JP4317181B2 - カラー画像形成装置 - Google Patents
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Description
各感光体上のトナー像は転写手段により順次シート上に転写され、定着手段に送られる。定着手段では熱と圧力によりカラートナーが溶融して画像がシート上に定着される。
書き込み手段は、レーザービームを偏向するポリゴンミラーや、感光体上に微小スポット光を結像するためのレンズ等を有しており、レンズには光学的性能と安定性に優れたガラスレンズが採用されている。
装置上部に書き込み手段を配置した場合、装置内の発熱が自然対流で上昇してレンズの温度上昇を招き、光学的安定性を損なう懸念があり、特に定着手段からの輻射熱は大きい。このため、書き込み手段からなるべく離れるように転写手段と定着手段の間に長いシート搬送経路を設けて熱影響を軽減する構成となっている。
ところで、近年、モノクロレーザープリンタ等では加工性の劣るガラスレンズに代えて、非常に低コストで作成できる樹脂成形レンズを使用することにより大幅なコスト低減を実現している。また、樹脂成形レンズならではの曲面加工の自在さを活用し、性能の異なる2個のレンズを1個にまとめて全体性能を実現することも行れている。
レーザービーム書き込み手段では、一般に、ポリゴンミラーによって偏向されたレーザービームは、1番目のレンズを通って2つの折り返しミラーで折り返され、2番目のレンズを通って感光体上に結像する。
この場合、2つのレンズのいずれか一方又は両方を樹脂成形レンズとした場合、微小スポット径の変化に加え、図2に示すように、温度上昇による主走査方向の結像位値の変動MV、温度上昇による副走査方向の結像位値の変動SVが発生する。図2は従来技術を示すものではなく、従来技術の問題点の表示を兼ねる図である。
しかしながら、複数の書き込み手段を並置して高速にカラー画像形成を行なう装置に樹脂成形レンズを使用すると、上記微小スポット径の変動と結像位置の変動が大きな問題となる。特に問題となるのは結像位置の変動で、一般に行われているY,M,C,Bkの4色のトナーを使用したフルカラー画像形成では、そのドット径の1/2程度の色間ずれが発生しても視覚的に判別され得る。
実際には600dpi程度の解像度で約42μm程度の微小ドットを使用して画像形成する場合が多いので、相互の結像位置変動が20μm程度以下であることが望ましいという、大変きびしい要求レベルとなる。
また、レンズ周辺の装置内温度上昇は、定着手段の熱輻射と、電源を中心とした電装部分、及びポリゴンモータ自身の発熱が大きな影響を与える。電源などの配置自由度のある手段は通常遠ざけて配置することができるが、定着手段は感光体を介して転写手段と相対的な位置関係が決まっており、制約の許す範囲でしか熱的に有利な位置をとることができない。また、ポリゴンモータの発熱は、書き込み手段の冷却、通常はファンによる空冷によって軽減されていた。
断熱部材を活用する方法もあるが、効果が十分でなく、コスト的にも不利であった。
単色あるいは1つの書き込み手段を用いた画像形成装置では光学特性劣化のみへの対策で足りるが、複数の書き込み手段を有するカラー画像形成装置では単に光学特性劣化が問題になるだけではない。
例えばレンズ膨張による結像位置、走査幅の変動は、各色の書き込み位置が画像分解能レベル(数十μmレベル)で相対変動しただけで色変わりや境界色ずれを引き起こすので、複数のレンズの相対温度変動は極力小さく保つ必要がある。
特に安価な樹脂成形レンズを使用するときは、レンズの温度係数が大きいので、数deg程度の温度変動に抑える必要がある。
このような背景から、複数の書き込み手段を備えたカラー画像形成装置では樹脂成形レンズを使用することができず、その低コストの有利性を装置コストに反映することができなかった。
図1に示すように、カラー画像形成装置2は、装置下部に設けられた給紙カセット4と、上下方向に積層状態に設けられた4つの作像手段6a,6b,6c,6dと、これらに対応してそれぞれ水平配置された4つの書き込み手段としてのレーザービーム書き込み手段8a,8b,8c,8dと、転写ベルト方式の転写手段10と、最上の作像手段8dの上方に設けられた定着ベルト方式の定着手段12等を有している。転写手段10から定着手段12に至るシート搬送経路は略垂直となっている。
給紙カセット4に積載されたシートは給紙コロ26等により最上のものから1枚ずつ分離されてレジストローラ対28へ送られる。シートはレジストローラ対28で斜めずれ等を修正された後、レジストローラ対28により所定のタイミングで感光体14aの転写部位へ向けて送られる。シートは静電力により転写ベルト10a上に吸着されて略垂直に搬送され、各感光体14a,14b,14c,14dを通過するときに転写バイアス電圧の印加により各色のトナー画像を順次転写される。
定着済みのシートは排紙ローラ対40により排紙トレイ42に排出され、スタックされる。
このため、レーザービーム書き込み手段8a,8b,8c,8dに樹脂レンズとしての樹脂成形レンズ18と樹脂成形レンズ24を使用しても、熱膨張によるレンズ外形変化と、材料の屈折率変化が少なく、微小スポット径の変動と結像位値の変動も少ない。
従って、色ずれ等の画質劣化を抑制することができるとともに、樹脂成形レンズ18、24の使用により大幅なコストダウンを図ることができる。いずれか一方を樹脂成形レンズとした場合でも従来に比べ十分なコストダウンを図ることができる。
転写手段10と定着手段12の間に長いシート搬送経路を設けることなく定着手段12からの熱影響を回避する構成でるので装置の大型化を来すこともない。
本参考実施例ではシート搬送経路が略垂直になるように構成しているので、熱影響回避の観点から十分に有利な配置となっているが、定着手段12よりもレーザービーム書き込み手段8a,8b,8c,8dが下方となる範囲でシート搬送経路を傾斜させてもよい。
本実施例では、単に温度上昇を防止するだけでなく、レンズ間の温度差、すなわち、レーザービーム書き込み手段8a,8b,8c,8d間の温度差を少なくし又は無くすことにより色ずれを防止することを目的としている。
図3に示すように、各レーザービーム書き込み手段8a,8b,8c,8dは装置本体前側板44と装置本体後側板46間に支持された書込ステー48に支持されている。
この冷却ダクト54は1つであり、各レーザービーム書き込み手段8a,8b,8c,8dに共通となっている。なお、図3では転写手段10や定着手段12等は省略している。
レーザービーム書き込み手段8a,8b,8c,8dが定着手段12よりも下方に離れ、且つ、各レーザービーム書き込み手段8a,8b,8c,8dの樹脂成形レンズ18,24間の温度差が少ないので、結像位置ずれ(色ずれ)を防止することができる。
また、ハーネスや部品取り付けのためのスリット52a以外の穴を極力制限したり、穴をスポンジ状部材等で塞ぐようにしても効果的である。
本実施例では冷却ダクト54内に自然対流による気流を生じさせる構成としたが、後述するように送風手段を設けて強制的に気流を生じさせる構成としてもよい。
また、レーザービーム書き込み手段8a,8b,8c,8dを一体に支持するダクト状の構造体をユニット化し、ユニット単位で装置本体に取り付ける構成としてもよい。この場合、ポリゴンミラー16等を兼用する構成とし、部品点数を削減したユニットとすればさらに好適である。
各レーザービーム書き込み手段8a,8b,8c,8dを囲む共通の冷却ダクト56は、気流経路が定着手段12の一部を通過するように形成されており、定着手段12の上方に排気部56aが、装置の下部側面に吸気部56bが開口している。排気部56aは加熱ヒータ30を内包するように形成されている。
定着手段12の余熱により暖まったダクト上端部の空気が排気部56aより上昇し、順次吸気部56bより外気を流入させる。いわゆるチムニー効果によって冷却ダクト56内に気流が発生するので、各レーザービーム書き込み手段8a,8b,8c,8dの樹脂成形レンズ18,24間の温度偏差を少なくすることができる。
上記実施形例よりも強力な自然対流による気流を生じさせることができるので、送風手段は不要である。
本実施例では加熱ヒータ30を内包するようにダクト上部を形成したが、単に定着手段12周辺に隣接するように形成しても熱伝導により同様の機能を得ることができる。
本実施例においても、冷却ダクト56がレーザービーム書き込み手段8a,8b,8c,8dを支持する構造体を兼ねる構成とすれば、コストや組立性、小型化に有利となる。
一般に、定着手段12からの発熱だけでなく、装置内の発熱源からの発熱は自然対流を引き起こし、カバーで閉じられた装置上部に行くほど高温になる傾向がある。このような環境の中で下方より上方に向かって冷却気流を発生させたとき、場合によっては冷却気流の温度が上部に行くほど急激に周囲により加熱され、十分な温度均一性を維持できないことが考えられる。
このようなケースに対処すべく、本実施例では、各レーザービーム書き込み手段8a,8b,8c,8dを囲む共通の冷却ダクト58の下部に送風手段としての冷却ファン60を設けている。
気流温度が低い初期は比較的高温のダクト周辺より暖められ、以降はあまり暖められない温度条件が得られるので、複数のレーザービーム書き込み手段8a,8b,8c,8dの温度偏差を小さく維持することができ、画像の安定化が得られる。
本実施例においても、冷却ダクト58がレーザービーム書き込み手段8a,8b,8c,8dを支持する構造体を兼ねる構成とすれば、コストや組立性、小型化に有利となる。
8a,8b,8c,8d 書き込み手段としてのレーザービーム書き込み手段
10 転写手段
12 定着手段
18,24 樹脂成形レンズ
54,56,58 冷却ダクト
60 送風手段としての冷却ファン
Claims (2)
- 上下方向に設けられた複数の像担持体と、
前記複数の像担持体に対応して上下方向に配置されて前記複数の像担持体それぞれに静電潜像を形成する複数のレーザービーム書込み手段と、
該複数のレーザービーム書込み手段はいずれもハウジング内に樹脂レンズを有し、
前記複数の像担持体と前記複数のレーザービーム書込み手段との間に配置され、ビームが通過するための複数のスリットが形成された第1プレートと、
前記第1プレートを支持する2枚の側板と、前記第1プレートおよび前記2枚の側板と共に前記複数のレーザービーム書込み手段を囲むように前記第1プレートに対向して配置される第2プレートとによって、前記上下方向に配置された複数のレーザービーム書込み手段を装置内部で隔離することを特徴とするカラー画像形成装置。 - 請求項1記載のカラー画像形成装置において、
前記複数のレーザービーム書込み手段のハウジングと、前記第1プレートとを密着させたことを特徴とするカラー画像形成装置。
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