JP4312858B2 - 上向流嫌気性処理装置及び処理方法 - Google Patents

上向流嫌気性処理装置及び処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4312858B2
JP4312858B2 JP28901198A JP28901198A JP4312858B2 JP 4312858 B2 JP4312858 B2 JP 4312858B2 JP 28901198 A JP28901198 A JP 28901198A JP 28901198 A JP28901198 A JP 28901198A JP 4312858 B2 JP4312858 B2 JP 4312858B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
phase separation
separation member
upward flow
sludge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP28901198A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000117284A (ja
Inventor
花岡平
東條正樹
中畑繁夫
京信一郎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd filed Critical Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd
Priority to JP28901198A priority Critical patent/JP4312858B2/ja
Publication of JP2000117284A publication Critical patent/JP2000117284A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4312858B2 publication Critical patent/JP4312858B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F3/00Biological treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F3/28Anaerobic digestion processes
    • C02F3/2846Anaerobic digestion processes using upflow anaerobic sludge blanket [UASB] reactors

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biodiversity & Conservation Biology (AREA)
  • Hydrology & Water Resources (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Water Supply & Treatment (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機性排水を、嫌気性処理槽内に形成された微生物の自己造粒汚泥床(以下単に汚泥床という。)を上向流通させて、排水中の有機物を微生物の生物学的作用で分解処理する上向流嫌気性処理装置(以下UASB装置という。)及びその処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品加工排水、醗酵工場排水、化学工場排水及び紙パルプ工場排水などの有機性産業排水や下水を処理する装置として、下部に被処理水供給手段、上部に処理水及びガス排出手段を設け、内部の下方にメタン菌を主体として微生物が粒子化した汚泥(以下汚泥粒子という。)でブランケット状態の汚泥床を形成し、汚泥床の下部に被処理水供給手段から有機性排水を上向流通させることにより、排水中の有機物を嫌気性で生物学的に分解し、発生したメタンガスなどの生成ガスと処理水を上部で分離して処理水は処理水排出手段から排出し、また、生成ガスはガス排出手段から排出するUASB装置が用いられている。
【0003】
前記UASB装置は、排水中の有機物を生物学的に分解する嫌気性微生物が、微生物自体又は微細粒子を核として粒子化するため、微生物が高密度で保持でき、高濃度の有機性排水を効率的に処理することができることにより、装置の設置面積の縮小化が図れ、また、生成するメタンガスを燃料や化学製品製造用原料などとして利用できる利点があり、多数設置されている。
【0004】
しかし、従来の一般的なUASB装置では、生成したメタンガスによって処理槽内の液に乱流が生じるため、被処理水の上向流速を速めると汚泥粒子が処理水に伴われて処理水排出手段から流出する恐れがある。また、被処理水の上向流速を速めると、局部的に汚泥負荷が過負荷状態になり、汚泥粒子表面に酸生成菌が密集増殖し、汚泥粒子の構造がガスの透過しにくい構造となり、汚泥粒子の比重が軽くなって流出しやすくなる。従って従来は、被処理水の上向流速を遅くして汚泥粒子を膨張流動させず、ブランケット状態に維持して処理をしている。
【0005】
前記の通り従来のUASB装置は、上向流速が遅く膨張流動展開していないため、被処理水と汚泥粒子との接触効率が低く、また、被処理水に含まれる無機性固形物が汚泥粒子に捕捉されやすく、汚泥の生物活性を高く維持することができない。また、上向流速を速くすると汚泥粒子が流出する恐れがあるためなどから、高速、高負荷条件で処理効率を上げることが困難であった。
【0006】
前記問題点に鑑みて、処理槽の高さを2〜3倍に高くし、また、生成ガスや汚泥粒子の分離を効率よく行うことで汚泥粒子の流出を抑え、被処理水の供給量を多くすることができるため、有機物負荷を従来の2〜3倍も高くできる改良された装置(以下高速UASB装置という。)として、高さ方向に複数のガス回収フ−ドを設けたガス分離部を上下2段に設け、回収ガスを液の内部循環流発生用に使用した高速UASB装置が特開昭61−71896号公報に記載されており、また、特開昭61−204093号公報には、高さ方向の千鳥状位置に3段のガス回収フ−ドによるガス分離部を設けた高速UASB装置が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開昭61−71896号公報及び特開昭61−204093号公報に、それぞれ記載された高速UASB装置の構成では、処理槽内に多数のパイプやガス回収用フ−ドが配置されるため、装置が必要以上に複雑となり、また設備費も嵩む問題がある。
【0008】
従って、本発明は、従来の高速UASB装置の複雑な構成をより簡略化すると共に、生成ガスの分離及び汚泥粒子の沈降分離をより効率よく行うことができ、有機性排水の高効率処理が可能となる高速UASB装置及び処理方法を提供する目的で成されたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の要旨は、下部に被処理水供給手段(8)、上部に処理水排出手段(9)及びガス排出手段(10)を具備し、内部の下方に自己造粒汚泥による汚泥床(A)を形成した嫌気性処理槽(1)で有機性排水を上向流通させて処理する上向流嫌気性処理装置において、前記処理槽(1)内の有効水深(H)の少なくとも1/2よりも高い位置(Ha)に、下段および上段の二段の三相分離部材を設け、前記下段三相分離部材(2)および上段三相分離部材(3)は、各々、上部にガス排出管(16a、16b、16c、16d)を具備した複数のガス回収フ−ド(6)が水平方向に所定間隔で配置された上下2列のガスコレクタからなり、上列ガスコレクタ(4b、5b)のガス回収フ−ド(6)は下列ガスコレクタ(4a、5a)の上向流通流路である開口部(a1、a2)上方に一定の間隙を持って位置し、前記下段三相分離部材(2)および上段三相分離部材(3)の上下間を前記処理槽(1)内の有効水深(H)の5〜30%の高さである整流ゾ−ン(B)とし、整流ゾ−ンから液を抜き出して被処理水供給手段に循環する循環流路(14a)を設けたことを特徴とする上向流嫌気性処理装置である。
【0011】
また、請求項に記載の発明においては、前記下段三相分離部材(2)及び上段三相分離部材(3)の夫々において、前記下列ガスコレクタ(4a、5a)における複数のガス回収フ−ド(6)間に形成された上向流通流路(a1、a2)の開口部の開口総断面積が、前記処理槽(1)の水平方向断面積の30%〜70%であることを特徴とする請求項1記載の上向流嫌気性処理装置である。
【0012】
また、請求項に記載の発明においては、前記下段三相分離部材(2)及び上段三相分離部材(3)の夫々において、前記下列ガスコレクタ(4a、5a)における複数のガス回収フ−ド(6)と上列ガスコレクタ(4b、5b)における複数のガス回収フ−ド(6)とで形成された上向流通流路(b1、b2)である開口部の開口総断面積が、前記処理槽(1)の水平方向断面積の30%〜70%であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の上向流嫌気性処理装置である。
【0013】
また、請求項に記載の発明においては、前記請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の上向流嫌気性処理装置において、ガスコレクタにおける複数のガス回収フ−ドの上部に具備されたガス排出管が、前記処理槽の外部に付設されたシ−ルポットに接続し、水封されていることを特徴とする上向流嫌気性処理装置である。
【0017】
前記の構成とすることにより、処理槽内に被処理水を下部の被処理水供給手段から供給し、内部の下方に形成された汚泥粒子の汚泥床を上向流通させて有機物を嫌気性で生物学的に処理し、下段三相分離部材部、整流ゾ−ン及び上段三相分離部材部で、ガス、液及び汚泥を効率的に分離できるため、有機性排水の高効率処理が可能である。
【0018】
また、ガス排出及び回収系統を処理槽の外部に付設されたシ−ルポットに接続して水封されているため、処理槽内の構造が簡略化し、設備費も低廉となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形態の上向流嫌気性処理装置の構成図、図2は本発明の他の実施の形態の上向流嫌気性処理装置の構成図、図3は一実施の形態の三層分離部材部の平面図、図4は他の実施の形態の三層分離部材部の平面図、図5は本発明の一実施の形態の上向流嫌気性処理装置の説明図である。なお、全図において相当する作用を有する部材については、同一の符番を付した。
【0020】
1は密閉構造で円筒形状の嫌気性処理槽(以下単に処理槽という。)であるが、矩形体形状の処理槽であってもよい。処理槽の下部には、被処理水供給流路11が接続した被処理水供給手段8が設けられ、上部には、前段に処理水がオ−バ−フロ−で排出される処理水オ−バ−フロ−部材15、処理水ピット17を具備し、処理水排出流路12が接続した処理水排出手段9が設けられ、また、バッファタンク18及びシ−ルポット7を介して生成ガス排出流路13が接続し、図示しないガス吸引装置を具備したガス排出手段10が設けられている。
【0021】
前記処理槽1内の中間位置に、ガス、液及び汚泥の三相に分離する二段の三相分離部材2及び3が夫々水平方向に横設され、三相分離部材2及び3の中間位置には、液を被処理水供給手段8に循環する循環流路14aが接続されており、下段三相分離部材2の下方に、汚泥粒子が流動化した汚泥床Aが形成され、下段三相分離部材2と上段三相分離部材3との間は、上向流に同伴された汚泥粒子の沈降を促進する整流ゾ−ンBが形成されている。また、処理槽1の前記汚泥床A部には、余剰汚泥粒子を抜き出す汚泥排出手段19が設けられている。
【0022】
なお、被処理水供給手段8は、被処理水を処理槽1の水平断面全体を均一に上向流通させるのが好ましいため、処理槽1の底面に多数の供給口を設けた格子状部材を底面の略全面にわたって配置するの好ましく、また、被処理水を処理槽1内の接線方向に供給する部材であってもよいが、これらには限定されない。
【0023】
また、処理水オ−バ−フロ−部材15は、処理水が流入する側面が、ノッチ、スリット状、格子状、又は金網などで形成された部材であるが、処理水に同伴されて浮上してきた微生物粒子が流出しない構造が好ましい。更に、被処理水供給手段8に循環する循環水として処理水排出手段9から排出される処理水を用いる場合には、循環流路14aは、循環流路14bとなる。
【0024】
2及び3の三相分離部材は、処理槽1内の有効水深の少なくとも1/2よりも高い位置(即ち、図5において、Haが処理槽1内の有効水深Hの少なくとも1/2よりも高いことを意味する。)に設けられており、2は上部にガス排出管16a又は16bを具備した複数のガス回収フ−ド6が水平方向に所定間隔で配置されたガスコレクタが、下列ガスコレクタ4a及び下列ガスコレクタ4aの上向流通流路である開口部上方に一定の間隙を持ってガス回収フ−ド6が位置する上列ガスコレクタ4bとの2列に構成されたガス、液及び汚泥を分離する下段三相分離部材である。
【0025】
また、3は下段三相分離部材2よりも高い位置に設けられ、下段三相分離部材2との間に整流ゾ−ンBを形成した上段三相分離部材で、下段三相分離部材2と略同一の構成から成り、上部にガス排出管16c又は16dを具備した複数のガス回収フ−ド6が水平方向に所定間隔で配置されたガスコレクタが、下列ガスコレクタ5a及び下列ガスコレクタ6aの上向流通流路である開口部上方に一定の間隙を持ってガス回収フ−ド6が位置する上列ガスコレクタ5bとの2列に構成されている。
【0026】
なお、ガス排出管16の処理槽1外に延設された先端部は、処理槽1の外部に付設されたシ−ルポット7に接続して水封されている。なお、シ−ルポット7は、図1に記載されたように、下段三相分離部材2の下列ガスコレクタ4a、上列ガスコレクタ4b及び上段三相分離部材の下列ガスコレクタ5a、上列ガスコレクタ5bに具備されたガス排出管16a,16b,16c,16dの全てが接続する単一のシ−ルポット7でもよく、また、図2に記載されたように、夫々のガス排出管16a,16b,16c,16d毎に接続する複数のシ−ルポット7でもよい。
【0027】
前記下段三相分離部材2及び上段三相分離部材3は、下列ガスコレクタ4a、5aのガス回収フ−ド6と、上列ガスコレクタ4b、5bのガス回収フ−ド6とが夫々の上向流通流路である開口部に上下で位置しているいるため、上下方向投影面積が、前記処理槽の水平方向断面積と同じとなる。なお、上列ガスコレクタ4b、5bのガス回収フ−ド6の水平方向大きさは、下列ガスコレクタ4a、5aのガス回収フ−ド6で形成された上向流通流路である開口部の大きさと同一でも、また、それ以上であってもよい。
【0028】
更に、前記下段三相分離部材2及び上段三相分離部材3は、下面が開放された水平方向に長尺の三角柱形状や半円柱形状のガス回収フ−ド6が、図3に記載されたように、同心円状に配置された構成てもよく、また、図4に記載されたように、直線状に配置された構成でもよい。しかし、本発明はそれらの構成には限定されない。
【0029】
前記下列及び上列のガスコレクタにおける複数のガス回収フ−ド6で形成された上向流通流路である開口部の開口総断面積は、夫々前記処理槽1の水平方向断面積の30%〜70%であるのが好ましい。即ち、図5において、a1又はa2の幅の上向流通流路である開口部断面積を積算した総断面積が、処理槽1の直径がdの水平方向断面積の30%〜70%である。
【0030】
前記ガスコレクタにおける下列及び上列ガスコレクタ4a、4b又は5a、5bで形成された上向流通流路である開口部の開口総断面積が、夫々前記処理槽1の水平方向断面積の30%〜70%であるのが好ましい。即ち、図5において、b1又はb2の幅の上向流通流路である開口部断面積を積算した総断面積が、処理槽1の直径がdの水平方向断面積の30%〜70%である。
【0031】
前記下段三相分離部材2と上段三相分離部材3間の整流ゾ−ンBが、前記処理槽1内の有効水深の5〜30%、好ましくは10〜20%の高さである。即ち、図5において、Hbが処理槽1内の有効水深Hの10〜30%の高さであることを意味する。
【0032】
以下に本発明の作用を図に基づいて説明する。食品加工排水などの有機性排水の被処理水を、被処理水供給流路11から被処理水供給手段8を介して処理槽1内の下部に供給し、処理槽1内を均一な上向流として流通させることにより、初期に充填された下水汚泥などを種菌として自己造粒したメタン菌などの微生物による汚泥粒子の汚泥床Aが形成されるが、初期に他の装置からの汚泥粒子を充填してもよい。
【0033】
前記被処理水の上向流速は、従来のUASB装置にあっては、汚泥床Aの膨張展開に伴う汚泥粒子の流出を防止するため、1〜2m/hr程度であり、被処理水に含まれる無機性固形物が汚泥粒子に捕捉されやすく、汚泥の生物活性を高く維持することができないと共に、被処理水供給量も少ないため、高速、高負荷条件で処理効率を上げることが困難であったが、本発明の高速UASB装置では、三相分離が効率よく行われるため、4〜30m/hrと極めて速い流速とすることができ、汚泥床Aの膨張展開を積極的に図り、被処理水と汚泥粒子との接触効率を高めることができる。また、被処理水供給量も多くでき、高速、高負荷条件で処理効率を上げることができる。
【0034】
処理槽1内に供給された被処理水は、汚泥床Aを上向流通する間に被処理水中の有機物が微生物の生物学的作用で分解処理され、メタンガスなどのガスが生成する。なお、汚泥床Aは、従来の汚泥床に比較して20%以上膨張展開し、被処理水中に主として含有される沈降速度が4m/hr以下の無機性固形物及び有機性固形物は、沈降されないため、汚泥粒子に付着されることなく、処理水に伴われて系外に排出される。また、微生物の増殖により一定量以上になった汚泥粒子は、汚泥排出手段19から系外に抜き出される。
【0035】
汚泥床Aの微生物で有機物が分解された被処理水は、更に上昇して下段三層分離部材2部に至り、下段三相分離部材2の上向流通流路である開口部a1、b1での液上昇速度を30〜90m/hrとして上向流通する間に、ガス、液及び汚泥が分離され、ガスは下列及び上列ガスコレクタ4a、4bのガス回収フ−ドで集められてガス排出管16からシ−ルポット7を介して回収され、汚泥は汚泥床に沈降される。
【0036】
前記下段三相分離部材2部での液上昇速度は、整流ゾ−ンの循環流路14aから液を抜き出して被処理水供給手段8に循環する場合であり、処理水の一部を循環流路14bから被処理水供給手段8に循環する場合は、三相分離を効率よく行うために、下段三相分離部材2部での液上昇速度を30m/hr以下として上向流通させる必要がある。なお、下段三相分離部材2部でのガス回収率は、生成ガスの約60〜95%程度である。
【0037】
前記下段三相分離部材2部で三相分離された被処理水は、整流ゾ−ンを上昇する間に、更に汚泥が沈降分離され、分離汚泥は下段三相分離部材2の上向流通流路である開口部から汚泥床Aに沈降され、被処理水の一部は循環水排出流路14から抜き出して被処理水供給手段に循環される。
【0038】
被処理水は上段三相分離部材3部に至り、上段三相分離部材3の上向流通流路である開口部a2、b2での液上昇速度を30m/hr以下として上向流通する間に、ガス、液及び汚泥が分離され、ガスは下列及び上列ガスコレクタ5a、5bのガス回収フ−ドで集めてガス排出管16からシ−ルポット7を介して回収され、汚泥は下段三相分離部材2部を経て汚泥床に沈降される。
【0039】
前記により清浄化処理された被処理水は、処理水排出手段9の処理水オ−バ−フロ−部材15及び処理水ピット17を介して、処理水排出流路12から系外に排出され、、また、ガスは、ガス排出手段10のバッファタンク18及び図示しないガス吸引装置を介して生成ガス排出流路13からガスタンクなどに回収される。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、生成ガス、汚泥粒子の分離を効率よく行うことができ、また、微生物粒子の流出が抑えられ、被処理水の供給量を多くすることができる高速UASB装置の利点を更に高め、従来の高速UASB装置の複雑な構成をより簡単とすると共に、生成ガスの分離及び汚泥粒子の沈降分離をより効率よく行うことができ、被処理水の供給量を多くして高効率処理が可能なUASB装置及び処理方法である。
【0041】
請求項1においては、処理槽内の有効水深の少なくとも1/2よりも高い位置に、2列のガスコレクタから成る二段の三相分離部材を設けたことにより、三相分離が効率的に行われ、汚泥床部の高さも高いため、汚泥床の膨張展開が積極的に図られ、被処理水と汚泥粒子との接触効率を高めることができ、また、被処理水供給量も多くでき、高速、高負荷条件で処理効率を上げることができる。
【0042】
請求項2においては、三相分離部材の上下方向投影面積が、処理槽の水平方向断面積と同じであるため、確実に生成ガスを捕捉回収することができる。
【0043】
請求項3においては、ガスコレクタにおける複数のガス回収フ−ドで形成された上向流通流路である開口部の開口総断面積が、処理槽の水平方向断面積の30%〜70%であるため、被処理水の上向流の上昇速度が必要以上に速くならず、三相分離が効率よく行われる。
【0044】
請求項4においては、下列及び上列ガスコレクタで形成された上向流通流路である開口部の開口総断面積が、処理槽の水平方向断面積の30%〜70%であるため、被処理水の上向流の上昇速度が必要以上に速くならず、三相分離が効率よく行われる。
【0045】
請求項5においては、ガス排出管が、処理槽の外部に付設されたシ−ルポットに接続し、処理水で水封されているため、処理槽内の構造が簡略化し、設備費も低廉となる。
【0046】
請求項6においては、下段三相分離部材と上段三相分離部材間の整流ゾ−ンが、処理槽内の有効水深の5〜30%、好ましくは10〜20%の高さであり、十分に乱流状態が除去されて整流化されるため、汚泥の沈降が効率よく行われる。
【0047】
請求項7においては、整流ゾ−ンから液を抜き出して被処理水供給手段に循環する場合に、下段三相分離部材部での液上昇速度が60〜90m/hr、上段三相分離部材部での液上昇速度が30m/hr以下として上向流通させることにより、必要以上に乱流をおこすことがないため、三相分離効率がよい。
【0048】
請求項8においては、処理水の一部を被処理水供給手段に循環する場合に、下段及び上段の三相分離部材部での液上昇速度を、30m/hr以下として上向流通させることにより、必要以上に乱流をおこすことがないため、三相分離効率がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の上向流嫌気性処理装置の構成図
【図2】本発明の他の実施の形態の上向流嫌気性処理装置の構成図
【図3】一実施の形態の三層分離部材部の平面図
【図4】他の実施の形態の三層分離部材部の平面図
【図5】本発明の一実施の形態の上向流嫌気性処理装置の説明図
【符号の説明】
1:嫌気性処理槽
2:下段三相分離部材
3:上段三相分離部材
4a、5a:下列ガスコレクタ
4b、5b:上列ガスコレクタ
6:ガス回収フ−ド
7:シ−ルポット
8:被処理水供給手段
9:処理水排出手段
10:ガス排出手段

Claims (4)

  1. 下部に被処理水供給手段(8)、上部に処理水排出手段(9)及びガス排出手段(10)を具備し、内部の下方に自己造粒汚泥による汚泥床(A)を形成した嫌気性処理槽(1)で有機性排水を上向流通させて処理する上向流嫌気性処理装置において、前記処理槽(1)内の有効水深(H)の少なくとも1/2よりも高い位置(Ha)に、下段および上段の二段の三相分離部材を設け、前記下段三相分離部材(2)および上段三相分離部材(3)は、各々、上部にガス排出管(16a、16b、16c、16d)を具備した複数のガス回収フ−ド(6)が水平方向に所定間隔で配置された上下2列のガスコレクタからなり、上列ガスコレクタ(4b、5b)のガス回収フ−ド(6)は下列ガスコレクタ(4a、5a)の上向流通流路である開口部(a1、a2)上方に一定の間隙を持って位置し、前記下段三相分離部材(2)および上段三相分離部材(3)の上下間を前記処理槽(1)内の有効水深(H)の5〜30%の高さである整流ゾ−ン(B)とし、整流ゾ−ンから液を抜き出して被処理水供給手段に循環する循環流路(14a)を設けたことを特徴とする上向流嫌気性処理装置。
  2. 前記下段三相分離部材(2)及び上段三相分離部材(3)の夫々において、前記下列ガスコレクタ(4a、5a)における複数のガス回収フ−ド(6)間に形成された上向流通流路(a1、a2)の開口部の開口総断面積が、前記処理槽(1)の水平方向断面積の30%〜70%であることを特徴とする請求項1記載の上向流嫌気性処理装置。
  3. 前記下段三相分離部材(2)及び上段三相分離部材(3)の夫々において、前記下列ガスコレクタ(4a、5a)における複数のガス回収フ−ド(6)と上列ガスコレクタ(4b、5b)における複数のガス回収フ−ド(6)とで形成された上向流通流路(b1、b2)である開口部の開口総断面積が、前記処理槽(1)の水平方向断面積の30%〜70%であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の上向流嫌気性処理装置。
  4. 前記ガスコレクタにおける複数のガス回収フ−ドの上部に具備されたガス排出管が、前記処理槽の外部に付設されたシ−ルポットに接続し、水封されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の上向流嫌気性処理装置。
JP28901198A 1998-10-12 1998-10-12 上向流嫌気性処理装置及び処理方法 Expired - Fee Related JP4312858B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28901198A JP4312858B2 (ja) 1998-10-12 1998-10-12 上向流嫌気性処理装置及び処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28901198A JP4312858B2 (ja) 1998-10-12 1998-10-12 上向流嫌気性処理装置及び処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000117284A JP2000117284A (ja) 2000-04-25
JP4312858B2 true JP4312858B2 (ja) 2009-08-12

Family

ID=17737685

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28901198A Expired - Fee Related JP4312858B2 (ja) 1998-10-12 1998-10-12 上向流嫌気性処理装置及び処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4312858B2 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3955431B2 (ja) * 2000-09-08 2007-08-08 株式会社荏原製作所 嫌気性処理方法及び装置
EP1806324A1 (en) 2006-01-05 2007-07-11 Biothane Systems International B.V. Process and reactor for anaerobic waste water purification
JP4687600B2 (ja) * 2006-07-31 2011-05-25 株式会社Ihi メタン発酵装置
JP2008221181A (ja) * 2007-03-15 2008-09-25 Ebara Corp 嫌気性処理装置及び処理方法
JP4661882B2 (ja) * 2008-01-29 2011-03-30 株式会社Ihi 嫌気性廃水処理装置
JP5114780B2 (ja) * 2008-08-12 2013-01-09 水ing株式会社 嫌気性処理方法及び装置
CN101475261B (zh) * 2009-01-19 2011-01-26 浙江大学 一种用于污水厌氧生化反应器的三相分离器
KR101048673B1 (ko) * 2009-02-12 2011-07-12 주식회사 앤써브 외부 순환형 혐기성 소화 장치
CN102241433A (zh) * 2010-05-11 2011-11-16 泰州康泰环保科技有限公司 高效组合式三相分离装置
CN104326557B (zh) * 2014-10-22 2016-03-09 湖北威能环保工程有限公司 多点射流搅拌混合式厌氧消化池系统
CN105110563B (zh) * 2015-08-31 2017-09-22 南京大学 一种处理硫酸盐有机废水的两相双循环厌氧装置及处理方法
CN107473376B (zh) * 2017-09-12 2019-02-15 知和环保科技有限公司 一种厌氧反应系统
JP7307806B2 (ja) * 2019-09-27 2023-07-12 株式会社フジタ バイオガス生成装置
CN113772895A (zh) * 2021-10-09 2021-12-10 肇庆市鹏凯环保装备有限公司 一种上下叠加污水处理系统
CN115403142B (zh) * 2022-09-06 2023-06-27 三强环保集团有限公司 双相内循环厌氧反应器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000117284A (ja) 2000-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4312858B2 (ja) 上向流嫌気性処理装置及び処理方法
KR101397780B1 (ko) 혐기성 폐수 정화를 위한 방법 및 반응조
EP1071636B1 (de) Verfahren und vorrichtung zum anaeroben reinigen von abwasser nach dem uasb-verfahren
TWI422538B (zh) 厭氧淨化裝置
US20070289921A1 (en) Apparatus And Method For Treating Wastewater
JP2009522095A (ja) 嫌気的廃水浄化の為の方法及び反応器
US6030529A (en) Biological reactor including settler assembly
CN113454034A (zh) 厌氧废水净化塔
CN102471109B (zh) 具有多相分离装置的用于厌氧净化废水的反应器
LT5160B (lt) Suspensijos atskyrimo būdas, ypač skirtas nutekamųjų vandenų apdorojimui, ir įrenginys jo atlikimui
JP2001269694A (ja) 上向流嫌気性処理装置
JP3804074B2 (ja) 液流式生化学反応装置及び当該装置を用いた地下水又は排水の浄化システム
JP2002159990A (ja) 嫌気性処理槽
US20200277210A1 (en) Process and apparatus for in-situ cleaning of a gas separator in an anaerobic bioreactor
JP4162234B2 (ja) 嫌気性処理装置
JP4106128B2 (ja) 上向流嫌気性処理装置及び処理方法
JP2002263683A (ja) 上向流嫌気性処理装置
JP2001259681A (ja) 上向流嫌気性処理装置
JP2002219486A (ja) 上向流嫌気性処理装置
JP2002239589A (ja) 上向流嫌気性処理装置
KR100481821B1 (ko) 기체용해 및 물질분리에 의한 수처리 장치
WO1987005593A1 (en) System for biological purification of water
JP2006095421A (ja) 上向流嫌気性処理方法
JP2005205327A (ja) 嫌気性消化槽内の浮上夾雑物の除去方法及び装置
JPH1128490A (ja) 流動床式汚水処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051007

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071005

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090512

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090514

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120522

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120522

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130522

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140522

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees