JP4311630B2 - エレベータの制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、複数台のかごの運転を制御可能なエレベータの制御装置に関するものである。
従来のエレベータでは、火災信号が発せられると、全台数のかごを火災階に移動させ、火災階に到着した全てのかごを同時に戸開させていた(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−16357号公報
しかし、従来のエレベータでは、全てのかごが火災階に到着するまで戸閉待機しなければならず、待時間が増加してしまい、避難運転時のかごの稼働効率が低下してしまう。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、避難運転時の運転効率を向上させることができるエレベータの制御装置を得ることを目的とする。
この発明に係るエレベータの制御装置は、複数台のかごの運転を制御する運転制御部本体と、全てのかごのドア装置を制御する戸開調整部とを有する運転制御部を備え、運転制御部に災害検出信号が入力されると、運転制御部本体は、避難者乗車階の乗場待客数に応じた対応台数だけのかごを避難者乗車階に移動させ、戸開調整部は、対応台数のかごが避難者乗車階に到着してから、対応台数のかごのドア装置を同時に戸開動作させるようになっているものである。
この発明のエレベータの制御装置は、運転制御部に災害検出信号が入力されると、避難者乗車階の乗場待客数に応じた対応台数だけのかごを避難者乗車階に移動させ、対応台数のかごが避難者乗車階に到着してから、対応台数のかごのドア装置を同時に戸開動作させるようになっているので、避難運転時の運転効率を向上させることができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
図1はこの発明の実施の形態の一例によるエレベータの避難者乗車階の乗場を示す構成図である。この実施の形態のエレベータでは、4台のかご(図示せず)がそれぞれに対応する4台の駆動装置(図示せず)により昇降される。
乗場には、4つの乗場出入口1a〜1dが並設されている。乗場出入口1a〜1dは、それぞれ乗場の戸2a〜2dにより開閉される。乗場の戸2a〜2dは、着床したかごの戸に連動して開閉される。乗場出入口1a〜1dの上部には、乗場の待客を撮影するカメラ装置3a〜3dがそれぞれ設けられている。
図2は図1のエレベータの制御装置を示すブロック図である。各駆動装置の駆動は、かご駆動制御部4a〜4dにより制御される。かご駆動制御部4a〜4dは、運転制御部本体5により制御される。即ち、4台のかごの運転は、運転制御部本体5により制御される。かごには、かごの戸の開閉を制御するドア制御部6a〜6dが設けられている。ドア制御部6a〜6dによる戸開動作のタイミングは、戸開調整部7により制御される。即ち、4台のかごのドア装置は、戸開調整部7により制御される。また、戸開調整部7は、運転制御部本体5から入力される信号に応じてドア制御部6a〜6dを制御する。
運転制御部本体5には、火災検出装置8からの火災検出信号が入力される。火災検出信号が入力されると、運転制御部本体5における運転モードは、通常運転モードから避難運転モードに切り換えられる。
カメラ装置3a〜3dからの画像データ信号は、乗場待客数検出手段9に入力される。乗場待客数検出手段9では、カメラ装置3a〜3dからの画像データ信号に基づいて乗場で待っている乗客の数を検出する。乗場待客数検出手段9からの待客数検出信号は、かご台数決定手段10に入力される。かご台数決定手段10では、乗場待客数検出手段9で検出された乗場待客数と、予め記憶されている各かごの定員とから、乗場待客数に応じたかごの対応台数が決定される。ここで、対応台数は、乗場待客を全員乗車させることが可能な台数のうち、最小の台数である。また、乗場待客数が全てのかごの定員の和よりも多い場合は、対応台数は総かご台数とする。
この実施の形態における運転制御部11は、運転制御部本体5、戸開調整部7、乗場待客数検出手段9及びかご台数決定手段10を有している。また、運転制御部11には、信号の入出力部、演算器(CPU)及び記憶装置が設けられている。
次に、この実施の形態の制御装置によるエレベータの制御方法について説明する。通常運転モードでは、乗場からの呼び登録に応じて、適当なかごが選択されて乗場へ移動される。また、かごは、かご内で登録された乗場へ移動される。かごが乗場に到着すると、かごの戸及び乗場の戸が直ちに開放される。なお、通常運転モードにおいては、乗場での待客数は特に考慮されないが、乗場待客数に応じた制御を行うことも可能である。
このような通常運転時に、火災検出装置8により火災が検出され、運転制御部本体5に火災検出信号が入力されると、運転制御部本体5における運転モードは、通常運転モードから避難運転モードに切り換えられる。避難運転モードでは、複数の乗場階のうち、残っている人を優先的に退避させるべき乗場階、即ち避難者乗車階が選択される。避難者乗車階の選択方法としては、例えば上方に位置する乗場階を優先する方法、火災が検出された階に近い乗場階を優先する方法、乗場待客数の多い乗場階を優先する方法、予め設定された乗場階を優先する方法、又はこれらの方法のうちの2つ以上を複合して決定する方法等がある。
図3は図2の制御装置の避難運転モードによる制御方法を示すフローチャートである。運転モードが避難運転モードに切り換えられ、避難者乗車階が選択されると、乗場待客数検出手段9により避難者乗車階の乗場の待客数が検出される(ステップS1)。次に、乗場待客数とかご定員とに基づいて、かご台数決定手段10によりかごの対応台数が決定される(ステップS2)。そして、対応台数分のかご駆動制御部4a〜4dにかご移動指令が出力される(ステップS3)。
この後、既設のかご位置検出手段(図示せず)によりかごの位置が検出され、対応台数のかごが避難者乗車階に到着したかどうかが監視される(ステップS4)。このとき、一部のかごが避難者乗車階に先に到着しても、先に到着したかごはすぐに戸開せず、そのまま戸閉待機する。そして、対応台数のかごが全て避難者乗車階に到着したら、戸開調整部7により、対応台数のかごのドア装置が同時に戸開動作するように、ドア制御部6a〜6dに戸開指令信号が出力される(ステップS5)。
また、避難者乗車階での戸閉待機中には、避難者乗車階に最初に到着したかごの戸閉待機時間が計測される。そして、戸閉待機時間が予め設定された時間に達したかどうかが確認される(ステップS6)。設定時間が経過していなければ、対応台数のかごが揃うまで戸閉待機状態が継続される。また、対応台数のかご揃う前であっても、戸閉待機時間が設定時間に達したら、避難者乗車階に到着しているかごのみドア装置を同時に戸開動作させる(ステップS7)。
この後、対応台数のうちの残りのかごが避難者乗車階に到着したかどうかが監視され(ステップS8)、到着し次第、ドア装置が戸開動作される(ステップS9)。そして、このような動作が対応台数のかごが揃うまで続けられる(ステップS10)。
避難者乗車階で乗客を乗せたかごは、予め設定された避難階、又は火災発生階に応じて指定された避難階に移動される。対応台数が総かご台数であった場合には、一度の避難運転では全員の待客を避難させられない可能性があるので、避難者乗車階に残る待客数が新たに検出され、残っている待客数に対応した台数のかごが避難者乗車階に再度移動され、上記と同様にして避難運転が行われる。
この後、他に乗場待客が残っている階があれば、優先順に従って避難者乗車階が選択され、同様の避難運転が順次行われていくことになる。
このようなエレベータの制御装置では、避難者乗車階の乗場待客数に応じた対応台数だけのかごが避難者乗車階に移動され、対応台数のかごが避難者乗車階に到着してから、対応台数のかごのドア装置を同時に戸開動作させるため、必要以上のかごを避難者乗車階に移動させることがなく、また必要以上のかごの到着を待ってから戸開動作をする必要がなく、避難運転時の運転効率を向上させることができる。従って、避難運転時における待時間の増加及びエレベータの運行効率の悪化を防止することができる。
また、避難者乗車階に到着したかごの戸閉待機時間が予め設定された時間に達したら、対応台数のかごが揃う前であっても、避難者乗車階に到着しているかごのドア装置を戸開動作させるようになっているので、避難運転時における待時間の増加及びエレベータの運行効率の悪化をより確実に防止することができる。
さらに、避難者乗車階の乗場待客数とかごの定員とから対応台数を決定するかご台数決定手段10を用いたので、より正確な対応台数を速やかに求めることができる。
さらにまた、避難者乗車階の乗場待客数を検出する乗場待客数検出手段9を用いたので、カメラ装置3a〜3dからの画像データ信号に基づいて、より正確に乗場待客数を速やかに求めることができる。
なお、上記の例では、カメラ装置3a〜3dからの画像データを処理して乗場待客数を検出したが、乗場待客数の検出方法はこれに限定されるものではない。例えば、待客が携帯する無線送信装置(例えば、ICタグ、RFID、携帯端末又は無線LAN端末機等)が発信する電波を受信して、乗場待客数を検出してもよい。
また、カメラ装置3a〜3dで映した画像を管理人が管理室で確認して、概ねの乗場待客数を入力するようにしてもよい。
さらに、各乗場階にいる在館者数が予めわかっている場合には、この在館者数から乗場待客数を推定するようにしてもよい。
さらにまた、上記の例では、避難者乗車階に到着したかごの戸閉待機時間が予め設定された時間に達したらドア装置を戸開動作させるようにしたが、対応台数が揃うまで戸閉待機させるようにしてもよい。
また、上記の例では、対応台数のかごを避難者乗車階に直接移動させたが、例えば避難者乗車階に隣接する乗場階など、対応台数のかごを避難者乗車階とは異なる経由階に移動させ、経由階に揃った対応台数のかごを同時に避難者乗車階に移動させ、同時戸開させるようにしてもよい。これにより、かごは避難者乗車階で戸閉待機せず経由階で戸閉待機することになるため、かごが到着しているにも拘わらず戸開しないという不安を避難者乗車階にいる待客に与えることがない。
さらに、上記の例では、対応台数のかごを避難者乗車階に単に移動させたが、対応台数のかごに移動指令を出力する際に、移動させるかごの位置を検出し、それぞれのかごの位置から避難者乗車階までの距離に応じて、対応台数のかごが同時に避難者乗車階に到着するようにかごの移動速度を制御するようにしてもよい。これにより、かごは避難者乗車階で戸閉待機せず、かごが到着しているにも拘わらず戸開しないという不安を避難者乗車階にいる待客に与えることがない。
さらにまた、上記の例では、運転モードが避難運転モードに切り換えられた時点で、乗場待客数を検出し対応台数を決定するが、対応台数のかごが同時戸開するまでの間、避難者乗車階の乗場待客数を監視し続け、乗場待客数に変化があった場合には、乗場待客数の変化に応じてかごの対応台数を変更するようにしてもよい。
また、各乗場階のうち、かごを停止させるのが危険であると判断された階に対しては、かごを移動させないようにすることもできる。
さらに、避難運転モードでは、避難者乗車階の乗場に設けられたホールランタン、音声案内装置又はディスプレイ装置等の乗場装置を利用して、戸開予定かご及び戸開予定時間等の戸開情報を乗客に報知するようにしてもよい。即ち、戸開情報を乗場装置に出力する戸開情報出力装置を運転制御部に設けてもよい。
さらにまた、乗場待客数検出手段9により検出された乗場待客数を中央監視室の表示装置に表示させる待客数表示手段を運転制御部に設けてもよい。
また、上記の例では、災害検出信号として火災検出装置8からの火災検出信号を示したが、避難運転モードは種々の災害に対して実施することができ、例えば煙検出装置からの煙検出信号、又は地震検出装置からの地震検出信号等に応じて実施してもよい。
さらに、上記の例では、4台のかごを含むエレベータについて示したが、かごの台数は特に限定されない。
この発明の実施の形態の一例によるエレベータの避難者乗車階の乗場を示す構成図である。 図1のエレベータの制御装置を示すブロック図である。 図2の制御装置の避難運転モードによる制御方法を示すフローチャートである。
符号の説明
5 運転制御部本体、7 戸開調整部、9 乗場待客数検出手段、10 かご台数決定手段、11 運転制御部。

Claims (3)

  1. 複数台のかごの運転を制御する運転制御部本体と、全ての上記かごのドア装置を制御する戸開調整部とを有する運転制御部を備え、
    上記運転制御部に災害検出信号が入力されると、上記運転制御部本体は、避難者乗車階の乗場待客数に応じた対応台数だけのかごを上記避難者乗車階に移動させ、上記戸開調整部は、上記対応台数のかごが上記避難者乗車階に到着してから、上記対応台数のかごの上記ドア装置を同時に戸開動作させるようになっているエレベータの制御装置において、
    上記戸開調整部は、上記避難者乗車階に到着したかごの戸閉待機時間が予め設定された時間に達したら、上記対応台数のかごが揃う前であっても、上記避難者乗車階に到着しているかごの上記ドア装置を戸開動作させるようになっていることを特徴とするエレベータの制御装置。
  2. 上記運転制御部は、避難者乗車階の乗場待客数と上記かごの定員とから対応台数を決定するかご台数決定手段をさらに有していることを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御装置。
  3. 上記運転制御部は、避難者乗車階の乗場待客数を検出する乗場待客数検出手段をさらに有し、上記かご台数決定手段は、上記乗場待客数検出手段からの信号に応じて対応台数を決定するようになっていることを特徴とする請求項記載のエレベータの制御装置。
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