JP4309609B2 - 自動車のための警報システム - Google Patents

Description

【０００１】
（技術分野）
本発明は、自動車の主電池によって電力が供給される警報制御ユニットと、主電池によって同様に電力が供給されるサイレン・ユニットと、主電池からの電力の供給が減退した際にサイレン・ユニットに電力を供給するようにサイレン・ユニットの中に配置されたバックアップ電池とが組み込まれた自動車のための警報システムに関する。
【０００２】
（技術の現状）
サイレン・ユニットの中にバックアップ電池だけでなくまた警報制御ユニットのためのバックアップ電池をも組み込まれただ警報システムが知られている。
【０００３】
実際の警報機能だけでなくいわゆる動けなくする機能をも有する警報システムは、英国特許出願第ＧＢ−Ａ−２３００７４５号によってまた知られている。この警報システムでは、警報制御ユニットがサイレン・ユニットのバックアップ電池を通してエンジン制御ユニットに連結される。正常の動作の場合、警報部品および他の構成部品は主電池から電力を受け取る。エンジンが始動している時、警報制御ユニットからエンジン制御ユニットに情報を送るために、バックアップ電池から電力が受け取られる。もしサイレン・ユニットおよびその電池が作動していないならば、エンジンは始動することができない。電圧が減退した場合、警報装置の他の部分および動けなくする装置にバックアップ電池を連結するために、キーをロックに回さなければならない。換言すれば、このよく知られているシステムは警報機能であるサイレンを保護すると見なすことができ、そしてこのシステムの再設定を可能にするために種々の制御ユニットに電力を短期間供給すると見なすことができるが、しかしこの機能が維持されることを保証はしない。
【０００４】
（発明の要約）
本発明の１つの目的は、１つのバックアップ電池だけを用いる時の警報機能を改良するために従来の警報システムを単純にすることであり、それにより電圧が減退した場合に要求された方式で警報が機能できるために、警報システムの主要な機能が十分に長期間動作することができる。
【０００５】
このことは、前記の請求項に示された特徴により達成される。
【０００６】
本発明の１つの側面により、主電池からの電力の供給が減退した時、警報制御ユニットに電力が自動的にまた供給されるようにバックアップ電池が配置される。このことを達成するために、これ以外の補助装置を別に必要とすることはない（ＧＢ ２３００７４５号参照）。したがって、本発明で開示されるシステムは、もし主電源が減退しても、正常な機能を持続的に維持することができる。このバックアップ電池は警報制御ユニットに電力を供給することができ、したがって、１日に２４時間で約３日の間システムの正常な機能を維持することができる。
【０００７】
この警報制御ユニットはそれ自身のバックアップ電池とそれに付随する管理電子装置とを必要としないという点で、このシステムが単純化されている。したがって、バックアップ電池だけにより警報の作動は長期間動作できるように、例えばおのおのが３０秒の８サイクルの動作を行うことができるように、１個のバックアップ電池が大容量であることができる。それに加えて、このシステムは障害に対して安全であることができる。それは、部品の数が少なく、したがってこのような障害を受ける可能性のある点の数が少ないからである。
【０００８】
このように、サイレン・ユニットは警報制御ユニットに対して必要な時に電力を自動的に維持し、一方、サイレン・ユニットと警報制御ユニットとは相互に持続的に通信を行う。警報制御ユニットは警報システムの動作状態をサイレン・ユニットに持続的に通信するように構成され、そしてサイレン・ユニットはその状態を警報制御ユニットに通信する。もしこの動作状態が警報制御ユニットの予め定められた動作状態から偏差するならば、サイレン・ユニットが警報を出すように構成される。警報システムのセンサの状態に加えて、この動作状態は警報制御ユニットの電力消費に関係している。
【０００９】
好ましい実施例に従い、バックアップ電池からの電力の低下を検出するためにサイレン・ユニットがまた用いられ、そしてサイレン・ユニットは同時に警報制御ユニットと通信を行う。このことは警報システムの電子装置により電力の低下を記録することとができ、それにより、もし電力の低下が指定されたレベルを越えるならば、例えば電力を消費する回路によってバックアップ電池を放電する許可されていない出来事が起こる場合、サイレン・ユニットは警報を出す可能性を制御ユニットに送る。それはまた、警報が実際に電力を消費しているかどうかを調査することが可能であり、そして電力の低下を制限することが可能である。
【００１０】
本発明のまた別の実施例により、サイレン・ユニットは加熱用デバイスを備えている。この加熱用デバイスは、予め定められた雰囲気温度より低い時にバックアップ電池に熱を供給するために配置され、それにより寒冷な気候においてもバックアップ電池の能力を大幅に改善することができる。このバックアップ電池は、少なくとも−２０℃までの雰囲気温度において、１日に２４時間で約３日の間動作できなくてはならないことが好ましい。この加熱用デバイスは、その温度以下においても電池が動作することを可能にするが、しかしその場合には最大能力で動作できる期間はいくらか短いであろう。バックアップ電池の総計の動作寿命は約５年である。
【００１１】
本発明のこの他の特徴および利点は、特許請求の範囲および下記の詳細な説明により示される。
【００１２】
（実施例の説明）
図１の概要図は、トラックまたはバスのような自動車５０の中に組み込まれた警報システムを示した図である。図１に示された実施例にもかかわらず、本発明はすべての種類の自動車に応用することができる。
【００１３】
電子警報制御ユニット１０は、それ自体はよく知られている種類の装置である。警報制御ユニット１０は、多数個のセンサ１２、１４、１６、１８、２０および２２と信号接続されている、すなわちケーブル接続されている。これらのセンサは、車両との機械的障害やその他の障害を検出するために配置される。このような障害には、ボンネット、乗客ドア、荷物室ドアおよび天井窓が許可なく開いていることを例えば端位置センサをにより検出することが含まれるだけでなく、また客室または荷物室に許可されていない物が存在することを存在センサが検出することをも含んでいる。
【００１４】
警報制御ユニット１０は、マイクロプロセッサ３８が組み込まれた電子回路３６（図２）を備えている。マイクロプロセッサ３８はセンサからの信号を処理し、そしてそれらを下記で説明される信号パケットの形で、シリアル２線通信ケーブル２４を通して、サイレン２７を備えた分離したサイレン・ユニット２６に送る。サイレン・ユニット２６は同様に、マイクロプロセッサ４８と共に電子回路４２を収納している。
【００１５】
電子回路３６、４２は、通信ケーブル２４を通して、相互にコード化されたディジタル信号のパケットを常時に通信する。これらの信号のパケットはマイクロプロセッサ４８によって解析され、そしてメモリの中に記憶された基準信号のパケットと比較される。もし通信された信号のパケットが基準信号のパケットから偏差するならば（例えば、警報信号が作動される時、もしセンサが信号を出すならば）、または（例えば、警報制御ユニット１０の中の電力の供給において下記で説明される中断により）通信された信号のパケットが完全にないならば、マイクロプロセッサ４８は警報システムの作動を開始し、それによりサイレン２７が音響の警報を出す。
【００１６】
車両５０の中の主電池３０は、通常は、電池ケーブル３２を通してサイレン・ユニット２６に電力を供給する。サイレン・ユニット２６はまた、従来の方式でそのバックアップ電池２８を有している。バックアップ電池２８は、サイレン・ユニット２６が収納されている収納容器の中に封止されることが好ましい。それにより、電池のケーブルは障害にさらされることはないであろう。バックアップ電池２８は、サイレン・ユニット２６の中の電子回路４２の制御の下で主電池３０によって充電される。主電池３０または電池ケーブル３２に障害があって主電池３０からサイレン・ユニット２６への電力の供給が停止する場合には、電子回路４２はバックアップ電池２８をサイレン・ユニット２６に接続し、それによりサイレン２７が警報を出すことができる。
【００１７】
本発明により、バックアップ電池２８はまたケーブル４０を通して警報制御ユニット１０に電力を供給する。このようなバックアップ電池は、通常は、０．３〜０．６アンペア時の容量を有する。要求された期間にわたって要求された回数だけユニットと警報装置との両方を駆動することができるために、バックアップ電池は本発明により１．２〜２．０アンペア時の大きな容量を有することが好ましい。このために余分にかかるコストは、本発明による単純化された設計でもってただ１つのバックアップ電池が必要とされるという事実によって十分に補償されてなお余りがある。
【００１８】
主電池３０に障害がある場合、または電池ケーブル３４を通しての警報制御ユニット１０からの正常な電力の供給に障害があって主電池３０から警報制御ユニット１０に対する電力の供給が中断する場合、サイレン２７は同様に警報を出すように構成される。このことには通信ケーブル２４を通して電子回路３６と電子回路４２とが協力して働き、それによりバックアップ電池２８がサイレン・ユニット２６と警報制御ユニット１０との両方を駆動する。説明はされないけれども、正常な電力供給の期間中に、主電池３０はケーブル３４を通して警報制御ユニット１０を駆動することがまた可能であり、それによりケーブル３４を省略することが可能である。
【００１９】
前記で説明した警報機能に加えて、もしバックアップ電池２８からの電力の低下が予め定められたレベルを越えるならば、サイレン・ユニット２６はまた警報を与えるように構成される。このような電力の低下は、外部の電力使用者６０がケーブル４０を用いてバックアップ電池２８を放電させて警報が作動しないという、許可されていない動作が原因で起こることがある。好ましい実施例では、電子回路４２には分路抵抗器４４と、Ａ／Ｄ変換器４６とが組み込まれている。分路抵抗器４４は、線路４０の中に接続された小さな抵抗値（例えば１オーム）を有し、そしてＡ／Ｄ変換器４６は分路抵抗器４４と並列に接続される。もし線路４０の中の電流が予め定められたレベルを越えるならば、Ａ／Ｄ変換器４６はそれに対応する電圧降下を検出し、そしてその信号がマイクロプロセッサ４８に送られる。マイクロプロセッサ４８は警報を作動させそしてケーブル４０への電力を停止する。
【００２０】
図２に示されているように、バックアップ電池２８は加熱用デバイス５２を備えることができる。好ましい実施例では、加熱用デバイス５２には電気加熱用コイル５４が組み込まれている。電気加熱用コイル５４は、バックアップ電池２８に対する収納容器５６の内側に配置される。収納容器５６は、熱の絶縁体で作成される。それとは異なって、実際のサイレン・ユニット２６の内側に加熱用コイル５４およびなんらかの熱絶縁体（図示されていない）を配置することができる。加熱用コイル５４は、自動車５０の中の主電池３０によってケーブル５８を通して電力の供給を受ける。警報装置が作動する時、電子回路４２に接続された図示されていない温度センサに対する電力の供給が停止し、したがって、まわりの予め定められた最小温度、例えば０℃、で加熱用コイル５４が動作するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の好ましい実施例の回路図。
【図２】 図１の回路図による警報制御ユニットおよびサイレン・ユニットの一部分を拡大して示した詳細図。

Claims (6)

1. 自動車の主電池（３０）から電力が供給される警報制御ユニット（１０）と、主電池（３０）により同様に電力が供給されるサイレン・ユニット（２６）と、主電池（３０）からの電力の供給が減退した際にサイレン・ユニットに電力を供給するためにサイレン・ユニット（２６）の中配置されたバックアップ電池（２８）とを有しここで主電池（３０）からの電力の供給の前記減退の際バックアップ電池（２８）が警報制御ユニット（１０）に電力を自動的にまた供給するように構成される自動車の警報システムであって、サイレン・ユニット（２６）がバックアップ電池（２８）からの電力の低下を検出するように構成されていてそれによりもし電力の低下が予め定められたレベルを越えるならばサイレン・ユニット（２６）が警報を出すことを特徴とする警報システム。
2. 請求項１記載の警報システムにおいて、警報システム（１０）の電力消費状態をサイレン・ユニット（２６）に持続的に警報制御ユニット（１０）が構成されることと、もしバックアップ電池（２８）からの電力の低下が警報制御ユニット（１０）の予め定められた動作状態から偏差したならば警報を発するようにサイレン・ユニット２６が構成されることとを特徴とする警報システム。
3. 請求項１記載の警報システムにおいて、もし電力供給の低下が予め定められたレベルを越えるならばサイレン・ユニット（２６）が電力供給の低下を止めるようにまた構成されることを特徴とする警報システム。
4. 請求項１から請求項３のいずれかに記載の警報システムにおいて、加熱用デバイス（５２）が予め定められた雰囲気温度においてバックアップ電池（２８）に熱を供給するように配置されることを特徴とする警報システム。
5. 請求項１から請求項４のいずれかに記載の警報システムにおいて、サイレン・ユニット（２６）が警報制御ユニット（１０）にその状態を持続的に通信するように構成されることを特徴とする警報システム。
6. 請求項１から請求項５のいずれかに記載の警報システムにおいて、前記電力の減退の際バックアップ電池（２８）が警報制御ユニット（１０）に持続的に、好ましくは３日までの間１日に２４時間、電力を供給することを特徴とする警報システム。

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