JP2006095421A - 上向流嫌気性処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】グラニュールの流出防止、処理効率の向上および処理水の水質安定が図れる上向流嫌気性処理方法を提供する。
【解決手段】上向流嫌気性処理装置において、被処理水供給手段が嫌気性処理槽の槽壁に併行し、処理槽の水平方向に所定の間隔で併設された複数の被処理水導入管からなり、被処理水を供給するにあたり、有機性排水の供給量と処理後の処理水の循環供給量とを調節し、嫌気性処理槽の水平方向中心部側に配置された少なくとも1本の被処理水導入管からの被処理水導入流量又は有機物濃度を、内壁側に配置された被処理水導入管からの被処理水導入流量又は有機物濃度よりも多くして処理することを特徴とする上向流嫌気性処理方法。
【選択図】図1
【解決手段】上向流嫌気性処理装置において、被処理水供給手段が嫌気性処理槽の槽壁に併行し、処理槽の水平方向に所定の間隔で併設された複数の被処理水導入管からなり、被処理水を供給するにあたり、有機性排水の供給量と処理後の処理水の循環供給量とを調節し、嫌気性処理槽の水平方向中心部側に配置された少なくとも1本の被処理水導入管からの被処理水導入流量又は有機物濃度を、内壁側に配置された被処理水導入管からの被処理水導入流量又は有機物濃度よりも多くして処理することを特徴とする上向流嫌気性処理方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、有機性排水を微生物の自己造粒汚泥(以下グラニュールという。)により形成された汚泥床(以下単に汚泥床という。)を上向流通させて排水中の有機物を分解し、メタンガスなどを回収する上向流嫌気性処理方法に関する。
従来、食品加工排水、醗酵工場排水、化学工場排水及び紙パルプ工場排水などの有機性産業排水や下水などの有機性排水を処理する装置の一つとして、底部に被処理水供給手段、上部に処理水排出手段及び生成ガス排出手段を配設し、内部の下方にメタン菌を主体とした嫌気性微生物が自己造粒により粒子化して汚泥床を形成した嫌気性処理槽が設けられ、汚泥床の下部に被処理水供給手段から有機性排水を供給して汚泥床を上向流通させることにより、グラニュールを一定高さで展開滞留させ、そのグラニュールを構成する嫌気性微生物で排水中の有機物を生物学的に分解し、分解により発生したメタンガスや炭酸ガスなどの生成ガス、処理水およびグラニュールを上部で分離し、処理水は処理水排出手段、生成ガスはガス排出手段から排出し、グラニュールは汚泥床に沈降させて汚泥床を保持させる上向流嫌気性処理装置がある。
前記上向流嫌気性処理装置は、排水中の有機物を生物学的に分解する嫌気性微生物が、微生物自体又は微細粒子を核として粒子化しているため、微生物が高密度で保持でき、高濃度の有機性排水を効率的に処理することができるとともに生成ガス発生量を増加できることにより、装置の設置面積の縮小化が図れ、また、生成するメタンガスを燃料や化学製品製造用原料などとして有効利用できる利点があり、多数設置されている。
また、従来の上向流嫌気性処理装置における被処理水供給方法として、所定の間隔で配置された吐出ノズルを有する被処理水供給手段の吐出ノズルからの被処理水吐出流速を、間欠的に通常運転時の3〜5倍速とすることを特徴とする上向流嫌気性処理装置の被処理水供給方法を本願出願人により開示されている。(特許文献1参照)
また、従来の別の被処理水供給方法として、被処理水供給手段での被処理水の吐出流量又は吐出速度を、処理槽内横断面の中央部側よりも周辺部側が大きくなるように制御することを特徴とする上向流嫌気性処理装置における被処理水供給方法を本願出願人により開示されている。(特許文献2参照)
特開2003−340487号公報
特開2001−219190号公報
解決しようとする課題は、特許文献1に開示されている上向流嫌気性処理装置における被処理水供給方法にあっては、急激な被処理水供給流速の変更によりグラニュールに付着した気泡を剥離除去するとともに、グラニュールを剪断破壊して内封された気泡を分離し、粒子径を沈降及び接触効率の向上が図れる適宜な大きさに揃えることでグラニュールの肥大化や被処理水の上向流における短絡流を防止し、グラニュールが処理水に伴われて処理水排出手段から流出するのを防止するためになされたものであるが、被処理水の性状や流量変化に追従する制御が複雑となる問題がある。
また、特許文献2に開示されている上向流嫌気性処理装置における被処理水供給方法にあっては、流動解析の結果、処理槽の底全面から均一な吐出流量又は吐出速度で被処理水を供給すると、処理槽内水平方向の中央部側で強い液上昇流(短絡流)が、また、周辺部側では下降流が惹起されることに鑑みて、水平方向における被処理水の吐出流量又は吐出速度を変えることにより、被処理水の短絡流及び下降流発生を防止し、汚泥床の高さをできるだけ一定に保持することで、グラニュールが処理水に伴われて処理水排出手段から流出するのを防止するためになされたものであるが、グラニュールの大きさや性状によっては、十分な効果が得られない場合がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、工業規模の装置においては、汚泥床の高さを一定に保持するよりも、処理槽内周側よりも水平方向中心部側の供給流量を多くして上下方向の旋回流を生じさせ、水平方向の一部において汚泥床の高さに変化を持たせて処理する方がグラニュールが処理水に伴われて処理水排出手段から流出するのを防止する効果が高くなることを見出して成されたものであり、グラニュールの流出防止、処理効率の向上および処理水の水質安定が図れる上向流嫌気性処理方法を提供する目的で成されたものである。
前記目的を達成するための本発明の要旨は、請求項1に記載の第一発明においては、底部に有機性排水と循環処理水とを混合した被処理水を供給する被処理水供給手段、上部に処理水排出手段及び生成ガス排出手段を配設した嫌気性処理槽にあって、該嫌気性処理槽内の下方に自己造粒汚泥により形成された汚泥床、該汚泥床の上方部にガス、液及び汚泥の三層に分離する三層分離部及び頂上部にガス滞留部が形成され、有機性排水を上向流通させて処理する上向流嫌気性処理装置において、被処理水供給手段が嫌気性処理槽の槽壁に併行し、処理槽の水平方向に所定の間隔で併設された複数の被処理水導入管からなり、被処理水を供給するにあたり、有機性排水の供給量と処理後の処理水の循環供給量とを調節し、嫌気性処理槽の水平方向中心部側に配置された少なくとも1本の被処理水導入管からの被処理水導入流量を、内壁側に配置された被処理水導入管からの被処理水導入流量よりも多くして処理することを特徴とする上向流嫌気性処理方法である。
また、請求項2に記載の第二発明は、底部に有機性排水と循環処理水とを混合した被処理水を供給する被処理水供給手段、上部に処理水排出手段及び生成ガス排出手段を配設した嫌気性処理槽にあって、該嫌気性処理槽内の下方に自己造粒汚泥により形成された汚泥床、該汚泥床の上方部にガス、液及び汚泥の三層に分離する三層分離部及び頂上部にガス滞留部が形成され、有機性排水を上向流通させて処理する上向流嫌気性処理装置において、被処理水供給手段が嫌気性処理槽の槽壁に併行し、処理槽の水平方向に所定の間隔で併設された複数の被処理水導入管からなり、被処理水を供給するにあたり、有機性排水の供給量と処理後の処理水の循環供給量とを調節し、嫌気性処理槽の水平方向中心部側に配置された少なくとも1本の被処理水導入管から導入される被処理水の有機物濃度を、内壁側に配置された被処理水導入管から導入される被処理水の有機物濃度よりも高くして処理することを特徴とする上向流嫌気性処理方法から供給される被処理水の有機物濃度を高くして処理することを特徴とする上向流嫌気性処理方法である。
また、請求項3に記載の第三発明は、請求項1又は請求項2に記載の上向流嫌気性処理方法において、嫌気性処理槽内における容積負荷量を8〜12kg−CODcr/m3・日の範囲になるように有機性排水の供給量と処理後の処理水の循環供給量とを調節して、被処理水供給手段から被処理水を供給する上向流嫌気性処理方法である。
請求項1に記載の第一発明においては、処理槽内周側よりも水平方向中心部側の被処理水の供給流量を多くして上下方向の旋回流を生じさせ、水平方向の一部において汚泥床の高さに変化を持たせて処理することにより、グラニュールの流出防止、処理効率の向上および処理水の水質安定が図れる。なお、処理槽の水平方向中心部側の被処理水の供給流量を処理槽内周側よりも多くすると、汚泥床の高さを一定に保持する作用となり、グラニュールの大きさや性状によっては、十分な効果が得られない場合があるので好ましくない。
また、請求項2に記載の第二発明においては、嫌気性処理槽内の水平方向に被処理水の有機物濃度差を付けて供給し、高容積負荷域と低容積負荷域を形成させて処理することにより、嫌気性処理槽内におけるガス発生量が相違し、上下方向の旋回流を生じやすくなる。
また、請求項3に記載の第三発明においては、嫌気性処理槽内における容積負荷量を8〜12kg−CODcr/m3・日の範囲の高負荷に調節することにより、処理効率の向上が図れる。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態の上向流嫌気性処理方法に用いられる上向流嫌気性処理装置の説明図であり、(イ)図は縦断面説明図、(ロ)図はイ)図のA−A視の説明図である。
図1および図2において、符番1は、底部に被処理水供給手段2、上方に汚泥、ガス及び処理水の三相を分離する三相分離部材3が設けられ、また、三相分離部材3で分離された清澄な処理水を排出する処理水排出手段のオーバーフロー堰8および処理水排出管9と、頂上部に有機物の生物分解により生成したメタンガスなどのガスを一時的に貯留するガス滞留部が形成され、ガス滞留部に滞留したガスを排出するガス排出手段のガス排出管10を具備し、内部の下方にメタン菌を主体として微生物が粒子化したグラニュ−ル4でブランケット状態の汚泥床5が形成された嫌気性処理槽である。
前記三相分離部材3は、被処理水の上向流に伴われて上昇してくるグラニュール4および生成ガスを分離してグラニュール4を汚泥床5に還流する山型のグラニュール分離部材3aと、生成ガスと処理水を分離する上下が開放され、上側面にオーバーフロー堰8が設けられた函型の気液分離部材3bとからなり、グラニュール分離部材3aには山型の頂部から所定の距離下がった部分にガス抜き管11が突設されている。また、前記被処理水供給手段2は、嫌気性処理槽1の槽壁に併行し、嫌気性処理槽1の水平方向に所定の間隔で併設された複数の被処理水導入管26からなり、それぞれ被処理水供給管25が接続している。
前記被処理水供給管25には、上流側から有機性排水(以下原水という)を供給する原水供給ポンプ6を具備する原水流通管20および循環された処理水を供給する処理水循環ポンプ7を具備する処理水流通管21と、原水流通管20から下流側で複数に分岐された分岐管20a、20bおよび処理水流通管21から下流側で複数に分岐された分岐管21a、21bと、少なくとも一本の原水分岐管20aと処理水分岐管21aが合流する集合管23および少なくとも一本の原水分岐管20bと処理水分岐管21bが合流する集合管24とが接続し、被処理水供給管25は、それぞれの集合管23および集合管24から複数に分岐され、集合管23からは被処理水供給管25a、25b、25e、25fが分岐され、集合管24からは被処理水供給管25c、25dが分岐されて設けられている。
前記分岐管20a、20bおよび分岐管21a、21bにはそれぞれの流量を制御する流量調節バルブ22a、22bおよび流量調節バルブ22c、22dが具備され、また、被処理水供給管25a、25b、25e、25f、25c、25dにはそれぞれの被処理水の導入量を調節する導入量調節バルブ27a、27b、27e、27f、27c、27dが具備されている。
また、前記被処理水導入管26は、嫌気性処理槽1内壁に併行し、嫌気性処理槽1の水平方向に所定の間隔で併設され、内壁側から中心側に設けられている被処理水供給管25a・25f、25b・25e、25d・25cと接続する被処理水導入管26a・26f、26b・26e、26c・26dとして設けられている。
次に、本発明の一実施の形態の食品加工排水、醗酵工場排水、下水などの原水の処理方法について説明する。
通常、前記原水は、図示しない調整槽に貯留され、必要によりpHが調整されて前沈殿槽に導入され、被処理水中の夾雑物が固液分離されたのちに被処理水としてUASB装置の嫌気性処理槽1に供給されるが、被処理水水量のみではグラニュールを流動化する上向流量や流速が得られないため、処理水を循環混合して水量の確保が図られている。
通常、前記原水は、図示しない調整槽に貯留され、必要によりpHが調整されて前沈殿槽に導入され、被処理水中の夾雑物が固液分離されたのちに被処理水としてUASB装置の嫌気性処理槽1に供給されるが、被処理水水量のみではグラニュールを流動化する上向流量や流速が得られないため、処理水を循環混合して水量の確保が図られている。
原水は、原水供給ポンプ6で原水流通管20および分岐管20aを経て集合管23に供給され、また、循環処理水は、処理水供給ポンプ7で処理水流通管21および分岐管21aを経て集合管23に供給され、原水と処理水は集合管23で混合される。これらはそれぞれの配管において行われ、混合される原水流量(分岐管20aにおける原水流量をQ1、分岐管20bにおける原水流量をQ2とする。)および処理水流量(分岐管21aにおける処理水流量をQ3、分岐管21bにおける処理水流量をQ4とする。)は流量調節バルブ22a、22bおよび流量調節バルブ22c、22dによりそれぞれ調整される。
前記流量の調整において、被処理水導入管26からの被処理水吐出量を、嫌気性処理槽1の水平方向中心部側に配置された被処理水導入管26c・26dからの被処理水導入流量を内壁側に配置された被処理水導入管26a・26b、26f・26eからの被処理水導入流量よりも多くして導入する。即ち、被処理水流量Q1+処理水流量Q3<被処理水流量Q2+処理水流量Q4とすべく調整されるか、又は、原水流量(Q1、Q2)と処理水流量(Q3、Q4)との混合比率を調整し、嫌気性処理槽1の水平方向中心部側に配置された被処理水導入管26c・26dから供給される被処理水の有機物濃度を内壁側に配置された被処理水導入管26a・26b、26f・26eから供給される被処理水の有機物濃度よりも高くして導入する。即ち、1例として、処理水流量Q3=処理水流量Q4としたときに原水流量Q1<原水流量Q2とすべく調整される。また、被処理水の導入量は嫌気性処理槽1内における容積負荷量を8〜12kg−CODcr/m3・日の範囲になるように調整されるのが好ましい。
本実施の形態では、嫌気性処理槽1の水平方向中心部側に配置された被処理水導入管を2本、内壁側に配置された被処理水導入管を4本としているが、それらの本数は、配置される被処理水導入管の本数により適宜に決定される。即ち、水平方向中心部側に配置される被処理水導入管の少なくとも1本をその他の内壁側に配置された被処理水導入管と相違した条件である前記構成とすればよい。
また、前記では、嫌気性処理槽1が矩形体形状であるが、円柱形状の嫌気性処理槽1であってもよく、その場合の被処理水導入管26は、同心円状に複数配置されるが、水平方向中心部側に配置される被処理水導入管の少なくとも1本をその他の内壁側に配置された被処理水導入管と相違した条件である前記構成とすればよい。
嫌気性処理槽1内に供給された被処理水は、汚泥床5を上向流通することにより、グラニュ−ル4を形成するメタン菌などにより有機物が生物学的に分解される。有機物が分解された処理水は、生成ガスと、気泡が付着したグラニュ−ル4や気泡が内封されたグラニュ−ル4を同伴して上向流通し、上部に設けた三相分離部材3のグラニュール分離部材3aによりグラニュ−ル4および生成ガスが分離され、分離されたグラニュ−ルは沈降して汚泥床5に循環され、また、生成ガスは山型の頂部に滞留してガス抜き管11部に達するとオーバーフローによりガス抜き管11から抜き出され、嫌気性処理槽1の上部に形成されたガス滞留部に供給される。
処理水と生成ガスは、グラニュール分離部材3aを回り込んで上昇し、気液分離部材3bの下端開口部から気液分離部材3b内に流入し、滞留する間に処理水から生成ガスが分離し、分離した生成ガスはガス滞留部に滞留したのちガス排出管10から系外に排出され、必要により設けられた図示しない脱硫装置を経てガスホルダーに貯留され、燃料ガスなどとして用いられる。また、生成ガスが分離された処理水はオーバーフロー堰8を経て処理水排出管9から系外に排出されるが、一部は循環処理水として原水に混合される。
嫌気性処理槽1内に前記調整された流量で導入することにより、流量の多い部分におけるグラニュール4の上昇が流量の少ない部分におけるグラニュール4の上昇よりも高くなるとともに上下方向の循環流が惹起され、グラニュール4の適宜な破壊による内封気泡の放出と付着気泡の剥離が効果的に行われる。また、流量の多い部分におけるグラニュール4の上昇が高くなり過ぎる場合であっても、三相分離部材3のグラニュール分離部材3aにより捕捉され、グラニュールが気液分離部材3b内に流入し、オーバーフロー堰8を経て処理水排出管9から流出する恐れが軽減される。
また、嫌気性処理槽1内に前記調整された有機物濃度で導入することにより、濃度の高い部分におけるガス発生量が濃度の低い部分よりも多くなり、ガスリフト効果により濃度の高い部分におけるグラニュール4の上昇が濃度の低い部分におけるグラニュール4の上昇よりも高くなるとともに上下方向の循環流が惹起され、グラニュール4の適宜な破壊による内封気泡の放出と付着気泡の剥離が効果的に行われる。また、濃度の高い部分におけるグラニュール4の上昇が高くなり過ぎる場合であっても、三相分離部材3のグラニュール分離部材3aにより捕捉され、グラニュールが気液分離部材3b内に流入し、オーバーフロー堰8を経て処理水排出管9から流出する恐れが軽減される。
(実験例)
図1における嫌気性処理槽の有効容量1.2m3の装置を用いて本発明(実施例1、2、3)と従来技術(比較例1)とを比較した実験例について以下詳述する。
図1における嫌気性処理槽の有効容量1.2m3の装置を用いて本発明(実施例1、2、3)と従来技術(比較例1)とを比較した実験例について以下詳述する。
実施例1
CODcr:2400mg/L、SS:100mg/Lの原水を用いて、前記実施の形態の方法におけるQ1=2m3/日、Q2=4m3/日、Q3=3m3/日、Q4=6m3/日、即ち、被処理水の濃度を一定とし、被処理水流量Q1+処理水流量Q3=5m3/日、被処理水流量Q2+処理水流量Q4=10m3/日で被処理水供給手段における吐出流量に差がある状態にして被処理水供給手段から導入した。また、容積負荷量が12kg−CODcr/m3・日として処理した。結果、CODcr:Max360mg/L、Ave290mg/L、SS:Max420mg/L、Ave110mg/Lの処理水が得られ、グラニュールの流出がないことが確認された。
CODcr:2400mg/L、SS:100mg/Lの原水を用いて、前記実施の形態の方法におけるQ1=2m3/日、Q2=4m3/日、Q3=3m3/日、Q4=6m3/日、即ち、被処理水の濃度を一定とし、被処理水流量Q1+処理水流量Q3=5m3/日、被処理水流量Q2+処理水流量Q4=10m3/日で被処理水供給手段における吐出流量に差がある状態にして被処理水供給手段から導入した。また、容積負荷量が12kg−CODcr/m3・日として処理した。結果、CODcr:Max360mg/L、Ave290mg/L、SS:Max420mg/L、Ave110mg/Lの処理水が得られ、グラニュールの流出がないことが確認された。
比較例1
CODcr:2400mg/L、SS:100mg/Lの原水を用いて、前記実施の形態の方法におけるQ1=Q2=1.5m3/日、Q3=Q4=3m3/日、即ち、被処理水流量Q1+処理水流量Q3=4.5m3/日、被処理水流量Q2+処理水流量Q4=4.5m3/日で被処理水と処理水を一定量混合し、被処理水供給手段からの吐出流量及び濃度が均一になるように導入した。また、容積負荷量が6kg−CODcr/m3・日で処理した。結果、CODcr:Max3300mg/L、Ave320mg/L、SS:Max3100mg/L、Ave120mg/Lの処理水が得られ、グラニュールの流出が多いことが確認された。
CODcr:2400mg/L、SS:100mg/Lの原水を用いて、前記実施の形態の方法におけるQ1=Q2=1.5m3/日、Q3=Q4=3m3/日、即ち、被処理水流量Q1+処理水流量Q3=4.5m3/日、被処理水流量Q2+処理水流量Q4=4.5m3/日で被処理水と処理水を一定量混合し、被処理水供給手段からの吐出流量及び濃度が均一になるように導入した。また、容積負荷量が6kg−CODcr/m3・日で処理した。結果、CODcr:Max3300mg/L、Ave320mg/L、SS:Max3100mg/L、Ave120mg/Lの処理水が得られ、グラニュールの流出が多いことが確認された。
実施例2
CODcr:2400mg/L、SS:100mg/Lの原水を用いて、前記実施の形態の方法におけるQ1=1m3/日、Q2=5m3/日、Q3=7m3/日、Q4=3m3/日、即ち、被処理水流量Q1+処理水流量Q3=8m3/日、被処理水流量Q2+処理水流量Q4=8m3/日で被処理水供給手段における吐出流量を一定状態にして被処理水供給手段における濃度に差をつけて導入した。また、容積負荷量が12kg−CODcr/m3・日で処理した。結果、CODcr:Max480mg/L、Ave380mg/L、SS:Max440mg/L、Ave120mg/Lの処理水が得られ、グラニュールの流出がないことが確認された。
CODcr:2400mg/L、SS:100mg/Lの原水を用いて、前記実施の形態の方法におけるQ1=1m3/日、Q2=5m3/日、Q3=7m3/日、Q4=3m3/日、即ち、被処理水流量Q1+処理水流量Q3=8m3/日、被処理水流量Q2+処理水流量Q4=8m3/日で被処理水供給手段における吐出流量を一定状態にして被処理水供給手段における濃度に差をつけて導入した。また、容積負荷量が12kg−CODcr/m3・日で処理した。結果、CODcr:Max480mg/L、Ave380mg/L、SS:Max440mg/L、Ave120mg/Lの処理水が得られ、グラニュールの流出がないことが確認された。
実施例3
CODcr:2400mg/L、SS:100mg/Lの原水を用いて、前記実施の形態の方法におけるQ1=1m3/日、Q2=5m3/日、Q3=3m3/日、Q4=6m3/日、即ち、被処理水供給手段における被処理水の濃度に差をつけ、被処理水流量Q1+処理水流量Q3=4m3/日、被処理水流量Q2+処理水流量Q4=11m3/日で被処理水供給手段における吐出流量に差がある状態にして被処理水供給手段から導入した。また、容積負荷量が12kg−CODcr/m3・日で処理した。結果、CODcr:Max340mg/L、Ave250mg/L、SS:Max390mg/L、Ave110mg/Lの処理水が得られ、グラニュールの流出がないことが確認された。
CODcr:2400mg/L、SS:100mg/Lの原水を用いて、前記実施の形態の方法におけるQ1=1m3/日、Q2=5m3/日、Q3=3m3/日、Q4=6m3/日、即ち、被処理水供給手段における被処理水の濃度に差をつけ、被処理水流量Q1+処理水流量Q3=4m3/日、被処理水流量Q2+処理水流量Q4=11m3/日で被処理水供給手段における吐出流量に差がある状態にして被処理水供給手段から導入した。また、容積負荷量が12kg−CODcr/m3・日で処理した。結果、CODcr:Max340mg/L、Ave250mg/L、SS:Max390mg/L、Ave110mg/Lの処理水が得られ、グラニュールの流出がないことが確認された。
1:嫌気性処理槽
2:被処理水供給手段
3:三相分離部材
3a:グラニュール分離部材
3b:気液分離部材
4:グラニュ−ル
5:汚泥床
6:原水供給ポンプ
7:処理水循環ポンプ
8:オーバーフロー堰
9:処理水排出管
10:ガス排出管
11:ガス抜き管
20:原水流通管
21:処理水流通管
23、24:集合管
25:被処理水供給管
26:前記被処理水導入管
2:被処理水供給手段
3:三相分離部材
3a:グラニュール分離部材
3b:気液分離部材
4:グラニュ−ル
5:汚泥床
6:原水供給ポンプ
7:処理水循環ポンプ
8:オーバーフロー堰
9:処理水排出管
10:ガス排出管
11:ガス抜き管
20:原水流通管
21:処理水流通管
23、24:集合管
25:被処理水供給管
26:前記被処理水導入管
Claims (3)
- 底部に有機性排水と循環処理水とを混合した被処理水を供給する被処理水供給手段、上部に処理水排出手段及び生成ガス排出手段を配設した嫌気性処理槽にあって、該嫌気性処理槽内の下方に自己造粒汚泥により形成された汚泥床、該汚泥床の上方部にガス、液及び汚泥の三層に分離する三層分離部及び頂上部にガス滞留部が形成され、有機性排水を上向流通させて処理する上向流嫌気性処理装置において、被処理水供給手段が嫌気性処理槽の槽壁に併行し、処理槽の水平方向に所定の間隔で併設された複数の被処理水導入管からなり、被処理水を供給するにあたり、有機性排水の供給量と処理後の処理水の循環供給量とを調節し、嫌気性処理槽の水平方向中心部側に配置された少なくとも1本の被処理水導入管からの被処理水導入流量を、内壁側に配置された被処理水導入管からの被処理水導入流量よりも多くして処理することを特徴とする上向流嫌気性処理方法。
- 底部に有機性排水と循環処理水とを混合した被処理水を供給する被処理水供給手段、上部に処理水排出手段及び生成ガス排出手段を配設した嫌気性処理槽にあって、該嫌気性処理槽内の下方に自己造粒汚泥により形成された汚泥床、該汚泥床の上方部にガス、液及び汚泥の三層に分離する三層分離部及び頂上部にガス滞留部が形成され、有機性排水を上向流通させて処理する上向流嫌気性処理装置において、被処理水供給手段が嫌気性処理槽の槽壁に併行し、処理槽の水平方向に所定の間隔で併設された複数の被処理水導入管からなり、被処理水を供給するにあたり、有機性排水の供給量と処理後の処理水の循環供給量とを調節し、嫌気性処理槽の水平方向中心部側に配置された少なくとも1本の被処理水導入管から導入される被処理水の有機物濃度を、内壁側に配置された被処理水導入管から導入される被処理水の有機物濃度よりも高くして処理することを特徴とする上向流嫌気性処理方法。
- 嫌気性処理槽内における容積負荷量を8〜12kg−CODcr/m3・日の範囲になるように有機性排水の供給量と処理後の処理水の循環供給量とを調節して、被処理水供給手段から被処理水を供給する請求項1又は請求項2に記載の上向流嫌気性処理方法。
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2004
- 2004-09-29 JP JP2004284448A patent/JP2006095421A/ja active Pending
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