JP4314964B2 - 合奏システム - Google Patents
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Description
全ての演奏者が同じ場所にいる場合、合図と共に演奏を開始し、相手の演奏操作を見ながら合奏をすることが容易である。この合奏は、音として直接に聴取されたり、音響装置や放送を通して聴取されたりレコーディングされたりする。
しかし、それぞれの演奏者が、遠隔地にいて、お互いの演奏操作がわからない場合は、合奏が困難である。
しかし、実施するには多大な費用と設置作業が必要であり、一般のユーザには向かない。
しかし、演奏中、時刻同期信号を遠隔地にいる演奏者に送信しなければならない。しかも、この時刻同期信号を送信したとしても、演奏する場所との距離差等に応じて通信遅延時間に差が生じ、受信した互いの演奏にずれが生じたまま楽音信号をミキシングすることになる。その結果、聴感上、違和感が生じる場合がある。
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の合奏システムにおいて、前記第1の計時手段、および、前記第2の計時手段は電波時計であるものである。
請求項3に記載の発明においては、請求項1または2に記載の合奏システムにおいて、前記オーディオ・ミキサー装置は、遅延時間測定手段を有し、該遅延時間測定手段は、前記各演奏情報発信装置に測定信号を送信し応答信号を受信することにより通信遅延時間を測定し、前記オーディオ・ミキサー装置における演奏開始信号送信手段は、前記演奏開始信号により、前記通信遅延時間と前記応答信号に含まれる前記第2の計時手段の時刻と前記第1の計時手段の時刻とに基づいて、前記演奏開始タイミングを前記各演奏情報発信装置における前記第2の計時手段が計時する時刻で通知し、前記各演奏情報発信装置は、遅延時間測定応答手段を有し、該遅延時間測定応答手段は、前記応答信号に、当該演奏情報発信装置における前記第2の計時手段の時刻を含めて返信し、前記各演奏情報発信装置における報知手段は、前記演奏開始信号により通知された前記演奏開始タイミングの時刻に従って、前記演奏開始タイミングを設定するものである。
上述した演奏開始信号送信手段は、前記各演奏情報発信装置に対し、前記各演奏情報発信装置の設置場所における、設定させた演奏開始タイミングからの時間経過に従って、前記演奏者に対して正確なテンポに従った演奏操作を促す報知をさせてもよい。
上述したオーディオ・ミキサー装置は、より具体的には、前記各演奏情報発信装置に対し、測定信号を送信し該測定信号の応答信号を受信することにより、当該オーディオ・ミキサー装置と前記各演奏情報発信装置との間の通信遅延時間を測定する通信遅延時間測定手段を有し、前記各演奏情報発信装置は、前記測定信号を受信して応答信号を返信する応答信号返信手段を有する。
あるいは上述した演奏開始信号は、前記各演奏情報発信装置における現地時刻の時差を加えた演奏開始時刻から前記通信遅延時間を差し引いた時刻がわかるような情報を含む信号としてもよい。
この場合、前記各演奏情報発信装置は、前記演奏開始信号に含まれた情報に基づいて、現地時刻の時差を加えた演奏開始時刻よりも前記通信遅延時間だけ早い時刻において、演奏開始タイミングを設定するとともに、演奏開始を促す報知をさせればよい。
演奏開始信号を一度送信すれば、その後は、各演奏場所での時刻に基づいて演奏進行ができるので、演奏中に、聴取側からタイムコードなどの同期制御信号を送らなくても常に同期した演奏を聴取したり録音したりできるという効果がある。
図中、1はオーディオ・ミキサーA、2はオーディオ・ミキサーB、3はオーディオ・ミキサーCであって、互いに離れた遠隔地、例えば、浜松、福岡、ロンドンに設置されていて、ネットワーク4により相互に接続されることにより、全体として遠隔地間の合奏システムを構成している。
ネットワークがインターネット接続されるものである場合は、IP(Internet Protocol)に従ったパケット転送形式で演奏情報、その他、測定信号、応答信号、演奏開始信号等が伝送される。
オーディオ・ミキサーA1は、複数の演奏情報の受け入れ側であって、各オーディオ・ミキサーB2,オーディオ・ミキサーC3において、演奏者により演奏された楽音信号をミキシングし、これを聴取したり録音したりする。
オーディオ・ミキサーB2は、演奏情報送信部21,通信遅延時間測定応答部22,演奏開始信号受信部23,電波時計23,報知音発生部25を有する。オーディオ・ミキサーC3も同様であるが、電波時計34のみを図示している。
オーディオ・ミキサーA1は、楽音信号受信・ミキシング部11,通信遅延時間測定部12,演奏開始信号送信部13,電波時計14を有する。
通信遅延時間測定応答部22は、後述するオーディオ・ミキサーA1から送信された測定信号を受信し、返信信号を送信する。
演奏開始信号受信部23は、オーディオ・ミキサーA1から演奏開始信号を受信する。
電波時計24は、このオーディオ・ミキサーB2における正確なテンポおよび正確な時刻を、煩雑な時刻合わせをすることなく得るため(メンテナンスフリー)に用いる計時手段の一例である。
日本においては、日本標準時(JST)の時刻が標準電波で国内の2カ所から送信されており、これを受信する。
外国においても、多くの国で各国の標準時を標準電波で送信しており、これを受信する。
その結果、演奏者は、演奏開始を知らせる報知音を合図として、自分のパートを演奏し、演奏継続中は、所定のテンポに従い、好ましくはさらに所定の拍子にも従い強拍と弱拍とで報知音を異ならせるなどして、正確な時間に基づいて発生される報知音を聞きながら演奏を続けることができる。ここで、報知音は、メトロノームのようなクリック音の他に、例えば、合成音声でもよい。
上述した説明では、演奏開始を促す報知、正確なテンポに従った演奏操作を促す報知は、報知音を用いた可聴表示で実現したが、これとは別にあるいは同時に、ランプの点灯やディスプレイ上の画像表示等を用いた可視表示で実現することもできる。
オーディオ・ミキサーC3についても同様であり、説明を省略する。
再生された複数の楽音信号はミキシング(混合)され、放音されて聴取者がこれを聞いたり、放送されたり、録音されたりする。録音時にも、ミキシングされたモニターとして聴取する。
演奏開始信号送信部13は、通信遅延時間測定部12により測定されたこのオーディオ・ミキサーA1と上述した各オーディオ・ミキサーB2,C3との間の通信遅延時間に応じて、各オーディオ・ミキサーB2,C3に応じた演奏開始信号を作成し、この演奏開始信号を各オーディオ・ミキサーB2,C3に送信する。
オーディオ・ミキサーの機能は、楽音信号をディジタル信号に変換して実現される。
以下の説明では、最初に、オーディオ・ミキサーB2,C3として用いるときの各部の機能について説明する。
図中、CPU(Central Processing Unit)42は、ROM(Read Only Memory)43に格納された、オーディオ・ミキサーの制御プログラムや各種プリセットデータを用い、RAM(Random Access Memory)44をワークエリアとして、装置全体の制御動作を行う。
また、オーディオ信号制御パラメータを音源部57に設定することにより、音源の制御をする。
従って、オーディオ・ミキサーの制御プログラムは、図1に示した各部の機能を実現させるため、CPU42を制御することにより、演奏情報を送信させるステップ、通信遅延時間測定に応答させるステップ、演奏開始信号を受信させるステップ、報知音を発生させるステップを実行する。
なお、演奏開始を促す報知、正確なテンポに従った演奏操作を促す報知のために、ランプを点灯したり、ディスプレイ上の画像表示(例えば、仮想的なランプ表示あるいは、指揮者のキャラクタ画像を用いたアニメーション)で報知したりすることができる。拍子に応じて、強拍と弱拍とでランプの明るさを変えたり、指揮者の身振りを変えたりすることもできる。
ミキシングした楽音信号をモニターする場合は、オーディオ信号出力インターフェース52(ディジタル/アナログ変換器を含む)、アンプ53を介して、スピーカ54から出力する。ミキシングした楽音信号は、また、演奏情報としてネットワークインターフェース55を介してオーディオ・ミキサーA1に送信される。
MIDIインターフェース56を介して電子楽器B57からMIDIデータを入力し、これを演奏情報としてネットワークインターフェース55を介し、オーディオ・ミキサーA1に送信することもできる。
音源部58は、ネットワークインターフェース55から受信した演奏開始信号に基づいて演奏開始報知音を生成し、ミキシングDSP47を介してスピーカ54から出力させる。
音源部58は、また、上述した演奏開始信号と電波時計60から出力される計時信号に基づいて、メトロノームのように、テンポを知らせるクリック音を発生させ、スピーカ54から出力させる。その際、エフェクト部59でクリック音に効果を付加することもできる。
レコーディングHDD(Hard Disk Drive)61は、ネットワークインターフェース55を介しオーディオ・ミキサーA1に送信する演奏情報を録音することができる。フラッシュメモリ等、その他の記録媒体に録音してもよい。
ROM43に制御プログラムが記憶されていない場合、ハード磁気ディスクに制御プログラムを記憶させておき、それをRAM44に読み込むことができる。
オーディオ・ミキサーの制御プログラムは、図1に示した各部の機能を実現させるため、CPU42を制御することにより、楽音信号を受信させミキシングさせるステップ、通信遅延時間を測定させるステップ、演奏開始信号を送信させるステップを実行する。
ネットワークインターフェース55を介して受信された、オーディオ・ミキサーB2、C3から送信された演奏情報は、この演奏情報が楽音信号であるときには、ミキシングDSP47において、オーディオ信号の制御パラメータに応じてミキシングされ、オーディオ信号出力インターフェース52を介して、スピーカ54から出力される。
その際、オーディオ信号制御パラメータをエフェクト部58に設定することにより、受信された楽音信号のエフェクト制御をして、ミキシングDSP(Digital Signal Processor)47に出力して、スピーカ54から出力させる。
上述した演奏情報は、レコーディングHDD61に記録できる。演奏データである場合は、音源部58で楽音信号を再生し、必要に応じてエフェクト部59において効果を加して録音する。
また、演奏情報を発信する各オーディオ・ミキサーB2,C3の側において、複数の演奏者が演奏している場合に、演奏者別にそれぞれチャンネルを区別した演奏情報として送信することができる。このような場合は、ミキシングする前の各チャンネルの演奏情報を別のトラックに録音することもできる。
オーディオ・ミキサーA1,B2,C3は、図2に示したような共通の構成を有し、設定操作によって、演奏情報の発信側になったり、楽音信号の聴取または録音側になったりする。しかし、発信側、聴取または録音側の専用装置であってもよい。
図3(a)は第1の具体例を示す。
まず、オーディオ・ミキサーA1から遅延時間確認信号として、例えば、ICMP(Internet Control Message Protocol)に規定された「ping」コマンドをオーディオ・ミキサーB2,C3の各IPアドレスを指定して送信する。
オーディオ・ミキサーB2,C3からは、それぞれ、受け取った「ping」コマンドのパケットを返信する。
その結果、オーディオ・ミキサーA1においては、コマンドを送信してから返信を受信するまでに要した往復時間の半分の値として、通信遅延時間を知ることができる。
例えば、オーディオ・ミキサーB2との間の通信遅延時間はt1であり、オーディオ・ミキサーC3との間の通信遅延時間はt2であることがわかる。
通信遅延時間t1と通信遅延時間t2との相対時間差をなくすることが、各オーディオ・ミキサーB2,C3から送信された演奏情報を同期再生するのに必要な要件である。
オーディオ・ミキサーC3においても、同様にして、演奏者に演奏開始および所定のテンポを知らせる。
演奏者は、演奏開始のクリック音を合図として演奏を開始し、テンポを報知するクリック音に従って演奏を継続し、リアルタイムで楽音信号あるいは演奏データである演奏情報を継続的にオーディオ・ミキサーA1に送信する。それぞれからの演奏情報が、オーディオ・ミキサーA1に到達したときから所定時間(t0)経過後に、聴取あるいは録音する演奏開始時刻になる。
オーディオ・ミキサーA1から遅延時間確認信号として、「ping」コマンドを送信することは、図3(a)の場合と同じである。
次に、オーディオ・ミキサーB2,C3から受信した「ping」コマンドのパケットを返信する際に、パケットに現地の時刻情報(オーディオ・ミキサーA1側で現地の時刻情報がわかるような国や地域を示す情報である場合を含む)を入れて返信する。この時刻情報は、電波時計24,34において計時された時刻である。すなわち、オーディオ・ミキサーB2は福岡にあるので、日本標準時(JST)を用いる。これに対し、オーディオ・ミキサーC3は、ロンドンにあるので、グリニッジ平均時(GMT)である。GMTは、JSTを基準にすれば、9時間の遅れがある。
その結果、オーディオ・ミキサーA1においては、通信遅延時間t1,t2に加えて、オーディオ・ミキサーB2,C3の設置場所における正確な現地時刻を知る。従って、オーディオ・ミキサーA1の設置場所での時刻を参照することにより、演奏情報発信地との時差がわかる。
あるいは、現地時間に換算した演奏開始時刻から通信遅延時間t1を減算した結果得られる、現地時間での演奏開始時刻(演奏開始タイミングの時刻)自体を指示する情報を通知しても同じである。
すなわち、聴取あるいは録音する演奏開始時刻に、演奏情報発信地の時差と通信遅延時間とを考慮して、通信遅延時間t1だけ早い演奏開始時刻を、現地時間で通知している。
以降は、図3(a)と同様に、電波時計24を用い、演奏者にテンポを知らせるクリック音を発生する。
オーディオ・ミキサーC3においても同様である。
この方式によれば、時差を知っておく必要があるが、演奏開始時刻を正確に任意の時刻に設定することができる。
この方式を実行するには、オーディオ・ミキサーA1においても、電波時計14のような正確な時計を備える必要がある。演奏開始時刻が一致するように、演奏を発信するオーディオ・ミキサーB2,C3における現地時刻との時差を加えて、演奏開始時刻を決定し、演奏開始信号に含めて送信させている。
他の具体化手段として、オーディオ・ミキサーA1からは、オーディオ・ミキサーB2,C3に対し、同時に演奏開始信号を送信する方法がある。
各オーディオ・ミキサーB2,C3においては、演奏開始信号を受信した時刻から所定時間(t0)遅れた時刻から往復通信遅延時間(t1×2),(t2×2)だけ早くした時刻を、現地での演奏開始タイミングとして、演奏開始を報知してもよい。
結果として、オーディオ・ミキサーA1においては、演奏開始信号を送信した時刻から所定時間(t0)遅れた時刻が演奏開始タイミングとなる。
図5は、図4(a)に示した発音処理のステップを説明するフローチャートである。
図4のS71において、セッティングの変更があれば、一旦、S72に処理を進め、演奏情報発信側となるオーディオ・ミキサーの追加や削除を、そのID番号およびIPアドレス等を入力することにより行う。以下の説明では、図1に示したように、オーディオ・ミキサーB2,C3が接続されているものとして説明する。
楽譜は、MIDIデータなどの演奏データでもよい。紙楽譜が各演奏者の手元にある場合は、曲目だけを通知すればよい。テンポや拍子も楽譜に記載された通りで演奏するのであれば通知する必要がない。
S73において、スタートボタンを押す等の操作を検出することにより、演奏開始準備が完了したかを判定し、そうであればS74に処理を進め、そうでなければS71に処理を戻す。
S75において、演奏開始ボタンの操作を検出するなどして演奏開始を判定する。以下の動作は、図3(a)の手順をとる場合について説明する。
演奏を開始するときはS76に処理を進め、基準となる演奏開始時刻(例:現在時刻から5秒後)を設定し、オーディオ・ミキサーB2に対し、(5−t1×2)秒後に演奏開始信号を送信する。一方、オーディオ・ミキサーCに対し、(5−t2×2)秒後に演奏開始信号を送信する。
演奏情報の受信準備をし、聴取者側での受信開始の合図音「4,3,2,1,0」を発音して出力する。
S77において、演奏情報(楽音信号または演奏データ)を受信したか否かを判定し、受信したときにはS78に処理を進め、発音処理をさせる。そうでなければ、S77の検出処理を繰り返す。
発音処理には、固定遅延を許容するバッファモードとバッファを用いないリアルタイムモードが用意されている。インターネットでは、遅延補償がないので、通信遅延の変動が大きい。そのため、リアルタイムモードではうまく動作できない場合がある。このような場合に、バッファモードを用いる。ユーザの選択操作によっていずれのモードにするかを選択しておく。通信遅延時間測定を常時行うことにより、通信遅延時間の変動が大きいときにはバッファモードを自動選択するようにしてもよい。
バッファモードに設定されていたときは、S111に処理を進め、各オーディオ・ミキサーB2,C3側から送信された演奏情報を、バッファ(メモリ)に一時記憶することにより、演奏情報に基づいた発音時間を所定バッファ時間(例:30秒)だけ遅らせる。バッファからの演奏情報の読み出しは、オーディオ・ミキサーB2,C3からの各演奏情報に含まれたタイムコードに基づいて、30秒後に読み出すようにする。
バッファ時間を設けることにより、インターネットを介した受信時に遅延時間の変動があっても、聴取者は、音の抜けや飛びのない楽音信号を聞くことができる。
ただし、バッファモードにした場合は、オーディオ・ミキサーB2,C3に対し、タイムコードを含む演奏情報を送信させる必要がある。タイムコードには、MIDIタイムコードやSMPTEタイムコードがあり、曲頭からの絶対時間情報を示す情報である。
S79において、演奏終了であるか否かを判定し、演奏終了でなければS77に処理を戻し、演奏を継続する。一方、演奏終了であればS80に処理を進め、発音終了処理を行う。演奏終了とするのは、マスターであるオーディオ・ミキサーA1の聴取者が終了ボタン操作をしたときである。S80における発音終了処理においては、スレーブであるオーディオ・ミキサーB2,C3に演奏終了信号を送信する。また、聴取者が、合奏を終了させたいときには、終了ボタンを操作する。
なお、演奏中に、オーディオ・ミキサーB2,C3の演奏者が演奏終了を要求するコマンドをオーディオ・ミキサーA1に送信し、聴取者がこれに応答して、終了ボタン操作をするようにしてもよい。
S81において、聴取者により合奏を終了する操作がなされたか否かを判定し、そうであれば終了し、そうでなければS71に処理を戻し、演奏を再開できるようにする。
S91において、合奏する楽曲のスコア,テンポ,拍子等の情報をオーディオ・ミキサーA1から受信する。あるいは、演奏者により別途入力させる。
S92において、遅延時間確認信号「ping」を受信したときは、一旦、S93に処理を進め、「ping」の返信信号をすぐに送信する。それとともに、演奏者に演奏開始準備を促す「ブザー音」を発音する。
S96において、オーディオ・ミキサーB2,あるいは、オーディオ・ミキサーC3のそれぞれにおいて、複数の演奏者がいて演奏する場合には、各演奏者の演奏した楽音信号をミキシングした楽音信号を、順次、マスターであるオーディオ・ミキサーA1に送信する。楽音信号ではなく、MIDIデータを入力する場合も同様である。
あるいは、各演奏者の演奏した楽音信号は、異なるチャンネルに割り当てて、チャンネル番号を付加して、区別できる形式で送信してもよい。各演奏者がMIDIデータを入力する場合も同様である。
S98において、演奏テンポに従い、例えば、1拍毎にクリック音(メトロノーム音)を発音することにより、正確な演奏テンポに従った演奏操作を促す。
一方、演奏終了であればS100に処理を進め、演奏終了処理を行う。演奏者が、合奏を終了させたいときには、終了ボタンを操作する。S101において、演奏者が終了ボタンを操作したことを検出して、合奏を終了する。検出していないときは、S91に処理を戻し、演奏を再開できるように待機する。
また、オーディオ・ミキサーA1,B2、C3は、ミキシング機能を実現するソフトウェアプログラムがインストールされ、かつ、外部機器からオーディオ信号やMIDIデータ等の演奏情報の入出力が可能なパーソナルコンピュータで構成されてもよい。
また、上述した通信遅延時間測定信号、演奏開始信号、演奏情報等が転送できればよいので、特にIPプロトコルを用いなくても、専用のプロトコルを構築すれば、任意の通信回線を利用して転送させることができる。
また、誤差や時刻合わせの手数が問題にならないときは、水晶時計を用いるだけでもよい。
上述した説明では、既存のオーディオ・ミキサーあるいはパーソナルコンピュータを前提として本発明の実施の一形態を説明した。これに代えて、既存のカラオケ装置や電子楽器等、他の装置において本発明の機能を実現するようにしてもよい。
Claims (3)
- 複数の演奏情報発信装置とオーディオ・ミキサー装置とが通信ネットワークを介して接続され、前記各演奏情報発信装置における各演奏者の演奏による楽音信号を前記オーディオ・ミキサー装置においてミキシングする合奏システムであって、
前記オーディオ・ミキサー装置は、
当該設置場所における標準時の受信により時刻基準を較正する第1の計時手段と、
前記各演奏情報発信装置から送信された演奏情報を受信し、該演奏情報に基づいて楽音信号をミキシングする楽音信号受信・ミキシング手段と、
前記各演奏情報発信装置との間の通信遅延時間に応じて、前記各演奏情報発信装置に対し、該通信遅延時間の相対時間差を相殺するように演奏開始タイミングを設定させるための演奏開始信号を、前記各演奏情報発信装置に送信する演奏開始信号送信手段を有し、
前記各演奏情報発信装置は、
当該設置場所における標準時の受信により時刻基準を較正する第2の計時手段と、
前記演奏者の演奏による演奏情報を送信する演奏情報送信手段と、
前記オーディオ・ミキサー装置から送信された演奏開始信号に基づいて前記演奏開始タイミングを設定し、前記演奏者に対し演奏開始を促す報知をするとともに、該演奏開始を促す報知の後は、前記第2の計時手段による時刻に従って、前記演奏者に対し正確なテンポに従った演奏操作を促す報知をする報知手段を有する、
ことを特徴とする合奏システム。 - 前記第1の計時手段、および、前記第2の計時手段は電波時計である、
ことを特徴とする請求項1に記載の合奏システム。 - 前記オーディオ・ミキサー装置は、遅延時間測定手段を有し、
該遅延時間測定手段は、前記各演奏情報発信装置に測定信号を送信し応答信号を受信することにより通信遅延時間を測定し、
前記オーディオ・ミキサー装置における演奏開始信号送信手段は、前記演奏開始信号により、前記通信遅延時間と前記応答信号に含まれる前記第2の計時手段の時刻と前記第1の計時手段の時刻とに基づいて、前記演奏開始タイミングを前記各演奏情報発信装置における前記第2の計時手段が計時する時刻で通知し、
前記各演奏情報発信装置は、遅延時間測定応答手段を有し、
該遅延時間測定応答手段は、前記応答信号に、当該演奏情報発信装置における前記第2の計時手段の時刻を含めて返信し、
前記各演奏情報発信装置における報知手段は、前記演奏開始信号により通知された前記演奏開始タイミングの時刻に従って、前記演奏開始タイミングを設定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の合奏システム。
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