JP4318214B2 - 金属パネルの折曲げ加工方法及び折曲げ加工用装置 - Google Patents

金属パネルの折曲げ加工方法及び折曲げ加工用装置 Download PDF

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Description

本発明は、建築物の壁材や外壁材等に使用される金属製パネル部材等の金属板を折曲げ加工する方法及びそのための加工装置に関する。
金属板を面材とする建築用の断熱パネルは、一般的には、例えば特許文献1に見られるように、パネルに仕上げるときに隣接する二辺が干渉しないように、予め平板の四隅をコーナーカットした後、プレスブレーキ等の折曲げ機にて箱型に加工し、その後、箱型内部に発泡性の樹脂を注入・発泡・硬化させて製造されている。この方法によると、裏面側の折り返し部により、石膏ボード等の硬質な断熱材を後段階で挿入できないために、断熱材としては比較的軟質な発泡性の樹脂しか使用できない。しかも、発泡性樹脂の注入及び形を整えて発泡させる作業には、大変な手間が掛かっている。また建築現場でのサイズ変更には全く対応できない。さらに、上記方法では平板の四隅がコーナーカットされているため、得られた断熱パネルは角部が連結されずに雨水が浸入し易いばかりでなく端面が錆易いものとなっている。このため、使用に当っては、後処理としてシーリング作業が必要となっている。
一方、芯材として石膏ボード等の硬質な断熱材を貼り付けた金属板端部をコの字形状に折曲げて最終的に図1に示すような形状の金属板製パネル部材に仕上げたものも提案されている。そして、金属板端部を断面コの字形状に折曲げ加工する方法としてスライド曲げ加工方式も検討されている。
しかしながら、一般的な曲げ加工方式では、垂直方向のパンチによりL曲げ加工された後、水平方向のスライド曲げ型により断面コの字に形状に成形されるため、金型構造としてカム機構を用いる等、複雑で高価なものとなる。そのため、加工品の品種別に折曲げ代が変化する場合には、容易に対応できないという問題点がある。また折曲げ加工装置が大掛りとなるため、建築現場でのサイズ変更にも対応し難い。
また、建築現場では、サイズ変更に対応させるために、断熱パネルを所要サイズに切断した後、板材端部に手曲げによってコの字形状の曲げ加工を施すことも行われている。しかし、この方法の適用はアルミニウム合金板等の軟質材料に限られ、硬質の鋼板を用いた断熱パネルに適用しようとすると、形状精度が低下し、外観が悪くなる。
そこで、本発明者等は、鋼板のような硬質・高強度の金属板を素材とした金属製パネルであっても、金属板に予め貼り付けられた芯材がある場合でも、形状精度の良い断熱パネルを折曲げ加工成形するために、垂直方向に直線運動する原動部材の先端に取り付けたローラーによって、ベッド端部に一側が回動自在に軸支された従動板を上方に押圧して当該従動板をベッド端部の軸を支点に90度回転させて金属板端部をL曲げ加工した後、さらに、前記原動部材の先端に取り付けたローラーによって、従動板の他側に回動自在に軸支された立体従動板を上方に押圧し、当該立体従動板を従動板端部の軸を支点に90度回転させてL曲げ加工された金属板端部の先端をさらにL曲げ加工し、全体として原動部材の1ストロークの直線運動によって金属板端部をコの字状に折曲げ加工する方法とその方法に用いる加工用治具を特許文献2で提案した。
特開平10−121649号公報 特願2003−132686
本発明者等が提案した上記方法では、1ストロークの直線運動によって金属板端部をコの字状に折曲げ加工を行い、容易に金属板製パネルを得ることは可能である。
また、この方法では、アルミニウム合金板等の軟質材料の他に、鋼板のような硬質・高強度の金属板にあっても、外観上、外壁として問題のないパネルの成形は可能である。しかしながら、金属板製パネルを構成する表面材の金属板四辺に順次曲げ加工を施そうとするとき、量産された鋼板の材料ロット間の材料特性値のバラツキや生産面での安定化といった点から、加工後の形状精度にバラツキが生じる場合もある。
さらに、図1に示すような金属パネルMに曲げ加工する際、例えば長辺の加工後に短辺を加工すると、原板の両辺コーナー部に形成される袋部が外側に張り出して突条片部が生成し易いため、両辺の折曲げ加工後、突条片部を長辺側あるいは短辺側のいずれかの方向に折曲げる工程を付加する必要がある。付加工程を必要とするばかりでなく、前記突条片部の折曲げ部分Tが外から見える状態であるため、外観的にも好ましくない。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、鋼板のような硬質・高強度の金属板を素材とした金属製断熱パネルであっても、鋼板の材質特性のバラツキに影響されることなく、形状精度の良く、しかも外観的に優れた断熱パネルを成形できる折曲げ加工する方法を提供することを目的とする。
本発明の金属パネルの折曲げ加工方法は、その目的を達成するため、金属板の裏面側に貼り付けられた芯材を覆うように当該金属板の端部を断面コの字状に折曲げ加工する際に、垂直方向に直線運動する原動部材の先端に取り付けたローラーによって、ベッド端部に一側が回動自在に軸支された従動板を上方に押圧して当該従動板をベッド端部の軸を支点に90度回転させて金属板端部をL曲げ加工した後、さらに、前記原動部材の先端に取り付けたローラーによって、従動板の他側に回動自在に軸支された立体従動板を上方に押圧し、当該立体従動板を従動板端部の軸を支点に90度回転させてL曲げ加工された金属板端部の先端をさらにL曲げ加工し、全体として原動部材の1ストロークの直線運動によって金属板端部をコの字状に折曲げ加工した後、当該L曲げ加工された金属板端部の芯材からはみ出ている金属板側端の芯材厚み部に対応する箇所の中央部に、芯材の上下面に平行な方向で外側から先端工具を押し当てて内側に曲がった曲げ線を付与し、その後に、前記コの字状に折曲げ加工した金属板端部と直交する金属板端部に、前記と同じ原動部材の1ストロークの直線運動によってL曲げ加工を施して金属板端部をコの字状に折曲げ加工することを特徴とする。
このような折曲げ加工を行うための加工装置は、支柱1、該支柱1上に固定されたベッド2、該ベッド2の端部に一側が回動自在に軸支された従動板3、該従動板3の他側に回動自在に軸支された立体従動板4、及び先端にローラー6が取り付けられ、垂直方向に直線運動する原動部材5を有し、当該原動部材5が、前記従動板3及び立体従動板4に対して、前記原動部材5先端のローラー6が前記従動板3に当接して当該従動板3を上方に押圧するとき、当該従動板3はその1側が軸支された前記ベッド2端部に対して90度曲げられ、さらに前記原動部材5先端のローラー6が前記立体従動板4に当接して当該立体従動板4を上方に押圧するとき、当該立体従動板4をその一側が軸支された前記従動板3に対して90度曲げられるような位置関係で配置されている折曲げ加工治具と、上板11,下板12及びその間に配置されて金属パネルMを固定するとともに先端工具14を受け入れる雌型13、及び前記雌型13に嵌る先端工具14を固定したカムスライド15であって、前記上板11が下降することにより垂直運動する連結部材16の運動を水平方向に変えて運動するカムスライド15が、L曲げ加工された金属板端部の芯材からはみ出ている側端の芯材厚み部に対応する箇所の中央部に前記先端工具14が当接するような位置関係で配置されている突き曲げ金型とを備えていることを特徴とする。
L曲げ装置の支柱1には、原動部材5の垂直方向の直線運動をガイドするレール7を設けることが好ましい。
また、突き曲げ金型の金属パネルを固定する雌型の上部には、金属パネルのずれを防止するために押さえ板17を配設することが好ましい。押さえ板は、金属パネル芯材の石膏ボード等が破損しないようにスプリング18等を介して上板11に取り付けることが好ましい。さらに、同じ目的で、押さえ板の芯材当接面にはウレタンゴム等の軟質材料板を貼り付けることが好ましい。
本発明の金属板パネルの折曲げ加工方法によれば、鋼板のような硬質・高強度の金属板を素材とし、金属板に予め貼り付けられた芯材がある場合でも、形状精度の良い断熱パネルを成形することが可能になる。また、一辺にL曲げ加工を施した後にL曲げ加工された金属板端部の芯材からはみ出ている金属板側端の芯材厚み部に対応する箇所の中央部に、内側に曲がった曲げ線を付与しているので、上記L曲げ加工された金属板端部と直交する金属板端部にL曲げ加工を施す際に、精度良く曲げ加工できるばかりでなく、通常外側に張り出し易い突条片部が内側に折り込まれるため、見栄えの良い金属製断熱パネルが簡素な工程で得られる。さらに、コーナー部に隙間や孔のない箱型のものが得られるため、後処理としてシーリング等の補修作業を必要としない金属製断熱パネルとなる。
本発明金属板パネルの折曲げ加工方法を実施するに当たり、本実施の態様では、金属パネルを構成する原板にめっき鋼板を用いた。これにより、従来の普通鋼板に不足していた耐食性を確保することができた。
めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼板,アルミニウムめっき鋼板,Zn−5%Al合金めっき鋼板,Zn−55%Al合金めっき鋼板、Zn−6%Al−3%Mg等のZn−Al−Mg系合金めっき鋼板等、種々のめっき鋼板が使用できる。めっき層は、片面当たりの付着量20〜200g/m2で形成されたものが好ましい。20g/m2未満の付着量ではめっき層の防食作用が弱く、逆に200g/m2を超える付着量では経済的に不利であるばかりでなく、加工性が低下しやすくなる。
金属パネルを構成する原板には、めっき鋼板の他にステンレス鋼板や塗装鋼板、あるいはアルミニウム合金板も使用できる。塗装鋼板としては、塗装前処理が施された少なくともその片面に防錆顔料を含み乾燥膜厚で1〜20μmのプライマー層が設けられたものが好ましい。
ところで、建築用断熱パネルは、所定の幅及び長さに切断しためっき鋼板の裏面側に芯材を貼り付けた後、パネルを構成する表面材及び裏面材のうち、通常は表面材の金属板の四辺を順次断面コの字状に折曲げている。そこで、以下、表面材の金属板を断面コの字状にL曲げ成形する態様について説明する。
一般に、鋼板に曲げ加工等を施すとき、成形後の曲げ角度は、工具等の曲げ角度よりも大きくなる。いわゆるスプリングバック現象を起こして設計角度と異なった曲げ角度になることが多い。形状精度の高いフレームを得るためには、スプリングバックの小さい素材を用いることが有効である。そのためには、めっき鋼板の下地鋼板の機械的特性として、比較的降伏強さ及び引張強さが小さいもの、加工硬化指数(n値)が小さいもの、ヤング率が大きいものを使用することが好ましい。
そして、低強度材を使用することにより、曲げ荷重も低減できる。
ここで、本発明の主題である金属パネルを構成する表面材の折曲げ加工方法について、まず、使用する折曲げ加工治具の形状・構造から説明する。
本発明を構成する折曲げ加工治具は、図2に示すように、支柱1と、該支柱上に固定されたベッド2と、該ベッドの端部に一側が回動自在に軸支された従動板3と、該従動板の他側に回動自在に軸支された立体従動板4と、先端にローラー6が取り付けられ、垂直方向に直線運動する原動部材5とから構成されている。この原動部材5は支柱1に取り付けられたレール7に沿って、油圧装置等、図示していない駆動装置によって、図中では上方に直線運動されるようになっている。
そして、原動部材5が上方に押し上げられ、その先端に取り付けられたローラー6が従動板3に当接したとき、この従動板3は、ベッド2の端部に回動自在に軸支された軸を中心に、ベッド2に対して90度回転されるように配置されている。さらに、原動部材5が上方に押し上げられ、原動部材5の先端のローラー6が立体従動板4に当接したとき、この立体従動板4は、従動板3の端側に回動自在に軸支された軸を中心に、従動板3に対して90度回転されるように配置されている。
なお、原動部材5の先端に取り付けられたローラー6は、原動板5が従動板3や立体従動板4に当接し、押圧するときの摩擦や摩耗を低減するために設けたものである。
次に、金属板パネルを形作る表面材端部であって、L曲げ加工された表面材端部の芯材からはみ出ている表面材側端の芯材厚み部に対応する箇所の中央部に、内側に曲がった折曲げ線を付与する突き曲げ金型の構造を説明する。
本発明装置を構成する突き曲げ金型は、図3に示すように、上板11,下板12及びその間に配置されて金属パネルMを固定するとともに先端工具14を受け入れる雌型13、及び前記雌型13に嵌る先端工具14を固定したカムスライド15であって、前記上板11が下降することにより垂直運動する連結部材16の運動を水平方向に変えて運動するカムスライド15が、L曲げ加工された金属板端部の芯材からはみ出ている側端の芯材厚み部に対応する箇所の中央部に先端工具14が当接するような位置関係で配置されている。
なお、図3は突き曲げ金型の断面構造を表しているために、先端工具14は左右に2個配置されているように見えるが、本実施の態様では、それぞれ前後に2個ずつ合計で4個の先端工具14が配置されている。そのため、後記する突き曲げ工程を1回施すのみで、四隅に折曲げ線を付与することができる。
本発明装置を構成する突き曲げ金型としては、上記態様に限定されることなく、片方に1個の先端工具14を有するものとして4回の突き曲げ工程を実施してもよいし、片方に2個の先端工具14を有するものとし、左右に分けて2回の突き曲げ工程を実施するようにしてもよい。
金属パネルを固定する雌型13の上部には、金属パネルのずれを防止するために押さえ板17を配設することが好ましい。押さえ板17は、金属パネルの芯材である石膏ボード等が破損しないようにスプリング18等を介して上板に取り付けることが好ましい。さらに、同じ目的で、押さえ板17の芯材当接面にはウレタンゴム等の軟質材料板を貼り付けることが好ましい。
なお、上板11は別途取り付けた押圧装置(図示せず)の駆動により、下方に押し下げられて雌型13上に載置した金属パネルMを固定するように構成されている。前記上板11の下降に伴って運動する連結部材16の垂直運動はカムスライド15によって水平方向の運動に変えられて、カムスライド15に固定された先端工具14がL曲げ加工された金属板端部の芯材からはみ出ている側端の芯材厚み部に対応する箇所の中央部に当接され、当該部分に折曲げ線が形成されるように各構成部材は配設されている。
上記折曲げ加工治具を用いて、金属板パネルを構成する表面材の端部を折曲げる態様について説明する。
なお、本発明方法が適用できる金属板パネルは、石膏ボードや硬質ウレタンフォーム等、硬質の定型断熱材を使用しているものであり、石綿のように形状が定まらないものには、適用できない。
コーナーカットを含め所定サイズに裁断された金属板を表面材Aとして、その裏面に石膏ボード等、所要の芯材Bが貼り付けられた金属パネル素材を、図2に示した本発明装置の折曲げ加工治具のベッド1上に載置し、図示していない固定装置を使用して固定する。
コの字状に曲げる折曲げ加工治具では、まず、原動部材5を、図示していない駆動装置の作動によりレール7に沿って上方に移動させ、原動部材5の先端のローラー6を従動板3に押し当てる(図4(a)参照)。さらに原動部材5を上方に移動させ、従動板3を押圧してこの従動板3を、ベッド2に取り付けた軸を中心に回転させる。従動板3がベッド面に対して90度の回転を終了した時点で、表面材Aの端部はベッド面に対して90度、すなわち金属パネルMの表面に対してL字状に曲げられている(図4(b)参照)。
さらに、原動部材5を上方に移動させ、原動部材5の先端のローラー6を立体従動板4に押し当て、立体従動板4を上方に押圧して、立体従動板4を従動板3の端側の軸を支点に従動板3に対して回転させる。立体従動板4が従動板3に対して90度曲げられたとき、L曲げ加工された表面材Aの端部の先端はさらにL曲げ加工され、表面材Aの端部は、全体として芯材Bを覆うように断面コの字状に折曲げ加工される(図4(c)参照)。
原動部材5の1ストロークの直線運動によって、表面材Aの端部をコの字状に折曲げ加工することができることになる。
金属パネルを構成する表面材Aの平行な反対側の端部についても、上記折曲げ加工を同様に施こす。この段階では、外観的には図6(a)に示す形状となっている。
上記態様で、金属パネルを構成する表面材Aの平行な二辺に断面コの字状の折曲げ加工を施した後、曲げ加工された表面材の側端部に折曲げ線付与を行うために、折曲げ加工が施された金属パネルを、図3に示す突き曲げ金型上に搬送する。
突き曲げ金型上に載置された金属パネルMは、図示されていない押圧装置の駆動により下方に押し下げられた上板11と雌型13の間で固定される。前記上板11の下降に伴って下方に移動する連結部材16の上下運動はカムスライド15によって水平方向の運動に変えられて、カムスライド15に固定された先端工具14が図3中の内側方向に移動させられ、L曲げ加工された表面材A端部の芯材Bからはみ出ている側端の芯材厚み部に対応する箇所の中央部に突き当てられて当該部分に折曲げ線Fが形成される(図5、図6(b)参照)。
折曲げ線Fが付与された金属パネルMは、再び折曲げ加工治具上に搬送し、前記のL曲げ加工を行った方向とは90度違えて載置固定し、次の2辺に断面コの字状のL曲げ加工を施す。後段の二辺をL曲げ加工する際、前段で曲げ加工が施された表面材側端部に予め折曲げ線Fの付与が行われているので、各コーナー部に形成される突条片部Tは内側に折り込まれる(図6(c)参照)。見栄えの良い金属パネルが得られることになる。
なお、本発明の金属パネルの折曲げ加工方法は、裏面側の側端部にLアングル等の補強材を配設した強化金属パネルの表面材を折曲げ加工する際にも使用できることは言うまでもない。
上記したように、金属パネルはベッド上に載置・固定された状態で各辺に折曲げ加工が施されるので、各種サイズの金属パネルに対応できる。すなわち定型寸法の金属パネルのみではなく、長辺あるいは短辺のサイズが異なった役物でも、当該金属パネルをベッド上で固定できれば、寸法に関係なく何れの辺の折曲げ加工も可能である。
そして、上記のような作業により、精度の良い製品形状の金属パネルが容易に成形できる。この金属パネルは、必要に応じて、製品仕様が塗装外観の場合にはその表面に塗装が施され、あるいはタイル外観の場合にはその表面に接着剤を利用したタイル貼付が施されて、実際の建築物の外壁材等として使用される。
本発明装置の折曲げ加工治具と突き曲げ金型を用い、実際に金属パネルのコーナー部に折曲げ線を付与した後、表面材端部に折曲げ加工を施した例を説明する。
金属板として、溶融55%Al−Zn合金めっき鋼板を使用した。パネルの表面材には、板厚0.2mmの205mm×545mmの切板を用い、四隅を30mm×30mmでコーナーカットした。裏面材には、同じ厚さで158mm×500mmの切板を用いた。芯材には、12.5mm厚×150mm×500mmの石膏ボードを用い、石膏ボードの表裏面に各々の鋼板を接着剤にて貼り付けた。
まず、石膏ボードの表裏面に各々の鋼板を貼り付けた上記金属パネル素材の、金属パネルMの表面材Aの長辺となる二辺に、本発明装置の折曲げ加工治具を用いて断面コの字状のL曲げ加工を施した。
次に、長辺側の二辺にL曲げ加工が施された半加工品を本発明装置の突き曲げ金型上に搬送し、上板11を下降させて前記半加工品を固定するとともに、カムスライド機構の作用により互いに内側に向けて水平移動する先端工具を表面材側端部に突き当てて、得られる金属パネルのコーナー部の表面材端部に内側に曲がった折曲げ線を付与した。
その後、折曲げ線が付された半加工品の表面材短辺側の二辺に、再び、本発明装置の折曲げ加工治具を用いて断面コの字状のL曲げ加工を施した。
本実施例1では、本発明の突き曲げ金型によって折曲げ線を付与したときの、各突き曲げ角度と折曲げ加工後の加工精度について、検討・評価した。なお、突き曲げ角度の測定は、図5に示す位置で汎用の角度計を用いて行った。
その結果、図5でθとして示す突き曲げ角度が120度以下では、図7(a)に示すように、折曲げ加工後に金属パネルの隅部に“膨れ”が生じていた。突き曲げ角度θが120〜130度の範囲では、図7(b)に示すように、金属パネルは折曲げ加工後に各面が奇麗に曲げられていた。しかしながら、突き曲げ角度θが130度を超えるようになると、図8に見られるように、折曲げ加工後に金属パネルの隅部が次第に“開く”ような現象が認められた。突き曲げ角度θが130〜145度の範囲では、上記“開き”は図8(a)のようにまだ小さいが、突き曲げ角度θが145度を超えると、折曲げ加工後に金属パネルの隅部に座屈が生じて、図8(b)のように大きくなっている。
本実施例1ではまた、本発明の加工法によって折曲げ線付与を採用して折曲げ加工を施した金属パネルと、折曲げ線付与を採用しない従来の折曲げ加工を施した金属パネルの形状を比較・検討した。
金属パネル表面の角度θ1とコーナーR1、ならびに裏面の角度θ2とコーナーR2の測定を行った。形状測定位置を図9に示す。
その結果、表面角度θ1は、従来の加工法では91度から96度の範囲であったが、本発明の加工法を適用したものでは、89度から93度と90度に近い形状が得られた(図10(a)参照)。また、裏面角度θ2は、従来の加工法では88度から98度とバラツキの範囲が大きく、所定の製品形状を得ることができなかったのに対して、本発明の加工法を適用したものでは、89度から94度とバラツキの範囲が狭く、安定して90度に近い形状の金属パネルを得ることが可能であった(図10(a)参照)。
表面コーナーR1は、従来の加工法では0.7mmから1.9mmであったが、本発明を適用した方法では1.3mmから1.4mmとバラツキを極力抑えることが可能となった(図10(b)参照)。また、裏面コーナーR2は、従来の加工法では1.3mmから2.4mmであったが、本発明を適用した方法では1.4mmから1.6mmであった。
これにより、本発明の突き曲げ金型を使用して曲げ線を付与した後に折曲げ加工を適用した方法では、金属パネルの表・裏面のコーナーRとも小R化が可能であった(図10(b)参照)。
従来法にしたがって製造された金属パネルの斜視図 本発明折曲げ加工用治具の構造を説明する斜視図 本発明突き曲げ金型の構造を説明する断面図 本発明法にしたがって金属パネルの表面材を折曲げる手順を説明する図 折曲げ線の付与位置及びその角度を説明する図 折曲げ線付与により突条片部が内側に折り込まれる態様を説明する図 表面材が折曲げられた金属パネルの形状精度を説明する図 表面材が折曲げられた金属パネルの形状不良を説明する図 金属パネル形状精度の測定位置を示す断面図 従来の曲げ加工品と本発明にしたがって曲げ加工された製品の形状精度を比較したグラフ、(a)表裏面の角度,(b)裏面のコーナーR
符号の説明
A:表面材 B:芯材 C:裏面材 M:金属パネル F:折曲げ線 1:支柱 2:ベッド 3:従動板 4:立体従動板
5:原動部材 6:ローラー 7:レール
11:11 12:下板 13:雌型 14:先端工具
15:カムスライド 16:連結部材 17:押さえ板 18:スプリング

Claims (4)

  1. 金属板の裏面側に貼り付けられた芯材を覆うように当該金属板の端部を断面コの字状に折曲げ加工する際に、垂直方向に直線運動する原動部材の先端に取り付けたローラーによって、ベッド端部に一側が回動自在に軸支された従動板を上方に押圧して当該従動板をベッド端部の軸を支点に90度回転させて金属板端部をL曲げ加工した後、さらに、前記原動部材の先端に取り付けたローラーによって、従動板の他側に回動自在に軸支された立体従動板を上方に押圧し、当該立体従動板を従動板端部の軸を支点に90度回転させてL曲げ加工された金属板端部の先端をさらにL曲げ加工し、全体として原動部材の1ストロークの直線運動によって金属板端部をコの字状に折曲げ加工した後、当該L曲げ加工された金属板端部の芯材からはみ出ている金属板側端の芯材厚み部に対応する箇所の中央部に、芯材の上下面に平行な方向で外側から先端工具を押し当てて内側に曲がった曲げ線を付与し、その後に、前記コの字状に折曲げ加工した金属板端部と直交する金属板端部に、前記と同じ原動部材の1ストロークの直線運動によってL曲げ加工を施して金属板端部をコの字状に折曲げ加工することを特徴とする金属板パネルの折曲げ加工方法。
  2. 支柱、該支柱上に固定されたベッド、該ベッドの端部に一側が回動自在に軸支された従動板、該従動板の他側に回動自在に軸支された立体従動板、及び先端にローラーが取り付けられ、垂直方向に直線運動する原動部材を有し、当該原動部材が、前記従動板及び立体従動板に対して、前記原動部材先端のローラーが前記従動板に当接して当該従動板を上方に押圧するとき、当該従動板はその1側が軸支された前記ベッド端部に対して90度曲げられ、さらに前記原動部材先端のローラーが前記立体従動板に当接して当該立体従動板を上方に押圧するとき、当該立体従動板をその一側が軸支された前記従動板に対して90度曲げられるような位置関係で配置されている折曲げ加工治具と、上板,下板及びその間に配置されて金属パネルを固定するとともに先端工具を受け入れる雌型、及び前記雌型に嵌る先端工具を固定したカムスライドであって、前記上板が下降することにより垂直運動する連結部材の運動を水平方向に変えて運動するカムスライドが、L曲げ加工された金属板端部の芯材からはみ出ている側端の芯材厚み部に対応する箇所の中央部に前記先端工具が当接するような位置関係で配置されている突き曲げ金型とを備えていることを特徴とする金属板パネルの折曲げ加工用装置。
  3. 突き曲げ金型の雌型の上部に、押さえ板がスプリングを介して上板に連結されている請求項2に記載の金属板パネルの折曲げ加工用装置。
  4. 押さえ板の金属パネル当接面に軟質材料板が貼り付けられている請求項3に記載の金属板パネルの折曲げ加工用治具。
JP2004128535A 2004-04-23 2004-04-23 金属パネルの折曲げ加工方法及び折曲げ加工用装置 Expired - Lifetime JP4318214B2 (ja)

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