JP4314642B2 - 真空蒸着用材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックフィルムシート(本明細書において単に「フィルム」という。」の面上に真空蒸着するのに好適な真空蒸着用材料、特に生鮮食品、加工食品、医薬品、医療機器、電子部品等の包装用フィルムの少なくとも片面にセラミック薄膜を形成するために使用するのが好適な真空蒸着用材料関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、食品の流通形態や食生活の変革によって食品の包装形態も大幅に変わってきており、また、医薬品、医療機器、電子部品等の包装についても進歩が著しく、包装用のフィルムに対する要求特性はますます厳しくなってきている。
【0003】
流通販売過程における温度や湿分、酸素、紫外線、更には細菌やカビ等の微生物の影響による製品の品質低下は、販売上の損失を招くのみならず食品衛生面からも大きな問題である。この様な品質低下を防止する方法として、従来は酸化防止剤や防腐剤等を食品に直接添加していたが、最近では、製品の安全性を求める立場から食品添加物の規制が厳しくなり、添加量の減少もしくは無添加が求められており、この様な状況の下で、気体や水分の透過度が小さく、しかも冷凍加工や煮沸処理、レトルト処理等によっても食品としての製品の安全性低下を起こさない様な包装フィルムヘの要望が高まっている。
【0004】
即ち、魚肉、畜肉、貝類等の包装においては、蛋白質や油脂等の酸化や変質を抑制し、味や鮮度を保持することが重要であり、そのためには、ガスバリア性のよい包装材料を用いて空気の透過を遮断することが望まれる。しかも、ガスバリア性フィルムで包装すると、内容物の香気が保持されると共に水分の透過も阻止されるので、乾燥物では吸湿劣化が抑制され、含水物の場合は水分の揮発による変質や固化が抑制され、包装時の新鮮な風味を長時間維持することが可能となる。
【0005】
こうした理由から、かまぼこ等の練り製品、バター、チーズ等の乳製品、味噌、茶、コーヒー、ハム・ソーセージ類、インスタント食品、カステラ、ビスケット等の菓子類の包装フィルムにおいては、酸素ガスバリア性や防湿性が極めて重要な特性とされている。これらの特性は食品包装用フィルムに限られるものではなく、無菌状態での取扱いが必要とされる医療品、あるいは防錆性が必要な電子部品などの包装用フィルムとしても極めて重要となる。
【0006】
ガスバリア性に優れたフィルムとしては、フィルム上にアルミニウム等の金属箔を積層したもの、ポリ塩化ビニリデンやエチレンビニルアルコール共重合体をコーティングしたものが知られている。また、無機質薄膜を利用したものとして、酸化珪素や酸化アルミニウム等の蒸着膜を積層したものも知られている。
【0007】
上記の様な従来のガスバリア性フィルムには、それぞれ次の様な問題点が指摘されている。ガスバリア層としてアルミニウム箔を積層したものは、経済性やガスバリア性において優れたものではあるが、不透明であるため包装した時に内容物が見えず、またマイクロ波を透過しないため電子レンジによる処理ができない。
【0008】
また、ポリ塩化ビニリデンやエチレンビニルアルコール共重合体をコーティングしたフィルムは、水蒸気や酸素等に対するガスバリア性が十分でなく、特に高温処理による性能低下が著しい。しかも塩化ビニリデン系の重合体を用いたものについては、焼却時の塩素ガス、ダイオキシンの発生等により大気汚染を招くことも懸念される。
【0009】
そこで、ガスバリア層として酸化珪素や酸化アルミニウム等の無機質蒸着層を形成した樹脂フィルムが提案された。
【0010】
透明で内容物を透視することができ、且つ、電子レンジでの処理が可能なガスバリア性フィルムとして、特公昭51−48511号公報には、合成樹脂基材の表面にSi系(例えばSiO)を蒸着したガスバリア性フィルムが提案されている。
【0011】
ところが、ガスバリア性の良好なSiO系(x:1.3〜1.8)蒸着膜はやや褐色を有しており、透明ガスバリア性フィルムとしては、品質において十分なものとは言えない。
【0012】
特開昭62−101428号公報には、酸化アルミニウムを主体とする無機質蒸着層を設けたものが記載されており、これは着色はないもののガスバリア性が不十分であるばかりでなく、ガスバリア特性と耐屈曲性を両立させるという観点からすると依然として不十分と言わざるを得ない。
【0013】
そこで、本出願人はAl・SiO系薄膜をもちいた透明ガスバリアフィルムを開発(特開平5−179033号公報)した。Al・SiO系薄膜は課題であった、透明性と柔軟性を併せ持った、セラミックバリア材であり、完全に無色透明性でかつ対屈曲性に優れる。Al・SiO系薄膜の真空蒸着用材料にAlとSiOを用いる場合には、それらの融点の違いから別々の坩堝に材料を入れ、個々に蒸着量を制御する必要があり、生産工程の管理が煩雑になる。また、AlとSiOを同一の坩堝に入れ加熱した場合、スプラッシュとよばれる、真空蒸着用材料の飛散が発生する。
【0014】
一般に真空蒸着法は、スパッタリング法、化学蒸着(CVD)法に比べ、薄膜形成の速度が高くとれるものの、薄膜層の組成・膜厚の制御が難しいという難点がある。製膜速度はコストに直接影響する非常に重要な要素であり、薄膜形成速度の向上は、常に大きな課題である。たとえば、電子ビーム加熱の場合、加熱パワーを上げれば製膜速度は大きくなるものの、ある値以上では材料のスプラッシュの発生が大きくなり、それ以上パワーを上げることが難しい上限値があり、製膜速度は制限される。
【0015】
一方、組成・膜厚の制御の面では、熱拡散、電子ビーム加熱の場合の帯電等により、真空蒸着用材料の飛散や高温でのスプラッシュが発生し、組成・膜厚の均一な膜が得られないという問題がある。また、基材がプラスチックのような耐熱性のない材料の場合には、このスプラッシュにより、基材が溶け、微小な穴や欠陥が発生する場合がある。更に、真空蒸着用材料に付着・混入している不純物から多量のガスが放出され、真空圧が上昇し、得られる膜特性は満足できるものではなかった。このような現象は、高周波誘導加熱、抵抗加熱等の他の蒸着法においても程度の差はあるものの同様であり、スプラッシュ発生の少ない蒸着材料の開発が望まれていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の真空蒸着用材料の有する問題点を解決し、真空蒸着を行うときにスプラッシュが起こり難く、高い製膜速度を得ることが出来、また、形成した薄膜の組成、厚さが均一で、かつ、膜表面に微細な孔や欠陥を有するようなことがない真空蒸着用材料を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の真空蒸着用材料は、アルミニウム、ジルコニウム又はマグネシウムの群から選ばれた金属1種以上と、珪素、アルミニウム、ジルコニウム又はマグネシウムの群から選ばれた金属の酸化物1種以上と、酸化チタンとからなり、前記金属と金属の酸化物の総量100重量部に対して酸化チタン0.05〜5重量部を含有することを特徴とする。
【0018】
上記の構成からなる真空蒸着用材料は、スプラッシュが起こり難く、製膜速度を高くすることができ、また、形成した薄膜の組成、厚さが均一で、かつ、膜表面に微細な孔や欠陥を有するようなことがない。
【0019】
また、この場合において、金属がアルミニウム、金属の酸化物が酸化珪素であることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の真空蒸着用材料の詳細を説明する。
【0021】
本発明において云う真空蒸着法とは、抵抗加熱、高周波誘導加熱、電子線加熱、レーザー加熱等により、坩堝に入った真空蒸着用材料を加熱、蒸発させて、基材(例えば、フィルム)に付着させる方法である。この際、真空系内に水素、酸素、窒素等の反応性ガスを導入する、反応性蒸着も含まれる。
【0022】
これらの各種のドライプロセス法は何れもそれ自体は公知である。本発明では既述の如く、かかる薄膜形成法に用いる真空蒸着用材料として特定の組成の材料を提供するものであって、かかる真空蒸着用材料を用いた場合には、真空蒸着を行うときにスプラッシュが起こり難く、高い製膜速度を得ることの出来、かつ、得られる薄膜の組成、厚さが均一で、かつ、膜表面に微細な孔や欠陥を有するようなことがない。
【0023】
本発明の真空蒸着用材料とは、アルミニウム(単にAlと記す)、ジルコニウム(単にZrと記す)又はマグネシウム(単にMgと記す)の群から選ばれた金属1種以上と、珪素(単にSiと記す)、Al、Zr又はMgの群から選ばれた金属の酸化物1種以上と、酸化チタンとからなるものをいう。
【0024】
また、Al、Zr、Mgの金属、Si、Al、Zr、Mgの金属の酸化物及び酸化チタンの形状としては、粉体、粒子、塊状及び成形体、焼結体のものがあり、かかる形状のものの製造にあたっては、それ自体公知の手段をとることが出来る。また、本発明の真空蒸着用材料はメチルシリケート、ポリビニルアルコールなどの結合剤を添加混合して用いることもできる。
【0025】
本発明の真空蒸着用材料に用いる酸化チタンとしては、Ti、TiO(ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、非晶質)、TiO等があり、結晶型、酸化度に限定されるものではない。
【0026】
本発明の真空蒸着用材料は、酸化チタンを含有することにより、真空蒸着用材料の破片、粒子等の飛散を生ずるスプラッシュが少なくなる効果があり、投入電力量を高め、真空蒸着速度を格段に向上させることが可能になる。また、本発明の真空蒸着用材料中の酸化チタンの含有量は、好ましくはAl、Zr又はMgの群から選ばれた金属及びSi、Al、Zr又はMgの群から選ばれた金属の酸化物の総量100重量部に対して0.05〜5重量部、さらに好ましくは0.05〜1.0重量部である。この場合、酸化チタンの含有量があまりに少ない場合は、本発明の効果である真空蒸着用材料の破片、粒子等の飛散であるスプラッシュの低減があまり期待できない。また、酸化チタンの含有量が所定量より多い場合は、本来目的とするAl、Zr、Mgから選ばれた金属及び及びSi、Al、Zr又はMgの群から選ばれた金属の酸化物の諸特性(透明性、バリア性、硬度等)を酸化チタンが阻害する恐れがある。
【0027】
また、金属及び金属の酸化物が金属アルミニウムと酸化珪素とからなる真空蒸着用材料において、酸化チタンを含育したものを用いて真空蒸着を行なう場合、真空蒸着用材料の飛散であるスプラッシュは更に低減される。
【0028】
本発明において、片面に前記の真空蒸着用材料からなる薄膜層を形成して蒸着フィルムを製造するプラスチックフィルムとしては次のようなものをあげることができる。即ち、プラスチックフィルムは、有機高分子を溶融押出し又は溶液押出しして製膜したものであって、その後必要に応じ、長手方向及び/又は幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィルムであり、透明であることが好ましい。有機高分子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン66,ナイロン12、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアクリル、セルロースプロピオネート、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイド、ポリスチレン、シンジオタクチクポリスチレン、ノルボルネン系ポリマーなどがあげられる。また、これらの有機高分子は他の有機高分子成分を少量共重合したり、ブレンドしたりしてもよい。これらのうち、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルからなる2軸延伸フィルムが、最も好ましく用いられる。
【0029】
本発明において用いるプラスチックフィルムの厚みは、5〜300μmの範囲にあることが好ましく、特に好適には10〜250μmの範囲にあるのがよい。10μm未満では機械的強度が不足し、力を加えたときの変形が大きくなり過ぎ、耐久性が必ずしも十分でなくなる。一方、300μmを越えるほど厚手のフィルムが求められることが少ない。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の内容及び効果を実施例によって説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、本明細書中における特性値の測定方法は以下の通りである。
【0031】
「評価方法」
(1)スプラッシュの測定
蒸着した基板(2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)の表面(5cm角)に付着した真空蒸着用材料のスプラッシュの個数を、投影機(ニコン製:PROFILE PROJECTOR V-12)を用いて、倍率100にて測定した。
【0032】
(2)透明性の測定
日立製作所社製分光光度計(U−3500)を用いて、蒸着した基板(PETフィルム)の550nmでの光線透過率を測定した。
【0033】
(3)酸素バリア性の測定
真空蒸着した基板(2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)の酸素透過率をモダンコントロールズ社製(OX-Tran100)酸素透過率測定装置を用いて、25℃、1気圧で測定した。
【0034】
(4)薄膜の組成測定
島津製作所社製のESCA−850により、光源にMg−Kα線を用い、出力9Kv×30mAで薄膜の組成を測定した。
【0035】
(実施例1)
SiOとAlの粉末を重量比で65:35の割合で混合し、さらに、SiOとAlの総量を100重量部として、TiO粉末を0.05重量部、0.5重量部、1重量部、3重量部または5重量部加えた。このSiOとAlとTiOからなる混合粉末をボールミルを用いて、均一になるまで十分に攪拌し、その後、プレス圧力1000kgf/cmで、大きさが31.6φnm×20tmmのペレットを製造した。真空蒸着装置内の電子線加熱源(日本電子社製:JEBG−230UB)にペレットを設置し、下記の条件で真空蒸着を行った。測定結果を表1(a)に示す。
【0036】
[蒸着条件]
電子線の加速電圧:6KV
エッミッション電流:200mA
真空圧力:3×10E−4Torr
基板間距離:240mm
基板温度:25℃
基材:2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製E5100、12ミクロン)
基材寸法:120φmm
蒸着時間:7秒
【0037】
実施例1で得られた真空蒸着フィルムにスプラッシュの痕跡は観察されず、酸素透過率は、いずれもlcc/m・atm・day以下であった。さらに、真空蒸着フィルムの光線透過率は80%以上であり、総合特性の優れた真空蒸着フィルムが得られた。
【0038】
参考例1
SiOとAlの粉末を重量比で65:35の割合で混合し、さらに、SiOとAlの総量を100重量部として、TiO粉末を7重量部又は10重量部加えた。このSiOとAlとTiOからなる混合粉体をボールミルを用いて、均一になるまで十分に攪拌し、その後、プレス圧力1000kgf/cmで、大きさが31.6φmm×20tmmのペレットを製造した。次いで、実施例1と同様の条件にて真空蒸着を行った。測定結果を表1(a)に示す。参考例1で得られたフィルムにはスプラッシュの痕跡が観察されず、酸素透過率は、いずれも1cc/m・atm・day以下であった。なお、真空蒸着フィルムの光線透過率が74%と70%であり、やや低い透明性を示した。
【0039】
(比較例1)
SiOとAlの粉末を重量比で65:35の割合で混合し、混合粉体をボールミルを用いて、均一になるまで十分に攪拌し、その後、プレス圧力1000kgf/cmで、大きさが31.6φmm×20tmmのペレットを製造した。次いで、実施例1と同様の条件にて真空蒸着を行った。測定結果を表1(a)に示す。比較例1で得られたフィルムにはスプラッシュの痕跡が観察され、酸素透過率は、50cc/m・atm・day以上で十分な酸素バリア性能が得られなかった。
【0040】
(実施例
AlとZrの粉末を重量比で75:25の割合で混合し、さらに、AlとZrの総量を100重量部として、TiO粉末を0.05重量部、0.5重量部、1重量部、3重量部または5重量部加えた。このAlとZrとTiOからなる混合粉体をボールミルを用いて、均一になるまで十分に攪拌し、その後、プレス圧力1000kgf/cmで、大きさが31.6φmm×20tmmのペレットを製造した。真空蒸着装置内の電子線加熱源(日本電子社製:JEBG−203UB)にペレットを設置し、下記の条件で真空蒸着を行った。測定結果を表1(b)に示す。
【0041】
[蒸着条件]
電子線の加速電圧:6KV
エッミッション電流:300mA
真空圧力:3×10E−4Torr
基板間距離:240mm
基板温度:25℃
基材:2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製E5100、12ミクロン)
基材寸法:120φmm
蒸着時間:20秒
【0042】
実施例で得られたフィルムにスプラッシュの痕跡は観察されず、酸素透過率は、いずれも5cc/m・atm・day以下であった。さらに、真空蒸着フィルムの光線透過率は75%以上であり、総合特性の優れた真空蒸着フィルムが得られた。
【0043】
参考例2
AlとZrの粉末を重量比で75:25の割合で混合し、さらに、AlとZrの総量を100重量部として、TiO粉末を7重量部又は10重量部加えた。このAlとZrとTiOからなる混合粉体をボールミルを用いて、均一になるまで十分に攪拌し、その後、プレス圧力1000kgf/cmで、大きさが31.6φmm×20tmmのペレットを製造した。次いで、参考例1と同様の条件にて真空蒸着を行った。測定結果を表1(b)に示す。参考例2で得られたフィルムにはごくわずかのスプラッシュの痕跡が観察されたが、酸素透過率は、11又は20cc/m・atm・dayであり、酸素バリア性、透明性は実用性の範囲であった。
【0044】
(比較例2)
AlとZrの粉末を重量比で75:25の割合で混合し、混合粉体をボールミルを用いて、均一になるまで十分に攪拌した。その後、プレス圧力1000kgf/cmで、大きさが31.6φmm×20tmmのペレットを製造し、実施例と同様の条件にて真空蒸着を行った。測定結果を表1(b)に示す。比較例2で得られた真空蒸着フィルムにはスプラッシュの痕跡が観察され、酸素透過率は、50cc/m・atm・day以上で十分な酸素バリア性能が得られなかった。
【0045】
(実施例
SiOとMgの粉末を重量比で90:10の割合で混合し、さらに、SiOとMgの総量を100重量部として、TiO粉末を0.05重量部、0.5重量部、1重量部、3重量部または5重量部加えた。このSiOとMgとTiOからなる混合粉体をボールミルを用いて、均一になるまで十分に攪拌し、その後、プレス圧力1000kgf/cmで、大きさが31.6φmm×20tmmのペレットを製造した。真空蒸着装置内の電子線加熱源(日本電子社製:JEBG−203UB)にペレットを設置し、下記の条件で真空蒸着を行った。測定結果を表1(c)に示す。
【0046】
[蒸着条件]
電子線の加速電圧:6KV
エッミッション電流:200mA
真空圧力:3×10E−4Torr
基板問距離:240mm
基板温度:25℃
基材:2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製E5100、12ミクロン)
基材寸法:120φmm
蒸着時間:10秒
【0047】
実施例で得られたフィルムにスプラッシュの痕跡は観察されず、酸素透過率は、いずれも5cc/m・atm・day以下であった。さらに、真空蒸着フィルムの光線透過率は80%以上であり、総合特性の優れた真空蒸着フィルムが得られた。
【0048】
(比較例3)
SiOとMgの粉末を重量比で90:10の割合で混合し、混合粉体をボールミルを用いて、均一になるまで十分に攪拌し、その後、プレス圧力1000kgf/cmで、大きさが31.6φmm×20tmmのペレットを製造した。次いで、実施例と同様の条件にて真空蒸着を行った。測定結果を表1(c)に示す。比較例3で得られた真空蒸着フィルムにはスプラッシュの痕跡が観察され、酸素透過率は、50cc/m・atm・day以上で十分なバリア性能が得られなかった。
【0049】
(参考例3)
SiOとMgの粉末を重量比で90:10の割合で混合し、さらに、SiOとMgの総量を1として、TiO粉末を7重量部又は10重量部加えた。このSiOとMgとTiOからなる混合粉体をボールミルを用いて、均一になるまで十分に攪拌し、その後、プレス圧力1000kgf/cmで、大きさが31.6φmm×20tmmのペレットを製造した。実施例と同様の条件にて蒸着を行った。測定結果を表1(c)に示す。参考例3で得られたフィルムにはスプラッシュの痕跡が観察されず、酸素透過率は、いずれも1cc/m・atm・day以下であった。なお、真空蒸着フィルムの光線透過率が70%前後であり、実用性の範囲であった。
【0050】
【表1】
Figure 0004314642
【0051】
【発明の効果】
本発明の真空蒸着用材料によれば、蒸着材料の破片、粒子等の飛散を生ずるスプラッシュを少なく、製膜速度を高くすることができ、また、プラスチックフィルムの表面に形成した薄膜の組成、厚さが均一で、かつ膜面に微細な孔や欠陥を有することがない。

Claims (2)

  1. アルミニウム、ジルコニウム又はマグネシウムの群から選ばれた金属1種以上と、珪素、アルミニウム、ジルコニウム又はマグネシウムの群から選ばれた金属の酸化物1種以上と、酸化チタンとからなり、前記金属と金属の酸化物の総量100重量部に対して酸化チタン0.05〜5重量部を含有することを特徴とする真空蒸着用材料。
  2. 金属がアルミニウム、金属の酸化物が酸化珪素であることを特徴とする請求項1記載の真空蒸着用材料。
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