屋内の無線伝送として60GHz帯のミリ波を用いた。60GHz帯のミリ波は、現在の衛星、地上TV放送波に比較して、著しく周波数が高く、送受信機の無線帯域幅が広くとれるため、地上放送、衛星放送をまとめて一度に無線伝送することが可能である。加えて、この周波数帯では、酸素・水分による吸収が大きいため、隣接した家との間での遮蔽が容易である。さらにこの周波数では、1/2波長が、空気中で2.5mmで、ICのチップサイズの大きさと同程度であり、アンテナを含めてICと一体化できる。このため、機器が小さくなるという特徴が有り、軽量で小型の無線モジュールが電子機器に組み込めることから、家庭内での屋内無線伝送には適した周波数帯である。
本発明によるミリ波送信装置、ミリ波受信装置、中継器及び電子機器の実施形態の一例を図1乃至図16に基づいて以下に説明する。
図1は、本発明によるミリ波送信装置、ミリ波受信装置及び電子機器の実施形態例における構成の一例を示しており、ミリ波送信装置10は、VHF・UHF用アンテナ11、BS用アンテナ12、CS用アンテナ13、接続手段14、接続手段15、放送波入力手段16、周波数配列手段17、アップコンバート手段18、送信手段19、電源供給手段20、電源供給手段21、受信手段22、電源制御手段23、利用機器記憶手段24、ミリ波送信アンテナ25から、ミリ波受信装置26は、ミリ波受信アンテナ27、増幅手段28、ダウンコンバート手段29、周波数逆配列手段30、混合/切り換え手段31、電源制御手段32、受電手段33、制御信号受信手段34、送信手段35、アンテナ端子36、アンテナ端子37、接続手段38から、電子機器39は、アンテナ端子40、放送信号受信部41、制御信号送信手段42、電源供給手段43、メモリ手段44から構成されている。
電子機器39が例えばTV受信機である場合は、図1には記載していないが、上記の構成内容以外に表示手段等を含んでいる。
特許請求の範囲におけるミリ波受信手段は図1においては、ミリ波受信アンテナ27と増幅手段28から構成されており、増幅手段28には適切なフィルタ等を合わせて使用してもよい。
最初に、ミリ波送信装置10及びミリ波受信装置26での基本的なミリ波伝送の部分について説明する。
地上放送や衛星放送からの電波は、VHF・UHF用アンテナ11、BS用アンテナ12やCS用アンテナ13によって接続手段14及び接続手段15に入力される。接続手段14及び接続手段15はここでは2つとして示しているがこれに限られるものではなく、接続の状況に合わせて設ければよい。また、ここではアンテナを接続するとしたが、CATV等の共同受信システムからの一括した放送波の供給端子に接続するものでもよい。接続手段14及び接続手段15から入力された放送波は放送波入力手段16に供給される。放送波入力手段16は通常、周波数帯域や変調方式等に応じて適切にゲイン設定された増幅器で構成されており、増幅された放送波は周波数配列手段17に供給される。
図8に周波数配列手段17の構成を、図9に本実施形態における周波数の配列の様子を示す。周波数配列手段17に入力された入力信号におけるCS及びBSの中間周波数は、共同受信の場合、接続手段15とCS用アンテナ13との間に設けられたブロックコンバータ(図示せず)により、中間周波数1035MHz〜1895MHzの周波数軸上に配列されている。このような入力信号を図8(a)に示す周波数配列手段17により、地上波放送のみを、周波数ミキサ87と局部発振器86により周波数変換し、周波数軸上に配列させる。このとき出力される信号の周波数配列では図9(b)に示すように地上波放送を周波数変換している。これは、地上波放送の周波数が低いので、60GHz帯へアップコンバートされた信号は、局部発振波の近傍にくるが、本来、この局部発振波は、アンテナから放射されることなく除去されなければならない不要波であるため、地上波放送は、そのままアップコンバートすると局部発振波とともに、除去されてしまう。そのため、地上放送波は、一旦、中間周波数段階で、他の周波数帯(例えば、2GHz帯)へ周波数配列手段17で周波数変換される。
このように周波数軸上に配列された放送波は、ミリ波送信装置10の中のアップコンバート手段18で60GHz帯にアップコンバートされ、図9(c)に示すような無線周波数となり、送信手段19で電力増幅等を行って、ミリ波送信装置10のミリ波送信アンテナ25からミリ波無線信号として出力される。
一方、ミリ波受信装置26のミリ波受信アンテナ27でミリ波無線信号を受信し、増幅手段28で増幅されダウンコンバート手段29でダウンコンバートされた放送波は、周波数逆配列手段30へ入力される。周波数逆配列手段30は、図8(b)に示すように、周波数配列手段17とは、逆の過程であり、周波数ミキサ87と局部発振器86により、周波数軸上に並んだ中間周波数から本来の地上波周波数へ周波数変換する機能を有している。この周波数逆配列手段30の出力の周波数関係を図9(d)に示している。このようにして得られた放送波を電子機器39に入力し、電子機器39がTV受信機の場合はTV受信が可能となる。
以上がミリ波送信装置10、ミリ波受信装置26を通してTV受信機等の電子機器39へ放送波をまとめてミリ波伝送するための基本的な構成である。
次に、図1においてTV受信機等の電子機器39からミリ波受信装置26、ミリ波送信装置10を制御するための構成を説明し、図2及び図3においてミリ波受信装置26の構造上の特徴を説明する。
TV受信機等の電子機器39では放送信号受信部41によってアンテナ端子40から供給される放送波を選択して受信する。ミリ波受信装置26を使用しない従来の受信システムの場合は、アンテナ端子40に直接、VHF・UHF用アンテナ11、BS用アンテナ12やCS用アンテナ13を接続しているが、ミリ波受信装置26を使用する場合は、アンテナ端子40を接続手段38に接続する。
電子機器39側のアンテナ端子40は地上波放送用とBS放送用等のものが分れていて別端子になっている場合があるが、このときは図13に示すように、周波数逆配列手段30の出力を分配手段90によって必要な数に分配し分配出力端子91、分配出力端子92から出力する。このとき、分配出力端子91や分配出力端子92から電子機器39への接続はケーブルを介して行なうようにしておけば、接続手段38を電子機器39に差し込んで回転させ、この場合でも後述するようにミリ波受信アンテナ27の向きを調整することも可能である。
ミリ波受信装置26には混合/切り換え手段31、アンテナ端子36、アンテナ端子37が設けられており、ミリ波受信装置26を電子機器39に取り付けた場合でも、アンテナ端子36あるいはアンテナ端子37に直接VHF・UHF用アンテナ11、BS用アンテナ12やCS用アンテナ13を接続してここからの放送波を混合/切り換え手段31を通して使用することも可能にしている。ミリ波受信装置26を使用するときは、通常、アンテナ端子36及びアンテナ端子37の接続は必要としないが、ミリ波送信装置10からの伝送が例えばVHF、UHFとBS放送のみとしていて、CS放送は別系統で同軸ケーブルで配線したい場合や、ミリ波送信装置10やミリ波受信装置26の動作を止めておきたい場合等にミリ波受信装置26を電子機器39に取り付けたまま、その取り付け状態を変更することなくVHF・UHF用アンテナ11、BS用アンテナ12、CS用アンテナ13等を接続できるようになっている。
電子機器39においてユーザが受信を希望するチャンネルを放送信号受信部41にて選択するとき、ユーザは予め、その受信チャンネルがVHF・UHF用アンテナ11、BS用アンテナ12、CS用アンテナ13等から直接入力されるものか、あるいはミリ波送信装置10及びミリ波受信装置26を通して入力されるものかを受信チャンネルと関連付けてメモリ手段44に記憶させておく。メモリ手段44に記憶された情報に基づき、選択された受信チャンネルがミリ波送信装置10及びミリ波受信装置26を使用するチャンネルの場合は、電源供給手段43によってアンテナ端子40を通してミリ波受信装置26の動作に必要な電源を供給する。電源の供給は放送波と重畳して行われる。あるいは電子機器39がオン状態となったときに電源供給手段43によって電源供給しておき、制御信号送信手段42からの制御信号を重畳して電源制御手段32の電源制御を必要に応じて行なってもよい。このときは、接続手段38を通過した電源と制御信号は受電手段33と制御信号受信手段34によってそれぞれ放送波と分離して電源制御手段32に供給される。通常は電子機器39が受信動作を必要とするときに電源供給手段43から電源供給するのが消費電力を削減するのに適している。電源制御手段32からは増幅手段28、ダウンコンバート手段29、周波数逆配列手段30への電源供給が制御されているが、これ以外の電源制御の必要なブロックを含めて制御してもよい。ここでは接続手段38を通して電子機器39から電源供給できる構成としているが、電子機器39が必ずしもミリ波受信装置26への電源供給の対応を行なったものばかりではないので、電子機器39とは別にミリ波受信装置26用の電源アダプタを用いてもよいし、あるいはミリ波受信装置26自身の中にAC電源からの電源を受けいれる電源回路を内蔵しておいてもよい。
また、電子機器39がCS放送を受信可能なCSチューナやTV受信機の場合、制御信号送信手段42は電源の制御以外に、CS用アンテナ13へ受信チャンネルによって垂直偏波を使用するか水平偏波を使用するかを指定する情報を伝送できる。また、BS放送受信の場合は、BS用アンテナ12への電源を供給するかどうかの情報を伝送する。垂直偏波か水平偏波か、あるいはBS受信か等の情報は制御信号送信手段42によって生成され、アンテナ端子40、接続手段38を通して伝送され、制御信号受信手段34によって分離される。分離されたこれらの情報は、送信手段35によってミリ波送信装置10に向かって送信される。通常、送信手段35から受信手段22への信号伝送は赤外線を用いて送信するが、赤外線に限らず、無線、有線、音声、電力線搬送等を利用してもよい。
特に、UHF帯の電波を用いれば、赤外線での通信とは異なり、襖、壁等の遮蔽物を透過できるため、ミリ波送信装置、ミリ波受信装置は仕切られた部屋と部屋間でも使うことができる。さらに、PHS等のコードレス電話を組み込むことにより、水平、垂直偏波制御等のための信号だけでなく、データ伝送も可能となり、双方向の通信が可能となるメリットがある。
また、図11に示すようにミリ波受信装置26に受信手段22を設けておけば、TV受信機等の電子機器39に付属しているリモコン送信機からの制御信号を受信して、電子機器39のオン、オフ状態やBS放送やCS放送のチャンネル選局に応じて、ミリ波受信装置26の電源を電源制御手段32によってオン、オフできる。また、受信手段22で受信した制御信号を送信手段35からミリ波送信装置10へ送信することによって、上記と同様にミリ波送信装置10の電源制御手段23を制御したり、水平、垂直偏波等の情報に基づいて電源供給手段20や電源供給手段21を制御できる。
ミリ波送信装置10に設けられた受信手段22は、これらの情報を受け取り、受け取った情報が垂直偏波の場合は電源供給手段20を制御して接続手段15を通してCS用アンテナ13へ11Vの直流電源が、水平偏波の場合は15Vの直流電源が供給される。また、受け取った情報がBS放送の場合は、電源供給手段21を制御して接続手段14を通してBS用アンテナ12へ15Vの直流電源が供給される。CS放送の共同受信を行っている場合は、図7に示すようなブロックコンバータ80を接続手段15とCS用アンテナ13の間に設置する必要がある。
また、電子機器39がオフとなっていて受信を必要としないときに、上述のようにミリ波受信装置26の中の増幅手段28、ダウンコンバート手段29、周波数逆配列手段30等、動作不要な回路ブロックへの電源供給を遮断すると共に、ミリ波送信装置10側の放送波入力手段16、周波数配列手段17、アップコンバート手段18、送信手段19等の動作不要な回路ブロックへの電源供給を制御する必要がある。このときは、1台のミリ波送信装置10からの送信出力を複数のミリ波受信装置26と電子機器39の組み合わせで受信している場合、例えば電子機器39が大型の据え置きTV受信機と移動可能な液晶TV受信機であって、それぞれにミリ波受信装置26が取り付けられている場合などが想定される。従ってこの場合は、大型の据え置きTV受信機である電子機器39及び移動可能な液晶TV受信機である電子機器39のそれぞれが制御信号送信手段42によって機器の識別情報とその機器が現在受信を必要としていることを示す情報、例えばオンであることを示す情報をそれぞれに接続されているミリ波受信装置26へ伝送する。伝送された情報は制御信号受信手段34によって分離され、送信手段35によって1台のミリ波送信装置10へ向かって送信される。ミリ波送信装置10では、この情報を受信手段22によって受信し、利用機器記憶手段24に伝送する。利用機器記憶手段24はユーザによって予めこのミリ波送信装置10の放送波を使用する機器を記憶させており、これらの記憶された機器群からの、機器の識別情報とその機器が現在受信を必要としていることを示す情報を受信手段22から得て、利用機器記憶手段24に記憶された機器群の全てがオフ等になっており放送波を必要としない状態になれば、電源制御手段23によって放送波入力手段16、周波数配列手段17、アップコンバート手段18、送信手段19等への電源供給を遮断し、また、電源供給手段20、電源供給手段21によってCS用アンテナ13、BS用アンテナ12等への電源も遮断する。このようにしてミリ波送信装置10及びミリ波受信装置26が不要なときの消費電力の削減が実行できる。
また、1つのミリ波送信装置10からのミリ波伝送を、ミリ波受信装置26を各々装着したTV受信機とVTRで受信していてVTRが裏番組を録画中である場合、電子機器39としてのVTRの制御信号送信手段42によって、現在VTRが裏番組を録画中であるという情報をアンテナ端子40、接続手段38を経由して制御信号受信手段34へ伝える。制御信号受信手段34は、この情報をさらに送信手段35によってミリ波送信装置10のへ送信し、ミリ波送信装置10の受信手段22がこの情報を受信する。このとき、TV受信機が放送の受信を必要としないという情報をミリ波送信装置10へ送信していても、ミリ波送信装置10の電源制御手段23は放送波入力手段16、周波数配列手段17、アップコンバート手段18や送信手段19への電源供給を継続する。あるいは、ミリ波送信装置10、ミリ波受信装置26での伝送する放送チャンネルを電子機器39側の要求によって随時、切り換えている場合でも、VTRが裏番組を録画中であるという情報がミリ波送信装置10に届いていれば、伝送する放送チャンネルの切り換えを禁止して、VTRでの裏番組を録画を正常に行なわせる。この機能がないと、VTRでの裏番組録画中に放送チャンネルが途絶えてしまうことになる。
また、受信手段22はミリ波受信装置26の送信手段35からの信号を受信するだけでなく、例えば電子機器39に付属するリモコン送信機からのリモコン信号を直接受信できるようにしてもよい。すなわち、電子機器39に付属するリモコン送信機で、TVオン信号やチャンネル切り換え信号を送信したとき、本体である電子機器39がそのリモコン信号を受信して動作すると共に、受信手段22がそのリモコン信号を受信し、その内容に応じて電源供給手段20や電源供給手段21を制御しCS用アンテナ13やBS用アンテナ12にアンテナ電源を供給したり、あるいは、利用機器記憶手段24を通して、それがミリ波送信装置10を必要とする機器の場合、電源制御手段23を制御して放送波入力手段16、周波数配列手段17、アップコンバート手段18、送信手段19等へ電源供給させることが可能となる。TVやVTRがパワーオフを送信したら同様にミリ波送信装置10の電源をオフとすることも可能となる。また、ミリ波送信装置10で伝送する放送チャンネルをBS放送からCS放送に切り換えたりすることもできる。これらは、電子機器39に付属するリモコン送信機を利用しても、あるいは、ミリ波送信装置10、ミリ波受信装置26等用に準備されたリモコン送信機を利用してもよい。
さらに、ミリ波伝送帯域に対し伝送したいチャンネル数が多くなった場合、ミリ波受信装置26を装着するTV受信機、BS、CSチューナやVTRなどの電子機器39からの制御信号に、ミリ波送受信の動作を例えばCSチャンネルの伝送だけに限定させる情報をのせて、ミリ波受信装置26及びミリ波送信装置10へ伝送する。これによって電子機器39が必要とするチャンネル帯域によって、ミリ波送信装置10では放送波入力手段16によって必要な帯域に制限してからアップコンバート手段18でアップコンバートする。こうすれば、伝送したいチャンネル数が多くなり過ぎても、必要に応じてチャンネル帯域を切り換えることが可能で、伝送チャンネル数を十分に確保させることが可能となる。
図2、図3及び図12は、上述のように接続手段38を通して電源及び制御信号を重畳して伝送できるミリ波受信装置26のアンテナ構造と、電子機器39、ここではTV受信機45への取り付け方法を示している。60GHz帯のミリ波は、使用帯域が広くとれ、適度な伝送減衰特性をもっているが、また、適度な伝送指向性ももっている。伝送指向性が非常に狭いと、周辺に情報が漏れないが、光のようになると光軸、指向性の向きを送信アンテナと受信アンテナでずれないように調整することが必要になる。伝送指向性が非常に広い場合は逆に、アンテナの向きは問題ないが、周辺に情報が漏れたりし、送信出力や受信感度を高くする必要がある。ミリ波の場合は、これらの中間的な性格をもっており、ミリ波受信装置26ではある程度そのミリ波受信アンテナ27の方向を制御できる方がこのましい。
そこでミリ波受信装置26は図2、図3及び図12に示すようにTV受信機45のアンテナ端子40に接続手段38を差し込んで使用するときに、アンテナ端子40を回転の軸としてミリ波受信装置26の本体を回転させることが可能になっている。ミリ波受信装置26には、ミリ波受信アンテナ27として平行設置アンテナ46をその回転軸と平行となる方向に取り付けられており、ミリ波受信装置26をアンテナ端子40回りに回転させたときに平行設置アンテナ46の面の方向が変えられるようになっている。これによってTV受信機45にミリ波受信装置26を取り付けたときに平行設置アンテナ46での受信感度が最も高くなる方向に容易に変更できる。また、このときにミリ波受信アンテナ27としてさらに垂直設置アンテナ47を回転軸に垂直に取り付けておけば、今度は、逆にどの回転位置にミリ波受信装置26を取り付けても垂直設置アンテナ47での受信感度は変化しないので、垂直設置アンテナ47の方向の受信強度が強い場合は有効である。
また、図3ではアンテナ端子40を中心とした回転軸に対し斜めの角度に斜め設置アンテナ48を設置しているので、取り付け時の回転角度で調整できる成分と変化しない成分とをもっている。ミリ波受信アンテナ27を1つだけ設ける場合は有効な取り付け方法である。
さらに、図12では、アンテナ端子40及び接続手段38での回転の軸に対し垂直の方向に回転軸をもっており、その周りにミリ波受信アンテナ27が回転可能に取り付けられている。従って、ミリ波受信アンテナ27は空間内で自由な方向に向けることができる。ここで、接続手段38が取り付けられている部分とミリ波受信アンテナ27が取り付けられている部分の回転軸に、同軸状のアンテナ端子を用いれば2つの部分を分離することもできて便利である。
ここでは、平行設置アンテナ46、垂直設置アンテナ47、斜め設置アンテナ48はある程度の指向性を面方向にもった平面アンテナとして説明したが、指向性をもたないアンテナを利用してもミリ波受信装置26の取り付け方向を気にする必要がないので有効である。また、アンテナ端子40は同軸状のアンテナ端子として説明したが、同軸状でなくても接続手段38部分で回転あるいは屈曲可能な構造としておいても同様な効果が期待できる。また、ミリ波受信装置26に取り付けられた接続手段38とアンテナ端子36を同軸上に設置しておけばミリ波受信装置26をアンテナ端子40に対して回転させたときに、アンテナ端子36に接続したアンテナケーブルの接続位置が変化しないので、アンテナケーブルが引っ張られたり、弛んだりしない。
図2、図3及び図12では、既存のTV受信機45のアンテナ端子40にミリ波受信装置26を取り付ける方法を示しているが、予めTV受信機45のアンテナ端子40の取り付け部分を後面で凹ませておいて(凹部)、そこにミリ波受信装置26を取り付ければ、TV受信機45の後面が出っ張ることないので、ミリ波受信装置26を取り付けたままTV受信機45を移動させた場合などでも、壁などにミリ波受信装置26をぶつけて接続手段38を破損するようなことを防止できる。さらに凹部にカバーをかぶせらせるようにしておけば、ミリ波受信装置26を取り付けていることも意識することなく、破損や埃などのよごれの防止も容易である。特に、液晶TVなどの薄型TV受信機では、ミリ波受信装置26を取り付けても出っ張り部分を無くすことができるので有効である。もちろん、TV受信機45にミリ波受信装置を内臓してもよい。
図4は、図1におけるミリ波受信装置26の構成に対し、受信強度判定手段49、表示手段50、映像/音声信号作成手段51、変調手段52、電源手段53を追加している。TV受信機45のアンテナ端子40に接続手段38を介してミリ波受信装置26を取り付け、その取り付けの回転角度でミリ波受信強度を最大にするが、このとき、平行設置アンテナ46、垂直設置アンテナ47あるいは斜め設置アンテナ48等で構成されるミリ波受信アンテナ27からの受信信号は増幅手段28に供給され増幅される。この信号はダウンコンバート手段29へ供給されると共に受信強度判定手段49に供給される。受信強度判定手段49では受信信号を検波し、受信強度に応じたDC電圧、あるいはデジタル信号等に変換し、映像/音声信号作成手段51に供給する。映像/音声信号作成手段51ではDC電圧、あるいはデジタル信号等に応じて、これらの受信状況を示す映像信号、例えばバーグラフで受信強度を表示する映像信号や、受信強度に応じて音声レベルを変える音声信号を作成する。作成されたこれらの信号は変調手段52で、例えばVHFの1チャンネルや2チャンネルのRF信号を作成し、混合手段93で周波数逆配列手段30出力と混合して接続手段38からTV受信機等の電子機器39へ出力する。これによってTV受信機等の電子機器39では、ミリ波受信装置26の取り付け方向で受信感度を調整するとき、VHFの1チャンネルあるいは2チャンネルを受信して受信映像を表示したり、音声を出力させておけば、ミリ波受信装置26を電子機器39に取り付けて、それらの映像や音声だけで容易にその取り付け方向の設定が可能となる。
また、ミリ波送信装置10、ミリ波受信装置26、電子機器39を設置したとき、場合によっては電子機器39によって正しく受信できないことも想定される。特に、ミリ波が正しくミリ波送信装置10から送信され、かつ、ミリ波受信装置26によって正しく受信されているかを確認するのは困難な作業である。このときには、ミリ波受信装置26を電子機器39から切り離して、電源手段53からの電源でミリ波受信装置26を単独で動作させ、例えば屋内の天井付近に設置したミリ波送信装置10の近くにミリ波受信装置26をもって行き、受信強度判定手段49の出力レベルに応じてLED(発光ダイオード)や液晶表示等の表示手段50に受信強度を表示させる。こうすることによってミリ波送信装置10の近辺からミリ波の送信出力を容易に確認することが可能となり、伝送経路を追跡することで電子機器39までの経路に問題がないか有るかを容易に検証できる。伝送路に問題がないことを確認できれば、ミリ波受信装置26を電子機器39のアンテナ端子40に接続して、今度は電子機器39側での確認を行なえばよいことになる。
図10は、ミリ波送信装置10側に映像/音声信号作成手段51、変調手段52、混合/切り換え手段93及び信号入力手段89を新たに設けた構成の一例を示している。この場合、受信手段22から得られたBS放送やCS放送の選択等の制御情報や、利用機器記憶手段24で記憶されている機器との照合結果の情報や、あるいは周波数配列手段17やアップコンバート手段18が設定されている情報等に基づいて映像/音声信号作成手段51は、例えばインフォメーションチャンネルと言えるような情報表示画面や音声信号を作成する。インフォメーションチャンネルの表示の例を図15に示す。作成されたこれらの信号は、変調手段52によってVHFの1チャンネルや2チャンネルの放送波に変調され、混合/切り換え手段93によって接続手段14や接続手段15から入力されている本来の放送波に重畳させる。重畳された信号は、本来の放送波と同様にミリ波受信装置26、電子機器39へミリ波伝送される。従ってTV受信機等の電子機器39では、VHFの1チャンネルや2チャンネルを受信すれば、常に、ミリ波送信装置10やミリ波受信装置26の運用状態を確認することができる。
同様に、信号入力手段89に外部からムービー等の映像信号や音声信号を入力すると、変調手段52によってVHFの1チャンネルや2チャンネルの放送波に変調され、混合/切り換え手段93によって接続手段14や接続手段15から入力されている本来の放送波に重畳させる。従ってTV受信機等の電子機器39では、VHFの1チャンネルや2チャンネルを受信すれば、家庭内のどこからでもムービー等の映像や音声を受信して楽しむことができる。
また、通常、ミリ波送信装置10とミリ波受信装置26をミリ波送受信システムとして利用する場合には、アンテナから入力される放送波の放送チャンネルを変更することなく、そのままの放送チャンネルでミリ波受信装置から出力するが、通常放送波との混信への対応や、ミリ波伝送する放送チャンネルを独自のチャンネルプランに変更したい場合には、チャンネルプランの切り替え情報としてミリ波送信装置のインフォメーションチャンネルにTVプリセット情報を重畳して出力することによって、TV側のチャンネルプリセットを自動で変更できるようにしてもよい。また、チャンネルプランを切り換えたこと自体をインフォメーションチャンネルの画面情報として合わせて出力しておけば、ユーザにとって分かりやすく、使い勝手がよくなる。このようにすることによって、ミリ波送信装置10は電子機器39の受信チャンネルプリセットの状態に関係なく、伝送に必要なチャンネルプランを送信すればよいことになる。
図14は、ミリ波受信装置26に内部情報に基づいたインフォメーション画面や音声を放送信号に重畳する構成を示している。ここでは制御信号受信手段34が電子機器39から得た情報や、あるいは、ダウンコンバート手段29や周波数逆配列手段30の設定情報を基に、映像/音声信号作成手段51がこれらをTV受信機に表示したり、音声を出すための映像信号を作成する。これらの情報は、例えばミリ波送受信装置がCS放送のチャンネルのみを選択的に伝送している等の情報である。作成された映像信号や音声信号は変調手段52によってNTSC等のTV信号に変調される。通常はVHFの1チャンネルや2チャンネルのTV信号として混合/切り換え手段31によって周波数逆配列手段30の出力と混合され、接続手段38を通して電子機器39へ供給される。ユーザは電子機器39としてのTV受信機等でVHFの1チャンネルや2チャンネルを受信すれば、ミリ波送受信機で伝送されている放送チャンネルが例えばCS放送だけであること等をTV画面で確認できる。
図5(a)は、本発明による中継器の実施形態例における構成の一例を示しており、中継器54は、接続手段14、接続手段15、放送波入力手段16、周波数配列手段17、電源供給手段20、電源供給手段21、電源制御手段23、受電手段56、制御信号受信手段57、中継端子58から構成されている。図5(b)には、中継器と合わせて用いるミリ波送信装置の一例を示す。ミリ波送信装置10は、アップコンバート手段18、送信手段19、電源供給手段20、受信手段22、電源制御手段23、利用機器記憶手段24、ミリ波送信アンテナ25、中継端子59、制御信号送信手段60から構成されている。中継器54は、通常、家屋の屋根上のVHF・UHF用アンテナ11、BS用アンテナ12、CS用アンテナ13を設置している付近に設置し、VHF・UHF用アンテナ11、BS用アンテナ12、CS用アンテナ13からの同軸ケーブルを一まとめにして中継端子58からの同軸ケーブル一本で屋内のミリ波送信装置10に接続するものである。
VHF・UHF用アンテナ11、BS用アンテナ12、CS用アンテナ13等からの受信信号は、それぞれ接続手段14、接続手段15等を通して放送波入力手段16へ入力される。入力された放送波は周波数配列手段17に供給され、上述のようにVHF・UHF帯の放送波が高い周波数帯に配列される。周波数配列手段17からの出力は中継端子58、中継端子59を通してミリ波送信装置10に供給される。このときの周波数配列は図9(b)となっているため、そのままミリ波送信装置10のアップコンバート手段18でアップコンバートすることができ、送信手段19、ミリ波送信アンテナ25を通して屋内に送信できる。
このとき、ミリ波送信装置10側では受信手段22から得られたミリ波受信装置26側からの制御信号に応じて、電源供給手段20から中継端子59へ中継器54への電源を供給すると共に、制御信号送信手段60によって必要な制御信号を中継器54へ伝送する。この場合の制御信号は、中継器自体の電源を制御するための信号とBS用アンテナ12、CS用アンテナ13への選択的な電源供給のための制御信号である。
中継器54は、中継端子58からこれらの重畳された信号と電源をそれぞれ制御信号受信手段57と受電手段56で受け取り、制御信号受信手段57はこれらの制御信号に応じて電源供給手段20、電源供給手段21を制御して、CS用アンテナ13、BS用アンテナ12への電源供給を制御する。また、利用機器記憶手段24に記憶されている全ての機器が受信を必要としていないときは、電源制御手段23によって放送波入力手段16、周波数配列手段17等、必要のないブロックへの電源を遮断することができる。
本実施の形態では、中継器54が家屋の屋根上のVHF・UHF用アンテナ11、BS用アンテナ12、CS用アンテナ13からの信号を1本の同軸ケーブルにまとめて、屋内のミリ波送信装置に接続するものを説明したが、図1に示すミリ波送信装置10自体を家屋の屋根に設置して、ミリ波送信アンテナ25からミリ波を直接、屋内に設置したミリ波受信装置に送信するようにしてもよい。このような設置方法を採用することによって、屋根上から同軸ケーブルを屋内に配線する必要がなくなる。ミリ波では、屋根上から瓦を透過して屋内に送信することは困難であるが、屋根に設けられた天窓などであれば容易に透過が可能であり、屋内へのワイヤレス伝送が容易に実現できる。また、屋根上にミリ波送信装置を設けた場合には、太陽電池などの電源を利用すれば同軸ケーブル以外に電源ケーブルを配線する必要もなく、完全にワイヤレスで各種アンテナからの放送波を屋内に伝送することも可能である。
図16は、本発明によるミリ波受信部を内蔵した電子機器の実施形態例における構成の一例を示しており、電子機器39は、ミリ波受信アンテナ27、増幅手段28、ダウンコンバート手段29、周波数逆配列手段30、混合/切り換え手段31、電源制御手段32、送信手段35、アンテナ端子40、放送信号受信部41から構成されている。通常の地上波放送、BS、CS放送等のアンテナからの信号はアンテナ端子40から入力される。これは、ミリ波受信部を内蔵した電子機器39でも、ミリ波受信部を用いず通常のアンテナに接続するための配慮である。一方、ミリ波送信装置10から伝送されるミリ波は、ミリ波受信アンテナ27によって受信され、増幅手段28によって増幅される。増幅された受信信号は、ダウンコンバート手段29によってダウンコンバートされ、周波数逆配列手段30で最終的に本来の放送周波数に変換される。変換された信号とアンテナ端子40から入力された信号は混合/切り換え手段31で混合あるいは切り換え選択され、ユーザの使用状況に合わせていずれかの信号が放送信号受信部41に供給される。
また、ユーザがどのチャンネルについてミリ波送受信機を用いて伝送するかの設定等に応じて、電子機器39がオンになったとき、あるいは、ミリ波送受信機を使用するチャンネルが選択されたときに、放送信号受信部41は、電源制御手段32をオンとして増幅手段28、ダウンコンバート手段29、周波数逆配列手段30等、ミリ波受信に必要なブロックに電源を供給する。また、放送信号受信部41はこのときに、送信手段35によってミリ波送信装置10へ電源オンの情報やどの放送チャンネルを伝送するかの情報等を送信し、必要な帯域の放送波を伝送させる。
上述の技術では、ミリ波送信装置10はリビング内に設けられたアンテナ端子に接続して、アンテナ端子から得られる放送波をミリ波にアップコンバートして屋内に放射するものであるが、ミリ波送信装置10をTV受信機45に取り付ける、或いは内臓することを行ってもよい。すなわち、壁のアンテナ端子からTV受信機45までは従来通りの同軸ケーブルなどで接続し、TV受信機に取り付けている、或いは内蔵されているミリ波送信装置10から屋内の別のTV受信機に放射するものである。この場合、TV受信機45自身はワイヤレスでの放送波受信とはならないが、屋内の液晶テレビなどのTV受信機へのワイヤレス伝送が可能である。すなわち、通常の家庭では、既存のTV受信機が設置されており、この部分をわざわざ変更しなくてもよい場合が多く、新たに購入した液晶TVなどのアンテナ接続がワイヤレス化されるだけでも非常に有効である。しかも、TV受信機45はある程度大型のものが多いのでミリ波送信装置10をその上部に設ければ、送信に都合のいい高さを自然にかせげ、ミリ波伝送経路の妨害を軽減することも可能である。ミリ波伝送経路の妨害を軽減することも可能である。ミリ波送信装置10をアダプタとしてTV受信機45に取り付ける場合は、TV受信機45の通常のアンテナ入力端子を従来どおりTV受信機の後面下部に設け、ミリ波送信装置との接続アンテナ出力をTV受信機45の上部に設けておけば、ミリ波送信装置の取り付け位置を高くできるので有効である。
特に、ミリ波送信装置10を取り付けた或いは内蔵したTV受信機45をメインテレビとし、メインテレビのスイッチと連動又はメインテレビのリモコンでミリ波送信装置10をオン、オフさせることも同様に可能となる。この場合、液晶TVなどのようにサブテレビ側には、制御信号受信手段34を備えたミリ波受信装置26を設置しておけばよい。
また、逆に、壁のアンテナ端子にミリ波送信装置10を設置することも考えられる。通常すぐ近くのTV受信機45には直接ミリ波で放送波を伝送し、別の屋内のTV受信機には、ミリ波送信装置10から天井に向けてミリ波送信し、ミリ波送信装置10から天井に向けてミリ波を送信し、天井に設置した反射板やあるいは天井自身を反射板として、反射波によってミリ波伝送してもよい。ミリ波は、一般家屋に用いられている天井板材料によって反射させることが可能である。この場合、TV受信機45に取り付ける、あるいは内蔵するミリ波受信装置26は、TV受信機45の後面下部に設置しておけば、壁のアンテナ端子に設置したミリ波送信装置10からのミリ波を効果的に受信することができる。
上記にて説明された本発明により以下の効果がもたらされる。
ミリ波受信装置は、上述したような構成としているので、屋内において同軸ケーブルなどの配線を用いずに、TV受信機、BS、CSチューナやVTRなどのアンテナ端子に差し込んで取り付けるだけで電源供給経路、ダウンコンバート出力も接続され、ミリ波無線で放送波を無線伝送することができるので、TV増設ごとにアンテナ工事をする必要がなく、また、複雑な配線が不要とすることができる。このことによって、屋内や駅の構内などであれば小型TVやTVチューナ付きのパソコンやビデオカメラなど自由に、どこでも使用することが可能となる。
ミリ波受信装置は、上述したような構成としているので、既設のVHF、UHF、BS、CS等のアンテナから同軸ケーブル等のアンテナ線を接続してそこから得られる放送波を直接受信することも、同時にミリ波送信装置からのアップコンバートした放送波も受信できるので、ユーザの都合に合わせて従来通りのアンテナ線とミリ波のどちらの経路でも容易に選択することが可能となる。
ミリ波受信装置は、上述したような構成としているので、ミリ波送信装置側で周波数の低い地上波放送をアップコンバートしたときに局部発振波との分離が容易になるので、VHF、UHF、BS、CS等の放送波を同時に処理しても地上波放送の伝送品質の低下を防止して受信することが可能となる。
ミリ波受信装置は、上述したような構成としているので、該装置で設定されている伝送可能な放送チャンネル等の情報を映像信号や音声信号としてVHFの1チャンネルや2チャンネルに重畳して同時に伝送することができるので、TV受信機側ではこのチャンネルを受信すればミリ波送受信装置の伝送状態を容易に知ることが可能となる。特に、ミリ波伝送が正常に行なわれているかどうかが分からない場合などは、TV受信機側ではこのチャンネルを受信して伝送されている帯域が所望のものであるか等がすぐに確認できる。
ミリ波受信装置は、上述したような構成としているので、TV受信機、BS、CSチューナやVTRなどのアンテナ端子が地上波、BS放送等で別端子となっていても、該装置に内蔵された分配手段で個別に容易に接続することが可能となる。
ミリ波受信装置は、上述したような構成としているので、TV受信機、BS、CSチューナやVTRなどのアンテナ端子に差し込んで取り付けたときにミリ波受信装置のアンテナの向きを変えることができるので、ミリ波送信装置からの電波の指向性があっても、あるいはミリ波受信装置のアンテナに指向性があっても、受信強度の高い方向へ自由にアンテナの向きを調整することが可能となる。
ミリ波受信装置は、上述したような構成としているので、TV受信機、BS、CSチューナやVTRなどのアンテナ端子に差し込んで取り付けたときにミリ波受信装置のアンテナの向きを空間内で任意の方向に変えることができるので、ミリ波送信装置からの電波の指向性があっても、あるいはミリ波受信装置のアンテナに指向性があっても、受信強度の高い方向へ自由にアンテナの向きを調整することが可能となる。
ミリ波受信装置は、上述したような構成としているので、TV受信機、BS、CSチューナやVTRなどのアンテナ端子に差し込んで取り付けたときに、TV受信機の特定のチャンネルにミリ波受信装置での受信強度をバーグラフ等で表示したり、受信強度に応じた音量や音声周波数で音声を出力させることができるので、アンテナの向きを非常に容易に調整することが可能となる。
ミリ波受信装置は、上述したような構成としているので、TV受信機、BS、CSチューナやVTRなどのアンテナ端子に差し込んで取り付けなくても内蔵の電池や電源アダプタ等で動作させ、正しくミリ波送信装置からミリ波が届いているか、その電波強度はどれくらいかをLED(発光ダイオード)等で表示できるので、ミリ波受信機を設置する際の電波伝播確認を容易に行なうことが可能となる。
ミリ波受信装置は、上述したような構成としているので、ミリ波伝送帯域に対し伝送したいチャンネル数が多くなった場合、ミリ波受信装置を装着するTV受信機、BS、CSチューナやVTRなどの電子機器からの制御信号に応じて、ミリ波送受信の動作を例えばCSチャンネルの伝送だけに限定させてCS放送側のチャンネル数を確保させたりすることが可能となる。
ミリ波受信装置は、上述したような構成としているので、ミリ波受信装置を装着するTV受信機、BS、CSチューナやVTRなどの電子機器がミリ波受信装置を必要としないとき、例えば電源オフ状態の時に、電子機器からの制御信号によってミリ波受信装置の中で電源供給させる必要のない部分への電源供給を遮断し、特にユーザが意識して電源制御しなくても無駄な電力消費を防止することが可能となる。
ミリ波受信装置は、上述したような構成としているので、TV受信機、BS、CSチューナやVTRなどのアンテナ端子に差し込んで取り付けるだけで電源供給経路、ダウンコンバート出力も接続され、ミリ波無線で放送波を無線伝送することができ、無指向性アンテナによって取り付け時の方向にかかわらず安定した受信が可能となり、屋内や駅の構内などであれば小型TVやTVチューナ付きのパソコンやビデオカメラなど自由に、どこでも使用することが可能となる。
ミリ波受信装置は、上述したような構成としているので、ミリ波受信装置を装着するTV受信機、BS、CSチューナやVTRなどの電子機器がミリ波受信装置を必要としないとき、例えば電源オフ状態の時に、電子機器からの制御信号によってミリ波受信装置の中で電源供給させる必要のない部分への電源供給を遮断したり、同時にミリ波送信装置側の電源供給させる必要のない部分への電源供給を遮断したりして、特にユーザが意識して電源制御しなくても無駄な電力消費を防止することが可能となる。また、ミリ波送信装置、ミリ波受信装置で伝送するチャンネルをCSチャンネルの伝送だけに同時に限定させてCS放送側のチャンネル数を確保させたりすることが可能となる。
電子機器は、上述したような構成としているので、受信するチャンネルを切り換えたときに、ミリ波受信装置を利用するチャンネルになれば自動的にミリ波受信装置への電源供給を行なうことができ、ユーザが意識しなくてもミリ波受信装置での無駄な電力消費を防止することが可能となる。
電子機器、及び本発明に係るミリ波送信装置は、上述したような構成としているので、ミリ波受信装置からの制御信号やTV受信機等のリモコン送信機からの信号で、ミリ波伝送する放送チャンネルをBS放送からCS放送に切り換えたり、ミリ波送信装置の電源をオフしたり、あるいは、ミリ波受信装置からの出力を利用するTV受信機やVTRなどが2台あった場合、このTV受信機とVTRの2台共、パワーオフ状態であれば、この状態を示す情報を受けたミリ波送信装置は、不要となった送信機能部分への電源供給を自動的に遮断できるので、ユーザが意識しなくてもミリ波送信装置での無駄な電力消費を防止することが可能となる。
電子機器は、上述したような構成としているので、ミリ波受信装置からの出力を利用するTV受信機やVTRなどの場合、受信するチャンネルを切り換えたときに、ミリ波受信装置を利用するチャンネルになれば自動的にミリ波送信装置、ミリ波受信装置で伝送するチャンネルをCSチャンネルの伝送だけに同時に限定させてCS放送側のチャンネル数を確保させたりすることが可能となる。
ミリ波送信装置は、上述したような構成としているので、BSアンテナやCSアンテナにミリ波送受信システムの使用状況に応じて電源を供給することが可能になるので、BS対応のTV受信機やVTR、あるいは、CSチューナからのアンテナ用電源の中継を廃止することが可能となる。
ミリ波送信装置は、上述したような構成としているので、周波数の低い地上波放送をアップコンバートしたときに局部発振波との分離が容易になるので、VHF、UHF、BS、CS等の放送波を同時に処理しても地上波放送の伝送品質の低下を防止することが可能となる。
ミリ波送信装置は、上述したような構成としているので、ミリ波送信装置から伝送している放送チャンネルがCS放送であることなど、該装置の動作状況や設定状況等をVHFの1チャンネルや2チャンネルに重畳して同時に伝送することができるので、TV受信機側ではこのチャンネルを受信すればミリ波送受信装置の伝送状態を容易に知ることが可能となる。また、ムービー等で撮影したビデオ信号等も重畳でき、これらを家庭内のどこからでも受信して楽しむことが可能となる。
ミリ波送信装置は、上述したような構成としているので、ミリ波受信装置からの出力を利用するTV受信機やVTRなどの場合、TV受信機やVTRがそのリモコンでパワーオンとされると自動的にミリ波送信装置の電源をオンしたり、そのリモコンで受信するチャンネルを切り換えたときに、ミリ波受信装置を利用するチャンネルになれば自動的にミリ波送信装置、ミリ波受信装置で伝送するチャンネルをCSチャンネルの伝送だけに同時に限定させてCS放送側のチャンネル数を確保させたりすることが可能となる。
10 ミリ波送信装置、11 VHF・UHF用アンテナ、12 BS用アンテナ、13 CS用アンテナ、14 接続手段、15 接続手段、16 放送波入力手段、17 周波数配列手段、18 アップコンバート手段、19 送信手段、20 電源供給手段、21 電源供給手段、22 受信手段、23 電源制御手段、24 利用機器記憶手段、25 ミリ波送信アンテナ、26 ミリ波受信装置、27 ミリ波受信アンテナ、28 増幅手段、29 ダウンコンバート手段、30 周波数逆配列手段、31 混合/切り換え手段、32 電源制御手段、33 受電手段、34 制御信号受信手段、35 送信手段、36 アンテナ端子、37 アンテナ端子、38 接続手段、39 電子機器、40 アンテナ端子、41 放送信号受信部、42 制御信号送信手段、43 電源供給手段、44 メモリ手段、45 TV受信機、46 平行設置アンテナ、47 垂直設置アンテナ、48 斜め設置アンテナ、49 受信強度判定手段、50 表示手段、51 映像/音声信号作成手段、52 変調手段、53 電源手段、54 中継器、56 受電手段、57 制御信号受信手段、58 中継端子、59 中継端子、60 制御信号送信手段、71 BSアンテナ、72 CSアンテナ、73 低雑音コンバータ、74 同軸ケーブル、75 同軸ケーブル、76 TV受信機、77 UHFアンテナ、78 VHFアンテナ、79 同軸ケーブル、80 ブロックコンバータ、81 同軸ケーブル、82 分配器、83 増幅器、84 共同受信用BSアンテナ、85 共同受信用CSアンテナ、86 局部発振器、87 周波数ミキサ、88 フィルタ、89 信号入力手段、90 分配手段、91 分配出力端子、92 分配出力端子、93 混合手段。