JP4309004B2 - 亜鉛合金ショット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイカスト製品などのバリの除去、表面処理などに使用される亜鉛合金ショットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、アルミニウム合金、亜鉛合金、マグネシウム合金などのダイカスト製品のバリ、スケールなどを除去する方法として、被処理製品にショットと呼ばれる小さな球を多数投射するショットブラスト法(shot blasting)が多く使用されている。
このショットブラストのショットに使用されるショット材としてはアルミニウム、スチール、ステンレス鋼などが広く採用されてきたが、アルミニウム製のショットは使用中に発生する粉塵により爆発を起こす危険があり、スチール製やステンレス鋼製のショットはビッカース硬度が200以上と硬すぎて被処理品の表面を荒らしてしまうなどの問題があった。
最近これらの問題を考慮して、ショット材として亜鉛を使用した亜鉛ショットが使用されるようになっている。亜鉛ショットは、粉塵爆発の危険性が極めて低く、被処理品表面を傷つけることなくブラストできるという利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、亜鉛ショットは硬度が40Hv程度と低いため、同じバリを取るにもブラスト時間が長くかかり作業能率上の問題がある。また、ショット自体の寿命も短く、さらに被処理品の表面が黒色化し商品価値を損なうなどの問題点があった。
そこで、本発明者等は、亜鉛中にニッケル等を含有させた硬度50〜70Hvを有する亜鉛合金ショットを開発し、先に特許出願をした(特願平10-130054)。
しかしながら、従来はビッカース硬度が70Hv以上となると、被処理品の表面を荒らして面粗度が得られなくなると言われてきたが、現在ではショットの寿命延命のためにより高い硬度、すなわち60〜130Hv程度の硬度を有する亜鉛合金ショットに対する要求がある。
【0004】
従って、本発明の目的は、前記の点に鑑み、作業能率が良くショットの寿命も長い亜鉛合金ショットを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するためになされた本発明の亜鉛合金ショットは、添加物としてマンガン0.3〜5.0質量%および残部亜鉛よりなる亜鉛合金ショットであって、平均粒径が0.4〜4.0mmであり、かつ硬度が60〜130Hvであることを特徴とするものである。
本発明の亜鉛合金ショットは、必要に応じてアルミニウム0.0001〜0.05質量%を含んでもよい。
これらの態様によると、材料の靭性を大きく損なうことなく硬度を増すことができる。特にアルミニウムを添加した場合、製造時の溶湯の流動性の悪化を防ぐことが可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明における実施の形態を詳細に説明する。
まず本発明に係る亜鉛合金ショットを構成する材料の説明を行なう。
(1) 亜鉛(Zn)は、本ショットを構成する主たる材料である。亜鉛は、スチールやステンレス鋼のように硬すぎることがなく、また、アルミニウムのように粉塵爆発を起こす可能性が極めて低い。
(2) マンガン(Mn)は、亜鉛合金を構成する成分として添加される。マンガンを添加することにより亜鉛合金の硬度が増す。
(3) アルミニウム(Al)は、マンガンと同様に亜鉛合金を構成する成分として必要に応じて添加されるが、アルミニウムの添加により溶湯の流動性の低下を防止する。
(4) なお、亜鉛、マンガンおよびアルミニウムは、特別に高純度のものを使う必要はなく、一般的な純度を有するもので充分である。
【0007】
次に、本発明に係る亜鉛合金ショットの粒径の説明を行なう。
本ショットは、平均粒径で0.4〜4.0mmとするが、好ましくは平均粒径で0.6〜1.8mm程度とする。0.4mm以下では、ショット一粒当たりの質量が小さいため、バリ取りなどの作業効率が落ちるからであり、4mm以上では、直径が大きすぎるために細かな部分のバリを取ることができず、また、重いため被処理品を傷つけてしまうおそれがあるからである。
平均粒径を0.6〜1.8mmとした場合が、作業能率及び表面仕上げの美麗さなど表面処理効果の点から好ましい。
なお、ショットは一旦分級し、所定の粒径ごとに分別したものを使用するのが、均一な表面仕上げ処理の観点からは好ましい。
【0008】
亜鉛合金ショットの硬度は、ビッカース硬度で60〜130Hvが適している。硬度が60Hv以上となると、ショットの寿命が延びる。またバリ取りの作業時間が短縮可能となって作業効率が上がる。しかしながら、硬度が130Hv以上では亜鉛合金ショットの靭性の面で、脆くなってかえって不経済である。
以上より、亜鉛合金ショットの硬度は、ビッカース硬度で60〜130Hvが好ましい。また、確実なブラスト時間の短縮と、ショット寿命の延長の観点から、亜鉛合金ショットの硬度は70〜100Hvが好ましい。
【0009】
次に、本発明に係る亜鉛合金ショットの製造について説明する。
所定の配合割合になるように亜鉛などの材料を混合し、好ましくは不活性ガス雰囲気下で加熱融解し溶湯とする。溶湯は水中(冷却媒体中)に流下され、球状化して凝固される。しかる後、これを乾燥し、分級などして、所定の粒度・硬度の亜鉛合金ショットを得るという、一般的なショット製造方法で製造することができる。
なお、この製造方法においては、溶湯の温度が低いとショットが細長い形状となり、糸状部を伴いやすくなる。一方、溶湯の温度が高いとショットが偏平になりやすい。一般に溶湯温度は、450〜650℃、好ましくは500〜600℃である。また、水温(冷却媒体の温度)が高い場合は形状が偏平化しやすく、硬度も若干減少する傾向がある。品質的に安定したショットを得るには、溶湯の温度や水温が一定していることが重要である。
【0010】
次に、亜鉛合金の組成と硬度などの関係を説明する。
(1) 表1に示すように、亜鉛にマンガンを添加すると亜鉛合金ショットの硬度が増すが、マンガンの添加量が少ない場合は所定の硬度が得られない。したがって、ブラストの効率が悪いため処理時間(ブラスト時間)が長くなる。また、ショット寿命も短くなる。
一方、マンガンの添加量が多すぎると、ショットの硬さは増すが、靭性が低減し脆くなってしまい好ましくない。また、マンガンの添加量が多いと(5.0質量%以上)、製造時にショットの形状が球形になりにくいため歩留まりが悪くなる。同様に、マンガン添加量が5.0質量%を超えると、硬度のばらつきが大きくなり品質の安定の面からも好ましく、また溶湯の流動性も悪くなる。
したがって、アルミニウムを添加しない場合のマンガンの添加量は3.0質量%以下が好ましく、この配合割合での硬度は約100Hvである。
【0011】
(2) アルミニウムは、溶湯の流動性の低下を防止するために、必要に応じて添加される。アルミニウムを多く加え過ぎると前記マンガンの場合と同様に、製造時に亜鉛合金ショットの形状が球状になりにくいので歩留まりが悪くなり、さらに亜鉛合金ショットが脆くなるので好ましくない。従って、アルミニウムを添加する場合の添加量は0.0001質量%〜0.05質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.0001質量%〜0.01質量%の範囲内である。
【0012】
【実施例】
次に実施例によってこの発明をさらに具体的に説明するが本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
【0013】
(実施例1〜5、比較例1〜3)
実施例の亜鉛合金ショットおよび比較例の亜鉛合金ショットは以下のようにして製造した。まず、表1に示す配合量のマンガンを亜鉛と混合し、これを加熱溶融し溶湯とした。次に、底部に所定の口径のノズルを有する黒鉛ルツボに前記溶湯を入れ、溶湯温度500〜600℃で溶湯上面に29KPa〜49KPa(0.3〜0.5kgf/cm2)の圧力を加えながらノズル先端部から溶湯を水中に滴下した。これにより、溶湯の流れは、球状化して凝固する。最後に、これを回収・乾燥し、分級などした後、表1に示す粒径・硬度を有するショットを得た。なお、ビッカース硬度は、10個のショットの平均値として示す。
また、ショット製造時に、溶湯の流動性について観察し、良好(○)、やや良(△)、不良(×)の三点評価を行った。結果を表1に併記する。
【0014】
【表1】
Figure 0004309004
【0015】
上記の結果から、マンガンの配合量が本発明の範囲よりも低い比較例1では所望の硬度が得られず、マンガンの配合量が増加するに従って硬度の増加が見られた。しかしながらマンガンの配合量が4.92質量%の実施例6付近で溶湯の流動性が徐々に悪くなった。マンガンの配合量が本発明より高い比較例2および比較例3では溶湯の流動性が悪化した。また得られた亜鉛合金ショットは非常に脆いものであった。
【0016】
実施例6〜23及び比較例4〜6
表2に示す配合量でマンガンおよびアルミニウムを添加する以外は、上記実施例1〜5および比較例1〜2と同様の方法で表2に示す粒径・硬度を有するショットを得た。また、ショット製造時に、溶湯の流動性について観察し、良好(○)、やや良(△)、不良(×)の三点評価を行った。結果を表2に併記する。
【0017】
【表2】
Figure 0004309004
【0018】
上記の結果から、アルミニウムの配合量が本発明の範囲よりも高い比較例4や比較例6では得られたショットが球形となりにくいことが判る。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る亜鉛合金ショットによれば、材料の靭性を大きく損なうことなく硬度を増すことができるので、ショットの寿命を長くすることが可能となった。また、従来の亜鉛ショットに比べて、効率よくブラストを行なうことができるので、処理時間を短くでき作業能率が向上する。

Claims (2)

  1. 添加物としてマンガン0.3〜5.0質量%および残部亜鉛よりなる亜鉛合金ショットであって、平均粒径が0.4〜4.0mmであり、かつ硬度が60〜130Hvであること、を特徴とする亜鉛合金ショット。
  2. さらに添加物として、アルミニウム0.0001〜0.05質量%を含むこと、を特徴とする請求項1記載の亜鉛合金ショット。
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