JP4270460B2 - 無段変速機構の制御装置 - Google Patents

無段変速機構の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4270460B2
JP4270460B2 JP2004239434A JP2004239434A JP4270460B2 JP 4270460 B2 JP4270460 B2 JP 4270460B2 JP 2004239434 A JP2004239434 A JP 2004239434A JP 2004239434 A JP2004239434 A JP 2004239434A JP 4270460 B2 JP4270460 B2 JP 4270460B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
continuously variable
variable transmission
speed
clutch
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004239434A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006057705A (ja
Inventor
善昭 塚田
浩孝 小島
孝 大関
弘明 内笹井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2004239434A priority Critical patent/JP4270460B2/ja
Publication of JP2006057705A publication Critical patent/JP2006057705A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4270460B2 publication Critical patent/JP4270460B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は無段変速機構の制御装置に係り、特に、エンジン回転に応じて変速比が連続的に変化する無段変速機構の制御装置に関する。
エンジンの駆動力をベルト式の無段変速機を介して駆動輪へ伝達する変速機構において、遠心式の発進クラッチを出力軸(従動側)に設ける構成では、車両が急停車した際に駆動輪から変速機へのトルクの入力を発進クラッチで遮断できる。したがって、エンジンが停止していなければ無段変速機の回転が継続されるので変速比が発進時のローレシオへ戻れるものの、一般的に、減速される出力軸に設けられる発進クラッチは、その伝達容量を大きくしなければならないので、装置の大型化や重量の増加を招いてしまう。
これに対して、特許文献1には、発進クラッチを無段変速機の入力軸(駆動側)に設ける構成が開示されている。このような構成では、車両が急停車した際に無段変速機の変速比が戻らないことがあり、そのような場合、再発進する際に無段変速機の変速比がローレシオまで戻りきっていないので十分な加速性能を得ることが難しいという技術課題が新たに生じる。
特開平8−178014号公報
図7は、上記した課題を説明するためのタイミングチャートであり、時刻t1において、スロットルグリップの開度θgpが閉じ始めると、これに応答してエンジン回転数Neおよび車速Vが低下し始め、少し遅れて無段変速機の変速比Rmも低下し始める。このとき、スロットルグリップの閉操作が、同図に実線で示したように緩慢であれば、時刻t3においてエンジン回転数が発進クラッチのクラッチ・イン回転数Ninを下回る前に無段変速機の変速比Rm が発進時のローレシオRlowまで完全に戻れる。したがって、次の発進時にはローレシオRlowからの発進が可能になって良好な加速性能を得ることが難しくなる。
これに対して、スロットルグリップの閉操作が、同図に破線で示したように急速であると、エンジン回転数Neの降下率も大きくなるので、時刻t2においてエンジン回転数Neが発進クラッチのクラッチ・イン回転数Ninを下回るまでに、無段変速機の変速比Rm が発進時のローレシオRlowまで戻れない。したがって、次の発進時にはローレシオRlowから発進できないので良好な加速性能を得られない。
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決し、無段変速機を備えた車両において、常にローレシオからの発進を可能にして良好な加速性能を得られるようにすることにある。
上記した目的を達成するために、本発明は、エンジンのクランク軸と駆動軸との間に、遠心式の発進クラッチおよび入力軸の回転速度に応じて連続的に変速する無段変速機が直列に連結された無段変速機構の制御装置において、以下のような手段を講じた点に特徴がある。
(1)アクセル開度を検知するアクセル開度センサと、アクセル操作に応じてスロットルバルブを開閉させる開閉機構と、無段変速機の変速比を検知する変速比センサと、スロットルバルブをアクセル操作とは無関係に開閉させるスロットルアクチュエータと、前記無段変速機と駆動軸との間に介装され、無段変速機から駆動軸への一方向のみ動力を伝達する一方向クラッチと、アクセル開度が所定の基準開度を下回っているときに前記変速比が所定のローレシオまで戻っていないと、変速比が前記所定のローレシオに戻るまでスロットルアクチュエータを制御して、エンジン回転数を所定の変速可能回転数以上に維持するスロットル制御手段とを含むことを特徴とする。
(2)無段変速機は、その入力軸に遠心式の発進クラッチを介してエンジンのクランク軸が連結され、出力軸に駆動軸が連結されたベルト式無段変速機であり、スロットル制御手段は、アクセル開度が所定の基準開度を下回っているときに前記変速比が所定のローレシオまで戻っていないと、変速比が前記所定のローレシオに戻るまで、前記スロットルアクチュエータを制御して、エンジン回転数を前記発進クラッチのクラッチ・イン回転数以上に維持することを特徴とする。
(3)変速比が所定のローレシオまで戻ると、スロットルバルブがアクセル操作に応じて開閉されることを特徴とする。
本発明によれば、以下のような効果が達成される。
(1)請求項1の発明によれば、アクセル開度を全閉開度またはその近傍まで戻すアクセル操作がなされてエンジン回転数が急激に低下しても、無段変速機の変速比が発進時のローレシオに戻るまでは、アクセル操作とは無関係にスロットルバルブがアクチュエータにより駆動されて、エンジン回転数が無段変速機の変速可能回転数以上に維持されるので、変速比を確実にローレシオまで戻せるようになる。したがって、次の発進時にはローレシオからの発進が可能になるので、常に良好な加速性能を得られるようになる。
(2)請求項2の発明によれば、遠心式の発進クラッチが無段変速機の入力側(駆動側)に連結される構造において、無段変速機の変速比が発進時のローレシオに戻るまでは、アクセル操作とは無関係にスロットルバルブがアクチュエータにより駆動されて、エンジン回転数が発進クラッチのクラッチ・イン回転数以上に維持されるので、変速比を確実にローレシオまで戻せるようになる。したがって、次の発進時にはローレシオからの発進が可能になるので、常に良好な加速性能を得られるようになる。
(3)請求項3の発明によれば、無段変速機の変速比がローレシオまで戻されると、スロットルバルブの制御主体が、スロットルアクチュエータからアクセル操作に戻されるので、発進クラッチの連結期間を必要最小限に抑えられる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明を適用したスクータ型ハイブリッド車両の一実施形態の側面図である。
ハイブリッド車両は、車体前方に前輪WFを軸支するフロントフォーク1を有し、このフロントフォーク1はヘッドパイプ2に枢支されており、ハンドル3の操作によって操舵可能とされている。ヘッドパイプ2からは後方かつ下方に向けてダウンパイプ4が取り付けられており、このダウンパイプ4の下端からは中間フレーム5が略水平に延設されている。さらに、中間フレーム5の後端からは、後方かつ上方に向けて後部フレーム6が形成されている。
このように構成された車体フレーム10には、動力源としてのエンジンおよび駆動モータを含むパワーユニット11の一端が枢着されている。パワーユニット11は、その後方の他端側に駆動輪である後輪WRが回転可能に取り付けられると共に、後部フレーム6に取り付けられたリヤクッションにより吊り下げられている。
車体フレーム10の外周は車体カバー13で覆われ、車体カバー13の後方かつ上面には搭乗者が着座するシート14が固定されている。シート14よりも前方には搭乗者が足を置くステップフロア15が形成されている。シート14の下方には、ヘルメットや荷物等を収納するためのユーティリティスペースとして機能する収納ボックス100が設けられている。
図2は、上記したハイブリッド車両のシステム構成を示したブロック図であり、前記パワーユニット11は、エンジン20と、エンジン始動機および発電機として機能するACGスタータモータ21aと、クランク軸22に連結されてエンジン20の動力を後輪WRへ伝達する無段変速機(動力伝達手段)23と、クランク軸22と無段変速機23の入力軸との間の動力伝達を断接させる発進クラッチ40と、発動機または発電機として機能する駆動モータ21bと、エンジン20から後輪WR側へは動力を伝達するが、後輪WRからエンジン20側へは動力を伝達しない一方向クラッチ44と、無段変速機23の出力を減速して後輪WRに伝達する減速機構69とを備えて構成されている。前記無段変速機23の変速比Rmは変速比センサ12により検知され、エンジン20の回転数Neはエンジン回転数センサ36により検知される。
エンジン20の動力は、クランク軸22から発進クラッチ40、無段変速機23、一方向クラッチ44、駆動軸60および減速機構69を介して後輪WRに伝達される。他方、駆動モータ21bの動力は、駆動軸60および減速機構69を介して後輪WRに伝達される。つまり、本実施形態では駆動軸60が駆動モータ21bの出力軸を兼ねている。
ACGスタータモータ21aおよび駆動モータ21bにはバッテリ74が接続されている。このバッテリ74は、駆動モータ21bが発動機として機能する際、およびACGスタータモータ21aが始動機として機能する際は、これらモータ21a、21bに電力を供給し、ACGスタータモータ21aおよび駆動モータ21bが発電機として機能する際は、これらの回生電力が充電されるように構成されている。エンジン20、ACGスタータモータ21aおよび駆動モータ21bは制御ユニット7の走行制御部7aにより制御される。スロットルグリップ38には、アクセル開度としてのグリップ開度θgpが全閉開度またはその近傍の基準開度まで戻されたことを検知するアクセル開度センサとしてのスロットルグリップセンサ39が設けられている。
エンジン20の吸気管16内には空気量を制御するスロットルバルブ17が回動自在に設けられている。このスロットルバルブ17は、搭乗者が操作するスロットルグリップ(不図示)の操作量に応じて回動する。なお、本実施形態ではスロットルバルブ17をアクセル操作とは無関係に開閉させるスロットルアクチュエータとしてのDBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)システム37を搭載し、前記スロットルバルブ17を、ライダーの操作とは無関係に、エンジン回転数や車速等に基づいて自動制御することも可能である。スロットルバルブ17とエンジン20との間には、燃料を噴射するインジェクタ18と、吸気管内の負圧を検出する負圧センサ19が配設されている。
次に、図3を参照しながらエンジン20および駆動モータ21bを含むパワーユニット11の構成について説明する。
エンジン20は、クランク軸22にコンロッド24を介して連結されたピストン25を備えている。ピストン25は、シリンダブロック26に設けられたシリンダ27内を摺動可能であり、シリンダブロック26はシリンダ27の軸線が略水平になるように配設されている。シリンダブロック26の前面にはシリンダヘッド28が固定され、シリンダヘッド28およびシリンダ27ならびにピストン25で混合気を燃焼させる燃焼室20aが形成されている。
シリンダヘッド28には、燃焼室20aへの混合気の吸気または排気を制御するバルブ(不図示)と、点火プラグ29とが配設されている。バルブの開閉は、シリンダヘッド28に軸支されたカム軸30の回転により制御される。カム軸30は一端側に従動スプロケット31を備え、従動スプロケット31とクランク軸22の一端に設けた駆動スプロケット32との間には無端状のカムチェーン33が掛け渡されている。カム軸30の一端には、エンジン20を冷却するウォータポンプ34が設けられている。ウォータポンプ34は、その回転軸35がカム軸30と一体に回転するように取り付けられている。したがって、カム軸30が回転するとウォータポンプ34を稼動させることができる。
クランク軸22を軸支するクランクケース48の車幅方向右側にはステータケース49が連結されており、その内部にACGスタータモータ21aが収納されている。このACGスタータモータ21aは、いわゆるアウターロータ形式のモータであり、そのステータは、ステータケース49に固定されたティース50に導線を巻き掛けたコイル51からなる。一方、アウターロータ52はクランク軸22に固定されており、ステータの外周を覆う略円筒形状を有している。また、アウターロータ52の内周面には、マグネット53が配設されている。
アウターロータ52には、ACGスタータモータ21aを冷却するためのファン54aが取り付けられており、このファン54aがクランク軸22に同期して回転すると、ステータケース49のカバー55の側面55aに形成された冷却風取入口から、冷却用の空気が取り入れられる。
クランクケース48の車幅方向左側には伝動ケース59が連結されており、その内部にはクランク軸22の左端部に固定されたファン54b、発進クラッチ40を介してクランク軸22に駆動側が連結された無段変速機23、無段変速機23の従動側に連結された駆動モータ21bが収納されている。ファン54bは、伝動ケース59内に収容された無段変速機23および駆動モータ21bを冷却するものであり、無段変速機23に対して駆動モータ21bと同側、すなわち、本実施例では共に車幅方向左側に配置されている。
伝動ケース59の車体前側かつ左側には冷却風取入口59aが形成されており、クランク軸22に同期してファン54bが回転すると、該ファン54bの近傍に位置する冷却風取入口59aから伝動ケース59内に外気が取り入れられ、駆動モータ21bおよび無段変速機23が強制的に冷却される。
無段変速機23は、クランクケース48から車幅方向に突出したクランク軸22の左端部に発進クラッチ40を介して装着された駆動側伝動プーリ58と、クランク軸22と平行な軸線を持って伝動ケース59に軸支された駆動軸60に一方向クラッチ44を介して装着された従動側伝動プーリ62との間に、無端状のVベルト(無端ベルト)63を巻き掛けて構成されるベルトコンバータである。
駆動側伝動プーリ58は、図4の要部拡大図に示すように、スリーブ58dを介してクランク軸22に対して周方向への回転自在に装着されており、スリーブ58d上に固着された駆動側固定プーリ半体58aと、スリーブ58dに対して、その軸方向へは摺動可能であるが周方向には回転不能に取り付けられた駆動側可動プーリ半体58cとを備える。
他方、従動側伝動プーリ62は、スリーブ62cを介して駆動軸60に、その軸方向の摺動は規制されているが周方向には回転自在に取り付けられた従動側固定プーリ半体62aと、前記スリーブ62c上に、その軸方向への摺動可能に取り付けられた従動側可動プーリ半体62bとを備える。
そして、これら駆動側固定プーリ半体58aと駆動側可動プーリ半体58cとの間、および従動側固定プーリ半体62aと従動側可動プーリ半体62bとの間にそれぞれ形成された断面略V字状のベルト溝に、無端状の5ベルト63が巻き掛けられている。
従動側可動プーリ半休62bの背面側(車幅方向左側)には、従動側可動プーリ半体62bを従動側固定プーリ半体62a側に向けて常時付勢するスプリング(弾性部材)64が配設されている。
このような構成において、クランク軸22の回転数が上昇すると、駆動側伝動プーリ58においては、ウェイトローラ58bに遠心力が作用して駆動側可動プーリ半体58cが駆動側固定プーリ半休58a側に摺動する。この摺動した分だけ駆動側可動プーリ半体58cが駆動側固定プーリ半体58aに近接し、駆動側伝動プーリ58の溝幅が減少するので、駆動側伝動プーリ58と5ベルト63との接触位置が駆動側伝動プーリ58の半径方向外側にずれ、5ベルト63の巻き掛け径が増大する。これに伴い、従動側伝動プーリ62においては、従動側固定プーリ半体62aと従動側可動プーリ半体62bとにより形成される溝幅が増加する。つまり、クランク軸22の回転数に応じて、Vベルト63の巻き掛け径(伝達ピッチ径)が連続的に変化し、変速比が自動的かつ無段階に変化する。
発進クラッチ40は、無段変速機23よりも車体外側(本実施例では車幅方向左側)、すなわち、駆動側固定プーリ半体58aとファン54bとの間、かつ、伝動ケース59に形成された冷却風取入口59aの近傍に設けられている。
発進クラッチ40は、上記スリーブ58dに固着されたカップ状のアウターケース40aと、クランク軸22の左端部に固着されたアウタープレート40bと、アウタープレート40bの外線部にウェイト40cを介して半径方向外側を向くように取り付けられたシュー40dと、シュー40dを半径方向内側に付勢するためのスプリング40eとを備えて構成されている。
エンジン回転数、すなわちクランク軸22の回転数が所定値(例えば、3000rpm)以下の場合には、クランク軸22と無段変速機23との間の動力伝達は発進クラッチ40により遮断されている。エンジン回転数が上昇し、クランク軸22の回転数が上記所定値を越えると、ウェイト40cに働く遠心力がスプリング40eにより半径方向内側に働く弾性力に抗し、ウェイト40cが半径方向外側に移動することによって、シュー40dがアウターケース40aの内周面を所定値以上の力で押圧される。これにより、クランク軸22の回転がアウターケース40aを介してスリーブ58dに伝達され、該スリーブ58dに固定された駆動側伝動プーリ58が駆動される。
一方向クラッチ44は、カップ状のアウタークラッチ44aと、このアウタークラッチ44aに同軸に内挿されたインナークラッチ44bと、このインナークラッチ44bからアウタークラッチ44aに対して一方向のみ動力を伝達可能にするローラ44cとを備えている。アウタークラッチ44aは、駆動モータ21bのインナーロータ本体を兼ね、インナーロータ本体と同一部材で構成されている。インナークラッチ44bの内周と、従動側固定プーリ半体62aにおけるボス部の左端部とは、互いにスプライン結合されている。
無段変速機23の従動側伝動プーリ62に伝達されたエンジン20側からの動力は、従動側固定プーリ半体62a、インナークラッチ44b、アウタークラッチ44aすなわちインナーロータ本体、駆動軸60および減速機構69を介して後輪WRに伝達されるのに対して、車両押し歩きの際や回生動作時等における後輪WR側からの動力は、減速機構69、駆動軸60、インナーロータ本体すなわちアウタークラッチ44aまでは伝達されるが、このアウタークラッチ44aがインナークラッチ44bに対して空転するので、無段変速機23およびエンジン20に伝達されることはない。
伝動ケース59の車体後方側には、駆動軸60をモータ出力軸とするインナーロータ形式の駆動モータ21bが設けられている。
インナーロータ80は、無段変速機23の出力軸でもある駆動軸60と、カップ状をなしその中央部に形成されたボス部80bにて駆動軸60とスプライン結合されたインナーロータ本体すなわち上記インナークラッチ44bと、このインナークラッチ44bの開口側外周面に配設されたマグネット80cとを備えている。インナークラッチ44bの底部側外周面には、伝動ケース59の内壁59Aに取り付けられたロータセンサ81により検知される複数の被検知体82が装着されている。他方、ステータ83は、伝動ケース59内のステータケース83aに固定されたティース83bに導線を巻き掛けたコイル83cにより構成されている。
図3へ戻り、駆動モータ21bは、エンジン20の出力をアシストする際に発動機として機能する他に、駆動軸60の回転を電気エネルギに変換し、図2には不図示のバッテリ74に回生充電する発電機(ジェネレータ)としても機能する。駆動モータ21bは、金属製の伝動ケース59の内壁59Aにステータケース83aを介して直付けされており、この直付け箇所に対応する伝動ケース59の外壁59Bには、車体前後方向に延びる冷却用のフイン59bが相互に間隔をおいて複数設けられている。
減速機構69は、伝動ケース59の後端部右側に連なる伝達室70内に設けられており、駆動軸60および後輪WRの車軸68と平行に軸支された中間軸73を備えると共に、駆動軸60の右端部および中間軸73の中央部にそれぞれ形成された第1の減速ギヤ対71、71と、中間軸73の右端部および車軸68の左端部にそれぞれ形成された第2の減速ギヤ対72、72とを備えて構成されている。このような構成により、駆動軸60の回転は所定の減速比にて減速され、これと平行に軸支された後輪WRの車軸68に伝達される。
前記制御ユニット7の走行制御部7aは、スロットルバルブ17の開度や、負圧センサ19、エンジン回転数センサ36等からの情報を受けて、エンジン20の点火プラグ29を作動させる点火装置に所定の制御信号を出力する。
前記制御ユニット7の変速比戻し制御部7bは、自動変速機の変速比Rmを監視し、スロットルグリップ38の開度が全閉開度またはその近傍の基準開度を下回っているときに前記変速比Rmが所定のローレシオまで戻っていないと、変速比Rmが前記所定のローレシオに戻るまで、前記DBW制御を実行してエンジン回転数Neを前記発進クラッチ40のクラッチ・イン回転数以上に維持する。
図5は、前記変速比戻し制御部7bで実施される変速比戻し制御の手順を示したフローチャートであり、図6は、そのタイミングチャートである。図6では、本実施形態の動作タイミングを実線で示し、スロットルグリップ38の閉操作が緩慢なときの動作タイミングを鎖線で示し、スロットルグリップ38の閉操作が急速であるにもかかわらず本実施形態の制御が実施されない場合の動作タイミングを一点鎖線で示している。
ステップS1では、スロットルグリップ38の開度が全閉状態(またはその近傍)にあるか否かが判定される。時刻t1において、スロットルグリップ開度θgpが全閉状態と判定されるとステップS2へ進み、無段変速機23の変速比Rmが検知される。ここで、実線で示したようにスロットルグリップ38が素早く戻されていると、変速比Rmが発進時のローレシオRlowまで戻っていないと判定されるのでステップS3へ進む。
ステップS3では、スロットル開度θthをスロットルグリップ開度θgpとは無関係に制御するDBW制御が時刻t2において開始され、エンジン回転数Neが発進クラッチ40のクラッチ・イン回転数Ninを若干上回るNref1に維持されるように、スロットル開度θthが制御される。エンジン回転数Neがクラッチ・イン回転数Ninよりも高く維持されていれば、無段変速機23では、エンジンの動力が発進クラッチ40を介して駆動側伝動プーリ58に伝達され、これを駆動するので、5ベルト63を介して従動側伝動プーリ62も駆動される。
ここで、エンジンはクラッチ・イン回転数Ninを若干上回る低速度で回転しているので、従動側可動プーリ半体62bがスプリング64により従動側固定プーリ半体62a側へ付勢され、5ベルト63の巻き掛け径が増大する。これに伴い、駆動側伝動プーリ62においては、駆動側固定プーリ半体58aと駆動側可動プーリ半体58cとにより形成される溝幅が、前記ウェイトローラ58bの遠心力に抗して狭まり、5ベルト63の巻き掛け径が減少し始める。すなわち、無段変速機変23の速比比Rmが漸次低下する。
その後、時刻t3において変速比RmがローレシオRlowまで戻り、これがステップS2で検知されると、ステップS4では、前記DBW制御が解除される。この結果、スロットルバルブ17の制御主体がDBW制御からアクセル操作へ戻るので、スロットル開度θthは再びスロットルグリップ開度に応じた開度に制御されることになる。
以上の構成からなるハイブリッド車両において、エンジン始動時は、クランク軸22上のACGスタータモータ21aを用いてクランク軸22を回転させる。このとき、発進クラッチ40は接続されておらず、クランク軸22から無段変速機23への動力伝達は遮断されている。
スロットルグリップの操作量に対応して、クランク軸22の回転数が所定値(例えば、3000rpm)を越えると、クランク軸22の回転動力が発進クラッチ40を介して無段変速機23、一方向クラッチ44および減速機構69に伝達され、後輪WRが駆動される。この発進時に、バッテリ74からの給電により駆動モータ21bを稼動させ、エンジン動力による駆動軸60の回転をアシストすることも可能である。
また、エンジン20による発進に代えて、駆動モータ21bのみによる発進も可能である。この場合は、駆動モータ21bによる駆動軸60の回転は、一方向クラッチ44により従動側伝動プーリ62に伝達されないので、無段変速機23を駆動させることはない。これにより、駆動モータ21bのみで後輪WRを駆動して走行する場合には、エネルギー伝達効率が向上する。
エンジン20のみで走行している場合において、加速時や高速時など負荷が大きいときは、駆動モータ21bでエンジン走行をアシストすることもできる。このとき、駆動軸60には、ピストン25の往復運動によるクランク軸22の回転動力が発進クラッチ40、無段変速機23および一方向クラッチ44を介して伝達されると共に、駆動モータ21bからの動力も伝達され、これらの合成動力が減速機構69を介して後輪WRを駆動する。これとは逆に、駆動モータ21bのみで走行している場合に、エンジン20でモータ走行をアシストすることもできる。
一定速度での走行(クルーズ走行)時において、駆動モータ21bのみを動力源として走行している場合、エンジン20を駆動させても発進クラッチ40の接続回転数(上記所定値)以下であれば、無段変速機23を駆動させずに、ACGスタータモータ21aによる発電を行うことができる。
この一定速度走行時に駆動モータ21bのみを動力源として走行している場合は、駆動モータ21bから後輪WRへの動力伝達が無段変速機23を駆動させることなく行われるので、エネルギー伝達効率に優れる。
減速時において、一方向クラッチ44は、駆動軸60の回転を無段変速機23の従動側伝動プーリ62に伝達しないので、無段変速機23を駆動させずに、車軸68の回転を減速機構69を介して直接、駆動モータ21bへ回生することができる。
つまり、後輪WRから駆動モータ21bへの回生動作時に、後輪WRから駆動モータ21bに伝達される動力が無断変速機23の駆動に消費されることがないので、回生時の充電効率が向上する。
一方、走行状態からの停車時に、スロットルグリップ38が素早く戻され、エンジン回転数Neが発進クラッチ40のクラッチ・イン回転数Ninを下回るまでに、無段変速機23の変速比Rm が発進時のローレシオRlowまで戻れないと、スロットル開度θthがDBW制御により所定開度に維持されてエンジン回転数Neがクラッチ・イン回転数Nin以上に維持され、これにより無段変速機23がローレシオRlowまで戻れるので、次の発進時には低変速比状態からの走行が可能となり、良好な加速性能を得られる。
なお、上記した実施形態では、発進クラッチ40が無段変速機23の入力側(駆動側)に連結される構成を例にして説明したが、発進クラッチ40が無段変速機23の出力側(従動側)に連結される場合であっても、グリップ開度θgpが全閉開度のときに無段変速機23の変速比RmがローレシオRlowまで戻っていなければ、変速比Rmがローレシオに戻るまでDBW制御を実施してエンジン回転数Neを無段変速機23の変速可能回転数以上に維持するようにすれば、同様の効果を奏することができる。
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、適用対象は、二輪車に限定されずに、三輪車や四輪車などの他の移動体であっても良い。
本発明に係るハイブリッド車両の一実施例による二輪車の側面図である。 図1に示す二輪車のシステム構成を示すブロック図である。 図1に示す二輪車のパワーユニットの断面図である。 図3の要部拡大図である。 変速比戻し制御の手順を示したフローチャートである。 変速比戻し制御の手順を示したタイミングチャートである。 従来の無段変速機の問題点を説明するための図である。
符号の説明
11 パワーユニット
12 変速比センサ
20 エンジン
21b 駆動モータ
23 無段変速機
36 エンジン回転数センサ
37 DBWシステム(スロットルアクチュエータ)
44 一方向クラッチ(一方向動力伝達手段)
60 駆動軸
62 従動側伝動プーリ(従動側プーリ)

Claims (2)

  1. エンジンのクランク軸と駆動軸との間に、遠心式の発進クラッチおよび入力軸の回転速度に応じて連続的に変速する無段変速機が直列に連結された無段変速機構の制御装置において、
    アクセル開度を検知するアクセル開度センサと、
    アクセル操作に応じてスロットルバルブを開閉させる開閉機構と、
    無段変速機の変速比を検知する変速比センサと、
    スロットルバルブをアクセル操作とは無関係に開閉させるスロットルアクチュエータと、
    前記無段変速機と駆動軸との間に介装され、無段変速機から駆動軸への一方向のみ動力を伝達する一方向クラッチと、
    アクセル開度が所定の基準開度を下回っているときに前記変速比が所定のローレシオに戻るまで、前記スロットルアクチュエータを制御してエンジン回転数を所定の変速可能回転数以上に維持し、前記変速比が所定のローレシオまで戻ると前記スロットルアクチュエータによる制御を解除し、前記スロットルバルブの制御主体を前記開閉機構に戻すスロットル制御手段を具備したことを特徴とする無段変速機構の制御装置。
  2. 前記無段変速機は、その入力軸に遠心式の発進クラッチを介してエンジンのクランク軸が連結され、出力軸に駆動軸が連結されたベルト式無段変速機であり、
    前記スロットル制御手段は、アクセル開度が所定の基準開度を下回っているときに前記変速比が所定のローレシオまで戻っていないと、変速比が前記所定のローレシオに戻るまで、前記スロットルアクチュエータを制御して、エンジン回転数を前記発進クラッチのクラッチ・イン回転数以上に維持することを特徴とする請求項1に記載の無段変速機構の制御装置。
JP2004239434A 2004-08-19 2004-08-19 無段変速機構の制御装置 Expired - Fee Related JP4270460B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004239434A JP4270460B2 (ja) 2004-08-19 2004-08-19 無段変速機構の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004239434A JP4270460B2 (ja) 2004-08-19 2004-08-19 無段変速機構の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006057705A JP2006057705A (ja) 2006-03-02
JP4270460B2 true JP4270460B2 (ja) 2009-06-03

Family

ID=36105351

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004239434A Expired - Fee Related JP4270460B2 (ja) 2004-08-19 2004-08-19 無段変速機構の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4270460B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020039670A1 (ja) 2018-08-23 2020-02-27 ヤマハ発動機株式会社 ストラドルドビークル

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5739710B2 (ja) * 2011-03-31 2015-06-24 本田技研工業株式会社 電子式変速制御ユニット

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020039670A1 (ja) 2018-08-23 2020-02-27 ヤマハ発動機株式会社 ストラドルドビークル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006057705A (ja) 2006-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4005062B2 (ja) ハイブリッド車両の動力切換装置
JP3967308B2 (ja) ハイブリッド車両
JP4270459B2 (ja) 無段変速機構の制御装置
EP1624230B1 (en) Motor cooling structure for electric vehicle
JP4248459B2 (ja) エンジン自動停止装置
JP4008437B2 (ja) パワーモジュールの駆動制御装置、及び、ハイブリッド車両
JP4531481B2 (ja) パワーユニットの冷却装置
EP1518737B1 (en) Power unit structure for hybrid vehicle
CA2508971C (en) Shift control apparatus for continuously variable transmission
JP4481103B2 (ja) 車両の発電制御装置、及び、その装置を搭載した車両
JP4327055B2 (ja) 車両のエンジン出力制限装置
JP4627425B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP2005104246A (ja) ハイブリッド車両におけるパワーユニット構造
JP4263587B2 (ja) ワンウェイクラッチ装置及びこれを用いた自動二輪車
JP2006051853A (ja) 電動二輪車
JP4270460B2 (ja) 無段変速機構の制御装置
JP4309218B2 (ja) 車両用バッテリの搭載構造
JP3967309B2 (ja) ハイブリッド車両におけるパワーユニット
JP3868944B2 (ja) 車両におけるバッテリ配置構造
JP2005104248A (ja) ハイブリッド車両におけるパワーユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080729

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080806

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090218

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090219

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120306

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130306

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130306

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140306

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees