JP4316077B2 - 多孔性繊維複合積層体およびその製造方法 - Google Patents

多孔性繊維複合積層体およびその製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は多孔性複合繊維積層体に関し、さらに詳しくは繊維複合積層体内部に多数の不定形のセル状空隙部を有する新規な多孔性繊維複合積層体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
支持繊維層の少なくとも一面にパイルル−プ及び/またはそのカットル−プや不織布が一体化された布帛や、表裏両面の支持繊維層が連結糸によって結合されたスペ−サ−ファブリック(ダンボ−ルニットと称される場合もある)が、寝装具、衣料、車両内装材、敷物、土木建築資材、医療用品、生活資材等で商品化されている。
前記布帛の支持繊維層に一体化されているパイルル−プ、カットル−プには、嵩高加工糸、紡績糸等が使用され、得られたファブリックはその表面に起毛加工がなされていて、多少の嵩高さを有しているが、明確な多孔構造は有していない。
また、一体化されている繊維層が不織布の場合であっても、その構造は短繊維の三次元絡合のみで、多孔構造は有していない。
【0003】
さらに、従来のスペーサーファブリックの一つとして、クッション性を向上させるために連結糸としてモノフィラメントが使用されたダブルラッセル地が、繊維機械学会誌 Vol.48,No6,P211(1995)に記載される。また、特開平7−292547号、特開平7−316959号に、熱融着糸単独または嵩高加工糸と併用した丸編地の記載がある。特許公報の発明には、熱融着糸はそれ自体が融着するが、嵩高加工糸とも融着すると記載されている。従って、この発明では、スペーサーファブリックの中間層には、融着糸の減量による空隙は生じ得るが、それは極めて少なく、いずれの素材も多孔貭構造を形成するものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、支持層と多孔性繊維層からなり、繊維の交絡構造とセル状空隙部を併有する新規な多孔性繊維複合積層体、およびその製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、支持層とその一表面または両表面に多数の不定形セル状空隙部を有する多孔性繊維層からなる多孔性繊維複合積層体であって、該セル状空隙部は、大きさが長径約1mmから約30mmであって、形状が不定形であり、該多孔性繊維層は湿熱接着性繊維を10〜100重量%含むことを特徴とする多孔性繊維複合積層体である。
【0006】
また本発明は、 2層の支持層とその間に存在する多数の不定形セル状空隙部を有する多孔性繊維層からなる多孔性繊維複合積層体であって、該多孔性繊維層は湿熱接着性繊維を10〜100重量%含むことを特徴とする多孔性繊維複合積層体である。
【0007】
さらに本発明は、 支持層とその少なくとも一面にある湿熱接着性繊維を10〜100重量%含む繊維層からなる繊維複合積層体に水を含浸し、次いで含水繊維複合積層体を約100℃に加熱し、該繊維複合積層体内に気泡を生じつつ湿熱処理を施した後、該繊維複合積層体を冷却することによって、該繊維複合積層体内部に多数の不定形のセル状空隙部を有し、該セル状空隙部の内壁面の繊維および該繊維複合積層体を構成する繊維の少なくとも1部が湿熱接着性繊維によって熱接着される多孔性繊維複合積層体を製造することを特徴とする多孔性繊維複合積層体の製造方法である。
【0008】
さらにまた本発明は、2層の支持層とその間に存する湿熱接着性繊維を10〜100重量%含む繊維層からなる繊維複合積層体に水を含浸し、次いで含水繊維複合積層体を約100℃に加熱し、該繊維複合積層体内に気泡を生じつつ湿熱処理を施した後、該繊維複合積層体を冷却することによって、該繊維複合積層体内部に多数の不定形のセル状空隙部を有し、該セル状空隙部の内壁面の繊維および該繊維複合積層体を構成する繊維の少なくとも1部が湿熱接着性繊維によって熱接着される多孔性繊維複合積層体を製造することを特徴とする多孔性繊維複合積層体の製造方法である。
【0009】
本発明の多孔性繊維複合積層体は、少なくとも1層の支持層と、該支持層と連結した多数の不定形セル状空隙部を含む繊維層(以下、本多孔性繊維層とする)から構成される。その1つの態様は、1つの支持層とその一表面または両表面に多数の不定形セル状空隙部を有する多孔性繊維層からなる多孔性繊維複合積層体である。この構造では、本多孔性繊維層の1または2面が表面に露出している。
他の態様は、2層の支持層とその間に存在する多数の不定形セル状空隙部を有する多孔性繊維層からなる多孔性繊維複合積層体である。この構造では、本多孔性繊維層が支持層間にあり、表面には露出しない。これらの構造は多層に重積することも可能である。
【0010】
支持層は、本質的に緻密で変形しがたい層であり、繊維層、フィルム、シートおよび発泡層からなる群から選ばれる層である。繊維層としては、織編布、各種の不織布または網状物である。フィルム、シートおよび発泡体は、各種の樹脂で成形されたものであり、その厚さや表面加工は、必要に応じて任意に加工されたものを含む。支持層と多孔性繊維層は、編織製、接着、融着、ニードルパンチなどの機械的絡合などの方法で多孔性繊維層と連結される。
多孔性繊維層は後述するように、湿熱接着性繊維により繊維が接着絡合しかつ多数の不定形のセル状空隙部を有する層である。
【0011】
本発明で使用する繊維複合積層体は、湿熱接着性繊維を含有する。本発明でいう湿熱接着性繊維とは約95〜100℃の熱水で軟化して、自己接着または他の繊維に接着するポリマー成分を含有する繊維である。 この様なポリマーの一例として、エチレンビニルアルコール系共重合体を挙げることができる。エチレンビニルアルコール系共重合体とは、ポリビニルアルコールにエチレン残基が10モル%以上、60モル%以下共重合されたものを示す。とくにエチレン残基が30モル%以上、50モル%以下共重合されたものが、湿熱接着性の点で好ましい。またビニルアルコール部分は95モル%以上の鹸化度を持つものである。エチレン残基が多いことにより、湿熱接着性を有するが熱水溶解性はないという、特異な性質が得られる。重合度は必要に応じて選択できるが、通常は400から1500程度である。目的とする多孔性繊維複合積層体とした後、染色性付与または繊維改質などの後加工のために、エチレンビニルアルコ−ル系共重合体を部分架橋処理することもできる。
【0012】
他のポリマーの例として、アクリルアミドを1成分とする共重合体、ポリ乳酸などを挙げることができる。
【0013】
本発明の湿熱接着性繊維は、該共重合体からなる繊維でもよいし、他の熱可塑性重合体との複合繊維や、他の熱可塑性重合体へ該共重合体をコートした繊維でもよい。該熱可塑性重合体としては耐熱性、寸法安定性等の点で融点がエチレンビニルアルコール系共重合体より高いものが必要であり、例えば150℃以上の結晶性熱可塑性重合体が好ましく、具体的にはポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン等を挙げることができる。
【0014】
ポリエステルとしてはテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2、6−ジカルボン酸、フタル酸、α,β−(4−カルボキシフェノキシ)エタン、4,4−ジカルボキシジフェニル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオールからなる繊維形成性のポリエステルを挙げることができ、構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレート単位であることが好ましい。 ポリアミドとしてはナイロン6、ナイロン66、ナイロン12を主成分とする脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミドを挙げることができ、少量の第3成分を含有するポリアミドでもよい。
【0015】
エチレンビニルアルコール系共重合体と他の熱可塑性重合体からなる複合繊維において、複合比は前者:後者(重量比)=10:90〜90:10、とくに30:70〜70:30であることが、紡糸性の点で好ましい。また、複合形態は従来公知の複合形態であれば特に限定はなく、芯鞘型、偏心心鞘型、多層貼合型、サイドバイサイド型、ランダム複合型、放射状貼合型等を挙げることができる。これらの繊維の断面形状は、中実断面形状である丸断面や異型断面形状に限らず、中空断面形状等、種々の断面形状とすることができる。 また他の熱可塑性繊維にエチレンビニルアルコール系共重合体をコーテイングした繊維においては、該共重合体が他の繊維の表面の1/4以上、好ましくは1/3以上を被覆した繊維である。
【0016】
本発明の繊維複合積層体は上記の湿熱接着性繊維を10〜100重量%含むことが必要であり、好ましくは30〜90重量%である。湿熱接着性繊維が10重量%を下回ると繊維の接着が不十分となり、またセル状空隙部の形成が不十分となる。湿熱接着性繊維は多孔性繊維層に含まれることが必須であり、必要に応じて支持繊維層の繊維に含まれてもよい。支持繊維層に含まれる湿熱接着性繊維は、該繊維層の接着成分として作用し、構造によっては支持繊維層にセル状空隙部を形成することもできる。
本発明の繊維複合積層体は、さらに織・編物による積層体およびニードルパンチを含む不織布、布帛、フィルム、網状物が積層またはサンドイッチされた積層体であってもよい。
一方、繊維積層体を構成する湿熱接着性繊維以外の繊維は特に限定されず、天然繊維、半合成繊維および合成繊維を使用することができ、目的によって選定する。
【0017】
本発明のセル状空隙部は、多孔性繊維層の内部に構成される空隙部で、その形状は球形から雲型などの各種の不定形を含み、その大きさも長径約1mmから約30mmに亘り、より好適には約1〜5mmの広い分布を有する。該セル状空隙部は独立または連続した形状であり、試料またはその拡大写真を目視して得られる形状であり、微視的に見れば、数十センチに亘り連続するセル状空隙部もあり得る。
その空隙率は湿熱接着性繊維量、繊維の集積密度、湿熱処理条件などにより任意に設定できるが、水銀圧入法による空隙率で約80%以上、好ましくは90%以上である。
【0018】
該セル状空隙部は発泡剤を全く使用せずに構成されるものであり、従来の多孔性繊維構造体にはない構造である。本発明の空隙部は、湿熱接着性繊維を含有する繊維複合積層体に水を含浸させ、該含水繊維複合積層体を約100℃、即ち水の沸騰温度に加熱処理し、繊維複合積層体内で気泡が多数発生し、その気泡によって積層体の繊維が移動し、生じた空間が繊維複合積層体内の空隙部となり、同時に熱により湿熱接着性繊維が融着し、空隙部の内壁面を固定し、他の部分の繊維は繊維どうしが接着し、絡合構造を構成することにより、繊維集積体に多孔性と自立性を付与する。
本発明では湿熱接着性繊維と水による加熱を組合せることにより、沸騰水気泡によるセル状空隙部の生成と繊維の熱接着を同時に起こし、多孔性繊維複合積層体を形成するのである。もちろん副次的な目的で、公知の接着剤や発泡剤を使用することも可能である。
【0019】
以下、図によって本発明のセル状空隙部を有する多孔性繊維複合積層体の構造を更に詳細に説明する。
図1は本発明の繊維複合積層体の1例で、支持層の1表面上に多孔性繊維層を有する繊維複合積層体の断面図を示したものである。なお、本断面図は丸編地により得られるものであるが、支持層の構造はこれに限定されない。
図1において、支持層1に固定された多数の繊維2がランダムに絡合して多孔性繊維層を形成しており、その内部に不定形のセル状空隙部3を有している。多数の繊維2は湿熱接着性繊維を含有し、セル状空隙部には該繊維が融着してセル状空隙の内面を形成している部分3’が存在する。また多孔性繊維層は、全体が湿熱接着性繊維で接着され、自立性を有している。
【0020】
図2は本発明の繊維複合積層体の他の1例で、支持層の両面に2つの多孔性繊維層を有する繊維複合積層体の断面図を示したものである。本例も丸編地により得られるものであるが、支持層の構造はこれに限定されない。
図2において、支持層1に固定された多数の繊維2がランダムに絡合して多孔性繊維層を形成しており、その内部に多数の不定形のセル状空隙部3を有している。多数の繊維2は湿熱接着性繊維を含有し、セル状空隙部には該繊維が融着してセル状空隙の内面を形成している部分3’が存在する。
【0021】
図3は本発明の繊維複合積層体の他の1例であり、2つの支持層に挟まれた多孔性繊維層を有する繊維複合積層体の断面図を示したものである。なお、本例は丸編地により得られるものであるが、支持層の構造はこれに限定されない。
図3において、支持層1および支持層1’の間に多数の繊維2の絡合による多孔性繊維層が形成されており、その内部にセル状空隙部3が多数存在する。支持層1または1’と繊維層との界面をカットして繊維層の平面を見ると、セル状空隙部は平面内で連結している部分も見られ、セル状空隙は独立したものと連続した形状であることが認められる。
なお、支持層1と支持層1’は、同一の繊維組成または同一材料である必要はなく、別々の素材であっても良い。
【0022】
以下、本発明の多孔性繊維複合積層体の製造方法を説明する。
本発明の積層体は、上述の各種の方法で製造できる。編織法では、シングル丸編地、両面丸編地、トリコット経編地、ラッセル編地、ダブルラッセル編地、多重織物、積層不織布等を用いることができる。一例として、両面丸編地の中でも連結糸が長いことによる厚みが確保できる丸編製ダンボ−ルニット地を用いて、本発明の積層体を製造する方法について述べる。
ダンボ−ルニット地は、口径30インチ、20ゲ−ジのダブルニット編機を使用して得ることが出来る。一例として前記した湿熱接着性繊維を連結糸として両タック組織にて編み、シリンダ−およびダイヤル側はレギュラーポリエステル繊維のみで編込んで得られる。編機ゲ−ジを適当に変えることで、繊維層の厚みを調整し、セル状空隙部の大きさをコントロールする要素の一つとなり得る。
【0023】
本発明者らは、湿熱接着性繊維を含有する繊維積層体を含浸させ、該含水繊維積層体を加熱し、繊維積層体内で気泡を生ずる状態で湿熱処理することで、該繊維積層体内に不定形のセル状空隙部を多数形成させることができることを見出した。該処理では、加熱下で気泡を発生するに十分な量の水の存在が必要である。該気泡が繊維積層体内にセル状空隙部を形成する。
ところで繊維積層体の層内で気泡が発生し、繊維が移動しても、その構造が繊維層内で固定されなければ、セル状空隙部は形成されない。繊維層内にセル状空隙部を形成させるために、湿熱接着性繊維が必要である。即ち、気泡を含んだ状態で、湿熱接着性繊維が加熱融着して、セル状空隙部が形成され固定される。
【0024】
繊維積層体内に気泡が発生するために要する加熱は、加熱雰囲気の気圧に依存し、通常1気圧であれば約100℃である。加熱を減圧下または加圧下で行なえば、該気圧に応じて沸騰温度が変動する。繊維積層体が充分な気泡存在下で加熱されることが重要である。加熱温度はまた湿熱接着性繊維の融着温度と相関する。加熱温度が湿熱接着性繊維の融着温度またはそれ以上10℃未満の温度とすることが好ましい。湿熱処理時間は繊維積層体の目付、繊維の融着の程度等により調整することが出来る。
本発明は、セル状空隙部を形成するのに、有機溶媒や発泡性樹脂を一切必要としない特長を有する。従って、環境および作業者への負荷や負担が極めて少なく、製造コストを低減することもできる。該利点は実用上大きな効果である。
【0025】
含水繊維複合積層体の加熱は、スチーム吹き込みか、高周電磁波による加熱が好ましい。さらに繊維複合積層体を水中に浸漬した状態か、その表面を気相に露出した状態で加熱するかにより、繊維複合積層体の表面部分の構造を調整できる。水中に浸漬した状態で湿熱処理すれば、繊維層内にほぼ均一なセル状空隙部を付与することができる。表面を露出した状態で湿熱処理すれば、該表面を緻密層にすることができる。かかる簡単な方法で、多孔性繊維複合積層体の表面構造を調整できることも、本発明の優れた利点の一つである。これは支持層でなく、繊維層の処理に有効な処理方法である。
【0026】
湿熱接着性繊維が融着した後に、周知の方法で該繊維複合集積体を冷却し、多孔性繊維複合積層体の構造を固定する。湿熱処理後の繊維複合積層体は熱水を含有しているから、冷水中に浸漬するか、冷水シャワーによる冷却が好ましく、冷風による冷却は効率が低い。充分に冷却する前に繊維複合積層体を圧縮すると、セル状空隙部の変形が生ずる恐れがある。一方、圧縮処理を利用して、セル状空隙部の調整を行なうことも可能である。
繊維複合積層体を冷却した後、圧搾及び/又は常温または熱風乾燥して、巻取りローラーに巻き上げる。硬さに応じては裁断して積み上げる。
【0027】
本発明による多孔性繊維複合積層体は、ダンボ−ル形状の編地製品でその性能を測定すると、引張り強度5kg/cm 以上、残留伸び率:10%伸長時 6時間後 2.7%、空隙率80%以上、圧縮回復率:50%圧縮時 90以上、熱伝導率:0.05kcal/m・h・℃、などの優れた性能を有する。
本発明による多孔性繊維複合積層体は、その多孔性を利用して、液体の収蔵と放出性、吸音、断熱性、クッション性および濾過性を目的とする用途に使用される。具体的には、工業用途にドレン材、ワイパー、ペイント用ローラー、インク収蔵体、養生シート、空気フィルターおよび液体フィルター、医療用の各種吸収材、衛材、フィルター材、日用品用途のカーペット用基布、マットレス用基材、表面材、椅子用基材、表面材、壁装材、人工皮革用基布、表面材、靴中敷、包材、たわし等に使用できる。
【0028】
【実施例】
以下実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)繊維製造
微粒子シリカを含有したポリエチレンテレフタレ−ト[フェノ−ル/テトラクロロエタン等重量混合溶媒中、30℃で測定した固有粘度=0.68]を芯成分とし、鞘成分として、エチレン含有量40モル%、MI=10のエチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体を用い、紡糸、延伸を経て150デニ−ル48フィラメントの芯鞘複合フィラメント繊維を得た。
該芯鞘複合フィラメント繊維を仮撚数2570T/M、1段ヒ−タ−温度120℃、2段ヒ−タ−温度135℃により仮撚加工を施して、仮撚加工糸を得た。
【0029】
(2)丸編ダンボ−ルニット地の製造
上記した芯鞘複合フィラメント仮撚加工糸と150デニ−ル48フィラメントのレギュラ−ポリエステル仮撚加工糸を、30インチ、20ゲ−ジのダブルニット編機を用いて図3の編組織にて編立し、厚みが6mm、目付が1180g/mの丸編ダンボ−ルニット地を得た。
【0030】
(3)多孔性繊維複合積層体の製造
前記の丸編ダンボ−ルニット地を常温の水に十分に含浸させ、100℃の沸騰水中に浸漬させて、該編地が浮き上がらないようにネットで抑えながら30秒間湿熱処理した。処理後該編地を取り出して、常温の冷却水に浸漬させて冷却固定化した。次にこれを遠心脱水した後、乾熱110℃で乾燥した。
得られた編地の断面には、厚み方向に連結する繊維束がスポンジ状の硬化層を形成しているとともに、長径約1mm〜5mmの不定形のセル状空隙部が多数確認できた。
一方、該編地の片面と硬化層の境界付近をスライスして内部平面の状態を観察すると、不定形ではあるが、珊瑚礁のごとく細かいセル状空隙部が多数存在することが確認出来た。
得られた多孔性繊維複合積層体は水中に投入しても沈まずに浮き、さらに該多孔性繊維複合積層体に十分の水を吸収させると軟化する。
【0031】
実施例2
(1)フリ−ス編地の製造
30インチ20ゲ−ジ、シンカ−長2.7mmのシンカ−パイル編機を用いて、実施例1に使用した芯鞘複合フィラメント仮撚加工糸をパイル糸とし、150デニ−ル48フィラメントのレギュラ−ポリエステル仮撚加工糸をグランド糸として編立し、目付790g/mのシンカ−パイル編地を得た。
得られたシンカ−パイル編地の反パイル側とパイル側の両面を起毛機を用いてパイル糸を掻き出した後、シャ−リング加工してフリ−ス編地を得た。
【0032】
(2)多孔性繊維複合積層体の製造
前記のフリ−ス編地を常温の水に十分に含浸させ、100℃の沸騰水中に浸漬させて、該編地が浮き上がらないようにネットで抑えながら30秒間湿熱処理した。処理後、該編地を取り出して常温の冷却水に浸漬させて冷却固定化した。次にこれを遠心脱水した後、乾熱110℃で乾燥した。
得られた編地の断面には、熱水処理前にはパイル糸であった繊維束がスポンジ状の硬化層を形成しているとともに、長径約1mm〜5mmの不定形のセル状空隙部が多数確認できた。
一方、該編地の表面付近をスライスして内部平面の状態を観察すると、実施例1と同様に不定形ではあるが、珊瑚礁のごとく細かいセル状空隙部が多数存在することが確認出来た。
実施例1と同じく得られた多孔性繊維複合積層体は水中に投入しても沈まずに浮き、さらに該多孔性繊維複合積層体に十分の水を吸収させると軟化する。
【0033】
実施例3
(1)繊維製造
微粒子シリカを含有したポリエチレンテレフタレ−ト[フェノ−ル/テトラクロロエタン等重量混合溶媒中、30℃で測定した固有粘度=0.68]を芯成分とし、鞘成分として、エチレン含有量40モル%、MI=10のエチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体を用い、紡糸、延伸、捲縮工程を経て3デニ−ル、カット長51mmの芯鞘複合ステ−プル繊維を得た。
【0034】
(2)積層されたニ−ドルパンチ不織布の製造
上記した芯鞘複合ステ−プル繊維40%と、3デニ−ル、カット長51mmのレギュラ−ポリエステルステ−プル繊維60%からなるカ−ドウェブと、ポリエステル製スパンボンド不織布とを積層させてニ−ドリングにより積層構造として、目付600g/m2、厚み6mmの積層ニ−ドルパンチ不織布を得た。
【0035】
(3)多孔性繊維複合積層体の製造
前記の積層ニ−ドルパンチ不織布を常温の水に十分に含浸させ、100℃の沸騰水中に浸漬させて、該編地が浮き上がらないようにネットで抑えながら30秒間湿熱処理した。処理後、該積層ニ−ドルパンチ不織布を取り出して常温の冷却水に浸漬させて冷却固定化した。次にこれを遠心脱水した後、乾熱110℃で乾燥した。
得られた積層ニ−ドルパンチ不織布の断面には、支持繊維層を貫通して連結する繊維束がニド−ル跡としてほぼ均一に分布しており、該繊維束の間に長径約1mm〜5mmの大きい空隙部が多数確認できた。一方、該積層ニ−ドルパンチ不織布の表面をスライスして内部平面の状態を観察すると、不定形のセル状空隙部が存在し、独立した空隙部や部分的に連なったセル状空隙部も確認出来た。
実施例1と同じく、得られた多孔性繊維複合積層体は水中に投入しても沈まずに浮き、さらに該多孔性繊維複合積層体に十分の水を吸収させると軟化する。
【0036】
実施例4
(1)ラミネ−トにより積層された不織布の製造
実施例3に使用したカ−ドウェブをニ−ドルパンチにより目付570g/m2の不織布を得た。これに、目付が70g/m2のポリウレタンフォ−ムをフレ−ムラミネ−ション法により、ポリウレタンフォ−ム側を火炎により溶融させるとともに、上記不織布の片面と接着して貼り合せた。更に、目付が70g/m2の別のポリウレタンフォ−ムを、前記と同様にしてフレ−ムラミネ−ション法により前記接合布のもう片面に貼り合せて、ポリウレタンフォ−ムを支持層とし、不織布をサンドイッチした積層体を得た。
【0037】
(2)多孔性繊維複合積層体の製造
前記のポリウレタンフォ−ムを支持層とする、不織布をサンドイッチした繊維複合積層体を常温の水に十分に含浸させ、100℃の沸騰水中に浸漬させて、該複合積層体が浮き上がらないようにネットで抑えながら30秒間湿熱処理した。処理後、該複合積層体を取り出して常温の冷却水に浸漬させて冷却固定化した。次にこれを遠心脱水した後、乾熱110℃で乾燥した。
得られた複合積層体の断面において、ポリウレタンフォ−ムにより挟まれた不織布層には、ニ−ドリングにより貫通して連結する繊維束がニ−ドル跡としてほぼ均一に分布しており、該繊維束の間に長径約1mm〜5mmの大きい不定形空隙部が多数確認できた。さらに、ポリウレタンフォ−ムの層と該ポリウレタンフォ−ム層に挟まれた不織布層との界面付近をスライスして内部平面の状態を観察すると、不定形のセル状空隙部が存在し、独立した空隙部や部分的に連なったセル状空隙部が確認出来た。
【0038】
比較例1
(1)丸編ダンボ−ルニット地の製造
実施例1で使用した芯鞘複合フィラメント仮撚加工糸と150デニ−ル48フィラメントのレギュラ−ポリエステル仮撚加工糸とを30インチ、20ゲ−ジのダブルニット編機を用いて、実施例1と同一の編組織にて編立し、厚みが4mm、目付が620g/mの丸編ダンボ−ルニット地を得た。
【0039】
(2)熱水処理
上記の丸編ダンボ−ルニット地を常温の水に十分に含浸させ、90℃の熱水中に浸漬させて、該丸編ダンボ−ルニット地が浮き上がらないようにネットで抑えながら30秒間湿熱処理した。処理後、該丸編ダンボ−ルニット地を取り出して常温の冷却水に浸漬させて冷却固定化した。次にこれを遠心脱水した後、乾熱110℃で乾燥した。
得られた丸編ダンボ−ルニット地は熱処理前の状態と変化がなく、繊維層にセル状空隙部は見出せなかった。
【0040】
比較例2
比較例1と全く同一の丸編ダンボ−ルニット地を用いて熱処理条件をテンタ−180℃の乾熱処理に置き換えて実施した。
得られた丸編ダンボ−ルニット地は、その連結糸がモノフィラメント状に膠着するのみで、一部の連結糸間では相互の融着は確認されるものの、スポンジ状の硬化層の形成もなければ、セル状の孔構造も形成されていなかった。
【0041】
【発明の効果】
本発明により、支持層と、繊維間の交絡構造とセル状空隙部を併有し大きな空隙部を有する多孔性繊維層からなる新規な繊維複合積層体、および水と加熱により多孔性繊維複合積層体を製造する方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維複合積層体の1例で、支持層の1表面上に多孔性繊維層を有する繊維複合積層体の断面図。
【図2】本発明の繊維複合積層体の他の1例で、支持層の両面に2つの多孔性繊維層を有する繊維複合積層体の断面図。
【図3】本発明の繊維複合積層体の他の1例で、2つの支持層に挟まれた多孔性繊維層を有する繊維複合積層体の断面図。
【符号の説明】
1、1’:支持層、2:繊維、3:セル状空隙部、3’:セル状空隙部の内面

Claims (9)

  1. 支持層とその一表面または両表面に多数の不定形セル状空隙部を有する多孔性繊維層を有してなる多孔性繊維複合積層体であって、該セル状空隙部は、大きさが長径約1mmから約30mmであって、形状が不定形であり、該多孔性繊維層は湿熱接着性繊維を10〜100重量%含むことを特徴とする多孔性繊維複合積層体。
  2. 該支持層が、繊維層、フィルム、シートおよび発泡層からなる群から選ばれる層である請求項1に記載される多孔性繊維複合積層体。
  3. 2層の支持層とその間に存在する多数の不定形セル状空隙部を有する多孔性繊維層からなる多孔性繊維複合積層体であって、該多孔性繊維層は湿熱接着性繊維を10〜100重量%含むことを特徴とする多孔性繊維複合積層体。
  4. 該2層の支持層が、繊維層、フィルム、シートおよび発泡層からなる群から選ばれる層である請求項3に記載される多孔性繊維複合積層体。
  5. 該湿熱接着性繊維が、繊維表面の少なくとも1部にエチレンビニルアルコール系共重合体が存在する繊維である請求項1ないし請求項4に記載された多孔性繊維複合積層体。
  6. 支持層とその少なくとも一面にある湿熱接着性繊維を10〜100重量%含む繊維層からなる繊維複合積層体に水を含浸し、次いで含水繊維複合積層体を約100℃に加熱し、該繊維複合積層体内に気泡を生じつつ湿熱処理を施した後、該繊維複合積層体を冷却することによって、該繊維複合積層体内部に多数の不定形のセル状空隙部を有し、該セル状空隙部は、大きさが長径約1mmから約30mmであって、形状が不定形であり、該セル状空隙部の内壁面の繊維および該繊維複合積層体を構成する繊維の少なくとも1部が湿熱接着性繊維によって熱接着される多孔性繊維複合積層体を製造することを特徴とする多孔性繊維複合積層体の製造方法。
  7. 2層の支持層とその間に存する湿熱接着性繊維を10〜100重量%含む繊維層からなる繊維複合積層体に水を含浸し、次いで含水繊維複合積層体を約100℃に加熱し、該繊維複合積層体内に気泡を生じつつ湿熱処理を施した後、該繊維複合積層体を冷却することによって、該繊維複合積層体内部に多数の不定形のセル状空隙部を有し、該セル状空隙部は、大きさが長径約1mmから約30mmであって、形状が不定形であり、該セル状空隙部の内壁面の繊維および該繊維複合積層体を構成する繊維の少なくとも1部が湿熱接着性繊維によって熱接着される多孔性繊維複合積層体を製造することを特徴とする多孔性繊維複合積層体の製造方法。
  8. 該含水繊維複合積層体に高周電磁波を照射して加熱する請求項6または請求項7に記載された多孔性繊維複合積層体の製造方法。
  9. 該湿熱接着性繊維が、繊維表面の少なくとも1部にエチレンビニルアルコール系共重合体が存在する繊維である請求項6ないし請求項8のいずれかに記載された多孔性繊維複合積層体の製造方法。
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