JP4315633B2 - ガラスの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガラスの製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、ガラス原料の溶融容器への投入時に難溶性を示したり、あるいは分離性を示す原料を用いて、高品質の均質なガラスを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の光学ガラスはその性能を発揮するために多岐にわたる原料(特に高屈折酸化物原料や高融点原料)を使用しており、該原料を溶融容器へ投入する際に、難溶化、分離化する傾向は顕著になりつつある。
例えばLa、Y、Gd、Ga、Ta、Zr、Nb、Ti、Wなどの高原子価成分を加えて、高屈折率、低分散特性を付与した光学ガラスが生産されている。
【0003】
ところで、このような高原子価成分の粉状原料(以下、高原子価原料ということがある。)を用いる場合、これらの原料と主成分となるシリカ(SiO2)や硼酸(B23)の粉状原料とは比重が大きく異なるため、ガラス原料の溶融前の混合度合が悪くなるという問題が生じる。調合原料の混合度合が悪いと、原料を溶融容器に供給しても溶融反応がなかなか進まず、屈折率不良や分散値不良、さらには脈理などの不具合が発生してガラスの品質が低下するのを免れない。
【0004】
さらに、上記のように比重が大きく異なる粉状ガラス原料を混合して用いる場合、SiO2、CaO、B23のような軽い原料は液面に浮上したまま溶融しなかったり、高原子価原料のような重い原料は溶融容器底部に沈殿、滞積したまま溶融しなかったりする。
【0005】
また、上記のような高原子価原料としては、一般に高原子価成分の炭酸塩や硝酸塩ではなく、単純酸化物が用いられる。その理由は、高原子価成分の炭酸塩や硝酸塩のような化合物塩は単純酸化物に比較して価格が高く、化合物塩を使用するとガラス製造のコストを実用レベルに抑えることが難しくなるためである。しかしながら、高原子価成分の単純酸化物は、炭酸塩や硝酸塩などの原料と比べると溶解性が鈍く、難溶性による不良、不具合を招来しやすい。
【0006】
さらに、炭酸塩や硝酸塩の化合物塩の場合、溶融過程で化合物が分解することによりガスが発生し、このガスが溶融ガラスの脱泡効果を向上させる。しかしながら、単純酸化物ではガスが発生せず溶融ガラスの脱泡効果が期待できない。
【0007】
通常、溶融ガラスを攪拌する方法としては、耐熱性の材料 (白金, 白金合金、SiO2、Al23など)を使用した撹拌棒を用いて溶融ガラスを混合する方法が知られている。しかしながら、ガラスの溶融工程においては、耐熱性の材料を使用した撹拌棒を用いてもガラス原料をガラス化する溶解槽(原料を投入し、粉体を溶融ガラス化する装置)では、撹拌棒を用いることが難しい。それはガラス原料がガラス化する際に様々な反応を起こして、容器や撹拌棒などの隣接材料を侵食破壊するおそれがあるためである。
さらに耐火物溶解槽の場合、耐火物への侵食(撹拌作用を利用することによる炉材の消耗性)もあり、寿命を短くすることも懸念される。
【0008】
したがって、下記の要求、すなわち
(1)比重が大きく異なる粉状ガラス原料を調合、混合した原料を溶融過程において分離することなく溶融する、
(2)ガラス原料のコストを抑えるため、高原子価成分の原料に化合物塩ではなく難溶性の単純酸化物を使用する、
(3)分離しやすく、難溶性の粉状ガラス原料を使用し、攪拌棒を使用せずに均質な溶融ガラスを製造する、
(4)溶融ガラスの脱泡効果を向上させる、
を満たすガラスの製造方法が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、前記の要求を満たし、高品質の均質なガラスを効率よく得るためのガラスの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、溶融容器に蓄積されている溶融ガラスにガスを供給してバブリングさせると共に、比重が大きく、かつ難溶性の高原子価金属の酸化物を含む粉状調合原料を、バブリングされている溶融ガラスに供給することにより、該粉状調合原料を短時間で完全に、かつ均質に溶融することができ、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、
(1) 溶融ガラスに、複数種の粉状ガラス原料からなる調合原料を補充しながら溶融を行うガラスの製造方法において、前記調合原料が、La23、Y23、Gd23、Ga25、Ta25、Nb25、ZrO2およびWO3の中から選ばれる少なくとも1種の酸化物と、硼素化合物とを含み、かつ該調合原料をバブリングされている溶融ガラスに補充して、ホウ酸含有光学ガラスを製造することを特徴とするガラスの製造方法、
【0012】
(2) 調合原料が、更に珪素化合物、亜鉛化合物およびアルカリ土類金属化合物の中から選ばれる少なくとも1種のガラス原料を含む上記(1)項に記載のガラスの製造方法、
(3) 調合原料を溶融ガラスのバブリング位置に投入する上記(1)または(2)項に記載のガラスの製造方法、
【0013】
(4) 調合原料を投入する位置における溶融ガラスの深さが、溶融ガラスの液面を基準にした原料投入高さの0.5〜3倍になるように調合原料の供給および/または溶融ガラスの排出量を制御する上記(1)、(2)または(3)項に記載のガラスの製造方法
(5) 酸素、二酸化炭素および空気の中から選ばれる少なくとも1種のガスをバブリングに使用する上記(1)ないし(4)項のいずれか1項に記載のガラスの製造方法、
調合原料を連続して、あるいは擬似連続して投入するとともに、溶融ガラスを連続して作製する上記(1)ないし(5)項のいずれか1項に記載のガラスの製造方法、
溶融容器内を乾燥ガスで満たすと共に、該乾燥ガスを前記調合原料の投入経路及び溶融ガラス液面に沿って流す上記(1)ないし(6)項のいずれか1項に記載のガラスの製造方法、および
() 白金製または白金合金製の溶融容器を用いる上記(1)ないし(7)項のいずれか1項に記載のガラスの製造方法、
を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のガラスの製造方法において、バブリングされている溶融ガラスに補充する複数種の粉状ガラス原料からなる調合原料(以下、ガラス原料または単に原料と称すことがある。)としては、La23、Y23、Gd23、Ga25、Ta25、Nb25、ZrO2およびWO3の中から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含むものが用いられる。これらの酸化物は、光学ガラスに高屈折率、低分散特性などを付与するための難溶性の高原子価原料である。
【0015】
これらの高原子価原料の比重は大きく、例えばWO3では2.72である。一方、上記光学ガラスの溶融では、上記高原子価原料以外の原料、例えば、珪素原料、硼素原料、亜鉛原料、アルカリ土類金属原料なども使用する。これらの原料は、高原子価原料よりも比重が小さい。例えば、アルカリ土類金属原料の一つであるCaCO3の比重は0.43である。したがって、上記光学ガラスを製造するためには、比重が0.3〜3程度の範囲に大きくばらつく粉状原料を、得ようとするガラス組成に基づき調合するとともに、充分混合して調合原料とし、溶融するまで原料の調合比率が極力変化しないようにすることが肝要である。しかし、一般に、比重が大きく異なる粉状原料を混合した調合原料を投入すると、低比重のものは溶融ガラス液面に浮き(浮上性原料)、高比重のものは溶融ガラス底部に沈んで(沈殿性原料)分離してしまう。このように、調合原料が分離してしまうと難溶性原料は溶解せず、上記のような問題が発生する。そこで、本発明では溶融ガラスをバブリングすることにより、攪拌棒などを使用しなくても調合原料が分離しないように、充分な攪拌を行うことができる。したがって、上記のようなバブリングにより、ガラス原料が完全に溶融し、均質な光学ガラスを得ることが可能になる。そして、目的とする屈折率、分散値を付与するとともに、脈理などの不具合がない高品質の光学ガラスを製造することができる。
【0016】
なお、前記高原子価原料は炭酸塩や硝酸塩などの化合物塩原料と異なり、溶融ガラス中にガス成分を取り入れるのが困難である。本発明によれば、溶融ガラスにバブリングガスを供給することによって、溶融ガラスにガス成分を補うことができ、脱泡効果を向上させ、ガラスの泡不良に関する問題も解決することができる。
【0017】
バブリングに使用するガスとしては、酸素、二酸化炭素、空気、酸素と二酸化炭素の混合ガス、酸素と空気の混合ガス、二酸化炭素と空気の混合ガス、酸素と二酸化炭素と空気の混合ガスなどが好ましい。また、その他の酸化性ガスも用いることができる。
【0018】
次に、本発明のガラスの製造方法における好ましい形態について説明する。
まず、溶融容器内を乾燥ガスで満たすと共に、該乾燥ガスを前記調合原料の投入経路及び溶融ガラス液面に沿って流すことが好ましい。なお、前記乾燥ガスとしては露点が−30℃以下のガスが好ましく、さらに、酸素、二酸化炭素、空気、酸素と二酸化炭素の混合ガス、酸素と空気の混合ガス、二酸化炭素と空気の混合ガス、酸素と二酸化炭素と空気の混合ガスなどが好ましい。また他の酸化性ガスを用いることもできる。ガラス原料が水分を吸湿した状態で加熱溶融すると、この水分による還元によって溶融ガラスが着色するという不具合が発生するおそれがある。上記のように溶融容器を乾燥ガスで満たすとガラスの着色防止に効果がある。なお、投入するガラス原料も充分乾燥したものを用いることが好ましい。
【0019】
また、調合原料は、溶融ガラスのバブリングされている位置に投入するのが有利であり、そして、バブリングガスを溶融ガラス中に供給する位置は、溶融ガラス液面から深い方が好ましく、溶融ガラスを蓄積する溶融容器の底部より供給することがより好ましい。具体的には、溶融容器底部または下方に耐熱性のパイプを接続してバブリングガスを供給するか、溶融ガラス液面よりも上部から耐浸食性のパイプを溶融ガラス中に導入してバブリングガスを供給する方法がある。このような構成により、投入された調合原料及び溶融ガラスの攪拌作用を向上させることができ、難溶性の原料の溶融効率をさらに向上させることができる。
【0020】
さらに、溶融容器を円筒形状とし、前記容器の側面より該容器中の溶融ガラスを加熱することが好ましい。なお、前記容器の底面を基準とした溶融ガラス液面の高さが、該容器内径の2〜10倍の範囲内に保たれるように調合原料の投入量および/または該容器からの溶融ガラスの排出量を制御することが好ましい。溶融ガラス液面の高さが、容器内径の2倍未満では、容器中の雰囲気制御による効果、バブリングによる攪拌効果が低下するおそれがあるし、10倍を超えると同じ溶融ガラスの体積を溶解する場合、容器を構成する白金が多量に必要になる割には、上記効果の向上を図ることができない。より好ましい溶融ガラス液面の高さは、該容器内径の2.5〜6倍の範囲である。また、前記容器の上部中央に調合原料を投入する投入口を設けるとともに、前記投入口より下方の原料投入経路を覆い、投入口から溶融ガラス液面に向けて前記乾燥ガスを流すことが好ましい。
【0021】
調合原料は、溶融ガラスに連続して、あるいは疑似連続して投入するのがよい。ここで、疑似連続して投入するとは、溶融容器より溶融ガラスを排出する場合でも、該容器内の溶融ガラス液面が良好な溶融が行われる範囲に保たれるよう、間欠的に調合原料を投入することを意味している。例えば、調合原料をスクリュー式の投入器で投入する場合、スクリューを一定速度で回転させると回転周期にあわせて一定量の調合原料が一定間隔で間欠的に投入されるような場合を示している。
【0022】
次に、本発明の製造方法における実施の形態について詳細を述べる。
本発明のガラスの製造方法は、加熱された容器内の溶融ガラスに、前記調合原料を投入して溶融する工程を備えたガラスの製造方法であって、好ましくは、上記容器内を乾燥雰囲気ガスで満たすと共に、該雰囲気ガスを該調合原料の投入経路に沿って溶融ガラス液面へ流しながら、溶融ガラスに酸化性ガスをバブリングさせ、そのバブリング位置に原料の段階で分離しやすい、あるいは溶融される過程で原料が適温であっても分離性もしくは難溶性を示すガラス原料を含む調合原料を投入するガラスの製造方法である。この製造方法は、ガラス原料として、高屈折、低分散ガラスを与える原料をはじめとし、原料の段階で分離しやすい、あるいは溶融される過程で原料が適温であっても分離性もしくは難溶性を示すガラス原料を用い、高屈折、低分散のホウ酸含有ガラスなどを得る場合に好ましく適用される。
【0023】
高屈折、低分散ガラスは、SiO2、La23、Y23、Gd23、Ga25、Ta25、ZrO2、Nb25、TiO2、WO3などの酸化物原料を幅広く使用しており、これらを溶融して作られる。このためガス成分の取り入れが困難であり、脱泡に不利である。高屈折、低分散ガラスの原料としては、特開昭59−195553号公報、特公昭60−22656号公報などに記載されているガラス原料を調合したものを例示することができるが、これらの組成に限定されるものではない。
【0024】
このガラス原料は、1100℃〜1400℃程度に加熱された容器中の溶融ガラス中に投入されるが、ガラス構成原料のうち、ホウ酸等は溶融時に先にガラス化し、またSiO2等は溶けにくく比重が軽いため溶融ガラス液面に溶け残る場合がある。
【0025】
また、La23、Y23、Gd23、Ga25、Ta25、ZrO2、Nb25、WO3等の溶けにくく沈殿性のあるガラス原料も混在しているため、脈理等のガラス品質を低下させる原因となる。
このような問題を解決するために、本発明においては、前記の製造方法を適用する。
【0026】
本発明の製造方法においては、加熱、溶融容器下部から溶融ガラスに酸化性ガスを供給し、バブリングする。そして、好ましくは酸化性ガスがバブリングされている位置に、複数種の粉状ガラス原料からなる調合原料を投入する。
溶融ガラスに加熱溶融容器下部から酸化性ガスをバブリングさせると共に、そのバブリングによってガラスに対流を発生させることで混合度を従来に比較して大幅に上昇させ、難溶性のガラスを短時間で完全にガラス化することができる。
【0027】
このバブリングによって、高屈折、低分散ガラス組成は、La23、Y23、Gd23、Ga25、Ta25、ZrO2、Nb25、TiO2、WO3などの酸化物原料を幅広く用いることが必要なため、ガス成分の取り入れが困難であったが、バブリングガスでガス成分を補うことで、ガラスの泡不良に対する問題も解決することができる。
上記公報のように耐火物溶解槽におけるバブリング撹拌では、撹拌する体積とガラス表面比率 ratio=S(cm2)/V(リットル) が大きい。この場合、比率が大きいと撹拌効果は下がる。
【0028】
本発明は、縦型の円筒状の溶融容器を使用することが好ましく、これにより上記比率が小さくて撹拌効果が大きくなり、同じ体積であってもバブリングガスの排出口の数量は少なくて済む。また、そこにバブリングされるガスの使用量も少なくて済むため、製作コスト、稼働コストの面で大変有利である。
また大きな違いは、溶解容器の形状だけでなくその材質にあり、耐火レンガに比較して白金容器は耐高温性、侵食性に優れているため、ガラスの流れが経時でも変化せず、ショートパスなどの不具合が発生することがない。
【0029】
さらに、このバブリングは“撹拌”効果のみならず、溶融ガラスにガス成分を与えて泡の不具合をなくす効果も有しているため、高品質で欠点のないガラスを生産性よく製造することが可能となる。
この製造方法においては、溶融ガラス液面の中央部に酸化性ガスをバブリングし、そのバブリング位置に分離性のある調合原料を投入することが好ましい。このようにすることにより、容器中の溶融ガラスを攪拌することができ、ガラスをより均質化することができる。
【0030】
バブリングに使用する酸化性ガスとしては、酸素ガスまたは酸素ガスと二酸化炭素ガスの混合ガスのような酸素ガスを含む乾燥ガスが好ましい。また、酸化性ガスは後述する理由により、乾燥状態のものを用いることが望ましく、バブリングガス中の水分の含有量が376ppm以下、又は露点が−30℃以下となるガスを使用することが好ましい。
酸化性ガスの流量は、原料の投入量や、溶融ガラスの生産量にも依るが、100〜500cm3/分とすることが好ましい。
【0031】
調合原料投入位置における溶融ガラスの深さ(この位置における容器底部と溶融ガラス液面の高低差)を深くし、溶融ガラス液面を基準にした調合原料を投入する高さを低くすることにより、投入原料が容器底部に到達する時間を長くすることができ、それによって侵食性のある原料を投入しても、容器壁面の侵食を防止することができる。調合原料投入口が溶融ガラス液面に近づきすぎずに上記効果を得るためには、ガラス原料を投入する位置における溶融ガラスの深さを、溶融ガラスの液面を基準にした原料投入高さの0.5〜3倍にすることが好ましく、1.5〜2.5倍にすることがより好ましい。この溶融ガラス液面の高さは、溶融ガラスへの調合原料の供給量または容器からの溶融ガラスの排出量、あるいは上記供給量および排出量の両方を制御することにより行うことができる。
【0032】
なお、調合原料の供給は、連続して投入することが好ましい。一定量のガラスを生産する場合、調合原料を間欠的に投入する方法では、一回に原料投入量が多くなり、ガラス化する際に容器壁面との接触が多くなるため、溶融容器の侵食やガラスへの着色の原因になる。連続投入では、投入量を単位時間に対して平均化することができ、容器の侵食防止、ガラスの溶融促進の観点から有利である。
【0033】
したがって、溶融ガラスの液面を上記所定の範囲内に保つため、調合原料を連続して投入するとともに、溶融ガラスの排出も連続して行うことが好ましい。
またホウ酸含有ガラスの場合は、溶融時に多量の水分を発生させるとともに、ホウ酸が揮発性を有しているため、溶融容器のガラス液面上方にガラス蒸気が凝固しやすいという問題がある。
【0034】
これらの揮発物が調合原料供給口を塞いだり、また容器上部に凝固した揮発物が溶融ガラス中に落ちた場合、著しくガラスの特性が損なわれるとともに、ガラスの品質が悪化するという問題が生じる。
このような問題を解消して、高品質なガラスを得るには、溶融ガラスや溶融雰囲気中の水分やOH基を低減することが望ましい。したがって、このような製造方法においては、加熱されている容器内に蓄積されている溶融状態のガラスに、ホウ酸系ガラスの原料を投入、溶融する工程で、この容器内を乾燥雰囲気ガスで満たすとともに、雰囲気ガスを調合原料の投入経路に沿って溶融ガラス液面へと流しながら、調合原料の投入を行うのが有利である。
【0035】
この方法により、容器内は乾燥状態の雰囲気ガスで満たされ、雰囲気中の水分を低減することができる。また、雰囲気ガスをガラス原料の投入経路に沿って溶融ガラス液面へと投入するので、ガラス原料が僅かに水分を吸着していても、雰囲気ガスと混じり合うことで、投入される原料が吸着している水分量を減少させることができる。雰囲気ガスは、溶融ガラス液面に達した後、容器の外へと排気され、容器中の雰囲気は乾燥状態に保たれ、溶融ガラスとOH基または水分との反応を抑えることができる。
【0036】
また、雰囲気ガスを調合原料の投入経路に沿って流しているので、溶融ガラスから発生するガスが調合原料の供給口に達し、調合原料を凝固させて調合原料供給口を塞いだり、調合原料が上昇気流によって舞い上がり、原料供給口を塞ぐのを防ぐことができる。このような溶融方法により、ガラス蒸気の凝固による問題を解決し、調合原料を円滑に供給できるとともに、高品質なガラスを生産性よく製造することができる。
【0037】
乾燥雰囲気ガスとしては、乾燥した不活性ガス、乾燥した酸素ガス、または不活性ガスと酸素ガスの乾燥した混合ガスが好ましい。
調合原料を連続して投入する場合、乾燥雰囲気ガスにより容器内を容器外に対して陽圧に保つことにより、原料供給とともに水蒸気が容器内に侵入するのを防ぐことができる。
【0038】
バブリングガスが湧き出す位置(調合原料の投入位置でもある。)では、雰囲気中に上昇気流が生じるが、原料投入経路に沿って雰囲気ガスを流すことにより、ガラス原料が舞い上げられるのを抑えることができる。溶融ガラス液面より湧き出たバブリングガスを、雰囲気ガスが排気口へと送り出す働きをし、酸化性ガスが容器中に淀むおそれがない。
【0039】
この方法で得られた溶融ガラスは、容器の排出口より清澄槽へと送られ、清澄、攪拌され、均一で光散乱源となる微粒子や泡を含まない高品質なガラスとなる。このガラスは高品質なので光学ガラスとして好適に用いられ、レンズ、プリズム、光ファイバーなどの光学素子やレーザーガラス等として使用することができる。
【0040】
本発明において使用するガラス溶融装置は、調合原料を投入し、加熱、溶融して溶融ガラスを得るガラス溶融装置であって、2つの態様、すなわち(1)ガラス原料を溶融する容器と、容器中の溶融ガラスに酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給口と、この酸化性ガス供給口の上方に配置された調合原料を投入する原料投入口を、主要構成要素として備えているもの(ガラス溶融装置I)、および(2)ガラス原料を加熱、溶融するとともに、得られた溶融ガラスを貯める容器と、前記容器に連接して設けられた調合原料投入口と、容器内を満たす乾燥雰囲気ガスを供給する雰囲気ガス供給口と、前記雰囲気ガスを排気する雰囲気ガス排気口を、主要構成要素として備え、かつ雰囲気ガス供給口から調合原料投入経路に沿って溶融ガラス液面へと向かい、排気口に至る雰囲気ガスの流路が形成されるように、前記容器の内部が区分されているもの(ガラス溶融装置II)がある。
【0041】
まず、ガラス溶融装置Iについて説明する。
ガラス溶融装置Iにおいて、ガラス原料を溶融する容器は円筒形状のものが好ましく、そして、その外部には、容器内に貯められた溶融ガラスと容器に投入された調合原料を加熱するためのヒーターが取付けられているものが好ましい。この容器の溶融ガラスが貯められる部分の底部には、乾燥した酸素ガスなどの酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給口が、1つまたは複数個設けられている。そして、酸化性ガス供給口の上方には、容器に調合原料を投入する原料投入口が設けられている。原料投入口の数も1つに限定されるものではない。本装置の動作時には、容器内に溶融ガラスが貯められ、前述した酸化性ガス供給口より酸化性ガスが溶融ガラス中に供給され、バブリングが行われる。
【0042】
そして、原料投入口から調合原料が投入され、溶融ガラスが酸化性ガスでバブリングされている位置へと落下する。投入された調合原料の一部は加熱分解し、還元作用を示す中間生成物を発生するが、酸化性ガスによるバブリングによって速やかに酸化され、容器内壁の侵食が防止されるとともに、ガラスの溶融が促進される。
【0043】
調合原料の投入口は、投入された原料が容器壁面に触れにくい構造とするため、容器中央の上方に設けることが好ましく、原料投入口の位置に合わせ、酸化性ガス供給口も容器中央部に設けることが好ましい。
【0044】
当該装置Iは、分離性を示す高原子価原料を含むガラスの溶融だけではなく、適温であっても難溶性を示すガラスの溶融、製造に好適であり、酸化性ガスは乾燥状態の酸素ガス、または酸素ガスを含む乾燥ガスを用いることが望ましい。酸化性ガスの温度および供給量、その他の条件については、上述したガラスの製造方法に関する説明と同様である。また容器は、少なくとも溶融ガラスが触れる部分を白金製又は白金合金製にしておくことが望ましい。
【0045】
この装置Iは、容器への調合原料投入量を制御する投入機構、容器からの溶融ガラスの排出量を制御する排出量制御機構を備えるものが望ましい。これらの制御機構により、容器中の溶融ガラスの調合原料を投入する位置における深さが、溶融ガラスの液面を基準にした原料投入高さの0.5〜3倍、好ましくは1.5〜2.5倍になるように、原料供給量や溶融ガラス排出量を制御することができ、投入された調合原料が容器底部に達する前に、原料を溶融することができる。それによって、容器の侵食を防止し、容器壁面を構成する物質が溶融ガラスに混入し、ガラスを汚染することを防止することができる。
【0046】
さらに、前述の製造方法で説明した理由から、容器の底面を基準にした溶融ガラスの液面の高さが、容器の内径の好ましくは2〜10倍、より好ましくは2.5〜6倍の範囲に保たれることが望ましい。
【0047】
また、上記原料投入機構は、原料を連続して投入する方式のものが望ましい。原料を連続して投入することにより、原料の投入量が時間的に均一化される。なお、連続式の原料投入機構の1例は、次のとおりである。原料を乾燥状態に保てるように、乾燥雰囲気で満たした予備室と、予備室から原料投入口へ連接する原料供給通路を備え、予備室と供給通路内にスクリューが設けられ、スクリューを一定の回転数で連続して回転させることにより、予備室に蓄積された原料が供給通路を通って原料投入口へ押し出され、原料が投入口より連続して容器へと投入される。
【0048】
次に、ガラス溶融装置IIについて説明する。
このガラス溶融装置IIにおいては、前述の製造方法で説明したように、容器内は乾燥雰囲気ガスによって満たされるので、雰囲気中の水分を低減することができる。また、雰囲気ガスを調合原料とともに、原料の投入経路に沿って、溶融ガラス液面へと流すので、調合原料が僅かに水分を吸着していても、雰囲気ガスと混じり合うことで、投入される原料が吸着している水分量を減少させることができる。雰囲気ガスは、溶融ガラス液面に達した後、容器の外へと排気され、容器中の雰囲気は乾燥状態に保たれる。これによって、溶融ガラスとOH基または水分との反応を抑えることができる。
【0049】
さらに、雰囲気ガスを調合原料の投入経路に沿って流しているので、溶融ガラスから発生する水分ガスが調合原料の供給口に達し、調合原料を凝固させて調合原料供給口を塞いだり、調合原料が上昇気流によって舞い上がり、原料供給口を塞ぐのを防ぐことができる。
【0050】
当該装置IIは、ホウケイ酸ガラス等を得る装置として好適であり、その際、乾燥雰囲気ガスとして、乾燥した不活性ガス、乾燥した酸素ガス、または不活性ガスと酸素ガスの乾燥した混合ガスを供給することが好ましい。
この装置IIにおいては、前述の装置Iと同様に、原料投入機構は、連続式のものが好ましいが、原料の供給とともに、容器外部より水分が侵入するのを防ぐため、容器内部は外部に対して陽圧になるように乾燥雰囲気ガスの圧力を調整する機構を設けておくことが好ましい。
【0051】
また、原料投入口から原料投入経路を囲むように、溶融ガラス液面付近へと延びる隔壁によって容器内部を区分し、雰囲気ガス排気口は、この隔壁によって原料投入口と隔てられた部分に設けることが望ましい。隔壁をこのように設けることにより、容器内の雰囲気を常時置換できるとともに、雰囲気ガスが上記所定の流路に沿って確実に流れるようにすることができる。また投入された原料が、溶融ガラス内へ確実に投入され、原料が排気口より直接排出されてしまうのを防止することができる。
【0052】
容器は円筒形状のものが好ましく、その側面に容器内に貯められた溶融ガラスを加熱する加熱部が取付けられているものが好ましい。さらに、前述の製造方法で説明した理由から、容器の底面を基準にした溶融ガラスの液面の高さが、容器の内径の好ましくは2〜10倍、より好ましくは2.5〜6倍の範囲内に保たれるように、調合原料の投入量、溶融ガラスの排出量の少なくとも一方を制御する制御機構を備えていることが望ましく、調合原料の投入量及び溶融ガラスの排出量の両方を制御する制御機構を備えていることがより望ましい。これらの制御機構により、容器中の溶融ガラスの調合原料を投入する位置における深さが、溶融ガラスの液面を基準にした原料投入高さの0.5〜3倍、好ましくは1.5〜2.5倍になるように、原料供給量や溶融ガラス排出量を制御することができ、投入された調合原料が容器底部に達する前に、原料を溶融することができる。それによって、容器の侵食を防止し、容器壁面を構成する物質が溶融ガラスに混入し、ガラスを汚染することを防止することができる。この装置の特徴は、容器中の溶融ガラスの体積に対する溶融ガラスが雰囲気ガスに触れる面積の割合を小さくできる点、および溶融ガラスの体積に対する溶融ガラスが容器と接する面積を大きくできる点が挙げられる。これらの特徴により、溶融ガラスが雰囲気に触れる面積を小さくすることができ、水分との反応及びガラス成分の揮発量を低減することができ、溶融ガラスの加熱を効率よく行うことができる。
【0053】
容器の底面を基準にした溶融ガラスの液面の高さが、容器の底面の直径の2倍未満だと、上記効果が十分得られにくく、10倍を超えると雰囲気ガスの安定した供給、排気を行うことが難しくなる。
【0054】
さらに、この溶融装置IIにおいては、溶融ガラス中に乾燥した酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給口を設けると共に、原料投入口を酸化性ガス供給口の上方に配置することができる。このように、前記溶融装置Iの構成を備えることにより、該溶融装置Iの特徴も有し、前述の製造方法で説明したように、ホウケイ酸ガラスのようなホウ酸含有ガラスの製造に用いることができる。
なお、前記のガラス溶融装置I、IIは、必要に応じて溶融装置に連結して、清澄槽や攪拌槽を設けることができる。
【0055】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって、なんら限定されるものではない。
実施例1
図1は、本実施例で用いたガラス溶融装置の垂直断面模式図である。
ガラスを溶融する容器10は、内径0.28m、高さ0.95mの白金製円筒状容器である。
容器10の上部中央には、容器中に原料を投入する原料投入口5が設けられ、原料投入口5に連通するように、原料投入機構1と雰囲気ガス供給口6が設けられている。
【0056】
原料投入機構1は、予め調合された原料が収納されている予備室13、原料を投入口5へと供給する原料供給通路14、原料供給通路14と予備室13に挿通されたスクリュー2、このスクリュー2を回転するモーター3、そして原料の供給量を制御する制御機構(図示せず)を備えている。予備室13に収納された調合原料は、モーター3を駆動することによりスクリュー2により供給通路14へと押し出され、原料排出口4を通って、原料投入口5から容器10の内部へと投入される。原料の供給量はモーター3の回転数によって決められているので、上記制御機構がモーター3の回転数を増減させることにより、原料供給量を増減することができる。予備室13にも乾燥雰囲気ガスを供給する雰囲気ガス供給口6′が設けられている。前述の雰囲気ガス供給口6とともに雰囲気ガス供給口6′からは容器10へ乾燥状態の雰囲気ガスが供給される。
【0057】
容器10の中央、上部には投入口5より投入された調合原料の投入経路を囲むように、円筒状の隔壁9が設けられている。また、容器10の上部、周縁部には、雰囲気ガス供給口6、6′より供給され、原料投入口5、容器10の内部を通過した雰囲気ガスを排気するための排気口7が設けられている。排気口7には、ガラス溶融時に発生するガラス蒸気などが冷えて凝固し、排気口を閉塞しないよう、加熱装置8が設けられている。なお、隔壁9は、容器10に溶融ガラスを貯めた状態で、雰囲気ガスの流れを妨げない長さにしなければならない。
【0058】
容器10の外側面には、ガラスを溶融するための加熱を行うべくヒーター(図示せず)が設けられており、溶融ガラスの加熱は、容器10の側面を介して行われる。
容器10の底部周縁部には容器内で溶融されたガラスを排出するための排出口12が設けられ、ここから排出した溶融ガラスは、清澄槽へと送られ、清澄される。
【0059】
容器10の底部中央には酸化性ガスを供給するためのバブリングパイプ11が設けられており、そこから乾燥状態の酸素ガスが溶融ガラスへと供給され、酸素ガスによるバブリングが行われる構造になっている。
容器10およびこれに連接する原料投入機構1内は、雰囲気ガス供給口6、6′より供給される雰囲気ガスとバブリングパイプ11より供給される酸化性ガス以外は、外部から水蒸気を含んだ空気が侵入しないよう、陽圧に保たれている。
【0060】
このようなガラス溶融装置を用いて、高屈折、低分散ガラスの溶融、製造を行った。容器10には、容器外側面に設けられたヒーターにより、1100〜1300℃に加熱された溶融ガラスが貯められている。バブリングパイプ11から乾燥した酸素ガスを溶融ガラス中に供給し、溶融ガラス中央部を酸素ガスでバブリングする。
【0061】
原料投入機構1の予備室13には乾燥した調合済みのガラス原料を入れ、雰囲気ガス供給口6、6′より乾燥したガス(乾燥酸素ガス、乾燥不活性ガス、または乾燥酸素ガスと乾燥不活性ガスの混合ガス)を連続供給する。
高屈折、低分散ガラスの原料としては、表1に示す重量割合で、浮上性原料としてSiO2、H3BO3、ZnO、BaCO3を用い、高原子価成分原料(沈殿性原料)としてLa23、Gd23、Y23を用いた。
【0062】
雰囲気ガスは、原料投入口5を通り、隔壁9に導かれて溶融ガラス液面へと向かい、隔壁9と溶融ガラス液面の間を通り、容器10の内壁側面と隔壁9の間を通り、排気口7より排気される。このようにして容器10内を乾燥雰囲気ガスで満たした状態で、原料投入機構1のモーター3を一定の回転数で回転し、予備室13の調合原料を一定の供給量で連続して投入口5へ押し出す。調合原料は投入口5から隔壁9で囲まれた部分を通り、酸素ガスがバブリングされている溶融ガラス中央の液面に落下する。この際、原料の投入経路に沿って、雰囲気ガスを流しているので、原料が容器10内の対流やバブリングガスによる上昇気流によって舞い上げられることがない。また、溶融ガラスから発生するガラス蒸気が調合原料に吸着して原料投入口に付着し、原料投入を妨げるのを防止することができる。
【0063】
溶融ガラス液面から容器10の内壁側面と隔壁9の間へ向かう雰囲気ガスは、溶融ガラスから発生するガラス蒸気を含んでいるが、この蒸気が雰囲気ガスとともに排気口7へと向かう。排気口7は加熱されているので、ホウ酸等のガラス揮発物は排気口7に凝固せず、雰囲気ガスの流れが妨げられることはなく、凝固したホウ酸等の揮発物が溶融ガラスに落下、混入することもないので、発泡などの問題も回避できる。
【0064】
原料供給量制御機構による原料投入量の制御、及び溶融ガラス排出量制御機構による溶融ガラス排出量の制御によって、溶融ガラスの深さ(容器底部中央から計った溶融ガラス液面の高さ)が、溶融ガラス液面を基準にした原料投入口5の高さの約3倍になるように保たれている。したがって、原料投入口5より投入された原料は、容器10の底部に到達する前に溶融され、容器内面の白金が侵食されるおそれがない。
【0065】
さらに、上記溶融ガラス液面の高さの制御によって、溶融ガラスの深さは、容器10の内径の約3倍に保たれ、雰囲気ガスの流路を妨げることなしに、溶融ガラス体積あたりの雰囲気ガスに触れる面積を小さくすることができる。
容器10中で得られた溶融ガラスは排出口12より、清澄槽(図示せず)へと送られて清澄され、残留泡や白金微粒子等の不純物を含まない高品質の光学ガラスとなる。
このようにして、表1に示す光学恒数を有する光学ガラスを得た。
【0066】
以上のように、雰囲気ガス、バブリングガスを連続して供給しながら、調合原料を連続投入して、泡や白金微粒子等の不純物を含まない高品質な光学ガラスを連続して生産性よく作製することができた。
【0067】
実施例2
実施例1において、表1に示す重量割合で、浮上性原料としてSiO2、H3BO3、ZnOを用い、かつ高原子価成分原料としてLa23、Nb25、ZrO2を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行った。
その結果、雰囲気ガス、バブリングガスを連続して供給しながら、調合原料を連続投入して、泡や白金微粒子等の不純物を含まない高品質な光学ガラスを連続して生産性よく作製することができた。得られた光学ガラスの光学恒数を表1に示す。
【0068】
実施例3
実施例1において、表1に示す重量割合で、浮上性原料としてSiO2、H3BO3、ZnOを用い、かつ高原子価成分原料としてLa23、Gd23、Nb25、ZrO2、Ta25を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行った。
その結果、雰囲気ガス、バブリングガスを連続して供給しながら、調合原料を連続投入して、泡や白金微粒子等の不純物を含まない高品質な光学ガラスを連続して生産性よく作製することができた。得られた光学ガラスの光学恒数を表1に示す。
【0069】
【表1】
Figure 0004315633
【0070】
【発明の効果】
本発明のガラスの製造方法によれば、原料の段階で分離しやすい、あるいは溶融される過程で原料が適温であっても分離性もしくは難溶性を示すガラス原料を用い、高品質のガラス、特に高屈折、低分散ガラスやホウ酸含有ガラスなどを生産性よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いたガラス溶融装置の垂直断面模式図である。
【符号の説明】
1 原料投入機構
2 スクリュー
3 モーター
4 原料排出口
5 原料投入口
6 雰囲気ガス供給口
6′ 雰囲気ガス供給口
7 排気口
8 加熱装置
9 隔壁
10 容器
11 バブリングパイプ
12 溶融ガラス排出口
13 予備室
14 原料供給通路

Claims (8)

  1. 溶融ガラスに、複数種の粉状ガラス原料からなる調合原料を補充しながら溶融を行うガラスの製造方法において、前記調合原料が、La23、Y23、Gd23、Ga25、Ta25、Nb25、ZrO2およびWO3の中から選ばれる少なくとも1種の酸化物と、硼素化合物とを含み、かつ該調合原料をバブリングされている溶融ガラスに補充して、ホウ酸含有光学ガラスを製造することを特徴とするガラスの製造方法。
  2. 調合原料が、更に珪素化合物、亜鉛化合物およびアルカリ土類金属化合物の中から選ばれる少なくとも1種のガラス原料を含む請求項1に記載のガラスの製造方法。
  3. 調合原料を溶融ガラスのバブリング位置に投入する請求項1または2に記載のガラスの製造方法。
  4. 調合原料を投入する位置における溶融ガラスの深さが、溶融ガラスの液面を基準にした原料投入高さの0.5〜3倍になるように調合原料の供給および/または溶融ガラスの排出量を制御する請求項1、2または3に記載のガラスの製造方法。
  5. 酸素、二酸化炭素および空気の中から選ばれる少なくとも1種のガスをバブリングに使用する請求項1ないし4のいずれか1項に記載のガラスの製造方法。
  6. 調合原料を連続して、あるいは擬似連続して投入するとともに、溶融ガラスを連続して作製する請求項1ないし5のいずれか1項に記載のガラスの製造方法。
  7. 溶融容器内を乾燥ガスで満たすと共に、該乾燥ガスを前記調合原料の投入経路及び溶融ガラス液面に沿って流す請求項1ないし6のいずれか1項に記載のガラスの製造方法。
  8. 白金製または白金合金製の溶融容器を用いる請求項1ないし7のいずれか1項に記載のガラスの製造方法。
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