JP4319214B2 - 発泡樹脂成型品に対する塗布方法 - Google Patents

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Description

この発明は、樹脂および水を含み、乾燥すると固まる性質を有する材料を発泡樹脂成型品に塗布する方法に関する。
従来、発泡樹脂成型品は、建築物の外壁断熱用ボードなどに使用されている。外壁に組み付けられた外壁断熱用ボードの強度を高めるために表面に、樹脂および水を含み、乾燥すると固まる性質を有する材料、例えば樹脂モルタルを塗布する。まず、樹脂モルタルをコテ塗りし、樹脂モルタルが乾燥してから表面にペンキを塗布する。
特開2002−364095号公報
しかし、前述した従来の方法では、樹脂モルタルの表面を直接ローラやコテでなぞるため、樹脂モルタルがローラやコテの表面に付着し、樹脂モルタルの表面に凹凸が形成されてしまうことがある。また、コテやローラが通過した軌跡が樹脂モルタルの表面に残ることがある。さらに、コテやローラの表面には僅かな凹凸が形成されているために、熟練した者でも、塗布された樹脂モルタルの表面を極めて滑らかにすることは至難の業であった。
つまり、従来の方法では、樹脂モルタルの表面を綺麗に仕上げることが困難である。
そこでこの発明は、発泡樹脂成型品に塗布する樹脂モルタルなどの材料の表面を容易に綺麗に仕上げることができる発泡樹脂成型品に対する塗布方法を実現することを目的とする。
この発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、樹脂および水を含み、乾燥すると固まる性質を有する材料(2)を発泡樹脂成型品(1)に塗布する第1塗布工程と、前記塗布された材料の上にシート(3)を貼着する第1貼着工程と、前記貼着されたシート(3)の表面を所定の部材(8)でなぞることにより、前記塗布された材料からなる層の厚さを均一化する第1均一化工程と、前記第1均一化工程の後に、前記塗布された前記材料(2)を乾燥させる第1乾燥工程と、前記第1乾燥工程により前記材料(2)が乾燥した後に前記シート(3)を除去する第1除去工程と、前記第1除去工程の後に、前記乾燥した前記材料の表面に外装材を塗布する第2塗布工程と、前記塗布された外装材の上にシートを貼着する第2貼着工程と、前記貼着されたシートの表面を所定の部材でなぞることにより、前記塗布された外装材からなる層の厚さを均一化する第2均一化工程と、前記第2均一化工程の後に、前記塗布された前記外装材を乾燥させる第2乾燥工程と、前記第2乾燥工程により前記外装材が乾燥した後に前記シートを除去する第2除去工程と、を有するという技術的手段を用いる。
請求項2に記載の発明では、樹脂および水を含み、乾燥すると固まる性質を有する材料(2)を、発泡樹脂成型品(1)の凸部および凹部が形成された塗布面(1d)に塗布する第1塗布工程と、前記塗布された材料(2)の上にシート(3)を貼着する貼着工程と、前記塗布面(1d)の形状と合致する形状の倣い面(41)を有する治具(40)を使用し、前記貼着されたシート(3)の表面が前記塗布面(1d)と同じ形状になるように前記倣い面(41)を前記シート(3)の表面に押し付けながら前記治具(40)によって前記シート(3)の表面をなぞることにより、前記シート(3)の表面を前記塗布面(1d)と同じ形状に形成するとともに、前記塗布された材料(2)からなる層の厚さを均一化する均一化工程と、前記均一化工程の後に、前記塗布された前記材料(2)を乾燥させる乾燥工程と、前記乾燥工程により前記材料(2)が乾燥した後に前記シート(3)を除去する除去工程と、を有するという技術的手段を用いる。
請求項3に記載の発明では、樹脂および水を含み、乾燥すると固まる性質を有する材料2)を、発泡樹脂成型品(1)の凸部および凹部が形成された塗布面(1d)に塗布する第1塗布工程と、前記塗布された前記材料(2)の上に外装材(5)を塗布する第2塗布工程と、前記塗布された外装材(5)の上にシート(3)を貼着する貼着工程と、前記塗布面(1d)の形状と合致する形状の倣い面(41)を有する治具(40)を使用し、前記貼着されたシート(3)の表面が前記塗布面(1d)と同じ形状になるように前記倣い面(41)を前記シート(3)の表面に押し付けながら前記治具(40)によって前記ート(3)の表面をぞることにより、前記シート(3)の表面を前記塗布面(1d)と同じ形状に形成するとともに、前記塗布された材料(2)および外装材(5)からなる層の厚さを均一化する均一化工程と、前記均一化工程の後に、前記塗布された前記材料(2)および外装材(5)を乾燥させる乾燥工程と、前記乾燥工程により前記材料(2)および外装材(5)が乾燥した後に前記シート(3)を除去する除去工程と、を有するという技術的手段を用いる。
請求項4に記載の発明では、請求項1に記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法において、表面に凸部および凹部の少なくとも一方からなる模様(3b)が描かれたート(3)を用いることにより、前記発泡樹脂成型品(1)に塗布された前記材料(2)の表面に前記模様(3b)を描くようにしたという技術的手段を用いる。
請求項5に記載の発明では、請求項1に記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法において、前記発泡樹脂成型品(1)の前記材料(2)を塗布する塗布面(1d)には、凸部および凹部が形成されており、前記第2均一化工程は、前記塗布面(1d)の形状と合致する形状の倣い面(41)を有する治具(40)を前記所定の部材として使用し、前記シート(3)の表面が前記塗布面(1d)と同じ形状になるように前記倣い面(41)を前記シート(3)の表面に押し付けながら前記治具(40)によって前記シート(3)の表面をなぞることにより、前記シート(3)の表面を前記塗布面(1d)と同じ形状に形成するとともに、前記塗布された外装材(5)からなる層の厚さを均一化する工程であるという技術的手段を用いる。
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法において、前記第1塗布工程は、前記材料(2)を塗布する部分に網目状シート(4)を介在させた状態で前記材料(2)を前記発泡樹脂成型品(1)に塗布するという技術的手段を用いる。
請求項7に記載の発明では、請求項に記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法において、複数の前記発泡樹脂成型品(1)の端面同士を突き合わせてなるものに前記材料(2)を塗布する場合は、前記第1塗布工程の前に、前記網目状シート(4)を、前記端面同士を突き合わせて形成された境界(1b)を跨いだ状態で前記材料(2)を塗布する部分に介在させるという技術的手段を用いる。
請求項8に記載の発明では、請求項に記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法において、複数の前記発泡樹脂成型品(1)の端面同士を突き合わせてなるものに前記材料(2)を塗布する場合は、前記第1塗布工程の前に、前記網目状シート(4)を、前記端面同士を突き合わせて形成された境界(1b)を跨いだ状態で、かつ、前記網目状シート(4)の端部同士が重なった状態で前記材料(2)を塗布する部分に介在させるという技術的手段を用いる。
請求項9に記載の発明では、請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法において、前記発泡樹脂成型品(1)の前記材料(2)を塗布する部分に溝または凹部(1a)が形成されているという技術的手段を用いる。
請求項10に記載の発明では、請求項1ないし請求項9のいずれか1つに記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法において、前記シート(3)は、環境温度が25゜Cで相対湿度が90%の測定条件下における透湿度が(100g/m ・day) 以上であるという技術的手段を用いる。
請求項11に記載の発明では、請求項10に記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法において、前記シート(3)は、ポリオレフィン系の材料により形成されているという技術的手段を用いる。
請求項12に記載の発明では、請求項1ないし請求項11のいずれか1つに記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法において、前記材料(2)は、樹脂モルタルであるという技術的手段を用いる。
請求項13に記載の発明では、請求項12に記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法において、前記樹脂モルタル(2)は、セメントに対するポリマーの比率が3〜30重量%であるという技術的手段を用いる。
請求項14に記載の発明では、請求項1ないし請求項11のいずれか1つに記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法において、前記材料(2)は、体質顔料、水および樹脂を主成分とし、セメントを含まないものであるという技術的手段を用いる。
請求項15に記載の発明では、請求項14に記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法において、前記材料(2)は、高分子エマルジョン樹脂が3〜30重量%であるという技術的手段を用いる。
なお、上記の発泡樹脂成型品とは、金型内に発泡樹脂材料を充填し、それを加熱発泡させて成型した金型の形状通りの発泡樹脂成型品そのもの、あるいは、ブロック成形機によって作られる大型(通常、約0.5mから10m)の発泡樹脂成型品を加熱したニクロム線等によって所望の形状に溶断することによって作成された発泡樹脂成型品、さらには、上記の金型の形状通りの発泡樹脂成型品そのもの、または、上記の溶断により作成された発泡樹脂成型品の所定の表面を粗面化することにより、樹脂モルタルの付着強度を高めた発泡樹脂成型品などのことである。
また、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態において使用する符号と対応するものである。
[発明の効果]
(請求項1に係る発明の効果)
樹脂および水を含み、乾燥すると固まる性質を有する材料を発泡樹脂成型品に塗布し、その塗布された材料の上にシートを貼着し、その貼着されたシートの表面を所定の部材でなぞることにより、塗布された材料からなる層の厚さを均一化し、塗布された材料が乾燥した後にシートを除去するだけで発泡樹脂成型品に材料を均一に塗布することができる。
しかも、シートを介して材料の表面をなぞるため、材料が所定の部材の表面に付着することがない。また、所定の部材が通過した軌跡が材料の表面に残ることもないし、所定の部材の模様が材料の表面に転写されることもない。
従って、発泡樹脂成型品に塗布する材料の表面を容易に綺麗に仕上げることができる。例えば、僅かな凹凸もない非常に滑らかな面を有するシートを用いれば、そのシートと接していた材料の表面を、容易にシートと同じように非常に滑らかな面(例えば鏡面)にすることができる。
また、上記除去工程の後に、乾燥した材料の表面に外装材を塗布し、その塗布された外装材の上にシートを貼着し、その貼着されたシートの表面を所定の部材でなぞることにより、塗布された外装材からなる層の厚さを均一化し、塗布された外装材が乾燥した後にシートを除去するだけで材料の表面に外装材を均一に塗布することができる。
しかも、シートを介して外装材の表面をなぞるため、外装材が所定の部材の表面に付着することがない。また、所定の部材が通過した軌跡が外装材の表面に残ることもないし、所定の部材の模様が外装材の表面に転写されることもない。
従って、発泡樹脂成型品に塗布された材料の表面にさらに塗布する外装材の表面を容易に綺麗に仕上げることができる。例えば、僅かな凹凸もない非常に滑らかな面を有するシートを用いれば、そのシートと接していた外装材の表面を、容易にシートと同じように非常に滑らかな面(例えば鏡面)にすることができる。
(請求項2に係る発明の効果)
発泡樹脂成形品の塗布面に凸部および凹部が形成されている場合であっても、発泡樹脂成型品の塗布面と合致する形状の倣い面を有する治具を使用し、その倣い面が塗布面と合致するように治具を材料に貼着されたシートの表面に押し付け、その表面を治具の倣い面でなぞることにより、塗布面とシートの裏面面との間に介在されている材料からなる層の厚さを容易に均一化することができる。
従って、材料の乾燥後にシートを除去すれば、塗布面の平坦部ばかりでなく、凸部および凹部にも材料が均一の厚みで塗布された発泡樹脂成型品が完成する。
(請求項3に係る発明の効果)
樹脂および水を含み、乾燥すると固まる性質を有する材料を発泡樹脂成型品に塗布し、その塗布された材料の上に外装材を塗布し、その塗布された外装材の上にシートを貼着し、その貼着されたシートの表面を所定の部材でなぞることにより、塗布された材料および外装材からなる層の厚さを均一化し、塗布された材料および外装材が乾燥した後にシートを除去するだけで発泡樹脂成型品に材料および外装材を均一に塗布することができる。
しかも、シートを介して外装材の表面をなぞるため、外装材が所定の部材の表面に付着することがない。また、所定の部材が通過した軌跡が外装材の表面に残ることもないし、所定の部材の模様が外装材の表面に転写されることもない。
従って、発泡樹脂成型品に塗布した材料の上にさらに塗布した外装材の表面を容易に綺麗に仕上げることができる。例えば、僅かな凹凸もない非常に滑らかな面を有するシートを用いれば、そのシートと接していた外装材の表面を、容易にシートと同じように非常に滑らかな面(例えば鏡面)にすることができる。
また、発泡樹脂成形品の塗布面に凸部および凹部が形成されている場合であっても、発泡樹脂成型品の塗布面と合致する形状の倣い面を有する治具を使用し、その倣い面が塗布面と合致するように治具を外装材に貼着されたシートの表面に押し付け、その表面を治具の倣い面でなぞることにより、塗布面とシートの裏面との間に介在されている材料および外装材からなる層の厚さを容易に均一化することができる。
従って、材料および外装材の乾燥後にシートを除去すれば、塗布面の平坦部ばかりでなく、凸部および凹部にも材料および外装材が均一の厚みで塗布された発泡樹脂成型品が完成する。
(請求項4に係る発明の効果)
表面に凸部および凹部の少なくとも一方からなる模様が描かれたシートを材料の表面に貼着し、第1均一化工程、第1乾燥工程および第1除去工程を実行することにより、発泡樹脂成型品に塗布された材料の表面に上記模様を描くことができる。
(請求項5に係る発明の効果)
発泡樹脂成形品の塗布面に凸部および凹部が形成されている場合であっても、発泡樹脂成型品の塗布面と合致する形状の倣い面を有する治具を使用し、その倣い面が塗布面と合致するように治具を外装材に貼着されたシートの表面に押し付け、その表面を治具の倣い面でなぞることにより、材料とシートの裏面との間に介在されている外装材からなる層の厚さを容易に均一化することができる。
従って、外装材の乾燥後にシートを除去すれば、材料が塗布された塗布面の平坦部ばかりでなく、凸部および凹部にも外装材が均一の厚みで塗布された発泡樹脂成型品が完成する。
(請求項に係る発明の効果)
従来は、発泡樹脂成型品の上に網目状シートを載置し、その上から材料を塗布するため、網目状シートにシワやクセなどがあると、その部分で材料表面が不均一になることがあった。また、そのような事態を防止するために予め網目状シートのシワやクセを取るには非常に手間がかかる。
しかし、請求項に係る発明によれば、発泡樹脂成型品の材料を塗布する部分に網目状シートを介在させた状態で材料を塗布し、その上にシートを貼着し、そのシートの上をなぞるため、網目状シートのシワやクセが矯正された状態になるので、そのまま乾燥させることにより、網目状シートが入った表面が均一な材料を発泡樹脂成型品に塗布することができる。
(請求項に係る発明の効果)
発泡樹脂成型品の端面同士を突き合わせて形成された境界を跨いで網目状シートが介在されているため、上記境界における強度を高めることができるので、発泡樹脂成型品が上記境界において離間するおそれがない。
(請求項に係る発明の効果)
網目状シートの端部同士が重なった状態で材料を塗布する部分に介在させるため、網目状シートの端部における強度を高めることができる。
(請求項に係る発明の効果)
発泡樹脂成型品の材料を塗布する部分に溝または凹部が形成されているため、その溝または凹部の内部に材料が塗布されることにより、溝または凹部の部分における材料の厚さが、溝または凹部のない部分における厚さよりも厚くなるので、発泡樹脂成型品に塗布された材料全体の強度を高めることができる。つまり、溝または凹部に充填された材料を補強部材として考えると、表面に補強部材が埋め込まれた状態となるため、材料全体の強度を高めることができる。
ところで、従来、発泡樹脂成型品の材料を塗布する部分に網目状シートを貼付し、その上から材料を塗布する手法が採用されていたが、この手法では、網目状シートの上から材料を塗布するときに、網目状シートが貼付部位から剥がれて塗布方向にずれてしまうという問題があった。
しかし、請求項に係る発明によれば、溝または凹部の内部に材料が塗布され、溝または凹部と網目状シートの網とが交差する部分においては、網目状シートと材料とが接着された状態になるため、発泡樹脂成型品を材料上に押し付けるときに、網目状シートがずれてしまうおそれがない。
(請求項10に係る発明の効果)
環境温度が25゜Cで相対湿度が90%の測定条件下における透湿度が(100g/m・day) 以上のシートを使用すると、材料中に含まれている水分がシートを介して蒸発し易くなるので、水分が十分に蒸発しないことによる強度低下が起こるおそれがない。また、樹脂モルタルの乾燥時間を短縮することができる。
(請求項11に係る発明の効果)
シートは、ポリオレフィン系の材料により形成されているため、乾燥した材料がシートに密着し難いので、シートを材料から容易に除去することができる。
(請求項12に係る発明の効果)
樹脂モルタルを発泡樹脂成型品の表面に塗布することにより、曲げ強さ、難燃性、透湿性、発泡樹脂成型品に対する接着力および硬度に優れた塗布層を形成することができる。
(請求項13に係る発明の効果)
材料が樹脂モルタルである場合、セメントに対するポリマーの比率が3重量%未満であると、PH(アルカリ度)が強すぎ、網目状シートが劣化するという問題がある。また、強度が低下するという問題がある。さらに、発泡樹脂成型品に対する接着強度が低下するという問題がある。また、30重量%を超えると、硬度が低下するという問題がある。また、燃え易くなるという問題がある。さらに、樹脂モルタル中の水分のシートからの透過量が減少し、例えば、樹脂モルタルを塗布した発泡樹脂成型品を建築物の外壁材として使用した場合、部屋の中の湿気を逃がし難くなるという問題がある。
そこで、上記各問題を解決するため、樹脂モルタルは、セメントに対するポリマーの比率が3〜〜30重量%であることが望ましい。
(請求項14に係る発明の効果)
体質顔料、水および樹脂を主成分とし、セメントを含まない材料を発泡樹脂成型品の表面に塗布することにより、耐水性、曲げ強さ、透湿性および発泡樹脂成型品に対する接着力に優れた塗布層を形成することができる。
(請求項15に係る発明の効果)
請求項11の材料が、高分子エマルジョン樹脂を含む場合、その比率が3重量%未満であると、耐水性が低下するという問題がある。また、曲げ強度が低下するという問題がある。さらに、発泡樹脂成型品に対する接着強度が低下するという問題がある。また、30重量%を超えると、燃え易くなるという問題がある。さらに、材料中の水分のシートからの透過量が減少し、例えば、材料を塗布した発泡樹脂成型品を建築物の外壁材として使用した場合、部屋の中の湿気を逃がし難くなるという問題がある。
そこで、上記各問題を解決するため、上記材料に含まれる高分子エマルジョン樹脂は、3〜〜30重量%であることが望ましい。
この発明の実施形態について図1および図2を参照して説明する。
図1は、この実施形態に係る発泡樹脂成型品に対する樹脂モルタルの塗布方法を適用した外壁構造物の部分斜視図である。図2は、この実施形態に係る発泡樹脂成型品に対する塗布方法の工程を示す説明図である。図2(A)は、塗布面に補強メッシュが貼着された外壁断熱用ボードの側面図、図2(B)は、図2(A)に示す外壁断熱用ボードの塗布面に樹脂モルタルが塗布された状態の側面図、図2(C)は、図2(B)に示す外壁断熱用ボードの樹脂モルタルの上にシートを貼着した状態の側面図、図2(D)は、図2(C)に示す外壁断熱用ボードのシート上をローラ8によってなぞる様子を示す説明図、図2(E)は、図2(D)に示す外壁断熱用ボードのシートを除去する様子の側面図である。なお、図2は、構造を分かり易くするため、補強メッシュ、樹脂モルタルおよびシートの厚さや大きさ等を実際のものよりも誇張して描いてある。
[外壁構造物の構造]
図1に示すように、コンクリート製の外壁6の表面には、部分的に介在された接着剤7によって発泡樹脂製の外壁断熱用ボード1が貼り付けられている。この実施形態では、外壁断熱用ボード1は、発泡ポリスチレン材料によって、例えば、横1000mm、縦650mm、厚さ50mmの横長四角形に成型されている。また、接着剤7は樹脂モルタル系である。なお、接着剤7は外壁6に縦縞模様又は斑点模様に塗布してもよく、外壁断熱用ボード1の裏面に縦縞模様又は斑点模様に塗布してもよい。接着剤7を部分的に塗布することで、外壁断熱用ボード1と外壁6との間に縦方向に延びる排水路が形成される。
外壁断熱用ボード1の表面(室外側面)と端面と裏面の一部とは、補強メッシュ4により被覆されている。外壁断熱用ボード1の表面には、この実施形態に係る発泡樹脂成型品に対する樹脂モルタルの塗布方法により、樹脂モルタル2が補強メッシュ4を介して塗布されている。この実施形態では、樹脂モルタル2は、高分子エマルジョン樹脂、例えばアクリル系エマルジョンにセメントを混ぜた樹脂モルタルである。樹脂モルタル2の表面には、外装材5が塗布されている。この実施形態では、外装材5は、シリコン変性アクリル合成エマルジョン塗料等である。なお、この実施形態では、樹脂モルタル2の厚さは、0.5〜10mmであり、外装材5の厚さは、0.01〜10mmである。
[樹脂モルタルの塗布方法]
(塗布工程)
ここでは、建築現場において複数の外壁断熱用ボード1が端面同士を突き合わせて組み付けられているとする。まず、図2(A)に示すように、端面同士を突き合わせた外壁断熱用ボード1,1の各塗布面に補強メッシュ4を貼着する。次に、図2(B)に示すように、外壁断熱用ボード1,1の各塗布面に樹脂モルタル2を塗布する。このとき、外壁断熱用ボード1の境界1bの表面に形成された隙間が樹脂モルタル2で埋まるようにする。樹脂モルタルは、コテ、ローラおよび塗布装置などを使用する。これにより、塗布した樹脂モルタル2の中に補強メッシュ4が埋没した状態になる。なお、後の均一化工程において樹脂モルタル2からなる層の厚さを均一化するため、この塗布工程では、樹脂モルタル2を厚さが均一になるように丁寧に塗布する必要はない。
また、この実施形態では、補強メッシュ4として、耐アルカリガラス繊維メッシュで透水性を有し、一方の面が粘着性を有するのものを使用し、それを外壁断熱用ボード1の塗布面に貼着する。これにより、外壁断熱用ボード1の塗布面を下に向けたときに補強メッシュ4が落下するおそれがない。また、押し付ける強さは、樹脂モルタル2の厚みの目標値に合わせて決定する。
(貼着工程)
次に、平坦なシート3を用意する。シート3の両面のうち、樹脂モルタル2に貼着する方の面は、微細な凹凸もない滑らかな面に形成されている。また、この実施形態では、シート3は、乾燥後の樹脂モルタル2と密着し難い性質を有するという理由から、ポリオレフィン系の材料により形成されている。そして、図2(C)に示すように、塗布した樹脂モルタル2の表面にシート3を貼着する。
(均一化工程)
次に、図2(D)に示すように、樹脂モルタル2の表面に貼着されたシート3の表面をローラ8によってなぞり、樹脂モルタル2からなる層の厚さを均一化する。ローラ8によってシート3の表面をなぞるときは、なるべく均等な力で押圧しながらローラ8を回転させる。
ここで、従来のように樹脂モルタル2の表面を直接ローラ8でなぞる場合は、樹脂モルタル2がローラ8の回転面に付着し、樹脂モルタル2の表面に凹凸が形成されることがあった。また、ローラ8の回転部の端部が通過した軌跡が樹脂モルタル2の表面に残ったり、ローラ8の回転面の模様が樹脂モルタル2の表面に転写されたりすることがあった。
しかし、この均一化工程では、シート3を介して樹脂モルタル2の表面をなぞるため、樹脂モルタル2がローラ8の回転面に付着することがない。また、ローラ8の回転部の端部が通過した軌跡が樹脂モルタル2の表面に残ることもないし、ローラ8の回転面の模様が樹脂モルタル2の表面に転写されることもない。なお、ローラ8に代えて、コテ、板状部材および棒状部材などを用いることもできる。
(乾燥工程)
次に、樹脂モルタル2の表面にシート3を貼着した状態で所定時間放置し、樹脂モルタル2を乾燥させる。この乾燥時間は、例えば24時間であり、天候など、樹脂モルタル2が晒される環境によって異なる。
(除去工程)
そして、図2(E)に示すように、シート3を端部から剥離して除去する。これにより、外壁断熱用ボード1の塗布面に、補強メッシュ4が介在された状態の樹脂モルタル2が塗布された状態になる。このとき、シート3の両面のうち、樹脂モルタル2に貼着する方の面は、微細な凹凸もない滑らかな面に形成されているため、樹脂モルタル2の表面は、同様に微細な凹凸もない滑らかな面に仕上がる。
なお、降雨、降雪および霧などの天候の場合は、天候が回復するまでシート3を貼着した状態にしておけば、水分によって樹脂モルタル2が剥がれてしまうおそれがない。また、外壁断熱用ボード1の境界1bの表面に形成された隙間に樹脂モルタル2が埋まっているため、シート3を剥がした後も、上記隙間から雨水などが浸入するおそれがない。
(外装材塗布工程)
シート3を除去した樹脂モルタル2の表面に外装材5を塗布する。このときも、外壁断熱用ボード1の境界1bの表面に形成された隙間に埋まっている樹脂モルタル2の上にも外装材5を塗布する。前述の各工程により、樹脂モルタル2の表面は滑らかな面に仕上がっているため、外装材5の塗布面も滑らかに仕上げることができる。また、外壁断熱用ボード1の境界1bの表面に形成された隙間にも樹脂モルタル2および外装材5が塗布されるため、上記隙間から雨水などが浸入し、防水効果が低下するおそれがない。
なお、上述の塗布工程、貼着工程、均一化工程、乾燥工程および除去工程が、本出願の請求項1に記載の第1塗布工程、第1貼着工程、第1均一化工程、第1乾燥工程および第1除去工程にそれぞれ対応する。
[実験]
本願発明者らは、シート3の材質と、乾燥後の樹脂モルタル2の強度との関係を求める実験を行った。図4は、その実験結果を示す図表である。この実験は、JIS規格のA1408「建築用のボード類の曲げ及び衝撃試験方法」に基づいて行った。また、シート3の材質として厚み0.5mmのPE(ポリエチレン)多孔質、厚み2mmのPP(ポリプロピレン)、厚み0.020mmのセロファン、厚み0.014mmのナイロンおよび厚み0.5mmのPET(ポリエチレンテレフタラート)の計5種類を使用した。そして、発泡樹脂成型品に塗布された樹脂モルタルを1日養生し、乾燥後にシートを除去し、樹脂モルタルの曲げ強さ(N/mm)を測定した。
その結果、シート3の材質が、PE多孔質、PP、セロファン、ナイロンおよびPETである場合の乾燥後の樹脂モルタルの曲げ強さは、それぞれ125.67、103.68、125.15、120.25、105.72であった。図4において通常品とは、シートを用いないでコテやローラなどによる従来の方法によって発泡樹脂成型品に樹脂モルタルを塗布した場合を示す。
つまり、シート3が、PE多孔質、セロファンおよびナイロンの3種類の材質のいずれかであった場合は、通常品と同程度の曲げ強さを得られることが分かった。
また、環境温度が25゜Cで相対湿度が90%の測定条件下におけるPE多孔質、セロファンおよびナイロンの透湿度(g/m ・day)は、それぞれ5000〜6000、700以上、100であるから、透湿度が100以上の材質でシート3を形成すれば、通常品と同程度の曲げ強さを得られることが分かった。
つまり、透湿度が100以上のポリオレフィン系の材質でシート3を形成すれば、樹脂モルタルを1日乾燥させることにより、樹脂モルタル中に含まれる水分を、シートを使用しない場合と同程度にシートを透過して蒸発させることができ、それにより、通常品と同程度の曲げ強さを有する樹脂モルタル層を形成できることが分かった。
また、上記3種類の材質の中でも、PE多孔質によってシート3を形成した場合の曲げ強さが通常品に最も近いことが分かった。
また、樹脂モルタルは、セメントに対するポリマーの比率が3重量%未満であると、PH(アルカリ度)が強すぎ補強メッシュ4が劣化するという問題がある。また、強度が低下するという問題がある。さらに、発泡樹脂成型品に対する接着強度が低下するという問題がある。また、30重量%を超えると、硬度が低下するという問題がある。また、燃え易くなるという問題がある。さらに、樹脂モルタル中の水分のシートからの透過量が減少するため、室内の湿気が逃げ難くなるという問題がある。
そこで、上記各問題を解決するため、樹脂モルタルは、セメントに対するポリマーの比率が3〜〜30重量%であることが望ましいことが分かった。
以上より、透湿度が100以上の材質により形成されたシートに、セメントに対するポリマーの比率が3〜30%の樹脂モルタルを塗布すれば、通常品と同程度の曲げ強さ、高い難燃性、高い透湿性、発泡樹脂成型品に対する強い接着力および高い硬度を有するとともに、PH(アルカリ度)が過剰でない樹脂モルタル層が表面に形成された発泡樹脂成型品を作成できることが分かった。
[実施形態の効果]
(1)以上のように、上述の実施形態に係る発泡樹脂成型品に対する樹脂モルタルの塗布方法を実施すれば、樹脂モルタル2の上にシート3を貼着し、そのシート3の上をローラ8によってなぞることにより、シート3と外壁断熱用ボード1との間に介在される樹脂モルタル2の厚さを均一化し、樹脂モルタル2が乾燥した後にシート3を剥がせば、樹脂モルタル2が外壁断熱用ボード1の塗布面に均一に塗布された状態となる。
しかも、シート3を介してローラ8で樹脂モルタル2をなぞるため、樹脂モルタル2がローラ8の回転面に付着することがない。さらに、ローラ8の回転部の端部が通過した軌跡が樹脂モルタル2の表面に残ることもないし、ローラ8の回転面の模様が樹脂モルタル2の表面に転写されることもない。
従って、外壁断熱用ボード1に塗布する樹脂モルタル2の表面を容易に綺麗に仕上げることができる。例えば、僅かな凹凸もない非常に滑らかな面を有するシート3を用いれば、そのシート3と接していた材料の表面を、容易にシート3と同じように非常に滑らかな面(例えば鏡面)にすることができる。
(2)また、外壁断熱用ボード1の樹脂モルタル2を塗布する部分に補強メッシュ4を介在させた状態で樹脂モルタル2を塗布し、その上にシート3を貼着し、そのシート3の上をなぞるため、補強メッシュ4のシワやクセが矯正された状態になるので、そのまま乾燥させることにより、補強メッシュ4が入った表面が均一な樹脂モルタル2を外壁断熱用ボード1に塗布することができる。
(3)さらに、透湿度が100以上のポリオレフィン系の材質でシート3を形成すれば、樹脂モルタルを1日乾燥させることにより、樹脂モルタル中に含まれる水分を、シートを使用しない場合と同程度にシートを透過して蒸発させることができ、それにより、通常品と同程度の曲げ強さを有する樹脂モルタル層を形成することができる。
(4)さらに、透湿度が100以上のポリオレフィン系の材質でシート3を形成すれば、乾燥した樹脂モルタル2に密着し難くすることができるため、樹脂モルタル2から容易に除去することができる。
(5)さらに、セメントに対するポリマーの比率が3〜30%の樹脂モルタルを使用すれば、通常品と同程度の曲げ強さ、高い難燃性、外壁断熱用ボードに対する強い接着力および高い硬度を有するとともに、PH(アルカリ度)が過剰でない樹脂モルタル層が表面に形成された外壁断熱用ボードを作成できる。
<第1変更例>
外装材5からなる層が比較的厚い(例えば、数mm〜10mmの厚さ)場合の塗布方法について説明する。
まず、シート3を除去した樹脂モルタル2の表面に外装材5を塗布する(塗布工程)。次に、塗布した外装材5の表面にシート3を貼着する(貼着工程)。次に、シート3の上の表面をローラ8などの部材でなぞり、外装材5からなる層の厚さを均一化する(均一化工程)。次に、外装材を乾燥させ(乾燥工程)、シート3を除去する(除去工程)。
なお、上述の塗布工程、貼着工程、均一化工程、乾燥工程および除去工程が、本出願の請求項に記載の第2塗布工程、第2貼着工程、第2均一化工程、第2乾燥工程および第2除去工程にそれぞれ対応する。
上記のように各工程を行うことにより、外壁断熱用ボード1に塗布された樹脂モルタル2の表面に外装材5を均一に塗布することができる。
しかも、シート3を介して外装材5の表面をなぞるため、外装材5がローラ8などの部材の表面に付着することがない。また、ローラ8などの部材が通過した軌跡が外装材5の表面に残ることもないし、ローラ8などの部材の模様が外装材5の表面に転写されることもない。
従って、外壁断熱用ボード1に塗布された樹脂モルタル2の表面にさらに塗布する外装材5の表面を容易に綺麗に仕上げることができる。例えば、僅かな凹凸もない非常に滑らかな面を有するシート3を用いれば、そのシート3と接していた外装材5の表面を、容易にシート3と同じように非常に滑らかな面(例えば鏡面)にすることができる。
なお、外装材5を塗布したときに外装材5に含まれる骨材が表面に露出することにより形成される凹凸形状を利用して外装のデザインを施す場合は、外装材5の上にシートを貼着し、そのシートの上をなぞる工程は不要である。
<第2変更例>
外壁断熱用ボード1に樹脂モルタル2を塗布し(第1塗布工程)、直ぐに、あるいは、樹脂モルタル2を塗布してから所定時間経過後であって、塗布した樹脂モルタル2が完全に乾燥する前に外装材5を樹脂モルタル2の表面に塗布する(第2塗布工程)。次に、塗布された外装材5の表面にシート3を貼着し(貼着工程)、シート3の上の表面をローラ8などの部材でなぞり、樹脂モルタル2からなる層の上に外装材5からなる層が積層された2層部分の厚さを均一化する(均一化工程)。次に、樹脂モルタル2および外装材5を乾燥させ(乾燥工程)、シート3を除去する(除去工程)。なお、上述の塗布方法が、本出願の請求項3に係る発明に対応する。
上記のように各工程を行うことにより、外壁断熱用ボード1に樹脂モルタル2および外装材5を均一に塗布することができる。
しかも、シート3を介して外装材5の表面をなぞるため、外装材5がローラ8などの部材の表面に付着することがない。また、ローラ8などの部材が通過した軌跡が外装材5の表面に残ることもないし、ローラ8などの部材の模様が外装材5の表面に転写されることもない。
従って、外壁断熱用ボード1に塗布された樹脂モルタル2の表面にさらに塗布する外装材5の表面を容易に綺麗に仕上げることができる。例えば、僅かな凹凸もない非常に滑らかな面を有するシート3を用いれば、そのシート3と接していた外装材5の表面を、容易にシート3と同じように非常に滑らかな面(例えば鏡面)にすることができる。
<第2実施形態>
次に、この発明の第2実施形態について図3を参照して説明する。図3は、この実施形態に係る発泡樹脂成型品に対する樹脂モルタルの塗布方法の工程を示す説明図である。図3(A)は、塗布面に補強メッシュが貼着された外壁断熱用ボードの側面図、図3(B)は、図3(A)に示す外壁断熱用ボードの塗布面に樹脂モルタルが塗布された状態の側面図、図3(C)は、図3(B)に示す外壁断熱用ボードの樹脂モルタルの上にシートを貼着した状態の側面図、図3(D)は、図3(C)に示す外壁断熱用ボードのシート上をローラ8によってなぞる様子を示す説明図、図3(E)は、図3(D)に示す外壁断熱用ボードのシートを除去する様子の側面図であり、図3(F)は、図3(E)の外壁断熱用ボードを補強メッシュに沿って縦に切断した場合の断面説明図である。なお、図3は、構造を分かり易くするため、各部材の厚さや大きさ等を実際のものよりも誇張して描いてある。また、この実施形態は、外壁断熱用ボードの形状の一部以外は、前述の第1実施形態と同一であるため、同一部分の説明を省略し、同一の構成については共通の符号を用いる。
図3(A)に示すように、外壁断熱用ボード1の表面には、その一端から他端にかけて溝1aが形成されている。溝1aは、所定間隔置きに複数本形成されている。この実施形態では、溝1aの縦断面形状は、V字形状であるが、U字形状などでもよい。各溝1aは、外壁断熱用ボード1の表面に介在される補強メッシュ4の網目と交差するように形成されている。図3(B)に示すように、外壁断熱用ボード1の塗布面に樹脂モルタル2を塗布すると、各溝1aの内部に樹脂モルタル2が充填される。
これにより、溝1aの部分における樹脂モルタル2の厚さが、溝1aのない部分における厚さよりも厚くなるので、外壁断熱用ボード1に塗布された樹脂モルタル2全体の強度を高めることができる。つまり、溝1aに充填された樹脂モルタル2を補強部材として考えると、表面に複数本の補強部材が所定間隔置きに埋め込まれた状態となるため、樹脂モルタル2全体の強度を高めることができる。
また、図3(F)に示すように、補強メッシュ4を構成する網目部分の下部と溝1aとが交差する形態となり、その交差する部分において、補強メッシュ4が溝1a内部の樹脂モルタル2によって外壁断熱用ボード1の表面に接着される。
従って、補強メッシュ4が外壁断熱用ボード1の表面から浮いてしまい、補強メッシュ4による強度が低下するおそれがない。
なお、溝1aに代えて、外壁断熱用ボード1の表面から凹んだ凹部を複数形成してもよい。この構成によっても、溝1aの場合と同様の効果を奏することができる。また、凹部の形状は問わず、凹部の内壁面が椀状でもよいし、角柱の外面形状などでもよい。さらに、溝および凹部を組合せてもよい。上記第2実施形態の塗布方法が、本出願の請求項に係る発明に対応する。
<第3実施形態>
次に、この発明の第3実施形態について図5を参照して説明する。図5は、この実施形態に係る樹脂モルタルの塗布方法を示す説明図である。
左右に配置された外壁断熱用ボード1には、それぞれ補強メッシュ4が取付けられているが、各外壁断熱用ボード1の表面左側には、補強メッシュ4が存在しない非取付部1cがそれぞれ形成されており、右端からは、補強メッシュ4の余剰部分4aがはみ出ている。余剰部分4aは、その大きさおよび形状が非取付部1cの大きさおよび形状と一致するように形成されている。
そして、左右の外壁断熱用ボード1の端面同士を突き合わせ、左側の外壁断熱用ボード1の右端からはみ出ている補強メッシュ4の余剰部分4aを右側の外壁断熱用ボード1の非取付部1cに載置する。このとき、余剰部分4aは、その大きさおよび形状が非取付部1cの大きさおよび形状と一致するように形成されているため、余剰部分4aが右側の外壁断熱用ボード1に取付けられた補強メッシュ4の左端に重なることがない。また、左側の外壁断熱用ボード1の補強メッシュ4が、外壁断熱用ボード1の端面同士を突き合わせて形成された境界1bを跨いだ状態になる。そして、各補強メッシュ4の上から樹脂モルタル2を塗布し、その塗布された樹脂モルタル2の表面にシート3を貼着する。
上記の樹脂モルタルの塗布方法を用いれば、外壁断熱用ボード1の端面同士を突き合わせて形成された境界1bを跨いで補強メッシュ4が介在されているため、境界1bにおける強度を高めることができるので、外壁断熱用ボード1が境界1bにおいて離間するおそれがない。また、補強メッシュ4を、補強メッシュ4同士が重なっていない状態で樹脂モルタル2を塗布する部分に介在させるため、樹脂モルタル2の表面を平滑にすることができ、かつ、樹脂モルタルの厚さを均一にすることができる。
図5に示した例では、補強メッシュ4の余剰部分4aが外壁断熱用ボード1の左右方向の端部からはみ出ている構成を説明したが、上下方向の端部からはみ出ており、それに対応して非取付部1cを上下方向に形成した構成でもよい。また、余剰部分4aがはみ出る方向は、どの方向に設定することもでき、例えば、左右方向、上下方向および4方向のいずれかの端部から余剰部分4aがはみ出た外壁断熱用ボード1と、その余剰部分4aに対応する非取付部1cが形成された外壁断熱用ボード1とを組み合わせることもできる。また、隣接する外壁断熱用ボード1の端面間に隙間が形成されていても良い。
なお、上記第3実施形態の塗布方法が、本出願の請求項に係る発明に対応する。
<変更例>
また、外壁断熱用ボード1上の樹脂モルタル塗布面において、補強メッシュ4の端部同士を重ね合わせた状態にしてその上から樹脂モルタルを塗布することもできる。この方法によれば、補強メッシュ4の端部における強度を高めることができる。なお、この変更例による塗布方法が、本出願の請求項に係る発明に対応する。
<第4実施形態>
次に、この発明の第4実施形態について図6を参照して説明する。図6は、この実施形態に係る樹脂モルタルの塗布方法を示す説明図である。
図6の上図に示すように、シート3の裏面3aには、裏面3aから上方に凸状の模様3bが形成されている。この模様3bが形成されたシート3の裏面3aを樹脂モルタル2に貼着し、そのシート3の表面をローラ8などの部材でなぞり、樹脂モルタル2の乾燥後にシート3を除去すると、図6の下図に示すように、樹脂モルタル層2の表面2aには、模様2bが形成される。模様2bは、シート3の裏面3aに形成された模様3bに対応した形状であり、表面2aから下方に凹状に形成される。
つまり、シート3の裏面3aに形成された模様3bを樹脂モルタル層2の表面2aに転写することができる。
上記の樹脂モルタルの塗布方法を用いれば、所望の模様が描かれたシート3を用いるだけで、外壁断熱用ボード1の表面に形成された樹脂モルタル層2の表面に所望の模様を描くことができる。なお、シート3の裏面3aに描く模様3bは、凹形状でも、凹凸形状でもよい。また、模様3bの形成方法は、どのような形成方法でもよく、例えば、表面に模様が形成された型でシート3を押圧することにより模様を形成するエンボス加工でもよいし、模様が加工された金型によってシート3を成型する手法でもよい。なお、上記第4実施形態の塗布方法が、本出願の請求項4に係る発明に対応する。
<変更例>
前述の第1実施形態の第1変更例または第2変更例において、樹脂モルタル2の表面に塗布した外装材5の表面に上記シート3の裏面3aを貼着し、そのシート3の表面をローラ8などの部材でなぞり、外装材5が乾燥した後に、あるいは、樹脂モルタル2および外装材5が乾燥した後にシート3を除去することにより、外装材5の表面にシート3の裏面3aの模様を転写することもできる。
この樹脂モルタルの塗布方法を用いれば、所望の模様が描かれたシート3を用いるだけで、外壁断熱用ボード1の表面に塗布された外装材5の表面に所望の模様を描くことができる
<第5実施形態>
次に、この発明の第5実施形態について図7を参照して説明する。図7は、本願発明者らが行った実験結果を示す図表である。
[実験]
本願発明者らは、樹脂モルタルに代えて、体質顔料、水および樹脂を主成分とし、セメントを含まない材料(以下、ノンセメントベースモルタルという)の強度と、シート3の材質との関係を求める実験を行った。この実験で用いたノンセメントベースモルタルは、体質顔料(炭酸カルシウム、ドロマイト、カオリンおよびカンスイなどを成分とする)、水および高分子エマルジョン樹脂(アクリル酸エステル系エマルジョン、酢ビベオパおよび合成ゴム系ラテックス(CBR、MBRなど)などを成分とする)を主成分とするものを用いた。また、塗布後、2日間養生して乾燥させた後に計測を行った。前述の第1実施形態における養生期間よりも1日長いのは、水分を吸収するセメントを含んでいないためである。その他の実験条件および実験で使用したシート3は、前述の第1実施形態の実験と同じである。
実験の結果、図7に示すように、シート3の材質が、PE多孔質、セロファンおよびナイロンである場合の乾燥後のノンセメントベースモルタルの曲げ強さは、それぞれ37.31、36.98、37.01であった。
つまり、シート3が、ナイロン、セロファンおよびPE多孔質の3種類の材質のいずれかであった場合は、通常品と同程度の曲げ強さを得られることが分かった。
なお、シート3の材質がPPおよびPETであった場合は、シートとノンセメントベースモルタルとが分離せず、計測不能であった。
また、ノンセメントベースモルタルは、高分子エマルジョン樹脂が3重量%未満であると、耐水性が低下するという問題がある。また、強度が低下するという問題がある。さらに、発泡樹脂成型品に対する接着強度が低下するという問題がある。また、30重量%を超えると、燃え易くなるという問題がある。さらに、樹脂モルタル中の水分のシートからの透過量が減少するため、室内の湿気が逃げ難くなるという問題がある。
そこで、上記各問題を解決するため、高分子エマルジョン樹脂は、3〜30重量%であることが望ましいことが分かった。
以上より、透湿度が100以上の材質により形成されたシートに、3〜30重量%の高分子エマルジョン樹脂を含むノンセメントベースモルタルを塗布すれば、通常品と同程度の曲げ強さ、高い耐水性、高い難燃性、発泡樹脂成型品に対する強い接着力および高い硬度を有するノンセメントベースモルタルが表面に形成された発泡樹脂成型品を作成できることが分かった。
なお、ノンセメントベースモルタルには、必要に応じて、大粒径フィラー(ケイ砂など)、顔料分散剤(低分子アクリルソーダ塩、トリポリリン酸ソーダ、低HLB界面活性剤など)、増粘剤(セルロース系増粘剤、ポリアクリル酸塩系増粘剤など)、繊維(ポリエステル繊維、セルロースファイバー、炭素繊維など)および顔料(酸化チタン、酸化鉄などの無機顔料、フタロシアニンブルーなどの有機顔料など)のいずれか1つ、または、複数を混合することもできる。
なお、上記ノンセメントベースモルタルを使用した塗布方法が、本出願の請求項17に係る発明に対応し、高分子エマルジョン樹脂が3〜30重量%のノンセメントベースモルタルを使用した塗布方法が、請求項15に係る発明に対応する。
<第6実施形態>
次に、この発明の第6実施形態について図8を参照して説明する。図8は、この実施形態に係る樹脂モルタルの塗布方法を示す工程図である。
樹脂モルタル2を塗布する面である塗布面1dを有する外壁断熱用ボード1と、シート3と、塗布面1dの形状と合致する形状の面である倣い面41を有する治具40とを用意する。外壁断熱用ボード1の塗布面1dには、凸部および凹部が形成されている。図示の例では、凸部および凹部が塗布面1dの長手方向に同一形状で連続形成されている。詳しくは、外壁断熱用ボード1を塗布面1dと直交する方向に切断した場合に現れる断面のうち、塗布面1d側の断面形状が、塗布面1dの長手方向のどの位置で切断した場合でも同じ形状になるような凸部および凹部が塗布面1dに形成されている。なお、塗布面1dの形状と合致する形状とは、塗布面1dを雄型とした場合に、その雄型と嵌合する雌型の形状であることを意味する。
まず、外壁断熱用ボード1の塗布面1dに樹脂モルタル2を塗布する(塗布工程)。続いて、塗布された樹脂モルタル2の表面にシート3を塗布面1dの形状に合致するように貼着する(貼着工程)。続いて、治具40をその倣い面41が塗布面1dと合致するようにシート3の表面に押し付け、その表面が塗布面1dと同じ形状になるように、倣い面41をシート3の表面に押し付けながら治具40によって表面をなぞり、樹脂モルタル2からなる層の厚さを均一化する(均一化工程)。
次に、シート3と塗布面1dとの間に介在されている樹脂モルタル2を乾燥させ(乾燥工程)、樹脂モルタル2の乾燥後にシート3を除去する(除去工程)。
以上のように、上記第6実施形態の外壁断熱用ボードに対する塗布方法によれば、治具40の倣い面41の形状が、外壁断熱用ボード1の塗布面1dと合致する形状であるため、倣い面41が塗布面1dと合致するように治具40を樹脂モルタル2の表面に貼着されたシート3の表面に押し付け、倣い面41でなぞることにより、塗布面1dとシート3の裏面との間に介在されている樹脂モルタル2を容易に均一の厚みに均すことができる。
従って、樹脂モルタル2の乾燥後にシート3を除去すれば、樹脂モルタル2が均一の厚みで塗布された外壁断熱用ボード1が完成する。なお、上記塗布方法が、本出願の請求項に係る発明に対応する。
<第1変更例>
外装材5からなる層が比較的厚い(例えば、数mm〜10mmの厚さ)場合の塗布方法について説明する。
まず、シート3を除去した樹脂モルタル2の表面に外装材5を塗布する(塗布工程)。続いて、塗布された外装材5の表面にシート3を塗布面1dの形状に合致するように貼着する(貼着工程)。続いて、治具40をその倣い面41が塗布面1dと合致するようにシート3の表面に押し付け、その表面が塗布面1dと同じ形状になるように、倣い面41をシート3の表面に押し付けながら治具40によって表面をなぞり、外装材5からなる層の厚さを均一化する(均一化工程)。
次に、シート3と塗布面1dとの間に介在されている外装材5を乾燥させ(乾燥工程)、外装材5の乾燥後にシート3を除去する(除去工程)。
以上のように、上記第1変更例の外壁断熱用ボードに対する塗布方法によれば、治具40の倣い面41の形状が、外壁断熱用ボード1の塗布面1dと合致する形状であるため、倣い面41が塗布面1dと合致するように治具40を外装材5の表面に貼着されたシート3の表面に押し付け、倣い面41でなぞることにより、塗布面1dとシート3の裏面との間に介在されている外装材5を容易に均一の厚みに均すことができる。
従って、外装材5の乾燥後にシート3を除去すれば、外装材5が均一の厚みで塗布された外壁断熱用ボード1が完成する。なお、上記塗布方法が、本出願の請求項に係る発明に対応する。
<第2変更例>
外壁断熱用ボード1に樹脂モルタル2を塗布し(第1塗布工程)、直ぐに、あるいは、樹脂モルタル2を塗布してから所定時間経過後であって、塗布した樹脂モルタル2が完全に乾燥する前に外装材5を樹脂モルタル2の表面に塗布する(第2塗布工程)。続いて、塗布された外装材5の表面にシート3を塗布面1dの形状に合致するように貼着する(貼着工程)。続いて、治具40をその倣い面41が塗布面1dと合致するようにシート3の表面に押し付け、その表面が塗布面1dと同じ形状になるように、倣い面41をシート3の表面に押し付けながら治具40によって表面をなぞり、樹脂モルタル2および外装材5からなる層の厚さを均一化する(均一化工程)。
次に、シート3と塗布面1dとの間に介在されている樹脂モルタル2および外装材5を乾燥させ(乾燥工程)、樹脂モルタル2および外装材5の乾燥後にシート3を除去する(除去工程)。
以上のように、上記第2変更例の外壁断熱用ボードに対する塗布方法によれば、治具40の倣い面41の形状が、外壁断熱用ボード1の塗布面1dと合致する形状であるため、倣い面41が塗布面1dと合致するように治具40を外装材5の表面に貼着されたシート3の表面に押し付け、倣い面41でなぞることにより、塗布面1dとシート3の裏面との間に介在されている樹脂モルタル2および外装材5を容易に均一の厚みに均すことができる。
従って、樹脂モルタル2および外装材5の乾燥後にシート3を除去すれば、樹脂モルタル2および外装材5が均一の厚みで塗布された外壁断熱用ボード1が完成する。なお、上記塗布方法が、本出願の請求項に係る発明に対応する。
<他の実施形態>
(1)この発明は、建築用の化粧パネルまたは装飾用のボード等の表面に樹脂モルタル(またはノンセメントベースモルタル)を塗布する場合にも適用することができる。
(2)外壁断熱用ボード1として内部に鉄筋が通ったものを使用してもよい。
(3)前述の各実施形態および各変更例における部材の大きさ、形状および数ならびに樹脂モルタル2および外装材5の厚さなどは一例であり、設計変更することができる。
この発明の実施形態に係る発泡樹脂成型品に対するモルタルの塗布方法を適用した外壁構造物の部分斜視図である。 この発明の第1実施形態に係る発泡樹脂成型品に対する樹脂モルタルの塗布方法の工程を示す説明図である。図2(A)は、塗布面に補強メッシュが貼着された外壁断熱用ボードの側面図、図2(B)は、図2(A)に示す外壁断熱用ボードの塗布面に樹脂モルタルが塗布された状態の側面図、図2(C)は、図2(B)に示す外壁断熱用ボードの樹脂モルタルの上にシートを貼着した状態の側面図、図2(D)は、図2(C)に示す外壁断熱用ボードのシート上をローラ8によってなぞる様子を示す説明図、図2(E)は、図2(D)に示す外壁断熱用ボードのシートを除去する様子の側面図である。 第2実施形態に係る発泡樹脂成型品に対する樹脂モルタルの塗布方法の工程を示す説明図である。図3(A)は、塗布面に補強メッシュが貼着された外壁断熱用ボードの側面図、図3(B)は、図3(A)に示す外壁断熱用ボードの塗布面に樹脂モルタルが塗布された状態の側面図、図3(C)は、図3(B)に示す外壁断熱用ボードの樹脂モルタルの上にシートを貼着した状態の側面図、図3(D)は、図3(C)に示す外壁断熱用ボードのシート上をローラ8によってなぞる様子を示す説明図、図3(E)は、図3(D)に示す外壁断熱用ボードのシートを除去する様子の側面図であり、図3(F)は、図3(E)の外壁断熱用ボードを補強メッシュに沿って縦に切断した場合の断面説明図である。 第1実施形態における実験結果を示す図表である。 第3実施形態に係る樹脂モルタルの塗布方法を示す説明図である。 第4実施形態に係る樹脂モルタルの塗布方法を示す説明図である。 第5実施形態における実験結果を示す図表である。 第6実施形態に係る樹脂モルタルの塗布方法を示す工程図である。
符号の説明
1・・外壁断熱用ボード(発泡樹脂成型品)、1a・・溝、1b・・境界、
1d・・塗布面、2・・樹脂モルタル(材料)、3・・シート、3b・・模様、
4・・補強メッシュ(網目状シート)、5・・外装材、6・・外壁、7・・接着剤、
8・・ローラ(所定の部材)、40・・治具、41・・倣い面。

Claims (15)

  1. 樹脂および水を含み、乾燥すると固まる性質を有する材料を発泡樹脂成型品に塗布する第1塗布工程と、
    前記塗布された材料の上にシートを貼着する第1貼着工程と、
    前記貼着されたシートの表面を所定の部材でなぞることにより、前記塗布された材料からなる層の厚さを均一化する第1均一化工程と、
    前記第1均一化工程の後に、前記塗布された前記材料を乾燥させる第1乾燥工程と、
    前記第1乾燥工程により前記材料が乾燥した後に前記シートを除去する第1除去工程と、
    前記第1除去工程の後に、前記乾燥した前記材料の表面に外装材を塗布する第2塗布工程と、
    前記塗布された外装材の上にシートを貼着する第2貼着工程と、
    前記貼着されたシートの表面を所定の部材でなぞることにより、前記塗布された外装材からなる層の厚さを均一化する第2均一化工程と、
    前記第2均一化工程の後に、前記塗布された前記外装材を乾燥させる第2乾燥工程と、
    前記第2乾燥工程により前記外装材が乾燥した後に前記シートを除去する第2除去工程と、
    を有することを特徴とする発泡樹脂成形品に対する塗布方法。
  2. 樹脂および水を含み、乾燥すると固まる性質を有する材料を、発泡樹脂成型品の凸部および凹部が形成された塗布面に塗布する第1塗布工程と、
    前記塗布された材料の上にシートを貼着する貼着工程と、
    前記塗布面の形状と合致する形状の倣い面を有する治具を使用し、前記貼着されたシートの表面が前記塗布面と同じ形状になるように前記倣い面を前記シートの表面に押し付けながら前記治具によって前記シートの表面をなぞることにより、前記シートの表面を前記塗布面と同じ形状に形成するとともに、前記塗布された材料からなる層の厚さを均一化する均一化工程と、
    前記均一化工程の後に、前記塗布された前記材料を乾燥させる乾燥工程と、
    前記乾燥工程により前記材料が乾燥した後に前記シートを除去する除去工程と、
    を有することを特徴とする発泡樹脂成形品に対する塗布方法。
  3. 樹脂および水を含み、乾燥すると固まる性質を有する材料を発泡樹脂成型品の凸部および凹部が形成された塗布面に塗布する第1塗布工程と、
    前記塗布された前記材料の上に外装材を塗布する第2塗布工程と、
    前記塗布された外装材の上にシートを貼着する貼着工程と、
    前記塗布面の形状と合致する形状の倣い面を有する治具を使用し、前記貼着されたシートの表面が前記塗布面と同じ形状になるように前記倣い面を前記シートの表面に押し付けながら前記治具によって前記ートの表面をぞることにより、前記シートの表面を前記塗布面と同じ形状に形成するとともに、前記塗布された材料および外装材からなる層の厚さを均一化する均一化工程と、
    前記均一化工程の後に、前記塗布された前記材料および外装材を乾燥させる乾燥工程と、
    前記乾燥工程により前記材料および外装材が乾燥した後に前記シートを除去する除去工程と、
    を有することを特徴とする発泡樹脂成形品に対する塗布方法。
  4. 表面に凸部および凹部の少なくとも一方からなる模様が描かれたシートを用いることにより、前記発泡樹脂成型品に塗布された前記材料の表面に前記模様を描くようにしたことを特徴とする請求項1に記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法。
  5. 前記発泡樹脂成型品の前記材料を塗布する塗布面には、凸部および凹部が形成されており、
    前記第2均一化工程は、
    前記塗布面の形状と合致する形状の倣い面を有する治具を前記所定の部材として使用し、前記シートの表面が前記塗布面と同じ形状になるように前記倣い面を前記シートの表面に押し付けながら前記治具によって前記シートの表面をなぞることにより、前記シートの表面を前記塗布面と同じ形状に形成するとともに、前記塗布された外装材からなる層の厚さを均一化する工程であることを特徴とする請求項1に記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法。
  6. 前記第1塗布工程は、
    前記材料を塗布する部分に網目状シートを介在させた状態で前記材料を前記発泡樹脂成型品に塗布することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法。
  7. 複数の前記発泡樹脂成型品の端面同士を突き合わせてなるものに前記材料を塗布する場合は、前記第1塗布工程の前に、前記網目状シートを、前記端面同士を突き合わせて形成された境界を跨いだ状態で前記材料を塗布する部分に介在させることを特徴とする請求項に記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法。
  8. 複数の前記発泡樹脂成型品の端面同士を突き合わせてなるものに前記材料を塗布する場合は、前記第1塗布工程の前に、前記網目状シートを、前記端面同士を突き合わせて形成された境界を跨いだ状態で、かつ、前記網目状シートの端部同士が重なった状態で前記材料を塗布する部分に介在させることを特徴とする請求項に記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法。
  9. 前記発泡樹脂成型品の前記材料を塗布する部分に溝または凹部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法。
  10. 前記シートは、環境温度が25゜Cで相対湿度が90%の測定条件下における透湿度が(100g/m ・day) 以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1つに記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法。
  11. 前記シートは、ポリオレフィン系の材料により形成されていることを特徴とする請求項10に記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法。
  12. 前記材料は、樹脂モルタルであることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1つに記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法。
  13. 前記樹脂モルタルは、セメントに対するポリマーの比率が3〜30重量%であることを特徴とする請求項12に記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法。
  14. 前記材料は、体質顔料、水および樹脂を主成分とし、セメントを含まないものであることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1つに記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法。
  15. 前記材料は、高分子エマルジョン樹脂が3〜30重量%であることを特徴とする請求項14に記載の発泡樹脂成型品に対する塗布方法。
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