JP4310052B2 - 集積回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、集積回路(以下、「IC」という)、特に半導体基板上に形成された複数の機能ブロック間の配線の試験機能に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、大規模集積回路(以下、「LSI」という)等のICは、そのICの機能を実現するための複数の機能ブロックと、これらの機能ブロック間を接続する配線を、半導体基板上に形成して構成されている。
【0003】
このようなICを開発する場合、試作したICが設計通りの機能を実現できるか否かの動作試験を行い、その動作結果に従って機能ブロック間の配線を含めた回路の不具合を捜し出し、不具合箇所を修正するという手法が採られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のICでは、次のような課題があった。
動作試験では、各機能ブロックの機能の試験が主体となり、機能ブロック間の配線の断線や短絡を想定した試験を行うことが少ない。このため、配線に不具合があった場合、その不具合箇所の検出に多大な時間を必要とする場合があった。
【0005】
本発明は、前記従来技術が持っていた課題を解決し、機能ブロック間の配線の検査を行うことができるICを提供するものである。
【0006】
前記課題を解決するために、本発明のICは、所定の機能を有する複数の機能ブロックと、前記複数の機能ブロック間を接続する複数のブロック間配線と、前記機能ブロックと前記ブロック間配線の間に配置され、試験信号によって前記機能ブロックと複数の内部ノードとの間の接続を一括してオン/オフする第1のスイッチ手段と、個別の制御信号によって前記内部ノードと前記ブロック間配線との間の接続を個別にオン/オフする第2のスイッチ手段と、個別の制御信号によって前記複数の内部ノードの間の接続を個別にオン/オフする第3のスイッチ手段とを備えている。
【0007】
そして、前記第2及び第3のスイッチ手段に対する前記個別の制御信号を生成して前記複数のブロック間配線を切り替えると共に、前記複数の内部ノードの内のいずれか1つに試験用の信号を出力し、前記複数の内部ノードの内の他の1つに伝達された信号を入力して前記ブロック間配線の断線や短絡を検出する切替制御手段を設けている。
【0008】
本発明によれば、以上のようにICを構成したので、次のような作用が行われる。
各機能ブロックは、第1のスイッチ手段を介して内部ノードに接続され、更に第2のスイッチ手段を介してブロック間配線に接続されている。また、内部ノードの間は、第3のスイッチ手段を介して接続されている。第1のスイッチ手段は試験信号で一括してオン/オフされ、第2及び第3のスイッチ手段は個別の制御信号でオン/オフされる。従って、これらの試験信号と制御信号の組み合わせにより、通常動作時には、各機能ブロックはそれぞれブロック間配線を介して相互に接続される。
【0009】
一方、ブロック間配線の断線や短絡を検出する場合、例えば、切替制御手段から第2及び第3のスイッチ手段に対する個別の制御信号が与えられて、試験用の接続が構成される。そして、試験用の接続構成を順次変更して、内部ノードの内のいずれか1つに試験用の信号を出力し、他の内部ノードの信号を入力することにより、ブロック間配線の断線や短絡を検出することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態を示すLSIの概略の構成図である。
このLSIは、相互に接続されて所定の機能を実現する2つの機能ブロック1,2を備えている。機能ブロック1は、機能ブロック2側に接続するための端子1a,1b,1cを有し、これらの端子1a〜1cが、接続切替部10を介してブロック間配線3a,3b,3cの一端に接続されている。一方、機能ブロック2は、機能ブロック1側に接続するための端子2a,2b,2cを有し、これらの端子2a〜2cが、接続切替部20を介してブロック間配線3a〜3cの他端に接続されている。
【0011】
接続切替部10は、機能ブロック1の端子1a〜1cと、この接続切替部10内のノードN1a,N1b,N1cとの間の接続を、それぞれオン/オフするスイッチ手段(例えば、トランスファ・ゲート、以下、「TG」という)11a,11b,11cを有している。また、ノードN1a〜N1cとブロック間配線3a〜3cとの間は、TG12a,12b,12cを介して接続されている。
【0012】
更に、ノードN1a,N1b間は、TG13bを介して接続され、ノードN1b,N1c間は、TG13cを介して接続されている。そして、TG11a〜11cは、切替制御手段(例えば、切替制御部)14の端子TSから出力される試験信号TS2によって一括制御され、TG12a〜12c,13a〜13cは、それぞれ切替制御部14の端子S21,S13から出力される制御信号S12a〜S12c,S13a〜S13cによって、個別に制御されるようになっている。
【0013】
また、ノードN1cは切替制御部14の端子SIに直接接続され、このノードN1cの信号が入力信号SI1として切替制御部14に与えられるようになっている。更に、切替制御部14の端子SOから出力される出力信号SO1が、TG13aを介してノードN1aに与えられるようになっている。
【0014】
接続切替部20も、接続切替部10と同様である。即ち、機能ブロック2の端子2a〜2cと、この接続切替部20内のノードN2a〜N2cとの間がTG21a〜21cを介して接続され、これらのノードN2a〜N2cとブロック間配線3a〜3cとの間がTG22a〜22cを介して接続されている。また、ノードN2a,N2b間はTG23bを介して接続され、ノードN2b,N2c間はTG23cを介して接続されている。そして、TG21a〜21cは、切替制御部24の端子TSから出力される試験信号TS2によって一括制御され、TG22a〜23cは、それぞれ切替制御部24の端子S22から出力される制御信号S22a〜S23cによって個別に制御されるようになっている。
【0015】
また、ノードN2cは切替制御部24の端子SIに直接接続され、このノードN2cの信号が入力信号SI2として、この切替制御部24に与えられるようになっている。更に、切替制御部24の端子SOから出力される出力信号SO2が、TG23aを介してノードN2aに与えられるようになっている。
【0016】
図2は、図1中のTG11aの構成図である。
このTG11aは、PチャネルMOSトランジスタ(以下、「PMOS」という)とNチャネルMOSトランジスタ(以下、「NMOS」という)を有しており、機能ブロック1の端子1aと接続切替部10のノードN1aとの間に、これらのPMOSとNMOSが並列に接続されている。NMOSのゲートには、切替制御部14から試験信号TSが与えられ、PMOSのゲートには、この試験信号TSがインバータINVで反転されて与えられるようになっている。
【0017】
これにより、試験信号TSがレベル“H”の時、PMOSとNMOSがオンとなって、端子1aとノードN1aとの間が接続される。また、試験信号TSがレベル“L”の時には、PMOSとNMOSがオフとなって、端子1aとノードN1aとの間が切断されるようになっている。なお、このTG11aに限らず、図1中のTGは、すべて同様の構成となっている。
【0018】
次に、図1の動作を、(1)ブロック間配線の断線検出処理、(2)ブロック間配線の短絡検出処理、及び(3)通常動作に分けて説明する。
(1) ブロック間配線の断線検出処理
まず、ブロック間配線3a〜3cに断線箇所が有るか否かを調べるため、試験信号TS1,TS2を“L”に設定してTG11a〜11c,TG21a〜21cをオフにし、機能ブロック1,2を接続切替部10,20から切り離す。また、3本のブロック間配線3a〜3cが直列に接続されるように、各TGのオン/オフを設定する。
【0019】
即ち、接続切替部10のTG12a〜12cと接続切替部20のTG22a〜22cを、すべてオンに設定する。更に、接続切替部10のTG13a,13cをオンに、TG13bをオフに設定する。また、接続切替部20のTG23a,23cをオフに、TG23bをオンに設定する。
【0020】
このように各TGを設定した状態で、切替制御部14の端子SOから出力信号SO1を“H”,“L”に切り替えて出力し、切替制御部24の端子SIの入力信号SI2をチェックする。入力信号SI2が出力信号SO1に従って変化すれば、ブロック間配線3a〜3cに断線箇所は存在しないと判定される。もしも、入力信号SI2が出力信号SO1に従って変化しなければ、断線箇所が有ると判定される。
【0021】
断線箇所が有ると判定された時は、ブロック間配線3a〜3cの断線を個別にチェックする。例えば、ブロック間配線3aをチェックするときには、接続切替部10のTG12a,13aをオンに、TG12b,12c,13b,13cをオフに設定し、接続切替部20のTG22a,23b,23cをオンに、TG22b,22c,23aをオフに設定する。
【0022】
そして、切替制御部14の出力信号SO1を“H”,“L”に切り替えて出力し、切替制御部24の入力信号SI2をチェックする。入力信号SI2が出力信号SO1に従って変化すれば、ブロック間配線3aは正常と判定される。もしも、入力信号SI2が出力信号SO1に従って変化しなければ、断線していると判定される。
ブロック間配線3b,3cも、ほぼ同様の設定によって断線の有無が検出される。
【0023】
(2) ブロック間配線の短絡検出処理
次に、ブロック間配線3a〜3cが相互に接触した短絡箇所が有るか否かを個別に調べる。この時、試験信号TSは“L”で、機能ブロック1,2は切り離された状態のままである。
【0024】
例えば、ブロック間配線3a,3b間の短絡を調べる場合、接続切替部10のTG12a,13aをオンに、TG12b,12c,13b,13cをオフに設定し、接続切替部20のTG22b,23cをオンに、TG22a,22c,23a,23bをオフに設定する。そして、切替制御部14の出力信号SO1を“H”,“L”に切り替えて出力し、切替制御部24の入力信号SI2をチェックする。
【0025】
これにより、入力信号SI2が出力信号SO1に従って変化しなければ、短絡は無いと判定される。もしも、入力信号SI2が出力信号SO1に従って変化すれば、ブロック間配線3a,3b間が短絡していると判定される。
【0026】
−ブロック間配線3b,3cの短絡、及びブロック間配線3c,3aの短絡も、ほぼ同様の設定によって調べることができる。
【0027】
(3) 通常動作
ブロック間配線3a〜3cに断線や短絡が存在しなければ、通常動作用の設定が行われる。この場合は、試験信号TS1,TS2を“H”に設定し、TG11a〜11c,TG21a〜21cをオンにして、機能ブロック1,2をそれぞれ接続切替部10,20に接続する。また、接続切替部10のTG12a〜12cと接続切替部20のTG22a〜22cを、すべてオンに設定する。更に、接続切替部10のTG13a〜13cと、接続切替部20のTG23a〜23cをオフに設定する。これにより、機能ブロック1,2は、ブロック間配線3a〜3cによって、相互に接続される。
【0028】
このように、本実施形態のLSIは、機能ブロック1,2とブロック間配線3a〜3cとの間を自由に切り替えて接続するための複数のTGと、これらのブロック間配線3a〜3cに出力信号SO1,SO2を与え、入力信号SI1,SI2をチェックする接続切替部10,20を有している。これにより、機能ブロック1,2間のブロック間配線3a〜3cの検査を容易に行うことができるという利点がある。
【0029】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。この変形例としては、例えば、次のようなものがある。
(a) ブロック間配線3a〜3cの本数は、3本に限定されない。
【0030】
(b) LSI中の機能ブロック1,2の数は、2個に限定されない。3個以上の機能ブロックを有するLSIの場合は、各機能ブロック間のブロック間配線の両端に、接続切替部を設ければ良い。
【0031】
(c) 断線検出や短絡検出処理の時の各TGのオン/オフ設定は、説明したものに限定されない。即ち、断線や短絡の箇所を特定することができるような接続となれば良い。
【0032】
(d) 各ブロック間配線3a〜3cの接続を切り替えるスイッチ手段として、図2のようなTGを用いているが、TGの構成はこれに限定されない。例えば、NMOSまたはPMOSの一方だけを使用することができる。また、3ステートバッファ等のスイッチ機能を有する回路を用いることもできる。
【0033】
(e) 各TGに対する試験信号TS1,TS2や制御信号S12a,13a等を、切替制御部14,24から出力するようにしているが、外部端子から与えるようにしても良い。また、出力信号SO1,SO2や入力信号SI1,SI2も、外部端子から入出力するようにしても良い。
【0034】
(f) ブロック間配線3a〜3cの本数は、実際に使用する配線の数と同じ数である必要はない。例えば、1本乃至数本の予備のブロック間配線を用意しておき、ブロック間配線に断線や短絡が有った場合に、TGによって予備のブロック間配線に切り替えるようにすることができる。
【0035】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、試験信号によって機能ブロックと内部ノードの間をオン/オフする第1のスイッチ手段と、個別の制御信号によって内部ノードとブロック間配線の間をオン/オフする第2のスイッチ手段と、複数の内部ノード間をオン/オフする第3のスイッチ手段を有している。これにより、ブロック間配線を任意に接続することが可能になり、このブロック間配線の状態を検査することができる。
【0036】
特に、第2及び第3のスイッチ手段に対する個別の制御信号を生成すると共に、内部ノードに試験用の信号を出力してブロック間配線を介して他の内部ノードに伝達された信号を入力し、ブロック間配線の断線や短絡を検出する切替制御手段を有している。これにより、ブロック間配線の断線や短絡を容易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すLSIの概略の構成図である。
【図2】図1中のTG11aの構成図である。
【符号の説明】
1,2 機能ブロック
3 ブロック間配線
10,20 接続切替部
11,12,13,21,22,23 TG(トランスファ・ゲート)
14,24 切替制御部

Claims (1)

  1. 所定の機能を有する複数の機能ブロックと、
    前記複数の機能ブロック間を接続する複数のブロック間配線と、
    前記機能ブロックと前記ブロック間配線の間に配置され、試験信号によって前記機能ブロックと複数の内部ノードとの間の接続を一括してオン/オフする第1のスイッチ手段と、
    個別の制御信号によって前記内部ノードと前記ブロック間配線との間の接続を個別にオン/オフする第2のスイッチ手段と、
    個別の制御信号によって前記複数の内部ノードの間の接続を個別にオン/オフする第3のスイッチ手段と、
    を備えた集積回路であって、
    前記第2及び第3のスイッチ手段に対する前記個別の制御信号を生成して前記複数のブロック間配線を切り替えると共に、前記複数の内部ノードの内のいずれか1つに試験用の信号を出力し、前記複数の内部ノードの内の他の1つに伝達された信号を入力して前記ブロック間配線の断線や短絡を検出する切替制御手段を設けたことを特徴とする集積回路
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