JP4309083B2 - 管体継手機構および伸縮可撓管路部体 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は管体継手機構および伸縮可撓管路部体に係り、パッキングの収容部を特別に形成することなしに管路中に立体的なシール材を採用することができると共に採用された管路の内面において流体の流れに対し抵抗部を形成することが少なく、また継手部の長さないし幅を僅少化し、しかも管体内部流体圧に対する安定したシール作用を確保することのできる管体継手機構および伸縮可撓管路部体を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
各種管体を連結して液体その他の流体をそれなりの距離を採って移動させるには管体間にシール材を介装した接手部を形成することが必要であり、斯様な接手部用シール材として一般的なものは密実な断面構造をもった板状弾性材よりも立体的なU型その他の断面構造材をその開口部が管体の軸心方向に向くように採用することにより、管体などにおける内部流体圧を利用したシール関係を形成せしめ効率的な流通や閉塞状態を形成することができる。
【0003】
前記したようにU型などの断面をもったシール材は管路系における伸縮、偏心や曲げを吸収し、地震や地盤沈下、温度変化などにより管路に発生する応力を解放する上において有効であり、U型断面の開口面は管路などの中心軸線に向けた状態で採用されていて上記したような特性を有効に発揮されるものとされている。
【0004】
なお管路の伸縮と可撓性を共に得しめるものとして管体継手部分を2重管形式とすることが一部に採用されており、管端間の間隔部に部分的な外被部を2重管状に形成し、該外被部と管体との間にシール材を介装してシールするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような従来技術によるものはそれぞれにメリットを有するとしても一般的に接手部がフランジ部またはハウジング内にパッキング(シール材)を収容して緊締連結することとなるので接続連結部が相当に大径化または大型化することとなり、その取扱いまたは敷設、設定が嵩張ったものとならざるを得ない不利がある。特にパッキング材におけるシール作用を管内流体の内圧力を利用して行わしめるようにしたものにおいては該パッキング材にそれなりの内腔を形成したものとなるから接続連結部の大径化が大きいものとならざるを得ない。
【0006】
前記した2重管型式のものは管内流体の内圧力を管体外面と平行な方向においてシール作用せしめようとするものであることから接続部の大径化が少ないとしても、この場合においてはパッキングを内蔵したハウジングが管体の長さ方向において長大化することとなり接手部の短小コンパクト化を適切に求め得ない。
【0007】
更に上記したような従来のものはゴムベローズタイプの可撓接手などを含めて管路部体全長に対するゴム質弾性材の占める割合が大きく、管路の内圧や外圧が弾性材に作用する範囲が大きいのでゴムなどの弾性材に作用する負担が大で耐用性において好ましいものとならない不利がある。
【0008】
また接続部として要求される伸縮、偏心、曲げなどの変位量に即応せしめて弾性材や接続部の数や形態を増減変化することが困難で、その都度成形用金型などを作り変えることが必要であり、コストアップとならざるを得ない。
【0009】
なお従来のものにおける弾性材には布やワイヤなどの補強材を配設することが多いが伸縮や曲げ、偏心などに追従した変位吸収などを有効に得ることが困難であるなどの欠点を有している。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記したような従来技術における課題を解消することについて検討を重ね、伸縮可撓管路の如きにおいて、パッキング包容部の如きを特別に形成することなしに管路構成中に立体的なシール材を採用せしめ、しかも採用された管路の内面において流体の流れに対し抵抗部を形成することの少ないコンパクトな構成を得ることに成功したものであって以下の如くである。
【0011】
(1) 断面U型可撓部材を、端部にフランジ状継手部を形成した管路部体間にセットし、該管路部体の継手部と断面U型可撓部材の端部とを連結手段によって連結したことを特徴とした管体継手機構。
【0012】
(2) 中間部を彎曲させた断面U型可撓部材の中間彎曲部を管体内面に向けて設定し、管体内流体圧を可撓部材のアーチ効果によって受けるようにしたことを特徴とした前記(1)項に記載の管体継手機構。
【0013】
(3) 接続端にフランジ部を形成した管路部体間に断面U型で内径が前記管路部体に即応したリング部材を介装し、該リング部材と上記管路部体との間に断面U型可撓部材を介装せしめて連結したことを特徴とする前記(1)項または(2)項に記載の管体継手機構。
【0014】
(4) 管路部体間に断面T型で内径が該管路部体に即応したリング部材を介装し、該リング部材と上記管路部体との間に断面U型可撓部材を介装せしめて連結したことを特徴とする前記(1)〜(3)項の何れか1つに記載の管体継手機構。
【0015】
(5) 断面U型可撓部材の管路内面側を管路部体の内面と平行状としたことを特徴とする前記(1)〜(4)項の何れか1つに記載の管体継手機構。
【0016】
(6) 断面U型可撓部材の開口部を管体外面に向けて設定すると共に該可撓部材の内面に補強リングを設けたことを特徴とする前記(1)〜(5)項の何れか1つに記載の管体継手機構。
【0017】
(7) 断面U型可撓部材を接手部を形成した管路部体間に介装せしめ、前記可撓部材の端部と接手部とを連結手段によって連結した接続部を多段に形成したことを特徴とした伸縮可撓管路部体。
【0018】
【作用】
断面U型可撓部材を、端部にフランジ状継手部を形成した管路部体間にセットし、該管路部体の継手部と断面U型可撓部材の端部とを連結手段によって連結したことにより管路部体の端部に形成されたフランジ状継手部の範囲内において断面U型可撓部材を用いた継手部を形成せしめ、即ち継手部形成のために管路部体の厚さ方向および長さ方向の何れにおいても特別な部分は何もないことになり、単なる管路部体域内において可撓継手部を形成せしめ、しかも該管路において適当な可曲作用を得しめる。なお図示のように可撓部材の厚みを適当な範囲に選ぶことにより管内流体圧の作用条件下においても図示のような円形状態を維持するアーチ効果を確保することが容易であり、即ち図示のような円形状に突出したアーチ効果を発揮し易く安定した耐圧使用状態を維持せしめることが容易である。
【0019】
中間部を彎曲させた断面U型可撓部材の中間彎曲部を管体内面に向けて設定し、管体内流体圧を可撓部材のアーチ効果によって受けるようにしたことにより管体内流体圧を可撓部材において適切に受けしめ、管体内流体圧を受けるための構成を不要とし、しかも上述したような本発明における管路部体の厚さ方向および長さ方向の何れにおいても特別なものを何も必要としない有利性を充分に発揮せしめる。
【0020】
接続端にフランジ部を形成した管路部体間に断面U型で内径が前記管路部体に即応すると共に両端にフランジ部を形成したリング部材を介装し、該リング部材と上記管路部体との間にそれぞれ断面U型可撓部材を介装せしめて連結したことによって管路を形成する管路部体間にリング状部材と可撓部材を介装せしめた安定でしかも好ましい可撓性ないし可曲性を具備した管路を形成せしめる。
【0021】
管路部体間に断面T型で内径が該管路部体に即応したリング部材を介装し、該リング部体と上記管路部体との間に断面U型で内面を平面状とした可撓部材を介装せしめて連結したことによって安定で管路内面が平滑とされ、流体通過時に抵抗ないし圧力損失の少ない流路を形成せしめ、しかもそうした管路において好ましい屈曲作用を得しめる。
【0022】
断面U型可撓部材の開口部を管体外面に向けて設定すると共に内面に補強リングを設けたことによって管路内流体の高圧化によっても安定な可撓管路を形成せしめる。補強リングはU型可撓部材と共にエンドレス状として形成することができ、それによって比較的細径の撚線を多重状態に設定せしめ平易な設定と好ましい補強作用を共に得しめる。
【0023】
断面U型可撓部材を、接手部を形成した管路部体間に介装せしめ、前記可撓部材の端部と接手部とを連結手段によって連結した接続部を多段に形成したことにより多段可撓部材を形成し充分な可撓性と伸縮性をもった管路部体を上述したような本発明の特質性を確保して提供せしめる。
【0024】
【発明の実施の形態】
上記したような本発明によるものの具体的な実施態様を添付図面に示すところについて説明すると、本発明による基本的な実施態様は図1に示す如くであって、フランジ状接手部11を管路部体1の端部に板状として折立てて形勢した管端間に断面U型可撓部材2を介装し、該U型可撓部材2の両側部をフランジ状接手部11に重合せしめ、連結手段3によって緊締連結した接続部4を形成したものである。
【0025】
前記したような接続部4は上述したような管路部体1、1間において別に図2として示すように両側にフランジ状接手部11を対設連結した断面U型可撓部体2を採用するものであり、即ち管路部体1について芯ずれが発生した場合は図3における実線状態から仮想線状態に変位し管路部体1、1間の短管部体1aが図3において仮想線で示すように多段状に位置して管路の軸線方向を傾斜せしめるように成っている。
【0026】
なお管路部体1、短管部体1aの対向端部には係止突部1bが形成されていることは図2と共に図3に示されている通りであって、可撓部体2の端縁部と正確に係合した状態で結合され、図3に示すα、βのような傾斜ないし伸縮あるいは図4に示すような傾動変位作用によっても整然たる組みつけ状態を確保する。
【0027】
上記した図1〜図4のものは管路部体1,1間に介装された介装材として短管部体1aを採用したものであるが、本発明によるものがより小さい屈曲角度を以て管路の屈曲を可能とすることを望まれる場合には図4までに示した短管部体1aに代えて図5に示すような板状介装部体12を介装させた構成とする。即ち管路部体1に介装された板状介装部体12は管路の軸方向(長さ方向)において硬質部材の占める比率が小となり、可撓部材2の占める比率が大となって管路の軸方向における屈曲角度を大とすることができる。
【0028】
なお前記した図5に示すものは可撓部材2としては断面がU型で管路部体1の底面が円弧状であり、管路部体1や板状介装部体12との間に凹入部が形成されるので管路部体1内を流れる流体の流れを乱すこととなるのに対し、図6に示すものにおいては可撓部材2の底面を管路部体1の内面と面一状態の底面とした場合が示されている。即ち可撓部材2による底面が管路部体1の内面と面一状となることにより管路部体1内を流れる流体の流れを乱すことがなく管体部体1の内面と一連に連続した内面を形成して内部流体の流れを円滑化したものとすることができる。なお管路部体1の端部および板状介装部体12の端部外側部に係合段13が形成されることによって上記した可撓部材2のセット位置が規定され上記したように一連に連続した内面の形成を確保している。
【0029】
なお本発明によるものが比較的高い圧力条件の流体流路に採用されるような場合においては別に図7として示すような補強リング14を設けることができる。補強リング14は金属などの剛体でもよいが、また弾性の伸縮性部材でもよく、適当な延伸状態でセットし、その復元状態で可撓部材2の内底面に接合し、それなりに高い圧力条件で圧送される管路部体1の流体圧を抑制することができる。
【0030】
【発明の効果】
上記したような本発明によるときはパッキング収容部を特別に形成することなしに管路中に立体的なシール材を採用せしめ、比較的短小且つコンパクトな構成によって管路内面における流体の流れに対し抵抗部を形成することが少なく、また継手部の長さないし幅を僅少化した条件下で安定なシール作用を確保し、地震や地盤沈下、温度変化などに原因した管路の伸縮、偏心、曲げなどを適切に吸収せしめて安定な管路の設定、接続を確保することができるものであるから、工業的にその効果の大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による基本的実施形態の1つを示した部分的な断面図である。
【図2】本発明によるU型弾性連結部体を複合せしめた1つの実施形態についての部分的切欠側面図である。
【図3】図2に示したものの伸縮および偏心作用状態についての断面的説明図である。
【図4】図2、図3に示したものによる管路曲げ状態の断面的説明図である。
【図5】本発明によりI型連結リングを用いた多段連結構成を示す断面図である。
【図6】本発明によるI型連結リングとU型弾性連結部体を用いたものの部分的断面図である。
【図7】本発明によるU型弾性連結部体内に補強リングをセットした管路の内圧高圧化に対処した実施態様についての部分的断面図である。
【符号の説明】
1 管路部体
1a 短管部体
2 断面U型可撓部材
3 連結手段
4 接続部
11 フランジ状接手部
12 板状介装部体
13 係合段
14 補強リング
Claims (6)
- 流体密閉用の断面U型可撓部材を、端部に半径方向外方へ板状として折立てて形成したフランジ状継手部を形成した管路部体と他の前記管路部体との間にセットし、該管路部体の継手部と断面U型可撓部材の端部とを連結手段によって連結した管体継手機構であって、
中間部を弯曲させた断面U型可撓部材の中間弯曲部を管体内面に向けて設定し、管体内流体圧を可撓部材のアーチ効果によって受けるようにし、
前記断面U型可撓部材はリング状に形成されており、
前記管路部体の前記継手部の軸方向外側面に、半径方向外方部を残し半径方向中心側に向かって削落した形状を有する段部が形成されており、
前記断面U型可撓部材の前記端部の半径方向外側端面を前記段部の軸方向端面に当接させる
ことを特徴とした管体継手機構。 - 接続端にフランジ部を形成した管路部体間に断面U型で内径が前記管路部体に即応したリング部材を介装し、該リング部材と上記管路部体との間に断面U型可撓部材を介装せしめて連結し、
前記リング部材の軸方向外側面に、半径方向外方部を残し半径方向中心側に向かって削落した形状を有するリング部材用段部が形成されており、
前記断面U型可撓部材の前記端部の半径方向外側端面を前記リング部材用段部の軸方向端面に当接させる
ことを特徴とする請求項1に記載の管体継手機構。 - 管路部体間に断面T型で内径が該管路部体に即応したT型リング部材を介装し、該T型リング部体と上記管路部体との間に断面U型可撓部材を介装せしめて連結し、
前記T型リング部材の軸方向外側面に、半径方向外方部を残し半径方向中心側に向かって削落した形状を有するT型リング部材用段部が形成されており、
前記断面U型可撓部材の前記端部の半径方向外側端面を前記T型リング部材用段部の軸方向端面に当接させる
ことを特徴とする請求項1に記載の管体継手機構。 - 断面U型可撓部材の管路内面側を管路部体の内面と平行状としたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の管体継手機構。
- 断面U型可撓部材の開口部を管体外面に向けて設定すると共に該可撓部材の内面に補強リングを設けたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の管体継手機構。
- 流体密閉用の断面U型可撓部材を、端部に半径方向外方へ板状として折立てて形成したフランジ状継手部を形成した流体流路用の管路部体と他の前記管路部体との間に介装せしめ、該管路部体の継手部と断面U型可撓部材の端部とを連結手段によって連結した接続部を多段に形成した伸縮可撓管路部体であって、
中間部を弯曲させた断面U型可撓部材の中間弯曲部を管体内面に向けて設定し、管体内流体圧を可撓部材のアーチ効果によって受けるようにし、
前記断面U型可撓部材はリング状に形成されており、
前記管路部体の前記継手部の軸方向外側面に、半径方向外方部を残し半径方向中心側に向かって削落した形状を有する段部が形成されており、
前記断面U型可撓部材の前記端部の半径方向外側端面を前記段部の軸方向端面に当接させる
ことを特徴とした伸縮可撓管路部体。
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JP2001340764A JP4309083B2 (ja) | 2001-11-06 | 2001-11-06 | 管体継手機構および伸縮可撓管路部体 |
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Family Applications (1)
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JP2001340764A Expired - Lifetime JP4309083B2 (ja) | 2001-11-06 | 2001-11-06 | 管体継手機構および伸縮可撓管路部体 |
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2001
- 2001-11-06 JP JP2001340764A patent/JP4309083B2/ja not_active Expired - Lifetime
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