JP4310875B2 - プリンタ及び印字ヘッドの駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ及びその印字ヘッドの駆動装置に関し、特に、インクジェットプリンタにおける印字ヘッドの駆動モードの切替方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかるインクジェットプリンタにおいては、CPUのタイマを使って(タイマ出力パルスの立上がりエッジで)、印字ヘッドの駆動タイミングを発生させ、同じタイマの割り込み(CPU内部で発生する割り込み)を使用して、それぞれスタートアップ、プリント、エンドから成る駆動波形のモードを切り替えている。
【0003】
図6に、かかる各モードを含む一連の駆動波形のシーケンスを示す。
【0004】
尚、最近のインクジェットプリンタでは、1回の主走査中において異なる粒径のインク粒を混在させて吐出することで印刷の階調表現性を高めるものがあるが、以下では、説明を簡単にするため、1回の主走査中において、ドットサイズは一定であるプリンタを例として述べる。
【0005】
即ち、印字ヘッドのあるノズルに着目した場合、1回の主走査中において、ドットを打たない空白部分と空白部分の間は、当該ノズルから所定の回数インク粒が吐出されてドットが形成されるが、その一連のシーケンスを印字ヘッドの駆動波形で見ると、図6のようになる。即ち、同図にAで示すようなスタートアップ(印刷準備)の波形が1回、同図にBで示すようなプリント(印刷)の波形がn回、及び同図にCで示すようなエンド(印刷終了)の波形が1回、例えば、プリンタコントローラ内の印字制御回路(印字用ASIC)に準備された波形パターンの中から選択されて駆動波形発生回路に入力され、該駆動波形発生回路で同図のような一連の駆動波形のシーケンスが生成され、これにより印字ヘッドの当該ノズルが駆動されて、ドットが形成される(印刷が行われる)。
【0006】
従来は、上述したCPUのタイマ割り込みを使用して、図6に示した、それぞれスタートアップ、プリント、エンドから成る駆動波形のモードを切り替えていた。
【0007】
また、同様のタイマ割り込みの処理として、上述した各駆動波形の回数(図6に示した、スタートアップが1回、プリントがn回、エンドが1回)をカウントし、それぞれ1回、n回、1回の必要数だけカウントしたら、当該一連のシーケンスの印刷が終了したことを確認し、CPUによる処理を、次の印刷のための処理等(例えば、次の印字データの転送等、あるいは、すべての印刷が終了した場合の処理)に切り替えていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のヘッド駆動モードの切替方式では、各駆動波形によるヘッド駆動の回数(図6の例では、それぞれ1回、n回、1回)をカウントするためには、CPUのタイマ割り込み処理を、その都度行わなければならない。また、上述したプリントの駆動波形がn回繰り返される間は、そのn回に達するまで回数をカウントするだけの処理であり、かかる処理のためにその都度CPUの割り込みを行うのでは、CPUが他の処理を行う上で大きな負担であり、プリンタとしての印刷のスループットの低下を免れない。
【0009】
従って、本発明の目的は、各駆動波形によるヘッド駆動の回数をそれぞれカウントする計数手段を有することにより、自動的にヘッド駆動波形のモードを切り替えることを可能ならしめることにある。
【0010】
また、本発明の更なる目的は、各駆動波形によるヘッド駆動の回数をそれぞれカウントすることにより、駆動波形ごとの処理(印刷準備、印刷、又は印刷終了)の間に、必要に応じて外部割り込み要求を発し得るようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明では、例えば、印字制御回路(ASIC)内にカウンタを持たせ、それによって各駆動波形によるヘッド駆動の回数をそれぞれカウントすることで、ASIC側で自動的にヘッド駆動波形のモードを切り替えるようにした。
【0012】
また、各駆動波形ごとの回数をカウントし、必要に応じて印字制御回路(ASIC)側からCPUに対し外部割り込み要求を発するようにした。そして、一連の駆動波形のシーケンスが終了するまでカウントし、エンドまで全て終了した場合には、駆動波形の出力を停止させ、外部割り込み要求を発し、終了を知らせるようにした。
【0013】
これにより、CPUの負担を軽減し、印刷完了までのスループットを向上させることができる。また、ASIC側で自動的にヘッド駆動波形のモードを切り替えるので、ソフトウェアによる判断を必要とすること無く、ASIC側でモードに応じて印字データの転送を制御したり、割り込み要求をモード別に切替えることも可能となる。このため、CPUによる処理は更に軽減される。
【0014】
即ち、請求項1記載の印字ヘッドの駆動装置では、所定のトリガ信号を受けて、それぞれスタートアップ、プリント、エンドから成る駆動波形のモードを切り替えて所定の駆動波形のシーケンスを生成し、該駆動波形のシーケンスを用いてプリンタの印字ヘッドを駆動する駆動装置において、前記スタートアップ、プリント、エンドから成る駆動波形のモード別に、ヘッド駆動回数をそれぞれ計数する計数手段と、該計数手段により前記ヘッド駆動回数がそれぞれ所定数計数された場合に、前記スタートアップ、プリント、エンドから成る駆動波形のモードを切り替える切替手段とを有することを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の場合には、前記駆動波形のシーケンスは、少なくとも1回のスタートアップの駆動波形、n回(nは1以上の整数)のプリントの駆動波形、及び1回のエンドの駆動波形から成る。
【0016】
請求項3記載の印字ヘッドの駆動装置においては、前記計数手段は、前記スタートアップ、プリント、エンドから成る駆動波形にそれぞれ対応して設けられた第1、第2、及び第3のカウンタを含み、該第1のカウンタにより前記スタートアップの駆動波形によるヘッド駆動が1回計数された場合に前記スタートアップの駆動波形から前記プリントの駆動波形に駆動波形のモードを切り替え、該第2のカウンタにより前記プリントの駆動波形によるヘッド駆動がn回計数された場合に前記プリントの駆動波形から前記エンドの駆動波形に駆動波形のモードを切り替え、該第3のカウンタにより前記エンドの駆動波形によるヘッド駆動が1回計数された場合に前記エンドの駆動波形から非駆動モードに切り替えることを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の印字ヘッドの駆動装置では、更に、前記計数手段により前記スタートアップ、プリント、エンドから成る駆動波形によるヘッド駆動がそれぞれ所定数計数された場合に、前記プリンタのCPUに外部割り込み要求を発生する外部割り込み発生手段を有することを特徴とする。
【0018】
ここで、請求項5記載の印字ヘッドの駆動装置では、前記外部割り込み発生手段は、少なくとも前記第2のカウンタにより前記プリントの駆動波形によるヘッド駆動がn回計数される間は、前記プリンタのCPUに外部割り込み要求を発生しない。プリントの駆動波形が多数回繰り返される場合に、その回数に達するまでカウントするだけのためにその都度CPUの割り込みを行わないようにするためである。
【0019】
一方、請求項6記載の印字ヘッドの駆動装置においては、前記外部割り込み発生手段は、前記第1のカウンタにより前記スタートアップの駆動波形によるヘッド駆動が1回計数され、又は、前記第2のカウンタにより前記プリントの駆動波形によるヘッド駆動がn回計数され、又は、前記第3のカウンタにより前記エンドの駆動波形によるヘッド駆動が1回計数された場合に、前記プリンタのCPUに外部割り込み要求を発生することを特徴とする。
【0020】
尚、請求項7記載の印字ヘッドの駆動装置のように、前記プリントの駆動波形には、それぞれ異なる径のドットを形成し得る複数の駆動波形を含むものでも良い。以上の印字ヘッドの駆動装置は、ASIC(特定用途向き集積回路)から構成され、該ASICは、請求項8記載のように、プリンタコントローラを構成するメイン基板上に設けても良いし、請求項9記載のように、印字ヘッド内のヘッド基板上に設けても良い。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態にかかるプリンタについて説明する。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施形態にかかるインクジェットプリンタの全体構成を示すブロック図である。
【0023】
図示のインクジェットプリンタは、プリンタコントローラ1とプリントエンジン2とから構成されている。プリンタコントローラ1は、ホストコンピュータ3からの印刷データ等を受信するインターフェース(以下「I/F」という)4と、各種データの記憶等を行うRAM5と、各種データ処理のためのルーチン等を記憶したROM6と、CPU7と、後述するプリント(印字)ヘッド12側へヘッドデータ等を送り出すための印字制御回路(印字用ASIC)9と、イメージデータ及び駆動信号等をプリントエンジン2に送信するためのI/F10とを備えている。I/F4、RAM5、ROM6、CPU7、印字制御回路(印字用ASIC)9、I/F10等は、バス11により相互に接続されている。
【0024】
I/F4は、印刷コマンド・データをホストコンピュータ3から受信する。RAM5は、受信(データ)バッファ5A,出力(イメージ)バッファ5C及びワークメモリ5B等として利用されるものである。データバッファ5Aには、I/F4が受信したホストコンピュータ3からの印刷コマンド・データが一時的に記憶される。イメージバッファ5Cには、印刷コマンド・データを解析した後の、例えば、ラスタグラフィックス形式のイメージデータが展開される。ROM6は、CPU7等によって実行される各種制御プログラム等を記憶している。このプログラムには、図1に示すように、主プログラム6aと、割り込み処理プログラム6bがある。また、ROM6は、図示しないフォントデータ及びグラフィック関数、各種手続き等も記憶している。
【0025】
プリントエンジン2は、印字ヘッド12と、キャリッジ機構13と、紙送り機構14とを備えている。紙送り機構14は、紙送りモータ及び紙送りローラ等からなり、記録紙等の印刷記憶媒体を順次送りだして副走査を行うものである。キャリッジ機構13は、印字ヘッド12を搭載するキャリッジと、該キャリッジをタイミングベルト等を介して走行させるキャリッジモータ等からなり、印字ヘッド12を主走査させるものである。印字ヘッド12は、副走査方向に、例えば32個又は64個の多数のノズルから成るインクジェットノズル列15を有し、所定のタイミングで各ノズルからインク滴を吐出させる。
【0026】
図2に、印字制御回路(印字用ASIC)9の構成を示す。
【0027】
印字用ASIC9は、ヘッドドライバの制御部等を構成するものであり、図2に示すように、印字ヘッド12に所定の駆動波形を印加すると共に、後述するように、CPU7に対して外部割り込み要求を発生するヘッド駆動部16と、印字データを印字ヘッド12側に送り出すためのヘッドデータ処理部17を有している。CPU7のタイマ7bの出力パルスの立上がりエッジにより印字ヘッドの駆動トリガ42が発生されると、この駆動トリガ42は、印字用ASIC9内のヘッド駆動部16と、ヘッドデータ処理部17とに入力される。
【0028】
ヘッド駆動部16は、図3に示すように、駆動波形切替及び発生部18と、計数及び割込制御部19とを含んでいる。
【0029】
駆動波形切替及び発生部18は、波形格納部18a、18b、18cを備え、各波形格納部18a、18b、18cには、上述したスタートアップ、プリント、エンドから成る駆動波形の各モードにそれぞれ対応した各波形パターン(パターン1がスタートアップ、パターン2がプリント、パターン3がエンド、の各駆動波形のモードに対応)が予め格納されている。駆動波形切替及び発生部18は、また、モードセレクタ18dと、駆動波形発生回路18eを有している。モードセレクタ18dには、ヘッド駆動トリガ信号42が入力されると共に、計数及び割込制御部19の後述するモード選択及び割り込みコントローラ19eからモードセレクト信号20aが入力される。モードセレクタ18dは、次のヘッド駆動トリガ信号42が入力される時に、駆動波形発生回路18eに出力される波形パターンを、モードセレクト信号20aの内容に応じて上述した波形格納部18a、18b、18cに格納されている各波形パターンのうちから選択しておく。この選択された各波形パターンは、駆動波形発生回路18eに入力され、駆動波形発生回路18eは、これらを合成して、上述した駆動波形のシーケンスを生成する。尚、この駆動波形のシーケンスは、図示しないD/A変換器・増幅器等を経て印字ヘッド12に印加される。
【0030】
計数及び割込制御部19は、3つのダウンカウンタ19a、19b、19cを備え、各ダウンカウンタ19a、19b、19cは、上述した波形格納部18a、18b、18cに格納された各波形パターン(ダウンカウンタ19aがパターン1、ダウンカウンタ19bがパターン2、ダウンカウンタ19cがパターン3の各駆動波形のモードに対応)ごとのヘッド駆動回数をそれぞれ計数するものである。計数及び割込制御部19は、また、カウンタセレクタ19dと、モード選択及び割り込みコントローラ19eを有している。カウンタセレクタ19dには、ヘッド駆動トリガ信号42が入力されると共に、モード選択及び割り込みコントローラ19eからモードセレクト信号20aが入力される。カウンタセレクタ19dは、ヘッド駆動トリガ信号42が入力される毎に、モードセレクト信号20aの内容に応じて、上述した各ダウンカウンタ19a、19b、19cのうちいずれかを選択して、その選択したダウンカウンタに所定の選択信号19f1、19f2、19f3を出力する。各選択信号19f1、19f2、19f3が入力される度に、各ダウンカウンタ19a、19b、19cは、1ずつデクリメントされる。ダウンカウンタ19a、19b、19cは、それぞれ設定されたカウント値を計数すると、所定のカウントダウンの信号19g1、19g2、19g3をモード選択及び割り込みコントローラ19eに出力する。モード選択及び割り込みコントローラ19eは、各ダウンカウンタ19a、19b、19cからカウントダウンの信号19g1、19g2、19g3が入力されることにより、その内容に応じて、上述したパターン1、パターン2、パターン3の間で駆動波形のモードを切り替えるモードセレクト信号20aをモードセレクタ18dとカウンタセレクタ19dに出力する。また、モード選択及び割り込みコントローラ19eは、ダウンカウンタ19a、19b、19cがそれぞれ設定されたカウント値を計数し、カウントダウンの信号19g1、19g2、19g3が入力されると、それぞれのモードに応じて、CPU7に対する外部割り込み要求を行うか否か等、外部割り込み要求に関する所用の制御を行う。例えば、印字データが横16ビットのラスターデータである場合、図示しないイメージバッファからヘッドデータ処理回路17へのデータ転送を16回の割り込みに分けて行うこともできるし、或いは1回の割り込でまとめて転送するようにしても良い。具体的には、モード選択及び割り込みコントローラ19eは、必要な場合に、CPU7に対し割り込み要求信号18aを発する。この割り込み要求信号18aを受けてCPU7は、必要な割り込み処理を行う。
【0031】
以下、上述した図2及び図3に加え、図4をも参照しつつ、主としてダウンカウンタ19a、19b、19cを中心に、ヘッド駆動部16の動作・作用等について説明する。
【0032】
今、以前に入力されていたモードセレクト信号20aの内容に応じて、モードセレクタ18dは、波形格納部18aに格納されている上述したスタートアップの駆動波形(波形パターン1)を選択し、カウンタセレクタ19dは、ダウンカウンタ19aを選択しているものとする。この状態で、ヘッド駆動トリガ信号42が、モードセレクタ18d及びカウンタセレクタ19dにそれぞれ入力されると、波形格納部18aの波形パターン1が駆動波形発生回路18eに入力される[図4の表中の右欄(モードの項)の第1段目参照]と共に、カウンタセレクタ19dが選択信号19f1をダウンカウンタ19aに出力することにより、ダウンカウンタ19aが1回デクリメントされる。ダウンカウンタ19aは、カウントダウンの設定値が1に設定されているので、カウントダウンの信号19g1をモード選択及び割り込みコントローラ19eに出力する。モード選択及び割り込みコントローラ19eは、このカウントダウンの信号19g1が入力されることにより、新たにモードセレクト信号20aを発し、この新たなモードセレクト信号20aが入力されると、モードセレクタ18dは、波形格納部18bに格納されている上述したプリントの駆動波形(波形パターン2)を選択し、カウンタセレクタ19dは、ダウンカウンタ19bを選択する。この状態で、再び、ヘッド駆動トリガ信号42が、モードセレクタ18d及びカウンタセレクタ19dにそれぞれ入力されると、波形格納部18bの波形パターン2が駆動波形発生回路18eに入力される[図4の表中の右欄(モードの項)の第2段目参照]と共に、カウンタセレクタ19dが選択信号19f2をダウンカウンタ19bに出力することにより、ダウンカウンタ19bが1回デクリメントされる。ダウンカウンタ19bは、カウントダウンの設定値がnに設定されているので、この場合(nを、例えば14とした場合)、未だカウントダウンの信号19g2はモード選択及び割り込みコントローラ19eに出力されない。この動作がn(14)回繰り返されると、カウントダウンの信号19g2がモード選択及び割り込みコントローラ19eに出力され、モード選択及び割り込みコントローラ19eは、このカウントダウンの信号19g2が入力されることにより、新たにモードセレクト信号20aを発し、この新たなモードセレクト信号20aが入力されると、モードセレクタ18dは、波形格納部18cに格納されている上述したエンドの駆動波形(波形パターン3)を選択し、カウンタセレクタ19dは、ダウンカウンタ19cを選択する。この状態で、再び、ヘッド駆動トリガ信号42が、モードセレクタ18d及びカウンタセレクタ19dにそれぞれ入力されると、波形格納部18cの波形パターン3が駆動波形発生回路18eに入力される[図4の表中の右欄(モードの項)の第3段目参照]と共に、カウンタセレクタ19dが選択信号19f3をダウンカウンタ19cに出力することにより、ダウンカウンタ19cが1回デクリメントされる。ダウンカウンタ19cは、カウントダウンの設定値が1に設定されているので、カウントダウンの信号19g3をモード選択及び割り込みコントローラ19eに出力する。モード選択及び割り込みコントローラ19eは、このカウントダウンの信号19g3が入力されることにより、例えば、駆動波形の出力を停止し、非駆動モードに移行する[図4の表中の右欄(モードの項)の第4段目−−−−(終了)参照]。尚、モード選択及び割り込みコントローラ19eは、カウントダウンの信号19g1、19g2、19g3が入力されると、それぞれのモードに応じて、CPU7に対する外部割り込み要求を行うか否か等、外部割り込み要求に関して、前述した所用の制御を行うことができる。尚、各ダウンカウンタ19a、19b、19cは、それぞれ設定されたカウント値までカウントしたら、クリアされて、新たに、1、n(nは新たな1以上の整数)、1の設定値に設定されるのは、勿論である。
【0033】
このように、本実施形態では、プリンタコントローラ1内の印字制御回路(印字用ASIC)9内に構成されたヘッド駆動部16にカウンタを持たせ、各駆動波形によるヘッド駆動回数をそれぞれカウントすることで、ASIC側で自動的にヘッド駆動波形のモードを切り替えるようにしたので、例えば、プリントの駆動波形が多数回繰り返される場合に、その回数に達するまでカウントするだけの処理のためにその都度CPUの割り込みを行う必要が無くなった。
【0034】
これにより、CPUの負担を軽減し、印刷完了までのスループットを大幅に向上させることができる。また、ASIC側で自動的にヘッド駆動波形のモードを切り替えるので、ソフトウェアによる判断を必要とすること無く、ASIC側でモードに応じて印字データの転送を制御したり、割り込み要求をモード別に切替えることも可能となる。
【0035】
図5は、本発明の第2の実施形態にかかるプリンタの全体構成を示すブロック図である。
【0036】
本実施形態のプリンタの基本的構成は、図1に示した第1の実施形態のプリンタと略同様であり、同様の部分には同様の参照符号を付してその説明を省略する。
【0037】
即ち、この第2の実施形態のプリンタは、図5に示すように、印字制御回路(印字用ASIC)9´がプリンタコントローラ1内ではなく、プリントエンジン2の印字ヘッド12内に設けられている。具体的には、上述した第1の実施形態では、印字用ASIC9がプリンタコントローラ1を構成するメイン基板(図示せず)上に設けられていたのに対し、この第2の実施形態では、印字用ASIC9´が印字ヘッド12内のヘッド基板(図示せず)上に設けられている。
【0038】
本実施形態は、印字ヘッド12内の印字用ASIC9´におけるヘッド駆動部16´の動作等の点で第1の実施形態と異なるものではない。
【0039】
しかしながら、本実施形態では、ヘッド駆動部16´を含む印字用ASIC9´を印字ヘッド12側に配置したので、ヘッド固有のノズル数、配列に関係する、かかるヘッド駆動回路の部分がメイン基板(プリンタコントローラ回路)ではなくヘッド基板に存在することになり、第1の実施形態に比べ、メイン基板(プリンタコントローラ回路)を標準化し易いというメリットがある。例えば、プログラムROM(ROM6)と印字ヘッド(ヘッド基板)を交換するだけで、プリンタとしてのアップグレードが可能になる。また、メイン基板(プリンタコントローラ回路)を共通化し易いので、ヘッド側の多様な仕様(4色か6色か?、多ノズル化等)にすばやく対応し得る(開発が可能である)。
【0040】
以上、本発明を特定の実施形態について述べたが、本発明はこれらに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の実施形態についても適用される。
【0041】
例えば、上述した実施形態では、説明を分かり易くする為に、1回の主走査中において、ドットサイズは一定であることを前提に、プリントの駆動波形を1種類(パターン2)だけ示したが、例えば、大ドット、中ドット、小ドットというように、プリントの駆動波形に、それぞれ異なる径のドットを形成し得る複数の駆動波形を含む場合にも適用し得るのは、勿論である。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ヘッド駆動部(装置)に計数手段を持たせ、各駆動波形によるヘッド駆動回数をそれぞれ計数することで、ヘッド駆動波形のモードを切り替えるようにしたので、例えば、プリントの駆動波形が多数回繰り返される場合に、その回数に達するまでカウントするだけの処理のためにその都度CPUの割り込みを行う必要が無くなった。
【0043】
従って、CPUの負担が大幅に軽減され、印刷完了までのスループットを著しく短縮することもできる。また、ASIC側で自動的にヘッド駆動波形のモードを切り替えるので、ソフトウェアによる判断を必要とすること無く、ASIC側でモードに応じて印字データの転送を制御したり、割り込み要求をモード別に切替えることも可能となる。
【0044】
よって、トータルとしてのCPUの負担を減少し、もって、スループットを向上せしめることが可能なプリンタを提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係るプリンタの全体構成を示す機能ブロック図である。
【図2】 図1に示したプリンタの印字制御回路の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】 図2に示した印字制御回路内のヘッド駆動部の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】 図3に示したヘッド駆動部内の計数及び割込制御部19、特にそのダウンカウンタ19a、19b、19cの動作を説明するための図である。
【図5】 本発明の第2の実施形態に係るプリンタの全体構成を示す機能ブロック図である。
【図6】 スタートアップ、プリント、エンドから成る駆動波形の各モードを含む一連の駆動波形のシーケンスを示す図である。
【符号の説明】
1 プリンタコントローラ
2 プリントエンジン
3 ホストコンピュータ
4 I/F
5 RAM
5A 受信バッファ
5B ワークメモリ
5C 出力(イメージ)バッファ
6 ROM
6a 主プログラム
6b 割込み処理プログラム
7 CPU
7a タイマ
9、9´ 印字制御回路(印字用ASIC)
10 I/F
11 バス
12 印字ヘッド
13 キャリッジ機構
14 紙送り機構
15 インクジェットノズル列
16、16´ ヘッド駆動回路
17 ヘッドデータ処理回路
18 駆動波形切替及び発生部
18a、18b、18c 波形格納部
18d モードセレクタ
18e 駆動波形発生回路
19a、19b、19c ダウンカウンタ
19d カウンタセレクタ
19e モード選択及び割り込みコントローラ
19f1、19f2、19f3 選択信号
19g1、19g2、19g3 カウントダウンの信号
42 駆動トリガ
Claims (13)
- 所定のトリガ信号を受けて、それぞれスタートアップ、プリント、エンドから成る駆動波形のモードを切り替えて所定の駆動波形のシーケンスを生成し、該駆動波形のシーケンスを用いてプリンタの印字ヘッドを駆動する駆動装置において、
前記スタートアップ、プリント、エンドから成る駆動波形のモード別に、ヘッド駆動回数をそれぞれ計数する計数手段と、
該計数手段により前記ヘッド駆動回数がそれぞれ所定数計数された場合に、前記スタートアップ、プリント、エンドから成る駆動波形のモードを切り替える切替手段とを有することを特徴とする印字ヘッドの駆動装置。 - 請求項1記載の印字ヘッドの駆動装置において、前記駆動波形のシーケンスは、少なくとも、1回のスタートアップの駆動波形、n回(nは1以上の整数)のプリントの駆動波形、及び1回のエンドの駆動波形から成ることを特徴とする印字ヘッドの駆動装置。
- 請求項2記載の印字ヘッドの駆動装置において、前記計数手段は、前記スタートアップ、プリント、エンドから成る駆動波形にそれぞれ対応して設けられた第1、第2、及び第3のカウンタを含み、該第1のカウンタにより前記スタートアップの駆動波形によるヘッド駆動が1回計数された場合に前記スタートアップの駆動波形から前記プリントの駆動波形に駆動波形のモードを切り替え、該第2のカウンタにより前記プリントの駆動波形によるヘッド駆動がn回計数された場合に前記プリントの駆動波形から前記エンドの駆動波形に駆動波形のモードを切り替え、該第3のカウンタにより前記エンドの駆動波形によるヘッド駆動が1回計数された場合に前記エンドの駆動波形から非駆動モードに切り替えることを特徴とする印字ヘッドの駆動装置。
- 請求項3記載の印字ヘッドの駆動装置において、更に、前記計数手段により前記スタートアップ、プリント、エンドから成る駆動波形によるヘッド駆動がそれぞれ所定数計数された場合に、前記プリンタのCPUに外部割り込み要求を発生する外部割り込み発生手段を有することを特徴とする印字ヘッドの駆動装置。
- 請求項4記載の印字ヘッドの駆動装置において、前記外部割り込み発生手段は、少なくとも前記第2のカウンタにより前記プリントの駆動波形によるヘッド駆動がn回計数される間は、前記プリンタのCPUに外部割り込み要求を発生しないことを特徴とする印字ヘッドの駆動装置。
- 請求項4記載の印字ヘッドの駆動装置において、前記外部割り込み発生手段は、前記第1のカウンタにより前記スタートアップの駆動波形によるヘッド駆動が1回計数され、又は、前記第2のカウンタにより前記プリントの駆動波形によるヘッド駆動がn回計数され、又は、前記第3のカウンタにより前記エンドの駆動波形によるヘッド駆動が1回計数された場合に、前記プリンタのCPUに外部割り込み要求を発生することを特徴とする印字ヘッドの駆動装置。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の印字ヘッドの駆動装置において、前記プリントの駆動波形には、それぞれ異なる径のドットを形成し得る複数の駆動波形を含むことを特徴とする印字ヘッドの駆動装置。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の印字ヘッドの駆動装置は、ASIC(特定用途向き集積回路)から構成され、該ASICがプリンタコントローラを構成するメイン基板上に設けられていることを特徴とするプリンタ。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の印字ヘッドの駆動装置は、ASIC(特定用途向き集積回路)から構成され、該ASICが印字ヘッド内のヘッド基板上に設けられていることを特徴とするプリンタ。
- 所定のトリガ信号を受けて、それぞれスタートアップ、プリント、エンドから成る駆動波形のモードを切り替えて所定の駆動波形のシーケンスを生成し、該駆動波形のシーケンスを用いてプリンタの印字ヘッドを駆動する駆動方法において、
前記スタートアップの駆動波形によるヘッド駆動を1回カウントするステップと、
該スタートアップの駆動波形によるヘッド駆動が1回カウントされた場合に前記スタートアップの駆動波形から前記プリントの駆動波形に駆動波形のモードを切り替えるステップと、
前記プリントの駆動波形によるヘッド駆動をn回カウントするステップと、
該プリントの駆動波形によるヘッド駆動がn回カウントされた場合に前記プリントの駆動波形から前記エンドの駆動波形に駆動波形のモードを切り替えるステップと、
前記エンドの駆動波形によるヘッド駆動を1回カウントするステップと、
該エンドの駆動波形によるヘッド駆動が1回カウントされた場合に前記エンドの駆動波形から非駆動モードに切り替えるステップとを有することを特徴とする印字ヘッドの駆動方法。 - 請求項10記載の印字ヘッドの駆動方法において、前記スタートアップの駆動波形によるヘッド駆動が1回カウントされた場合、前記プリントの駆動波形によるヘッド駆動がn回カウントされた場合、又は前記エンドの駆動波形によるヘッド駆動が1回カウントされた場合のうち、いずれか1以上の場合に、更に、前記プリンタのCPUに外部割り込み要求を発生するステップをも有することを特徴とする印字ヘッドの駆動方法。
- 所定のトリガ信号を受けて、それぞれスタートアップ、プリント、エンドから成る駆動波形のモードを切り替えて所定の駆動波形のシーケンスを生成し、該駆動波形のシーケンスを用いてプリンタの印字ヘッドを駆動するプログラムを記録した記録媒体であって、
前記スタートアップの駆動波形によるヘッド駆動が1回カウントされた場合に前記スタートアップの駆動波形から前記プリントの駆動波形に駆動波形のモードを切り替える処理と、
前記プリントの駆動波形によるヘッド駆動がn回カウントされた場合に前記プリントの駆動波形から前記エンドの駆動波形に駆動波形のモードを切り替える処理と、
前記エンドの駆動波形によるヘッド駆動が1回カウントされた場合に前記エンドの駆動波形から非駆動モードに切り替える処理を実行させるプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。 - 請求項12記載のプログラムを記録した記録媒体であって
、前記スタートアップの駆動波形によるヘッド駆動が1回カウントされた場合、前記プリントの駆動波形によるヘッド駆動がn回カウントされた場合、又は前記エンドの駆動波形によるヘッド駆動が1回カウントされた場合のうち、いずれか1以上の場合に、更に、前記プリンタのCPUに外部割り込み要求を発生する処理をも実行させるプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
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