JP4318180B2 - タンパク質の飽和標識用の試薬及び方法 - Google Patents

タンパク質の飽和標識用の試薬及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、蛍光染料並びにディファレンシャルタンパク質分析が可能となる複合タンパク質試料の標識方法に関する。
二次元ディファレンスゲル電気泳動(DIGE)では、二次元(2D)電気泳動分離の前に、タンパク質試料を標識するためスペクトル分割された整合蛍光染料が用いられる(Minden,J. et al, Electrophoresis,(1997),18,2071)。この蛍光多重化法は、従来の二次元電気泳動の多くの問題を解決する。タンパク質試料の蛍光プレラベリングによって、複数の試料を同一ゲルで流すことができ、蛍光イメージをオーバーレイすることによって試料間の量的な差を容易に同定することができる。蛍光多重化するには、複数のタンパク質試料を染料で同等に標識しなければならず、量的な差が検出できるように標識タンパク質のゲル中での移動が位置的に整合していなければならない。
国際公開第96/33406号(Minden.J.et al)には、二次元電気泳動の前に、スペクトル分割された整合蛍光染料を試料中のタンパク質の標識に用いて、異なる細胞試料間の差を検出する方法が開示されている。記載された染料は、移動度が同じになるように分子量及び電荷の整合した染料群である。この方法では、N−ヒドロキシスクシンイミジル(NHS)エステル反応性基を有するシアニン染料を用いてアミン類を標識する。NHSエステル基は、タンパク質中のリジン残基のε−アミノを標的とし、共有結合による標識がなされる。3種類の異なる染料(Cy2(商標)、Cy3及びCy5)を誘導体化して多重化を可能とする。これらの染料分子は約500ダルトンの分子量を有しており、標識タンパク質移動度が同じになるように質量が整合している。染料のリジンへの染料の結合によるリジンの正電荷の喪失を補うため、染料はシアニン蛍光団に固有の電荷に依拠する。国際公開第96/33406号には、結合可能な部位の1〜2%を標識するという最小標識法で染料を使用することが記載されている。移動度を揃えるため、シアニンのインドール環同士の間のリンカー長の差を、インドール窒素に結合した脂肪族鎖の鎖長を2炭素単位ずつ調整して補うことによって、染料ペアの質量を整合せしめている。こうした基準を満足する2種以上のスペクトル分割染料が、最小標識用の整合染料セットとなる。プロピルCy3及びメチルCy5を用いてタンパク質を標識し、次いで二次元分離してイメージをオーバーレイすると2つの標識試料の位置が整合することから、リジンの最小標識用整合染料セットの移動度が等しいことが実証されている。
リジン残基はタンパク質に極めて豊富に存在しており、この標識法で複合試料中に存在するすべてのタンパク質が標識される。しかし、タンパク質の典型的なリジン含有量は7%であり、タンパク質中のすべてのリジンが標識されると、染料による多大な質量シフトを生じるはずである。そのため、採用された方針は、5つのタンパク質分子のうちほぼ1分子だけが標識され、もって各標識分子当たりの結合染料が1つだけとなる統計的確率が得られるように、タンパク質を「最小」標識するというものである。これによって、銀染色イメージと酷似した二次元スポットパターンが得られるが、感度とダイナミックレンジが高く、多重化が可能となる。
国際公開第96/33406号パンフレット Minden,J. et al, Electrophoresis,(1997),18,2071
典型的な二次元ゲル分析では、MALDI−MSによる同定のためゲルから所定のタンパク質スポットを「採取」する。最小標識法では、タンパク質当たり2通りのスポット(つまり、標識スポットと非標識スポット)が生じ、タンパク質の大部分は非標識スポットにある。非標識スポットは、MALDI−MSでの同定が可能となる十分なタンパク質が回収できる位置になければならない。これには、スポットの採取前に、追加の染色工程が必要とされる。蛍光ゲルからタンパク質スポットを直接採取できるようにするため、1種類のタンパク質につき単一のスポットを与える標識法が必要とされる。
本用いる標識法は、できるだけ多くの標的残基を標識するためタンパク質を染料で飽和させること、及びタンパク質イソフォーム当たり単一の標識スポットを得ることを目的とする。したがって、シアニン染料分子はタンパク質の利用可能な標的アミノ酸残基すべてと結合し、結合染料分子の数がほぼ同じ標識タンパク質分子の単一集団が得られる。本発明では、チオール基を含むシステイン残基を標的とした染料セットを用して、飽和標識を成し遂げる。システイン残基は95%のタンパク質に存在しているが、各タンパク質中のシステイン残基の数はリジンよりも少ない。このことは、すべてのタンパク質分子を標識できるが、各タンパク質分子は、リジン残基を飽和標識したときよりも標識残基の数が少ないことを意味する。そのため、標識タンパク質の割合が最小標識法よりも高いので検出感度は増大するが、タンパク質は可溶性のままとなる。
システイン残基の飽和標識法での染料の付加による質量の増大(質量シフト)は、リジン残基の最小標識法を採用した場合よりも大きくなる。ただし、質量の増大はリジン残基に飽和標識法を用いた場合よりは少ない。染料の付加による質量シフトの程度は、個々のタンパク質システイン含有量(典型的には約2%)及び標識反応条件下での染料に対するシステイン残基の利用可能性に応じてタンパク質毎に異なるはずである。そのため、得られる二次元スポットパターンは、公表された銀染色二次元タンパク質マップとは非常に異なるものとなる。
そこで、本発明は、システイン含有タンパク質の混合物中で接近可能な、利用可能なシステインすべてを再現性よく標識するための蛍光試薬及び方法を提供する。本発明のシアニン染料誘導体は、有用な蛍光標識のセットを提供するが、各々は共通のコア構造を有していて多重化分析に特に有用である。
したがって、第一の態様では、本発明は、式(I)及びそれらの塩の2種以上の異なる蛍光染料を含んでなる蛍光染料の整合セットを提供する。
Figure 0004318180
式中、nは1、2又は3であって上記染料の各々で異なり、
及びZは独立にフェニル又はナフチル環系を完成するのに必要な炭素原子群を表し、
及びR基の一方は次式の基であり
Figure 0004318180
(式中、Yは標的結合基である。)、
残りのR又はR基は、−(CH−W又は−(CH−Hから選択され、
基は、R又はRのいずれかが−(CH−Hである場合(この場合RはWである。)を除いて、水素であり、
Wはスルホン酸及びスルホネートから選択され、
pは3〜6の整数であり、
qは2又は3となるように選択され、
rは1〜5の整数であり、
上記染料の2種類のnが+1だけ異なる場合にはその2種類の染料のp、q及びrの1つは−1だけ異なることを特徴とする。
本発明では、蛍光染料の整合セットであって、セットの各染料がタンパク質に共有結合することができ、セットの染料の1つで標識したタンパク質の電気泳動での相対的移動度が、同一セットの異なる染料で標識した同一タンパク質の電気泳動での移動度と同一又は実質的に同一になるように互いに整合した分子構造及び電荷を染料の各々が有するものが提供される。第1の態様の一実施形態では、染料の整合セットは2種以上の異なる蛍光染料を含み、当該セット中の各染料は、式(I)の化合物であって、式中、Z、Z、R、R、R、Y、W、n、p、q及びrは上述の定義の通りである。好適には、蛍光染料の整合セット中の異なる染料はスペクトルが分かれており、かかる染料で標識された異なる試料を互いに識別することができる。好適には、染料の整合セットの2種以上の染料は、式(I)の構造を有しており、トリメチンシアニン染料クラス(n=1)、ペンタメチンシアニン染料クラス(n=2)及びヘプタメチンシアニン染料類(n=3)から選択し得る。
好適には、本発明の蛍光染料の整合セットは、式(II)及びそれらの塩の2種以上の異なる蛍光染料を含む。
Figure 0004318180
式中、nは1、2又は3であって上記染料の各々で異なり、
及びR基の一方は次式の基であり
Figure 0004318180
(式中、Yは標的結合基である。)、
残りのR又はR基は、−(CH−W又は−(CH−Hから選択され、
基は、R又はRのいずれかが−(CH−Hである場合(この場合RはWである。)を除いて、水素であり、
Wはスルホン酸及びスルホネートから選択され、
pは3〜6の整数であり、
qは2又は3となるように選択され、
rは1〜5の整数であり、
上記染料の2種類のnが+1だけ異なる場合にはその2種類の染料のp、q及びrの1つは−1だけ異なることを特徴とする。
好ましくは、蛍光染料の整合セットは、式(I)又は(II)の2種以上の異なる染料であって、式中、
nは1又は2となるように選択され、
pは4又は5となるように選択され、
qは2又は3となるように選択され、
rは1、2又は3となるように選択されるものを含む。
好ましくは、蛍光染料の整合セットの各染料中の標的結合基Yは同一であり、マレイミド基及びヨードアセトアミド基から選択される。各染料について特に好ましい標的結合基はマレイミド基である。
特に好ましいのは、トリメチンシアニン系の染料及びペンタメチンシアニン系の染料から選択される式(I)又は(II)の染料セットである。かかる染料は、Cy3(商標)及びCy5染料と呼ばれる。シアニン染料に対する吸収及び発光データを、以下の表1に示す。
Figure 0004318180
好適には、式(I)又は(II)の蛍光染料の塩は、K、Na、NH 、RNH及びR(式中、RはC〜Cアルキルである。)から選択し得る.
代替的な実施形態では、染料の整合セットは1以上の追加の染料を適宜含んでいてもよいが、かかる追加の染料の各々が、当該染料で標識したタンパク質の電気泳動での移動度が、式(I)又は(II)の染料で標識したタンパク質の電気泳動での移動度と同一又は実質的に同一になる電荷及び質量特性を有していることを条件とする。かかる追加の染料としては、ベンゾオキサゾール含有染料が挙げられる。追加の染料の例はCy2である。
タンパク質と結合したときの電気泳動での移動度が整合した式(I)又は(II)の蛍光染料のペアを含む代表的なセットは以下の通りである。
セット1
1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−2−[(1E,3E)−3−(1−エチル−3,3−ジメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)プロプ−1−エニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウム(化合物I)と、
1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−3,3−ジメチル−2−[(1E,3E,5E)−5−(1,3,3−トリメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)ペンタ−1,3−ジエニル]−3H−インドリウム(化合物II)。
セット2
1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−2−[(1E,3E)−3−(1−プロピル−3,3−ジメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)プロプ−1−エニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウム(化合物III)と、
1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−3,3−ジメチル−2−[(1E,3E,5E)−5−(1−エチル−3,3−トリメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)ペンタ−1,3−ジエニル]−3H−インドリウム(化合物IV)。
セット3
1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−2−[(1E,3E)−3−(1−エチル−3,3−ジメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)プロプ−1−エニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウム(化合物I)と、
1−(5−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソペンチル)−3,3−ジメチル−2−[(1E,3E,5E)−5−(1−エチル−3,3−トリメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)ペンタ−1,3−ジエニル]−3H−インドリウム(化合物V)。
セット4
1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−2−[(1E,3E)−3−(3,3−ジメチル(1−スルホ−ブチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)プロプ−1−エニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウム(化合物VI)と、
1−(5−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソペンチル)−3,3−ジメチル−2−[(1E,3E,5E)−5−(3,3−ジメチル−(1−スルホ−ブチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)ペンタ−1,3−ジエニル]−3H−インドリウム(化合物VII)。
セット5
1−(6−{[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロピル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−2−[(1E,3E)−3−(1−エチル−3,3−ジメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)プロプ−1−エニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウム(化合物VIII)と、
1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−3,3−ジメチル−2−[(1E,3E,5E)−5−(1−エチル−3,3−トリメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)ペンタ−1,3−ジエニル]−3H−インドリウム(化合物IV)。
セット6
1−(6−{[3−(2−5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロピル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−2−[(1E,3E)−3−(3,3−ジメチル(1−スルホ−ブチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)プロプ−1−エニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウム(化合物IX)と、
1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−3,3−ジメチル−2−[(1E,3E,5E)−5−(3,3−ジメチル−(1−スルホ−ブチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)ペンタ−1,3−ジエニル]−3H−インドリウム(化合物X)。
したがって本発明は、使用した条件下、システイン含有タンパク質の混合物中で接近可能なシステイン残基のすべてを再現性よく標識するための試薬の整合セットを提供する。染料が結合するチオール基の中性電荷と釣り合わせるために、全体として中性電荷を備えた染料セットを使用して、pI次元での同等の移動度を得る。中性シアニン染料は、染料構造に共有結合したスルホン酸又はスルホネート基の置換基によって得ることができる。さらには、同等の質量移動は単に染料セットの分子量の適合化によって成し遂げらるものではなく、かかる染料で標識したタンパク質の位置的整合を成し遂げるために染料の全体としてのサイズ及び質量の注意深い操作を必要とすることが判明した。システイン飽和標識法を用いて移動度を同等にするには、式(I)の整合染料の各々の質量が1炭素単位だけ異なる染料セットが必要とされる。染料セットは、染料発色団に結合した各種置換基を変えることによって得ることができる。これらの基準を満足する2以上のスペクトル分割染料が、整合飽和染料セットを表す。
本発明はまた、タンパク質中の利用可能な標的アミノ酸残基すべてを標識し、それによって、標識タンパク質分子の単一集団が本質的に得られるように、蛍光染料でタンパク質を飽和標識する方法も提供するものである。好適には、標的アミノ酸はシステイン残基である。「利用可能」という用語は、アミノ酸残基が反応のために蛍光染料に接近可能であることをいう。利用可能なシステイン残基は接近可能で還元(すなわち、遊離チオール)型でなければならない。
したがって、第二の態様では、試料中のタンパク質の混合物を標識する方法であって、タンパク質の各々が1以上のシステイン残基を含んでおり、当該方法が、
i)試料を含む水性液体に、タンパク質と共有結合で反応し得る標的結合基を有する蛍光染料を添加し、
ii)染料をタンパク質と反応させてタンパク質を染料で標識する
ことを含み、タンパク質中の利用可能なシステイン残基すべてを染料で標識することを特徴とする方法が提供される。
好ましくは、第二の態様の方法にかかる蛍光染料はシアニン染料である。本方法で使用されるのに特に好ましいシアニン染料は、スルホン酸又はスルホネート基を含むもの、例えば、式(I)の染料である。
好ましくは、標的結合基はマレイミド基及びヨードアセトアミド基から選択される。
第二の態様に係る好ましい実施形態では、この方法はさらに、工程i)の前に、タンパク質を還元剤で処理する工程を含む。
好ましくは、シアニン染料はタンパク質50μg当たり染料の5〜200nmolの範囲で使用される。
好ましくは、第二の態様に係る試料中のタンパク質の混合物を標識する方法は、pH6.0〜9.0で実施される。
本発明はまた、式(I)の染料を使用して、試料(好適にはタンパク質試料)を標識し、蛍光特性を付与する方法も提供する。したがって、第三の態様では、試料中の1種以上のタンパク質を標識する方法であって、当該方法が、
i)該1種以上のタンパク質を含む液体試料に、次の式(I):
Figure 0004318180
(式中、nは1、2又は3であって上記染料の各々で異なり、
及びZは独立にフェニル又はナフチル環系を完成するのに必要な炭素原子群を表し、
及びR基の一方は次式の基であり
Figure 0004318180
(式中、Yは標的結合基である。)、
残りのR又はR基は、−(CH−W又は−(CH−Hから選択され、
基は、R又はRのいずれかが−(CH−Hである場合(この場合RはWである。)を除いて、水素であり、
Wはスルホン酸及びスルホネートから選択され、
pは3〜6の整数であり、
qは2又は3となるように選択され、
rは1〜5の整数である。)及びそれらの塩の蛍光染料であって、染料の2種類のnが+1だけ異なる場合にはその2種類の染料のp、q及びrの1つは−1だけ異なることを特徴とするものを添加し、
ii)1種以上のタンパク質の標識化に適した条件下で、染料を試料と共にインキュベートすることを含む方法が提供される。
好ましくは、Z及びZの各々は、フェニル環系を完成するのに必要な炭素原子群を表す。
好ましくは、第三の態様に係る方法は、式(I)の蛍光染料であって、式中、
nは1又は2となるように選択され、
pは4又は5となるように選択され、
qは2又は3となるように選択され、
rは1、2又は3となるように選択されるものを用いる。
好ましくは、標的結合基Yは、マレイミド基及びヨードアセトアミド基から選択される。
タンパク質中のシステイン残基の飽和標識法を実施するには、以下に挙げる数多くの反応パラメータを考慮しなければならない。
i)タンパク質チオール基の接近可能性
未変性の折りたたまれたタンパク質では、多くのシステイン残基がジスルフィド結合形成によってタンパク質の二次構造の中に包含されており、分子の核内に埋め込まれていることもある。これらの残基を標識するためには、染料が接近可能となるようにすべく、尿素などのタンパク質変性剤を使用してタンパク質がほどかれねばならず、それらは遊離チオールを作り出すように還元されていなければならない。タンパク質の効率的な還元を可能とするには、還元剤の選択が重要である。一般に使用されれるチオール含有タンパク質還元剤は、ジチオスレイトール(DTT)及びβ−メルカプトエタノールである。好適なホスフィン還元剤としては、 トリブチルホスフィン(TBP)及びトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)が挙げられる。水素化ホウ素ナトリウムを使用してもよい。TCEPは効率的な還元をもたらす好ましい還元剤であるものの、染料との反応を低く抑えてしまう。
還元の効率は、還元剤の濃度(タンパク質試料のシステイン含有量に比例)、反応の温度(タンパク質変性に影響を及ぼす)及び反応の所要時間による影響を受ける。還元剤がビーズ上に固定化されると、効率に影響し得る。特定の試料のタイプに対する至適な還元剤濃度は、使用した還元剤と試料のシステイン含有量によって変化するであろう。しかし、(平均システイン含有量を2%と仮定すると)50μgのタンパク質は還元のために概して10nmolのTCEPを必要とする。システイン含有量がより高い哺乳動物由来の試料の場合であれば、概して20nmolのTCEPが使用される。至適な標識をもたらすには、1nmolのTCEPに対して2nmolの染料の比率を保つことも重要である。
これらの因子の至適な組合せは、個々のタンパク質構造及びシステイン含有量によって変化する。還元温度が高いと、タンパク質の変性が増大する結果標識が高められることとなり、したがってシステインの接近可能性が高められる。しかし、高温はタンパク質に悪影響を及ぼしかねない。尿素はカルバミレートとの平衡状態をもって存在しているが、高温(一般的に>40℃)では、かかる平衡状態はカルバミレートの方に偏ったものになる。カルバミレートは尿素よりも化学的に反応性の高い種であり、一級アミン(例えば、リジンのN−末端アミノ基及びε−アミノ基)を攻撃して、人工的な電荷の不均一性及び二次元ゲル上での電荷列の発生をもたらすことができる。尿素の存在下、37℃でのシステイン残基の飽和標識では、カルバミル化効果を呈しない。
ii)染料濃度
シアニン染料の疎水的な性質には、溶解性を助けるために有機溶媒(例えば、10%DMF)の使用が必要である。標識が完遂するように利用可能な標的残基の飽和を成し遂げるには、染料の溶解性を維持しながら、標識のために高濃度の染料を使用することが必要である。シアニン染料に対してスルホネート基を使用することが、高い染料濃度で溶解性を維持するのに役立つ。特定の試料タイプに対する標識反応における至適な染料濃度は、試料のシステイン含有量、及び試料中に標識を妨害するかもしれないその他の成分が何かあるかどうかによって変化するであろう。しかし、飽和標識を成し遂げるのに、染料は常に少なくともチオール含有量を越えて存在するべきであり、至適な飽和標識を生じさせるのに1nmol対TCEPと2nmolの染料の比率を維持することも重要である。染料を過剰に使用することは、概して、50μgのタンパク質試料当たり5〜200nmolの範囲の染料を必要とするはずである。しかし、50μgのタンパク質は、標識反応のために概して(平均システイン含有量を2%と仮定すると)20nmolの染料を必要とする。より高いシステイン含有量を有する哺乳動物試料に対しては、概して40nmolの染料が使用される。しかし、試料中の他の成分も染料と反応し得る。例えば、肝臓試料はストレス/毒性物質に呼応して上昇したレベルのトリペプチドグルタチオンを含んでいるかもしれない。その結果、標識効率を維持するため、染料濃度を高めることが必要となることもある。高められたレベルのアルブミンを含有する血清試料で、システイン含有量の高いタンパク質の非常に富んだものでもやはり、染料濃度を増大させる必要があるかもしれない。
iii)標識反応のpH
システイン残基は強力な求核試薬であり、ヨードアセトアミド及びマレイミド反応性基を有する試薬を用いて、タンパク質中で標識できる。特に好ましい反応性基は、マレイミド基である。チオール基のpKaは、その反応性を決定するのに重要なものである。対応するpHを越えると、チオレート(S)型がプロトン化SH種に置き換わるにつれてその求核性は著しく増大する。単離システイン分子において、チオール基は約8.6のpKaを有しているがタンパク質内のチオールの微小環境もpKaに影響し得る。チオール基のマレイミドとの反応の速度は、チオレートアニオンの濃度の増加に起因してアルカリ性pHで増大する。アルカリ性条件下では、マレイミドからマレインアミド酸への加水分解は顕著な副反応となり、リジン及びヒスチジンなどのその他の官能基との反応の競合がさらに顕著になる。
リジンのε−アミノ基は、タンパク質中で9.0〜9.5のpKaを持つ典型的なアミンとしてふるまう。さらに低いpH、例えば、pH6.5では、アミン基の大部分が主として、プロトン化された非反応性のNH 型になっており、マレイミド基との反応はチオールとの反応より約1000倍遅くなる。末端アミン基は、関係するアミノ酸によって7.5〜8のpKa値を有する。末端アミンは、リジンの場合よりも低いpHで、プロトン化されていない(反応性の)型で存在するはずである。したがって、アミンとのマレイミド基の反応は、チオール基との反応よりも高いpHを必要とするのである。その結果、マレイミドでのチオール基の標識は低pHでより選択的になると共に、リジン残基を標識する潜在性はより低くなる。したがって、反応のpHもまた、飽和標識を成し遂げる上で、及びチオール基の特異的標識のために重要な因子である。好ましくは、例えば式(I)の蛍光染料を用いた飽和標識は、pH6.0〜9.0、最も好ましくは8.0のpHで実施されるが、これは反応性チオレートの存在と反応性アミンの存在との間の妥協点なのである。
比較のためのタンパク質試料は、種(例えば、ヒト、齧歯類、サル)について認識されるあらゆる供給源、組織供給源(例えば、脳、肝臓、肺、心臓、腎臓、皮膚、筋肉)及び細胞タイプ(例えば、上皮性、内皮性)に由来するすべての正常及び形質転換細胞を含めた、様々な細胞供給源から由来するものであってよい。多様な細胞タイプの培養のために利用可能な、確立されたプロトコルがある。(例えば、Freshney, R.I., Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique, 2nd Edition, Alan R.Liss Inc. 1987参照。)。本発明は、無傷の植物又は培養植物細胞を使用して植物からの試料を比較するのにも使用できる。さらに、本発明の方法において使用する試料は、組換え遺伝子でトランスフェクトした培養細胞、外部刺激(熱ショック又は薬物処理など)を受けた細胞又は他の生物学的流体(脳脊髄液又は血清)から由来するものであってもよい。本発明はまた、例えば低分子量タンパク質又はpI範囲などの特定の画分、核タンパク質などの細胞下区画を単離することにより、標識の前に、細胞中に存在するタンパク質のサブセットを標的にするのに使用できる。
当業者であれば、タンパク質試料は様々な方法及び抽出試薬を使用してかかる試料から抽出できることを認識するであろう。組織/培養物からの細胞は一般的に、例えばホモジナイズ、超音波処理、細胞溶解によって破壊され、尿素、チオ尿素などの変性試薬、SDS、CHAPS、Triton X−100、NP−40などの界面活性剤、ジチオスレイトール(DTT)、メルカプトエタノールなどの還元剤、及びTris、HEPESなどの緩衝液を含めた試薬の存在下にタンパク質が抽出及び可溶化されている。内在性プロテアーゼによる分解を最小限に抑えるため、フッ化フェニルメタンスルホニル(PMSF)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ロイペプチン、アプロチニンなどのプロテアーゼインヒビターを添加してもよい。
蛍光染料の整合セット及び標識方法は、例えばMinden, J. et al (Electrophoresis, (1997), 18, 2071)に記載の方法にしたがって、2種以上の異なるタンパク質試料のタンパク質含有量の差を検出するために使用できる。その方法の代表的な例において、タンパク質は上述の通り公知の方法によって2つの異なる試料の各々から抽出され、タンパク質濃度が測定される。各タンパク質抽出物の50μgのアリコートに10nmolのTCEP(トリス−(2−カルボキシエチル)ホスフィン)を添加し、これを37℃で1時間インキュベートする。これらの還元タンパク質試料の各々に20nmolの染料を添加して、37℃で30分間インキュベートする。第1のタンパク質試料は、染料の整合セットの第一染料(例えば、Cy3)で標識され、第二のタンパク質試料はその染料の整合セットの第二の染料(例えば、Cy5)で標識される。反応は、DTTを含有する試料緩衝液の添加によって停止される。標識タンパク質試料を混ぜ合わせて、分離用の単一試料を得る。この試料を電気泳動で、好ましくは二次元PAGEによって分離する。電気泳動による分離の手順は、当業者にはよく知られているものである。
本発明の第四の態様では、式(I)及びそれらの塩の2種以上の異なる蛍光染料を含む蛍光染料の整合セットを含んでなるキットが提供される。
Figure 0004318180
式中、nは下記染料の各々について異なっており、1、2又は3であり、
及びZは独立にフェニル又はナフチル環系を完成するのに必要な炭素原子群を表し、
及びR基の一方は次式の基であり
Figure 0004318180
(式中、Yは標的結合基である。)、
残りのR又はR基は、−(CH−W又は−(CH−Hから選択され、
基は、R又はRのいずれかが−(CH−Hである場合(この場合RはWである。)を除いて、水素であり、
Wはスルホン酸及びスルホネートから選択され、
pは3〜6の整数であり、
qは2又は3となるように選択され、
rは1〜5の整数であり、
上記染料の2種類のnが+1だけ異なる場合にはその2種類の染料のp、q及びrの1つは−1だけ異なることを特徴とする。
本発明はさらに、以下の実施例及び図面を参照することによって例証される。
図1は、二次元電気泳動でシステイン反応性染料を使用したタンパク質試料のディファレンシャル分析のための典型的なワークフローである。2つの異なるタンパク質試料が細胞、組織又は他の生物学的流体から調製される。第一及び第二のタンパク質試料は、タンパク質含有量を比較することが望まれる、例えば正常と疾患組織由来又は対照に対して薬物処置/刺激を施した細胞など、どのような2つの試料であってもよい。方法は、一元分離システムに適用されても構わない。
図2は、染料セット1、12及び9で標識され、二次元電気泳動によって分離したタンパク質のオーバーレイイメージを示すもので、標識タンパク質スポットの輪郭が、位置的整合を立証している。
実施例1
染料の合成
i)一般的な実験手順
1H NMR(δ)スペクトルは、Jeol JNM−LA300 FT NMR分光器にて記録した。化学的シフトが、δ(ppm)で報告される。試料は、d−メタノールなどの好適な重水素化溶媒中での溶液として調製した。UV/VIS分光法は、Unicam UV3 UV/VIS分光器を使用して行った。トリメトキシプロペンは、Karl Industries社(米国オハイオ州)から購入した。その他の化学薬品はすべて、Sigma−Aldrich社(英国ドーセット)から購入した。
N−BOC−アミノエチルマレイミド及びN−BOC−アミノプロピルマレイミドは、J. Org. Chem., (1995), 60, 5352−5355に記載の通り調製した。
ii)カリウム2,3,3−トリメチルインドレニン−5−スルホン酸
ヒドラジノベンゼンスルホン酸(20.0g)を酢酸(60ml)に溶解して、3−メチル−2−ブタノン(26.0g)を添加し、次いで環流下に3時間加熱した。引っかきながら冷蔵庫で冷却することによって所望の化合物を沈殿させ、オフホワイト色のスラリーをプロパン−2−オールで希釈して濾過した(71%)。
2,3,3−トリメチル−5−スルホニル−インドレニン(16.45g)をメタノール(160ml)に加熱溶解して、KOHのプロパン−2−オール飽和溶液(100ml)を添加した。溶液は黄色に変化し、固体が生じた。この溶液を冷却して固体を濾過し、オフホワイト色の固体を得た(15.9g、98%)。δ(300MHz、CDOD)7.84(m,2H)、7.46(d,1H)、3.30(s,3H)及び1.35(s,6H)。
iii)ヨウ化1,2,3,3−テトラメチル−5−スルホニル−インドリウム
カリウム2,3,3−トリメチルインドレニン−5−スルホン酸(1.0g、3.61mmol)及びヨードメタン(0.25ml、3.97mmol)を、ジクロロベンゼン(10ml)と窒素雰囲気下に混合した。溶液は砂浴を使用して100℃で4時間加熱した。固体が形成され始めていたが、薄層クロマトグラフィーによる分析(30%メタノール/70% DCM)で生成物の形成が完了していないことが判明したので、さらに等量のヨードメタンを添加し、反応混合物をさらに2時間加熱して、その後室温にまで冷却した。固体を濾過によって収集して、ジクロロベンゼン、ジエチルエーテルで洗浄し、次いで真空中で乾燥して紫色固体を得た(0.89g、98%)。δ(300MHz、CDOD)8.06(m,1H)、7.94(dd,1H)、7.84(m,1H)、4.02(s,3H)及び1.61(s,6H)。
iv)ヨウ化1−エチル−2,3,3−トリメチル−5−スルホニル−インドリウム
カリウム2,3,3−トリメチルインドレニン−5−スルホン酸(10.0g、41.97mmol)及びヨードエタン(4.0ml、50.35mmol)を、ジクロロベンゼン(40ml)と窒素雰囲気下に混合した。溶液を、砂浴を使用して120℃で16時間加熱して紫色固体を得た。固体を濾過によって収集し、その後ジクロロベンゼン、クロロホルム及びエーテルで洗浄して淡いピンク色の固体を得た(10.2g、91%)。δ(300MHz、CDOD)7.98(m,3H)、4.55(q,2H)、1.56(s,6H)及び1.48(t,3H)。
v)ヨウ化1−プロピル−2,3,3−トリメチル−5−スルホニル−インドリウム
カリウム2,3,3−トリメチルインドレニン−5−スルホン酸(1.0g、3.61mmol)及びヨードプロパン(0.4ml、3.97mmol)を、ジクロロベンゼン(10ml)と窒素雰囲気下に混合した。溶液を、砂浴を使用して100℃で20時間加熱して赤褐色のゼラチン状の固体を得た。固体を濾過によって収集し、その後ジクロロベンゼン、クロロホルム及びジエチルエーテルで洗浄してピンク色の固体を得た(472mg、47%)。δ(300MHz、CDOD)7.91(m,3H)、4.50(t,2H)、2.01(dt,2H)、1.56(s,6H)及び1.13(t,3H)。
vi)ヨウ化1−スルホブチル−2,3,3−トリメチル−5−スルホニル−インドリウム
2,3,3−トリメチルインドレニン(2.0g、12.6mmol)及び1,4−ブタンスルトン(1.7g、12.6mmol)を混合して、100℃にて6時間加熱した。溶液は徐々に赤色に変化し、6時間後に反応混合物を室温まで冷却した。固体をジエチルエーテル中に分散させて濾過した。固体を収集して乾燥した。δ(300MHz、CDOD)7.91(m,1H)、7.75(m,1H)、7.42(m,2H)、4.58(m,2H)、2.93(m,2H)、2.18(m,2H)、1.94(m,2H)及び1.61(s,6H)。
vii)ヨウ化1−(5−カルボキシペンチル−2,3,3−トリメチル−5−スルホニル−インドリウム
2,3,3−トリメチルインドレニン(6.4g、40mmol)をジクロロベンゼン(25ml)に溶解して、溶液が均一になるまで撹拌した。これに6−ブロモヘキサン酸(15.6g、80mmol)を添加して、反応混合物を砂浴中で110℃に6.5時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却して、フラスコの側面を引っかき、次いでフラスコを冷蔵庫の中に1時間置いた。この後、ベージュ色の固体が紫色の溶液中に形成されていたので、その固体を濾過によって収集し、次いでジクロロベンゼン及びエーテルで洗浄してベージュ色の固体を得た(7.42g、52%)。δ(300MHz、CDOD)7.91(m,1H)、7.78(m,1H)、7.62(m,2H)、4.52(t,2H)、2.38(t,2H)、2.04(p,2H)、1.88−2.45(m,4H)及び1.61(s,6H)。
viii)ヨウ化1−(4−カルボキシブチル−2,3,3−トリメチル−5−スルホニル−インドリウム
2,3,3−トリメチルインドレニン(11.3g、40mmol)をジクロロベンゼン(30ml)に溶解して、溶液が均一になるまで撹拌した。これに5−ブロモブタン酸(19.3g、106.6mmol)を添加して、反応混合物を砂浴中で110℃に6.5時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却して、フラスコの側面を引っかき、次いでフラスコを冷蔵庫の中に1時間置いた。この後、ベージュ色の固体が紫色の溶液中に形成されていたので、その固体を濾過によって収集し、次いでジクロロベンゼン及びエーテルで洗浄してベージュ色の固体を得た(18.0g、75%)。δ(300MHz、CDOD)7.90(m,1H)、7.78(m,1H)、7,62(m,2H)、4.59(t,2H)、2.41(t,2H)、2.04(m,2H)、1.76(m,2H)及び1.61(s,6H)。
ix)アミノエチルマレイミド及びアミノプロピルマレイミド
4M塩酸のジオキサン溶液に適量のBOC−アミノアルキルマレイミドを添加して、反応混合物を室温にて30分間攪拌した。この後、反応混合物は固体を析出しており、溶媒を真空中で除去すると白色の綿毛状固体が表れた。化合物は、以下の工程において加工しないままで使用した。
x)1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−2−[(1E,3E)−3−(1−エチル−3,3−ジメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)プロプ−1−エニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウム(化合物I)
ヨウ化1−エチル−2,3,3−トリメチル−5−スルホニル−インドリウム(2.0g、7.48mmol)、N,N’−ジフェニルホルムアミジン(1.5g、7.48mmol)及びオルトギ酸トリエチル(1.1g、7.48mmol)をエタノール(10ml)中に溶解し、その後還流下(100℃)に3時間加熱した。反応フラスコの側面に固体が形成され、UV/VISは408nmに新しいピークを示した。ジエチルエーテルを添加して、沈殿物及び固体を濾過によって収集し、エーテルで洗浄して真空中で乾燥して、黄色/橙色の固体を得た(1.83g、66%)。UV/VIS(メタノール);吸収λmax=408nm。
Cy3半染料(1.83g、6.22mmol)の無水ピリジン(10ml)溶液に、無水酢酸(1.0ml)を添加して、反応混合物を窒素雰囲気下に10分間攪拌した。この後、臭化1−(5−カルボキシペンチル)−2,3,3−トリメチルインドリウム(2.2g、6.22mmol)を添加して、反応混合物を室温にて16時間攪拌した。反応の進行は、薄層クロマトグラフィー(20%メタノール/80% DCM)によってモニターした。溶媒を減圧下に除去してフラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相シリカ:水−50%メタノール濃度勾配)を使用して精製し、299mgの所望のCy3酸生成物(9%)を得た。UV/VIS(メタノール);吸収λmax=550nm。
Cy3酸(200mg、0.36mmol)を窒素雰囲気下に無水DMFに溶解し、次いで室温で攪拌した。DIPEA(80μl、0.40mmol)及びTSTU(120mg、0.40mmol)を添加して、反応混合物を薄層クロマトグラフィー(20%メタノール/80% DCM)によってNHSエステルへの変換が完了したと判断されるまで2時間攪拌した。NHSエステルは第二の等量のDIPEA(80μl、0.40mmol)で処理し、アミノエチルマレイミド(80mg、0.40mmol)を添加して、反応混合物を2時間攪拌した。薄層クロマトグラフィー(Tlc)で新たな生成物への変換が認められたので、反応混合物をジエチルエーテル(50ml)で希釈し、溶媒をデカントするとピンク色の残渣が残った。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ:DCM−40%メタノール濃度勾配)で、所望のマレイミド生成物(98mg、34%)が得られた。UV/VIS(メタノール);吸収λmax=550nm。δ(300MHz、CDOD)8.56(t,1H)、7.92(m,2H)、7.62−7.38(m,5H)、6.72(s,2H)、6.50(dd,2H)、4.19(m,4H)、3.52(m,2H)、2.15(t,2H)、1.94−1.56(m,6H)、1.75(s,12H)及び1.44(t,3H)。
xi)1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−3,3−ジメチル−2−[(1E,3E,5E)−5−(1,3,3−トリメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)ペンタ−1,3−ジエニル]−3H−インドリウム(化合物II)
ヨウ化1,2,3,3−テトラメチル−5−スルホニル−インドリウム(5.00g、11.90mmol)を、酢酸(40ml)及びTFA(2ml、18.0mmol)の混合液中にすべての固体が溶解するまで懸濁した。1,3,3−トリメトキシプロペン(12.5ml、95.0mmol)を反応混合物に添加して、室温にて5時間攪拌した。溶液を500mlのジエチルエーテルにピペットで入れて、沈殿物を濾過によって収集した(4.80g、塩を含有)。
Cy5半染料(4.80g、14.9mmol)のメタノール(40ml)溶液に酢酸カリウム(3.00g、34.2mmol)及び臭化1−(5−カルボキシペンチル)−2,3,3−トリメチルインドリウム(3.00g、16.4mmol)を添加した。終夜攪拌した後、溶液をジエチルエーテル(500ml)中にピペットで入れて、青色の固体を濾過によって収集し、真空中で乾燥した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相シリカ:水−50%メタノール濃度勾配)によって精製を行ない、2.30gの所望の生成物(28%)を得た。UV/VIS(メタノール);吸収λmax=642nm。
Cy5酸(200mg、0.36mmol)を窒素雰囲気下に無水DMFに溶解し、次いで室温で攪拌した。DIPEA(80μl、0.40mmol)及びTSTU(120mg、0.40mmol)を添加して、反応混合物を、薄層クロマトグラフィー(20%メタノール/80% DCM)によってNHSエステルへの変換が完了したと判断されるまで2時間攪拌した。NHSエステルは第二の等量のDIPEA(80μl、0.40mmol)で処理し、アミノエチルマレイミド(80mg、0.40mmol)を添加して、反応混合物を2時間攪拌した。Tlcで新たな生成物への変換が認められたので、反応混合物をジエチルエーテル(50ml)で希釈し、溶媒をデカントすると青色の残渣が残った。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ:DCM−40%メタノール濃度勾配)で、所望のマレイミド生成物(105mg、43%)が得られた。UV/VIS(メタノール);吸収λmax=644nm。δ(300MHz、CDOD)8.18(dt,2H)、7.82(m,2H)、7.56−7.24(m,5H)、6.80(s,2H)、6.64(t,1H)、6.45(d,1H)、6.24(d,1H)、4.17(t,2H)、3.60(s,3H)、3,40(t,2H)、2.09(t,2H)、1.89−1.48(m,6H)及び1.79(s,12H)。
xii)1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−2−[(1E,3E)−3−(1−プロピル−3,3−ジメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)プロプ−1−エニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウム(化合物III)
1−(5−カルボキシペンチル)−2,3,3−トリメチル−5−スルホニル−インドリウム(6.0g、16.94mmol)及びN,N’−ジフェニルホルムアミジン(6.63g、33.87mmolを酢酸(20ml)に溶解し、次いで還流下(120℃)に4時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却して、その後溶媒を真空中で除去した。橙色のオイルをクロロホルム中に溶解して水で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥し、Cy3半染料の橙色オイルになるまで濃縮した。このオイルは、さらに精製することなく使用した。
Cy3半染料(1.00g、2.18mmol)の無水ピリジン(10ml)溶液に、無水酢酸(1.0ml)を添加して、反応混合物を窒素雰囲気下に10分間攪拌した。この後、ヨウ化1−プロピル−2,3,3−トリメチル−5−スルホニル−インドリウム(0.92g、3.28mmol)を添加して、反応混合物を室温にて16時間攪拌した。反応の進行は、薄層クロマトグラフィー(20%メタノール/80% DCM)によってモニターした。溶媒を減圧下に除去してフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ:DCM−40%メタノール濃度勾配)を使用して精製し、241mgの所望のCy3酸生成物(21%)を得た。UV/VIS(メタノール);吸収λmax=550nm。
Cy3酸(100mg、0.18mmol)を窒素雰囲気下に無水DMFに溶解し、次いで室温で攪拌した。DIPEA(30μl、0.20mmol)及びTSTU(54mg、0.20mmol)を添加して、反応混合物を薄層クロマトグラフィー(20%メタノール/80% DCM)によってNHSエステルへの変換が完了したと判断されるまで2時間攪拌した。NHSエステルは第二の等量のDIPEA(30μl、0.20mmol)で処理してアミノエチルマレイミド(40mg、0.20mmol)を添加し、2時間攪拌して反応させた。Tlcで新たな生成物への変換が認められたので、反応混合物をジエチルエーテル(50ml)で希釈し、溶媒をデカントするとピンク色の残渣が残った。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ:DCM−40%メタノール濃度勾配)で、所望のマレイミド生成物(41mg、34%)が得られた。UV/VIS(メタノール);吸収λmax=550nm。δ(300MHz、CDOD)8.52(t,1H)、7.90(m,2H)、7.60−7.39(m,5H)、6.78(s,2H)、6.52(dd,2H)、4.22(m,4H)、3.56(m,2H)、2.13(t,2H)、1.97−1.56(m,8H)、1.75(s,12H)及び1.09(t,3H)。
xiii)1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−3,3−ジメチル−2−[(1E,3E,5E)−5−(1−エチル−3,3−トリメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)ペンタ−1,3−ジエニル]−3H−インドリウム(化合物IV)
1−(5−カルボキシペンチル)−2,3,3−トリメチル−5−スルホニル−インドリウム(4.0g、14.59mmol)及びマロンアルデヒドビス(フェニルイミン)塩酸塩(7.55g、29.18mmol)を酢酸(20ml)に溶解し、次いで還流下(120℃)に4時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却して、その後溶媒を真空中で除去した。赤色のオイルをクロロホルム中に溶解して水で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥し、Cy5半染料の赤色オイルになるまで濃縮した。このオイルは、さらに精製することなく使用した。
Cy5半染料(1.00g、2.07mmol)の無水ピリジン(10ml)溶液に、無水酢酸(1.0ml)を添加して、反応混合物を窒素雰囲気下に10分間攪拌した。これにヨウ化1−エチル−2,3,3−トリメチル−5−スルホニル−インドリウム(0.59g、2.28mmol)を添加して、反応混合物を室温にて16時間攪拌した。反応の進行は、薄層クロマトグラフィー(20%メタノール/80% DCM)によってモニターした。溶媒を減圧下に除去してフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ:DCM−40%メタノール濃度勾配)を使用して精製し、365mgの所望のCy5酸生成物(31%)を得た。UV/VIS(メタノール);吸収λmax=644nm。
Cy5酸(52mg、0.09mmol)を窒素雰囲気下に無水DMFに溶解し、次いで室温で攪拌した。DIPEA(10μl、0.10mmol)及びTSTU(28mg、0.10mmol)を添加して、反応混合物を薄層クロマトグラフィー(20%メタノール/80% DCM)によってNHSエステルへの変換が完了したと判断されるまで2時間攪拌した。NHSエステルは第二の等量のDIPEA(10μl、0.10mmol)で処理してアミノエチルマレイミド(18mg、0.10mmol)を添加し、2時間攪拌して反応させた。Tlcで新たな生成物への変換が認められたので、反応混合物をジエチルエーテル(30ml)で希釈し、溶媒をデカントすると青色の残渣が残った。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ:DCM−40%メタノール濃度勾配)で、所望のマレイミド生成物(29mg、47%)が得られた。UV/VIS(メタノール);吸収λmax=644nm。δ(300MHz、CDOD)8.38(m,2H)、7.88(m,2H)、7.55−7.24(m,5H)、6.80(s,2H)、6.71(t,1H)、6,42(d,1H)、6.24(d,1H)、4.11(m,4H)、3.54(t,2H)、2.12(t,2H)、1.92−1.36(m,9H)及び1.81(s,12H)。
xiv)1−(5−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソペンチル)−3,3−ジメチル−2−[(1E,3E,5E)−5−(1−エチル−3,3−トリメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)ペンタ−1,3−ジエニル]−3H−インドリウム(化合物V)
臭化1−(4−カルボキシブチル)−2,3,3−トリメチルインドリウム(2.00g、5.88mmol)及びマロンアルデヒドビス(フェニルイミン)塩酸塩(2.28g、8.82mmol)を酢酸(30ml)に溶解し、次いで120℃で6時間加熱した。反応混合物を冷却して、その後真空中で酢酸を除去し、流動性のあるオイルを得た。これをクロロホルム中に溶解して水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中にて濃縮してより粘稠なオイルを得た。未反応のマロンアルデヒドビス(フェニルイミン)のほとんどは、クロロホルム/水の界面に残っていた。化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−30%メタノール濃度勾配)を使用して精製し、赤色固体を得た(120mg、5%)。
Cy5半染料(120mg、0.31mmol)の無水ピリジン(3ml)溶液に、無水酢酸(0.5ml)を添加して、反応混合物を窒素雰囲気下に10分間攪拌した。この後、ヨウ化1−エチル−2,3,3−トリメチル−5−スルホニル−インドリウム(83mg、0.31mmol)を添加して、反応混合物を室温にて終夜攪拌した。溶媒を減圧下に除去してフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ:ジクロロメタン−40%メタノール濃度勾配)を使用して精製し、84mgの所望の生成物(48%)を得た。UV/VIS(メタノール);吸収λmax=644nm。
Cy5(84mg、0.15mmol)を窒素雰囲気下に無水DMFに溶解し、次いで室温で攪拌した。DIPEA(DIPEA26μl、0.15mmol)及びTSTU(45mg、0.15mmol)を添加して、反応混合物を薄層クロマトグラフィー(20%メタノール/80% DCM)によってNHSエステルへの変換が完了したと判断されるまで2時間攪拌した。NHSエステルは第二の等量のDIPEA(26μl、0.15mmol)で処理して、その後アミノエチルマレイミド(52mg、0.30mmol)を添加し、さらに2時間攪拌して反応させた。Tlcで新たな生成物への変換が認められたので、反応混合物をジエチルエーテル(50ml)で希釈し、溶媒をデカントするとピンク色の残渣が残った。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ:DCM−40%メタノール濃度勾配)で、所望のマレイミド生成物(30mg、30%)が得られた。UV/VIS(メタノール);吸収λmax=644nm。δ(300MHz、CDOD)8.15(q,2H)、7.80(m,2H)、7.52−7.31(m,5H)、6.75(s,2H)、6.64(t,1H)、6.46(d,1H)、6.32(d,1H)、4.27(m,4H)、4.15(t,2H)、2.09(t,2H)、1.79(s,6H)、1.65(s,6H)2.56−2.44(m,4H)及び1.12(t,3H)。
xv)1−(6{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−2−[(1E,3E)−3−(3,3−ジメチル(1−スルホ−ブチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)プロプ−1−エニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウム(化合物VI)
臭化1−(5−カルボキシペンチル)−2,3,3−トリメチルインドリウム(500mg、1.41mmol)、N,N’−ジフェニルホルムアミジン(278mg、1.41mmol)及びヨウ化1−スルホブチル−2,3,3−トリメチルインドリウム(418mg、1.41mmol)を無水ピリジン(5ml)に溶解して、室温で撹拌した。次いで無水酢酸(0.4ml)を添加して、反応混合物を外界温度にて終夜撹拌した。ピリジンを真空中で除去して、マゼンタ色のオイルをフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−10%メタノール濃度勾配)によって精製し、ピンク色の固体を得た(67mg、8%)。
Cy3酸(50mg、0.09mmol)を窒素雰囲気下に無水DMFに溶解し、次いで室温で攪拌した。DIPEA(20μl、0.09mmol)及びTSTU(59mg、0.18mmol)を添加して、反応混合物を薄層クロマトグラフィー(20%メタノール/80% DCM)によってNHSエステルへの変換が完了したと判断されるまで2時間攪拌した。NHSエステルは第二の等量のDIPEA(20μl、0.09mmol)で処理して、その後アミノエチルマレイミド(32mg、0.18mmol)を添加し、さらに2時間攪拌して反応させた。反応混合物をジエチルエーテル(50ml)で希釈し、溶媒をデカントするとピンク色の残渣が残った。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ:DCM−40%メタノール濃度勾配)で、所望のマレイミド生成物(24mg、43%)が得られた。UV/VIS(メタノール);吸収λmax=550nm。δ(300MHz、CDOD)8.49(t,1H)、7.52−7.35(m,8H)、6.72(s,2H)、6.46(dd,2H)、4.09(m,4H)、3.57(m,2H)、2.85(m,2H)、2.15(t,2H)、1.94−1.43(m,10H)及び1.85(s,12H)。
xvi)1−(5−{[2(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソペンチル)−3,3−ジメチル−2−[(1E,3E,5E)−5−(3,3−ジメチル−(1−スルホ−ブチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)ペンタ−1,3−ジエニル]−3H−インドリウム(化合物VII)
臭化1−(4−カルボキシブチル)−2,3,3−トリメチルインドリウム(1.0g、2.94mmol)及びマロンアルデヒドビスフェニルイミン塩酸塩(760mg、2.94mmol)を酢酸(10ml)に溶解し、次いで120℃で18時間加熱した。反応混合物を冷却して、その後真空中で酢酸を除去し、流動性のある赤色オイルを得た。これをクロロホルム中に溶解して水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して真空中にて濃縮してより粘稠な赤褐色オイルを得た。化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−20%メタノール濃度勾配)を使用して精製し、橙色固体を得た(1.43g、55%)。
Cy5半染料(120mg、0.26mmol)の無水ピリジン(5ml)溶液に、無水酢酸(0.5ml)を添加して、反応混合物を窒素雰囲気下に10分間攪拌した。この後、ヨウ化1−スルホブチル−2,3,3−トリメチルインドリウム(83mg、0.28mmol)を添加して、反応混合物を室温にて2時間攪拌した。溶媒を減圧下に除去してフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ:ジクロロメタン−20%メタノール濃度勾配)を使用して精製し、78mgの所望の生成物(51%)を得た。
Cy5酸(50mg、0.09mmol)を窒素雰囲気下に無水DMFに溶解し、次いで室温で攪拌した。DIPEA(15μl、0.10mmol)及びTSTU(28mg、0.10mmol)を添加して、反応混合物を薄層クロマトグラフィー(20%メタノール/80% DCM)によってNHSエステルへの変換が完了したと判断されるまで2時間攪拌した。NHSエステルは第二の等量のDIPEA(15μl、0.10mmol)で処理して、その後アミノエチルマレイミド(30mg、0.17mmol)を添加し、さらに2時間攪拌して反応させた。Tlc分析で新たな生成物への変換が認められた。反応混合物をジエチルエーテル(50ml)で希釈し、溶媒をデカントすると青色の残渣が残った。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ:DCM−40%メタノール濃度勾配)で、所望のマレイミド生成物(30mg、30%)が得られた。UV/VIS(メタノール);吸収λmax=644nm。δ(300MHz、CDOD)8.19(t,2H)、7.52−7.42(m,8H)、6.71(s,2H)、6.64(t,1H)、6.36(dt,2H)、4.18(m,4H)、3.55(m,2H)、2.89(m,2H)、2.15(t,2H)、1.79(s,12H)及び2.01−1.36(t,8H)。
xvii)1−(6−{[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロピル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−2−[(1E,3E)−3−(1−エチル−3,3−ジメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)プロプ−1−エニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウム(化合物Vlll)
臭化1−(5−カルボキシペンチル)−2,3,3−トリメチルインドリウム(354mg、1.00mmol)、N,N’−ジフェニルホルムアミジン(196mg、1.00mmol)及びヨウ化1−エチル−2,3,3−トリメチル−5−スルホニル−インドリウム(267mg、1.00mmol)を無水ピリジン(15ml)に溶解して、室温で撹拌した。次いで無水酢酸(0.5ml)を添加して、反応混合物を外界温度にて終夜撹拌した。ピリジンを真空中で除去して、マゼンタ色のオイルをフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−40%メタノール濃度勾配)によって精製し、ピンク色の固体を得た(30mg、6%)。
Cy3酸(30mg、0.05mmol)を窒素雰囲気下に無水DMFに溶解し、次いで室温で攪拌した。DIPEA(10μl、0.05mmol)及びTSTU(2mg、0.05mmol)を添加して、反応混合物を薄層クロマトグラフィー(20%メタノール/80% DCM)によってNHSエステルへの変換が完了したと判断されるまで2時間攪拌した。NHSエステルは第二の等量のDIPEA(10μl、0.05mmol)で処理して、その後アミノエチルマレイミド(9mg、0.05mmol)を添加し、さらに2時間攪拌して反応させた。反応混合物をジエチルエーテル(20ml)で希釈し、溶媒をデカントするとピンク色の残渣が残った。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ:DCM−40%メタノール濃度勾配)で、所望のマレイミド生成物(15mg、44%)が得られた。UV/VIS(メタノール);吸収λmax=550nm。δ(300MHz、CDOD)8.53(t,1H)、7.95(m,2H)、7.59−7.41(m,5H)、6.78(s,2H)、6.50(t,2H)、4.17(m,4H)、3.50(m,2H)、3.14(t,2H)、2.14(t,2H)1,98−1.28(m,11H)及び1.79(s,12H)。
xviii)1−(6−{[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロピル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−2−[(1E,3E)−3−(3,3−ジメチル(1−スルホ−ブチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)プロプ−1−エニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウム(化合物IX)
臭化1−(5−カルボキシペンチル)−2,3,3−トリメチルインドリウム(6.0g、16.95mmol)及びN,N’−ジフェニルホルムアミジン(6.63g、33.87mmol)を酢酸(20ml)に溶解し、次いで120℃で5時間加熱した。真空中で酢酸を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカ:ジクロロメタン−20%メタノール濃度勾配)を使用して精製し、黄色/橙色固体を得た(1.34g、21%)。
Cy3半染料(250mg、0.55mmol)の無水ピリジン(5ml)溶液に、無水酢酸(0.5ml)を添加して、反応混合物を窒素雰囲気下に10分間攪拌した。この後、ヨウ化1−スルホブチル−2,3,3−トリメチルインドリウム(161mg、0.55mmol)を添加して、反応混合物を室温にて22時間攪拌した。溶媒を減圧下に除去してフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ:ジクロロメタン−20%メタノール濃度勾配)を使用して精製し、142mgの所望のCy3酸生成物(45%)を得た。
Cy3酸(50mg、0.09mmol)を窒素雰囲気下に無水DMFに溶解し、次いで室温で攪拌した。DIPEA(15μl、0.10mmol)及びTSTU(28mg、0.10mmol)を添加して、反応混合物を薄層クロマトグラフィー(20%メタノール/80% DCM)によってNHSエステルへの変換が完了したと判断されるまで2時間攪拌した。NHSエステルは第二の等量のDIPEA(15μl、0.10mmol)で処理して、アミノプロピルマレイミド(18mg、0.10mmol)を添加し、2時間攪拌して反応させた。反応混合物をジエチルエーテル(50ml)で希釈し、溶媒をデカントするとピンク色の残渣が残った。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ:DCM−40%メタノール濃度勾配)で、所望のマレイミド生成物(15mg、24%)が得られた。δ(300MHz、CDOD)8.49(t,1H)、7.78−7.22(m,8H)、6.72(s,2H)、6.50(t,2H)、4.12(m,4H)、3.47(m,2H)、3.10(m,2H)、2.85(m,2H)、2.15(t,2H)、2.01−1.24(m,12H)及び1.85(s,12H)。
xix)1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−3,3−ジメチル−2−[(1E,3E,5E)−5−(3,3−ジメチル−(1−スルホ−ブチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)ペンタ−1,3−ジエニル]−3H−インドリウム(化合物X)
臭化1−(5−カルボキシペンチル)−2,3,3−トリメチルインドリウム(353mg、1.00mmol)、マロンアルデヒドビスフェニルイミン塩酸塩(259mg、1.00mmol)及びヨウ化1−スルホブチル−2,3,3−トリメチルインドリウム(295mg、1.00mmol)を無水ピリジン(5ml)中に溶解して、室温で撹拌した。次いで無水酢酸(0.4ml)を添加して、反応混合物を外界温度にて終夜撹拌した。ピリジンを真空中で除去して、青色のオイルをフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−10%メタノール濃度勾配)によって精製し、青色の固体(54mg、8%)を得た。
Cy5酸(49mg、0.08mmol)を窒素雰囲気下に無水DMFに溶解し、次いで室温で攪拌した。DIPEA(12μl、0.09mmol)及びTSTU(27mg、0.09mmol)を添加して、反応混合物を薄層クロマトグラフィー(20%メタノール/80% DCM)によってNHSエステルへの変換が完了したと判断されるまで2時間攪拌した。NHSエステルは第二の等量のDIPEA(12μl、0.09mmol)で処理して、その後アミノエチルマレイミド(28mg、0.16mmol)を添加し、さらに2時間攪拌して反応させた。Tlcで新たな生成物への変換が認められたので、反応混合物をジエチルエーテル(50ml)で希釈し、溶媒をデカントするとピンク色の残渣が残った。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ:DCM−40%メタノール濃度勾配)で、所望のマレイミド生成物(24mg、45%)が得られた。UV/VIS(メタノール);吸収λmax=644nm。δ(300MHz、CDOD)8.21(t,2H)、7.54−7.26(m,8H)、6.80(s,2H)、6.64(t,1H)、6.38(dd,2H)、4.18(m,4H)、3.58(m,2H)、2,89(m,2H)、2.15(t,2H)、1.76(s,12H)及び2.06−1.39(m,10H)。
xx)1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−2−[(1E,3E)−3−(1,3,3−トリメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)プロプ−1−エニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウム(化合物XI)
同様の方法によって、ヨウ化1,2,3,3−テトラメチル−5−スルホニル−インドリウム及び臭化1−(5−カルボキシペンチル)−2,3,3−トリメチルインドリウムをN,N’−ジフェニルホルムアミジンと一緒に反応させてCy3酸を形成し、これをN−ヒドロキシスクシンイミドエステルに活性化してアミノエチルマレイミドで処理すると、1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−2−[(1E,3E)−3−(1,3,3−トリメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)プロプ−1−エニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウムに変換した。
実施例2
2.1 タンパク質の単離及び標識
最初の実験は、大腸菌試料について実施した。大腸菌ER1647株(Amersham Biosciences社、英国バッキンガムシャー)を、グルコース富有MOPS培地中で37℃にて終夜培養し、その後4℃にて12,000xgで10分間遠心分離することによって収集した。細胞ペレットを洗浄緩衝液(10mM Tris、pH8.0、0.5mM酢酸マグネシウム)で二回洗浄した。次いで細胞を溶解緩衝液(8M尿素、4%質量/容積 CHAPS、40mM Tris、pH8.0)中に再度懸濁して、超音波処理(氷上で3x10秒のパルス)によって溶解させた。大腸菌溶解物のタンパク質濃度は、Bio−Rad Dc Protein Assayを使用して、製造業者(Bio−Rad社、英国ハートフォードシャー)による記載の通りに定量した。
使用前に、シアニン染料を無水DMF(Aldrich社カタログコード番号22,705−6)中で再構成して、10mM(10nmol/μl)の最終濃度とした。染料をDMFの添加後に軽く渦流混合して、染料が完全に溶解されるようにした。再構成した染料は−20℃で保存し、2週間以内に使用した。
溶解緩衝液中の50μgタンパク質におけるジスルフィド結合を、10nmolのTCEP[トリス−(2−カルボキシエチル)ホスフィン]の添加によって還元し、その後37℃で1時間インキュベートした。還元の後に、20nmolの再構成染料を添加して、37℃で30分間インキュベートした。等体積の2x試料緩衝液(溶解緩衝液プラス20mg/ml DTT及び4%(体積/体積)Pharmalytes 3−10)で反応を停止した。試料は一次元分離の前に氷上で短時間保存するか又はより長期間保存するために光から保護して冷凍した。
2.2 分離用のタンパク質試料の調製
Cy3及びCy5化合物I〜XIで標識したタンパク質試料の等量を混合して、表2に示す染料ペアセットを得た。
Figure 0004318180
2.3 二次元電気泳動によるタンパク質の分離
標準的なAmersham Biosciences社製二次元PAGE装置及びPlusOne(商標)試薬(英国バッキンガムシャー)を使用して、二次元電気泳動を実施した。Immobiline DryStrips(pH3−10 NL又はpH4−7 NL、24cm)を450μlの再水和緩衝液(8M尿素、4%質量/体積 CHAPS、1%Pharmalytes(pH3−10)、2mg/ml DTT)中で終夜再水和し、Immobiline DryStrip Reswelling Trayの中で2.5mlのDryStrip Cover Fluidでオーバーレイした。Multiphor等電点電気泳動システムを使用して、ストリップを泳動分離に付した。第二次元PAGEの前に、、各々のストリップを振盪台の上で10mlの平衡化緩衝液A(8M尿素、100mM Tris−HCl、pH6.8、30%体積/体積グリセロール、1%質量/体積SDS、5mg/ml DTT)で10分間、その後10mlの平衡化緩衝液B(8M尿素、100mM Tris−HCl、pH6.8、30%体積/体積グリセロール、1%質量/体積SDS、45mg/mlヨードアセトアミド)でさらに10分間平衡化した。ストリップは次いで、12%のイソクラティックLaemmli SDS−PAGEゲルに付して流した。
2.4 蛍光ゲルイメージング
標識タンパク質を、2920 Masterlmager(Amersham Biosciences社、英国バッキンガムシャー)を使用して以下の設定にて可視化した。
Figure 0004318180
露光時間は、個々の実験に対して至適化して50,000のイメージに対して最高のピクセル値を得るようにし、シグナルの飽和を回避した。二次元マスターからのデータを、Paintshop Pro(商標)にTIFファイルとしてエクスポートして、目視検査用のカラーオーバーレイを作製した。染料整合化の詳細な定量的分析のため、ゲルイメージを二次元イメージマスターソフトウェアプログラムにエクスポートした。
2.5 イメージ分析
本研究におけるゲル分析は、二次元イメージマスター(Amersham Biosciences社、英国バッキンガムシャー)、二次元分析ソフトウェアプラットフォームを使用して実施した。スポットの検出に続き、各スポットの中心を使用して、Cy3及びCy5イメージの各々に対するピクセルの座標を作製した。移動度の整合度は、Cy3及びCy5スポットの中心の座標を比較することによって決定した。これを使用して、x(pI)及びy(質量)座標の双方において互いに±2ピクセル以内の整合スポットの数で位置的整合を表すことができる。
同一試料を標識するのに双方の染料が使用されているので、標識した各試料中に同じタンパク質が存在しており、したがって同等の移動に対して染料が整合していれば、すべてのスポットは、2つのイメージ間で正確にオーバーレイされるはずである。全体としての整合性を調べるために、+/−2ピクセル内のスポットの%を測定した。
実施例3
アルキル鎖長(r)の変動による、システイン残基での飽和標識に対して整合染料のディファレンシャルゲル電気泳動
同じ複合タンパク質試料(大腸菌溶解物)を各染料で標識し、Cy3及びCy5標識試料を混合し、二次元電気泳動により分離することによって、染料構造効果を試験した。蛍光スキャニングの後、イメージをオーバーレイして前記の実施例に記載の通りに分析した。
大腸菌溶解物を、上述の通りCy3化合物及びCy5化合物で標識した。CH単位の付加によるアルキル鎖長の変化の効果を示すために、標識試料を分離前に混合して染料セット1、2、9、11及び12を得た。表3に、染料セット1、2、9、11及び12で標識したタンパク質のオーバーレイイメージの分析後の、定量的な位置のデータを示す。
Figure 0004318180
このように、Cy3とCy5が同じアルキル鎖を有する場合(例えば、染料セット11及び12)、Cy3の全体としての質量はCy5に比例して減少する。この結果、質量の大きさにおいて位置的整合に劣ることになる。アルキル鎖長に2炭素単位の差がある場合(例えば、染料セット9)、質量の整合性が向上する。質量及びpIの双方に対する至適整合性は、染料間に単一の炭素原子の差がある場合に得られる(例えば、染料セット1及び2)。好ましい染料セットは染料セット1である。これは、リンカーrにおける単一の炭素単位の差を使用した移動度の整合が、二次元電気泳動上で示差的に標識されるタンパク質の良好な位置的整合をもたらすことを示す。
図2は、染料セット1、12及び9で標識され、二次元電気泳動によって分離したタンパク質のオーバーレイイメージを示すもので、標識タンパク質スポットの輪郭が、位置的整合を立証している。オーバーレイは、約20〜30kDaの質量範囲及び約5.5〜6.0のpI範囲を示す、Cy3又はCy5で標識した大腸菌溶解物の二次元電気泳動ゲルの一部から取られている。Cy3及びCy5で標識したタンパク質の双方に対するタンパク質スポットの概観の位置を表している円(矢印付記)は、二次元イメージマスターソフトウェアを使用して決定した。染料セット12は、Cy5で標識したタンパク質がCy3で標識したタンパク質よりも下に流れるので(例に矢印付記)、質量の整合性に劣っている。染料セット9もまた、質量の整合性に劣っることが示されており、この例ではCy5で標識したタンパク質がCy3で標識したタンパク質よりも上に流れている(例に矢印付記)。好ましい染料セット1は、至適な位置的整合をもたらすものである。
実施例4
インドール核に対するリンカー長(p)の変動による、システイン残基での飽和標識に対して整合染料のディファレンシャルゲル電気泳動
大腸菌溶解物をCy3及びCy5化合物で標識し、試料を混合して上述の染料セット1及び3を得た。表4に、これらの染料セットで標識したタンパク質のオーバーレイイメージの分析後の、定量的な位置のデータを示す。
Figure 0004318180
これにより、リンカーpにおける単一の炭素単位の差を使用した移動度の整合が、二次元電気泳動上で示差的に標識されるタンパク質の良好な位置的整合をもたらすことが示される。
実施例5
マレイミド基に対するリンカー長(q)の変動による、システイン残基での飽和標識に対して整合染料のディファレンシャルゲル電気泳動
アミノエチルからアミノプロピルマレイミドに、単一のCH単位によってリンカー長を増大させることにより、リンカーqを変動させた。大腸菌溶解物をCy3及びCy5化合物で標識し、試料を混合して上述の染料セット1、5及び7を得た。表5に、これらの染料セットで標識したタンパク質のオーバーレイイメージの分析後の、定量的な位置のデータを示す。
Figure 0004318180
このように、おそらくはβ−効果のために、アミノエチルリンカー(染料セット1)では、アミノプロピルリンカー(染料セット5及び7)に比較してpIの整合性が改善されている。染料間に2つの炭素単位の差がある場合、質量の整合性も低下する(染料セット7)。単一の炭素単位の差がある場合、質量の整合性が改善されている。したがって、アミノエチルマレイミドリンカー(q=2)が、pIの整合性については好ましい。
実施例6
スルホネート基の位置の変動による、システイン残基での飽和標識に対して整合染料のディファレンシャルゲル電気泳動
スルホン化シアニン染料は一般的に、染料セット1におけるようにインドール環に直接結合したスルホネート基を有する。スルホネートの位置の変更は、ブチル鎖リンカーを介して環にスルホネートを結合させることによって成し遂げた。大腸菌溶解物をCy3及びCy5化合物で標識し、試料を混合して上述の染料セット1、4、6、8及び10を得た。表6に、これらの染料セットで標識したタンパク質のオーバーレイイメージの分析後の、定量的な位置のデータを示す。
Figure 0004318180
前のデータとの比較より、環系からスルホネートを除去してペンダントブチル鎖にするとpI整合性が変化するらしいことが示される。質量の大きさにおける整合性は、染料セット1で成し遂げられたものと変わりない。染料間の差nを補うものがない場合、移動度の整合性は低下する(染料セット10)。2つの炭素単位の差がある場合(染料セット8)、質量の整合性は染料セット1に比較して低下する。単一の炭素単位の差がある場合(染料セット4及び6)、整合性は改善される。ペンダントブチルスルホネートとの最良の組合せは、リンカーqをマレイミドに修飾することである(染料セット6)。
二次元電気泳動でシステイン反応性染料を使用したタンパク質試料のディファレンシャル分析のための典型的なワークフローの概略図である。 染料セット1、12及び9で標識され、二次元電気泳動によって分離したタンパク質のオーバーレイイメージを示す図である。

Claims (12)

  1. 式(II)及びそれらの塩の2種以上の異なる蛍光染料を含んでなる蛍光染料の整合セット。
    Figure 0004318180
    式中、nは1、2又は3であって上記染料の各々で異なり、
    1及びR2基の一方は次式の基であり
    Figure 0004318180
    (式中、Yは、システイン残基と共有結合で結合し得る標的結合基である。)、
    残りのR1又はR2基は−(CH24−W又は−(CH2r−Hから選択され、
    3基は、R1又はR2のいずれかが−(CH2r−Hである場合(この場合R3はWである。)を除いて、水素であり、
    Wはスルホン酸及びスルホネートから選択され、
    pは3〜6の整数であり、
    qは2又は3となるように選択され、
    rは1〜5の整数であり、
    上記染料の2種類のnが+1だけ異なる場合にはその2種類の染料のp、q及びrの1つは−1だけ異なるとともに当該蛍光染料の整合セットの各染料におけるY及びWが同一であることを特徴とする。
  2. 式(II)の2種以上の異なる蛍光染料を含み、
    nが1又は2となるように選択され、
    pが4又は5となるように選択され、
    qが2又は3となるように選択され、
    rが1、2又は4となるように選択される、請求項1載の整合セット。
  3. 染料セットの各染料における標的結合基Yがレイミド基及びヨードアセトアミド基から選択される、請求項1又は請求項2記載の整合セット。
  4. 染料マレイミド基である、請求項記載の整合セット。
  5. 前記塩がK+、Na+、NH4 +、R3NH+及びR4+(式中、RはC1〜C4アルキルである。)から選択される、請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の整合セット。
  6. 以下のセットから選択される、請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の染料の整合セット。
    セット1
    1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−2−[(1E,3E)−3−(1−エチル−3,3−ジメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)プロプ−1−エニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウム(化合物I)と、
    1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−3,3−ジメチル−2−[(1E,3E,5E)−5−(1,3,3−トリメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)ペンタ−1,3−ジエニル]−3H−インドリウム(化合物II)、
    セット2
    1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−2−[(1E,3E)−3−(1−プロピル−3,3−ジメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)プロプ−1−エニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウム(化合物III)と、
    1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−3,3−ジメチル−2−[(1E,3E,5E)−5−(1−エチル−3,3−トリメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)ペンタ−1,3−ジエニル]−3H−インドリウム(化合物IV)、
    セット3
    1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−2−[(1E,3E)−3−(1−エチル−3,3−ジメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)プロプ−1−エニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウム(化合物I)と、
    1−(5−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソペンチル)−3,3−ジメチル−2−[(1E,3E,5E)−5−(1−エチル−3,3−トリメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)ペンタ−1,3−ジエニル]−3H−インドリウム(化合物V)、
    セット4
    1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−2−[(1E,3E)−3−(3,3−ジメチル(1−スルホ−ブチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)プロプ−1−エニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウム(化合物VI)と、
    1−(5−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソペンチル)−3,3−ジメチル−2−[(1E,3E,5E)−5−(3,3−ジメチル−(1−スルホ−ブチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)ペンタ−1,3−ジエニル]−3H−インドリウム(化合物VII)、
    セット5
    1−(6−{[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロピル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−2−[(1E,3E)−3−(1−エチル−3,3−ジメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)プロプ−1−エニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウム(化合物VIII)と、
    1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−3,3−ジメチル−2−[(1E,3E,5E)−5−(1−エチル−3,3−トリメチル−5−スルホ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)ペンタ−1,3−ジエニル]−3H−インドリウム(化合物IV)、及び
    セット6
    1−(6−{[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロピル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−2−[(1E,3E)−3−(3,3−ジメチル(1−スルホ−ブチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)プロプ−1−エニル]−3,3−ジメチル−3H−インドリウム(化合物IX)と、
    1−(6−{[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチル]アミノ}−6−オキソヘキシル)−3,3−ジメチル−2−[(1E,3E,5E)−5−(3,3−ジメチル−(1−スルホ−ブチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−イリデン)ペンタ−1,3−ジエニル]−3H−インドリウム(化合物X)。
  7. 試料中のタンパク質の混合物を標識する方法であって、タンパク質の各々が1以上のシステイン残基を含んでおり、当該方法が、
    i)試料を含む水性液体に、求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の蛍光染料の整合セットから選択される蛍光染料の各々を添加し、
    ii)染料をタンパク質と反応させてタンパク質を染料で標識する
    ことを含み、もってタンパク質中の利用可能なシステイン残基すべてを染料で標識する、方法。
  8. 工程i)の前に、タンパク質を還元剤で処理する工程をさらに含む、請求項記載の方法。
  9. 前記染料がタンパク質50μg当たり染料5〜200nmolで使用される、請求項7又は請求項8記載の方法。
  10. 前記標識がpH6.0〜9.0で実施される、請求項7乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。
  11. 試料中の1種以上のタンパク質を標識する方法であって、当該方法が、
    i)該1種以上のタンパク質を含む液体試料に、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の蛍光染料の整合セットから選択される蛍光染料の各々を添加し、
    ii)1種以上のタンパク質の標識化に適した条件下で、染料を試料と共にインキュベートすることを含む方法。
  12. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の蛍光染料の整合セットを含んでなるキット。
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