JP4314418B2 - 含水性コンタクトレンズの処理容器及び処理方法 - Google Patents
含水性コンタクトレンズの処理容器及び処理方法 Download PDFInfo
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Description
【技術分野】
本発明は、含水性コンタクトレンズの処理容器及び処理方法に係り、特に、含水性コンタクトレンズの水和処理と洗浄処理とを、共に実施可能な処理容器の新規な構造と、それらの処理を有利に行い得る方法とに関するものである。
【0002】
【背景技術】
一般に、含水性コンタクトレンズは、各種の方法により、所定のレンズ形状に作製された後、未反応モノマー等の不純物の除去等を目的とした水和処理と洗浄処理とが施されて、製品化されているが、特開平7−113990号公報や特開平4−227643号公報には、そのような水和処理と洗浄処理とを一挙に行い得るコンタクトレンズ処理容器が、提案されている。
【0003】
すなわち、前記公報に記載されたコンタクトレンズの処理容器は、上下方向に互いに組付可能に構成された雄チャンバと雌チャンバとを有し、それら雌雄二つのチャンバが相互に組み付けられた状態下で、互いの対向面間に、コンタクトレンズを収容可能な空間が形成されるようになっている。また、雄チャンバには、雌チャンバとの組付下において、コンタクトレンズを収容する空間内に、該コンタクトレンズの水和乃至は洗浄処理を行うための処理水を供給する一つの入口孔(前記公報では、水洗用管路として記載される)が、雄チャンバの雌チャンバとの対向面の中心部を上下方向に貫通するように設けられ、更に、該処理水を、前記空間内から排出する複数の出口孔が、該雄チャンバの前記対向面の周縁部から上下方向に延び出した側壁に対して、その周方向に等間隔をおいて形成されている。そして、かかる処理容器にあっては、雌雄二つのチャンバを組み付けて、それらの間に形成される空間内に、所定のレンズ形状に作製された直後のコンタクトレンズを収容せしめ、その状態下で、前記処理水を、雄チャンバの入口孔を通じて前記空間内に連続的に供給して、該空間内を該処理水にて満たすことにより、該空間内のコンタクトレンズが該処理水中に浸漬され、膨潤せしめられて、該コンタクトレンズの水和処理が行われるようになっており、また、該空間内に過剰に供給された処理水を前記複数の出口孔から排出して、処理水を入口孔から複数の出口孔に向かって流通させることにより、処理水が、コンタクトレンズの内面上と外面上とにおいて、それぞれ、中心部から放射状に流動せしめられて、該コンタクトレンズの洗浄処理が実施されるようになっているのである。
【0004】
ところが、このような構造の処理容器にあっては、上述の如く、入口孔から供給された処理水の前記空間内での流動のみによって、コンタクトレンズが洗浄されるようになっているに過ぎないところから、処理水の流動に伴って、コンタクトレンズ表面に及ぼされる摩擦力が比較的小さく、そのために、コンタクトレンズ中から抽出される等して、コンタクトレンズ表面上に存在せしめられた不純物を十分に除去することが困難であったのであり、従って、コンタクトレンズの洗浄処理が、十分に為され得るものであるとは言い難かったのである。
【0005】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、含水性コンタクトレンズの水和処理と洗浄処理とを、より十分に且つ確実に行うことが出来る含水性コンタクトレンズの処理容器と処理方法とを提供することにある。
【0006】
【解決手段】
そして、本発明にあっては、かかる課題の解決のために、含水性コンタクトレンズが収容可能な凹部を有するケースと、該ケースに対して取り外し可能に取り付けられて、該ケースの前記凹部を覆蓋することにより、該ケースとの間に、前記コンタクトレンズが収容される、密閉された収容空間を形成する蓋体と、それらケースと蓋体の少なくとも何れか一方に設けられて、前記収容空間内に、前記コンタクトレンズの洗浄処理乃至は水和処理を行う水性処理液を注入する注入口と、前記ケースと前記蓋体の少なくとも何れか一方に設けられて、前記収容空間内に注入された前記水性処理液を該収容空間内から排出する排出口とを有して構成され、該収容空間内に前記コンタクトレンズを収容せしめた状態下で、前記水性処理液を前記注入口を通じて注入する一方、前記排出口から排出して、該収容空間内で流動させながら、該コンタクトレンズに対して、該水性処理液を接触させることにより、該コンタクトレンズの洗浄処理乃至は水和処理を行う処理容器において、前記収容空間が、前記コンタクトレンズの周方向への回転を許容する大きさをもって形成される一方、前記注入口が、前記水性処理液を、前記コンタクトレンズの収容下での該収容空間内に、該コンタクトレンズの中心部とは異なる方向に向かって流入し、且つ該収容空間内で、該コンタクトレンズの中心部に向かう方向とは別の方向に向かって流動させるように形成され、かかる注入口を通じて注入された該水性処理液の該収容空間内での流動により、該収容空間内に収容された該コンタクトレンズに対して、その周方向への回転力が与えられて、該コンタクトレンズが周方向に回転させられるように構成されていることを特徴とする含水性コンタクトレンズの処理容器を、その要旨とするものである。
【0007】
すなわち、本発明に従う含水性コンタクトレンズの処理容器にあっては、蓋体をケースに取り付けることにより、それら蓋体とケースとの間に形成される収容空間内に含水性コンタクトレンズを収容せしめた状態下で、水性処理液を、注入口から収容空間内に注入する一方、排出口を通じて収容空間内から排出して、収容空間内で流動させることにより、該コンタクトレンズが水性処理液中に浸漬せしめられて、該コンタクトレンズの水和処理が行われるようになっている。
【0008】
そして、かかる処理容器においては、特に、水性処理液を収容空間内に注入する注入口が特別な配設構造とされて、注入口から収容空間内に注入された水性処理液が、収容空間内に収容された含水性コンタクトレンズに対して、それを周方向に回転させる回転力を与えるように流動せしめられ、この水性処理液の流動によって、該コンタクトレンズが、その周方向に回転せしめられるようになっているところから、単に、水性処理液を含水性コンタクトレンズの表面上で流動させるだけの場合に比して、水性処理液の流動に伴って、コンタクトレンズ表面に及ぼされる摩擦力が効果的に高められ、それによって、コンタクトレンズ表面上に存在する不純物が、極めて有効に除去され得ることとなる。
【0009】
従って、このような本発明に従う含水性コンタクトレンズの処理容器を用いれば、含水性コンタクトレンズの水和処理を有効に行い得ると共に、その洗浄処理を、従来の処理容器に比して、より十分に且つ確実に行うことが出来るのである。
【0010】
なお、このような本発明に従う含水性コンタクトレンズの処理容器の好ましい態様の一つによれば、前記注入口が、前記水性処理液を、前記コンタクトレンズの収容下での該収容空間内に、該コンタクトレンズの外周部に向かって流入せしめ、且つ該収容空間内で、該コンタクトレンズの外周部における周縁の接線と平行な方向に向かって流動させるように形成される。このような構成を有する処理容器にあっては、収容空間内での水性処理液の流動によって、該収容空間内に収容されたコンタクトレンズに対して、その周方向への回転力が、より確実に与えられて、コンタクトレンズを、周方向に、確実に且つスムーズに回転させることが出来る。
【0011】
また、本発明に従う含水性コンタクトレンズの処理容器の別の有利な態様の一つによれば、前記排出口が、前記水性処理液を、前記注入口による該水性処理液の前記収容空間内への流入方向とは反対の方向に向かって、該収容空間内から排出するように形成される。これによって、水性処理液が、コンタクトレンズの収容下での収容空間内において、コンタクトレンズの周りを回るように流動せしめられ、以て、該コンタクトレンズが、その周方向に、更に一層確実に回転せしめられ得ることとなる。
【0012】
さらに、本発明に従う含水性コンタクトレンズの処理容器の望ましい他の態様の一つによれば、前記収容空間が、前記コンタクトレンズの反転を阻止する大きさをもって形成される。このような構成によれば、収容空間内での水性処理液の流動によって、コンタクトレンズが反転するようなことがなく、それによって、かかる水性処理液の流動によるコンタクトレンズの周方向へのスムーズな回転が、有効に確保され得る。
【0013】
更にまた、本発明に従う含水性コンタクトレンズの処理容器の別の好ましい態様の一つによれば、前記ケースにおける前記凹部の底面と、前記蓋体における該ケースへの取付下での該凹部の底面との対向面の少なくとも何れか一方に突部を設けて、前記収容空間内に収容された前記コンタクトレンズが、該突部に接触せしめられるように構成することにより、該コンタクトレンズが、該ケースにおける前記凹部の底面の一部と、該蓋体における前記対向面の一部とに対して接触せしめられるように構成される。
【0014】
このような構成を有する処理容器にあっては、ケースにおける凹部の底面と蓋体の該底面との対向面との間に形成される収容空間内に収容されたコンタクトレンズの外面や内面と、該ケースにおける凹部の底面や該蓋体における対向面との接触面積が、有利に小さく為され得て、コンタクトレンズの外面や内面が、該ケースの底面や該蓋体の対向面に対して、表面張力により張り付いてしまうことが極めて有利に防止され得、それによって、前記水性処理液の流動によるコンタクトレンズの周方向へのスムーズな回転が、更に一層有効に確保され得ることとなるのである。
【0015】
また、そのような突部が設けられる場合にあっては、有利には、突部が、前記収容空間内に収容された前記コンタクトレンズの径方向に延びる突条にて構成されることとなる。かかる構成によれば、例えば、突部が、コンタクトレンズに対して点接触により接触せしめられる突起にて構成される場合とは異なり、該コンタクトレンズに対して、所定の荷重を加えつつ接触せしめられた際にも、該荷重がコンタクトレンズとの接触面において分散され、極めて脆いコンタクトレンズが破損することが可及的に防止され得るのであり、また、突部が、コンタクトレンズの周方向に延びる突条等にて構成される場合に比して、コンタクトレンズの周方向への回転時に生ずる摩擦抵抗が有利に小さくされ得、以て、該コンタクトレンズが、周方向にスムーズに回転せしめられ得ることとなる。
【0016】
さらに、本発明に従う含水性コンタクトレンズの処理容器の他の望ましい態様の一つによれば、前記注入口と前記排出口とが密封可能とされ、前記水性処理液が、前記コンタクトレンズと共に前記収容空間内に収容された状態下で、封入され得るように構成される。このような構成を有する処理容器にあっては、水性処理液がコンタクトレンズと共に収容空間内に収容された状態下で、注入口と排出口とを密封することにより、処理容器内で、コンタクトレンズを乾燥させることなく保存することが出来、以て、コンタクトレンズを良好な状態で搬送し得る流通容器として、利用することが可能となる。
【0017】
ところで、本発明にあっては、含水性コンタクトレンズを洗浄処理すると共に水和処理する方法であって、前記コンタクトレンズが収容可能な密閉された収容空間と、該収容空間内に、該コンタクトレンズの洗浄処理乃至は水和処理を行う水性処理液を注入する注入口と、該収容空間内に注入された該水性処理液を該収容空間内から排出する排出口とを有する処理容器を用い、該処理容器の前記収容空間内に前記コンタクトレンズを収容すると共に、前記注入口を通じて前記水性処理液を注入して、該コンタクトレンズを該水性処理液中に浸漬することにより、該収容空間内で、該コンタクトレンズの水和処理を行う一方、該コンタクトレンズに対して、それを周方向に回転させる回転力を与える方向に向かって、前記水性処理液を流動せしめつつ、前記排出口を通じて排出することにより、該コンタクトレンズを、その周方向に回転させながら洗浄処理することを特徴とする含水性コンタクトレンズの処理方法をも、その要旨とするものである。
【0018】
このような本発明に従う含水性コンタクトレンズの処理方法においては、1個の処理容器内で、コンタクトレンズの水和処理と洗浄処理とが一挙に行われ得るのであり、特に、コンタクトレンズの洗浄処理が、水性処理液の流動により、コンタクトレンズを回転させながら行われるようになっていることから、単に、水性処理液を含水性コンタクトレンズの表面上で流動させるだけの従来手法に比して、水性処理液の流動に伴って、コンタクトレンズ表面に及ぼされる摩擦力が有利に増大され、それによって、コンタクトレンズ表面上に存在し、或いはコンタクトレンズ中から抽出された不純物が、より有効に除去され得ることとなる。
【0019】
従って、かかる本発明手法によれば、含水性コンタクトレンズの水和処理を有効に行い得るばかりでなく、その洗浄処理を、従来手法に比して、更に一層十分に且つ確実に行うことが出来るのである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより具体的に明らかにするために、本発明に係る含水性コンタクトレンズの処理容器と処理方法の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0021】
先ず、図1には、本発明に従う構造を有する含水性コンタクトレンズの処理容器の一例が、概略的に示されている。かかる図1からも明らかなように、処理容器10は、容器本体たるケース12と蓋体14とを有して、構成されている。
【0022】
より具体的には、図2乃至図4に示される如く、この処理容器10を構成するケース12は、合成樹脂材料から成っており、矩形の天板部16と、該天板部16の四つの辺縁部のそれぞれから下方に向かって一体的に延び出した四つの脚部18とを有して、構成されている。また、かかるケース12の天板部16の中央部には、上方に開口する円形の開口部を有する凹部20が設けられ、更に、この凹部20の開口周縁部には、天板部16の外周部よりも一段低くされた段部21が、形成されている。なお、この凹部20は、開口部の径が、それを通じて、含水性コンタクトレンズ22を容易に出し入れし得る大きさとされていると共に、その深さが、コンタクトレンズ22の水和処理乃至は洗浄処理を行う公知の水性処理液と共に、コンタクトレンズ22を該水性処理液に浸漬せしめた状態で収容し得る深さとされている。また、かかる凹部20にあっては、その底面が、コンタクトレンズ22の外面形状とは対応しない凹状湾曲面形状とされている。
【0023】
また、ケース12における前記四つの脚部18のうちの一つの脚部18aの内面24と、それに対向する前記凹部20の側壁部の外面26との間には、天板部16の一部が下方に向かって所定の厚さだけ増肉されてなる増肉部28が、該側壁部の半径と略同じ寸法の幅をもって、一体的に形成されている。そして、この増肉部28には、段付き円形状の貫通孔からなり、前記脚部18aの外面と前記凹部20の側壁部の内面とにおいてそれぞれ開口する導入管路30と排出管路32とが、幅方向に並んで形成されており、それら導入管路30と排出管路32とにおける凹部20の側壁部内面において開口する内側開口部が、それぞれ、注入口34と排出口36とされている。
【0024】
かくして、凹部20が、増肉部28に設けられた導入管路30と排出管路32とによって、上側開口部以外で、外部に連通せしめられており、導入管路30の注入口34を通じて、前記水性処理液が、外部から凹部20内に供給される一方、凹部20内に供給された水性処理液が、排出管路32の排出口36から、外部に排出されるようになっている。
【0025】
そして、本実施形態では、特に、増肉部28が、前記脚部18aの内面24と、それに対向する凹部20の側壁部の外面26との間において、脚部18aの内面24の長さ方向中央部から一方の側に偏寄して配設され、更に、かかる増肉部28における脚部18aの内面24の長さ方向一方側に、導入管路30が脚部18aの内面24に垂直な方向に向かって真っ直ぐに延び出すように形成されている。それによって、導入管路30の注入口34が、凹部20の側壁部内面において、凹部20の中心点(図3において、Oにて示される点)を通る脚部18aの内面24に対する垂線(図3において、mにて示される直線)が交差する部位とは異なる部位で、該垂線に平行な方向に向かって開口せしめられている。また、ここでは、排出管路32が、増肉部28における脚部18aの内面24の長さ方向中央部において、該内面24に垂直な方向に向かって真っ直ぐに延び出すように形成されており、それによって、排出管路32の排出口36が、凹部20の側壁部内面における前記垂線(図3において、mにて示される直線)と交差する部位において、凹部20の中心点(図3において、Oにて示される点)に向かって開口せしめられている。
【0026】
一方、蓋体14は、図2、図5、及び図6に示される如く、円形形状を呈する合成樹脂製の平板から成っており、その外径が、前記ケース12における凹部20の上側開口周縁部に設けられた段部21の外径よりも僅かに小さな大きさとされている。そして、この蓋体14にあっては、中央部分が裏面側に向かって、比較的狭い幅にて、十字形状に凹陥せしめられており、それによって、裏面に対して、径方向に延びる二つの突条が裏面の中心部で十字に交差してなる十字形突条38が、形成されている。また、この十字形突条38は、その先端面が、ケース16における凹部20の底面の凹状湾曲面形状とは対応するものの、前記含水性コンタクトレンズ22の内面形状とは対応しない凸状湾曲面形状とされている。なお、図2、図5、及び図6において、40は、蓋体14の表面外周部に周設された環状段差部であり、後述するように、処理容器10内にコンタクトレンズ22が収容された状態で、該処理容器10の上面にアルミニウム箔を接着する際に、その接着面となる部位である。
【0027】
而して、図2に示されるように、上述の如き構造とされた蓋体14が、裏面においてケース12の段部21の上面に接触せしめられて、該段部21内に嵌め込まれることによって、凹部20が、蓋体14により、取り外し可能な状態で覆蓋されて、それら凹部20と蓋体14との間に、コンタクトレンズ22が収容される収容空間42が形成されるようになっている。また、そのような収容空間42内には、蓋体14の裏面に設けられた十字形突条38が、コンタクトレンズ22の内面形状に対応しない凸状湾曲面形状を呈する先端面を、収容空間42内に収容されたコンタクトレンズ22の内面に対向せしめた状態で、突入位置せしめられている。これによって、蓋体14が、収容空間42内に収容されたコンタクトレンズ22に対して、その内面の径方向に沿って十字に交差して延びる十字形突条38の先端面のみによって接触せしめられるようになっており、以て、収容空間42内でのコンタクトレンズ22の蓋体14との接触面積が小さくされている。また、ここでは、収容空間42を隔てて、蓋体14と対向する前記凹部20の底面が、前述せる如く、コンタクトレンズ22の外面形状に対応しない凸状湾曲面形状とされており、それによって、収容空間42内でのコンタクトレンズ22の凹部20底面との接触面積も小さくされている。更に、かかる蓋体14による凹部20の覆蓋状態下で、蓋体14の十字形突条38の先端面と凹部20の底面との間隔が、コンタクトレンズ22の厚さの数倍〜数十倍程度となるように、十字形突条38の突出高さが設定され、収容空間42内に収容されるコンタクトレンズ22が、該収容空間42内において、周方向への回転は許容されるものの、その反転が阻止されるようになっている。
【0028】
また、本実施形態では、特に、前述の如く、ケース12における導入管路30の注入口34が、凹部20の側壁部内面において、凹部20の中心点(図3において、Oにて示される点)を通る脚部18aの内面24に対する垂線(図3において、mにて示される直線)が交差する部位とは異なる部位で、該垂線に平行な方向に向かって開口せしめられている一方、排出管路32の排出口36が、凹部20の側壁部内面における前記垂線(図3において、mにて示される直線)と交差する部位において、凹部20の中心点(図3において、Oにて示される点)に向かって開口せしめられていることから、コンタクトレンズ22が凹部20と蓋体14との間に形成される収容空間42内に収容された状態下において、導入管路30にて導かれた水性処理液が、注入口34を通じて、コンタクトレンズ22の外周部に向かって流入(注入)せしめられ、且つ該コンタクトレンズ22の外周部における周縁の接線(図3において、nにて示される直線)と平行な方向(図3において、矢印アにて示される方向)に向かって流動せしめられ、排出口36から、かかる注入方向とは反対の方向(図3において、矢印イにて示される方向)に向かって排出されるようになっている。
【0029】
従って、このような本実施形態の処理容器10においては、収容空間42内へのコンタクトレンズ22の収容下で、該収容空間42内に注入された水性処理液が、コンタクトレンズ22の周りを回るようにして流動せしめられ、そして、この水性処理液の流動によって、コンタクトレンズ22に対して、その周方向への回転力が与えられ、以て、コンタクトレンズ22が、周方向(図3において、矢印ウにて示される方向)に回転せしめられるようになっているのである。
【0030】
ところで、このような構造とされた含水性コンタクトレンズの処理容器を用いて、含水性コンタクトレンズの水和処理と洗浄処理とを行う際には、以下の如くして、その操作が進められることとなる。
【0031】
すなわち、先ず、図2に示されるように、処理されるべき含水性コンタクトレンズ22をケース12の凹部20内に配置した後、蓋体14をケース12に取り付けて、凹部20を蓋体14にて覆蓋し、それら凹部20と蓋体14との間に収容空間42を形成すると共に、該収容空間42内にコンタクトレンズ22を収容せしめる。
【0032】
その後、ケース12の天板部16と蓋体14のそれぞれの上面に対して、1枚のアルミ箔を接着し、蓋体14をケース12に密着させて、前記収容空間42の液密性を確保する。その際、アルミ箔は、蓋体14の表面外周部に周設された環状段差部40の上面に接着されるようになっており、それによって、アルミ箔を剥離した際に、アルミ箔と共に、蓋体14がケース12から取り外されるようになっている。
【0033】
次いで、ケース12に設けられた導入管路30と排出管路32のそれぞれの外側開口部が上方に向かって開口するように、処理容器10を立てた状態で、該導入管路30の外側開口部から、コンタクトレンズ22の水和処理と洗浄処理とを行う水性処理液を供給し、該導入管路30の内側開口部たる注入口34を通じて、収容空間42内に水性処理液を注入する。そして、収容空間42内が水性処理液にて満たされたら、導入管路30と排出管路32のそれぞれの外側開口部に、L字状に屈曲せしめられたパイプを挿通する。
【0034】
なお、このL字パイプは、処理容器10を横に倒した際に、収容空間42内の水性処理液が、導入管路30と排出管路32のそれぞれの外側開口部から漏れ出さないように、それらの外側開口部に挿通されるものである。従って、そのような収容空間42内の水性処理液の漏出が防止されるものであれば、導入管路30と排出管路32に挿通されるパイプの形状は、何等これに限定されるものではない。また、収容空間42内に水性処理液を注入する前に、かかるL字パイプ等のパイプを、導入管路30と排出管路32のそれぞれの外側開口部に挿通し、このパイプを通じて、水性処理液を収容空間42内に注入するようにしても、勿論良い。更に、そのようにして収容空間42内に注入される水性処理液としては、例えば、脱イオン化された水等、含水性コンタクトレンズの水和処理や洗浄処理等に従来から用いられるものが、適宜に選択されて、使用される。
【0035】
その後、収容空間42内に空気(気泡)が残留しないように注意しながら、処理容器10を横に倒し、そのままの状態で、数分間、静置する。これによって、収容空間42内のコンタクトレンズ22を、水性処理液中に、数分間浸漬し、膨潤させて、該コンタクトレンズ22の水和処理を行う。
【0036】
引き続き、処理容器10を横に倒したままの状態で、導入管路30の外側開口部から水性処理液を更に連続的に供給し、該導入管路30の内側開口部たる注入口34を通じて、収容空間42内に水性処理液を過剰に注入する一方、収容空間42から溢れ出る分の水性処理液を、排出口36と排出管路32とを通じて、随時、外部に排出させる。そして、このような水性処理液の注入口34を通じての収容空間42内への流入により生ずる該水性処理液の流動によって、前述せる如く、収容空間42内のコンタクトレンズ22を、その周方向に回転せしめる。
【0037】
かくして、収容空間42内を流動する水性処理液とコンタクトレンズ22との接触によって、未反応モノマー等の不純物をコンタクトレンズ22中から抽出し、また、この抽出された不純物を、かかる水性処理液の流動によって、周方向に回転するコンタクトレンズ22から除去し、以て、コンタクトレンズ22の洗浄処理を行うのである。なお、このコンタクトレンズ22の洗浄処理では、好ましくは、収容空間42内での水性処理液の流速が数cc/min〜数十cc/min程度とされると共に、該水性処理液の温度が室温〜80℃程度とされ、更に、その処理時間が数分〜数十分程度とされる。これによって、不純物がコンタクトレンズ22中から十分に抽出され、また適度な速さで回転するコンタクトレンズ22から、かかる不純物が効率的に除去され得ることとなる。
【0038】
その後、必要に応じて、導入管路30と排出管路32のそれぞれの外側開口部が形成された前記脚部18aの外面にアルミニウム箔を接着して、それら二つの外側開口部を密封し、収容空間42内に満たされた水性処理液を、コンタクトレンズ22と共に、該収容空間42内に封入した後、それらコンタクトレンズ22と水性処理液とが封入された処理容器10を、オートクレーブ内に投入して、滅菌処理を行う。このような導入管路30と排出管路32のそれぞれの外側開口部の密封と、処理容器10の滅菌処理とを行うことによって、コンタクトレンズ22が、処理容器10内で、乾燥することなく、衛生的な状態で、良好に保存され得ることとなる。
【0039】
このように、本実施形態においては、1個の処理容器10の収容空間42内で、含水性コンタクトレンズ22の水和処理と洗浄処理とが一挙に行われ得るのであり、特に、その洗浄処理において、水性処理液の流動により、コンタクトレンズ22が回転させられつつ、不純物が除去されるようになっているところから、単に、コンタクトレンズ22の固定状態下で、該コンタクトレンズ22の表面上に水性処理液を流して不純物を除去するようにした従来手法に比べて、水性処理液の流動に伴って、コンタクトレンズ22の表面に及ぼされる摩擦力が有利に増大され、それによって、コンタクトレンズ表面上の不純物が、より有効に除去され得る。
【0040】
従って、かかる本実施形態によれば、含水性コンタクトレンズ22の水和処理と洗浄処理とが、従来手法に比して、より一層十分に且つ確実に行うことが出来るのである。
【0041】
また、本実施形態にあっては、コンタクトレンズ22が、蓋体14とケース12との間で形成された収容空間42内に、該コンタクトレンズ22の蓋体14とケース12とに対する接触面積をそれぞれ小さく為す十字形突条38の先端面と凹部20の底面との間に位置せしめられて、収容されていることから、コンタクトレンズ22が、十字形突条38の先端面や凹部20の底面に接触せしめられた際に、それらの面に対しての表面張力により張り付いてしまうことが極めて有利に防止され、それによって、収容空間42内での水性処理液の流動によるコンタクトレンズの周方向への回転が、よりスムーズに行われ得ることとなる。
【0042】
さらに、本実施形態においては、収容空間42内に収容されたコンタクトレンズ22との蓋体14の接触面たる十字形突条38の先端面が、該コンタクトレンズ22の内面の径方向に沿って十字に交差して延びるような構成とされているところから、例えば、かかる蓋体14の接触面が、コンタクトレンズ22に対して点接触により接触せしめられる突起の先端面にて構成される場合とは異なり、該コンタクトレンズ22に対して、加荷重の下で接触せしめられた際にも、該荷重がコンタクトレンズ22との接触面において分散され、極めて脆いコンタクトレンズ22が破損することが可及的に防止され得るのであり、また、該接触面が、コンタクトレンズ22の周方向に延びる突条の先端面等にて構成される場合に比して、コンタクトレンズ22の周方向への回転時に生ずる摩擦抵抗が有利に小さくされ得、以て、該コンタクトレンズ22の周方向へのスムーズな回転が、有効に確保され得る。
【0043】
更にまた、本実施形態にあっては、収容空間42内において、コンタクトレンズ22が位置せしめられる十字形突条38の先端面と凹部20の底面との間隔が、コンタクトレンズ22の反転を阻止する大きさとされていることから、収容空間42内での水性処理液の流動によって、コンタクトレンズ22が反転せしめられることがなく、それにより、水性処理液の流動に伴って、コンタクトレンズ22が、周方向に、よりスムーズに回転せしめられ得る。
【0044】
また、本実施形態においては、導入管路30と排出管路32のそれぞれの外側開口部を密封し、必要に応じて滅菌処理すれば、コンタクトレンズ22が、処理容器10内で、乾燥することなく、衛生的な状態で、良好に保存され得るようになっているところから、コンタクトレンズを良好な状態で搬送し得る流通容器としても利用することが出来、優れた使用性が得られるといった利点がある。
【0045】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
【0046】
例えば、前記実施形態では、ケース12と蓋体14とが、合成樹脂材料にて構成されていたが、それらケース12と蓋体14を与える材料は、何等これに限定されるものではなく、金属材料やその他の材料の中から、含水性コンタクトレンズに対して悪影響を与えないものが適宜に選択される。なお、ケース12と蓋体14とを合成樹脂材料にて構成する場合にあっては、水和処理と洗浄処理の後に、必要に応じて行われるオートクレーブ内での滅菌処理が良好に行われ得るように、耐熱性を有する樹脂材料を用いることが望ましい。
【0047】
また、前記実施形態では、処理容器10が、コンタクトレンズ22を収容する収容空間42を一つだけ有して構成されていたが、かかる収容空間42を複数個有するように構成しても良い。その場合にあっては、例えば、ケース12として、複数の凹部20が設けられてなるものが用いられると共に、蓋体14として、それら複数の凹部20の一つ一つを覆蓋する複数の蓋体や、複数の凹部20を覆蓋する複数の覆蓋部を有する1個の蓋体が、用いられることとなる。
【0048】
さらに、蓋体14との間で収容空間42を形成する凹部20の形状や大きさも、前記実施形態に示されるものに、決して限定されるものではなく、コンタクトレンズ22が、容易に出し入れし得る大きさの開口部と、水性処理液と共に、コンタクトレンズ22を該水性処理液に浸漬せしめた状態で、周方向に回転可能に収容し得る深さとを有するものであれば、如何なる形状であっても、また、どのような大きさであっても良いのである。
【0049】
更にまた、蓋体14の形状や大きさも前記実施形態に示されるものに、決して限定されるものではなく、凹部20の形状や大きさ等によって、適宜に変更されるものであることは言うまでもないところである。
【0050】
また、前記実施形態では、蓋体14の裏面に、突部としての十字形突条38が形成されていたが、この突部の形状や配設構造は、何等これに限定されるものではなく、収容空間42内に収容されたコンタクトレンズ22が、ケース12における凹部20の底面の一部と、蓋体14における該底面との対向面の一部とに対して接触せしめられるようになっているもの、換言すれば、かかるコンタクトレンズ22の蓋体14やケース12との接触面積を減じ得るものであれば、如何なる形状も配設構造も採用され得る。なお、この突部は、本発明において必須のものではないが、配設するのであれば、前記実施形態とは異なって、蓋体14の裏面に代わって、凹部20の底面のみに設けても良く、また、それら蓋体14の裏面凹部20の底面の両方に設けることも可能である。
【0051】
さらに、前記実施形態では、収容空間42内に水性処理液を注入する注入口34と、該水性処理液を収容空間42から排出する排出口36とが、共に、ケース12に設けられていたが、それら注入口34と排出口36の何れか一方をケース12に設け、その何れか他方を蓋体14に設けるようにしても良く、また、注入口34と排出口36の両方を蓋体14のみに形成したり、或いは注入口34と排出口36の両方をケース12と蓋体14のそれぞれに設けたりすることも可能であり、更には、ケース12と蓋体14の何方か一方に、注入口34と排出口36の両方を設け、その何方か他方に、注入口34と排出口36の何れか一方のみを形成するようにしても何等差し支えない。
【0052】
更にまた、注入口34と排出口36とを、ケース12と蓋体14の何れに形成するにしても、その配設構造及び配設個数は、前記実施形態に示されるものに、決して限定されるものでないことは、勿論である。
【0053】
また、前記実施形態では、注入口34が、凹部20の側壁部内面において、凹部20の中心点(図3において、Oにて示される点)を通る脚部18aの内面24に対する垂線(図3において、mにて示される直線)が交差する部位とは異なる部位で、該垂線に平行な方向に向かって開口せしめられ、それによって、水性処理液が、注入口34を通じて、コンタクトレンズ22の外周部に向かって流入せしめられ、且つ該コンタクトレンズ22の外周部における周縁の接線(図3において、nにて示される直線)と平行な方向(図3において、矢印アにて示される方向)に向かって流動せしめられるようになっていたが、この注入口34による水性処理液の注入方向は、何等これに限定されるものではなく、水性処理液を、コンタクトレンズ22の収容下での収容空間42内に、コンタクトレンズの中心部とは異なる方向に向かって流入させ、且つ収容空間42内で、コンタクトレンズ22の中心部に向かう方向とは別の方向に向かって流動させ、この水性処理液の収容空間42内での流動により、収容空間42内に収容されたコンタクトレンズ22に対して、その周方向への回転力を与え得るようになっておれば良いのである。
【0054】
さらに、排出口36による水性処理液の排出方向も、前記実施形態に示されるものに、特に限定されるものではなく、注入口34と同様に、収容空間42内に収容されたコンタクトレンズ22に対して、その周方向への回転力を与え得るような、水性処理液の流動を生じさせるものであれば良いのである。
【0055】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、本発明が、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、上記の具体例の他にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
【0056】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明に従う含水性コンタクトレンズの処理容器にあっては、含水性コンタクトレンズの水和処理を有効に行い得ると共に、その洗浄処理を、従来の処理容器に比して、より十分に且つ確実に行うことが出来るのである。
【0057】
また、本発明に従う含水性コンタクトレンズの処理方法によれば、含水性コンタクトレンズの水和処理と洗浄処理とを、従来手法に比して、更に一層十分に且つ確実に行うことが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う含水性コンタクトレンズの処理容器の一例を示す斜視説明図である。
【図2】図1におけるII−II断面説明図である。
【図3】図1に示された処理容器を構成するケースの上面説明図である。
【図4】図1に示された処理容器を構成するケースの下面説明図である。
【図5】図1に示された処理容器を構成する蓋体の上面説明図である。
【図6】図5におけるVI矢視説明図である。
【符号の説明】
10 処理容器 12 ケース
14 蓋体 20 凹部
22 含水性コンタクトレンズ 30 導入管路
32 排出管路 34 注入口
36 排出口 38 十字形突条
42 収容空間
Claims (8)
- 含水性コンタクトレンズが収容可能な凹部を有するケースと、該ケースに対して取り外し可能に取り付けられて、該ケースの前記凹部を覆蓋することにより、該ケースとの間に、前記コンタクトレンズが収容される、密閉された収容空間を形成する蓋体と、それらケースと蓋体の少なくとも何れか一方に設けられて、前記収容空間内に、前記コンタクトレンズの洗浄処理乃至は水和処理を行う水性処理液を注入する注入口と、前記ケースと前記蓋体の少なくとも何れか一方に設けられて、前記収容空間内に注入された前記水性処理液を該収容空間内から排出する排出口とを有して構成され、該収容空間内に前記コンタクトレンズを収容せしめた状態下で、前記注入口を通じて前記水性処理液を注入する一方、前記排出口から排出して、該収容空間内で流動させながら、該コンタクトレンズに対して、該水性処理液を接触させることにより、該コンタクトレンズの洗浄処理乃至は水和処理を行う処理容器にして、
前記収容空間が、前記コンタクトレンズの周方向への回転を許容する大きさをもって形成される一方、前記注入口が、前記水性処理液を、前記コンタクトレンズの収容下での該収容空間内に、該コンタクトレンズの中心部とは異なる方向に向かって流入し、且つ該収容空間内で、該コンタクトレンズの中心部に向かう方向とは別の方向に向かって流動させるように形成され、かかる注入口を通じて注入された該水性処理液の該収容空間内での流動により、該収容空間内に収容された該コンタクトレンズに対して、その周方向への回転力が与えられて、該コンタクトレンズが周方向に回転させられるように構成されていることを特徴とする含水性コンタクトレンズの処理容器。 - 前記注入口が、前記水性処理液を、前記コンタクトレンズの収容下での該収容空間内に、該コンタクトレンズの外周部に向かって流入せしめ、且つ該収容空間内で、該コンタクトレンズの外周部における周縁の接線と平行な方向に向かって流動させるように形成されている請求項1に記載の含水性コンタクトレンズの処理容器。
- 前記排出口が、前記水性処理液を、前記注入口による該水性処理液の前記収容空間内への流入方向とは反対の方向に向かって、該収容空間内から排出するように形成されている請求項1又は請求項2に記載の含水性コンタクトレンズの処理容器。
- 前記収容空間が、前記コンタクトレンズの反転を阻止する大きさをもって形成されている請求項1乃至請求項3の何れかに記載の含水性コンタクトレンズの処理容器。
- 前記ケースにおける前記凹部の底面と、前記蓋体における該ケースへの取付下での該凹部の底面との対向面の少なくとも何れか一方に突部を設けて、前記収容空間内に収容された前記コンタクトレンズが、該突部に接触せしめられるように構成することにより、該コンタクトレンズが、該ケースにおける前記凹部の底面の一部と、該蓋体における前記対向面の一部とに対して接触せしめられるようになっている請求項1乃至請求項4の何れかに記載の含水性コンタクトレンズの処理容器。
- 前記突部が、前記収容空間内に収容された前記コンタクトレンズの径方向に延びる突条にて構成されている請求項5に記載の含水性コンタクトレンズの処理容器。
- 前記注入口と前記排出口とが密封可能とされ、前記水性処理液が、前記コンタクトレンズと共に前記収容空間内に収容された状態下で、封入され得るように構成されている請求項1乃至請求項6の何れかに記載の含水性コンタクトレンズの処理容器。
- 含水性コンタクトレンズを洗浄処理すると共に、水和処理する方法であって、
前記コンタクトレンズが収容可能な密閉された収容空間と、該収容空間内に、該コンタクトレンズの洗浄処理乃至は水和処理を行う水性処理液を注入する注入口と、該収容空間内に注入された該水性処理液を該収容空間内から排出する排出口とを有する処理容器を用い、該処理容器の前記収容空間内に前記コンタクトレンズを収容すると共に、前記注入口を通じて前記水性処理液を注入して、該コンタクトレンズを該水性処理液中に浸漬することにより、該収容空間内で、該コンタクトレンズの水和処理を行う一方、該コンタクトレンズに対して、それを周方向に回転させる回転力を与える方向に向かって、前記水性処理液を流動せしめつつ、前記排出口を通じて排出することにより、該コンタクトレンズを、その周方向に回転させながら洗浄処理することを特徴とする含水性コンタクトレンズの処理方法。
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