JP4317512B2 - 塔状構造物の建設方法、及び建設装置 - Google Patents

塔状構造物の建設方法、及び建設装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4317512B2
JP4317512B2 JP2004340999A JP2004340999A JP4317512B2 JP 4317512 B2 JP4317512 B2 JP 4317512B2 JP 2004340999 A JP2004340999 A JP 2004340999A JP 2004340999 A JP2004340999 A JP 2004340999A JP 4317512 B2 JP4317512 B2 JP 4317512B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tower
arm
ascending
main arm
raising
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004340999A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006152571A (ja
Inventor
亮 水谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kajima Corp filed Critical Kajima Corp
Priority to JP2004340999A priority Critical patent/JP4317512B2/ja
Publication of JP2006152571A publication Critical patent/JP2006152571A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4317512B2 publication Critical patent/JP4317512B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/70Wind energy
    • Y02E10/72Wind turbines with rotation axis in wind direction
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/70Wind energy
    • Y02E10/728Onshore wind turbines

Landscapes

  • Wind Motors (AREA)

Description

本発明は、高さ方向に沿った空洞が内部に形成された塔状構造物、例えば、大型のナセルを有する風力発電装置や大型の煙突などを建設する建設方法、及びそれに利用する建設装置に関する。
近年、化石エネルギーの枯渇などが心配される中、その他のエネルギーとして、風力や太陽光といった自然エネルギーを利用する機運が高まっている。このような自然エネルギーを利用するものとして、風力によって発電を行う風力発電装置の建設なども積極的に計画されつつある。このような風力発電装置の建設方法として、従来、特開平10−205428号公報に開示されるものがある。この風力発電装置の建設方法では、いわゆるクライミングクレーンを用いて下方から順次塔状構造物を組み立てる。続いて、組み立てられた塔状構造物の側部に第一架台と、ナセルが載置された第二架台とを配置する。それから、第一架台と第二架台とを交互に上昇させ、塔状構造物上部にナセルを固定する。そして、ナセルにブレードを取り付けて、風力発電装置とするというものである。
特開平10−205428号公報
ところで、このような風力発電装置を建設するにあたり、わが国の国土事情などを鑑みると、風力発電装置の建設場所としては、山岳地や離島などが風力発電装置を建設する場所として適した場所となっている場合が多い。このような山岳地や離島に風力発電装置を建築しようとすると、風力圧電装置を組み立てるためのクレーンなどの搬送や設置条件などが問題となる。また、同種の問題は、大型の煙突を建設する場合にも生じうる。そこで、本発明の課題は、大型のクレーンなどを用いることなく、大型の風力発電装置や大型の煙突などの高い塔状構造物を比較的容易に建設することができる塔状構造物の建設方法、及びそれに利用する建設装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、高さ方向に沿った空洞が内部に形成された塔状構造物を、その空洞内を上昇する上昇部材を利用して建設する建設方法であって、上昇部材は、互いに上下方向の位置を調節可能な第一上昇部材と第二上昇部材を含み、第一上昇部材及び第二上昇部材の夫々には、少なくとも3対のメインアーム及びサブアームであって、基端が第一上昇部材又は第二上昇部材の一部に回動可能に固定され且つ先端が自由であるメインアーム、及び基端が第一上昇部材又は第二上昇部材の他の一部に回動可能に固定され且つ先端がメインアームの一部に回動可能に固定されたサブアーム、並びに第一上昇部材又は第二上昇部材の一部の上下方向の位置を他の一部に対して調節することで、各対のメインアームの基端位置からサブアームの基端位置までの離間距離を調節するための調節機構が設けられており、第一上昇部材の各対のメインアームの基端位置からサブアームの基端位置までの離間距離を調節機構を用いて調節することで、各サブアームの先端から対をなすメインアームに回動力を与えて各メインアームを回動させて、各メインアームの先端を横方向に突出させ、当該突出された各メインアームの先端を塔状構造物の既設躯体部分の内部壁面に係合させて第一上昇部材を塔状構造物の既設躯体部分に固定し、塔状構造物の既設躯体部分の上側に新設躯体部分を構築した後、固定された第一上昇部材を基礎として第二上昇部材を上昇させ、第二上昇部材の各対のメインアームの基端位置からサブアームの基端位置までの離間距離を調節機構を用いて調節することで、各サブアームの先端から対をなすメインアームに回動力を与えて各メインアームを回動させて、各メインアームの先端を横方向に突出させ、当該突出された各メインアームの先端を塔状構造物の新設躯体部分の内部壁面に係合させて第二上昇部材を塔状構造物の新設躯体部分に固定し、第一上昇部材の各メインアームの係合を外して、固定された第二上昇部材を基礎として第一上昇部材を上昇させ、第一上昇部材の各対のメインアームの基端位置からサブアームの基端位置までの離間距離を調節機構を用いて調節することで、各サブアームの先端から対をなすメインアームに回動力を与えて各メインアームを回動させて、各メインアームの先端を横方向に突出させ、当該突出された各メインアームの先端を塔状構造物の内部壁面に係合させて第一上昇部材を塔状構造物に固定し、以後、新設躯体部分を既設躯体部分として上昇部材の上昇を繰り返し、塔状構造物を完成させることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の塔状構造物の建設方法において、第一上昇部材及び第二上昇部材は、二重構造で配置されることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の塔状構造物の建設方法において、第一上昇部材は、上下方向に中心軸をとって配設された筒状のフレームであり、第二上昇部材は、塔状構造物の頂部に載置される構造体が上端に搭載され、フレームの筒状内側に挿設された棒状のマストであることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、高さ方向に沿った空洞が内部に形成された塔状構造物の建設に利用される建設装置であって、互いに上下方向の位置を調節可能であり互いに上昇力を付与可能な第一上昇部材及び第二上昇部材であって、既に構築された既設躯体部分の最上端の空洞位置に配置され、塔状構造物の構築に伴って上昇する第一上昇部材及び第二上昇部材を備え、第一上昇部材及び第二上昇部材の夫々は、少なくとも3対のメインアーム及びサブアームであって、基端が第一上昇部材又は第二上昇部材の一部に回動可能に固定され且つ先端が自由であるメインアーム、及び基端が第一上昇部材又は第二上昇部材の他の一部に回動可能に固定され且つ先端がメインアームの一部に回動可能に固定されたサブアーム、並びに第一上昇部材又は第二上昇部材の一部の上下方向の位置を他の一部に対して調節することで、各対のメインアームの基端位置からサブアームの基端位置までの離間距離を調節するための調節機構を有し、第一上昇部材及び第二上昇部材の夫々において、調節機構を用いて離間距離を調節することで、各サブアームの先端から対をなすメインアームに回動力を与えて各メインアームを回動させて、各メインアームの先端位置が横方向に突出する突出長さを調節することが可能であり、当該突出されたメインアームの先端が塔状構造物の既設躯体部分の内部壁面に係合されることで、上昇部材を既設躯体部分に固定することが可能であることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の塔状構造物の建設装置において、第一上昇部材及び第二上昇部材は、二重構造で配置され、第一上昇部材が塔状構造物の既設躯体部分にメインアームの先端を係合して固定され、当該固定された第一上昇部材を基礎として第二上昇部材が上昇され、第二上昇部材が塔状構造物の新設躯体部分にメインアームの先端を係合して固定され、当該固定された第二上昇部材を基礎として第一上昇部材が上昇されて、第一上昇部材が塔状構造物にメインアームの先端を係合して固定されることを特徴としている。
請求項1に記載の塔状構造物の建設方法によれば、各対のメインアームの基端位置からサブアームの基端位置までの離間距離を調節することにより、各メインアームの先端の横方向に突出する突出長さを調節することができる。よって、塔状構造物の躯体部分の内部壁面がテーパ形状であり、高さによって上昇部材から内部壁面までの距離が変化しても、各メインアームの突出長さを調節して、その先端を内部壁面に係合させることで、上昇部材を躯体部分に確実に固定することができる。
請求項2に記載の塔状構造物の建設方法によれば、第一上昇部材と第二上昇部材はメインアーム及びサブアームと調節機構を共に有しているため、塔状構造物の躯体部分の内部壁面がテーパ形状であっても、第一上昇部材を上昇させるときには、第二上昇部材を内部壁面に固定して基礎とすることができ、第二上昇部材を上昇させるときには、第一上昇部材を内部壁面に固定して基礎とすることができる。このように互いを基礎とした上昇を繰り返すことにより、好適に第一上昇部材及び第二上昇部材を上昇させることができる。
請求項3に記載の塔状構造物の建設方法によれば、第一上昇部材であるフレームと第二上昇部材であるマストの上昇を繰り返すことで、マストの上端に搭載された構造体を塔状構造物の頂部まで上昇させ、塔状構造物を完成させることができる。
請求項4に記載の塔状構造物の建設装置によれば、各対のメインアームの基端位置からサブアームの基端位置までの離間距離を調節することにより、各メインアームの先端の横方向に突出する突出長さを調節することができる。よって、塔状構造物の躯体部分の内部壁面がテーパ形状であり、高さによって上昇部材から内部壁面までの距離が変化しても、各メインアームの突出長さを調節して、その先端を内部壁面に係合させることで、上昇部材を躯体部分に確実に固定することができる。
請求項5に記載の塔状構造物の建設装置によれば、第一上昇部材と第二上昇部材はメインアーム及びサブアームと調節機構を共に有しているため、塔状構造物の躯体部分の内部壁面がテーパ形状であっても、第一上昇部材を上昇させるときには、第二上昇部材を内部壁面に固定して基礎とすることができ、第二上昇部材を上昇させるときには、第一上昇部材を内部壁面に固定して基礎とすることができる。このように互いを基礎とした上昇を繰り返すことにより、好適に第一上昇部材及び第二上昇部材を上昇させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。先ず、塔状構造物の建設に用いられる建設装置について説明し、次に、その建設装置を利用した塔状構造物の建設方法について説明する。なお、以下に説明する実施形態では、塔状構造物の建設の一例として、発電機を収容したナセル(構造体)がタワーの頂部に載置された風力発電装置を建設する場合について説明するが、本実施形態に係る建設装置及び建設方法は他の種類の塔状構造物、例えば大型の煙突の建設に適用されてもよい。
図1では、建設途中のタワー3の地上に近い部分が示されている。説明の便宜上、タワー3は断面化して示されている。タワー3は、地上に鉛直に立設された構造物である。タワー3は、既に構築された円筒形状の既設躯体部分32Aの上側に円筒形状の新設躯体部分を構築し、新設躯体部分が構築されるとこれを既設躯体部分32Aとしてさらに上側に新設躯体部分と構築していくことで完成される。上側の躯体部分32Aほど支持する荷重が小さいので、タワー3は高くなるにしたがって先細りするテーパ形状となっており、タワー3の直径は、タワー3が地上付近で最も大きく、高度が増すにつれ小さくなる。タワー3の外部壁面はテーパ形状となっているのに対応して、タワー3の内部壁面もテーパ形状とされている。これは、タワー3の内部壁面の直径を、タワー3の下端から上端まで一定とすると、タワー3の下端付近ではタワー3の強度に寄与しない躯体部分32Aが多く構造的観点から無駄であり、また、強度に寄与しない躯体部分に材料を多く要することはコスト的観点から無駄であるからである。タワー3の建設途中には建設装置をタワー3の内部壁面に固定する必要があるが、タワー3の内部壁面をテーパ形状とした場合には建設装置から内部壁面までの距離が高さによって変化してしまう。よって、タワー3の内径変化に対応して、如何に建設装置をタワー3の内部壁面に固定するかが問題となる。本実施形態に係る建設装置は、この問題に対処している。
タワー3の既設躯体部分32Aの内部には高さ方向に沿った空洞が形成されており、タワー3の建設中にはこの空洞の最上端付近に建設装置が設置される。建設装置は、タワー3の既設躯体部分32Aに固定された筒状の中空部材であるフレーム(第一上昇部材)4と、フレーム4の筒状内側に挿通された棒状部材であり、上端にはナセル2が載置されたマスト(第二上昇部材)7と、を二重構造にして構成されている。フレーム4は、側方から見た外形が矩形形状であり、上下方向に長手方向をとって設置されている。図1では、理解容易のため、フレーム4を矩形形状で示しているが、実際には多数の棒状の鋼材が組み合わされ、トラスを形成して構成されている。図2は、図1のI−I面を上側から見た上面図である。フレーム4の本体は上方から見ると略正方形形状である。多数の棒状鋼材は、フレーム4の側面にのみ配置されており、フレーム4の上方から見た中心は上端から下端にまで中空となっていることがわかる。
また、フレーム4の下端及び上端の周囲には、スコットラッセル機構を利用した連結アーム41H,41Lが複数組取り付けられている。各組の連結アーム41H,41Lは、一対のメインアーム42H,42Lとサブアーム43H,43Lを連結して構成されている。フレーム4の下端には、四角柱の各側面に2組ずつ、合計8組の連結アーム41Lが取り付けられている。フレーム4の下端の各連結アーム41Lが外側に開いて、各メインアーム42Lの先端が既設躯体部分32Aの内部壁面に形成された段差(凸部又は凹部)33と係合することにより、フレーム4が既設躯体部分32Aに固定される。フレーム4の上端にも、四角柱の各側面に2組ずつ、合計8組の連結アーム41Hが取り付けられている。フレーム4の上端の各連結アーム41Hが外側に開いて、各メインアーム42Hの先端が既設躯体部分32Aの内部壁面に係合することにより、フレーム4の上端の横揺れが防止される。フレーム4上端の連結アーム41Hの取り付け方向は、下端の連結アーム41Lと上下逆である。なお、フレーム4に少なくとも3組の連結アーム41が取り付けられていれば、フレーム4と既設躯体部分32Aを安定的に固定することができる。
マスト7は、略四角柱形状の部材であり、上下方向に長手方向をとってフレーム4の中心の空間に挿通され配置されている。フレーム4と同様に、図1では理解容易のため、マスト7を矩形形状で示しているが、実際には多数の棒状の鋼材が組み合わされ、トラスを形成して構成されている。マスト7の上下方向の寸法はフレーム4よりも長く、マスト7はフレーム4の下側及び上側に突き出している。フレーム4の上側に突き出したマスト7の上端が、ナセル2の下側に形成された凹部に嵌合して固定されて、ナセル2はマスト7に搭載されている。マスト7とフレーム4の間には後述する押上機構が設けられており、押上機構を利用してフレーム4からマスト7に上昇力を付与することにより、マスト7の上下方向の高さは調節可能となっている。なお、マスト7の上端及び下端にもスコットラッセル機構を利用した複数の連結アーム41を取り付け可能となっており(図9参照)、マスト7に連結アーム41を取り付けた際には、連結アーム41を既設躯体部分32Aの内部壁面に係合することで、マスト7を既設躯体部分32Aに固定可能となっている。
次に、図3を参照して、フレーム4の上端及び下端に取り付けられたスコットラッセル機構を利用した連結アーム41H,41Lの構造を説明する。図3は、フレーム4の下端の一側面を拡大して示す側面図である。フレーム4の下端の構造は4つの側面で等しいため、他の側面についても図3と同様な構造となっている。フレーム本体4は、側方から見て矩形形状の外枠であり、既述したとおり多数の棒状鋼材等を組み合わせて互いに固定することで構成されている。つまり、フレーム本体4は、上から見て四隅に配置される4本の柱部材45と、これらの4本の柱部材45の下端に架けられた下梁部材47と、4本の柱部材45の上端に架けられた上梁部材46と、で形成されている。
フレーム本体4の各側面には、2組のスコットラッセル機構の連結アーム41Lが取り付けられている。それぞれの連結アーム41Lは、棒状の部材である一対のメインアーム42とサブアーム43を連結して構成される。各メインアーム42の基端42Aは、スライド部材50の下面に設けられた取付部50Aに、取付部50Aを中心として鉛直面内を回動可能に固定されている。一方、各メインアーム42の先端42Bは、固定されておらず自由である。各サブアーム43はメインアーム42の半分程度の長さである。各サブアーム43の基端43Aは、下梁部材47の上面に設けられた取付部47Aに、取付部47Aを中心として鉛直面内を回動可能に固定されている。一方、各サブアーム43の先端43Bは、メインアーム42の長手方向のほぼ中心の位置に設けられた取付部42Cに、回動可能に固定されている。なお、各アーム42,43の両端に加工された貫通穴と、各取付部42C,47A,50Aに加工された貫通穴の位置を合わせてピンを挿入することにより、各アーム42,43は回動可能に取付部42C,47A,50Aに固定されている。なお、既述したとおり、フレーム本体4に少なくとも3対のメインアーム42及びサブアーム43を設ければ、フレーム4をタワー3に固定可能である。
また、フレーム本体4には、各対のメインアーム42の基端位置42Aからサブアーム43の基端位置43Aまでの離間距離を調節するための調節機構が設けられている。調節機構は、ガイドレール49、スライド部材50、油圧ジャッキ48などで構成される。この調節機構の構成について説明する。フレーム4の左右に配置された2本の柱部材45のそれぞれには、各柱部材45の側面に沿ってガイドレール49が上下方向に延設されている。左に配置されたガイドレール49には、その右面に上下方向に沿って溝が形成されており、また、右に配置されたガイドレール49には、その左面に上下方向に沿って溝が形成されている。左右のガイドレール49の溝幅は同じ寸法であり、両溝は互いに向き合っている
スライド部材50は、棒状の部材であり、その長手方向を横方向にとって配置されている。スライド部材50の両端は、ガイドレール49の溝よりも若干小さな寸法であり、左右のガイドレール49の溝に嵌合されている。右に配置されたガイドレール49とスライド部材50の嵌合状態を、図2のII−II断面の拡大図に示す。これにより、スライド部材50は、ガイドレール49に対して上下方向にスライド可能となっている。
スライド部材50の上下方向の位置を調節するために油圧ジャッキ48が配置されている。油圧ジャッキ48は、シリンダ内にピストンを配置して構成されている。作業者のコントロール操作によりシリンダ内の油圧が調節されてピストン位置が調節されることにより、油圧ジャッキ48の全体長さを調節可能となっている。油圧ジャッキ48の上端は、スライド部材50の横方向中央に設けられた取付部50Bに固定されており、一方、油圧ジャッキ48の下端は、下梁部材47の横方向中央に設けられた取付部47Bに固定されている。油圧ジャッキ48の全体長さを調節することにより、スライド部材50の上下方向の位置が調節され、各対のメインアーム42の基端位置42Aからサブアーム43の基端位置43Aまでの離間距離を調節可能となっている。なお、油圧ジャッキ48に代えて、モータや内燃機関など又は手動で駆動力を得て、基端位置42A,43Aの離間距離の調節をしてもよい。
ここで、図4を参照して、基端位置42A,43Aの離間距離を調節した際の連結アーム41Lの動作について説明する。図4(a)〜(c)は、メインアーム42及びサブアーム43の基端位置42A,43Aの離間距離が油圧ジャッキ48により調節されることにより、連結アーム41Lが完全に閉じた状態から完全に開いた状態に変化する経過を示す断面図である。図4(a)では、油圧制御により油圧ジャッキ48はほぼ完全に伸長しており、フレーム4の下梁部材47からスライド部材50までの距離は長くなっている。この状態では、基端位置42A,43Aの離間距離を最長とするように、メインアーム42及びサブアーム43は上下方向の直線状の連結状態となり、連結アーム41Lは完全に閉じている。図4(b)では、油圧制御により油圧ジャッキ48の全体長さが短縮されていくため、フレーム4の下梁部材47からスライド部材50までの距離は短くなっていく。この状態では、下梁部材47からスライド部材50までの距離が短くなるのに合わせて、メインアーム42及びサブアーム43の基端位置42A,43Aの離間距離は短縮され、鉛直方向に対するメインアーム42の傾斜角度は増加されていく。具体的には、メインアーム42は、サブアーム43の先端43Bから回動力を付与されて長手方向が水平面に近づくように外側に回動し、メインアーム42の先端42Bは横方向に突出していく。このように、基端位置42A,43Aの離間距離を調節することで、メインアーム42の横方向への突出長さを調節することができる。図4(c)では、油圧制御により油圧ジャッキ48は完全に短縮されており、フレーム4の下梁部材47からスライド部材50までの距離は最も短い。この状態では、メインアーム42及びサブアーム43の基端位置42A,43Aの離間距離は短縮され、鉛直方向に対するメインアーム42の傾斜角度は最大となる。よって、メインアーム42の先端は横方向に突出してフレーム本体4から最も遠い位置まで到達している。
また、フレーム本体4には、スライド部材50の上下方向の位置を固定し、メインアーム42及びサブアーム43の連結状態を固定するロック機構が設けられている。ロック機構の構成について、再び図3の側面図に戻り説明する。スライド部材50、上梁部材46及び下梁部材47のそれぞれには、横方向に離間して、上下方向に貫通する2組の貫通穴50C,46C,47Cが設けられている。各組の貫通穴50C,46C,47Cは直線的に配置されており、棒状の部材であるロックシャフト53が挿通されている。各ロックシャフト53の外周には、上端から下端までのほぼ全域に渡りネジ加工がされている。各ロックシャフト53の上端にダブルナット54が螺合され、さらに各ロックシャフト53の下端にダブルナット54が螺合されることで、各ロックシャフト53がフレーム本体4に固定されている。油圧ジャッキ48の油圧制御によりメインアーム42及びサブアーム43が所望の連結状態に調節されると、作業者によりロックシャフト53のスライド部材50上面位置にナット55が螺合され、さらにロックシャフト53のスライド部材50下面位置にナット55が螺合されることで、スライド部材50の上下方向の位置が固定される。油圧ジャッキ48の油圧制御によりスライド部材50の上下方向の位置が固定されるのに加えて、ロックシャフト53とナット55の螺合によりスライド部材50の上下方向の位置が固定されることで、メインアーム42及びサブアーム43の連結状態が固定可能となっている。油圧ジャッキ48及びロック機構を用いてメインアーム42及びサブアーム43の連結状態を固定することにより、ナセルやマストの荷重によりメインアーム42及びサブアーム43に回動力が作用しても、メインアーム42及びサブアーム43は回動することがないので、メインアーム先端42Bと内部壁面の係合外れを防止することができる。特に、ロック機構を用いたメインアーム42及びサブアーム43の連結状態を固定は、油圧ジャッキ48の油圧が低下した際の安全対策となっている。
また、フレーム本体4には、タワー3の建設が進むにつれフレーム4及びマスト7を上昇させるための押上機構が設けられている。押上機構の構成及び動作について、図5及び図6を参照して説明する。図5(a)〜(e)は、フレーム4をタワー3に固定して、フレーム4を基礎としてマスト7に上昇力を付与し、マスト7を上昇させるときの押上機構の一連の動作を示す模式図である。また、図6(a)〜(e)は、マスト7をタワー3に固定して、マスト7を基礎としてフレーム4に上昇力を付与し、フレーム4を上昇させるときの押上機構の一連の動作を示す模式図である。なお、図5及び図6では、説明の便宜のため、マスト7及びピンホルダー59,60を断面化して示している。
先ず、押上機構の構成について説明する。図5(a)では、中央にマスト7が配置されており、マスト7の各側面には、上下方向に一定間隔ごとにピン穴58が設けられている。マスト7の側方には複数組の押上機構が配置されている。図5では、2組の押上機構のみを示しているが、実際にはマストの各側面に1組ずつ、合計4組の押上機構が配置されている。各押上機構は、それぞれロックピン61,62を保持する上下のピンホルダー59,60と、上下のピンホルダー59,60の間に配置された油圧ジャッキ63と、を含み構成されている。各下側ピンホルダー60は、フレーム本体4に常時固定され、マスト7には固定されていない部材である。各下側ピンホルダー60には、横方向に貫通する貫通穴が設けられており、それらの貫通穴にはロックピン62が横方向にスライド可能に挿設されている。各ロックピン62をマスト7方向に押し出して、マスト7のピン穴に係合することにより、マスト7を支持可能となっている。また、各上側ピンホルダー59は、フレーム本体4にもマスト7にも固定されていない部材である。各上側ピンホルダー59には、下側ピンホルダー60と同様に、横方向に貫通する貫通穴が設けられており、それらの貫通穴にはロックピン61が横方向にスライド可能に挿設されている。各ロックピン61をマスト7方向に押し出して、マスト7のピン穴に係合することにより、マスト7を支持可能となっている。各油圧ジャッキ63の下端は下側ピンホルダー60に固定され、各油圧ジャッキ63の上端は上側ピンホルダー59に固定されている。各油圧ジャッキ63の供給油圧を調節することで、油圧ジャッキ63の全体長さが調節され、下側ピンホルダー60に対する上側ピンホルダー59の高さを調節可能となっている。なお、マスト7がフレーム4に対して上下動する際には、マスト7の上端及び下端に回動可能に固定されたローラ75が、フレーム4に固定されたレール65上を転動することで、マスト7が案内される。
次に、マスト7を上昇させるときの押上機構の一連の動作について、図5(a)〜(e)を参照して説明する。図5(a)〜(e)では、フレーム4に取り付けられた各メインアーム42の先端42Bが既設躯体部分32Aの内部壁面に係合して、フレーム4がタワー3に固定されている状況を前提としている。よって、フレーム4に常に固定されている下側ピンホルダー60は、タワー3に固定されて高さが一定である。図5(a)に示すマスト7上昇の第一段階では、上側の各ロックピン61はマスト7のピン穴58と係合しておらず、下側の各ロックピン62はマスト7のピン穴58と係合している。よって、マスト7は、下側のロックピン62を介してフレーム4により支持されている。なお、油圧ジャッキ48は縮小され、最も長さが短い状態である。図5(b)に示す第二段階に移行すると、上側の各ロックピン61をマスト7方向にスライド移動して、各ロックピン61をマスト7のピン穴58に挿入して係合させる。その後、下側の各ロックピン62をフレーム4方向にスライド移動して、ロックピン62とピン穴58の係合を外す。これにより、マスト7は、上側のロックピン61を介してフレーム4により支持されることとなる。図5(c)に示す第三段階に移行すると、油圧ジャッキ63の供給油圧を調節して、油圧ジャッキ63を最も長くなるまで伸長し、上側ピンホルダー59を上方に移動させる。これにより、マスト7が上昇される。図5(d)に示す第四段階に移行すると、下側の各ロックピン62をマスト7方向にスライド移動して、各ロックピン62をピン穴58に挿入して係合させる。その後、上側の各ロックピン61をフレーム4方向にスライド移動して、ロックピン61とピン穴58との係合を外す。これにより、マスト7は、下側のロックピン62を介してフレーム4により支持される。図5(e)に示す第五段階に移行すると、供給油圧を調節して油圧ジャッキ63を短縮し、上側ピンホルダー59を下方に移動させる。これにより、押上機構は図5(a)と同じ状態となる。以降、図5(a)〜(e)の動作を繰り返すことで、マスト7を所望の高さまで上昇させることができる。なお、図5(a)〜(e)の動作を逆に行うことにより、マスト7を所望の高さまで下降させることもできる。
次に、フレーム4を上昇させるときの押上機構の一連の動作について、図6(a)〜(e)を参照して説明する。図6(a)〜(e)では、マスト7に取り付けられた各メインアーム42の先端42Bが既設躯体部分32Aの内部壁面に係合して、マスト7がタワー3に固定されている状況を前提としている(図9(b)参照)。図6(a)に示すフレーム4上昇の第一段階では、上側のロックピン61はピン穴58と係合しておらず、下側のロックピン62はピン穴58と係合している。よって、フレーム4は下側のロックピン60を介してマスト7に支持されている。なお、油圧ジャッキ48は縮小され、最も長さが短い状態である。図6(b)に示す第二段階に移行すると、供給油圧を調節して油圧ジャッキ63を最も長くなるまで伸長し、上側ピンホルダー59を上方に移動させる。図6(c)に示す第三段階に移行すると、上側ピンホルダー59のロックピン61をマスト7方向にスライド移動して、ロックピン61をピン穴58に挿入して係合させる。その後、下側のロックピン62をフレーム4方向にスライド移動して、ロックピン61とマスト7のピン穴58との係合を外す。この状態では、フレーム4は、上側のロックピン61を介してマスト7により支持されている。図6(d)に示す第四段階に移行すると、供給油圧を調節して油圧ジャッキ48を最も短くなるまで短縮し、下側ピンホルダー60を上方に移動させる。これにより、下側ピンホルダー60に固定されたフレーム4は上昇される。図6(e)に示す第五段階に移行すると、下側のロックピン62をスライド移動して、ロックピン62をピン穴58に挿入して係合させ、上側のロックピン61をスライド移動してピン穴58との係合を外す。これにより、押上機構は図6(a)と同じ状態となる。以降、図6(a)〜(e)の動作を繰り返すことで、フレーム4を所望の高さまで上昇させることができる。
次に、図7〜図10を参照して、上述した建設装置を利用した風力発電装置1の建設手順について説明する。図7(a)に示すように、風力発電装置1を建設するにあたり、地上にタワー3の土台となる基礎部31をつくり、その上にある程度の高さまでタワー3の外壁である躯体部分32Aを構築する。タワー3の下端一部には通路が設けられており、作業者の移動や物資の運搬が可能とされている。なお、躯体部分32Aの構築作業のために、躯体部分32Aの上端付近の外部壁面には、作業者の足場34を設置する。次に、図7(b)に示すように、鋼材などを組み上げてフレーム4及びマスト7を構築し、構築されたフレーム4及びマスト7をクレーン車Cを用いて吊り上げて、既に構築された既設躯体部分32Aの上方に移動してから下降させ、フレーム4及びマスト7を既設躯体部分32Aの内部に設置する。そして、クレーン車Cを用いてナセル2を吊り上げて、ナセル2をマスト7の上方に移動し、ナセル2下側の凹部にマスト7の上端に嵌合して固定し、ナセル2をマスト7に搭載する。このように、タワー3の高さが低いときに比較的に小型のクレーン車を用いてナセルをマストに搭載するため、大型のクレーンなどを不要とすることができる。次に、図7(c)に示すように、フレーム4の下端の連結アーム41Hを開いて、メインアーム42の先端42Bを既設躯体部分32Aの内部壁面に設けられた凸部に係合させる。また、フレーム4の上端の連結アーム41Lを開いて、メインアーム42の先端を既設躯体部分32Aの内部壁面に当接させる。ここでは、主に、下側の連結アーム41Lによりナセル2、マスト7及びフレーム4の荷重が支持され、上側の連結アーム41Hによりフレーム4上端の横揺れが防止されている。
次に、図8(a)に示すように、フレーム4とマスト7の間に設けられた押上機構を利用して、既設躯体部分32Aに固定されたフレーム4を基礎としてマスト7を押し上げる。なお、マスト7の押し上げは、既設躯体部分32Aを基礎として行ってもよい。その後、フレーム4の下側の連結アーム41Lより下方のフレーム部分4Bを分解し、タワー3の下端一部の通路から、分解された鋼材を運び出す。次に、図8(b)に示すように、基礎部31の上に鋼材などを組み上げて、既設のマスト7の下に新たにマスト部材7Bを追加して、マスト7の上下方向の長さを延長する。次に、図8(c)に示すように、押上機構を利用して、既設躯体部分32Aに固定されたフレーム4を基礎として、さらにマスト7を押し上げる。
次に、図9(a)に示すように、タワー3の既設躯体部分32Aの上側に、新たに躯体部分(新設躯体部分)32Bを構築し、タワー3の上端を上昇させる。ここで、躯体部分32Bを新たに構築するためには、既に固化したコンクリート部材を積み上げるフルプレキャスト工法を採用してもよいし、プレキャストコンクリートからなる型枠と鉄筋が一体となった部材を既設躯体部分の上側に設置してからコンクリートを流し込んで固化するハーフプレキャスト工法を採用してもよい。次に、マスト7の新設躯体部分32Bよりも上方の位置に、スコットラッセル機構を利用した連結アーム71Hを、マスト7の各側面に2組ずつ、合計8組取り付ける。また、マスト7の下側に新たにマスト部材7Cを追加し、そこにスコットラッセル機構を利用した連結アーム71Lを、マスト7の各側面に2組ずつ、合計8組取り付ける。なお、連結アーム71H,71Lの取り付けに併せて、上述した位置調節機構やロック機構などもマスト7に取り付ける。
次に、図9(b)に示すように、タワー3の既設躯体部分32Aの上側に、さらに新設躯体部分32Bを構築する。そして、マスト7の上端の連結アーム71Hを開いて、メインアームの先端を新設躯体部分32Bの内部壁面の凸部に係合して、マスト7上端をタワー3の新設躯体部分32Bに固定する。また、マスト7の下端の連結アーム71Lを開いて、メインアームの先端を既設躯体部分32Aの内部壁面の凸部に係合して、マスト7下端をタワー3の既設躯体部分32Aに固定する。一方、フレーム4の上端及び下端の連結アーム41H,41Lを閉じて、フレーム4の連結アーム41H,41Lと既設躯体部分32Aの係合を外す。そして、押上機構を利用して、躯体部分32A,32Bに固定されたマスト7を基礎として、フレーム4を押し上げる。
次に、図9(c)に示すように、フレーム4を上昇させた後、フレーム4の上端及び下端の各連結アーム41H,41Lを開いて、メインアーム42の先端をタワー3の内部壁面に係合させて、フレーム4を内部壁面に固定する。その後、マスト7の連結アーム41H,41Lを閉じて、マスト7の連結アーム41H,41Lとタワー3内部壁面の係合を外す。その後、新設躯体部分32Bを既設躯体部分32Aとして、図8(c)〜図9(c)の一連の手順を繰り返して、さらに上側の新設躯体部分32Bを構築してタワー3を高くしていくと共に、フレーム4及びマスト7を上昇させ、ナセル2を上昇させていく。
風力発電装置1が完成に近づくと、図10(a)に示す状態となる。図10(a)では、フレーム4の上端及び下端の連結アーム41H,41Lがタワー3の内部壁面に係合され、フレーム4がタワー3に固定されている。一方、マスト7の上端及び下端の連結アーム71H,71Lは、既に分解して取り外されている。この状態から、押上機構を利用して、さらにマスト7を上昇させる。図10(b)では、既設躯体部分32Aの上側に新設躯体部分32Bを構築し、躯体部分32を上端まで完全に構築している。なお、タワー3の上端付近では、新設躯体部分32Bを構築すると共に、その新設躯体部分32Bの内部壁面にレール35を延設し、マスト7の上側のローラ75をそのレール35上にのせることで、マスト7を通常より上方まで上昇させている。タワー3を上端まで完全に構築すると、マスト7を少しずつ下降させ、ナセル2下端をタワー3上端の空洞部分に嵌合させ固定する。これにより、ナセル2がタワー3に載置される。その後、ナセル25にブレードBを取り付ける。最後に、ナセル2とマスト7の固定を外し、空洞上端付近の足場に設けられたワイヤにマスト7を固定して、ワイヤを繰り出して行くことによりマスト7を地上まで下降させる。また、上部足場34を撤去して、足場34を形成していた部材を下降させる。こうして、風力発電装置1が完成する。
本実施形態では、上述したように、各対のメインアーム42の基端位置42Aからサブアーム43の基端位置43Aまでの離間距離を調節することにより、各メインアーム42の先端42Bの横方向に突出する突出長さを調節することができる。よって、タワー3の躯体部分32Aの内部壁面がテーパ形状であり、高さによってフレーム4及びマスト7から内部壁面までの距離が変化しても、各メインアーム42の突出長さを調節して、その先端42Bを内部壁面に係合させることで、フレーム4及びマスト7を躯体部分32Aに確実に固定することができる。
また、本実施形態では、フレーム4とマスト7はメインアーム42及びサブアーム43などを共に有しているため、フレーム4を上昇させるときにはマスト7を既設躯体部分32Aに固定して基礎とすることができ、マスト7を上昇させるときにはフレーム4を既設躯体部分32Aに固定して基礎とすることができる。このように互いを基礎とした上昇を繰り返すことにより、フレーム4とマスト7を好適に上昇させることができる。
なお、本実施形態では、風力発電装置を建設する一例について説明したが、大型の煙突を建設する場合にも、本実施形態に係る建設方法及び建設装置を利用することができる。例えば、内側型枠を上昇させつつ、内側型枠と外側型枠の間にコンクリートを流し込んで煙突を建設する施工方法を採用する場合には、連結アーム等を有する上昇部材に内側型枠を搭載して、煙突の建設進行に伴い上昇部材が上昇される度に連結アームを開いて、内側型枠を建設途中の煙突の内部壁面に固定すればよい。また、本実施形態のフレーム4とマスト7のように二重構造の上昇部材を設ければ、内側型枠を好適に上昇させることができる。
発電装置及びその建設に利用される建設装置を示す概略図である。 発電装置及びその建設に利用される建設装置を上方から見た断面図である。 フレームの下端を拡大して示す側面図である。 スコットラッセル機構を利用した連結アームの動作を示す側面図である。 押上機構によりマストが押し上げられる一連の動作を示す側面図である。 押上機構によりフレームが押し上げられる一連の動作を示す側面図である。 塔状構造物の建設工程の初期を示す工程図である。 塔状構造物の建設工程の初期を示す工程図である。 塔状構造物の建設工程の初期を示す工程図である。 塔状構造物の建設工程の終期を示す工程図である。
符号の説明
1…風力発電装置、2…ナセル、3…タワー、4…フレーム、7…マスト、41…連結アーム、42…メインアーム、43…サブアーム、48…油圧ジャッキ、49…ガイドレール、50…スライド部材、53…ロックシャフト。

Claims (5)

  1. 高さ方向に沿った空洞が内部に形成された塔状構造物を、その空洞内を上昇する上昇部材を利用して建設する建設方法であって、
    前記上昇部材は、互いに上下方向の位置を調節可能な第一上昇部材と第二上昇部材を含み、第一上昇部材及び第二上昇部材の夫々には、少なくとも3対のメインアーム及びサブアームであって、基端が第一上昇部材又は第二上昇部材の一部に回動可能に固定され且つ先端が自由であるメインアーム、及び基端が第一上昇部材又は第二上昇部材の他の一部に回動可能に固定され且つ先端がメインアームの一部に回動可能に固定されたサブアーム、並びに第一上昇部材又は第二上昇部材の前記一部の上下方向の位置を前記他の一部に対して調節することで、各対のメインアームの基端位置からサブアームの基端位置までの離間距離を調節するための調節機構が設けられており、
    第一上昇部材の各対のメインアームの基端位置からサブアームの基端位置までの離間距離を調節機構を用いて調節することで、各サブアームの先端から対をなすメインアームに回動力を与えて各メインアームを回動させて、各メインアームの先端を横方向に突出させ、当該突出された各メインアームの先端を塔状構造物の既設躯体部分の内部壁面に係合させて第一上昇部材を塔状構造物の既設躯体部分に固定し、
    塔状構造物の既設躯体部分の上側に新設躯体部分を構築した後、固定された第一上昇部材を基礎として第二上昇部材を上昇させ、
    第二上昇部材の各対のメインアームの基端位置からサブアームの基端位置までの離間距離を調節機構を用いて調節することで、各サブアームの先端から対をなすメインアームに回動力を与えて各メインアームを回動させて、各メインアームの先端を横方向に突出させ、当該突出された各メインアームの先端を塔状構造物の新設躯体部分の内部壁面に係合させて第二上昇部材を塔状構造物の新設躯体部分に固定し、
    第一上昇部材の各メインアームの係合を外して、固定された第二上昇部材を基礎として第一上昇部材を上昇させ、
    第一上昇部材の各対のメインアームの基端位置からサブアームの基端位置までの離間距離を調節機構を用いて調節することで、各サブアームの先端から対をなすメインアームに回動力を与えて各メインアームを回動させて、各メインアームの先端を横方向に突出させ、当該突出された各メインアームの先端を塔状構造物の内部壁面に係合させて第一上昇部材を塔状構造物に固定し、
    以後、新設躯体部分を既設躯体部分として上昇部材の上昇を繰り返し、塔状構造物を完成させることを特徴とする塔状構造物の建設方法。
  2. 前記第一上昇部材及び前記第二上昇部材は、二重構造で配置されることを特徴とする請求項1に記載の塔状構造物の建設方法。
  3. 前記第一上昇部材は、上下方向に中心軸をとって配設された筒状のフレームであり、
    前記第二上昇部材は、塔状構造物の頂部に載置される構造体が上端に搭載され、前記フレームの筒状内側に挿設された棒状のマストであることを特徴とする請求項2に記載の塔状構造物の建設方法。
  4. 高さ方向に沿った空洞が内部に形成された塔状構造物の建設に利用される建設装置であって、
    互いに上下方向の位置を調節可能であり互いに上昇力を付与可能な第一上昇部材及び第二上昇部材であって、既に構築された既設躯体部分の最上端の前記空洞位置に配置され、塔状構造物の構築に伴って上昇する第一上昇部材及び第二上昇部材を備え、
    第一上昇部材及び第二上昇部材の夫々は、少なくとも3対のメインアーム及びサブアームであって、基端が第一上昇部材又は第二上昇部材の一部に回動可能に固定され且つ先端が自由であるメインアーム、及び基端が第一上昇部材又は第二上昇部材の他の一部に回動可能に固定され且つ先端がメインアームの一部に回動可能に固定されたサブアーム、並びに第一上昇部材又は第二上昇部材の前記一部の上下方向の位置を前記他の一部に対して調節することで、各対のメインアームの基端位置からサブアームの基端位置までの離間距離を調節するための調節機構を有し、
    前記第一上昇部材及び前記第二上昇部材の夫々において、前記調節機構を用いて前記離間距離を調節することで、各サブアームの先端から対をなすメインアームに回動力を与えて各メインアームを回動させて、各メインアームの先端位置が横方向に突出する突出長さを調節することが可能であり、当該突出されたメインアームの先端が塔状構造物の既設躯体部分の内部壁面に係合されることで、上昇部材を既設躯体部分に固定することが可能であることを特徴とする塔状構造物の建設装置。
  5. 前記第一上昇部材及び前記第二上昇部材は、二重構造で配置され、
    第一上昇部材が塔状構造物の既設躯体部分にメインアームの先端を係合して固定され、当該固定された第一上昇部材を基礎として第二上昇部材が上昇され、第二上昇部材が塔状構造物の新設躯体部分にメインアームの先端を係合して固定され、当該固定された第二上昇部材を基礎として第一上昇部材が上昇されて、第一上昇部材が塔状構造物にメインアームの先端を係合して固定されることを特徴とする請求項4に記載の塔状構造物の建設装置。
JP2004340999A 2004-11-25 2004-11-25 塔状構造物の建設方法、及び建設装置 Expired - Fee Related JP4317512B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004340999A JP4317512B2 (ja) 2004-11-25 2004-11-25 塔状構造物の建設方法、及び建設装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004340999A JP4317512B2 (ja) 2004-11-25 2004-11-25 塔状構造物の建設方法、及び建設装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006152571A JP2006152571A (ja) 2006-06-15
JP4317512B2 true JP4317512B2 (ja) 2009-08-19

Family

ID=36631182

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004340999A Expired - Fee Related JP4317512B2 (ja) 2004-11-25 2004-11-25 塔状構造物の建設方法、及び建設装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4317512B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100806661B1 (ko) * 2007-01-11 2008-02-26 서동택 유도레일을 이용한 육상용 풍력발전기 설치방법
KR101206790B1 (ko) * 2010-09-03 2012-11-30 재단법인 포항산업과학연구원 기둥 구조물 및 그 시공방법
WO2015156437A1 (ko) * 2014-04-10 2015-10-15 주식회사 대하 해상용 풍력발전타워 시공장치 및 이의 시공방법
CN106760705B (zh) * 2017-03-15 2022-05-27 广西大学 一种一体化通信基站
CN106703456B (zh) * 2017-03-15 2022-05-27 广西大学 一种可升降通信基站
CN110410277B (zh) * 2019-08-09 2023-11-24 戚永维 一种风力发电机塔架及其安装方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006152571A (ja) 2006-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2362730T3 (es) Procedimiento de instalación en el mar de un aerogenerador.
JP7193151B2 (ja) 垂直及び略垂直なコンクリート表面用のセルフクライミング装置及び動作方法
JP5334967B2 (ja) 折りたたみ式マストを備えた風力発電機
JP5090804B2 (ja) 既製杭の施工方法及び基礎支持構造
JP2007071097A (ja) 風力発電タワーの構築方法
JP4317512B2 (ja) 塔状構造物の建設方法、及び建設装置
KR20200082966A (ko) 높이 조절이 용이한 구조물 수리용 이동식 가설기둥
JP6387321B2 (ja) 橋梁の構築方法
JP5508695B2 (ja) 建材の建て起こし装置、建材の建て起こし方法
EP2558648A2 (en) Offshore foundation structure, offshore foundation and method of establishing the same
JP4722630B2 (ja) 塔状構造物の構築方法および同方法に使用されるスリップフォーム装置
CN114482037B (zh) 一种斜桩吊打施工定向调位纠偏装置和方法
JP3905103B2 (ja) 塔状建造物の架設方法および架設装置
KR101179743B1 (ko) 인치 웜 방식을 이용한 리프트 장치
JP4652733B2 (ja) 風力発電装置の建設方法
JP4217203B2 (ja) 構造物の構築方法および昇降装置
JP2002294633A (ja) アーチ状構造物の架設方法及び装置
JP6084558B2 (ja) 壁体建て起こし装置および壁体の建て起こし工法
CN212001137U (zh) 一种建筑基坑斜撑支护结构
JP7275793B2 (ja) 位置調整装置及び構真柱の位置調整方法
CN219472110U (zh) 一种井筒模架滑动模架
JP3862427B2 (ja) 跳出し足場用受け桁と跳出し足場の構築工法
JP2525250Y2 (ja) 塔型クレーンのフロアクライミング装置
CN216997467U (zh) 一种组合式拼装胎架装置
EP1681461A1 (en) Method and means for erecting a wind energy tower

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070702

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081125

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090519

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090522

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4317512

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120529

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120529

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150529

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees