JP4319405B2 - 二成分現像剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷などにおける静電荷像の現像に用いる二成分現像剤、それを充填した容器、それを用いる画像形成方法、及びそれを装填した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に電子写真法、静電写真法等の画像形成方法においては、潜像担持体上に形成された静電潜像を現像するために、トナーとキャリアとを撹拌混合することによって得られる現像剤が使用される。この現像剤は、適当に帯電された混合物であることが要求される。一般に静電潜像を現像する方法としては、トナーとキャリアとを混合して得られる二成分系現像剤を使用する方法と、キャリアを含まない一成分系現像剤を使用する方法が公知である。前者の二成分系現像剤を用いた現像方式は、比較的安定した良好な画像が得られる反面、キャリア劣化やトナーとキャリアの混合比の変動が発生しやすいといった欠点がある。一方、後者の一成分現像剤は前者の欠点は持たないが、帯電性が安定しにくいといった不都合を有している。
【0003】
又、二成分系現像剤を使用して静電潜像を繰り返し現像を行なう際に、現像剤中のトナーが消費されてトナー濃度が変動するため、印刷時に安定した画像を得るために、必要に応じてトナーを補給してこの変動を抑制する必要がある。一般的にトナー補給量を制御する方法として、複写機は透過性検知センサー、流動性検知センサー、画像濃度検知センサー、嵩密度検知センサー等を具備しているが、画像濃度検知センサーを使用するのが最近の主流である。該センサーは潜像担持体上に一定の画像パターンを現像して、反射光から画像濃度を検知することによって、トナー補給量を制御する方式である。
【0004】
このような二成分系現像方式に使用される粒状キャリアは、キャリア表面へのトナーのスペント防止、キャリア均一表面の形成、表面酸化防止、感湿性低下の防止、現像剤の寿命の延長、感光体のキャリアによるキズあるいは摩耗からの保護、帯電極性の制御または帯電量の調節等の目的で、通常適当な樹脂材料で被覆等を施すことにより固く高強度の被覆層を設けることが行なわれており、例えば特定の樹脂材料で被覆されたもの(特開昭58−108548号公報‐特許文献1)、さらにその被覆層に種々の添加剤を添加させたもの(特開昭54−155048号公報、特開昭57−40267号公報、特開昭58−108549号公報、特開昭59−166968号公報、特公平1−19584号公報、特公平3−628号公報、特開平6−202381号公報)、さらにキャリア表面に添加剤を付着させたもの(特開平5−273789号公報)などが開示されている。また、特開平8−6307号公報には、ベンゾグアナミン−n−ブチルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を主成分とするキャリア被覆材に用いることが記載され、特許第2683624号公報には、メラミン樹脂とアクリル樹脂の架橋物をキャリア被覆材として用いることが記載されている。
【0005】
しかし、依然として耐久性に問題があり、トナーのキャリア表面へのスペント化、それに伴う帯電量の不安定化、ならびに被覆樹脂の削れによる抵抗低下等が問題であり、初期は良好な画像を得ることができるが、コピー枚数が増加するにつれ複写画像の画質が低下するため、改良をする必要がある。
【0006】
又、アクリル樹脂を被覆樹脂主成分とした場合、一般的に知られている流動床式コーティング装置においては、被覆粒子の凝集が大きく、生産性を著しく低下させるといった問題もあった。
【0007】
さらに又、従来、静電荷像現像に使用されるトナーは、一般に、結着樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、その他の添加剤を含有させた着色粒子であり、その製造方法には、大別して粉砕法と懸濁重合法とがある。粉砕法では、熱可塑性樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、オフセット防止剤などを溶融混合して均一に分散させ、得られた組成物を粉砕、分級することによりトナーを製造している。粉砕法によれば、ある程度優れた特性を有するトナーを製造することができるが、トナー用材料の選択に制限がある。例えば、溶融混合により得られる組成物は、経済的に使用可能な装置により粉砕し、分級できるものでなければならない。この要請から、溶融混合した組成物は、充分に脆くせざるを得ない。このため、実際に上記組成物を粉砕して粒子にする際に、高範囲の粒径分布が形成され易く、良好な解像度と階調性のある複写画像を得ようとすると、例えば、粒径5μm以下の微粉と20μm以上の粗粉を分級により除去しなければならず、収率が非常に低くなるという欠点がある。また、粉砕法では、着色剤や帯電制御剤などを熱可塑性樹脂中に均一に分散することが困難である。配合剤の不均一な分散は、トナーの流動性、現像性、耐久性、画像品質などに悪影響を及ぼす。
【0008】
近年、これらの粉砕法における問題点を克服するために、懸濁重合法によるトナーの製造方法が提案され、実施されている。静電潜像現像用のトナーを重合法によって製造する技術は公知であり、例えば懸濁重合法によってトナー粒子を得ることが行われている。しかしながら、懸濁重合法で得られるトナー粒子は球形であり、クリーニング性に劣るという欠点がある。画像面積率の低い現像・転写では転写残トナーが少なく、クリーニング不良が問題となることはないが、写真画像など画像面積率の高いもの、さらには、給紙不良等で未転写の画像形成したトナーが感光体上に転写残トナーとして発生することがあり、蓄積すると画像の地汚れを発生してしまう。また、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまう。このため、乳化重合法により得られる樹脂微粒子を会合させて不定形のトナー粒子を得る方法が開示されている(特許第2537503号公報)。しかし、乳化重合法で得られるトナー粒子は、水洗浄工程を経ても、界面活性剤が表面だけでなく、粒子内部にも多量に残存し、従来から知られているシリコーン樹脂単独で被覆されたキャリアとの摩擦帯電は、粉砕方式により製造された従来トナーに比較して低く、特に帯電の立ち上がり性が劣る原因となっている。その結果、トナー補給時、リサイクルシステムを有する現像システムにおいて、地汚れが悪化するといった問題があった。
【0009】
そこで、トナー粒子表面に例えばフッ素系樹脂微粒子を存在させることにより、トナー粒子そのものの帯電性を負極性化する検討も試みられているが、このような樹脂微粒子は加熱定着部において、トナー粒子間の凝集性及び転写紙への親和性が低下し、定着不良が発生し易い等の副作用があった。
【0010】
【特許文献1】
特開昭58−108548号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、帯電立ち上がりが良好で、キャリア表面へのトナースペントが少なく、且つ、生産性に優れるキャリアと、形状制御された低温定着可能なトナーからなる二成分現像剤を提供することを目的とする。
また本発明は、該二成分現像剤を充填した容器、該二成分現像剤を用いる画像形成方法、及び該二成分現像剤を装填した画像形成装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、
(1)有機溶媒中にウレア結合を形成し得る変性されたポリエステル系樹脂を含むトナー組成分を溶解させ、該溶解物を、フッ素原子を含有しないスチレン系樹脂微粒子を含む水系媒体中で重付加反応させ、該スチレン系樹脂微粒子が表面に付着した負帯電性トナーと、磁性体粒子表面に被覆樹脂層を設けた正帯電性キャリアとからなる二成分現像剤であって、該キャリアの被覆樹脂は少なくともポリシロキサン樹脂、熱可塑性樹脂であるアクリル樹脂、架橋剤であるグアナミン樹脂、及びアミノシランカップリング剤を含有し、且つ、該キャリアの体積固有抵抗が1012〜1016Ωcmであることを特徴とする二成分現像剤、
(2)前記キャリア被覆層中に少なくともアルミナ粒子及び導電性微粒子を含有することを特徴とする前記(1)に記載の二成分現像剤、
(3)前記キャリア被覆樹脂中のアミノシランカップリング剤の含有量とポリシロキサン樹脂含有量の重量比率が0.1〜0.3であり、且つ、被覆層樹脂に占めるポリシロキサン樹脂の比率が30〜70重量%であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の二成分現像剤、
(4)前記トナーが外添剤として少なくとも酸化チタンを含有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の二成分現像剤、
(5)前記トナーの外添剤に用いる酸化チタン粒子がフッ化アルキル基を有するシランカップリング剤により表面処理されていることを特徴とする前記(4)に記載の二成分現像剤、
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の二成分現像剤を充填したことを特徴とする容器、
(7)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の二成分現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法、
(8)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の二成分現像剤を装填したことを特徴とする画像形成装置、が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
先ず、本発明の現像剤について説明する。
本発明の二成分現像剤は、有機溶媒中にウレア結合を形成し得る変性されたポリエステル系樹脂を含むトナー組成分を溶解させ、該溶解物を、フッ素原子を含有しないスチレン系樹脂微粒子を含む水系媒体中で重付加反応させ、該スチレン系樹脂微粒子が表面に付着した負帯電性トナーと、磁性体粒子表面に被覆樹脂層を設けた正帯電性キャリアとからなる二成分現像剤であって、該キャリアの被覆樹脂は少なくともポリシロキサン樹脂、熱可塑性樹脂であるアクリル樹脂、架橋剤であるグアナミン樹脂、及びアミノシランカップリング剤を含有し、且つ、該キャリアの体積固有抵抗が1012〜1016Ωcmであることを特徴とする。
【0014】
前記した通り、トナー表面に存在する樹脂微粒子にフッ素変性樹脂微粒子を用いることで、現像剤の帯電立ち上がり性を確保することは出来るが、低温定着性を著しく損ねることが判っている。そこで、定着時のトナー粒子凝集力および転写紙への親和性があるスチレン系樹脂微粒子をトナー表面に付着させた場合、定着性は改善されるが、従来から知られている構成のキャリアでは十分な帯電性が得られないことが判っている。即ち低温定着性を有し、且つ、現像剤として所望の帯電特性を得る為には、本発明の前記特定のキャリア及び前記特定のトナーを用いることが重要である。キャリアの耐スペント性と被覆層膜削れを改善する為には、ポリシロキサン樹脂と熱可塑性樹脂を併用することが必要となる。これは従来から知られているポリシロキサン樹脂の低表面エネルギー性と熱可塑性樹脂の弾性によると考えられる。ここでトナー粒子表面に樹脂微粒子を配し、その樹脂微粒子がスチレン樹脂微粒子を用いた場合、トナー表面の極性はスチレン系樹脂微粒を配しない場合に比較して正帯電性が強くなる。従って、負帯電性で帯電立ち上がりの良い現像剤を得るには、キャリア自身の正帯電性を強くする必要がある為、アミノシランカップリング剤を含有させることが重要となる。
【0015】
更に、帯電立ち上がり性を改善するには、キャリアの体積固有抵抗を1012〜1016Ωcmとすることで達成することが出来る。特にスチレン樹脂微粒子をトナー表面に配している場合、トナー自身の負電荷保持力も小さくなる為、キャリアの体積固有抵抗が1012Ωcmよりも小さいと所望の帯電立ち上がり性が得られず、トナー補給時の地汚れが劣化する。又、1016Ωcmよりも大きい場合、連続コピー時に帯電が上昇しすぎる為、画像濃度低下や非画像部へのキャリア付着が発生し易くなる。従って、キャリアの体積固有抵抗として1012〜1016Ωcmであることが重要である。
【0016】
本発明でいうキャリアの体積固有抵抗は、タッピング等によりセルにキャリアを充填した状態で測定した際のキャリア抵抗値をいう。
【0017】
次に本発明において、キャリア被覆層中に少なくともアルミナ粒子及び導電性微粒子を含有することが好ましい。被覆層樹脂として熱可塑性樹脂を用いるが、被覆層を形成する際にアルミナ粒子を含有させることにより、キャリア粒子同士の凝集を抑えることが可能になる。しかし、一般にアルミナ粒子は高抵抗である為、製造時のキャリア同士の凝集を押さえたとしても、キャリア抵抗が高くなってしまう為、アルミナ粒子を含有させる場合は導電性微粒子を被覆層中に含有させることが重要となる。
【0018】
次に本発明において、キャリア被覆樹脂中のアミノシランカップリング剤の含有量とポリシロキサン樹脂含有量の重量比率が0.1〜0.3であり、且つ、被覆層樹脂に占めるポリシロキサン樹脂の比率が30〜70重量%であること、更に、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂を用いることが好ましい。アクリル樹脂を用いる場合、アクリル樹脂の架橋剤としてグアナミン樹脂を用いることはキャリア帯電性向上の点でさらに好ましい。アミノシランカップリング剤をキャリア被覆層材料として用いることは公知であったが、被覆層中にポリシロキサン樹脂とアクリル樹脂が含有している場合に、ポリシロキサン樹脂に対するアミンシランカップリング剤の比率が本発明の範囲とすることで、帯電立ち上がり性に優れることが判明した。又、この比率が高くなることにより、飽和帯電量も高くなってくる傾向があり、逆に画像濃度不足が生じるといった不具合が発生する。この不具合を解消する為に、キャリア抵抗を下げてしまうと、帯電の立ち上がり性を損なうといった不具合を生じてしまう。従って、アミノシランカップリング剤のポリシロキサン樹脂に対する重量比率は0.1〜0.3であることが好ましい。更に、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂を用い、ポリシロキサン樹脂の比率が30〜70重量%とすることが好ましい。これは、ポリシロキサン樹脂比率が低い場合、スペント性が低下し、逆に高くなると、アルミナ粒子の保持力が低下し、現像器中でアルミナ粒子が脱離してしまう。
【0019】
更に、本発明の現像剤に用いるトナーの外添剤として、少なくとも酸化チタンを使用すると更に帯電立ち上がり性に対し、効果が顕著となる。これは、本発明の現像剤に用いるトナーは前記の通り、トナー粒子表面に樹脂微粒子が洗浄後残存している為、表面性が粗く、酸化チタンを用いない場合、トナー流動性が従来のトナーに比較して劣ってしまう。結果として、トナー流動性が悪い為、補給性のみならず、現像器中キャリアとの混合性が低下する為、帯電立ち上がり性を損ねてしまう。従って、本発明に用いるトナー外添剤として酸化チタンを用いることが好ましく、更には、表面処理剤としてフッ化アルキル基を有するシランカップリング剤で処理することが好ましい。
【0020】
本発明において好適なトナーについて説明する。
本発明のトナーは、紡錘形状であることが好ましい。
トナー形状が一定しない不定形、又は扁平形状では粉体流動性が悪いことから、次のような課題を持つ。摩擦帯電が円滑に行えないことから地肌汚れ等の問題が発生しやすい。微小な潜像ドットを現像する際には、緻密で均一なトナー配置をとりにくいことから、ドット再現性に劣る。静電転写方式では、電気力線の影響を受けにくく、転写効率が劣る。
トナーが真球に近い場合、粉体流動性が良すぎて、外力に対して過度に作用してしまうことから、現像及び転写の際に、ドットの外側にトナー粒子が飛び散りやすいといった問題がある。また、球形トナーでは、感光体上で転がりやすいために、感光体とクリーニング部材との間に潜り込みクリーニング不良となることが多いという問題点がある。
【0021】
本発明の紡錘形状のトナーは、粉体流動性が適度に調節されているために、摩擦帯電が円滑に行われて地肌汚れを発生させることがなく、微小な潜像ドットに対して整然と現像され、その後、効率よく転写されてドット再現性に優れる。更に、その際の飛び散りに対しては、粉体流動性が適度にブレーキをかけて飛び散りを防いでいる。紡錘形状のトナーは球形トナーに比べて、転がる軸が限られていることから、クリーニング部材の下に潜り込むようなクリーニング不良が発生しにくい。
【0022】
トナー形状を図1(a)及び(b)に基づいて説明する。
本発明の紡錘形状のトナーは、短軸と長軸との比(r2/r1)が0.5〜0.8で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0で表される紡錘形状であることが好ましい。
短軸と長軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにクリーニング性が高いが、ドット再現性及び転写効率が劣るために高品位な画質が得られなくなる。一方短軸と長軸との比(r2/r1)が0.8を越えると、球形に近づくために、低温低湿の環境下では特にクリーニング不良が発生することがある。
また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近く、不定形トナーのように飛び散りは少ないが、球形トナーのような高転写率は得られない。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となる。これに近い紡錘形状にすることで不定形・扁平形状でもなく真球状でもない形状であって、双方の形状が有する摩擦帯電性、ドット再現性、転写効率、飛び散りの防止性、クリーニング性の全てを満足させる形状となる。
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
【0023】
本発明に用いるキャリア芯材の平均粒径は前記した通り40〜60μmの従来から公知の磁性体が使用され、例えば鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属やマグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合金あるいは化合物等が挙げられる。
【0024】
本発明に用いるシロキサン樹脂としては従来公知のシリコーン樹脂を全て使用することが出来る。また熱可塑性樹脂としては、好ましくはアクリル樹脂で、全てのアクリル樹脂を用いることが可能であるが、好ましくはTgが20〜100℃、より好ましくは25〜80℃であるものを用いるのがよい。Tgが20℃より低い場合は、常温に於いてもブロッキングが発生するため保存性が悪く好ましくない。一方、Tgが100℃より高い場合は、コート膜樹脂が硬過ぎとなり弾性が得られないため、衝撃を吸収できなくなり十分な改善効果が得られない。
【0025】
又、アミノシランカップリング剤としては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等を用いることが出来る。
【0026】
又、本発明で用いられる導電性微粒子としては、安価なカーボンブラックを用いることが好ましいが、カーボンブラックに限定されるものではない。
【0027】
本発明においてキャリアは被覆層の厚さが0.2〜0.3μmであることが好ましい。被覆層の厚さがこの範囲内であれば、従来公知の被覆層形成装置を用いても均一な被覆層を得る事が可能となる。
【0028】
次に本発明の現像剤に用いるトナーについて説明する。
(ウレア変性ポリエステル)
ウレア結合で変性されたポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応物などが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
【0029】
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)および3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0030】
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)および3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、および(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
【0031】
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
【0032】
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
【0033】
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。0.5重量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40重量%を超えると低温定着性が悪化する。
【0034】
イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0035】
アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
【0036】
さらに、必要により伸長停止剤を用いてウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
【0037】
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。本発明においては、ウレア結合で変性されたポリエステル(i)中に、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0038】
本発明のウレア変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。ウレア変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステルの数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
【0039】
(変性されていないポリエステル)
本発明においては、前記ウレア結合で変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、変性されていないポリエステル(ii)をトナーバインダー成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
【0040】
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすい傾向がある。
【0041】
本発明において、トナーバインダーのガラス転移点(Tg)は通常50〜70℃、好ましくは55〜65℃である。50℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステル樹脂の共存により、本発明の乾式トナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。トナーバインダーの貯蔵弾性率としては、測定周波数20Hzにおいて10000dyne/Cm2となる温度(TG’)が、通常100℃以上、好ましくは110〜200℃である。100℃未満では耐ホットオフセット性が悪化する。トナーバインダーの粘性としては、測定周波数20Hzにおいて1000ポイズとなる温度(Tη)が、通常180℃以下、好ましくは90〜160℃である。180℃を超えると低温定着性が悪化する。すなわち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、TG’はTηより高いことが好ましい。言い換えるとTG’とTηの差(TG’−Tη)は0℃以上が好ましい。さらに好ましくは10℃以上であり、特に好ましくは20℃以上である。差の上限は特に限定されない。また、耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、TηとTgの差は0〜100℃が好ましい。さらに好ましくは10〜90℃であり、特に好ましくは20〜80℃である。
【0042】
(着色剤)
本発明において、着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。
着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
【0043】
本発明で用いる着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
【0044】
該マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
【0045】
(離型剤)
また、トナーバインダー樹脂、着色剤とともにワックスを含有させることもできる。本発明のワックスとしては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。本発明のワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。
トナー中のワックスの含有量は通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
【0046】
(帯電制御剤)
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カ一リット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
【0047】
本発明において帯電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。より好ましくは0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させる事もできるし、もちろん有機溶剤に直接溶解、分散する際に加えても良いし、トナー表面にトナー粒子作成後固定化させてもよい。
【0048】
(樹脂微粒子)
本発明で使用されるフッ素原子を含有しないスチレン系樹脂微粒子は、ガラス転移点(Tg)が50〜70℃であることが好ましく、前述したようにガラス転移点(Tg)が50℃未満の場合、トナー保存性が悪化してしまい、保管時および現像機内でブロッキングを発生してしまう。ガラス転移点(Tg)が70℃を超える場合、樹脂微粒子が定着紙との接着性を阻害してしまい、定着下限温度が上がってしまう。また、重量平均分子量は10万以下であることが望ましい。好ましくは5万以下である。重量平均分子量が10万を超える場合、樹脂微粒子が定着紙との接着性を阻害してしまい、定着下限温度が上がってしまう。樹脂微粒子は水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよいが、本発明では、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
【0049】
(外添剤)
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。特に本発明では、酸化チタンを用いることが好ましいが、酸化チタン以外の無機微粒子を複数用いても良い。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、酸化チタンの他に、例えばシリカ、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
【0050】
この他に高分子系微粒子、例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
【0051】
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。特に、本発明に用いる酸化チタンはフッ化アルキル基を有するシランカップリング剤により疎水処理することが好ましい。
【0052】
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤を含有させてもよく、該クリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
【0053】
(製造方法)
トナーバインダーは以下の方法などで製造することができる。ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これにポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。さらに(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。(3)を反応させる際および(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(3)に対して不活性なものが挙げられる。ウレア結合で変性されていないポリエステル(ii)を併用する場合は、水酸基を有するポリエステルと同様な方法で(ii)を製造し、これを前記(i)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
【0054】
本発明の乾式トナーは以下の方法で製造することができるが勿論これらに限定されることはない。
(水系媒体中でのトナー製造法)
本発明に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
【0055】
トナー粒子は、水系媒体中でイソシアネート基を有するプレポリマー(A)からなる分散体を、(B)と反応させて形成しても良いし、あらかじめ製造したウレア変性ポリエステル(i)を用いても良い。水系媒体中でウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。プレポリマー(A)と他のトナー組成物(以下トナー原料と呼ぶ)である着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、帯電制御剤、変性されていないポリエステル樹脂などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、帯電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
【0056】
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。高温なほうが、ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
【0057】
ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)を含むトナー組成物100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
【0058】
プレポリマー(A)からウレア変性ポリエステル(i)を合成する工程は水系媒体中でトナー組成物を分散する前にアミン類(B)を加えて反応させても良いし、水系媒体中に分散した後にアミン類(B)を加えて粒子界面から反応を起こしても良い。この場合製造されるトナー表面に優先的にウレア変性ポリエステルが生成し、粒子内部で濃度勾配を設けることもできる。
【0059】
トナー組成物が分散された油性相を水が含まれる液体に乳化、分散するための分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0060】
またフルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及ぴその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガーフルオロアルキル(C6〜C11)オキシ〕−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及ぴ金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及ぴその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる,
【0061】
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、(ダイキン工業社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
【0062】
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
【0063】
また水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いる事が出来る。
【0064】
また高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエ一テル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0065】
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
【0066】
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長および/または架橋反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
【0067】
さらに、トナー組成物の粘度を低くするために、ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)が可溶の溶剤を使用することもできる。溶剤を用いたほうが粒度分布がシャープになる点で好ましい。該溶剤は沸点が100℃未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。プレポリマー(A)100重量部に対する溶剤の使用量は、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。溶剤を使用した場合は、伸長および/または架橋反応後、常圧または減圧下にて加温し除去する。
【0068】
伸長および/または架橋反応時間は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0069】
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
【0070】
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
【0071】
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
【0072】
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
【0073】
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
【0074】
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
【0075】
以下に本発明に係わるトナー、キャリア及び現像剤の特性値の測定方法について説明する。
【0076】
(1)キャリアの体積固有抵抗
本発明において、キャリアの体積固有抵抗の値は、平行電極間に直流電圧1000Vを印加し、30sec後の抵抗値をハイレジスタンスメータで計測した値を体積抵抗値に換算した値をいう。ここで平行電極版のギャップは2mmとし、キャリアを30回タッピングし、電極間板セル中にキャリアを充填した後の抵抗を測定する。
【0077】
(2)定着性
リコー製imagio Neo 450を用いて、普通紙及び厚紙の転写紙(リコー製 タイプ6200及びNBSリコー製複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、1.0±0.1mg/cm2のトナーが現像される様に調整し、又、定着ロール温度を5℃刻みで可変できる様に調整し、実施した。高温オフセット開始温度は普通紙でオフセットの発生しない温度とした。定着下限温度は、厚紙でNBSリコー製複写印刷用紙<135>を用い、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
【0078】
(3)補給時地汚れ
トナー未充填のトナーボトルをトナー補給ユニットに装着し、画像面積率5〜6%のチャートで複写を行なう。トナー補給ランプが点灯し、コピー動作が停止した後、トナー充填されたトナーボトルをセットする。この時、強制的にトナー補給動作が実行し、その動作が停止した後、白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定する。
【0079】
5%画像面積の画像チャートを50000枚まで連続でランニングした後、以下に述べる評価を行った。
【0080】
(4)画像濃度
ベタ画像出力後、画像濃度をX−Rite(X−Rite社製)により測定した。これを各色単独に5点測定し各色ごとに平均を求めた。
【0081】
(5)地汚れ
リコー製imagio Neo 450を用いて白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定した。
【0082】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0083】
(実施例1)
〜有機微粒子エマルションの合成〜
製造例1
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、0.10μmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは57℃であった。
【0084】
〜水相の調整〜
製造例2
水990部、[微粒子分散液1]80部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7):三洋化成工業製)40部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
【0085】
〜低分子ポリエステルの合成〜
製造例3
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物220部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物561部、テレフタル酸218部、アジピン酸48部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸45部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1〕は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700,Tg43℃、酸価25であった。
【0086】
〜プレポリマーの合成〜
製造例4
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリツト酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価49であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]411部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
【0087】
〜ケチミンの合成〜
製造例5
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
【0088】
〜マスターバッチの合成〜
製造例6
カーボンブラック(キャボット社製 リーガル400R):40部、結着樹脂:ポリエステル樹脂(三洋化成RS−801 酸価10、Mw20000Tg、64℃):60部、水:30部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行ない、パルベライザーで1mmφの大きさに粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
【0089】
〜油相の作成〜
製造例7
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナバWAX110部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
【0090】
〜乳化⇒脱溶剤〜
[顔料・WAX分散液1]648部、[プレポリマー1]を154部、[ケチミン化合物1]6.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。[分散スラリー1]は、体積平均粒径5.95μm、個数平均粒径5.45μm(マルチサイザーIIで測定)であった。
【0091】
〜洗浄⇒乾燥〜
[乳化スラリー1]100部を減圧濾過した後、
▲1▼:濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
▲2▼:▲1▼の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。この超音波アルカリ洗浄を再度行った(超音波アルカリ洗浄2回)。
▲3▼:▲2▼の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
▲4▼:▲3▼の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、体積平均粒径Dv6.03μm、個数平均粒径Dn5.52μm、Dv/Dn1.09(マルチサイザーII)のトナー母粒子(A)を得た。
【0092】
(トナーT1の作製)
トナー母粒子(A)100部に対し、シリカ微粒子0.8部(トクヤマ レオロシールZD−30S)チタニア微粒子0.8部(テイカ SMT−100SA表面処理剤:イソブチルシラン)をヘンシェルミキサーで1500rpm 添加混合し、トナーT1を得た。
【0093】
(キャリアC1の作製)
アクリル樹脂
[固形分50重量%(ヒタロイド3001:日立化成社製)] 30部
架橋剤
[固形分77重量%(マイコート106:三井サイテック社製)] 10部
触媒[固形分40重量%
(キャタリスト4040:三井サイテック社製)] 0.16部
ポリシロキサン樹脂[固形分20重量%
(SR−213:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 75部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 2.40部
アルミナ粒子 [アドバンストアルミナAA−03:住友化学社製] 100部
カーボンブラック[ブラックパールズ2000:キャボット社製] 1.00部
トルエン 400部
ブチルセロソルブ 200部
をホモミキサーで15分間分散し、樹脂被覆形成液を調合した。芯材として焼成フェライト粉[F−300:平均粒径;50μm(パウダーテック社製)]を用い、上記樹脂溶液を芯材表面に膜厚0.20〜0.25μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後目開き105μmの篩を用いて解砕しキャリアC1を得た。また、解砕時には歩留まりの確認のため、篩への投入量に対する製品量を測定し、この製品率をもって歩留まりとしたが、表2に示した。
又、キャリアC1の(アミノシランカップリング剤含有量/ポリシロキサン樹脂含有量)は0.16、被覆層樹脂に占めるポリシロキサン樹脂比率は40%、キャリアの体積固有抵抗は1.5×1014Ωcmであった。
【0094】
(現像剤D1の作製)
この(キャリアC1) 96部と(トナーT1) 4部をターブラーミキサーにて45rpm、5分間攪拌混合し、帯電量−32μC/gの(二成分現像剤D1)を得た。
(キャリアC1)の体積固有抵抗、及び構成を表1に示す。
(現像剤D1)及び(トナーT1)を用い定着性、補給時地汚れを測定した結果、表2に記載した通り、良好な結果が得られた。又、50000枚通紙後の画像濃度及び地汚れについても確認した結果、表2に示す通り良好な結果が得られた。
【0095】
(実施例2)
(キャリアC1)において、アルミナ粒子量を80部、カーボンブラック量を1.5部とした以外は実施1と同様にして、(キャリアC2)及び(現像剤D2)を得た。
【0096】
(実施例3)
(キャリアC1)において、アルミナ粒子量を110部、カーボンブラック量を0.5部とした以外は実施1と同様にして、(キャリアC3)及び(現像剤D3)を得た。
【0097】
(実施例4)
(トナーT1)において、チタニア微粒子の表面処理剤の50%をフッ化アルキル基含有シランカップリング剤(トリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン))に置き換えた以外は、実施例1と同様にして(トナーT2)を得た。
(キャリアC1) 96部と(トナーT2) 4部をターブラーミキサーにて45rpm、5分間攪拌混合し、帯電量−37μC/gの(現像剤D4)を得た。
【0098】
(比較例1)
(微粒子分散液1)の有機微粒子エマルジョンの合成において、アクリル酸ブチルの一部をフッソ系モノマーに置き換えて同様に(微粒子分散液2)を得た。
(微粒子分散液2)を用い、トナー母粒子粒径が5〜6μmとなるように条件調整し(トナー母粒子B)を得、(トナー母粒子B)を用いた以外は、実施例1と同様にして(トナーT3)を得、(キャリアC1)を用い、(現像剤D5)を得た。
【0099】
(比較例2)
(キャリアC1)において、アルミナ粒子量を80部、カーボン量を2.5部とした以外は実施例4と同様にして、キャリア体積固有抵抗3.2×1010Ωcmの(キャリアC4)及び(現像剤D6)を得た。
【0100】
(比較例3)
(キャリアC1)において、アルミナ粒子量を40部、カーボン量を0部とした以外は実施例4と同様にして、キャリア体積固有抵抗2.5×1016Ωcmの(キャリアC5)及び(現像剤D7)を得た。ここで、カーボンを添加しない場合、キャリア抵抗が高くなり過ぎないようにする為、アルミナ粒子を40部とした。その結果キャリアC5の製品歩留りは、90%と低下した。
【0101】
(比較例4)
(キャリアC1)において、アルミナ粒子量を0部、カーボン量を0.5部とした以外は実施例4と同様にして(キャリアC6)を得ようとしたが、スピラーコーターでコーティングした時点での造粒が非常に多く、画像評価を中止した。
【0102】
(実施例5)
キャリア樹脂被覆形成液を
アクリル樹脂
[固形分50重量%(ヒタロイド3001:日立化成社製)] 25部
架橋剤
[固形分77重量%(マイコート106:三井サイテック社製)] 10部
触媒[固形分40重量%
(キャタリスト4040:三井サイテック社製)] 0.16部
ポリシロキサン樹脂[固形分20重量%
(SR−213:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 100部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 2.00部
アルミナ粒子 [アドバンストアルミナAA−03:住友化学社製] 100部
カーボンブラック[ブラックパールズ2000:キャボット社製] 1.00部
トルエン 400部
ブチルセロソルブ 200部
とし(キャリアC7)を得た以外は、実施例4と同様にして(現像剤D8)を得た。
【0103】
(実施例6)
(キャリアC7)において、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランを5.50部とし、(キャリアC8)を得た以外は、実施例4と同様にして(現像剤D9)を得た。
【0104】
(実施例7)
(キャリアC7)において、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランを1.00部とし、(キャリアC9)を得た以外は、実施例6と同様にして(現像剤D10)を得た。
【0105】
(実施例8)
(キャリアC7)において、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランを6.50部とし、(キャリアC10)を得た以外は、実施例6と同様にして(現像剤D11)を得た。
【0106】
(実施例9)
キャリア樹脂被覆形成液を
アクリル樹脂
[固形分50重量%(ヒタロイド3001:日立化成社製)] 35部
架橋剤
[固形分77重量%(マイコート106:三井サイテック社製)] 10部
触媒[固形分40重量%
(キャタリスト4040:三井サイテック社製)] 0.16部
ポリシロキサン樹脂[固形分20重量%
(SR−213:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 60部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 2.40部
アルミナ粒子[アドバンストアルミナAA−03:住友化学社製] 100部
カーボンブラック[ブラックパールズ2000:キャボット社製] 1.00部
トルエン 400部
ブチルセロソルブ 200部
とした以外は、実施例4と同様にして(キャリアC11)及び(現像剤D12)を得た。
【0107】
(実施例10)
キャリア樹脂被覆形成液を
アクリル樹脂
[固形分50重量%(ヒタロイド3001:日立化成社製)] 10部
架橋剤
[固形分77重量%(マイコート106:三井サイテック社製)] 10部
触媒[固形分40重量%
(キャタリスト4040:三井サイテック社製)] 0.16部
ポリシロキサン樹脂[固形分20重量%
(SR−213:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 150部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 3.60部
アルミナ粒子[アドバンストアルミナAA−03:住友化学社製] 100部
カーボンブラック[ブラックパールズ2000:キャボット社製] 1.00部
トルエン 400部
ブチルセロソルブ 200部
とした以外は、実施例4と同様にして(キャリアC12)及び(現像剤D13)を得た。
【0108】
(実施例11)
キャリア樹脂被覆形成液を
アクリル樹脂
[固形分50重量%(ヒタロイド3001:日立化成社製)] 45部
架橋剤[固形分77重量%
(マイコート106:三井サイテック社製)] 10部
触媒[固形分40重量%
(キャタリスト4040:三井サイテック社製)] 0.16部
ポリシロキサン樹脂[固形分20重量%
(SR−213:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 50部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 2.00部
アルミナ粒子 [アドバンストアルミナAA−03:住友化学社製] 100部
カーボンブラック[ブラックパールズ2000:キャボット社製] 1.00部
トルエン 400部
ブチルセロソルブ 200部
とした以外は、実施例4と同様にして(キャリアC13)及び(現像剤D14)を得た。
【0109】
(実施例12)
キャリア樹脂被覆形成液を
アクリル樹脂
[固形分50重量%(ヒタロイド3001:日立化成社製)] 5部
架橋剤[固形分77重量%
(マイコート106:三井サイテック社製)] 10部
触媒[固形分40重量%
(キャタリスト4040:三井サイテック社製)] 0.16部
ポリシロキサン樹脂[固形分20重量%
(SR−213:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 150部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 3.60部
アルミナ粒子[アドバンストアルミナAA−03:住友化学社製] 100部
カーボンブラック[ブラックパールズ2000:キャボット社製] 1.00部
トルエン 400部
ブチルセロソルブ 200部
とした以外は、実施例4と同様にして(キャリアC14)及び(現像剤D15)を得た。
【0110】
実施例2〜12及び比較例1〜4における(キャリアC2)〜(キャリアC14)の体積固有抵抗及び構成を表1に示す。また各実施例2〜12及び比較例1〜4の現像剤D2〜現像剤D15について実施例1と同様に評価し、結果を表2に示す。
【0111】
【表1】
【0112】
【表2】
【0113】
表2より、定着性については比較例1を除く、全ての実施例及び比較例において140〜230℃の定着温度範囲でホットオフセットは見られず、且つ定着下限温度は145℃であった。比較例1は定着下限温度が200℃であり低温定着特性が得られなかった為、画像評価を中止した。又、表2の結果の様に、本発明の二成分現像剤は、帯電立ち上がり性、画像安定性、及び生産性に優れていることが判る。
【0114】
【発明の効果】
本発明により、帯電立ち上がり性、画像安定性が良好で、キャリア表面へのトナースペントが少なく、生産性、低温定着特性にも優れた二成分現像剤を提供することができる。
また本発明により、上記二成分現像剤を充填した容器、上記二成分現像剤を用いる画像形成方法、及び上記二成分現像剤を装填した画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナー形状を説明するための図である。
【符号の説明】
r1 トナーの長軸
r2 トナーの短軸
r3 トナーの厚さ
Claims (8)
- 有機溶媒中にウレア結合を形成し得る変性されたポリエステル系樹脂を含むトナー組成分を溶解させ、該溶解物を、フッ素原子を含有しないスチレン系樹脂微粒子を含む水系媒体中で重付加反応させ、該スチレン系樹脂微粒子が表面に付着した負帯電性トナーと、
磁性体粒子表面に被覆樹脂層を設けた正帯電性キャリアと
からなる二成分現像剤であって、
該キャリアの被覆樹脂は少なくともポリシロキサン樹脂、熱可塑性樹脂であるアクリル樹脂、架橋剤であるグアナミン樹脂、及びアミノシランカップリング剤を含有し、且つ、
該キャリアの体積固有抵抗が1012〜1016Ωcmである
ことを特徴とする二成分現像剤。 - 前記キャリア被覆層中に少なくともアルミナ粒子及び導電性微粒子を含有することを特徴とする請求項1に記載の二成分現像剤。
- 前記キャリア被覆樹脂中のアミノシランカップリング剤の含有量とポリシロキサン樹脂含有量の重量比率が0.1〜0.3であり、且つ、被覆層樹脂に占めるポリシロキサン樹脂の比率が30〜70重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の二成分現像剤。
- 前記トナーが外添剤として少なくとも酸化チタンを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二成分現像剤。
- 前記トナーの外添剤に用いる酸化チタン粒子がフッ化アルキル基を有するシランカップリング剤により表面処理されていることを特徴とする請求項4に記載の二成分現像剤。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の二成分現像剤を充填したことを特徴とする容器。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の二成分現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の二成分現像剤を装填したことを特徴とする画像形成装置。
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