における両隅部のうち一方の隅部又はその近傍に,前記加熱用流体の出口又は冷却用流体の出口が,前記上辺における両隅部のうち他方の隅部又はその近傍に設けられていることを特徴とするプレート型熱交換器。
- 伝熱プレートの複数枚を,その間に蒸気の発生又は蒸気の凝縮を行う第1熱交換室の複数個と,加熱又は冷却を行う第2熱交換室の複数個とを交互に形成するように積層して成るプレート型熱交換器において,
前記各伝熱プレートは,その積層方向から見て矩形状であり,この各伝熱プレートの上辺の部分には,前記各第1熱交換室内の上部に開口する蒸気出口又は蒸気入口が当該上辺に沿って横長の形状にして設けられ,前記各伝熱プレートの下辺における両隅部には,前記各第1熱交換室内の底部に開口する被蒸発流体入口又は凝縮水出口が設けられ,前記各伝熱プレートには,前記各第2熱交換室内に連通する加熱用流体の入口又は冷却用流体の入口が,前記下辺における両隅部のうち一方の隅部に位置する前記被蒸発流体入口又は凝縮水出口に隣接して設けられ,更に,前記各伝熱プレートの上辺における両隅部のうち一方の隅部には,前記各第2熱交換室内に連通する加熱用流体の出口又は冷却用流体の出口が設けられ,そして,前記各第1熱交換室内には,当該第1熱交換室を形成する一対の伝熱プレートに沿って前記上辺から下辺の方向に延びるように構成して成るトンネル状流体通路の複数本が,前記上辺又は下辺に沿った方向に適宜間隔で形成され,この各トンネル状流体通路の上端は,前記各第1熱交換室内の上部に前記蒸気出口又は蒸気入口から前記上辺に沿って延びるように形成した第1流体分配通路に連通し,前記各トンネル状流体通路の下端は,前記各第1熱交換室内の底部に前記被蒸発流体入口又は凝縮水出口から前記下辺に沿って延びるように形成した第2流体分配通路に連通しており,更に,前記各第2熱交換室内には,前記加熱用流体の入口又は冷却用流体の入口から前記加熱用流体の出口又は冷却用流体の出口に至る流体通路が,折り返し状にして形成されていることを特徴とするプレート型熱交換器。
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