JP4312512B2 - 紙幣識別装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣の使用可能な自動販売機等に用いられる紙幣識別装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の紙幣識別装置としては、紙幣投入口から投入された紙幣を識別する識別部と、紙幣を識別装置本体内の所定位置まで搬送する搬送機構と、所定位置まで搬送した紙幣を所定方向に押圧する押圧機構と、押圧機構によって押圧された紙幣を受容する紙幣収納ユニットとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ところが、前記紙幣識別装置を備えた自動販売機においては、端部にテープやピアノ線、テグス等を接続した真正の紙幣を投入し、識別部によって一旦真正と判別させて商品を購入した後、紙幣収納ユニットに収納された紙幣をテープ等によって外部に引き抜くといった不正行為が行われる場合がある。
【0004】
そこで、このような手段による不正行為を防止するため、紙幣搬送路を間にして対向する一対の通路面にそれぞれ先端を紙幣搬送方向に向けた複数の係止爪を突設し、引き抜こうとする紙幣を何れかの係止爪に係止させて紙幣の引き抜きを阻止するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
米国特許第5988345号明細書
【特許文献2】
登録実用新案第3002945号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、紙幣搬送路内に複数の係止爪を突設した場合には、各係止爪によって紙幣搬送路内が狭くなるため、通常の紙幣搬送時に紙幣詰まりを起こすなど、搬送不良を生じ易いという問題点があった。また、係止爪と同様に機能する回動自在な係止部材を紙幣搬送路内に設け、紙幣搬送時には紙幣の接触によって係止部材を回動させることにより、紙幣詰まりを防止するようにしたものもあるが、このような係止部材を用いたものは構造が複雑であるため、係止部材を紙幣搬送路の各通路面の両方に設けた場合には、部品点数が多くなり、コストが高くつくという問題点があった。
【0007】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、紙幣の引き抜きを確実に防止することができるとともに、部品点数が少なく安価に構成することのできる紙幣識別装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、請求項1では、紙幣投入口から投入された紙幣を識別する識別手段と、紙幣を所定の紙幣搬送路を介して識別装置本体内の所定位置まで搬送する搬送手段と、所定位置まで搬送された紙幣を収納する紙幣収納部とを備えた紙幣識別装置において、前記紙幣搬送路を間にして対向する通路面の一方に他方の通路面に対して進退自在に設けられ、紙幣搬送路内の紙幣に紙幣搬送方向の反対方向に係止可能であるとともに、先端で紙幣を他方の通路面側に押圧する係止部材を備え、他方の通路面には紙幣搬送路内の紙幣に紙幣搬送方向の反対方向に係止可能な段差部を係止部材の紙幣押圧位置よりも紙幣搬送方向の上流側に設け、係止部材の先端で紙幣を他方の通路面側に押圧することにより、紙幣搬送方向の反対方向に移動する紙幣を段差部に係止させるように構成している。これにより、収納された紙幣を引き戻すと、紙幣搬送路内の紙幣が係止部材に係止し、紙幣の引き抜きが阻止される。一方、紙幣が係止部材の先端と他方の通路面との間を通り抜けた場合には、紙幣が係止部材によって他方の通路面側に押圧されるため、紙幣が他方の通路面の段差部に係止し、紙幣の引き抜きが阻止される。この場合、他方の通路面の段差部によって紙幣の引き抜きが確実に阻止されることから、係止部材を他方の通路面側には設ける必要がない。また、通常の紙幣搬送時には紙幣の接触により係止部材が一方の通路面側に後退することから、紙幣詰まりを生ずることがない。
【0009】
また、請求項2では、請求項1記載の紙幣識別装置において、前記段差部を紙幣搬送方向の下流側が上流側よりも低くなるように形成している。
【0010】
また、請求項3では、請求項1または2記載の紙幣識別装置において、前記段差部を他方の通路面のほぼ全幅に亘って形成している。これにより、請求項1または2作用に加え、紙幣搬送路の幅方向何れに位置でも紙幣を段差部に係止させることが可能となる。
【0011】
また、請求項4では、請求項1、2または3記載の紙幣識別装置において、前記他方の通路面に係止部材の先端側を受容する孔を設けている。これにより、請求項1、2または3の作用に加え、係止部材の先端側が他方の通路面の孔に受容されることから、係止部材に係止しようとする紙幣が係止部材の先端と他方の通路面との間を通り抜けることがない。
【0012】
また、請求項5では、請求項1、2、3または4記載の紙幣識別装置において、前記係止部材を自重によって他方の通路面側に紙幣を押圧するように形成している。これにより、請求項1、2、3または4の作用に加え、係止部材が自重によって他方の通路面側に紙幣を押圧することから、係止部材を他方の通路面側に付勢するための付勢手段を別途必要としない。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1乃至図10は本発明の一実施形態を示すもので、図1は紙幣識別装置の斜視図、図2はその側面断面図、図3はその要部側面断面図、図4は本体ケース及び投入口カバーの正面側分解斜視図、図5は本体ケース、搬送ユニット及び押圧ユニットの正面側分解斜視図、図6はその背面側分解斜視図、図7は第1の搬送ユニットの斜視図、図8は押圧ユニットの分解斜視図、図9及び図10は係止部材の動作説明図である。
【0014】
この紙幣識別装置は、識別装置本体をなす本体ケース10と、本体ケース10の前面に取付けられた投入口カバー20と、投入された紙幣Aを搬送する第1及び第2の搬送ユニット30,40と、投入された紙幣Aを識別する識別部50と、各搬送ユニット30,40によって所定位置まで搬送した紙幣Aを後方に押圧する押圧ユニット60と、押圧ユニット60によって押圧された紙幣Aを収容する紙幣収納ユニット70とから構成されている。
【0015】
本体ケース10は背面側を開口した箱状に形成され、その前面下部には投入口カバー20が取付けられる取付板11がネジ12によって固定されている。また、取付板11には投入口カバー20によって覆われる開口部11aが設けられ、開口部11aの上方には投入口カバー20を係止するための孔11bが幅方向二箇所に設けられている。
【0016】
投入口カバー20は正面形状が略四角形をなす合成樹脂の成型品からなり、その周縁には本体ケース10側に当接するフランジ部20aが設けられている。投入口カバー20の前面は前方に向かって下り傾斜をなすように突出しており、その前面下端側には紙幣投入口20bが設けられている。また、投入口カバー20の上端側及び下端側には本体ケース10に係止する第1の係止部21及び第2の係止部22がそれぞれ幅方向一対ずつ設けられている。即ち、第1の係止部21は上方のフランジ部20aに設けられ、取付板11の孔11bの縁部に係止するようになっている。また、第2の係止部22は上下方向に弾性変形可能に形成され、取付板11の開口部11aの下端縁に係止するようになっている。
【0017】
第1の搬送ユニット30は、第2の搬送ユニット40の上方に配置されるユニット本体31と、ユニット本体31に回動自在に取付けられた複数のガイドローラ32と、各ガイドローラ32に巻き掛けられた無端状のベルト33とからなり、各ガイドローラ32及びベルト33はユニット本体31の両側部にそれぞれ設けられている。各ガイドローラ32はユニット本体31の背面側及び下面側に配置され、各ベルト33によって互いに連動して回転するようになっている。また、ユニット本体31の背面側上部に配置された各ガイドローラ32は互いにシャフト34を介して連結されており、その一方には歯車35が取付けられている。即ち、各ガイドローラ32は歯車35から入力される回転力によってそれぞれ回動するようになっている。この場合、第1の搬送ユニット30は押圧ユニット60側に配置されたモータ36によって駆動されるようになっており、モータ36の回転力は押圧ユニット60側に配置された歯車37を介して第1の搬送ユニット30の歯車35に伝達されるようになっている。
【0018】
第2の搬送ユニット40は、第1の搬送ユニット30の下方に配置されるユニット本体41と、ユニット本体41に回動自在に取付けられた複数のガイドローラ42とからなり、各ガイドローラ42はユニット本体41の両側部にそれぞれ設けられている。ユニット本体41は側面形状が略L字状をなすように形成され、第1の搬送ユニット30のユニット本体31の背面側及び下面側と対向することにより、ユニット本体31との間に前後方向及び上下方向に延びる紙幣搬送路Bが形成されるようになっている。即ち、第1の搬送ユニット30及び第2の搬送ユニット40の対向面はそれぞれ通路面31a,41aを形成している。
【0019】
また、第2の搬送ユニット40の通路面41aは紙幣Aに係止する幅方向一対の係止部材43を備え、各係止部材43は第1の搬送ユニット30の通路面31aに対して進退自在に設けられている。即ち、各係止部材43は一端をユニット本体41に支軸43aを介して回動自在に連結され、図示しない付勢手段によって第1の搬送ユニット30の通路面31a側に付勢されている。この場合、付勢手段としては、例えば支軸43aに巻回されたコイルスプリング等が用いられる。また、各係止部材43は他端を紙幣搬送方向(上方)に向けて配置され、通路面31a側に当接すると斜め上方に傾斜した状態となる。第1の搬送ユニット30の通路面31aには各係止部材43の他端(先端)側をそれぞれ受容する一対の孔31bが設けられ、各係止部材43は他端側を孔31b内に挿入させた状態で第1の搬送ユニット30側に当接するようになっている。
【0020】
更に、第1の搬送ユニット30の通路面31aには、紙幣搬送路B内の紙幣Aに紙幣搬送方向の反対方向に係止可能な段差部31cが設けられ、段差部31cは紙幣搬送方向の下流側が上流側よりも低くなるように通路面31aの全幅に亘って形成されている。この場合、段差部31cは孔31bのやや下方(紙幣搬送方向上流側)に配置されている。
【0021】
識別部50は、第2の搬送ユニット40側に設けられた複数の発光体51と、第1の搬送ユニット30側に設けられた複数の受光体52とからなり、各発光体51及び各受光体52は紙幣搬送路を間に一対ずつ対向するように配置されている。
【0022】
押圧ユニット60は、本体ケース10内に配置されるユニット本体61と、紙幣を押圧する押圧板62と、一端を押圧板61に回動自在に連結された連結部材63と、連結部材63の他端が回動自在に連結された回転板64と、回転板64を回転させるモータ65と、回転板64にモータ65の回転力を伝達する複数の歯車66とから構成されている。
【0023】
ユニット本体61はその内部に連結部材63、モータ65及び各歯車66を収容するとともに、その下部には第1の搬送ユニット30を駆動するモータ36及び各歯車37を収容している。ユニット本体61の上部及び下部には、押圧板62を前後方向に摺動自在に係合する係合筒61aがそれぞれ幅方向二箇所ずつに設けられ、各係合筒61aはユニット本体61に前後方向に延びるように一体に形成されている。また、ユニット本体61の背面側には紙幣収納ユニット70を本体ケース10に係止するための複数の係止片61bが幅方向両端の上下二箇所ずつに設けられ、各係止片61bは後方に突出するとともに、その先端側が上方に屈曲するように形成されている。また、ユニット本体61内には、押圧板62の駆動機構(モータ65及び各歯車66等)を覆うカバー61cと、及び第1の搬送ユニット30の駆動機構(モータ36及び各歯車37)を覆うカバー61dがそれぞれ取付けられている。
【0024】
押圧板62の前面側にはユニット本体61の各係合筒61aにそれぞれ係合する複数の係合軸62aが設けられ、各係合軸62aはユニット本体61側に向かって前後方向に延びるように押圧板62に一体に形成されている。即ち、各係合軸62aは各係合筒61aにそれぞれ前後方向に摺動自在に挿入され、押圧板62が各係合筒61aに案内されながら前後方向に移動するようになっている。また、押圧板62の中央部には連結部材63が連結される連結軸62bが設けられている。
【0025】
連結部材63は一端を押圧板62の連結軸62bに回動自在に連結され、その他端側には回転板64を連結する長孔63aが設けられている。
【0026】
回転板64はユニット本体61に回動自在に取付けられ、その回転軸には歯車64aが一体に設けられている。回転板64には回転中心から偏心した位置に連結部材63に連結される連結部64bが突設され、連結部64bは連結部材63の長孔63aに挿入されている。
【0027】
モータ65はユニット本体61の上部に配置され、その回転軸には歯車65aが取付けられている。
【0028】
各歯車66はユニット本体61に回動自在に支持され、大径歯車及び小径歯車を同軸状に一体に形成した周知の歯車からなる。この場合、各歯車66、回転板64の歯車64a及びモータ65の歯車65aはそれぞれ平歯車からなり、モータ65側及び回転板64側の何れから入力される回転力によっても回転可能になっている。
【0029】
紙幣収納ユニット70は、前面、背面及び上面を開口した箱状のユニット本体71と、ユニット本体71の背面を覆うユニットカバー72と、ユニット本体71内に前後方向に移動自在に設けられた紙幣支持板73と、紙幣支持板73をユニット本体71の前面側に押圧するスプリング74と、ユニット本体71の上面開口部を開閉する開閉カバー75とからなる。
【0030】
ユニット本体71の前面側には押圧ユニット60の各係止片61bをそれぞれ係止する複数の係止部71aが幅方向両端の上下二箇所ずつに設けられ、各係止部71aは幅方向に延びる板状に形成されている。
【0031】
ユニットカバー72はユニット本体71に組付けられ、ユニットカバー72の幅方向両側面の上端側には開閉カバー75を回動自在に連結する連結部72aがそれぞれ設けられている。
【0032】
紙幣支持板73はユニット本体71の内形よりもやや小さい平板状に形成され、押圧ユニット60の押圧板62に対応するように配置されている。
【0033】
スプリング74は、図示を簡略したコイル状のバネからなり、紙幣支持板73とユニットカバー72との間に圧縮状態で介装されている。この場合、スプリング74はユニットカバー72から紙幣支持板73に向かって巻径が徐々に大きくなるように形成されている。
【0034】
開閉カバー75はユニット本体71及びユニットカバー72の上端側を覆うように形成され、その幅方向両側面の後端側はユニットカバー72の各連結部72aに回動自在に係合している。
【0035】
以上のように構成された紙幣識別装置によれば、投入口カバー20の紙幣投入口20bに紙幣が投入されると、第1の搬送ユニット30のモータ36が作動し、第1及び第2の搬送ユニット30,40の各ガイドローラ32,42によって紙幣が押圧ユニット60と紙幣収納ユニット70との間まで搬送される。その際、搬送される紙幣が識別部50の各発光体51及び各受光体52間を通過することにより、識別部50によって紙幣の真贋及び金種が判定される。また、押圧ユニット60と紙幣収納ユニット70との間に紙幣が搬送されると、押圧ユニット60のモータ65が作動し、押圧板62が紙幣収納ユニット70側に移動する。これにより、紙幣が押圧板62によって紙幣収納ユニット70側に押圧され、紙幣収納ユニット70内に搬入される。その際、押圧板62はスプリング74に抗して紙幣支持板73を紙幣と共に後方に移動させ、押圧板62が待機位置に戻ると、紙幣支持板73もスプリング74によって紙幣と共に前方に戻る。
【0036】
押圧板62によって紙幣を押圧する際、押圧ユニット60のモータ65が回転すると、その回転力が各歯車66を介して回転板64に伝達され、回転板64が所定方向に回転する。これにより、回転板64の回転運動が連結部材63によって押圧板62の往復運動に変換される。その際、押圧板62の各係合軸62aがユニット本体61の各係合筒61a内をそれぞれ前後方向に摺動することにより、押圧板62が各係合筒61aに案内されながら紙幣支持板73との平行状態を保持したまま前後方向に移動する。
【0037】
各搬送ユニット30,40によって紙幣Aを搬送する際、図9(a) に示すように紙幣搬送路Bの各通路面31a,41a間には係止部材43が介在しているが、係止部材43は先端を紙幣搬送方向に向けて配置されているため、図9(b) に示すように紙幣Aとの接触によって一方の通路面40aに回動し、紙幣Aの搬送を妨げることなく紙幣Aの通過が許容される。
【0038】
また、前記紙幣識別装置に対する不正行為として、端部にテープ等を接続した真正の紙幣Aを投入し、識別部50によって一旦真正と判別させて商品を購入した後、紙幣収納ユニットに収納された紙幣Aをテープ等によって外部に引き抜こうとした場合には、以下のようにして紙幣Aの引き抜きが阻止される。
【0039】
即ち、収納された紙幣Aを引き戻すと、図10(a) に示すように紙幣Aの先端が係止部材43に係止する。その際、係止部材43は先端を紙幣搬送方向に向けて配置されているため、紙幣Aに紙幣搬送方向の反対方向の力を加えても、係止部材43は他方の通路面31aとの当接によって回動を規制され、紙幣Aの引き抜きが阻止される。また、係止部材43の先端側は孔31b内に受容されているため、紙幣Aが係止部材43の先端と他方の通路面31aとの間を通り抜けることはない。
【0040】
一方、例えば紙幣Aに接続したテープ(図示せず)を幅広に形成するなど、テープによって係止部材43を一方の通路面41a側に回動させた状態まま紙幣Aを引き戻された場合には、紙幣Aが係止部材43の先端と他方の通路面31aとの間を通り抜け、係止部材43によっては紙幣Aの引き抜きを阻止することができない。しかし、この場合は紙幣Aが係止部材43によって他方の通路面31a側に押圧されているため、図10(b) に示すように紙幣Aの先端が他方の通路面31aの段差部31cに係止し、紙幣Aの引き抜きが阻止される。
【0041】
このように、本実施形態の紙幣識別装置によれば、紙幣搬送路Bを間に対向する通路面31a,41aの一方に紙幣Aに搬送方向とは反対方向に係止する係止部材43を設けることにより、係止部材43によって紙幣Aの引き抜きを阻止するとともに、紙幣Aが係止部材43の先端と他方の通路面31aとの間を通り抜けた場合には、係止部材43によって他方の通路面31a側に押圧された紙幣Aを他方の通路面31aに設けた段差部31cに係止させることにより、段差部31cによって紙幣Aの引き抜きを阻止するようにしたので、紙幣Aの引き抜きによる不正行為を確実に防止することができる。この場合、他方の通路面31aの段差部31cによって紙幣Aの引き抜きを阻止することができるので、係止部材43を他方の通路面31a側に設ける必要がなく、部品点数が少なく安価に構成することができる。また、係止部材43は紙幣Aとの接触によって回動するように構成されているので、紙幣詰まりを生ずることがなく、搬送不良を防止することができる。
【0042】
また、前記段差部31cを紙幣搬送路Bのほぼ全幅に亘って形成したので、紙幣搬送路Bの幅方向何れの位置でも紙幣Aを段差部31cに係止させることができ、段差部31cとの係止による紙幣Aの引き抜きをより確実に防止することができる。
【0043】
更に、他方の通路面31aに係止部材43の先端側を受容する孔31bを設けたので、係止部材43に係止しようとする紙幣Aが係止部材43の先端と他方の通路面31aとの間を通り抜けることがなく、係止部材43との係止による紙幣Aの引き抜きをより確実に防止することができる。
【0044】
尚、前記実施形態では、他方の通路面30aの段差部30cを一箇所に設けたものを示したが、紙幣搬送方向の二箇所以上に設けるようにすれば、複数の段差部30cに紙幣Aを係止させることができ、紙幣Aの引き抜きをより確実に阻止することができる。
【0045】
また、前記実施形態では、各係止部材43を図示しない付勢手段によって第1の搬送ユニット30の通路面31a側に付勢するようにしたが、図11に示すように係止部材43の重心Gを支軸43aの中心から所定距離Lだけ通路面31a側に偏位させることにより、係止部材43を自重によって通路面31a側に圧接するように形成することも可能である。これにより、係止部材43を通路面31a側に圧接させるための付勢手段を別途必要としないので、部品点数を少なくして安価に構成することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1または2の紙幣識別装置によれば、紙幣搬送路の一方の通路面側に設けた係止部材との係止によって紙幣の引き抜きを阻止することができるとともに、紙幣が係止部材の先端と他方の通路面との間を通り抜けた場合でも紙幣の引き抜きを阻止することができるので、紙幣の引き抜きによる不正行為を確実に防止することができる。
【0047】
この場合、係止部材を他方の通路面側には設ける必要がないので、部品点数が少なく安価に構成することができるとともに、通常の搬送時には紙幣詰まりを生ずることもないので、搬送不良を確実に防止することができる。
【0048】
また、請求項3の紙幣識別装置によれば、請求項1または2の効果に加え、紙幣搬送路の幅方向何れの位置でも紙幣を段差部に係止させることができるので、段差部との係止による紙幣の引き抜きをより確実に防止することができる。
【0049】
また、請求項4の紙幣識別装置によれば、請求項1、2または3の効果に加え、係止部材に係止しようとする紙幣が係止部材の先端と他方の通路面との間を通り抜けることがないので、係止部材との係止による紙幣の引き抜きをより確実に防止することができる。
【0050】
また、請求項5の紙幣識別装置によれば、請求項1、2、3または4の効果に加え、係止部材を他方の通路面側に付勢するための付勢手段を別途必要としないので、部品点数を少なくして安価に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す紙幣識別装置の斜視図
【図2】紙幣識別装置の側面断面図
【図3】紙幣識別装置の要部側面断面図
【図4】本体ケース及び投入口カバーの正面側分解斜視図
【図5】本体ケース、搬送ユニット及び押圧ユニットの正面側分解斜視図
【図6】本体ケース、搬送ユニット及び押圧ユニットの背面側分解斜視図
【図7】第1の搬送ユニットの斜視図
【図8】押圧ユニットの分解斜視図
【図9】係止部材の動作説明図
【図10】係止部材の動作説明図
【図11】係止部材の側面図
【符号の説明】
10…本体ケース、20b…紙幣投入口、30…第1の搬送ユニット、31a…通路面、31b…孔、31c…段差部、40…第2の搬送ユニット、41a…通路面、50…識別部、60…押圧ユニット、70…紙幣収納ユニット、A…紙幣、B…紙幣搬送路。
Claims (5)
- 紙幣投入口から投入された紙幣を識別する識別手段と、紙幣を所定の紙幣搬送路を介して識別装置本体内の所定位置まで搬送する搬送手段と、所定位置まで搬送された紙幣を収納する紙幣収納部とを備えた紙幣識別装置において、
前記紙幣搬送路を間にして対向する通路面の一方に他方の通路面に対して進退自在に設けられ、紙幣搬送路内の紙幣に紙幣搬送方向の反対方向に係止可能であるとともに、先端で紙幣を他方の通路面側に押圧する係止部材を備え、
他方の通路面には紙幣搬送路内の紙幣に紙幣搬送方向の反対方向に係止可能な段差部を係止部材の紙幣押圧位置よりも紙幣搬送方向の上流側に設け、
係止部材の先端で紙幣を他方の通路面側に押圧することにより、紙幣搬送方向の反対方向に移動する紙幣を段差部に係止させるように構成した
ことを特徴とする紙幣識別装置。 - 前記段差部を紙幣搬送方向の下流側の通路面が上流側の通路面よりも低くなるように形成した
ことを特徴とする請求項1記載の紙幣識別装置。 - 前記段差部を他方の通路面のほぼ全幅に亘って形成した
ことを特徴とする請求項1または2記載の紙幣識別装置。 - 前記他方の通路面に係止部材の先端側を受容する孔を設けた
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の紙幣識別装置。 - 前記係止部材を自重によって他方の通路面側に紙幣を押圧するように形成した
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の紙幣識別装置。
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