JP4314674B2 - スタンド固定機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器、例えばディスプレイ一体型のパーソナルコンピュータ(以下、ディスプレイ本体という)等のスタンド固定機構に関し、詳しくは、ディスプレイ本体の製造工程ラインにおいて、ディスプレイ本体の画質調整を行うときにディスプレイ本体のチルト方向及びパン方向の動きをストッパーを使用して固定できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
図6にディスプレイ本体がチルト方向及びパン方向へ移動するのを防止するためのスタンド固定機構を示す。スタンド基台41の中心には筒軸部42が突設され、この筒軸部42の左右に抜き孔43,43が形成されている。
【0003】
スタンド基台41上にはサークル状の受け部44を有し、この受け部44に底部が椀型形状を有するスライダー45が載置されている。このスライダー45は中心に開口した縦長状のガイド孔46(図7参照)がスタンド基台41の筒軸部42に挿着されている。そして、筒軸部42の上から止め部材47が係合され、止め部材47のねじ孔47aから筒軸部42の中心に一体成形したボス48のねじ孔48aにねじ49を締め付けることによってスライダー45がスタンド基台41と止め部材47とで挟み付けられた状態で保持される。また、止め部材47には筒軸部42の抜き孔43,43と対応する位置に係入孔50,50が形成されている。
【0004】
上述したスライダー45にはディスプレイ本体51が搭載される。すなわち、ディスプレイ本体51を搭載したスライダー45はガイド孔46の範囲、筒軸部42にガイドされて図面の前後方向に移動可能となり、いわゆる、ディスプレイ本体51をチルト方向に角度調整でき、また、スライダー45はガイド孔46が筒軸部42を中心として回転移動可能となり、いわゆるディスプレイ本体51をパン方向に角度調整できるようになっている。
【0005】
ここで、スライダー45はストッパー部材52の挿着によってチルト方向及びパン方向の移動が不能にされている。ストッパー部材52は一対の立設するアーム53,53の先端部に膨出状の係合片54,54を有し、ストッパー部材52がスタンド基台41の底面側から係合片54,54を筒軸部42の抜き孔43,,43を通じ、止め部材47の係入孔50,50に係入されて保持されている。この際、係合片50,50が図7に示すようにスライダー45のガイド孔46の縁部に形成した切欠凹部55,55に係合させることによって、スライダー45をチルト方向及びパン方向への移動をロックしている。
【0006】
ところで、上述したディスプレイ本体51はスライダー45上にセットされ、スタンド基台41ごと製造ラインのパレット上に載せられた状態でディスプレイ本体51の画質調整等の各種の検査が行われる。画質調整の検査ではディスプレイ本体はチルト方向及びパン方向にみだりに動かないようにするために、上述したストッパー部材52により固定されるようになっている。画質調整の検査が終了したあと、パレットの下からシリンダーでストッパー部材52が押し上げられることによって、係合片54,54がガイド孔の切欠凹部55,55から抜け出しスライダー45のロックが解除される。そして、スライダーがチルト方向及びパン方向に移動可能状態にされてスタンド基台41及びスライダー45と共にディスプレイ本体は梱包され出荷される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したスタンド固定機構では、ストッパー部材52のロック解除をシリンダーを使用しているため、ロック解除のための設備コストが高価になるといった問題がある。また、ストッパー部材は別部材からなるので、ストッパー部材52の在庫調整や管理等の費用と共に運送費が発生する。さらに、ストッパー部材52の組付けコストがかかると共に、ストッパー部材52のための成形金型も別に必要となる。
【0008】
本発明は、上述したような課題を解消するためになされたもので、ストッパーをスタンド基台に一体化し、チルト及びパン動作するスライダーのストッパーの解除に特別な設備を必要とすることなく、しかも、ストッパーの在庫調整や管理等の費用が不要となるスタンド固定機構を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明によるスタンド固定機構は、係止片が設けられた開口部を有するスタンド基台と、スタンド基台上にチルト方向及びパン方向に移動可能に支軸され、上部に電子機器が搭載されると共に、スタンド基台に対向する係合部が設けられたスライダーと、スタンド基台に一体化されたヒンジ部と、スライダーに対向される上面に設けられ、スライダーの係合部に嵌合してスライダーの動きを固定するストッパー凸部と、ヒンジ部と反対側の自由端側に設けられ、スタンド基台の係止片と係合されるロック爪と、を有し、スタンド基台の開口部に収納されると、ロック爪がスタンドの係止片と係合して開放不能となるストッパー部と、を備えるようにしたものである。
【0010】
これによれば、ストッパー部は上方へ回動することによって、ストッパー凸部がスライダーの係合部に嵌合し、スライダーのチルト及びパン方向への動きを固定することができる。また、ストッパー部を下方へ回動することによって、スライダーのチルト及びパン方向の固定が解除され、ストッパー部をスタンド基台に体裁よく収納することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるスタンド固定機構の実施の形態の例を図面を参照して説明する。
【0012】
図1は本発明によるスタンド固定機構の分離状態の斜視図、図2はスタンド固定機構が固定状態のディスプレイ本体のセット状態の外観図、図3はスタンド固定機構が固定状態の断面図、図4はスタンド固定機構が解除状態の断面図である。
【0013】
まず、スタンド基台とスライダーの構成について説明する。
スタンド基台1は例えば、ABS樹脂あるいはPS樹脂(ポリスチレン)等の射出成形品であって、スタンド基台1にはサークル状のスライダー受け部2が設けられている。スタンド基台1の中心には段付き軸3が突設され、段付き軸3の中心にねじ孔4が形成されている。また、段付き軸3の外周側に半周状のパン回動規制用ストッパー5が形成され、このパン回動規制用ストッパー5の対向側にクリックピン6が形成されている。
【0014】
スタンド基台1上のスライダー受け部2には底面が椀形のスライダー7が載置される。スライダー7もABS樹脂あるいはPS樹脂(ポリスチレン)等の射出成形品であって、スライダー7には椀形の底面7aに縦長状のガイド溝孔8が開口され、このガイド溝孔8がスタンド基台1の段付き軸3に挿着されている。
【0015】
段付き軸3にはスライダー7の上から段付き孔9aを有する例えば、POM(ポリアセタール樹脂)製等の止め部材9が係合状態にされて挿着されると共に、止め部材9の裏面に設けた凸面部10の左右のカット面10a,10aがガイド溝孔8に係合状態にされている。また、凸面部10にストッパー片11が突出形成されている。止め部材9はその上からワッシャ付きねじ12を段付き軸3のねじ孔4にねじ固定されている。これによって、スライダー7はスタンド基台1と止め部材9とによって挟み付けられ保持されている。また、止め部材9はガイド溝孔8の左右部分に形成されている壁面7b,7bに係合し、みだりに回転しないように矩形状にされている。
【0016】
このように構成したスタンド基台1及びスライダー7は、スライダー7がチルト方向及びパン方向に移動できるようになっている。すなわち、図5に示すようにスライダー7は、ガイド溝孔8が止め部材9のカット面10a,10aにガイドされて前後方向、つまりガイド溝孔8の範囲、チルト方向への移動が可能となる。また、止め部材9と共にスライダー7が段付き軸3を中心として回転方向、つまりパン方向への移動が可能となる。従って、スライダー7上に図2に示したように搭載されたディスプレイ本体13は、チルト方向とパン方向とにそれぞれ任意の角度位置に調整することができる。
【0017】
尚、スライダー7のパン方向の移動範囲は止め部材10のストッパー片11がパン回動規制用ストッパー5に突き当たったとき、つまりスライダー7が左右方向に90°回転状態で停止するようになっている。また、スライダー7が正面向きに位置しているとき、ストッパー片11がクリックピン6に軽く係合して正面位置が保持されるようになっている。
【0018】
次に、スライダー7のチルト方向及びパン方向の動きを固定するストッパーについて説明する。
【0019】
ストッパー部を符号14で示す。ストッパー部14はスタンド基台1の受け部2に一体に成形したヒンジ部15によって上下方向に回動可能に連接されている。ストッパー部14の上面には角形のストッパー凸部16が形成されていると共に、ストッパー部14の自由端側の下面にロック爪17が形成されている。
【0020】
また、ストッパー部14と対応するスタンド基台1面には、ストッパー部14が収まる大きさの開口部18が形成され、この開口部18の開口端部にロック爪17が係合される係止片19が設けられている。
【0021】
上述したストッパー部14及び開口部18は、スタンド基台1の射出成形によって同時に一体成形されるもので、ストッパー部14の成形姿勢は図1に示したように上方へはね上げられた状態で成形される。
【0022】
このようにストッパー部14が一体成形されているスタンド基台1上にスライダー7がセットされることで、図3に示すようにストッパー部14のストッパー凸部16がスライダー7の底面に形成した係合孔20に嵌合される。つまり、ストッパー凸部16がスライダー7の係合孔20に嵌合されることで、スライダー7はチルト方向及びパン方向に回動不能にされた状態となる。
【0023】
すなわち、例えば製造工場においてスタンド基台1とスライダー7とが組み立てられた時点で、スライダー7が回動不能にされた状態となってメーカーに搬送される。そして、メーカーではディスプレイ本体13の組立て工程において、固定状態のスライダー7にディスプレイ本体13がセットされ、製造工程ラインでディスプレイ本体13の画質調整の検査が行われる。
【0024】
そして、ディスプレイ本体13の画質調整検査の終了後にストッパー部14を下方へ回動することで、ストッパー凸部16がスライダー7の係合孔20から離脱しスライダー7はチルト方向及びパン方向への回動が可能となる。また、ストッパー部14は図4に示すように開口部18内に収まり、ロック爪17が開口部18の係止片19に係合されて収納状態となる。この際、収納状態のストッパー部14はスタンド基台1と同一面上になり、スタンド基台1の外観上の体裁を損なうことはない。この後、スタンド基台1及びスライダー7と共にディスプレイ本体は梱包され出荷される。尚、収納状態のストッパー部14は以後、使用することもないので、開放不能にいわゆる嵌め殺し状態にされる。
【0025】
上述したように本発明によるスタンド固定機構は、ストッパー部14がスタンド基台1に一体成形されていることで、ストッパー部14の在庫調整や管理等の費用が一切不要となり、また、ストッパー部の組付けコストも不要となると共に、ストッパー部14のための成形金型設備費も必要としないといった利点がある。さらに、ストッパー部14によるスライダー7の固定を解除する場合に、従来のようなシリンダー等の設備を必要とすることなく手作業で簡単に解除することができる。
【0026】
本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態の例に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0027】
本例では、スライダー7の固定の仕方として、ストッパー部14のストッパー凸部16をスライダー7の係合孔20に嵌合するようにした場合について説明したが、係合孔20に替わって凹部であってもよい。
【0028】
また、本発明ではスライダー7上にディスプレイ一体型のパーソナルコンピュータのディスプレイ本体部13がセットされた場合について説明したが、その他、モニタ画面一体型のパーソナルコンピュータのモニタ本体等の電子機器等のスタンド固定機構にも広く適用可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によるスタンド固定機構は、スタンド基台に一体化された上下に回動可能のストッパー部に設けたストッパー凸部によりスライダーのチルト及びパン方向の動きを固定するようにし、また、スライダーの固定を解除したときスタンド基台に収納するようにしたので、ストッパー部の在庫調整や管理等の費用が一切不要となり、ストッパー部の組付けコストも不要となると共に、ストッパー部のための成形金型設備費も必要としないといった効果がある。また、スライダーの固定を解除する場合に、従来のようなシリンダー等の設備を必要とすることなく手作業で簡単に解除することができる。
【0030】
また、ストッパー部をスライダー解除位置にしたとき、スタンド基台と同一平面上に収納されるようにしたので、スタンド基台の外観上の体裁が損なうこともなく商品性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスタンド固定機構の分離状態の斜視図である。
【図2】ディスプレイ本体が搭載されたスタンド固定機構の外観図である。
【図3】スタンド固定機構の固定状態の断面図である。
【図4】スタンド固定機構の解除状態の断面図である。
【図5】スライダーのチルト及びパン動作の機構部の説明図である。
【図6】従来のスタンド固定機構の断面図である。
【図7】同じくチルト及びパン動作の固定の様子の斜視図である。
【符号の説明】
1…スタンド基台、2…受け部、3…段付き軸、7…スライダー、8…ガイド溝孔、9…止め部材、9a…段付き孔、12…ワッシャ付きねじ、13…パソコン本体、14…ストッパー部、15…ヒンジ部、16…ストッパー凸部、17…ロック爪、18…開口部、19…係止片、20…係合孔
Claims (2)
- 係止片が設けられた開口部を有するスタンド基台と、
上記スタンド基台上にチルト方向及びパン方向に移動可能に支軸され、上部に電子機器が搭載されると共に、上記スタンド基台に対向する係合部が設けられたスライダーと、
上記スタンド基台に一体化されたヒンジ部と、上記スライダーに対向される上面に設けられ、上記スライダーの上記係合部に嵌合して上記スライダーの動きを固定するストッパー凸部と、上記ヒンジ部と反対側の自由端側に設けられ、上記スタンド基台の上記係止片と係合されるロック爪と、を有し、上記スタンド基台の上記開口部に収納されると、上記ロック爪が上記スタンドの上記係止片と係合して開放不能となるストッパー部と、
を備えることを特徴とするスタンド固定機構。 - 請求項1記載のスタンド固定機構において、
上記ストッパー部が上記スタンド基台の上記開口部に収納されると、上記ストッパー部の上面は、上記スタンド基台と同一平面となることを特徴とするスタンド固定機構。
Priority Applications (1)
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JP4314674B2 true JP4314674B2 (ja) | 2009-08-19 |
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Family Applications (1)
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JP14677099A Expired - Fee Related JP4314674B2 (ja) | 1999-05-26 | 1999-05-26 | スタンド固定機構 |
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1999
- 1999-05-26 JP JP14677099A patent/JP4314674B2/ja not_active Expired - Fee Related
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