JP4309218B2 - 車両用バッテリの搭載構造 - Google Patents
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Description
この対策として、車体カバーを設け、この車体カバー内にバッテリケースを収納することも考えられるが、その場合には、バッテリケースのレイアウト効率や冷却性の向上等が課題となる。
また、スクータ等の小型二輪車では、ラゲージボックス(収納ボックス)とサイドカバーとの間の隙間がデットスペースとなっていることが多いが、このような構成によれば、かかる隙間にバッテリが配置される。
前記バッテリケースは、前記組電池に接続されるコード(例えば、後述の実施例におけるコード77)を挿通させるための挿通口(例えば、後述の実施例における挿通口78a)を備え、
前記挿通口は、車体の内側に向けられていることを特徴とする。
さらに、挿通口から外部に出ているコードをバッテリケースの内側に無理なく収めることができるので、車体カバーを外した時にもコードが外部に露出しなくなり、メインテナンス性が向上する。
前記挿通口は、前記バッテリケースの上部に設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、路面からの泥はね等の影響を受け難くなる。
請求項5に係る発明は、前記駆動モータは、車体中心線に対して前記バッテリケースと反対側であって、前記収納ボックスの周囲に配置されていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、前記パワーユニットは、前記エンジンの一側にベルト式無段変速機(例えば、後述の実施例における無段変速機23)を備え、前記駆動モータの動力は、前記ベルト式無段変速機の従動軸(例えば、後述の実施例における従動軸60)に伝達され、前記駆動モータの出力軸は、前記従動軸と共に車幅方向を指向するように配置されていることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、前記従動軸は、減速機構(例えば、後述の実施例における減速機構69)を介して後輪と接続され、前記駆動モータは、平面レイアウト上、前記ベルト式無段変速機を挟んで前記減速機構と反対側に配置されていることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、前記駆動モータは、前記従動軸をモータ出力軸とするインナーロータ形とされていることを特徴とする。
請求項9に係る発明は、前記駆動モータは、前記ベルト式無段変速機と共に伝動ケース内に収納され、かつ前記ベルト式無断変速機に設けたファン(例えば、後述の実施例におけるファン54b)により該ベルト式無段変速機と共に強制冷却されることを特徴とする。
さらに、挿通口から外部に出ているコードをバッテリケースの内側に無理なく収めることができるので、車体カバーを外した際にもコードが外部に露出せず、メインテナンス性が向上する。
また、この発明によれば、特にスクータ等の小型二輪車において生じがちな、ラゲージボックス(収納ボックス)とサイドカバー間の隙間のデットスペースにバッテリが配置されるので、デッドスペースの有効利用が図られる。
なお、以下の説明において、前側とは車両の前進方向をいうものとし、さらに、右側及び左側とは車両が前進する方向に向かって右側及び左側をいうものとする。
さらに、車体フレーム10の外周は車体カバー13で覆われ、車体カバー13の後方かつ上面には搭乗者が着座するシート14が固定されている。シート14よりも前方には搭乗者が足を置くステップフロア15が形成されている。シート14の下方には、例えばヘルメットや荷物等を収納するためのユーティリティスペースとして機能する収納ボックス100が設けられている。
他方、駆動モータ21bからの動力は、従動軸60及び減速機構69を介して後輪WRに伝達される。つまり、減速機構69を介して後輪WRの駆動軸となる無段変速機23の従動軸60は、駆動モータ21bのモータ出力軸にもなっている。
エンジン20,ACGスタータモータ21a,及び駆動モータ21bの制御は、制御手段である制御ユニット7により行われる。
スロットルバルブ17とエンジン20との間には、燃料を噴射するインジェクタ18と、吸気管内の負圧を検出する負圧センサ19が配設されている。スロットルグリップを大きく操作すると、スロットルバルブ17が大きく開き、多量の空気が通流し、負圧センサ19が検出する吸気管負圧は小さくなる。これに伴い、エンジン20に吸入される空気量及び燃料の量は多くなる。
これに対して、スロットルグリップを小さく操作すると、スロットルバルブ17が少し開き、少量の空気が通流し、負圧センサ19が検出する吸気管負圧は大きくなる。これに伴い、エンジン20が吸入する空気量及び燃料の量は少なくなる。
エンジン20は、クランク軸22にコンロッド24を介して連結されたピストン25を備えている。ピストン25は、シリンダブロック26に設けられたシリンダ27内を摺動可能であり、シリンダブロック26はシリンダ27の軸線が略水平になるように配設されている。さらに、シリンダブロック26の前面にはシリンダヘッド28が固定され、シリンダヘッド28及びシリンダ27ならびにピストン25で混合気を燃焼させる燃焼室20aが形成されている。
ウォータポンプ34は、その回転軸35がカム軸30と一体に回転するように取り付けられている。したがって、カム軸30が回転するとウォータポンプ34を稼動させることができる。
アウターロータ52には、ACGスタータモータ21aを冷却するためのファン54aが取り付けられており、このファン54aがクランク軸22に同期して回転すると、ステータケース49のカバー55の側面55aに形成された冷却風取入口から、冷却用の空気が取り入れられる。
伝動ケース59の車体前側かつ左側には冷却風取入口59aが形成されており、クランク軸22に同期してファン54bが回転すると、該ファン54bの近傍に位置する冷却風取入口59aから伝動ケース59内に外気が取り入れられ、駆動モータ21b及び無段変速機23が強制的に冷却される。
駆動側伝動プーリ58は、図5の要部拡大図に示すように、スリーブ58dを介してクランク軸22に対して周方向回転自在に装着されており、スリーブ58d上に固着された駆動側固定プーリ半体58aと、スリーブ58dに対しその軸方向には摺動可能であるが周方向には回転不能に取り付けられた駆動側可動プーリ半体58cとを備えて構成されている。
そして、これら駆動側固定プーリ半体58aと駆動側可動プーリ半体58cとの間、及び従動側固定プーリ半体62aと従動側可動プーリ半体62bとの間にそれぞれ形成された断面略V字状のベルト溝には、無端状のVベルト63が巻き掛けられている。
従動側可動プーリ半体62bの背面側(車幅方向左側)には、該従動側可動プーリ半体62bを従動側固定プーリ半体62a側に向けて常時付勢するスプリング64が配設されている。
この発進クラッチ40は、上記スリーブ58dに固着されたカップ状のアウタケース40aと、クランク軸22の左端部に固着されたアウタプレート40bと、該アウタプレート40bの外縁部にウェイト40cを介して半径方向外側を向くように取り付けられたシュー40dと、該シュー40dを半径方向内側に付勢するためのスプリング40eとを備えて構成されている。
エンジン回転数が上昇し、クランク軸22の回転数が上記所定値を越えると、ウェイト40cに働く遠心力がスプリング40eにより半径方向内側に働く付勢力に抗し、ウェイト40cが半径方向外側に移動することによって、シュー40dがアウタケース40aの内周面を所定値以上の力で押圧される。これにより、クランク軸22の回転がアウタケース40aを介してスリーブ58dに伝達され、該スリーブ58dに固定された駆動側伝動プーリ58が駆動される。
このように、ワンウェイクラッチ44は、インナーロータ形式で構成された駆動モータ21bのインナーロータ80内に配置されていると共に、従動側可動プーリ半体62bの背面側(車幅方向左側)に配設されたスプリング64の車幅方向に隣接して配置されている。
インナーロータ80は、無段変速機23の出力軸でもある従動軸60と、カップ状をなしその中央部に形成されたボス部80bにて従動軸60とスプライン結合されたインナーロータ本体すなわち上記インナクラッチ44bと、該インナクラッチ44bの開口側外周面に配設されたマグネット80cとを備えて構成されている。インナクラッチ44bの底部側外周面には、伝動ケース59の内壁59Aに取り付けられたロータセンサ81により検知される複数の被検知体82が装着されている。
他方、ステータ83は、伝動ケース59内のステータケース83aに固定されたティース83bに導線を巻き掛けたコイル83cにより構成されている。
なお、駆動モータ21bを制御するPWM(Pulse Width Modulation)信号や回生時の電力は、端子(図示略)から入出力される。
さらに、駆動モータ21bは、図1に示す車体側面視にて、クランク軸22と後輪WRの車軸68とを結ぶ線Lよりも上方、かつ、車軸68よりも車体前方に配置されている。つまり、駆動モータ21bの出力軸である従動軸60は、上記線Lよりも上方に位置している。
上記に加え、パワーユニット11内に収納された駆動モータ21bは、図7に示すように、車体前後方向を指向する車体中心線Oに対して一側つまり車体左側、かつ、収納ボックス100の周囲に配置されている。
かかる構成により、従動軸60の回転は所定の減速比にて減速され、これと平行に軸支された後輪WRの車軸68に伝達される。
バッテリケース76は、図8〜図11に示すように、組電池75をその両側より狭持する一対の外側ケース半体76aと内側ケース半体76bとから構成されており、車体外側に面する外側ケース半体76a、及び車体内側に面する内側ケース半体76bは、いずれも組電池75の外形に沿う円弧状曲面をなしている。
挿通口78aは、組電池75に接続されるコード77を挿通させるための孔であり、図8,図9,及び図11に示すように、斜め上方に向けられている。従って、バッテリ74が後部フレーム6に支持されると、挿通口78aは車体の内側上方を向く。
この制御ユニット7は、スロットルバルブ17の開度を検出するスロットル開度センサや、負圧センサ19、ロータセンサ57,81等からの情報を受けて、ACGスタータモータ21aや駆動モータ21bの各ドライバ90,91や、エンジン20の点火プラグ29を作動させる点火装置に所定の制御信号を出力する。
ACGスタータモータ21a及び駆動モータ21bの駆動制御を行うドライバ90,91は、図7に示すように、共に後部フレーム6の左側メンバー6aに固定されており、収納ボックス100の周囲つまり車体外側(左側)、かつ、収納ボックス100を介してバッテリ74と対向する位置に配置されている。
すなわち、挿通口78aを外側に向けた場合に比して、外部からバッテリケース76内に水が侵入し難くなる。また、シート14の外縁部14aは、サイドカバー13aよりも横方向に張り出しているので、この張り出し部分が車体の内側を向く挿通口78aに対する屋根代わりになり、外部からの水侵入を効果的に防止することができる。
さらに、挿通口78aから外部に出ているコード77をバッテリケース76よりも車体の内側に無理なく収めることができるので、サイドカバー13を外した時にもコード77が外部に露出しなくなり、メインテナンス性も向上する。
また、スクータ等の小型二輪車では、収納ボックス100とサイドカバー13aとの間の隙間がデットスペースになりがちであるが、バッテリケース76を収納ボックス100とサイドカバー13aとの間に設けたので、かかる隙間にバッテリ74が配置されることになり、デッドスペースの有効利用が図られる。
また、バッテリ74と駆動モータ21bとの間に収納ボックス100を介在させたことにより、バッテリ74と駆動モータ21b間の距離を稼いでいるので、相互の熱影響を少なくすることができる。
また、バッテリ74とドライバ91との間に収納ボックス100を介在させたことにより、バッテリ74とドライバ91間の距離を稼いでいるので、相互の熱影響を少なくすることができる。
さらに、ドライバ90,91を共に収納ボックス100の一側つまり車体左側、かつ、バッテリ74とは反対側に配置して、体格の似たものを車幅方向の一側に並ばせると共に、体格の異なるものが一側に並ばないようにしたので、レイアウト効率及び外観品質も向上する。
エンジン始動時は、クランク軸22上のACGスタータモータ21aを用いてクランク軸22を回転させる。このとき、発進クラッチ40は接続されておらず、クランク軸22から無段変速機23への動力伝達は遮断されている。そして、クランク軸22の回転と同期してシリンダ27内に吸気された燃料混合気を点火プラグで燃焼させ、ピストン25を往復運動させる。
そして、スロットルグリップの操作量に対応して、クランク軸22の回転数が所定値(例えば、3000rpm)を越えると、クランク軸22の回転動力が発進クラッチ40を介して無段変速機23,ワンウェイクラッチ44,及び減速機構69に伝達され、後輪WRが駆動される。
また、エンジン20による発進に代えて、駆動モータ21bのみによる発進も可能である。この場合は、駆動モータ21bによる従動軸60の回転は、ワンウェイクラッチ44により従動側伝動プーリ62に伝達されないので、無段変速機23を駆動させることはない。これにより、駆動モータ21bのみで後輪WRを駆動して走行する場合には、エネルギー伝達効率が向上する。
これとは逆に、駆動モータ21bのみで走行している場合に、エンジン20でモータ走行をアシストすることもできる。
この一定速度走行時に駆動モータ21bのみを動力源として走行している場合は、駆動モータ21bから後輪WRへの動力伝達が無段変速機23を駆動させることなく行われるので、エネルギー伝達効率に優れる。
つまり、後輪WRから駆動モータ21bへの回生動作時に、後輪WRから駆動モータ21bに伝達される動力が無断変速機23の駆動に消費されることがないので、回生時の充電効率が向上する。
13a サイドカバー
75 組電池
75a 単電池
76 バッテリケース
77 コード
78a 挿通口
Claims (9)
- 複数の単電池から構成された組電池がバッテリケース内に収納され、前記バッテリケースがその外側から車体カバーで覆われてなる車両用バッテリの搭載構造であって、
当該車両は、搭乗者が着座するシートと、該シートの下方に配置される収納ボックスとを備え、前記シートよりも前方には搭乗者が足を置くステップフロアが形成され、前記収納ボックスの周囲は前記車体カバーで覆われ、前記収納ボックスと前記車体カバーとの間には、前記バッテリケースが設けられる車両用バッテリの搭載構造において、
当該車両は、エンジンと駆動モータを備えるパワーユニットをユニットスイング式に揺動可能に車体フレームに取り付けたハイブリッド車両とされ、
前記バッテリケースの外面形状は、前記車体カバーの内面形状に略沿うように構成され、前記複数の単電池はそれぞれ円柱状をなし、その側面同士が互いに当接するように、かつ軸線方向を上下方向とするように、しかも上方からの平面視で前記車体カバーの内面形状に沿う円弧状をなすように隣接配置されて、前記バッテリケース内に収納されることを特徴とする車両用バッテリの搭載構造。 - 前記バッテリケースは、前記組電池に接続されるコードを挿通させるための挿通口を備え、
前記挿通口は、車体の内側に向けられていることを特徴とする請求項1記載の車両用バッテリの搭載構造。 - 前記挿通口は、前記バッテリケースの上部に設けられていることを特徴とする請求項2記載の車両用バッテリの搭載構造。
- 前記駆動モータの駆動制御を行うドライバは、前記収納ボックスと前記車体カバーとの間であって、前記収納ボックスを介して前記バッテリケースと対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の車両用バッテリの搭載構造。
- 前記駆動モータは、車体中心線に対して前記バッテリケースと反対側であって、前記収納ボックスの周囲に配置されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の車両用バッテリの搭載構造。
- 前記パワーユニットは、前記エンジンの一側にベルト式無段変速機を備え、前記駆動モータの動力は、前記ベルト式無段変速機の従動軸に伝達され、前記駆動モータの出力軸は、前記従動軸と共に車幅方向を指向するように配置されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の車両用バッテリの搭載構造。
- 前記従動軸は、減速機構を介して後輪と接続され、前記駆動モータは、平面レイアウト上、前記ベルト式無段変速機を挟んで前記減速機構と反対側に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の車両用バッテリ搭載構造。
- 前記駆動モータは、前記従動軸をモータ出力軸とするインナーロータ形とされていることを特徴とする請求項6又は7に記載の車両用バッテリ搭載構造。
- 前記駆動モータは、前記ベルト式無段変速機と共に伝動ケース内に収納され、かつ前記ベルト式無断変速機に設けたファンにより該ベルト式無段変速機と共に強制冷却されることを特徴とする請求項6から8の何れか1項に記載の車両用バッテリ搭載構造。
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