JP4162234B2 - 嫌気性処理装置 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、各種工場、下水、し尿、畜産業施設等より排出される有機性の廃水又は有機性の廃棄物等を無害化処理するために用いられる嫌気性汚泥床処理装置に関し、更に詳しくは、ガス・液・固(気液固)分離部(Gas−Solid Separator;以下、GSS部とも言う)を多段に有する上向流嫌気性汚泥床処理装置に関する。
背景技術
有機性の廃水あるいは有機性の廃棄物等は、嫌気性処理によって分離処理されることがある。こうした分解処理方法として、例えば上向流嫌気性汚泥床法(Up flow Anaerobic Sludge Blanket;以後、UASB法とも言う)がある。これは近年普及してきた方法で、リアクター内に、メタン菌等の嫌気性菌を主体とした微生物が粒子化した汚泥(汚泥粒子)を充填し、有機性廃水を、リアクター内を上向流で流通させることにより、廃水中の有機物を嫌気条件下で生物学的に分解するというものである。このUASB法は、嫌気性菌をグラニュール状に造粒化することにより、リアクター内のメタン菌の濃度を高濃度に維持できるという特徴があり、その結果、廃水中の有機物の濃度が相当高い場合でも効率よく処理できる。例えば、この方法を具体化した装置では、重クロム酸カリウムを酸化剤として測定したCODCr(以下、CODと言う)の容積負荷が10〜15kg/m/dの廃水・廃棄物でも効率よく運転できるという特徴がある。
有機性廃水及び有機性廃棄物を対象とした嫌気性処理の嫌気性菌には、環境温度により大きく分けて2種類ある。例えば、環境温度30〜35℃の中温域を至適温度とする中温嫌気性菌、50〜55℃の高温域を至適温度とする高温嫌気性菌などがある。一方、これら嫌気性菌の働きを利用したUASB法の場合、分解する有機物の負荷量が高くなると(例えばCOD容積負荷が15kg/m/d以上)、発生するガス量が多くなる。この際、リアクター内からのガス抜きを随時確実に行っていかないと、ガス排出時の吹き出し等によりグラニュール状の汚泥粒子の流出が目立つようになり、リアクター内に汚泥粒子を留めておくことが難しくなる。
こうした場合の処理対策として、UASB装置そのものを多段にし、発生ガスを分散して系外に排出する方法が提案されている。図1は、UASBを多段にした嫌気性処理装置の模式図である(G.Lettinga(1995)Anaerobic digestion and wastewater treatment system,Antonie van Leeuwenhoek 67:3−28)。図1に示されている装置は、下端に原水流入管1を接続した筒状のリアクター2の内部に、下向きに傾斜した複数の邪魔板3を交互に設けて、リアクター内を区分けした区分スラッジゾーン4a〜4eをそれぞれの箇所に多段に形成している。区分スラッジゾーン4a〜4eのそれぞれの上端の角部(即ち、邪魔板によって形成される閉塞部)はGSS部5を形成している。リアクター内部には、グラニュール状の汚泥粒子が充填される。このような装置の下端から有機性廃水(原水)が投入されると、内部に存在するグラニュール状の汚泥粒子内の嫌気性微生物の働きによって原水中の有機物が分解され、ガスが発生する。リアクターの下部においては、高負荷状態のためにガスが多く発生するため、発生ガスが汚泥粒子に付着してその見かけ比重を低下させると共に、付着したガスが汚泥粒子を同伴して、上向きの水流に沿って上方に汚泥粒子が流動する。ガスに同伴された汚泥粒子は、邪魔板3によって形成されたGSS部5に捕捉され、水面で気泡となり、気泡部5bを形成する。気泡はやがて破裂し、ガスがGSS部5に集積して気相部5aが形成される。気相部5aが形成される箇所には、発生ガス回収配管6が接続されていて、ガスが回収される。発生ガス回収配管6は外部の水封槽7に接続されており、水封槽7にガスがトラップされる。気泡の破裂によって、ガスと汚泥粒子とが分離され、汚泥粒子はもとの比重を回復して、重力によって沈降する。邪魔板3の上に沈降した汚泥粒子は、邪魔板3の表面上を滑り落ちながら更に沈降する。沈降した汚泥粒子は再び原水流中の有機物と接触して、汚泥粒子中の嫌気性微生物が有機物を分解することによってガスを発生させ、汚泥粒子はガスに同伴されて上昇する。
リアクターの内部では、上記のような汚泥粒子の循環運動が起こるのであるが、リアクター下方で発生したガスはリアクター下方のGSSで回収されるため、リアクターの上方にいくに従って、リアクター下方で発生したガスによる汚泥粒子の流動に与える影響が小さくなり、有機物の負荷量が徐々に小さくなるので、ガス発生量が低下し、これに伴って流動する汚泥粒子の見かけ比重が大きくなり、ガスに同伴される汚泥粒子の上昇流の速度が小さくなる、即ち、汚泥粒子の流動が緩やかになる。
このようにして有機物が嫌気性処理された処理水は、リアクター2の上端部より溢流して、処理水配管9により排出される。上記のように、汚泥粒子の流動はリアクターの上方にいくにしたがって緩やかに、即ち静置状態に近くなるので、リアクターの上端からの溢流内に汚泥粒子が含まれることはなく、清浄な処理水が得られる。
しかしながら、多段化したUASB装置は、いまなお以下に示すような課題がある。
(1)廃水の性状によっては、GSS部内部で発泡を生じ、GSS部内部あるいは発生ガス捕集配管の閉塞を招き、発生ガスの捕集が困難となる。
(2)廃水の性状によっては、GSS部内部でスカムを形成し、発生ガスの捕集が困難となる。とりわけ、負荷が低く、発生ガス量が少ない場合には、発生ガスによるスカムの破壊・除去効果が小さく、スカムを形成しやすい。
(3)前記(1)、(2)の結果、多段化したUASB装置の特長である発生ガスを分散して系外に排出する効果を失い、汚泥の多大な流出を招き、処理悪化の原因となる。
(4)GSS部を構成する邪魔板の設置角度が緩やかな場合には、邪魔板の上に汚泥が堆積して汚泥のデッドスペースが生じ、リアクター内の汚泥粒子の全体を有効に使えない場合がある。
(5)GSS部を装置をリアクターの下部まで形成した場合、汚泥粒子の良好な流動を妨げ、汚泥粒子と有機物との接触が不十分もしくは不良となる場合がある。
(6)リアクター内の通水速度が低い場合には短絡流が生じ、逆に通水速度が高い場合には汚泥の流出を引き起こすために、処理結果を悪化させる原因となる場合がある。
このような実情に鑑み、本発明は、汚泥粒子の良好な流動状態、即ち、汚泥粒子と有機物の良好な接触を妨げず、汚泥粒子全体を処理に対して有効に使う多段化したUASB装置において、GSS部内部での発生ガスの安定した回収を行うことで、高いCOD負荷においても安定した廃水処理を行うことのできる嫌気性処理装置を提供することを目的とする。
発明の開示
本発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の各態様に係る嫌気性処理装置を提供する。
本発明の請求項1の発明は、嫌気性処理槽と、該処理槽内に取り付けられた複数の邪魔板によって形成される多段の気液固分離部を有する上向流嫌気性汚泥床処理装置であって、それぞれの邪魔板の占有面積が処理槽の断面積の2分の1以上であり、処理槽内に消泡剤を供給する手段を有することを特徴とする有機性廃水又は廃棄物を嫌気性処理するための装置に関する。
本発明の請求項2の発明は、嫌気性処理槽と、該処理槽内に取り付けられた複数の邪魔板によって形成される多段の気液固分離部を有する上向流嫌気性汚泥床処理装置であって、それぞれの邪魔板が、処理槽内壁との間の角度が35度以下となるように取り付けられており、且つその占有面積が処理槽の断面積の2分の1以上であることを特徴とする有機性廃水又は廃棄物を嫌気性処理するための装置に関する。
本発明の請求項3の発明は、処理槽内に消泡剤を供給する手段を更に有する請求項2に記載の装置に関する。
本発明の請求項4の発明は、嫌気性処理槽と、該処理槽内に取り付けられた複数の邪魔板によって形成される多段の気液固分離部を有する上向流嫌気性汚泥床処理装置であって、それぞれの邪魔板が、処理槽内壁との間の角度が35度以下となるように取り付けられており、処理槽内に消泡剤を供給する手段を有することを特徴とする有機性廃水又は廃棄物を嫌気性処理するための装置に関する。
本発明の請求項5の発明は、気液固分離部の内部若しくは下方に酸素を含有しない気体を吹き込むための気体供給管が配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の装置に関する。
本発明の請求項6の発明は、気液固分離部が、処理槽の上部50%の範囲内に取り付けられている請求項1〜5のいずれかに記載の装置に関する。
本発明の請求項7の発明は、処理槽内での原水通水量が1〜5m/hに制御される請求項1〜6のいずれかに記載の装置に関する。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されない。図2は、本発明の第一の態様に係る多段UASB装置の一形態例の概要を示す図である。なお、添付の図においては、同じ構成要素については同じ参照番号を付す。
図2に示されている本発明の一態様に係る多段UASB装置においては、下端に原水流入管1を接続した筒状のリアクター2の内部に、複数の邪魔板3を設けることによって、リアクター2の内部を区分した区分スラッジゾーンが多段に形成されている。邪魔板3は、一方の端部がリアクター2の内壁に固定され、もう一方の端部が反対側の内壁方向に向かって、下向きに傾斜して伸長する。図2においては、下向きに傾斜した邪魔板3を2枚配置して二つのスラッジゾーン4a、4bを多段に形成した構成例を示す。区分スラッジゾーン4a、4bのそれぞれの上端の角部(邪魔板3によって形成される閉塞部)にGSS部5が形成されている。リアクター内部には、グラニュール状の汚泥粒子が充填されている。有機性廃水(原水)は、供給管25を通してまず原水調整槽/酸発酵槽23で調整された後、原水流入管1を通してリアクター2の下端から投入する。なお原水調整槽/酸発酵槽23は、必ずしも配置する必要はなく、原水を直接リアクター2に供給してもよい。また、特に必要ない場合には、槽23において原水の調整を行わなくともよい。
リアクター2内には、嫌気性菌からなるグラニュール汚泥粒子が充填される。本発明の対象となる嫌気性処理は、30℃〜35℃を至適温度とした中温メタン発酵処理、50℃〜55℃を至適温度とした高温メタン発酵処理など全ての温度範囲の嫌気性処理を対象としている。嫌気性菌からなるグラニュール汚泥粒子が充填されたリアクター2の下端に、有機性廃棄物などを含んだ原水を、送液管1を通して導入する。原水は、必要に応じて、処理水の循環液や系外から供給する希釈水等により適宜希釈した後、リアクターに供給することができる。流入原水の量は、リアクター2内部での通水速度が1〜5m/hとなるように調節することが好ましい。
リアクター2内では、嫌気性菌を含むグラニュール汚泥粒子の介在によって有機性廃棄物が分解し、分解ガスが発生する。発生したガスは、各区分スラッジゾーン4a、4bの上端のGSS部5に別れて集まり、それぞれに気泡部5b及び気相部5aを形成し、気相部5aから発生ガス回収配管6を通じて水封槽7に回収される。回収された発生ガスについて、ガスメータ8でその排出量が記録される。リアクター内で発生したガスの一部は、区分スラッジゾーン4a、4b内でグラニュール汚泥粒子に付着し、その見かけ比重を軽減させるとともに、グラニュール汚泥粒子を同伴してGSS部5の水面に達する。このように、発生ガスは気泡を形成して水面気泡部5bに一時的に滞留する。水面気泡部5bに集合した気泡はやがて破裂し、発生ガスとグラニュール汚泥粒子とが分離され、グラニュール汚泥粒子はもとの比重を回復して水中に沈降し、一方発生ガスは気相部5aを形成して、ここに接続されている発生ガス回収配管6から水封槽7を経由して、系外に排出される。有機物が分解して清澄になった処理水は、リアクター上端から溢流し、処理水配管9を経由して系外に排出される。
また、図2に示すように、処理水配管9を分岐して処理水循環配管21を構成し、配管24を介して原水調整槽/酸発酵槽23に循環して、必要に応じて再調整を行った後に、再びリアクター2に再循環することができる。また、バイパス管22を配置して、処理水をそのままリアクター2に再循環することができる。
各GSS部5の気相部5aのガス圧は異なるので、その差圧は水封槽7で調整するとよい。原水送液側に近い順に(即ち下方のGSS部ほど)水封圧は高く保つ必要がある。これは、下方のGSS部に接続されている発生ガス回収配管6の水封槽7内での開口部位置を低くすることにより達成することができる(図2参照)。ガス回収の圧調整は、水封槽7を使う方法以外にも多くの方法があり、例えば圧力弁等を使用してもよい。本発明の嫌気性処理においては、各区分スラッジゾーン毎に、そこで発生する発生ガスを回収できるため、リアクターの単位断面積当たりの発生ガス量が少なくなる。特に処理水を流出させる処理水配管9に最も近い所ではリアクターの単位断面積当たりのガス量が非常に小さくなる。そのため、グラニュール汚泥粒子の系外流出量は非常に少なくすることができる。
ここで、リアクター2の内部に配置する邪魔板3は、その占有面積が、処理槽の断面積の1/2以上になるような寸法とすることが好ましい。邪魔板3の占有面積が処理槽の断面積の1/2以下であると、リアクター内で発生したガスの邪魔板による捕捉が不十分となり、気液固の分離に不具合を生ずる。つまり、リアクターの中心部分よりガスが上方へ抜けてしまい、GSS部5にガスを十分に集積することができなくなる。
また、処理すべき原水が発泡性の場合には、GSS部5内の気相部5a及び発生ガス回収配管6が閉塞し、発生ガスの回収が困難となることがある。従って、本発明の一態様においては、リアクター2内に消泡剤を供給することで、GSS部5内での発泡を抑えることができ、支障なく処理を行うことができる。リアクター2内に消泡剤を供給する手段としては、例えば、図2に示すように、消泡剤注入配管10を原水送液管1に接続して、原水中に予め消泡剤を加えることができる。また、他の形態として、消泡剤は、原水調整槽/酸発酵槽23に滴下又は噴霧することによって供給したり(図2の▲2▼)、処理水循環配管に供給したり(図2の▲5▼、▲6▼又は▲7▼)、リアクター2に直接滴下又は噴霧することによって投入したり(図2の▲4▼)、或いはリアクターのGSS部5に滴下又は噴霧することによって供給したりすることができる(図2の▲3▼)。消泡剤としては、原水の性状に応じた消泡効果を有し、発酵液の消泡に適した、中温(30℃〜35℃)あるいは高温(50℃〜55℃)において消泡効果をなくすことのない消泡剤を使用することが好ましい。本発明において用いることのできる消泡剤としては、シリコーン系消泡剤、アルコール系消泡剤の何れも適用が可能である。
本発明の第一の態様は、上記のような特徴を有する嫌気性処理装置に関する。即ち、本発明の第一の態様は、嫌気性処理槽と、該処理槽内に取り付けられた複数の邪魔板によって形成される多段の気液固分離部を有する上向流嫌気性汚泥床処理装置であって、それぞれの邪魔板の占有面積が処理槽の断面積の2分の1以上であり、処理槽内に消泡剤を供給する手段を有することを特徴とする有機性廃水又は廃棄物を嫌気性処理するための装置に関する。
また、本発明の第二の態様は、邪魔板を、処理槽内壁との間の角度が35度以下になるように取り付けたことを特徴とするものである。即ち、本発明の第二の態様は、嫌気性処理槽と、該処理槽内に取り付けられた複数の邪魔板によって形成される多段の気液固分離部を有する上向流嫌気性汚泥床処理装置であって、それぞれの邪魔板が、処理槽内壁との間の角度が35度以下となるように取り付けられており、且つその占有面積が処理槽の断面積の2分の1以上であることを特徴とする有機性廃水又は廃棄物を嫌気性処理するための装置に関する。
図2を参照して本発明の第二の態様を説明すると、かかる態様においては、リアクター2の内壁と邪魔板3との間の角度θを35度以下として邪魔板3を反対側の内壁に向かって下向きに傾斜するように取り付けることにより、スラッジゾーン4a、4bを形成する邪魔板3の上に、上方から沈降してくるグラニュール汚泥粒子が沈積して流動性が不十分となって汚泥粒子のデッドスペースが生じるという問題がなくなる。リアクター2の内壁と邪魔板3との間の角度が35度以上であると、上記のように汚泥粒子の堆積が生じて、汚泥粒子のデッドスペースが生じやすくなるため、30kg/m/d以上の高負荷処理が困難となる。邪魔板3とリアクター2の内壁との間の角度θが35度以下であると、汚泥粒子の安息角を超えた傾斜が邪魔板によって形成されるので、邪魔板の上に沈降した汚泥粒子は邪魔板の表面上を滑り落ちながら流下するので、邪魔板の上に汚泥が堆積することがない。この邪魔板とリアクター内壁との間の角度は、30度以下であることがより好ましく、27度以下であることが更に好ましい。
また、本発明の第二の態様においても、リアクター2の内部に配置する邪魔板3は、その占有面積が、処理槽の断面積の1/2以上になるような寸法とすることが好ましい。邪魔板3の占有面積が処理槽の断面積の1/2以下であると、リアクター内で発生したガスの邪魔板による捕捉が不十分となり、気液固の分離に不具合を生ずる。つまり、リアクターの中心部分よりガスが上方へ抜けてしまい、GSS部5にガスを十分に集積することができなくなる。
なお、本発明の第二の態様においては、消泡剤を添加することは必須要件ではない。しかしながら、第一の態様と同様に、リアクター内に消泡剤を供給して、GSS部5内での発泡を抑えれば、より好ましい。
更に本発明の第三の態様は、嫌気性処理槽と、該処理槽内に取り付けられた複数の邪魔板によって形成される多段の気液固分離部を有する上向流嫌気性汚泥床処理装置であって、それぞれの邪魔板が、処理槽内壁との間の角度が35度以下となるように取り付けられており、処理槽内に消泡剤を供給する手段を有することを特徴とする有機性廃水又は廃棄物を嫌気性処理するための装置に関する。
また、原水が高SSである等の理由により、スカムを形成しやすい場合には、GSS部5内の気泡部表面5b及び内部にスカムが形成され、発生ガスの回収が困難となる場合がある。このような場合には、気体供給管をGSS部5の内部若しくは下方に配置して、気体を供給することにより、スカムの破壊したり、或いはスカムの形成を防止することができる。このような目的で用いることのできる気体としては、窒素ガス等の酸素を含まない、メタン発酵等の生物処理に影響を与えない気体を用いることができる。また、嫌気性処理によって発生したガスを、スカム破壊又は形成防止用の気体として使用することができる。かかる形態の嫌気性処理装置の構成例を図3に示す。
図3に示す装置においては、発生ガス回収配管6及び水封槽7を通して回収された発生ガスを、ガスホルダー11に貯留し、そこから、発生ガス供給配管13を通して、各GSS部の下方に設置された散気管12に供給してGSS部の下方より気泡として供給するか、或いは発生ガス回収配管6に供給してGSS部の内部に直接供給することによって、GSS部内でのスカムの破壊或いはスカムの形成防止を達成している。
発生ガス供給配管13を、それぞれのGSS部の発生ガス回収配管6に接続し、GSS部5−1内のスカムを破壊・除去する場合は、バルブ14aを閉じ、発生ガスをGSS部5−1内に吹き込むことによりGSS部5−1内全体を気相部5−1aとし、気泡部5−1bを下に押し下げて、GSS部5−1からスカムを排出することができる。この排出されたスカムは、その上のGSS部5−2内にトラップされるので、次にバルブ14bを閉じ、同様に発生ガスをGSS部5−2内に吹き込むことによりGSS部5−2内全体を気相部5−2aとし、気泡部5−2bを下に押し下げて、GSS部5−2からスカムを排出し、これを処理水と共に流出させることができる。
また、発生ガス供給配管13を、各GSS部の下方に配置された散気管12に接続する場合には、散気管12から吹き込まれる気泡によりスカムが破壊され、破壊されたスカムはリアクター2内の液の流れと共に処理水として排出される。この手法の場合には、バルブ14の開閉は問わない。バルブ14を開けて上記の操作を行うと、散気管12から吹き込まれた気体は発生ガス回収配管6より回収される。一方、バルブ14を閉じて上記の操作を行うと、散気管12から吹き込まれる気泡によるスカムの破壊効果に加え、発生ガス回収配管を通してGSS部の内部に直接ガスを供給することによるスカム排出効果も期待できる。スカムの破壊或いはスカムの形成防止の目的でGSS部5内若しくは散気管にガスを供給する頻度は、処理される廃水の性状にもよるが、1日に1回から1週間に1回とすることでGSS部5内部のスカムを破壊・除去する効果がある。
なお、本発明に係る多段UASB装置においては、気液固分離部が、処理槽の上部のみに形成されているとより好ましい。これは、気液固分離部が処理槽の下部にまで取り付けられていると、処理槽内での汚泥粒子の良好な流動が妨げられ、汚泥と有機物との接触が不良となって、処理が不安定になる場合があるからである。この観点から、本発明に係る多段UASB装置においては、気液固分離部が、処理槽の上部70%の範囲内、より好ましくは上部50%の範囲内、更に好ましくは上部30%の範囲内に取り付けられていることが好ましい。
また、本発明の多段UASB装置においては、処理槽内での原水通水量を1〜5m/hに制御することが好ましい。槽内での通水量が小さすぎると、汚泥層で短絡流が生じて、汚泥層全体を有効に使用することができなくなる場合がある。また、槽内での通水量が大きすぎると、グラニュール汚泥粒子の沈降速度よりも液の上昇流速度が大きくなり、グラニュール汚泥粒子が処理水と共に流出してしまうために、槽内に汚泥を安定して保持することができず、処理が不安定になる場合がある。この見地から、処理槽内での原水通水量は、1〜5m/hに制御することが好ましく、2〜3m/hが更に好ましい。
以下、本発明の各種態様を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
図2に示す装置を用いて、廃水の嫌気処理を行った。断面積0.16m、高さ6.25m(槽容量1m)の円筒形リアクター2内に、それぞれの占有断面積が0.112m(リアクターの断面積の70%)となるように邪魔板3を2枚下向きに傾斜させて取り付けた。邪魔板3の取り付け角度(θ)は45度であった。リアクター2内の水温は35℃になるように温度制御した。リアクター2内にはグラニュール状の汚泥粒子を充填した。
原水として、発泡性の清涼飲料廃水の酸発酵処理水(COD=10,000mg/L;SS=500mg/L)を用いた。リアクター2の上端から溢流する処理水を循環液として原水と共にリアクター2に流入させることで通水速度を2m/hに設定した。原水流量と処理水循環水量の割合をCOD負荷に応じて設定した。
原液送液管1に接続した消泡剤注入配管10から、消泡剤としてシリコーン系消泡剤をリアクター流入水量あたり10mg/Lの割合で注入した。対照データとして、消泡剤の注入を行わずに同様の実験を行った。定常状態における処理成績を表1に示す。
Figure 0004162234
上記表の結果から、本発明に従って、多段UASB処理装置において消泡剤を処理槽内に供給することにより、優れた処理性能が得られたことが分かる。消泡剤を供給しない場合には、負荷の上昇によりGSS部の内部での発泡が生じ、処理性能が低下した。
実施例2
図2に示す嫌気処理装置において、リアクター2として、図4及び図5に示す構造のものを用いて実験を行った。図4に示すリアクター2においては、傾斜する邪魔板3を2箇取り付け、装置側壁と邪魔板3との角度(θ)を30度とした。邪魔板3は、リアクター2の上部50%の部所にのみ配置されるようにした。一方、図5に示すリアクター2においては、傾斜する邪魔板3を、リアクター2の全高に亘って5箇取り付け、装置側壁と邪魔板3との角度(θ)を45度とした。
いずれも、リアクターの断面積は、0.16m、高さ6.25m(容量1m)、GSS部を形成する邪魔板の断面積は0.112m(リアクター断面積の70%)で実験した。
リアクター2内にはグラニュール状の汚泥粒子を充填した。原水を、リアクター2の下端に接続した原水送液管1より流入し、リアクター2上部の処理水管9より処理水を得た。
リアクター2内には、邪魔板によって有機物を分解、浄化する際に発生したガスが集まるGSS部5を形成し、その上端に外部と通じる発生ガス回収配管6の排出口を設けた。各GSS部5より発生したガスの量は、水封槽7に設けたガスメータ8で計測した。リアクター2内の水温は35℃になるように温度制御した。原水としては、糖質系廃水の酸発酵処理水(COD=7000mg/L)に、無機栄養塩類(窒素、リン等)を添加したものを用いた。処理水を循環液として、原水と共にリアクター2へ流入させることで、通水速度を2m/hに設定した。原水流量と処理水循環水量の割合をCOD負荷に応じて設定した。図4のリアクター2(邪魔板の取り付け角度が30度)を用いて得られた結果をB系列、図5のリアクター2(邪魔板の取り付け角度が45度)を用いて得られた結果をA系列として以下に報告する。
図6に実験経過とCODの処理成績の変化を示す。両系列とも処理水COD濃度を見ながら、有機物負荷量を徐々に上げた。
実験経過後、約120日目までは略々同じ負荷量で処理できた。約120日以降、COD負荷が30kg/m/d以上になると、A系列では処理水CODが高くなった。
傾斜する邪魔板を5個取り付け、リアクター2の内壁と邪魔板3との角度を45度としたA系列では、図5に示されるように、邪魔板3の上に堆積汚泥によるデッドスペースが生じ、汚泥粒子全体を有効に使えないため処理が不安定になった。このため、COD負荷を25kg/m/dに下げた。
一方、B系列では、COD負荷が35kg/m/dにおいて、安定した処理ができた。表2に安定状態における処理成績の比較を示す。
Figure 0004162234
邪魔板の取り付け角度を30°としたB系列では、COD負荷35kg/m/d、COD除去率90%、処理水VSS=300〜400mg/Lであった。一方、邪魔板の取り付け角度を45°としたA系列では、COD負荷25kg/m/d、COD除去率90%、処理水VSS=300〜400mg/Lであった。このように、邪魔板の取り付け角度を35度以下にすることによって、邪魔板の取り付け角度を45度とした場合と比べて高いCOD除去率を得ることができた。
B系列の方法では、高いCOD負荷で運転しているにも拘らず、処理水COD処理成績は安定していた。また、処理水VSS濃度は、A系列の方法と略々同じであり、A系列の方法に比べGSS部の数が少ない場合でも上向流嫌気性汚泥床法(UASB)槽内におけるグラニュール汚泥量も安定していた。これは、処理水を流出させる処理水配管9に最も近い所では、リアクターの単位断面積当たりのガス量が小さくなり、グラニュール汚泥の系外流出量が少なかったためである。
次に、B系列を用いて、原水COD濃度7000g/L、COD負荷30kg/m/d、通水速度0.5〜7m/hで処理を行ったときの定常状態における処理成績の比較を表3に示す。
Figure 0004162234
邪魔板とリアクター内壁との角度を30度としたB系列では、COD除去率85%以上の安定した処理を行うためには、通水速度を1〜5m/h、好ましくはCOD除去率90%以上とする場合には通水速度を2〜3m/hに設定することが好ましいことが分かった。これは、通水速度が1m/hより少ない場合には、汚泥層で短絡流が生じるため、汚泥層全体を有効に使用し得ないためである。また、通水速度が5m/hより高い場合には、処理水のVSSが1500mg/L以上となり、リアクター2内の汚泥量を安定して維持できないために、処理性が悪化した。
実施例3
リアクター2として、図7に示す種々の形態のものを用いた。A系列は、傾斜する邪魔板を2ケ取り付け、リアクター2の内壁と邪魔板3との角度を30度とした。B系列は、A系列のリアクター2の原水送液管1に消泡剤注入配管10を接続して、消泡剤としてシリコーン系消泡剤をリアクター流入水量あたり10mg/Lの割合で原水に加えた。C系列は、B系列のリアクター2に更に散気管12を取り付け、発生ガスを発生ガス供給配管13を通して供給することによって、GSS部内でのスカムの破壊・除去を行った。いずれも、GSS部は、リアクター2の上部50%の範囲内に配置されるようにした。
実験には図3に示す装置を用いた。リアクター2内にはグラニュール状の汚泥粒子を充填した。原水を、リアクター2の下端に接続した原水送液管1より供給し、リアクター2上部の処理水管9より処理水を得た。リアクター2内には、有機物を分解、浄化する際に発生したガスが集まるGSS部5が邪魔板3によって形成され、その上端には発生ガス回収配管6を接続した(図3参照)。
いずれの系列においても、リアクターの断面積は、0.16m、高さ6.25m(容量1m)、GSS部を形成する邪魔板の断面積は0.112m(リアクター断面積の70%)であった。各GSS部5より発生したガスの量は、水封槽7に設けたガスメータ8で計測した。リアクター2内の水温は35℃になるように温度制御した。原水として、発泡性の清涼飲料廃水の酸発酵処理水(RUN1;COD=10,000mg/L、SS=500mg/L)及びスカムを形成しやすい食品製造廃水の酸発酵処理水(RUN2;COD=10,000mg/L、SS=300mg/L)に無機栄養塩類(窒素、リンなど)を添加したものを用いた。処理水を循環液として原水とともにリアクター2に流入させることで通水速度を2m/hに設定した。原水流量と処理水循環水量の割合をCOD負荷に応じて設定した。
図8、図9に、実験経過とCOD処理成績の変化を示す。両系列とも処理水COD濃度を見ながら有機物負荷量を徐々に上げた。
清涼飲料廃水を用いたRUN1(図8)では、実験経過後約80日目まではほぼ同じ負荷量で処理ができた。約80日目以降、COD負荷が20kg/m/dとなると、A系列では処理水CODが高くなった。消泡剤を添加していないA系列では、負荷の上昇により、発生ガス量が増大し、GSS部5内部で発泡を生じ、GSS部5及び発生ガス回収配管6が閉塞した。そのため、発生ガスはGSS部で回収されないため、リアクター2上部より大気へと放出された。その結果、リアクター2内のグラニュール汚泥量が大量に流出し、リアクター2内の汚泥を安定に保持できないため、処理性能が低下した。そのため、COD負荷を15kg/m/dに下げ、発泡をなくしたが、GSS部5内部にスカムが形成されていたため、GSS部5で発生ガスは回収されず、前記のとおり、処理性能は低下したままであった。一方、消泡剤を添加したB、C系列ではCOD負荷が35kg/m/dにおいて、安定した処理ができた。比較的スカムを形成しにくい廃水の場合、消泡剤の添加より、高負荷処理が可能となり、発生ガス量が増加するため、この発生ガスによるGSS部5内部のスカム形成の防止効果がある。そのため、B系列とC系列の処理性能は同じであった。表4に定常状態における処理成績の比較を示す。
Figure 0004162234
消泡剤を添加したB系列では、COD負荷35kg/m/d、COD除去率90%、処理水VSS=300〜400mg/Lであった。一方、消泡剤を添加しなかったA系列では、COD負荷15kg/m/d、COD除去率90%、処理水VSS=300〜400mg/Lであった。このように、消泡剤を添加することにより、消泡剤を用いない場合と比べて高いCOD除去率を得ることができた。消泡剤を添加したB系列の方法では、高いCOD負荷で運転しているにもかかわらず処理水COD処理成績が安定していた。また、処理水VSS濃度は、消泡剤を添加しない場合とほぼ同じであった。
次に、食品製造廃水を用いたRUN2(図9)では実験経過後約80日目以降、COD負荷が15kg/m/d以上になると、消泡剤を添加しないA系列では、処理水CODが高くなった。これはGSS部5内での発泡及びスカムの形成により、上記のように発生ガスの回収が不十分となったため、リアクター2内の汚泥量を安定して保持できないため、処理性能が低下したためであると考えられる。そのため、COD負荷を10kg/m/dに下げ、発泡をなくしたが、GSS部5内部にスカムが形成されていたため、処理性能は低下したままであった。
消泡剤を添加したB系列では、実験経過後約110日目にCOD負荷を20kg/m/dに設定した。110日目〜120日目にかけて、GSS内部にスカムが形成し始め、次第に処理が悪くなり、120日目以降では処理水CODが高くなった。これはGSS部5内部での発泡は抑制できたが、次第にスカムが形成され、前記のように、発生ガスの回収が不十分となったため、リアクター2内の汚泥量を安定して保持できず、処理性能が低下したためであると考えられる。
GSS部の下部からガスを供給したC系列では、COD負荷が35kg/m/dにおいて、安定した処理ができた。スカムを形成しやすい廃水の場合、消泡剤の添加に加え、発生ガスの吹き込みによるGSS部5内のスカムの破壊・除去を行うことで高負荷処理が可能となる。表5に定常状態における処理成績の比較を示す。
Figure 0004162234
消泡剤を添加したB系列では、COD負荷35kg/m/d、COD除去率90%、処理水VSS=300〜400mg/Lであった。一方、消泡剤を添加しなかったA系列では、COD負荷10kg/m/d、COD除去率90%、処理水VSS=300〜400mg/Lであった。更に、スカムの形成防止を行ったC系列の方法では、高いCOD負荷で運転しているにもかかわらず処理水COD処理成績が安定していた。また、処理水VSS濃度は従来法とほぼ同じであった。
産業上の利用の可能性
本発明の第一の態様によれば、処理槽内に邪魔板によって形成される気液固分離部を多段に有する上向流嫌気性汚泥床処理装置において、処理槽内に消泡剤を供給することにより、高いCOD負荷においても安定した嫌気処理を行うことができる。また、本発明の第二の態様によれば、気液固分離部を形成する邪魔板と処理槽内壁との間の角度を35度以下にすることにより、邪魔板の上に汚泥粒子が堆積して汚泥粒子のデッドスペースが生じることが防止され、汚泥粒子の良好な流動状態を保ち、汚泥粒子全体を処理に対して有効に活用することができる。更に、邪魔板と処理槽内壁との間の角度を35度以下とすると共に、処理槽内に消泡剤を供給することで、より一層の安定処理を図ることができる。更には、スカムの形成防止手段を更に配置することにより、高いCOD負荷においても一層安定した処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、従来の多段UASB装置の構成例を示す図である。
図2は、本発明の一態様に係る多段UASB装置の構成例を示す図である。
図3は、本発明の他の態様に係る多段UASB装置の構成例を示す図である。
図4は、実施例2で用いた本発明の一態様に係る多段UASB装置の構成を示す図である。
図5は、実施例2で用いた比較用の多段UASB装置の構成を示す図である。
図6は、実施例2での、経過時間に伴うCOD処理成績の変化を示すグラフである。
図7は、実施例3で用いた各種多段UASB装置の構成を示す図である。
図8は、実施例3での、清涼飲料廃水を用いた実験(RUN1)における経過時間に伴うCOD処理成績の変化を示すグラフである。
図9は、実施例3での、食品廃水を用いた実験(RUN2)における経過時間に伴うCOD処理成績の変化を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 嫌気性処理槽と、該嫌気性処理槽内に取り付けられた複数の邪魔板によって形成される多段の発生ガス集積部を備えた気液固分離部と、該気液固分離部において発生したガスを回収する発生ガス回収配管と、該嫌気性処理槽の底部に接続されている原水送液管と、該嫌気性処理槽内に消泡剤を供給する手段と、を有する上向流嫌気性汚泥床処理装置であって、
    該気液固分離部を形成するそれぞれの邪魔板が、処理槽内壁との間の角度が35度以下となるように取り付けられており、且つその占有面積が処理槽の断面積の2分の1以上であり、
    該気液固分離部は該処理槽の上部50%の範囲内に取り付けられており且つ最下段の気液固分離部は流動状態に維持されているグラニュール汚泥層中にあるように取り付けられている
    ことを特徴とする有機性廃水又は廃棄物を嫌気性処理するための装置。
  2. 前記気液固分離部の内部若しくは下方に酸素を含有しない気体を吹き込むための気体供給管が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 処理槽内での原水通水量が1〜5m/hに制御される請求項1又は請求項2に記載の装置
  4. 嫌気性処理槽と、該処嫌気性理槽内に取り付けられた複数の邪魔板によって形成される多段の発生ガス集積部を備えた気液固分離部と、該気液固分離部において発生したガスを回収する発生ガス回収配管と、該嫌気性処理槽の底部に接続されている原水送液管と、該嫌気性処理槽内に消泡剤を供給する手段と、を有する上向流嫌気性汚泥床処理装置であって、該気液固分離部を形成するそれぞれの邪魔板が、処理槽内壁との間の角度が35度以下となるように取り付けられており、且つその占有面積が処理槽の断面積の2分の1以上であり、該気液固分離部は該処理槽の上部50%の範囲内に取り付けられており且つ最下段の気液固分離部は流動状態に維持されているグラニュール汚泥層中にあるように取り付けられていることを特徴とする上向流嫌気性汚泥床処理装置を用いる有機性廃水又は廃棄物の嫌気性処理方法であって、
    該処理槽内での原水通水量を1〜5m/hに制御し、
    該処理槽内に消泡剤を供給して、該気液固分離部内での発泡を抑える、
    ことを特徴とする有機性廃水又は廃棄物の嫌気性処理方法。
  5. 前記嫌気性処理槽に供給される消泡剤はシリコーン系消泡剤又はアルコール系消泡剤であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
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