JP4312834B2 - タンパク質の改良原核発現 - Google Patents
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Description
タンパク質の工業生産は、多くの場合、微生物、特に細菌の天然の発現系と分泌系を利用している。非限定的な例として、バシラス・サブチリス(Bacillus sabtilis;枯草菌)が多数のタンパク質を生産しそして分泌することが知られている。それらのタンパク質のうちの1つ、α−アミラーゼは工業的に重要であり、従ってこの分泌されたタンパク質の収得活動が産業により現在実施されている。しかしながら、このタンパク質の収率は、細胞膜を通る通過中または直後にタンパク質分解によって有意に減少する。
従って、当然のこととして、天然のタンパク質または実際に異種もしくは組換えタンパク質の生産を増強する、より具体的にはタンパク質分解を減少させることによってこの生産を増強する、タンパク質発現系を提供する必要があるということになる。
異種タンパク質、即ち、特定の細菌にとって天然ではないタンパク質、を発現しそして有利には分泌する微生物を提供することも知られている。この種の系は、典型的には、組換えタンパク質を製造または生産することを目指して、異種DNAにより細菌細胞を形質転換せしめることを含む。エシャリキア・コリ(Esherichia coli)(細菌)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)およびニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)(以上、真菌)のような微生物がこの方法で使われている。
それらの原始的な真核生物中での異種タンパク質の発現により、幾つかの望ましい真核翻訳後修飾がそれらの異種タンパク質中に起こり、その結果発現されるタンパク質の安定性の増加やその後の収率の改善をもたらし得る。より最近になって、様々な理由で原核宿主細胞中では発現できない真核タンパク質の発現を容易にするために、哺乳動物細胞や昆虫細胞培養系の使用が開発された。
しかしながら、組換えタンパク質を生産する原価効率が相変わらず、遺伝子操作された原核発現系によって付与される主な利点であり、事実、特定の組換えタンパク質の収率を増加させる遺伝子操作されたE.コリ株の開発が大きく進歩した。それらの菌株の発達は、組換えタンパク質の発現を最適にするように改良された一層効率的なベクターの更なる発達とも融和した。それらのベクターは一般に、容易にスイッチオンまたはスイッチオフすることができるプロモーター要素を含有する。
しかしながら、組換えタンパク質を発現させる手段としてE.コリを使用する時には、2つの主な欠点が存在する。第一に、高レベル発現は、細菌細胞質中で「封入体」として組換えタンパク質の沈澱を引き起こすことがある。それが可溶性内因性E.コリタンパク質から不溶性組換えタンパク質を分離する簡単な手段を提供できるために、この特徴は有利であると考えられていた。しかしながら、多くの場合にタンパク質は強力なカオトロピック剤を使うことによってしか溶液中に遊離せしめることができない不溶性沈澱物として残るので、実はこの利点は系の一般的特徴ではない。これは、問題のタンパク質が特に不安定であり、従って分解によって生化学的活性または生物学的活性を損失してしまう場合には重大な問題点を提供する。第二に、E.コリ中での外来タンパク質の発現は、効率的なタンパク質分解系によるそれらのタンパク質の迅速な分解を引き起こす。従って、E.コリ細胞からの完全な組換えタンパク質の単離に関して難点が生じる。
E.コリ株(TOPPシリーズ,BL21)を操作することにより、通常はE.コリの典型的実験株中で発現させるのが困難であった組換えタンパク質の発現が可能になった。しかしながら、それらの操作されたE.コリ株は、E.コリの典型的実験株ほどには生物学的に無力でなく、結果として通常必要とされるよりも高い含有レベルを必要とする。
別の原核宿主細胞の同定および可溶性で完全で且つ生物学的に活性なタンパク質の生産を促進する手段の開発は明らかに望ましいことである。しかしながら、可能性のある原核宿主細胞の数は著しく大きい。
新規タンパク質発現系の作製に関して、本発明者らは、従来技術の系に伴う収率の問題を解決する発現系を提供するために、一例として遺伝子操作されたバシラス・サブチリスを選んだ。本発明者らは、タンパク質(天然および/または異種および/または組換えタンパク質)を生産しそして理想的には培地中に分泌する細菌発現系を提供することに注意を集中した。何故なら、この系は、汚染する内因性細菌タンパク質や他の巨大分子が存在しないために、製造されたタンパク質の精製を可能にするからである。
分泌されるプロテアーゼをコードする多数のB.サブチリス遺伝子が同定されている。例えば、非限定的に、B.サブチリスのaprE,nprE,bpf,mpr,epr,nprおよびvpr遺伝子は細胞外プロテアーゼをコードする。それらのプロテアーゼは培地中に分泌され、そしてB.サブチリスゲノムからのそれらの欠失は細胞外プロテアーゼ活性を野性型株の1%未満に減少させる。この事実にもかかわらず、実験的証拠は、細胞外プロテアーゼを欠いたB.サブチリス株でもまだタンパク質分解による分泌タンパク質生産の有意な損失を示すことを示唆している。
細胞壁関連プロテアーゼの同定は、それがB.サブチリスにおける天然および/または異種および/または組換えタンパク質の発現および分泌に何らかの役割を果たしているのかどうか、そしてそのプロテアーゼが分泌タンパク質生産レベルを決定するのに重要な役割を果たしているのかどうかを調べることに本発明者らを導いた。
壁(wall)プロテアーゼ(protease)A(wprA)遺伝子は、シグナルペプチド、プロペプチド、および合成され輸送されると2つの細胞壁結合タンパク質CWBP23とCWBP52を与えるプロテアーゼ、を含有する96kDaポリペプチドをコードする(図1)。CWBP52ポリペプチドは、セリンプロテアーゼの阻害剤であるPMSFによって阻害されるプロテアーゼ活性を有する。wprA遺伝子の欠失は、増殖速度、細胞形態、胞子形成または運動性に関して何ら顕著な表現型を引き起こさない。
wprAは次の特徴によって特徴付けられる;ポリペプチドが細胞壁関連型であり、そして指数増殖期および定常増殖期の両方に渡り発現される。
本発明者らは、特に異種タンパク質の分泌についてwprA欠失株の表現型を調べようと決意した。
相同組換えを使って、B.サブチリスゲノム由来のwprA遺伝子が誘導性プロモーターの調節下に置かれた株を作製した。上述したように、このwprA調節可能株は、誘導因子の欠損下であっても明白な表現型を持たない。しかしながら、驚くべきことに、天然の細菌性モデルタンパク質であるB.リヘニフォルミス(B. licheniformis)由来α−アミラーゼ(AmyL)の収率を野性型およびwprヌル株のものと比較すると、指数増殖期の終わりに検出されるα−アミラーゼの量に約25%の増加が観察された(図2A参照)。長期インキュベーション後には収率が更に41%に増加した(図3)。wprA遺伝子をノックアウトすることも、野性型wprA株に比べると変異型α−アミラーゼ,AmyLQS50.5の収率を増加させた(図2B)。このことは、wprA遺伝子をスイッチオフまたは欠失させることが、B.サブチリス中での相同または異種分泌タンパク質の生産を有意に増強することを示唆する。
天然、異種または組換えタンパク質の分泌に関するwprA遺伝子の重要性も、分泌経路に関与する追加の遺伝子を同定することを試みる実験によって証明される。本発明者らは、キメラα−アミラーゼ遺伝子を発現するベクターにより形質転換されたB.サブチリス株CJ278を使用した。キメラα−アミラーゼ遺伝子およびB.サブチリス株作製の詳細については「材料と方法」の項目を参照のこと。この株は、野性型α−アミラーゼを分泌する野性型株による分泌レベルに比較して減少したキメラ型α−アミラーゼ分泌を示した。本発明者らは、ミニTn 10デリバリーベクターpIC333を使ったトランスポゾン変異誘発を用いた。B.サブチリスゲノム中へのこのトランスポゾンの組み込みはランダムである。スクリーニングは、キメラα−アミラーゼの分泌の増加を示す、組み込み変異体の同定を伴った。こうして同定された変異型株からプラスミドDNAを救済しそしてトランスポゾン組み込み部位の周辺の隣接領域を配列決定して、トランスポゾンが組み込まれたB.サブチリスゲノムの領域を決定することにより、変異型株を更に分析した。トランスポゾン変異体TK108から救済したプラスミドの配列は、トランスポゾンが2059位のところでwprA遺伝子中に挿入されていたことを示す。
従って、WprAの欠損がB.サブチリス由来の天然、異種または組換えタンパク質の分泌を促進することは明らかである。
よって、本発明の目的は、生物学的に活性な形態で且つ高濃度でのポリペプチドの生産を可能にする原核発現系において組換えタンパク質を発現させる手段を開発することである。
本発明の更なる目的は、培地中への組換えタンパク質の分泌を可能にすることで、生物活性を保持している完全な組換えタンパク質の精製を容易にする原核発現系を開発することである。
本発明の第一の面によれば、天然、異種または組換えタンパク質を生産するための菌株の使用が容易になる程度に、wprA遺伝子産物の生産が妨げられるかまたは遺伝子産物が非機能的であるように、wprA遺伝子産物またはそれの対応するプロモーターが欠失および/または挿入および/または突然変異および/または置換により改変されている菌株が提供される。
本発明の好ましい態様では、前記菌株が、前記改変前には、前記wprA遺伝子に対して野性型である。
更に好ましい態様では、前記菌株がグラム陽性菌である。
更に別の好ましい態様では、前記菌株がバシラス属の菌株である。
本明細書中で使用する菌株という用語は、任意の菌株であるが理想的にはグラム陽性菌株を包含し、そしてより理想的であるが必須ではなく、バシラス属の菌株を包含する。
異種タンパク質を生産せしめようとする場合、少なくとも1つの選択された天然および/または異種および/または組換えタンパク質をコードするDNAを含むように前記菌株が形質転換されるだろうということは、当業者に明白であろう。
本発明の好ましい態様では、前記株はwprA遺伝子の少なくとも一部分を欠失させるように操作される。理想的には、該遺伝子のかなりの量を欠失させるが、本発明のある面では、プレ配列もしくはその一部分、またはプロ配列もしくはその一部分、またはセリンプロテアーゼ配列またはその一部分を欠失させる。あるいは、遺伝子の特定の別の部分を欠失させてもよく、または所定の部分の組合せを欠失させてもよい。
本発明の別の態様では、遺伝物質、wprA遺伝子の発現または機能的タンパク質産物の少なくとも一部分の合成を妨げるために、少なくとも1つの所定の位置においてwprA遺伝子中に挿入せしめることができる。
あるいは、wprA遺伝子の発現またはタンパク質産物の合成のいずれかを妨げるために、少なくとも1つの特定の点変異を前記遺伝子中に提供することができる。例えば、非限定的に、終止コドンをコードして機能的タンパク質の合成を抑制するように、該遺伝子の読み枠を変更することができる。
本発明の更にまた別の好ましい態様では、発現調節配列の修飾によって、理想的には、プロモーターが特定のシグナルに対して応答するようにするプロモーターの修飾によって前記wprA遺伝子が変更され、例えば、wprA遺伝子産物の発現を選択的に制御できるようにwprA遺伝子を誘導性プロモーターの調節下に置くことができる。
本発明の好ましい態様では、菌株がバシラス属の菌株であり、そして理想的には、バシラス・サブチリス種またはそれの近縁種、例えばB.アミロリクエファシエンス(B. amyloliquefaciens)、B.リヘニフォルミス(B. licheniformis)およびB.ステアロサーモフィラス(B. stearothermophilus)である。
wprA遺伝子がそれの推定アミノ酸配列によれば特定領域を有するタンパク質をコードすることに注目されたい。該ポリペプチドは、Margot & Karamata(Microbiology 1996, 142:3437-3444)において正確に定義されているようにシグナルペプチド、プロペプチドおよびプロテアーゼポリペプチドに分けることができる。シグナルペプチドは、細胞膜の向こう側へのトランスロケーション(輸送)に必要な分泌装置へとwprA遺伝子産物を差し向けることに関与する。プロペプチドは多分、生物学的に活性な形へのCWBP52タンパク質の折り畳みと成熟に関与するチャペロン(chaperone)型分子であろう。プロペプチドは安定でありそして他の重要な機能を果たすのかもしれない。プロテアーゼポリペプチドは、効率的にターゲティングしそして効率的に機能を果たすのにプレ配列とプロ配列の両方の存在を必要とするだろう。
本発明の第二の面によれば、核酸塩基対+154から+247まで(+154と+247を含む)の図1に記載の配列または相同遺伝子の対応部分、の少なくとも一部分に欠失を有するバシラス属、理想的にはB.サブチリス種の菌株が提供される。
好ましい態様では、WprA前駆体タンパク質のコード配列のシグナルペプチドをコードするwprA遺伝子の部分が欠失したB.サブチリス株が提供される。
本発明の第三の面によれば、核酸塩基対+154から+1392まで(+154と+1392を含む)の図1に記載の配列または相同遺伝子の対応部分の少なくとも一部分の欠失を有する、菌株、好ましくはバシラス属の菌株、理想的にはB.サブチリスの菌株が提供される。
好ましい態様では、前記菌株は、付加的にあるいは代替的に、核酸塩基対+247から+1392までの図1に記載のDNA配列または相同遺伝子の対応部分の少なくとも一部分の欠失により、変更されてもよい。
更に別の好ましい態様では、前記B.サブチリス株は、ポリペプチドCWBP23の少なくとも一部分をコードするwprA遺伝子の部分を欠失している。
本発明の第四の面によれば、核酸塩基対+1392から+2835まで(+1392と+2835を含む)の図1に記載の配列または相同遺伝子の対応部分の少なくとも一部分の欠失を有する菌株、好ましくはバシラス属の菌株、理想的にはB.サブチリス種の菌株が提供される。
好ましい態様では、CWBP52ポリペプチドの少なくとも一部分をコードするwprA遺伝子部分が欠失したB.サブチリスが提供される。
本発明の更に好ましい態様では、前記菌株は核酸塩基+247から+2835までの図1に記載の配列の少なくとも一部分を欠失している。
本発明の更に好ましい態様では、提唱されるプロペプチド(CWBP23)またはセリンプロテアーゼ(CWBP52)のいずれか一方または両方をコードするwprA遺伝子の部分が欠失したB.サブチリス株が提供される。
更に好ましい態様では、前記株が、セリンプロテアーゼであるポリペプチドをコードする遺伝子の部分に欠失を含む。
本発明の更に別の面では、所望のポリペプチドの生産方法であって、上述したような菌株を、前記着目のポリペプチドの生産を可能にする条件下で増殖させそして前記着目のポリペプチドを回収することにより、前記ポリペプチドの生産に使うことを特徴とする方法が提供される。
着目のポリペプチドは、問題の株にとって内因性であっても異種であってもよい。
この面の一態様によれば、前記菌株は宿主として使われ、その中に前記着目のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド構成物を機能的な形態において導入し、それによって前記株が前記ポリペプチドを発現することができる。
ポリヌクレオチド構成物は、当該技術分野で既知の任意方法、例えば形質転換、接合またはプロトプラスト形質転換などにより、株中に導入することができる。この構成物は、前記ポリヌクレオチド構成物を微生物細胞中に導入するのに使われる特定の方法に適したプラスミドまたは他のベクターであることができる。
細胞中、前記構成物はプラスミド上にあってもよく、または前記株の染色体中に組み込まれてもよい。更に、それは単一コピーとして、または増幅もしくは多重組み込みのいずれかにより提供された多重コピーにおいて存在してもよい。
ポリペプチドは、いずれの種類のペプチドまたはタンパク質であってもよく、特に工業用酵素であることができる。前記酵素は、本発明に従って株内で生産することができるいずれの酵素であってもよく、例えばカルボニルヒドロラーゼ、カルボヒドラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、オキシドレダクターゼ、グルコアミラーゼまたはエステラーゼであることができる。
本質的に、本発明は、wprA遺伝子またはそれの相同体(前記遺伝子は細胞壁関連セリンプロテアーゼをコードする)が全体的にまたは一部分で、突然変異、置換、挿入または欠失によって改変された菌株、理想的にはB.サブチリス株を提供する。B.サブチリス中に追加の細胞外プロテアーゼ遺伝子が存在するとすれば、単一コピーwprA遺伝子の欠失が内因性タンパク質と異種組換えタンパク質の両方の生産に対して有意な効果をもたらすということは驚くべきことである。
本発明の一態様を、下記の図面を参照しながら例示目的でのみ記載することにする。
図1は、wprA遺伝子を含むB.サブチリスゲノム領域のヌクレオチド配列およびそれの産物WprAのアミノ酸配列を示す。
図2Aは、培地中に放出されたα−アミラーゼの収率を表す。塗り潰した記号は増殖を表し、そして白抜きの記号はα−アミラーゼ活性を表す。B.サブチリス株KS408(■),IPTG(10mM)処理した(◆)または処理しない(●)KS408 wprA::pMutin2。
図2Bは、図2Aに記載の実験と同様であるが、B.サブチリス株が組換え生産されるキメラα−アミラーゼ(AmyLQS50.5)を発現している。wprA遺伝子産物の誘導に関する実験の詳細は図2Aに記載の通りであり、そして「材料と方法」の項目において詳述されている。
図2Cは、誘導性wprA遺伝子をコードするB.サブチリス株の作製を表す略図である。塗りつぶしたフラッグは天然のwprAプロモーター(PwprA)を表し、白抜きのフラッグは、IPTG誘導性プロモーター(Pspac)を表す。Ori EcはE.コリ複製開始点を表し;AはpMutin2中のBamHI部位中へのwprA PCR 5′断片のサブクローニングを表し;BはpM2wprAFPとB.サブチリスwprA遺伝子との間の1回乗換え現象を表し;Cは相同組換えによるB.サブチリス染色体中へのpM2wprAFPの組み込みを表し;そしてDは組み込み現象後のB.サブチリス染色体の構造を表す。
図3は、IPTGの非存在下または存在下、IPTG誘導性プロモーターの調製下でwprA遺伝子産物を有する株中と野性型B.サブチリス株中でのAmyL生産の比較である。B.サブチリスの培養物を定常期にまで増殖させ、そして指数増殖期の間および定常期の約30時間の後AmyL活性を比較した。
図4は、wprA遺伝子産物の存在下および非存在下での指数的に増殖しているB.サブチリスからのAmyLの分泌速度論を表す。株KS408およびKS408wprA::pMutin2 +/- 10mM IPTGにおいて実施したパルス追跡実験からの代表的データ。(A)免疫沈澱とSDS-PAGE後のパルス追跡AmyLのオートラジオグラフ。上のパネルは、全培養試料から免疫沈澱させた前駆体(p)および成熟(m)AmyLを示し、そして下のパネルは培地中に放出された成熟AmyL(m)を示す。追跡後様々な時間間隔での異なるAmL形態のリン光イメージングによる定量。全培養試料中のAmyL前駆体( )および成熟AmyL(◆)、並びに増殖培地中に放出された成熟AmyL(●)。AmyLの各形態の量は、パルス中に合成された全AmyL(前駆体+成熟)の百分率として表す。
図5は、放出された成熟AmyLのデータを全培養試料において得られたものから差し引くことにより求められたAmyLの細胞関連分解を表す。各間隔でのAmyLの量は、パルス中に合成されたAmyL(前駆体+成熟)の最大量の百分率(%)として表す。
図6は、4℃における消耗した培地中でのAmyLの安定性を表す。(A)10mM EDTAの非存在下(■)または存在下(◆)での各時間間隔のα−アミラーゼ活性。(B)10mM EDTAの非存在下または存在下での各時間間隔での消耗した培地中のAmyLのウエスタンブロット。
図7は、wprAΔ−lacZ転写融合を使ったwprA遺伝子の転写活性を表す。B.サブチリスKS408(■)の培養物およびIPTG(10mM)の存在下(◆)または非存在下(●)でのKS408wprA::pMutin2の培養物において、増殖(塗り潰した記号)およびβ−ガラクトシダーゼ活性(白抜きの記号)を測定した。
表2は、長期バッチ醗酵における高栄養性工業用培地中でのwprA遺伝子産物の非存在下または存在下でのB.サブチリスによるAmyLα−アミラーゼの生産を示す。各株を37℃で約7日間増殖させ、この期間の終わりに上清中のα−アミラーゼ活性を測定した。実験の詳細は「材料と方法」の項目に提供される。
材料と方法
内因性および異種組換えタンパク質の分泌に際してのwprA遺伝子産物の改善の初期分析として、単一コピーwprA遺伝子プロモーターがIPTG誘導性プロモーターに置き換えられたB.サブチリス株の作製を扱う。IPTGが存在しない場合、wprA遺伝子の発現は抑制される。IPTGを添加するとwprA遺伝子が誘導される。
あるいは、上記記載および下記の方法に詳述するように、B.サブチリスゲノムからwprA遺伝子を完全にまたは部分的に欠失させることができる。
菌株
使用した菌株を表1に示す。
増殖培地
B.サブチリスとE.コリは、1%w/v可溶性デンプンを含みそして1.5%w/v寒天で固めた抗生物質培地No.3(Difco)上に維持した。バッチ培養物を、トリプトン(1.6%w/v)、酵母エキス(1.0%w/v)およびNaCl(0.5%w/v)を含む2×YTブロス中で増殖させた。必要ならば次の最終濃度になるように増殖培地中に抗生物質を含めた:クロラムフェニコールg/ml、アンピシリンg/mlおよびエリスロマイシンg/ml。キシロース(1%w/v)を加えてキシロース誘導性プロモーターからのα−アミラーゼの合成を誘導した。更にジャガイモデンプン(100g/l)、大麦粉(50g/l)、BAN 5000 SKB(0.1g/l)、カゼイン酸ナトリウム(10g/l)、大豆ミール(20g/l)、Na2HPO4・12H2O(9g/l)およびプルロニック(0.1g/l)を含有する工業用培地中で、B.サブチリス野性型株およびwprA遺伝子産物を欠いた株におけるα−アミラーゼ生産の比較も行った。野性型株の場合には培地に6g/mlのクロラムフェニコールと0.2%キシロースを補足した。wprA欠失株には培地に6g/mlのクロラムフェニコール、5g/mlのエリスロマイシンおよび0.2%キシロースを補足した。
DNA操作および細菌の形質転換
E.コリの制限消化、DNA断片精製、連結および形質転換は以前に記載された通りに実施した(Sambrook他,1989)。IGiゲノム抽出キット(Immunogen International)を使ってB.サブチリスから染色体DNAを単離した。PCRは、鋳型としてB.サブチリスDN1885染色体DNAを用いてTaq DNAポリメラーゼ(Appligene)を使って行った。E.コリとB.サブチリスから、Tip-100プラスミド抽出キット(Qiagen)を使ってプラスミドDNAを抽出した。PCR用のオリゴヌクレオチドプライマーはBeckman Oligo 1000を使って合成した。B.サブチリスを適性にまで増殖させ、そして組み込みプラスミドを使って形質転換せしめた。
α−アミラーゼアッセイ
分泌されたα−アミラーゼの量は、Phadebas α−アミラーゼアッセイキット(Kabi Pharmacia)を使って定量した。培養試料から超遠心分離によって細胞をペレットにし、そして前記製造業者により記載された通りに上清中のα−アミラーゼ活性を測定した。
誘導性wprAをコードする株の作製
wprA遺伝子の産物がAmyLのトランスロケーション時またはトランスロケーション後の分解に関係しているかどうかを調べるために、該遺伝子の完全なコピーがイソプロピルチオ−β−D−ガラクトシド(IPTG)誘導性Pspacプロモーターの調節下にあるようなB.サブチリス株を作製した。このような構成物は、pMutin2組み込みベクターを使って作製した。B.サブチリスKS408染色体DNAから、オリゴヌクレオチドプライマーWPR-F(5’GCGCGCGCGGATCCGGGATAACATGAAACGC 3’)とWPR-R(5’GCGCGCGCGGATCCCCATCCTCCGCTGTG 3’)を使ったPCRにより、wprA遺伝子の5′末端に相当する357塩基対DNA断片を増幅せしめた。この断片を、宿主としてE.コリXL1-Blueを使ってpMutin2のユニークBamHI制限部位中にクローニングした。
得られたプラスミドpM2wprAFPを用いてB.サブチリスK408を形質転換せしめ、KS408 wprA::pMutin2株を得た。KS408 wprA::pMutin2のwprA遺伝子はPspacプロモーターの調節下にあるので、それの発現はIPTGの存否によって制御することができる。更に、天然のwprAプロモーターとlacZとの転写融合体(wprAΔ−lacZ)を作製して、β−ガラクトシダーゼ活性によってwprAの発現をモニタリングできるようにした(図7)。
B.サブチリスDN1885 wprA遺伝子中の欠失によるWprA陰性株の作製
次の4段階において、B.サブチリスDN1885からのwprA遺伝子のN末端断片(bp 133〜bp 615)およびC末端断片(bp 2364〜bp 2781)をコードするプラスミドpCJ791を作製した。
i)次のオリゴヌクレオチドプライマー
を使って、B.サブチリスDN1885から、PCRによりwprA遺伝子の382bpのN末端断片を増幅せしめた。
この断片は、5′末端にEcoRI制限部位を有しそして3′末端にBalII制限部位を有した。同様にして、次のオリゴヌクレオチドプライマー
を使って、B.サブチリスDN1885から、PCRによりwprA遺伝子の419bpのC末端断片を増幅せしめた。
この断片は、5′末端にBglII制限部位を有しそして3′末端にHindIII制限部位を有した。
ii)wprA遺伝子のN末端配列とC末端配列をコードする2つのDNA断片をBglII制限酵素で消化し、そして連結して801bpの断片を得た。オリゴヌクレオチドプライマーCLJe7とCLJe10を使って、連結混合物から前記801bp断片をPCRにより増幅せしめた。増幅された801bp断片をEcoRIとHindIII制限酵素で消化した。
iii)プラスミドpSJ2739(特許出願WO96/23073に記載,図6)から4.4kbp EcoRI-HindIII断片を精製し、それを前記801bp断片用のベクターとして使用した。このプラスミドは、プラスミドの複製が温度感受性であることを意味するpE194複製開始点に基づく。
iv)2つのEcoRI-HindIII断片(801bpと4.4kbp)を連結せしめ、そして宿主株としてB.サブチリスDN1885を使って28℃でエリスロマイシンに対する耐性について選択することにより、プラスミドpCJ791を得た。
37℃にてエリスロマイシンに対する耐性を選択することにより、プラスミドpCJ791をB.サブチリスDN1885の染色体中に組み込んだ。pCJ791はpE194複製開始点に基づいているので、1つのプラスミドwprA配列と対応する染色体wprA配列の間で1回の相同乗換え組換えによりプラスミドが染色体中に組み込まれた形質転換体を選択した。組み込み現象の結果として2つのタイプの組み込み体株を得ることができた。(1)組み込みプラスミドの後方に野性型wprA遺伝子、または(2)野性型wprA遺伝子の後方に組み込みプラスミド。清浄なwprA欠失株の作製のために、両タイプの組み込み体株を使用することができた。よって、組み込み現象はそれ以上調べなかった。
次いで、組み込みプラスミドの遊離をもたらすような1回の相同乗換えにより、清浄なwprA欠失株を作製した。プラスミドを染色体から遊離させることができるやり方は2つある。i)プラスミドを組み込んだのと同じ組換えによるもの、またはii)組み込み現象に関係しなかった配列間の組換えによるもの。第一の場合では、生成する株は染色体上に野性型wprA遺伝子を有するだろう。第二の場合が起こったら、生成する株は染色体上に欠失wprA遺伝子を有するので、それによるのが望ましい現象であろう。組み込まれたプラスミドを遊離させるために、12の形質転換体を非選択下でTY培地中に接種し、そして28℃で一晩培養した。培養物をもう1度新鮮なTY培地中に接種し、28℃で一晩培養した。3回の接種後、培養物を非選択下でLBプレート上に画線し、続いて得られたコロニーをエリスロマイシンに対する感受性について選択した。エリスロマイシン感受性(Erms)の24個のコロニーを、オリゴヌクレオチドプライマーCLJe7とCLJe10を使ってコロニー上で直接PCRにより欠失型wprA遺伝子の存在について確認した。それらのErmsコロニーのうちの34個が染色体上に欠失型wprA遺伝子を有していた。B.サブチリスDN1885ΔwprA株が真正であることを、サザンブロットハイブリダイゼーションにより確かめた。
増加されたレベルの分泌キメラα−アミラーゼを有するwprA変異体の単離
タンパク質の正味電荷が負に帯電したバシラス・サブチリスの細胞壁の通過にどのように影響するかを調べるというねらいの事前研究において、野性型AmyL(バシラス・リヘニフォルミスからのα−アミラーゼ)とキメラ変異体の両方がトランスロケーション時および/またはトランスロケーション後の分解を受けることが観察された。この分解の原因であるプロテアーゼは、タンパク質分解が細胞質膜の外面上で起こるので、おそらく細胞質膜または細胞壁と関連しているようである(“Construction and use of chimeric α-amylase to study protein secretion in B. subtilis”PhD thesis by Keith Stephenson, University of Newcastle Upon Tyne, 1996;“Secretion of chimeric α-amylase from Bacillus subtilis”PhD thesis by Christina Lund Jensen, Technical University of Denmark, 1997)。この分解に関与している因子の研究において、キメラα−アミラーゼ(AmyLQS55-6)を発現するB.サブチリス株CJ278に基づいたスクリーニング系を用意した。トランスポゾン変異誘発により変異体ライブラリーを調製し、次いでアミラーゼスクリーニング用プレート上での増加した輪(halo)の形成によって変異体についてスクリーニングした。
キメラα−アミラーゼAmyLQS55-6の作製
下記に、キメラα−アミラーゼAmyLQS55-6の作製に含まれる段階の概説を与える。詳細な説明は、“Secretion of chimeric α-amylase from Bacillus subtilis”PhD thesis by Christina Lund Jensen, Technical University of Denmark, 1997に与えられている。
B.リヘニフォルミス(B. licheniformis)からのα−アミラーゼ(AmyL)の成熟部分の特定ブロックを、B.アミロリクエファシエンス(B. amyloliquefaciens)からのα−アミラーゼ(AmyQ)またはB.ステアロサーモフィラス(B. Stearothermophilus)からのα−アミラーゼ(AmyS)の対応ブロックと交換することにより、キメラα−アミラーゼAmyLQS55-6を作製した。まず、PCRに基づく試験管内遺伝子スプライシング法であるSOE法(重複伸長による)スプライシング、Horton他,Gene 77, 61-68, 1989)を使って、個々のDNAブロックを作製した。amyL遺伝子は、シグナル配列内にユニークPstI部位を有し且つ転写ターミネーターの3′側にユニークHindIII部位を有する。従って、α−アミラーゼの成熟部分をコードする枠内のPstI-HindIII DNA断片としてamyLQS55-6遺伝子をデザインした。amyLQS55-6遺伝子を、PstI-BamHI断片をカバーするブロック1、KpnI-SalI断片をカバーするブロック3およびSalI-HindIII断片をカバーするブロック4という3つのDNAブロックに分けた。
各ブロックの特徴を、各遺伝子中の開始コドンに関して数えた塩基番号と一緒に下記に与える。
ブロック1:bp 79-132 amyL, bp 151-174 amyS, bp 157-198 amyQ, bp 199-213 amyL
ブロック3:bp 562-993 amyL, by 1018-1095 amyS, bp 1072-1095 amyL
ブロック4:bp 1096-1221 amyL, bp 1237-1419 amyS, bp 1411-1542 amyQ, bp 1537-1798 amyL
ブロック1とブロック3の間にはbp 214-561をカバーする野性型amyLブロックがある。
個々のブロックを正しい順序でpUC19中にクローニングして、成熟AmyLQS55-6タンパク質をコードするPstI-HindIII遺伝子断片を作製した。
個々のブロックの集成には、それらの末端に作られたユニーク制限部位(SOE法により作製した)を利用した。
キメラα−アミラーゼamyLQS55-6の発現
smyLQS55-6遺伝子を、プラスミドによりコードされるxylR遺伝子のコピーと染色体によりコードされるxylR遺伝子のコピーとの間での相同組換えによりB.サブチリス染色体中に組み込んだ。集成したamyLQS55-6遺伝子をプラスミドpCJ92中にクローニングした。プラスミドpCJ92は、キシロース誘導性プロモーター系をコードするpSX63から誘導される(プラスミドpCJ92の作製に関する詳細な情報については、“Secretion of chimeric α-amylases from Bacillus subtilis”Ph. D thesis by Christina Lund Jensen, Technical University of Denmark, 1997を参照のこと)。pCJ92によりコードされるamyLQS55-6遺伝子のEcoRI-BglII断片を、E.コリSJ2中のpUC19のEcoRI制限部位とBamHI制限部位中にクローニングし、プラスミドpCJ272を得た。プラスミドpCJ272は、B.サブチリス中で機能的である複製開始点を含まない。組み込みプラスミドpCJ272をB.サブチリスDN1885中に導入し、そしてクロラムフェニコール耐性コロニーについての選択によって形質転換体を得た。プラスミドによりコードされるxylR遺伝子のコピーと染色体によりコードされるxylR遺伝子のコピーとの間の1回の相同組換えにより、プラスミドをDN1885の染色体中に組み込んだ。
DN1885の染色体中へのα−アミラーゼ発現カセットの組み込みは、α−アミラーゼの生産をキシロースの存在下で誘導できるようにする適当な系をもたらした。
スクリーニング系:
改善されたα−アミラーゼ分泌を有する変異体の同定のためのスクリーニング系は、キメラα−アミラーゼAmyLQS55-6をコードする遺伝子を含有するB.サブチリス株CJ278(DN1885 xylR::pCJ272)に基づいている。野性型AmyLに比較して、CJ278株からのα−アミラーゼ分泌レベルは約1%であり、このことはCJ278がプレート上に小さく且つ十分に明確な輪(halo)を有するコロニーを生じることを意味する。従って、そのコロニーを生成変異体のスクリーニングのための理想的な候補であると見なした。
変異誘発プロトコール:
株CJ278のトランスポゾン変異誘発には、ミニTn 10デリバリーベクターpIC333を使用した(Steinmetz, M. & Richter, R. 1994, J. Bacteriol. 172:5-19)。トランスポゾンの外側に、このプラスミドは、寛大な標的特異性を付与する改変転位酵素遺伝子、温度感受性複製開始点および許容温度での選択に備えるエリスロマイシン耐性遺伝子を担持している。2.2kbpトランスポゾンは、スペクチノマイシン耐性遺伝子とE.コリ中での複製を可能にするpUC8複製開始点をコードする。プラスミドpIC333をCJ278株中に形質転換せしめ、0.4%グルコースとスペクチノマイシン(120μg/ml)が補足されたTY培地にエリスロマイシン耐性形質転換体を接種し、そして28℃で一晩増殖させた。一晩培養物を0.4%グルコースとスペクチノマイシン(120μg/ml)が補足されたTY培地中に1/100希釈した。3時間培養後、温度を37℃に上げ(制限温度である)そして培養物を更に4時間培養した。培養物のアリコートを、0.4%グルコース、0.01Mリン酸塩pH7、0.2%キシロースおよび120μg/mlのスペクチノマイシンが補足されたLB−アミロペクチン(Cibacroneレッドに結合した形)プレート上に移し、そして37℃で一晩インキュベートした。より多量のα−アミラーゼ分泌を示す、特徴的に大きな輪を有するコロニーが1/150の頻度で現れた。親株よりも大きい澱粉分解輪を形成するそのようなトランスポゾン変異体の1つが株TK108であった。
ミニTn 10トランスポゾン中に存在するpUC複製開始点を利用して、TK108株からミニTn 10トランスポゾンとその隣接領域を救済した。TK108染色体をEcoRIで完全消化し、そしてT4 DNAリガーゼを使って連結せしめた。この連結混合物を用いてE.コリSJ2(Diderichsen他,1990, J. Bacteriology 172, 4315-4321)を形質転換せしめ、スペクチノマイシン耐性について選択した。スペクチノマイシン耐性形質転換体からのプラスミドDNAをDNA配列決定に使用した。ジデオキシチェーンターミネーション法(Sanger他,1997)を用い、そしてそれぞれミニTn 10トランスポゾン中の137-117位と2181-2200位に相当するミニTn 10特異的プライマー:5’−CCA ATA CGC AAA CGC CCT CTC-3’および5’-TAG TGA CAT TTG CAT GCT TC-3’を使うことにより、DNA配列を決定した。
トランスポゾン変異体TK108から救済したプラスミドの配列は、トランスポゾンが2059位のところでwprA遺伝子中に挿入されたことを示す。
結果と考察
天然、異種または組換えタンパク質の効率的な別の生産法の開発は明らかに望ましい。異種タンパク質の全部が全部、生物学的に活性な可溶性形態で生産できるわけではないので、そのようなタンパク質の生産を容易にする方法が考案され続けている。
本発明者らは、天然のタンパク質と異種や組換えタンパク質の両方の生産のための代替の宿主細胞として、バシラス属およびそれの近縁の菌を開発するアプローチを採択した。それらの細菌は、バッチ培養において増殖しやすいことと迅速な細胞分離速度、更には高濃度で培地中にタンパク質を分泌する能力のために、他の種を上回る相当な利点を有する。更に、本発明者らは、可溶性タンパク質を培地中に分泌させて、汚染する内因性細菌タンパク質および他の巨大分子からのそのようなタンパク質の精製を容易にする発現系の開発に集中しようと決意した。この方法論の主な問題は、多数の細菌系が細菌細胞の隣接環境においてタンパク質を分解するプロテアーゼを培地中に活発に分泌することである。従って、タンパク質分解活性によるタンパク質の損失を減少させるために、幾つかのB.サブチリスを遺伝子操作して細菌ゲノムからそれらの遺伝子を欠失させた。しかしながら、中でも、細胞外プロテアーゼが多重欠損している株は、溶菌しやすく、それによって周囲の増殖培地中に細胞内容物を放出するようになるので、増殖培地中に細胞内プロテアーゼが放出されるために、更にまだ完全なタンパク質の収率を減少させてしまう。
更に、本発明者らは、分泌されたタンパク質のタンパク質分解が起こる部位を同定するためにパルス追跡標識実験を行った。培地中に放出されたAmyL(モデル分泌タンパク質)の量は、それが一定レベルに到達するまで時間と共に増加すると理解できる。このレベルは、合成された全AmyLのわずか約25%を占め、全培養試料中に残っているAmyLと一致する量である。これは、最初に合成されたAmyLの75%が分解されることを意味する。全培養試料中に観察されたAmyLの量から放出されたAmyLの量を差し引くことによって、追跡溶液の添加後に各時点で細胞関連型のままであるAmyLの比率を求めることにより、AmyL分解が細胞に関連した位置でそして追加溶液の添加後7分以内に起こることを決定することができた(図6)。このデータは、観察されるAmyLの分解が、膜を横切るトランスロケーションの間または直後に且つ細胞に関連した位置で起こることを示唆する。
B.サブチリスのwprA遺伝子は、細胞壁関連セリンプロテアーゼをコードする。wprA遺伝子産物は、分泌装置にプロテアーゼを差し向けるのを助けるプレ配列(シグナルペプチド)、多分チャペロン型活性を有する安定な23kDaタンパク質生成物を生成するプロ配列、および52kDaセリンプロテアーゼから構成される。
本発明者らは、wprA遺伝子をIPTG誘導性プロモーター要素の調節下に置くことによって遺伝子操作した。これは、wprAの発現を単純にIPTGの存在または非存在によって厳格に調節できるようにする。減少したα−アミラーゼ生産を示すB.サブチリス株を、ミニTn 10トランスポゾンを使ってランダムに変異誘発せしめると、増強されたα−アミラーゼ生産を有する組み込み変異体が同定された。救済したTn 10 DNAの配列分析は、組み込み部位がwprA遺伝子にあることを明らかにした。本発明者らは、ゲノムからwprA遺伝子を完全に欠失させるように遺伝子操作されたB.サブチリス株も作製した。
本発明者らは、キメラα−アミラーゼ遺伝子により形質転換された野性型B.サブチリス株DN1885 xy1R::pKS405B、およびキメラα−アミラーゼ遺伝子により形質転換されそしてwprAプロモーター配列がプラスミドpM2wprAFP中に含まれるIPTG誘導性プロモーターによって置き換えられた、野性型B.サブチリス株DN1885 xy1R::pKS408を採用した(材料と方法の項目を参照のこと)。
B.サブチリス培養物中の分泌された野性型α−アミラーゼの活性を10mM IPTGの存在下または非存在下で評価した。wprAがそれの天然のプロモーターから発現される培養物を、対照培養物として使用した。図2Aは、培養物の光学濃度により測定した時、B.サブチリス株の増殖速度および速度論がWprAタンパク質の不在(IPTGを全く添加せず)によって有意には影響を受けないことを示す。しかしながら、10mM IPTGの非存在下では、wprA遺伝子がその天然のプロモーターから発現される野性型株に比較して、培地中のα−アミラーゼ活性が約25%増加する(図2A)。図2Bは、キメラα−アミラーゼの生産に対する同様な効果を示す。
培地中の天然のα−アミラーゼの収率も、B.サブチリス野性型wprA遺伝子またはIPTG誘導性wprA遺伝子の定常期培養物において評価した(図3)。株を約39時間増殖させ、その時点で培養物は約30分間定常期にあった。IPTGの非存在下では、培地中のα−アミラーゼの収率は、天然のプロモーターからwprAを発現する株に比べて約40%増加した。対照的に、IPTGの存在下での(wprAがスイッチオン)KS408 wprA::pMutin2からのα−アミラーゼの収率は低く、そして定常期に移行した時点でのα−アミラーゼの収率はKS408のものの95%であった。
その上、延長したバッチ醗酵培養において工業用栄養培地中で株を増殖させた場合、WprAタンパク質の非存在下でα−アミラーゼ活性が約78%増加した。
これらのデータは、wprAの発現が放出されるα−アミラーゼの収率に著しく影響を与えることを証明する。
本発明者らは更に、KS408およびKS408 wprA::pMutin2中のAmyLの分泌速度論を調べるのに、パルス追跡および免疫沈澱の組合せ技術を使った。培養物を指数増殖期にまで増殖させ(OD600〜0.6)、そしてL−〔35S〕−メチオニンを使ってパルス追跡した。免疫沈澱およびその後のSDS-PAGE後、オートラジオグラフィーによりAmLの前駆体形と成熟形の両方を視覚化した(図4)。KS408の場合、AmL前駆体から成熟形へのプロセシングが迅速であった;追跡直後(0分)に採取した試料では、パルスに合成された全AmyL(前駆体+成熟形)のわずか27%が成熟体形であった(図4)。プロセシングは追跡後5分までに完結し、その時には全部のα−アミラーゼが成熟形にあった。全培養試料(細胞+増殖培地)中の成熟AmyLの量は1分目にピークに達し、その時点から後は、検出された最大値の約25%の一定レベルに達するまで減少した。このことは、細胞膜を通過するトランスロケーション中または直後に有意な量の新たに合成されたα−アミラーゼの有意な損失を意味する。
B.サブチリスからのタンパク質の分泌におけるWprAタンパク質の関与は、キメラα−アミラーゼ分泌の増強を示す変異型株を同定するために採用した変異体スクリーニングによっても確認される。ミニTn 10トランスポゾンは細菌ゲノムDNA中にランダムに組み込まれ、該トランスポゾンが必須遺伝子中に組み込まれなければ、挿入変異を構築する。変異型株TK108は、野性型対照株に比べてキメラα−アミラーゼの分泌の増加を示す。ミニTn 10デリバリーベクターをTK108ゲノムDNAから回収し、そして該ベクターの周りの隣接領域を配列決定して組み込み部位を決定した。トランスポゾンはwprA遺伝子の2059位に組み込まれていた。破壊されたB.サブチリス株TK108は、デンプン寒天プレート上でTK108の周囲に生成する輪の大きさによってモニタリングすると、CJ278(野性型)に比べて増加されたα−アミラーゼ分泌を示した。
結論として、本発明者らは、単一コピーwprA遺伝子をスイッチオフにするか、無能にするか、または欠失されることが、B.サブチリスからの天然、異種または組換えタンパク質の培地中の収率を有意に増加させることを証明した。重要なのは、B.サブチリスの細胞外プロテアーゼがまだ活発に増殖培地中に分泌されることであり、これは分泌されたα−アミラーゼの収率の増加をもたらす重要な一因が、wprA遺伝子によりコードされる細胞壁関連プロテアーゼの除去であるということを示す。
Claims (14)
- wprA遺伝子またはそれの対応するプロモーター中に欠失および/または挿入および/または置換を有するバシラス属の菌株からのポリペプチドの生産方法であって、ここで前記欠失および/または挿入および/または置換は、wprA遺伝子又はWprAタンパク質のいずれかの発現を抑制するものであり、
i 前記ポリペプチドの生産および分泌を誘導する条件下で前記菌株を増殖させ;そして
ii 増殖培地および/または前記菌株から前記ポリペプチドを回収する
ことを含んで成る方法。 - 前記菌株がB.サブチリス、B.アミロリクファシエンス、B.リヘニフォルミスまたはB.ステアロサーモフィラスから選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記ポリペプチドがカルボニルヒドロラーゼ、カルボヒドラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、オキシドレダクターゼ、グルコアミラーゼまたはエステラーゼから選択される、請求項1または2に記載の方法。
- 前記wprA遺伝子が、少なくとも1つの選択された点変異によって突然変異されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記wprA遺伝子に遺伝物質が挿入されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記欠失および/または挿入および/または置換が、wprA遺伝子の発現を選択的に調節する誘導性プロモーターの提供をもたらす、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記菌株が、核酸塩基154から247までの図1に記載の配列の少なくとも一部分の欠失を含有するB.サブチリスである、請求項1、3又は4に記載の方法。
- 前記バシラス株が、WprA前駆体タンパク質のシグナル配列をコードするwprA遺伝子の部分を欠失している、請求項7に記載の方法。
- 前記菌株が、核酸塩基154から1392までの図1に記載の配列の少なくとも一部分の欠失を含有するB.サブチリスである、請求項1、3又は4に記載の方法。
- 前記欠失が、核酸塩基247から1392までの図1に記載の配列の少なくとも一部分を含んで成る、請求項1〜4または8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記wprA遺伝子がCWBP23をコードするwprA遺伝子の少なくとも一部分を欠失している、請求項10に記載の方法。
- 前記菌株が、核酸塩基1392から2835までの図1に記載の配列の少なくとも一部分の欠失を含有するB.サブチリスである、請求項1、3又は4に記載の方法。
- 前記wprA遺伝子がCWBP52をコードするwprA遺伝子の少なくとも一部分を欠失している、請求項12に記載の方法。
- 前記菌株が、前記核酸塩基247から2835までの図1に記載の配列の少なくとも一部分の欠失を含有するB.サブチリスである、請求項1、3又は4に記載の方法。
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