JP4309518B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物およびそれよりなる成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリオレフィン系樹脂はその加工性、耐薬品性、耐候性、電気的特性および機械的強度等の優位性を活かして産業用および家庭用電気製品等の分野に多用されており、ポリオレフィン系樹脂の使用量が増加している。しかし、ポリオレフィン系樹脂にも強く難燃性が要求されており、かつその要求度合いが近年次第に強まってきている。
【0003】
特に最近では、電線やケーブル等に対し従来の難燃化に際しての主要物質であったハロゲン含有化合物を単独、あるいは酸化アンチモンなどのアンチモン化合物とを組み合わせて難燃剤とし、それをポリオレフィン系樹脂に配合した難燃性樹脂組成物が、燃焼時または成型時等にハロゲン系ガスを発生することから、これが問題化されている。さらに、これらガスの発生が電気特性や電送特性を阻害する場合が多いとされている。そのため、燃焼時または成型時等にこれらのハロゲン系ガスを発生しない難燃性樹脂組成物が要求されるようになってきている。
【0004】
これらの要求に応ずるため近年、樹脂の燃焼温度において脱水熱分解の吸熱反応が樹脂の熱分解、燃焼開始温度と重複した温度領域で起こることで難燃化効果を増大し得る特定の金属水和物が無機難燃剤として使用されている。しかしながら、無機難燃剤のみではその難燃性付与効果があまり強くないために多量に配合しなければならず、そのために得られる成型品の機械的強度に悪影響を与える等の欠点が生じている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、無機難燃剤とハロゲンを含まない有機リン系難燃剤を併用することにより少量の添加量で優れた難燃性を有するポリオレフィン系樹脂組成物およびそれよりなる成形品を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、樹脂組成物の難燃性の向上および樹脂本来の特性の低下を抑制するため種々のノンハロゲン難燃剤および添加剤またはそれらの添加量について鋭意研究した結果、ホスファゼン類の中でも同一分子内にアリールオキシ基とアルコキシ基の両方を含有するホスファゼンと水酸化金属化合物を配合することで難燃性の向上および樹脂本来の特性の低下を抑制することを見出し本発明を完成させるに至ったものである。
【0007】
すなわち、本発明の第一は、ポリオレフィン系樹脂に難燃剤として、
(A)(イ)下記一般式(1)
【化6】
Figure 0004309518
〔式中、mは3〜10の整数であり、Qのうちいずれかがアリールオキシ(OAr)基
であり、Qのうち残りがアルコキシ(OR)基であって、かつ分子中のOAr基の
数、OR基の数は下記3つの数式の関係をすべて満たすものである。
【数4】
Figure 0004309518
で示される環状ホスファゼン誘導体および
(B)下記一般式(3)
【化7】
Figure 0004309518
(式中のzは2または3、Mは周期表の第二主族の金属、第三主族の金属、第二副族の
金属および第三副族の金属よりなる群から選ばれた金属である。)
で示される金属水酸化物
を配合したことを特徴とする難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物に関する。
【0008】
本発明の第二は、ポリオレフィン系樹脂に難燃剤として、
(A)(イ)下記一般式(1)
【化8】
Figure 0004309518
〔式中、mは3〜10の整数であり、Qのうちいずれかがアリールオキシ(OAr)基
であり、Qのうち残りがアルコキシ(OR)基であって、かつ分子中のOAr基の
数、OR基の数は下記3つの数式の関係をすべて満たすものである。
【数5】
Figure 0004309518
で示される環状ホスファゼン類と
(ロ)下記一般式(2)
【化9】
Figure 0004309518
〔式中、nは1〜20の整数であり、Qのうちいずれかがアリールオキシ(OAr)基
であり、Qのうち残りがアルコキシ(OR)基であって、かつ分子中のOAr基の
数、OR基の数は下記3つの数式の関係をすべて満たすものである。
【数6】
Figure 0004309518
で示される鎖状ホスファゼン類からなるホスファゼン誘導体混合物および
(B)下記一般式(3)
【化10】
Figure 0004309518
(式中のzは2または3、Mは周期表の第二主族の金属、第三主族の金属、第
二副族の金属および第三副族の金属よりなる群から選ばれた金属である。)
で示される金属水酸化物
を配合したことを特徴とする難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物に関する。
【0009】
本発明の第三は、さらに(C)赤燐を配合してなる請求項1または2記載のポリオレフィン系樹脂組成物に関する。
【0010】
本発明の第四は、前記難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物よりなることを特徴とする成形品に関する。
【0011】
前記(A)と(C)よりなる難燃剤または前記(A)、(B)、(C)よりなる難燃剤の使用量は、ポリオレフィン系樹脂と前記難燃剤の合計重量に対して10〜60重量%、好ましくは30〜50重量%である。
【0012】
10〜60重量%を占める難燃剤の相互使用割合は、難燃剤が(A)と(B)よりなる場合には、(A)が1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%、(B)が99〜60重量%、好ましくは95〜70重量%であり、難燃剤が(A)と(B)、(C)よりなる場合には、(A)1〜40重量%、好ましくは4〜30重量%、(B)98〜60重量%、好ましくは95〜70重量%、(C)0.1〜15重量%、好ましくは1〜10重量%である。
【0013】
本発明に使用される一般式(1)および/または(2)で示されるホスファゼン類は、同一分子内にアリールオキシ基とアルコキシ基の両方を含有するホスファゼンであれば特に制限されず、式中のQの基(アルコキシ基またはアリールオキシ基)の代表例を以下に例示する。
【0014】
前記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基などを挙げることができるが、その炭素数は1〜8が好ましい。前記アリールオキシ基としては、例えば、非置換又はメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、tert−オクチル基、メトキシ基、エトキシ基、2,3−ジメチル基、2,4−ジメチル基、2,5−ジメチル基、2,6−ジメチル基、3,5−ジメチル基、フェニル基等で置換されたフェニルオキシ基などを挙げることができる。さらに、前記アリール基としては、ナフチル基などを挙げることができる。
【0015】
前記一般式(1)および(2)で示されるホスファゼン混合物は、下記一般式(4)
【化11】
Figure 0004309518
(式中、Xはハロゲン原子、mは3〜10の整数である。)
で示される環状クロロホスファゼン類と下記一般式(5)
【化12】
Figure 0004309518
(式中、Xはハロゲン原子、nは1〜20の整数である。)
で示される鎖状クロロホスファゼンの混合物と下記一般式(6)
【化13】
Figure 0004309518
(式中、Arはアリール基、Mはアルカリ金属である。)
で示されるアルカリ金属フェノラートおよび一般式(7)
【化14】
Figure 0004309518
(式中、Rはアルキル基、Mはアルカリ金属である。)
で示されるアルカリ金属アルコラートとを有機溶媒(例えばテトラヒドロフランなど)中で反応させることにより得られる(特願平11−172743号、特願平11−182185号、特願平11−197798号参照)。
【0016】
ハロゲン化ホスファゼン類の合成法は、例えば、横山〔日本化学雑誌第80巻第10号p118(1959)〕には、五塩化りんと塩化アンモニウムをモノクロロベンゼン中、反応させることで環状および鎖状のクロロホスファゼン混合物が得られ、このクロロホスファゼン混合物を石油エーテルから再結晶するとmp.112〜113℃の白色斜方状結晶のヘキサクロロホスファゼン[一般式(1)m=3]が得られることが報告されているように公知である。
【0017】
本発明において用いられる前記一般式(1)で示される環状ホスファゼンの具体例としては、
モノメトキシペンタフェノキシシクロトリホスファゼン、ジメトキシテトラフェノキシシクロトリホスファゼン、トリメトキシトリフェノキシシクロトリホスファゼン、ジフェノキシテトラメトキシシクロトリホスファゼン、モノフェノキシペンタメトキシシクロトリホスファゼン、モノエトキシペンタフェノキシシクロトリホスファゼン、ジエトキシテトラフェノキシシクロトリホスファゼン、トリエトキシトリフェノキシシクロトリホスファゼン、ジフェノキシテトラエチルシクロトリホスファゼン、モノフェノキシペンタエトキシシクロトリホスファゼン、モノn−プロポキシペンタフェノキシシクロトリホスファゼン、ジn−プロポキシテトラフェノキシシクロトリホスファゼン、トリn−プロポキシトリフェノキシシクロトリホスファゼン、ジフェノキシテトラn−プロポキシシクロトリホスファゼン、モノフェノキシペンタn−プロポキシシクロトリホスファゼン、モノiso−プロポキシペンタフェノキシシクロトリホスファゼン、ジiso−プロポキシテトラフェノキシシクロトリホスファゼン、トリiso−プロポキシトリフェノキシシクロトリホスファゼン、ジフェノキシテトラiso−プロポキシシクロトリホスファゼン、モノフェノキシペンタiso−プロポキシシクロトリホスファゼン、モノメトキシペンタ(o−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジメトキシテトラ(o−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、トリメトキシトリ(o−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジ(o−トリルオキシ)テトラメトキシシクロトリホスファゼン、モノ(o−トリルオキシ)ペンタメトキシシクロトリホスファゼン、モノエトキシペンタ(o−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジエトキシテトラ(o−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、トリエトキシトリ(o−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジ(o−トリルオキシ)テトラエチルシクロトリホスファゼン、モノ(o−トリルオキシ)ペンタエトキシシクロトリホスファゼン、モノn−プロポキシペンタ(o−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジn−プロポキシテトラ(o−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、トリn−プロポキシトリ(o−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジ(o−トリルオキシ)テトラn−プロポキシシクロトリホスファゼン、モノ(o−トリルオキシ)ペンタn−プロポキシシクロトリホスファゼン、モノiso−プロポキシペンタ(o−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジiso−プロポキシテトラ(o−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、トリiso−プロポキシトリ(o−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジ(o−トリルオキシ)テトラiso−プロポキシシクロトリホスファゼン、モノ(o−トリルオキシ)ペンタiso−プロポキシシクロトリホスファゼン、モノメトキシペンタ(m−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジメトキシテトラ(m−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、トリメトキシトリ(m−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジ(m−トリルオキシ)テトラメトキシシクロトリホスファゼン、モノ(m−トリルオキシ)ペンタメトキシシクロホスファゼン、モノエトキシペンタ(m−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジエトキシテトラ(m−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、トリエトキシトリ(m−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジ(m−トリルオキシ)テトラエチルシクロトリホスファゼン、モノ(m−トリルオキシ)ペンタエトキシシクロトリホスファゼン、モノn−プロポキシペンタ(m−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジn−プロポキシテトラ(m−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、トリn−プロポキシトリ(m−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジ(m−トリルオキシ)テトラn−プロポキシシクロトリホスファゼン、モノ(m−トリルオキシ)ペンタn−プロポキシシクロトリホスファゼン、モノiso−プロポキシペンタ(m−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジiso−プロポキシテトラ(m−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、トリiso−プロポキシトリ(m−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジ(m−トリルオキシ)テトラiso−プロポキシシクロトリホスファゼン、モノ(m−トリルオキシ)ペンタiso−プロポキシシクロトリホスファゼン、モノメトキシペンタ(p−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジメトキシテトラ(p−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、トリメトキシトリ(p−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジ(p−トリルオキシ)テトラメトキシシクロトリホスファゼン、モノ(p−トリルオキシ)ペンタメトキシシクロトリホスファゼン、モノエトキシペンタ(p−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジエトキシテトラ(p−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、トリエトキシトリ(p−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジ(p−トリルオキシ)テトラエチルシクロトリホスファゼン、モノ(p−トリルオキシ)ペンタエトキシシクロトリホスファゼン、モノn−プロポキシペンタ(p−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジn−プロポキシテトラ(p−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、トリn−プロポキシトリ(p−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジ(p−トリルオキシ)テトラn−プロポキシシクロトリホスファゼン、モノ(p−トリルオキシ)ペンタn−プロポキシシクロトリホスファゼン、モノiso−プロポキシペンタ(p−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジiso−プロポキシテトラ(p−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、トリiso−プロポキシトリ(p−トリルオキシ)シクロトリホスファゼン、ジ(p−トリルオキシ)テトラiso−プロポキシシクロトリホスファゼン、モノ(p−トリルオキシ)ペンタiso−プロポキシシクロトリホスファゼン、ヘプタフェノキシモノメトキシシクロテトラホスファゼン、ジメトキシヘキサフェノキシシクロテトラホスファゼン、ペンタフェノキシトリメトキシシクロテトラホスファゼン、テトラメトキシテトラフェノキシシクロテトラホスファゼン、ペンタメトキシトリフェノキシシクロテトラホスファゼン、ジフェノキシヘキサメトキシシクロテトラホスファゼン、ヘプタメトキシモノフェノキシシクロテトラホスファゼン、ヘプタフェノキシモノエトキシシクロテトラホスファゼン、ジエトキシヘキサフェノキシシクロテトラホスファゼン、ペンタフェノキシトリエトキシシクロテトラホスファゼン、テトラエトキシテトラフェノキシシクロテトラホスファゼン、ペンタエトキシトリフェノキシシクロテトラホスファゼン、ジフェノキシヘキサエトキシシクロテトラホスファゼン、ヘプタエトキシモノフェノキシシクロテトラホスファゼン、ヘプタフェノキシモノn−プロポキシシクロテトラホスファゼン、ジn−プロポキシヘキサフェノキシシクロテトラホスファゼン、ペンタフェノキシトリn−プロポキシシクロテトラホスファゼン、テトラn−プロポキシテトラフェノキシシクロテトラホスファゼン、ペンタn−プロポキシトリフェノキシシクロテトラホスファゼン、ジフェノキシヘキサn−プロポキシシクロテトラホスファゼン、ヘプタn−プロポキシモノフェノキシシクロテトラホスファゼン、ヘプタフェノキシモノiso−プロポキシシクロテトラホスファゼン、ジiso−プロポキシヘキサフェノキシシクロテトラホスファゼン、ペンタフェノキシトリiso−プロポキシシクロテトラホスファゼン、テトラiso−プロポキシテトラフェノキシシクロテトラホスファゼン、ペンタiso−プロポキシトリフェノキシシクロテトラホスファゼン、ジフェノキシヘキサiso−プロポキシシクロテトラホスファゼン、ヘプタiso−プロポキシモノフェノキシシクロテトラホスファゼン、ヘプタ(o−トリルオキシ)モノメトキシシクロテトラホスファゼン、ジメトキシヘキサ(o−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ペンタ(o−トリルオキシ)トリメトキシシクロテトラホスファゼン、テトラメトキシテトラ(o−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ペンタメトキシトリ(o−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ジ(o−トリルオキシ)ヘキサメトキシシクロテトラホスファゼン、ヘプタメトキシモノ(o−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ヘプタ(o−トリルオキシ)モノエトキシシクロテトラホスファゼン、ジエトキシヘキサ(o−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ペンタ(o−トリルオキシ)トリエトキシシクロテトラホスファゼン、テトラエトキシテトラ(o−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ペンタエトキシトリ(o−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ジ(o−トリルオキシ)ヘキサエトキシシクロテトラホスファゼン、ヘプタエトキシモノ(o−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ヘプタ(o−トリルオキシ)モノn−プロポキシシクロテトラホスファゼン、ジn−プロポキシヘキサ(o−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ペンタ(o−トリルオキシ)トリn−プロポキシシクロテトラホスファゼン、テトラn−プロポキシテトラ(o−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ペンタn−プロポキシトリ(o−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ジ(o−トリルオキシ)ヘキサn−プロポキシシクロテトラホスファゼン、ヘプタn−プロポキシモノ(o−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ヘプタ(o−トリルオキシ)モノiso−プロポキシシクロテトラホスファゼン、ジiso−プロポキシヘキサ(o−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ペンタ(o−トリルオキシ)トリiso−プロポキシシクロテトラホスファゼン、テトラiso−プロポキシテトラ(o−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ペンタiso−プロポキシトリ(o−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ジ(o−トリルオキシ)ヘキサiso−プロポキシシクロテトラホスファゼン、ヘプタiso−プロポキシモノ(o−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ヘプタ(m−トリルオキシ)モノメトキシシクロテトラホスファゼン、ジメトキシヘキサ(m−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ペンタ(m−トリルオキシ)トリメトキシシクロテトラホスファゼン、テトラメトキシテトラ(m−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ペンタメトキシトリ(m−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ジ(m−トリルオキシ)ヘキサメトキシシクロテトラホスファゼン、ヘプタメトキシモノ(m−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ヘプタ(m−トリルオキシ)モノエトキシシクロテトラホスファゼン、ジエトキシヘキサ(m−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ペンタ(m−トリルオキシ)トリエトキシシクロテトラホスファゼン、テトラエトキシテトラ(m−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ペンタエトキシトリ(m−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ジ(m−トリルオキシ)ヘキサエトキシシクロテトラホスファゼン、ヘプタエトキシモノ(m−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ヘプタ(m−トリルオキシ)モノn−プロポキシシクロテトラホスファゼン、ジn−プロポキシヘキサ(m−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ペンタ(m−トリルオキシ)トリn−プロポキシシクロテトラホスファゼン、テトラn−プロポキシテトラ(m−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ペンタn−プロポキシトリ(m−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ジ(m−トリルオキシ)ヘキサn−プロポキシシクロテトラホスファゼン、ヘプタn−プロポキシモノ(m−トリルオキシ)シクロテトラホスファゼン、ヘプタ(m−トリルオキシ)モノiso−プロポキシシクロテトラホスファゼン、ジiso−プロポキシヘキサ(m−トリルオキシ)シクロテトラホス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【0018】
前記一般式(2)で示される鎖状ホスファゼンとしては、前記環状ホスファゼンと同様の置換基を有する化合物が挙げられる。
【0019】
金属水酸化物の金属としては、周期表の第二主族または第三主族の金属、第二副族または第三副族の金属、例えば、カルシウム、亜鉛または好ましくはマグネシウムおよび(または)アルミニウムである。これらの金属水酸化物は、単独でもよいが、これらの金属水酸化物を有機化合物、例えば、高級脂肪族カルボン酸の第二主族または第三主族の金属塩、第二副族または第三副族の金属塩で被覆されたものでもよい。特に水酸化マグネシウムは、キスマ−5A、5B、5E、5J(商品名 協和化学製)、マグシーズN−3、N−1、水マグ200、10、10A、スターマグUM、M、L、S、C、CY(商品名 神島化学製)、FR−200(商品名 ブロモケム・ファーイースト製)などとして市販されているから、これをそのまま使用してもよい。
【0020】
前記赤燐は単独でもよいし、また、適当な無機化合物あるいは有機化合物で被覆されたものでもよいし、さらには、非ハロゲン系有機高分子組成物で希釈されたものでもよい。該赤燐の市販品として、ノーバレッド120、120UF、120UFA、ノーバエクセルST、W、MG、RXシリーズ、ノーバパレット各種(商品名 燐化学製)、ヒシガードCP、CP−15、UR−15、TP−10、セーフTP−10(日本化学製)、RP−120(鈴裕化学製)などが市販されているから、これをそのまま使用できる。
【0021】
本発明による難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物は、例えば、慣用の添加物をさらに含有してもよく、例えば、酸化防止剤、光安定剤、金属不活性剤を含有してもよく、また必要に応じて各種充填剤、導電性粉末などを含有してもよい。
【0022】
本発明による化合物のほかに添加されてもよい酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール、2−ターシャリー−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジターシャリーブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジターシャリーブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジターシャリーブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジノニル−4−メチルフェノール、2,6−ジターシャリーブチル−4−メトキシメチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1′−メチル−ウンデカ−1′−イル)−フェノール、2,4−ジメチル−6−(1′−メチル−トリデカ−1′−イル)−フェノールおよびそれらの混合物、2,4−ジオクチルチオメチル−6−ターシャリーブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジドデシルチオメチル−4−ノニルフェノールおよびそれらの混合物、2,6−ジターシャリーブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジターシャリーブチルハイドロキノン、2,5−ジターシャリーアミルハイドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジターシャリーブチルハイドロキノン、2,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペートおよびそれらの混合物、2,4−ビス−オクチルメルカプト−6−(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−ターシャリーブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート等および2,2′−メチレンビス(6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6−ターシャリーブチル−4−エチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4,6−ジターシャリーブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(6−ターシャリーブチル−4−イソブチルフェノール)、4,4′−メチレンビス(2,6−ジターシャリーブチルフェノール)4,4′−メチレンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、エチレングリコールビス[3,3′−ビス(3′−ターシャリーブチル−4′−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、等ならびに1,3,5−トリス(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシベンジル)−フェノール等を挙げることができる。
【0023】
本発明による化合物のほかに添加されてもよい光安定剤としては、たとえば、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジターシャリーブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5′−ターシャリーブチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジターシャリーブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−ターシャリーブチル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジターシャリーアミル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[3′−ターシャリーブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2′−オクチルオキシカルボニルエチルフェニル)]−5−クロロベンゾトリアゾール等:4−ヒドロキシ−、4−メトキシ−、4−オクトキシ−、4−デシルオキシ−、4−ドデシルオキシ−、4−ベンジルオキシ−、4,2′,4′−トリヒドロキシ−、2′−ヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ−または4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体など:4−ターシャリーブチルフェニル サリシレート、フェニル サリシレート、オクチルフェニル サリシレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−ターシャリーブチルベンゾイルレゾルシノール)、2,4−ジターシャリーブチルフェニルレゾルシノール、3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等:エチル α,−シアノ−β,β−ジオフェニルアクリレート、イソオクチル α,−シアノ−β,β−ジオフェニルアクリレート、メチル α−カルボメトキシシンナメート、メチル α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート等:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)サクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アジペート等:4,4′−ジオクチルオキシオキザニリド、2,2′−ジエトキシオキシオキザニリド、2,2′−ジオクチルオキシ−5,5′−ジターシャリーブチルオキザニリド、2,2′−ジドデシルオキシ−5,5′−ジターシャリーブチルオキザニリド、2−エトキシ−2′−エチルオキザニリド、N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキザニリド、2−エトキシ−5−ターシャリーブチル−2′−エトキシオキザニリド等:2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
【0024】
本発明における化合物のほかに添加されてもよい金属不活性化剤としては、たとえばN,N′−ジフェニルシュウ酸ジアミド、N−サルチラル−N′−サリチロイルヒドラジン、N,N′−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N′−ビス(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,3−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)シュウ酸ヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、N,N′−ジアセタール−アジピン酸ジヒドラジド、N,N′−ビスサリチロイルシュウ酸ジヒドラジド、N,N′−ビスサリチロイルチオプロピオン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
【0025】
本発明の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物は、各種成形品としての用途に供されるが、被膜、特に電線、ケーブル類、電気部品、機械部品、プラグ、マウント、ケーシング、カバー、外装の防火保護被膜を製造するための材料として有用である。
【0026】
前記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル(エチル)共重合体などを挙げることができる。
【0027】
ホスファゼン類と金属水酸化物の混合法としては、特に制限されず、ホスファゼン類を溶媒に溶解分散させ、そこに金属水酸化物を投入した後、溶媒を留去し乾燥する湿式法、あるいは金属水酸化物を撹拌しているところにホスファゼン類を投入する乾式法、あるいは樹脂を溶融しているところに、ホスファゼン類および金属水酸化物を投入し混練してもよい。赤燐を添加する場合は、金属水酸化物と同様に添加すればよい。
【0028】
難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物の難燃性の評価
難燃性の評価は、難燃性の度合いを示す酸素指数により評価を行った。日本工業規格JIS K7201(酸素指数法による高分子材料の燃焼試験方法)に準拠。
【0029】
【実施例】
以下、本発明化合物の合成例、調製例、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらは好ましい実施態様の例示に過ぎず、本発明はこれらの実施例だけに限定するものではない。
【0030】
合成例1
撹拌機、還流冷却管、温度計、滴下ロートを備えたフラスコ内において、テトラヒドロフラン500gにクロロホスファゼン混合物〔一般式(1)m=3のもの74.7%、m=4のもの9.9%、m=5以上のもの11.8%、一般式(2)で示される鎖状ホスファゼン類2.6%〕30.0g(0.258unitmol)を溶解させた。一方、テトラヒドロフラン130g中でフェノール24.3g(0.258mol)と60%水素化ナトリウム10.3g(0.258mol)を室温下で反応させ、ナトリウムフェノラートを生成させ、得られたナトリウムフェノラートを前記フラスコ内に室温下で滴下し、滴下終了後還流下で5時間反応させた。次に、室温まで冷却後、28%ナトリウムメチラートメタノール溶液52.3g(0.271mol)を反応系に室温下で滴下し、滴下終了後還流下で10時間反応させた。次に、前記反応混合体中の溶媒を加熱減圧して除去し、トルエン300mLを加えた後、水100mLで3回洗浄し、トルエン層のみを回収し、トルエンを減圧下で除去してアルコキシフェノキシホスファゼン類41.0g(収率93.2%)を得た。
【0031】
合成例2
合成例1と同様の条件でクロロホスファゼン混合物〔一般式(1)m=3のもの74.7%、m=4のもの9.9%、m=5以上のもの11.8%、一般式(2)で示される鎖状ホスファゼン類2.6%〕の代わりにヘキサクロロホスファゼンを使用し合成を行った。その結果、アルコキシフェノキシホスファゼン類41.4g(収率94.0%)を得た。
【0032】
合成例3
撹拌機、還流冷却管、温度計、滴下ロートを備えたフラスコ内において、テトラヒドロフラン500gにヘキサクロロホスファゼン30.0g(0.086mol)を溶解させた。一方、テトラヒドロフラン130g中でフェノール53.4g(0.568mol)と60%水素化ナトリウム22.7g(0.568mol)を室温下で反応させ、ナトリウムフェノラートを生成させ、得られたナトリウムフェノラートを前記フラスコ内に室温下で滴下し、滴下終了後24時間加熱撹拌を続ける。反応終了後、冷却し、不溶物をろ別した後、ろ液を濃縮するとヘキサフェノキシホスファゼン(アルコキシ基を含有していない)56.0g(収率94.0%)を得た。
【0033】
合成例4
合成例3と同様の条件でヘキサクロロホスファゼンの代わりにクロロホスファゼン混合物〔一般式(1)m=3のもの74.7%、m=4のもの9.9%、m=5以上のもの11.8%、一般式(2)で示される鎖状ホスファゼン類2.6%〕を使用し合成を行った。その結果、ワックス状のフェノキシホスファゼン混合物(アルコキシ基を含有していない)55.8g(収率93.6%)を得た。
【0034】
調製例1
アルコキシフェノキシホスファゼン混合物含有水酸化マグネシウムの調製。
500mLの丸底フラスコに250mLのアセトンを加えた後、合成例1で得られたアルコキシフェノキシホスファゼン混合物(5.0g)を加え、室温で撹拌した。アルコキシフェノキシホスファゼン混合物が完全に溶解したら、撹拌しつつ水酸化マグネシウム(95.0g)を少量ずつ加えた。加え終わってから30分間撹拌を続ける。アセトンを回収し粉末状固形物を40℃で真空乾燥してアルコキシフェノキシホスファゼン混合物含有水酸化マグネシウムを得た。
【0035】
調製例2
調製例1と同様の方法で、合成例1で得られたアルコキシフェノキシホスファゼン混合物の代わりに合成例2で得られたアルコキシフェノキシホスファゼンを用いてアルコキシフェノキシホスファゼン含有水酸化マグネシウムを得た。
【0036】
調製例3〜4
調製例1と同様の方法で、合成例1で得られたアルコキシフェノキシホスファゼン混合物の代わりに合成例3および4で得られたフェノキシホスファゼン(アルコキシ基を含有しない)を用いてそれぞれのホスファゼン含有水酸化マグネシウムを得た。
【0037】
調製例5
調製例1と同様の方法で、合成例1で得られたアルコキシフェノキシホスファゼン混合物の代わりにn−プロポキシホスファゼンオリゴマー(アリールオキシ基を含有していない)(大塚化学製)を用いてn−プロポキシホスファゼンオリゴマー含有水酸化マグネシウムを得た。
【0038】
調製例6
アルコキシフェノキシホスファゼン混合物および赤燐含有水酸化マグネシウムの調製。
500mLの丸底フラスコに250mLのアセトンを加えた後、合成例1で得られたアルコキシフェノキシホスファゼン混合物(4.0g)を加え、室温で撹拌した。アルコキシフェノキシホスファゼン混合物が完全に溶解したら赤燐(1.0g)を加え、撹拌しつつ水酸化マグネシウム(95.0g)を少量ずつ加えた。加え終わってから30分間撹拌を続ける。アセトンを回収し粉末状固形物を40℃で真空乾燥してアルコキシフェノキシホスファゼン混合物および赤燐含有水酸化マグネシウムを得た。
【0039】
実施例1
前記調製例1で得られたアルコキシフェノキシホスファゼン混合物含有水酸化マグネシウム33.3重量%、ポリオレフィン系樹脂としてのポリプロピレン66.7重量%をミキサーに挿入し、180℃で混練した。得られた混合物を用いて圧縮成形機(185℃、3分間)で成形し得られたシートを使用して難燃性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0040】
実施例2
実施例1と同様の操作で調製例1で得られたアルコキシフェノキシホスファゼン混合物含有水酸化マグネシウムの代わりに調製例2で得られたアルコキシフェノキシホスファゼン混合物含有水酸化マグネシウムを使用し難燃性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0041】
比較例1〜3
前記調製例3、4および5で得られたホスファゼン含有水酸化マグネシウム50.0重量%、ポリオレフィン系樹脂としてのポリプロピレン50.0重量%をミキサーに挿入し、180℃で混練した。得られた混合物を用いて圧縮成形機(185℃、3分間)で成形し得られたシートを使用して難燃性の評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例1と同様の操作で調製例1で得られたアルコキシフェノキシホスファゼン混合物含有水酸化マグネシウムの代わりに調製例3で得られたヘキサフェノキシホスファゼン含有水酸化マグネシウムを使用し難燃性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0042】
実施例3
実施例1と同様の操作で調製例1で得られたアルコキシフェノキホスファゼン混合物含有水酸化マグネシウムの代わりに調製例6で得られたアルコキシフェノキシホスファゼン混合物および赤燐含有水酸化マグネシウムを使用し難燃性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0004309518
【0044】
【効果】
(1)本発明により新規な難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物を提供できた。
(2)本発明の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物は、加熱されたときあるいは燃焼したときハロゲン系ガスを発生することがないので、環境にやさしく、また電気特性を悪化させることがない。
(3)本発明の組成物は、ハロゲンを発生することのない無機難燃剤のみを用いたものに比べて軽量であり、樹脂分が多いことに伴って、その機械的強度も大きい。
(4)アルコキシ基とアリールオキシ基の両方を含有するホスファゼンを用いた方が、一方のみを含有するホスファゼンより難燃性の効果が高い。

Claims (7)

  1. ポリオレフィン系樹脂に難燃剤として、
    (A)(イ)下記一般式(1)
    Figure 0004309518
    〔式中、mは3〜10の整数であり、Qのうちいずれかがアリールオキシ(OAr)基
    であり、Qのうち残りがアルコキシ(OR)基であって、かつ分子中のOAr基の
    数、OR基の数は下記3つの数式の関係をすべて満たすものである。
    Figure 0004309518
    で示される環状ホスファゼン誘導体および
    (B)下記一般式(3)
    Figure 0004309518
    (式中のzは2または3、Mは周期表の第二主族の金属、第三主族の金属、第二副族の
    金属および第三副族の金属よりなる群から選ばれた金属である。)
    で示される金属水酸化物
    を配合したことを特徴とする難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  2. ポリオレフィン系樹脂に難燃剤として、
    (A)(イ)下記一般式(1)
    Figure 0004309518
    〔式中、mは3〜10の整数であり、Qのうちいずれかがアリールオキシ(OAr)基
    であり、Qのうち残りがアルコキシ(OR)基であって、かつ分子中のOAr基の
    数、OR基の数は下記3つの数式の関係をすべて満たすものである。
    Figure 0004309518
    で示される環状ホスファゼン類と
    (ロ)下記一般式(2)
    Figure 0004309518
    〔式中、nは1〜20の整数であり、Qのうちいずれかがアリールオキシ(OAr)基
    であり、Qのうち残りがアルコキシ(OR)基であって、かつ分子中のOAr基の
    数、OR基の数は下記3つの数式の関係をすべて満たすものである。
    Figure 0004309518
    で示される鎖状ホスファゼン類からなるホスファゼン誘導体混合物および
    (B)下記一般式(3)
    Figure 0004309518
    (式中のzは2または3、Mは周期表の第二主族の金属、第三主族の金属、第二副族の
    金属および第三副族の金属よりなる群から選ばれた金属である。)
    で示される金属水酸化物
    を配合したことを特徴とする難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  3. さらに(C)赤燐を配合してなる請求項1または2記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  4. ポリオレフィン系樹脂と、前記(A)と(B)または前記(A)、(B)および(C)よりなる難燃剤との合計重量に対して、前記難燃剤の合計重量が10〜60重量%である請求項1、2または3記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  5. 酸素指数が27以上である請求項1ないし4のいずれか記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  6. 前記(B)を主成分とする粉末または粒子の表面に、前記(A)を被覆処理もしくはマイクロカプセル化処理された状態で使用されている請求項1ないし5のいずれか記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物。
  7. 請求項1ないし6のいずれか記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂組成物よりなることを特徴とする成形品。
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