JP4319104B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4319104B2
JP4319104B2 JP2004217703A JP2004217703A JP4319104B2 JP 4319104 B2 JP4319104 B2 JP 4319104B2 JP 2004217703 A JP2004217703 A JP 2004217703A JP 2004217703 A JP2004217703 A JP 2004217703A JP 4319104 B2 JP4319104 B2 JP 4319104B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
layer
workpiece
ion beam
recording element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004217703A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006040378A (ja
Inventor
孝裕 諏訪
和也 嶋川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2004217703A priority Critical patent/JP4319104B2/ja
Publication of JP2006040378A publication Critical patent/JP2006040378A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4319104B2 publication Critical patent/JP4319104B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、記録要素が凹凸パターンの凸部として形成された磁気記録媒体の製造方法に関する。
従来、ハードディスク等の磁気記録媒体は、記録層を構成する磁性粒子の微細化、材料の変更、ヘッド加工の微細化等の改良により著しい面記録密度の向上が図られており、今後も一層の面記録密度の向上が期待されている。
しかしながら、ヘッドの加工限界、磁界の広がりに起因するサイドフリンジ、クロストーク等の問題が顕在化し、従来の改良手法による面記録密度の向上は限界にきており、一層の面記録密度の向上を実現可能である磁気記録媒体の候補として、記録層を凹凸パターンに加工し、凹凸パターンの凸部として記録要素を形成してなるディスクリート媒体や、パターンド媒体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。尚、ヘッド浮上高さを安定させるためには、記録要素の間の凹部を非磁性材で充填し、表面を平坦化することが好ましい。
記録層を凹凸パターンに加工する加工技術としては、まず記録層の上に凹凸パターンのマスク層を形成し、このマスク層に基いて、イオンビームエッチング、CO(一酸化炭素)ガス及びNH(アンモニア)ガス等の混合ガス等を反応ガスとする反応性イオンエッチング(例えば、特許文献2参照)等のドライエッチングで凹部の記録層を除去する手法を利用しうる。
尚、マスク層を凹凸パターンに加工する加工技術としては、マスク層の上にレジスト層を成膜し、リソグラフィ等の半導体製造の分野で用いられている手法でレジスト層を凹凸パターンに加工してから、レジスト層に基いてドライエッチングで凹部のマスク層を除去する手法を利用しうる。
又、記録要素の間の凹部を非磁性材で充填し、表面を平坦化する加工技術としては、凹凸パターンの記録層上にスパッタリング法等で非磁性材を成膜して凹部を非磁性材で充填し、記録要素上の余剰の非磁性材をイオンビームエッチング等のドライエッチング等で除去して平坦化する手法を利用しうる。
特開平9−97419号公報 特開平12―322710号公報
しかしながら、イオンビームエッチング等のドライエッチングで記録層を加工すると、記録要素の上面端部近傍に突起が形成されることがあった。このような突起が形成される原因は必ずしも明らかではないが、概ね次のように考えられる。図11に示されるように連続記録層100におけるマスク102から露出した部分をイオンビームエッチングで加工する際、連続記録層100の除去と、除去された粒子の一部のマスク102の側面等への再付着と、が繰返され、再付着物の量が少ない場合には再付着物はイオンビームで逐次除去されるが、再付着物の量が多い場合には再付着物は図12に示されるようにマスク102の側面に堆積し、結果的に図13に示されるように記録要素104の上面端部近傍に突起106が形成されると考えられる。
このように、記録要素の上面端部近傍に突起が形成されると、記録要素間の凹部を非磁性材で充填し、記録要素上の余剰の非磁性材を除去して表面を平坦化しても、表面には記録要素の上面端部近傍の突起が反映された凹凸パターンが残存してしまうことがあった。即ち、表面を充分に平坦化できないという問題があった。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、凹凸パターンの記録層を備え、表面が充分に平坦な磁気記録媒体を確実に製造することができる磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、記録層を凹凸パターン形状に加工し、該凹凸パターンの凸部として記録要素を形成してから、被加工体の表面に垂直な方向に対し、傾斜した方向からイオンビームを照射し、記録要素の上面端部近傍の突起を除去することにより上記目的を達成するものである。このように、被加工体の表面に垂直な方向に対し、傾斜した方向からイオンビームを照射することにより、突起を、記録要素よりも選択的に速く加工することができる。これにより、記録要素の磁気特性の低下を抑制しつつ、記録要素の上面端部近傍の突起を効率良く除去することができる。このように突起を除去することで、磁気記録媒体の表面を充分に平坦化することができる。尚、記録要素の上面の加工を抑制するためには、記録要素の上面にマスク層が残存した状態で、イオンビームを照射して、記録要素の上面端部近傍の突起を除去することが好ましい。
即ち、次のような本発明により、上記目的を達成することができる。
(1)基板の上に連続記録層、マスク層をこの順で形成してなる被加工体の前記マスク層を所定の凹凸パターン形状に加工するマスク層加工工程と、前記マスク層に基づいてドライエッチングにより前記連続記録層を前記凹凸パターン形状に加工し、該凹凸パターンの凸部として記録要素を形成する記録層加工工程と、前記被加工体の表面に垂直な方向に対し、傾斜した方向からイオンビームを照射し、前記記録要素の上面端部近傍の突起を除去する突起除去工程と、前記被加工体の上に非磁性材を成膜して前記記録要素の間の凹部を充填する非磁性材充填工程と、前記記録要素上の余剰の前記非磁性材を除去して前記被加工体の表面を平坦化する平坦化工程と、を含んでなり、これらの工程をこの順で実行するようにしたことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
(2)(1)において、前記突起除去工程において、前記記録要素の上面に前記マスク層が残存した状態で、前記突起除去工程を実行することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
(3)(1)又は(2)において、前記記録層加工工程において、前記被加工体の表面にイオンビームを照射して前記連続記録層を前記凹凸パターン形状に加工し、前記突起除去工程において、前記記録層加工工程よりも、前記被加工体の表面に対して小さい入射角で前記被加工体の表面にイオンビームを照射して、前記記録要素の上面端部近傍の突起を除去することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
尚、本出願において、「連続記録層を凹凸パターン形状に加工する」とは、連続記録層を所定の凹凸パターンで多数の記録要素に分割する場合の他、連続記録層を所定のパターンで部分的に分割し、一部が連続する記録要素を形成する場合、又、例えば螺旋状の渦巻き形状の記録層のように、基板上の一部に連続して記録層を形成する場合も含む意義で用いることとする。
又、本出願において、「イオンビームを照射する」とは、イオンビームを絞って被加工体に照射する場合の他、例えばイオンミリング等のように、イオン化したガスを被加工体に一様に照射する場合も含む意義で用いることとする。
又、本出願において、「イオンビームの入射角」とは、被加工体の表面に対する入射角度であって、被加工体の表面とイオンビームの中心軸とが形成する角度という意義で用いることとする。例えば、イオンビームの中心軸が被加工体の表面と平行である場合、入射角は0°である。
又、本出願において「記録要素の上面」とは、記録要素における基板と反対側の面という意義で用いることとする。
又、本出願において「余剰の非磁性材」とは、記録要素の上に成膜された非磁性材のうち、記録要素の上面よりも基板と反対側に成膜された非磁性材という意義で用いることとする。
又、本出願において「磁気記録媒体」という用語は、情報の記録、読み取りに磁気のみを用いるハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ等に限定されず、磁気と光を併用するMO(Magneto Optical)等の光磁気記録媒体、磁気と熱を併用する熱アシスト型の記録媒体も含む意義で用いることとする。
本発明によれば、凹凸パターンの記録層を備え、表面が充分に平坦な磁気記録媒体を確実に製造することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態は、基板上に連続記録層、マスク層等を形成してなる図1に示されるような、磁気記録媒体の中間製品である被加工体にドライエッチング等の加工を施し、図2に示されるような所定の凹凸パターン形状に連続記録層を加工して凹凸パターンの凸部として多数の記録要素を形成して磁気記録媒体を製造する方法に関するものであり、記録要素を形成する際、記録要素の上面端部近傍に形成される突起を除去する工程が設けられたことに特徴を有している。
被加工体10は、略円板形状(図示省略)であり、図1に示されるように、ガラス製の基板12に、下地層14、軟磁性層16、配向層18、連続記録層20、第1のマスク層22、第2のマスク層24、レジスト層26がこの順で形成された構成である。
下地層14の材料はCr(クロム)又はCr合金、軟磁性層16の材料はFe(鉄)合金又はCo(コバルト)合金、配向層18の材料は非磁性のCoCr合金、Ti、Ru、MgO等、連続記録層20の材料はCoCr(コバルト−クロム)合金である。又、第1のマスク層22の材料はC(炭素)、第2のマスク層24の材料はSi(ケイ素)である。
磁気記録媒体30は垂直記録型のディスクリートタイプの磁気ディスクで、図2に示されるように、データ領域において前記連続記録層20がトラックの径方向にラインアンドスペースパターンで分割され、記録要素32Aが凹凸パターンの凸部として形成された記録層32を備え、記録要素32Aの間の凹部34に非磁性材36が充填されている。尚、記録要素32Aは、サーボ領域において、コンタクトホールを含むサーボパターンで形成されている(図示省略)。非磁性材36の材料はSiO(二酸化ケイ素)である。
次に、図3に示されるフローチャート等を参照して磁気記録媒体30の製造方法について説明する。
まず、被加工体10を作製する(S102)。被加工体10は基板12の上に、下地層14を30〜200nmの厚さで、軟磁性層16を50〜300nmの厚さで、配向層18を3〜30nmの厚さで、連続記録層20を5〜30nmの厚さで、第1のマスク層22を3〜20nmの厚さで、第2のマスク層24を3〜15nmの厚さで、この順でスパッタリングにより形成し、更にレジスト層26を30〜300nmの厚さで、スピンコート法又はディッピング法により形成することにより得られる。
この被加工体10のレジスト層26に記録要素32Aの分割パターンに相当する凹凸パターンをナノ・インプリント法により転写し(S104)、O(酸素)を反応ガスとする反応性イオンビームエッチングにより、凹部の底部のレジスト層26を除去する。尚、レジスト層26を露光・現像して、凹凸パターンを形成してもよい。次にSF(6フッ化硫黄)ガスを反応ガスとする反応性イオンエッチングにより凹部の底部の第2のマスク層24を除去し(S106)、更に、O(酸素)を反応ガスとする反応性イオンエッチングにより凹部の底部の第1のマスク層22を除去する(S108)。
次に、Ar(アルゴン)ガスを加工用ガスとするイオンビームエッチングにより凹部の底部の連続記録層20を除去する(S110)。これにより、図4に示されるように、多数の記録要素32Aが凹凸パターンの凸部として形成される。ここで、第2のマスク層24は完全に除去されるが、第1のマスク層22は連続記録層20(記録要素32A)上に一定量が残存する。尚、本出願において、「イオンビームエッチング」という用語は、例えばイオンミリング等の、イオン化したガスを被加工体に照射して除去する加工方法の総称という意義で用いることとし、イオンビームを絞って照射する加工方法に限定しない。
図5は、連続記録層20のエッチングレートと、イオンビームの入射角と、の関係を示すグラフである。尚、本出願において「イオンビームの入射角」とは、被加工体10の表面に対する入射角度であって、被加工体10の表面とイオンビームの中心軸とが形成する角度という意義で用いることとする。例えば、イオンビームの中心軸が被加工体10の表面と平行である場合、入射角は0°である。図5に示されるように、イオンビームの入射角を30〜90°の範囲とすることで、高いエッチングレートが得られ、生産効率を高めることができる。又、図4中に矢印で示されるように、イオンビームの入射角を90°に近づけることで、記録要素32Aの側面を被加工体10の表面に対して垂直に近い形状に加工することができる。
このように連続記録層20をイオンビームエッチングで加工する際、記録要素32Aの上面端部近傍には、除去された連続記録層20の粒子等が付着し、突起38が形成される。
次に、Ar(アルゴン)ガスを加工用ガスとするイオンビームエッチングにより、図6中に矢印で示されるように、被加工体10の表面に垂直な方向に対し、傾斜した方向からイオンビームを照射し、記録要素32Aの上面に第1のマスク層22が残存した状態で、記録要素32Aの上面端部近傍の突起38を除去する(S112)。この際、上記記録層加工工程(S110)よりも、被加工体10の表面に対して小さい入射角で被加工体10の表面にイオンビームを照射する。このように記録要素32Aの上面に第1のマスク層22が残存した状態でイオンビームを照射して突起38を除去するので、(突起38以外の)記録要素32Aの上面の加工を抑制することができる。又、記録要素32Aの上面の第1のマスク層22が除去されたとしても、被加工体10の表面に垂直な方向に対し、傾斜した方向から小さい入射角でイオンビームを照射しているので、記録要素32Aの上面の加工が抑制される。又、被加工体10の表面に垂直な方向に対し、傾斜した方向から小さい入射角でイオンビームを照射しているので、突起38の側面に対しては大きい入射角でイオンビームが照射されることとなり、図5に示されるように、記録要素32Aのエッチングレートよりも突起38のエッチングレートが高くなり、突起38が選択的に速く加工される。
又、上記記録層加工工程(S110)よりも、被加工体10の表面に対して小さい入射角で被加工体10の表面にイオンビームを照射することにより、記録要素32Aの側面を被加工体10の表面に対して垂直に近い形状に加工できると共に、突起38を選択的に除去することができる。従って、記録要素32Aの良好な磁気特性が得られ、又、記録要素32Aの上面端部近傍の突起38を効率良く除去することができる。
尚、突起38のエッチングレートを高めるためには、イオンビームの入射角を、−10〜60°とすることが好ましい。又、記録要素32Aの加工を抑制する効果を高めるためには、イオンビームの入射角を、−10〜10°とすることが好ましい。尚、入射角が−10〜0°の場合、イオンビームに対して突起38や記録要素32Aは基板12等の陰となるが、イオンビームの一部は突起38や記録要素32Aまで廻りこみ、これらを加工することが可能である。
次に、Oを反応ガスとする反応性イオンエッチングにより記録要素32A上に残存する第1のマスク層22を完全に除去し(S114)、更に、バイアススパッタリングにより被加工体10の上に非磁性材36を成膜して記録要素32Aの間の凹部34に非磁性材36を充填してから(S116)、Arガスを加工用ガスとするイオンビームエッチングにより、記録要素32Aの上の余剰の非磁性材36を除去して被加工体10の表面を平坦化する。これにより、前記図2に示される磁気記録媒体30が完成する。突起除去工程(S112)において記録要素32Aの上面端部近傍の突起38が除去されているので、磁気記録媒体30の表面を充分に平坦化することができる。尚、高精度な平坦化を行うためにはイオンビームの入射角は−10〜15°の範囲とすることが好ましい。一方、非磁性材充填工程(S116)で非磁性材36の表面の良好な平坦性が得られていれば、イオンビームの入射角は30〜90°の範囲とするとよい。このようにすることで、加工速度が速くなり、生産効率を高めることができる。
尚、本実施形態において、記録要素32Aの上面に第1のマスク層22が残存した状態で突起38を除去しているが、例えば、イオンビームの入射角を−10〜10°程度に設定した場合のように、記録要素32Aの上面の加工を充分に抑制できれば、記録要素32Aの上面の第1のマスク層22が除去された状態で突起38を除去してもよい。
又、本実施形態において、連続記録層20の下に下地層14、軟磁性層16が形成されているが、連続記録層20の下の層の構成は、磁気記録媒体の種類に応じて適宜変更すればよい。例えば、下地層14、軟磁性層16のいずれか一方を省略してもよい。又、基板上に連続記録層を直接形成してもよい。
又、本実施形態において、磁気記録媒体30の表面は、記録要素32A及び非磁性材36で構成されているが、これらの上に更に保護層や潤滑層を形成してもよい。
又、本実施形態において、第1のマスク層22、第2のマスク層24、レジスト層26を連続記録層20に形成し、4段階のドライエッチングで連続記録層20を分割しているが、連続記録層20を高精度で分割できれば、レジスト層、マスク層の材料、積層数、厚さ等は特に限定されない。例えば、レジスト層を連続記録層上に直接形成し、レジスト層をマスク層として連続記録層を分割してもよい。
又、本実施形態において、連続記録層20の加工にイオンビームエッチングを用いているが、例えばCO(一酸化炭素)ガス及びNH(アンモニア)ガスの混合ガスを反応ガスとする反応性イオンエッチングのような他のドライエッチングにより、連続記録層20を加工してもよい。この場合も、記録要素32Aを形成した後、記録要素32Aの上面端部近傍の突起38を除去してから、非磁性材36の充填及び表面の平坦化を行うことで、磁気記録媒体の表面を充分に平坦化することができる。
又、本実施形態において、磁気記録媒体30は記録要素32Aがトラックの径方向に微細な間隔で並設した垂直記録型のディスクリートトラックタイプの磁気ディスクであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、記録要素がトラックの周方向(セクタの方向)に微細な間隔で並設された磁気ディスク、トラックの径方向及び周方向の両方向に微細な間隔で並設された磁気ディスク、記録要素が螺旋形状をなす磁気ディスクの製造についても本発明は当然適用可能である。又、MO等の光磁気ディスク、磁気と熱を併用する熱アシスト型の記録ディスク、更に、磁気テープ等ディスク形状以外の他のディスクリートトラック媒体、パターンド媒体の製造に対しても本発明は適用可能である。
上記実施形態のとおり、磁気記録媒体30を作製した。具体的には、連続記録層20の厚さが約20nm、第1のマスク層22の厚さが約10nm、第2のマスク層24の厚さが約10nm、レジスト層26の厚さが約100nmの被加工体10を作製し、ナノ・インプリント法によりレジスト層26に凹凸パターンを転写し、Oガスを反応ガスとする反応性イオンビームエッチングにより、凹部の底部のレジスト層26を除去した。次に、SFガスを反応ガスとする反応性イオンエッチングにより第2のマスク層24を凹凸パターンに加工した。更に、Oガスを反応ガスとする反応性イオンエッチングにより、第1のマスク層22を凹凸パターンに加工し、Arガスを加工用ガスとするイオンビームエッチングにより入射角を約90°に設定して被加工体10の表面にイオンビームを照射し、連続記録層20を多数の記録要素32Aに分割した。記録要素32Aの凹凸パターンの具体的な形状は以下のとおりである。尚、凸部の幅、凹部の幅はいずれも、記録層32の上面(基板12と反対側の面)における径方向の幅を示す。
トラックピッチ:200nm
凸部の幅 :130nm
凹部の幅 :70nm
凹凸の段差 :20nm
次に、記録要素32Aの上面に第1のマスク層22が残存した状態で、Arガスを加工用ガスとするイオンビームエッチングにより、被加工体10の表面にイオンビームを照射し、記録要素32Aの上面端部の突起38を除去した。尚、イオンビームエッチングの条件は以下のように設定した。
イオンビームの入射角:約1°
ビーム電圧 :500V
ビーム電流 :500mA
サプレッサー電圧 :400W
Arガス流量 :11sccm
チャンバ内圧力 :0.04Pa
加工時間 :15sec
次に、Oガスを反応ガスとする反応性イオンエッチングにより、記録要素32Aの上面に残存する第1のマスク層22を除去した後、被加工体10の表面をAFM(Atomic Force Microscope)により撮像したところ図7に示されるような画像が得られた。図7中の色が濃い部分が凹部34であり、これよりも色が薄い部分が記録要素32Aである。又、被加工体10の表面形状をAFMにより測定したところ、図8に示されるような断面形状であった。図7及び図8に示されるように、記録要素32の上面端部には突起は存在しなかった。
次に、バイアススパッタリングにより、被加工体10の上に非磁性材36を成膜して非磁性材36で凹部34を充填した。尚、バイアススパッタリングの条件は以下のように設定した。
成膜パワー(ターゲット(SiO)に印加するパワー):RF500W
被加工体に印加するバイアスパワー :RF150W
チャンバ内圧力 :0.3Pa
成膜厚さ(記録要素32A上の非磁性材36の厚さ) :60nm
次に、Arガスを加工用ガスとするイオンビームエッチングにより、記録要素32Aの上の余剰の非磁性材36を除去し、被加工体10の表面を平坦化した。尚、イオンビームエッチングの条件は以下のように設定した。
イオンビームの入射角:約1°
ビーム電圧 :700V
ビーム電流 :1100mA
サプレッサー電圧 :400V
Arガス流量 :11sccm
チャンバ内圧力 :0.04Pa
加工時間 :2min24sec
このようにして得られた磁気記録媒体30の表面の算術平均粗さRa、表面段差を測定した。測定結果を表1に示す。尚、表面段差は、磁気記録媒体30の表面の複数の部位における凹凸の最大段差の相加平均値である。
[比較例]
上記実施例に対し、連続記録層20を多数の記録要素32Aに分割した後、イオンビームエッチングによる突起38の除去を行わなかった。その他は上記実施例と同様の工程で磁気記録媒体30を作製した。
第1のマスク層22を除去した後、被加工体10の表面をAFMにより撮像したところ図9に示されるような画像が得られた。図9中の色が濃い部分が凹部34であり、これよりも色が薄い部分が記録要素32Aであり、これよりも更に色が薄い部分が突起38である。又、被加工体10の表面形状をAFMにより測定したところ、図10に示されるような断面形状であった。図9及び図10に示されるように、記録要素32Aの上面端部近傍に沿って、突起38が断続的に形成されていることがわかる。又、実施例と同様の条件で非磁性材36で凹部34を充填し、表面を平坦化した磁気記録媒体30の表面の算術平均粗さRa、表面段差を測定した。測定結果を表1に併記して示す。
表1に示されるように、実施例は比較例に対し、算術平均粗さRaが約2/3に抑制され、表面段差は約1/4に抑制されていた。即ち、連続記録層20を多数の記録要素32Aに分割した後、イオンビームエッチングにより記録要素32Aの上面端部の突起38を除去することにより、磁気記録媒体30の表面を著しく平坦化できることが確認された。
本発明は、記録要素が凹凸パターンの凸部として形成された磁気記録媒体の製造に利用することができる。
本発明の実施形態に係る磁気記録媒体の中間製品である被加工体の構造を模式的に示す側断面図 同被加工体を加工して得られる磁気記録媒体の構造を模式的に示す側断面図 同磁気記録媒体の製造方法の概要を示すフローチャート 連続記録層が多数の記録要素に分割された上記被加工体を模式的に示す側断面図 同連続記録層のエッチングレートと、イオンビームの入射角と、の関係を示すグラフ 記録要素の上面端部近傍に形成された突起の除去工程を模式的に示す側断面図 本発明の実施例に係る磁気記録媒体の記録層の表面を示すAFM画像 同記録層の表面の断面形状を示すAFMによる側断面図 比較例に係る磁気記録媒体の記録層の表面を示すAFM画像 同記録層の表面の断面形状を示すAFMによる側断面図 従来の記録層の加工において、記録層上に部分的にマスクが形成された状態を模式的に示す側断面図 記録要素の上面端部への突起の形成過程を模式的に示す側断面図 同記録層の加工が完了した状態を模式的に示す側断面図
符号の説明
10…被加工体
12…基板
14…下地層
16…軟磁性層
18…配向層
20…連続記録層
22…第1のマスク層
24…第2のマスク層
26…レジスト層
30…磁気記録媒体
32…記録層
32A…記録要素
34…凹部
36…非磁性材
38…突起
S102…被加工体作製工程
S104…レジスト層加工工程
S106…第2のマスク層加工工程
S108…第1のマスク層加工工程
S110…記録層加工工程
S112…突起除去工程
S114…第1のマスク層除去工程
S116…非磁性材充填工程
S118…平坦化工程

Claims (3)

  1. 基板の上に連続記録層、マスク層をこの順で形成してなる被加工体の前記マスク層を所定の凹凸パターン形状に加工するマスク層加工工程と、前記マスク層に基づいてドライエッチングにより前記連続記録層を前記凹凸パターン形状に加工し、該凹凸パターンの凸部として記録要素を形成する記録層加工工程と、前記被加工体の表面に垂直な方向に対し、傾斜した方向からイオンビームを照射し、前記記録要素の上面端部近傍の突起を除去する突起除去工程と、前記被加工体の上に非磁性材を成膜して前記記録要素の間の凹部を充填する非磁性材充填工程と、前記記録要素上の余剰の前記非磁性材を除去して前記被加工体の表面を平坦化する平坦化工程と、を含んでなり、これらの工程をこの順で実行するようにしたことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記記録要素の上面に前記マスク層が残存した状態で、前記突起除去工程を実行することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記記録層加工工程において、前記被加工体の表面にイオンビームを照射して前記連続記録層を前記凹凸パターン形状に加工し、前記突起除去工程において、前記記録層加工工程よりも、前記被加工体の表面に対して小さい入射角で前記被加工体の表面にイオンビームを照射して、前記記録要素の上面端部近傍の突起を除去することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
JP2004217703A 2004-07-26 2004-07-26 磁気記録媒体の製造方法 Expired - Fee Related JP4319104B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004217703A JP4319104B2 (ja) 2004-07-26 2004-07-26 磁気記録媒体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004217703A JP4319104B2 (ja) 2004-07-26 2004-07-26 磁気記録媒体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006040378A JP2006040378A (ja) 2006-02-09
JP4319104B2 true JP4319104B2 (ja) 2009-08-26

Family

ID=35905215

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004217703A Expired - Fee Related JP4319104B2 (ja) 2004-07-26 2004-07-26 磁気記録媒体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4319104B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102089819B (zh) * 2008-01-29 2013-06-05 株式会社爱发科 磁性设备制造方法
JP4869396B2 (ja) * 2009-12-07 2012-02-08 株式会社東芝 電鋳用原盤、及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006040378A (ja) 2006-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3686067B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
US7488429B2 (en) Method of dry etching, method of manufacturing magnetic recording medium, and magnetic recording medium
JP4071787B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
US7482070B2 (en) Magnetic recording medium
US7616404B2 (en) Magnetic recording medium, magnetic recording and reproducing apparatus, and method for manufacturing magnetic recording medium
JP2006092632A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記録媒体用中間体
US20060275692A1 (en) Method for forming concavo-convex pattern, method for manufacturing master disk, method for manufacturing stamper, and method for manufacturing magnetic recording medium
JP2006338738A (ja) 磁気記録媒体、磁気記録再生装置、スタンパ、スタンパの製造方法及び磁気記録媒体の製造方法
JP2005100496A (ja) 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体
JP2006012285A (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録媒体の製造方法
JP3844755B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP4008420B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
US8298691B2 (en) Magnetic recording medium and magnetic recording and reproducing apparatus
JP4475147B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP4319104B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2006252772A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2005235356A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2010027193A (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置
JP2011028815A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
US20090242508A1 (en) Method for manufacturing magnetic recording medium
US7940494B2 (en) Magnetic recording medium, magnetic recording and reproducing apparatus, and method for manufacturing magnetic recording medium
JP4626612B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP4626611B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2007059006A (ja) 原盤の製造方法、スタンパの製造方法及び磁気記録媒体の製造方法
JP2011150763A (ja) 磁気記録媒体、磁気記録再生装置及び磁気記録媒体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070528

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090519

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090526

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090527

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120605

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees