JP2009226535A - 亜鉛合金ショット - Google Patents
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Abstract
【課題】 大きな硬度を有し、研掃処理効率に優れていると共に、靭性が大きく、ショット寿命の長い亜鉛合金ショットを提供する。
【解決手段】 亜鉛を主成分とし、添加成分としてマグネシウムを含有する亜鉛合金からなるショットであって、マグネシウムの含有量は、0.03〜5.0重量%であり、43〜140Hvの硬度を有する亜鉛合金ショットである。
【選択図】 図1
【解決手段】 亜鉛を主成分とし、添加成分としてマグネシウムを含有する亜鉛合金からなるショットであって、マグネシウムの含有量は、0.03〜5.0重量%であり、43〜140Hvの硬度を有する亜鉛合金ショットである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ダイカスト製品などのバリ、カエリの除去や金属表面のスケールの除去、塗膜の除去などに用いられるショットブラスト用の亜鉛合金ショットに関する。
従来から、アルミニウム合金、亜鉛合金、マグネシウム合金などからなるダイカスト製品のバリ、カエリの除去や金属表面のスケールの除去、塗膜の除去などを行うに当たり、ショットを高速で被処理品に投射し、ショットが被処理品表面に衝突するときの力(エネルギー)でバリなどを除去するショットブラスト法が広く採用されている。
このショットブラスト法に使用されるショットの材料としては、アルミニウム、スチール、ステンレス鋼などがあるが、アルミニウム製のショットは軟質で研掃効果が小さく、しかも使用中に発生する粉塵により爆発を起こす危険があるという問題がある。スチール製のショットは安価であるが、同様に粉塵爆発の危険性がある。
また、スチール製、ステンレス鋼製のショットは一般に硬度が大きすぎて被処理品の表面を傷つける不具合がある。
このショットブラスト法に使用されるショットの材料としては、アルミニウム、スチール、ステンレス鋼などがあるが、アルミニウム製のショットは軟質で研掃効果が小さく、しかも使用中に発生する粉塵により爆発を起こす危険があるという問題がある。スチール製のショットは安価であるが、同様に粉塵爆発の危険性がある。
また、スチール製、ステンレス鋼製のショットは一般に硬度が大きすぎて被処理品の表面を傷つける不具合がある。
上記の問題を解決するものとして、最近、亜鉛製のショットが用いられるようになってきている。亜鉛製ショットは、粉塵爆発の危険性が極めて低い上、被処理品の表面を傷つける虞もないという利点を有する。
しかしながら、亜鉛製ショットはビッカース硬さ表示で40Hv程度であって、柔らかすぎ、そのためバリ除去などの研掃処理に要する時間が長く、研掃効率が極めて低いものであった。また、ショットブラスト時に被処理品の表面が灰黒色になり、外観を悪化させるという不具合もあった。
しかしながら、亜鉛製ショットはビッカース硬さ表示で40Hv程度であって、柔らかすぎ、そのためバリ除去などの研掃処理に要する時間が長く、研掃効率が極めて低いものであった。また、ショットブラスト時に被処理品の表面が灰黒色になり、外観を悪化させるという不具合もあった。
亜鉛製ショットを改良するものとして、亜鉛に銅を1.8〜13.0重量%添加してなる亜鉛合金ショットが知られている(特許文献1)。
また、亜鉛製ショットの改良として、亜鉛にニッケルを添加してなる亜鉛合金ショットが提案されている(特許文献2)。この特許文献2の亜鉛合金ショットは、硬度が50〜70Hvになるようにニッケルを添加してなるものである。
また、亜鉛製ショットの改良として、亜鉛にニッケルを添加してなる亜鉛合金ショットが提案されている(特許文献2)。この特許文献2の亜鉛合金ショットは、硬度が50〜70Hvになるようにニッケルを添加してなるものである。
特許文献1に示す、亜鉛に銅を1.8〜13重量%添加してなる亜鉛合金ショットによれば、硬度が増大し従来の亜鉛製ショットに比べて研掃効果も向上し、また表面黒色化の問題も改善されるが、所定の硬度を得るには多くの量の銅を添加する必要があり、このように銅の添加量が多いことによって亜鉛の持つ物性が弱まり、靭性が低下するという問題があった。そのため、銅を添加してなる亜鉛合金ショットは、寿命が比較的短いという欠点があった。更に、銅の添加量が多いため、製品コストも上昇するという不利もあった。
特許文献2に示す、亜鉛にニッケルを添加してなる亜鉛合金ショットにおいても、従来の亜鉛製ショットに比べて硬度が増大するが、上記した銅の添加の場合と同様、所定の硬度を得るためには多くの量のニッケルを添加する必要があり、このように多くの量のニッケルを添加して硬度を増大させることにより、靭性が低下し、それにより寿命が短くなるという欠点があった。また、所定の硬度を得るためにニッケルの添加量を多くするため、製品コストの高騰を招く不利があった。
本発明者は上記の問題点を解決するため鋭意研究したところ、亜鉛に対する添加物(合金成分)としてマグネシウムを用いれば、銅やニッケルに比べて少ない添加量で必要な所定の硬度を得ることができ、しかも硬度を上げても靭性が低下せず、寿命を増大できるという知見を得、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
本発明は、大きい硬度を有し、短時間で研掃処理を行うことができ、研掃処理効率に優れた亜鉛合金ショットを提供することを目的とする。
また、本発明は、硬度が大きいにもかかわらず靭性が大きく、ショット寿命の長い亜鉛合金ショットを提供することを目的とする。
本発明は、大きい硬度を有し、短時間で研掃処理を行うことができ、研掃処理効率に優れた亜鉛合金ショットを提供することを目的とする。
また、本発明は、硬度が大きいにもかかわらず靭性が大きく、ショット寿命の長い亜鉛合金ショットを提供することを目的とする。
本発明は、
(1)亜鉛を主成分とし、添加成分としてマグネシウムを含有する亜鉛合金からなるショットであって、マグネシウムが、0.03〜5.0重量%含有されていることを特徴とする亜鉛合金ショット、
(2)43〜140Hvの硬度を有する前記(1)記載の亜鉛合金ショット、
(3)0.1〜4.0mmの平均粒径を有する前記(1)又は(2)記載の亜鉛合金ショット、
(4)マグネシウムの含有量が、0.05〜3.0重量%である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の亜鉛合金ショット、
(5)硬度が、45〜130Hvである前記(2)〜(4)のいずれかに記載の亜鉛合金ショット
を要旨とする。
(1)亜鉛を主成分とし、添加成分としてマグネシウムを含有する亜鉛合金からなるショットであって、マグネシウムが、0.03〜5.0重量%含有されていることを特徴とする亜鉛合金ショット、
(2)43〜140Hvの硬度を有する前記(1)記載の亜鉛合金ショット、
(3)0.1〜4.0mmの平均粒径を有する前記(1)又は(2)記載の亜鉛合金ショット、
(4)マグネシウムの含有量が、0.05〜3.0重量%である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の亜鉛合金ショット、
(5)硬度が、45〜130Hvである前記(2)〜(4)のいずれかに記載の亜鉛合金ショット
を要旨とする。
本発明は、合金成分としてマグネシウムを0.03〜5.0重量%含有させるので、硬度の大きなショットを構成することができ、その結果、被処理品に対する研掃処理を短時間で行うことが可能となり、研掃処理効率に極めて優れている。
本発明は大きな硬度を有するにもかかわらず、靭性が大きく、割れにくいためショットの寿命が大きいという効果がある。
本発明においては、マグネシウムの少量の添加で大きな硬度が得られるため、ショットの硬度調整が容易である。マグネシウムはニッケルや銅に比べて材料費が安価であり、前記した少量添加で済むという点と相俟って、本発明ショットは従来に比べて大幅にコストを低減できる利点がある。
本発明は大きな硬度を有するにもかかわらず、靭性が大きく、割れにくいためショットの寿命が大きいという効果がある。
本発明においては、マグネシウムの少量の添加で大きな硬度が得られるため、ショットの硬度調整が容易である。マグネシウムはニッケルや銅に比べて材料費が安価であり、前記した少量添加で済むという点と相俟って、本発明ショットは従来に比べて大幅にコストを低減できる利点がある。
本発明の亜鉛合金ショットは、亜鉛を主成分とし、添加成分(合金成分)としてマグネシウムを含有する亜鉛合金からなるショットである。マグネシウムの含有量は、0.03〜5.0重量%である。即ち、亜鉛、マグネシウムの合計量100重量部に対し、マグネシウムの含有量は0.03〜5.0重量部である。
マグネシウムの含有量が、0.03重量%未満であると、研掃処理効率を上げるために必要な硬度が得られず、また物性としての強度が小さく寿命が短くなる。一方、マグネシウムの含有量が5.0重量%を超えると、硬すぎて靭性が低下し、脆くなり、長期寿命に耐えられなくなる。
研掃効率を上げ且つ寿命を長くする観点から、本発明において好ましいマグネシウムの含有量は、0.05〜3.0重量%である。
マグネシウムの含有量が、0.03重量%未満であると、研掃処理効率を上げるために必要な硬度が得られず、また物性としての強度が小さく寿命が短くなる。一方、マグネシウムの含有量が5.0重量%を超えると、硬すぎて靭性が低下し、脆くなり、長期寿命に耐えられなくなる。
研掃効率を上げ且つ寿命を長くする観点から、本発明において好ましいマグネシウムの含有量は、0.05〜3.0重量%である。
本発明において、亜鉛及びマグネシウムは、特別に高純度のものを使用する必要はなく、一般的な純度を有するものを用いることができる。
本発明の亜鉛合金ショットは、微量の銅及び鉄を不純物として含んでいてもよい。
本発明の亜鉛合金ショットは、微量の銅及び鉄を不純物として含んでいてもよい。
本発明の亜鉛合金ショットは、ビッカース硬さ表示で43〜140Hvの硬度を有する。硬度の範囲を43〜140Hvとしたのは、43Hv未満では、ショットが柔らかすぎてバリ除去などの処理に時間を要し、研掃処理効率が低下し、また140Hvを超えると、硬すぎて被処理品の表面を荒らし、良好な研掃面が得られない上、脆くなってショット時に割れる虞があるからである。
マグネシウムによる硬度増大効果は大きく、多量のマグネシウムを添加しなくても所定の硬度を得ることができる。マグネシウムの添加量を変えることにより、任意に硬度を調整することが可能であり、被処理品の材質に応じて或いは処理目的に応じて、適宜、硬度の調整されたショットを用意することができる。
研掃処理効率をより良好にすると共に、寿命を更に一段と向上するために、本発明において好ましい硬度は、45〜130Hvである。
研掃処理効率を増大する面からは、硬度は大きいほうがよいが、あまり硬度が大きすぎると、脆性が増し割れやすくなるという問題のほかに、ショット製造の際、ショットの球状化が得られにくくなるという問題がある。
研掃処理効率及び寿命を優れたものとし、しかも球状粒子を確実に得ることができるという観点から、本発明において好ましい硬度は、50〜110Hvである。
研掃処理効率及び寿命を優れたものとし、しかも球状粒子を確実に得ることができるという観点から、本発明において好ましい硬度は、50〜110Hvである。
本発明亜鉛合金ショットの平均粒径は、0.1〜4.0mmが好ましい。平均粒径が、0.1mm未満であると、バリ除去などの研掃処理を十分に行うことができず、またそれが4.0mmを超えると、被処理品表面を荒らす虞がある。
本発明の亜鉛合金ショットを製造するに当たっては、従来から普通に行われているショット製造方法を採用することができる。
本発明亜鉛合金ショットの一例を述べれば、亜鉛中に所定配合割合になるようにマグネシウムを混合し、加熱融解し合金溶湯とする。合金の溶湯を不活性ガスの雰囲気下で水に落下させ、球状化された粒状体を乾燥、分級などして所定のマグネシウム含有量で粒径の揃ったショットを得ることができる。
本発明亜鉛合金ショットの一例を述べれば、亜鉛中に所定配合割合になるようにマグネシウムを混合し、加熱融解し合金溶湯とする。合金の溶湯を不活性ガスの雰囲気下で水に落下させ、球状化された粒状体を乾燥、分級などして所定のマグネシウム含有量で粒径の揃ったショットを得ることができる。
本発明亜鉛合金ショットは、遠心投射方式の投射装置或いは空気噴射方式の投射装置のいずれにも投射材として用いることができる。
投射室に設置された遠心投射装置或いはエアーブラスト装置から本発明亜鉛合金ショットが供給され、投射室内に搬入された被処理品に高速で投射される。このときのショットの投射速度は、30〜60m/秒が好ましい。
投射室に設置された遠心投射装置或いはエアーブラスト装置から本発明亜鉛合金ショットが供給され、投射室内に搬入された被処理品に高速で投射される。このときのショットの投射速度は、30〜60m/秒が好ましい。
本発明亜鉛合金ショットが被処理品に高速で投射されることにより、例えば被処理品がアルミニウム合金などのダイカスト製品である場合に、該製品のバリ、カエリなどは確実に切断除去される。
また被処理品の金属表面にスケールが生成している場合、本発明亜鉛合金ショットによる研掃作用によりスケール層は完全に除去され、金属光沢面を得ることができる。
更に、被処理品の金属表面に塗料などの塗膜が形成されている場合、同様に塗膜を除去して金属光沢面を得ることができる。
また被処理品の金属表面にスケールが生成している場合、本発明亜鉛合金ショットによる研掃作用によりスケール層は完全に除去され、金属光沢面を得ることができる。
更に、被処理品の金属表面に塗料などの塗膜が形成されている場合、同様に塗膜を除去して金属光沢面を得ることができる。
本発明亜鉛合金ショットによれば、十分に大きな硬度が得られるので、被処理品のバリ、カエリ、スケールなどを短時間で効率よく除去することができ、研掃処理効率を増大できる。
また、研掃処理効率を増大するために必要な硬度に調整しても、靭性が低下せず、ショット寿命を向上できる。
更に、本発明亜鉛合金ショットによれば、被処理品に対する研掃処理時に被処理品表面を黒色化することもなく、研掃面外観を良好にすることができる。
また、研掃処理効率を増大するために必要な硬度に調整しても、靭性が低下せず、ショット寿命を向上できる。
更に、本発明亜鉛合金ショットによれば、被処理品に対する研掃処理時に被処理品表面を黒色化することもなく、研掃面外観を良好にすることができる。
以下、本発明の実施例を示す。
実施例1
亜鉛99重量部、マグネシウム1重竜部からなる亜鉛合金(マグネシウムの含有量:1重量%)を用いて、硬度が90Hv、平均粒径1.2mmのショットを製造した。このショットを用いて遠心投射装置により40kg/分の投射量で且つ65m/秒の投射速度でアルミニウム合金ダイカスト製品に投射した。
バリ、カエリは完全に除去され、しかも被処理品の表面外観は黒ずむことなく、銀白色を呈していた。
実施例1
亜鉛99重量部、マグネシウム1重竜部からなる亜鉛合金(マグネシウムの含有量:1重量%)を用いて、硬度が90Hv、平均粒径1.2mmのショットを製造した。このショットを用いて遠心投射装置により40kg/分の投射量で且つ65m/秒の投射速度でアルミニウム合金ダイカスト製品に投射した。
バリ、カエリは完全に除去され、しかも被処理品の表面外観は黒ずむことなく、銀白色を呈していた。
実施例2〜8、比較例1、2
添加成分としてのマグネシウムを0.03重量%含有し、残部亜鉛よりなる(但し、不純物として銅0.02重量%、鉄0.02重量%を含む)亜鉛合金材料を用いて、表1に示すような平均粒径1.2mmの亜鉛合金ショットを製造した(実施例2)。
添加成分としてのマグネシウムを0.03重量%含有し、残部亜鉛よりなる(但し、不純物として銅0.02重量%、鉄0.02重量%を含む)亜鉛合金材料を用いて、表1に示すような平均粒径1.2mmの亜鉛合金ショットを製造した(実施例2)。
同様に、マグネシウムの含有量を下記の如く種々変えて、表1に示すような平均粒径1.2mmの亜鉛合金ショットを製造した。
マグネシウムの含有量:0.05重量%(実施例3)
0.4重量%(実施例4)
0.6重量%(実施例5)
0.8重量%(実施例6)
1.1重量%(実施例7)
2.0重量%(実施例8)
マグネシウムの含有量:0.05重量%(実施例3)
0.4重量%(実施例4)
0.6重量%(実施例5)
0.8重量%(実施例6)
1.1重量%(実施例7)
2.0重量%(実施例8)
比較のため、表1に示すように、以下の如きマグネシウムの含有量を有する平均粒径1.2mmの亜鉛合金ショットを製造した。
マグネシウムの含有量:0.001重量%(比較例1)
0.02重量%(比較例2)
マグネシウムの含有量:0.001重量%(比較例1)
0.02重量%(比較例2)
マグネシウムの含有量が異なる上記各ショットについて、以下の測定、試験を行った。
(1)硬度の測定
硬度の測定は、JIS Z2244ビッカース硬さ試験方法に基づいて行った。結果を表2に示す。
硬度の測定は、JIS Z2244ビッカース硬さ試験方法に基づいて行った。結果を表2に示す。
(2)研掃処理効率試験
上記各ショットを遠心投射装置により鋼鉄製被処理品に投射し、該被処理品表面のスケールを除去して金属光沢面を得るのに要する時間(要処理時間)を測定した。ショットの投射量は、45kg/分とし、投射速度は、60m/秒とした。
上記要処理時間に基づき、以下の如く研掃処理効率を評価した。結果を表2に示す。
A: 要処理時間が、30秒未満
B: 要処理時間が、30秒〜50秒未満
C: 要処理時間が、50秒〜70秒未満
D: 要処理時間が、70秒以上
実施例2〜8は、要処理時間が短く、研掃処理効率に優れているが、比較例1、2は、要処理時間が長く、研掃処理効率に劣るという結果が得られた。
上記各ショットを遠心投射装置により鋼鉄製被処理品に投射し、該被処理品表面のスケールを除去して金属光沢面を得るのに要する時間(要処理時間)を測定した。ショットの投射量は、45kg/分とし、投射速度は、60m/秒とした。
上記要処理時間に基づき、以下の如く研掃処理効率を評価した。結果を表2に示す。
A: 要処理時間が、30秒未満
B: 要処理時間が、30秒〜50秒未満
C: 要処理時間が、50秒〜70秒未満
D: 要処理時間が、70秒以上
実施例2〜8は、要処理時間が短く、研掃処理効率に優れているが、比較例1、2は、要処理時間が長く、研掃処理効率に劣るという結果が得られた。
(3)寿命試験
上記各ショットをエアーブラスト装置により鋼板に、投射量45kg/分、投射速度60m/秒の条件で、投射を行い、投射後のショットをエアーブラスト装置に循環使用して連続的に同一条件で投射を行った。このようにして24時間投射を行った後、ショットを回収し、回収したショットを0.6mmメッシュの篩いにかけ、メッシュを通過せずに篩いに残ったショットの量(残存量)を測り、全投射量(60kg)に対する残存量の割合を残存率として求め、この残存率を基準として次の如くショット寿命を評価した。結果を表2に示す。
A: 残存率が95%以上
B: 残存率が80%〜95%未満
C: 残存率が60%〜80%未満
D: 残存率が60%未満
実施例2〜8は、残存率が大きく、ショット寿命が長いが、比較例1、2は、残存率が小さく、ショット寿命が短いという結果が得られた。
上記各ショットをエアーブラスト装置により鋼板に、投射量45kg/分、投射速度60m/秒の条件で、投射を行い、投射後のショットをエアーブラスト装置に循環使用して連続的に同一条件で投射を行った。このようにして24時間投射を行った後、ショットを回収し、回収したショットを0.6mmメッシュの篩いにかけ、メッシュを通過せずに篩いに残ったショットの量(残存量)を測り、全投射量(60kg)に対する残存量の割合を残存率として求め、この残存率を基準として次の如くショット寿命を評価した。結果を表2に示す。
A: 残存率が95%以上
B: 残存率が80%〜95%未満
C: 残存率が60%〜80%未満
D: 残存率が60%未満
実施例2〜8は、残存率が大きく、ショット寿命が長いが、比較例1、2は、残存率が小さく、ショット寿命が短いという結果が得られた。
(4)被処理品表面色の観察
上記各ショットを遠心投射装置によりアルミニウム合金ダイカスト製品に投射した。投射量45kg/分、投射速度60m/秒の条件で、60秒投射し、投射後、ダイカスト製品の表面色を観察した。黒色の着色の有無につき次の評価を行った。結果を表2に示す。
△: わずかに黒色の着色が認められた。
○: 黒色の着色はほとんど認められなかった。
◎: 黒色の着色は全く認められなかった。
上記各ショットを遠心投射装置によりアルミニウム合金ダイカスト製品に投射した。投射量45kg/分、投射速度60m/秒の条件で、60秒投射し、投射後、ダイカスト製品の表面色を観察した。黒色の着色の有無につき次の評価を行った。結果を表2に示す。
△: わずかに黒色の着色が認められた。
○: 黒色の着色はほとんど認められなかった。
◎: 黒色の着色は全く認められなかった。
上記の結果から明らかなように、本発明の亜鉛合金ショットは、高い硬度を有し、研掃に要する時間も短くて済み、研掃処理効率に優れたものであり、また繰り返しの使用にも耐え、寿命が長いものであった。更に、ショットブラスト時に被処理品の表面を黒色化することもなく、仕上がりの良い研掃を行うことができることが判明した。
比較例3〜4
表1、表2によれば、マグネシウムの含有量(添加量)が増加すると硬度が増大するという関係にあることが判る。実施例2〜8におけるこの関係をグラフにプロットすると、図1の如くなる。
比較のため、ニッケルを亜鉛に添加してなる亜鉛合金ショットについて、ニッケルの含有量(添加量)を表1に示すマグネシウムの含有量(添加量)と同一の含有量(添加量)とし、各含有量(添加量)における硬度(Hv)を測定し、含有量(添加量)と硬度との関係をマグネシウムの場合と比較した(比較例3)。この比較例3における含有量(添加量)と硬度との関係を図1のグラフに示す。
表1、表2によれば、マグネシウムの含有量(添加量)が増加すると硬度が増大するという関係にあることが判る。実施例2〜8におけるこの関係をグラフにプロットすると、図1の如くなる。
比較のため、ニッケルを亜鉛に添加してなる亜鉛合金ショットについて、ニッケルの含有量(添加量)を表1に示すマグネシウムの含有量(添加量)と同一の含有量(添加量)とし、各含有量(添加量)における硬度(Hv)を測定し、含有量(添加量)と硬度との関係をマグネシウムの場合と比較した(比較例3)。この比較例3における含有量(添加量)と硬度との関係を図1のグラフに示す。
同様に本発明との比較のため、銅を亜鉛に添加してなる亜鉛合金ショットについて、銅の含有量(添加量)を表1に示すマグネシウムの含有量(添加量)と同一の含有量(添加量)とし、各含有量(添加量)における硬度(Hv)を測定し、含有量(添加量)と硬度との関係をマグネシウムの場合と比較した(比較例4)。この比較例4における含有量(添加量)と硬度との関係を図1のグラフに示す。
図1のグラフによれば、本発明のように亜鉛にマグネシウムを添加することにより、ニッケルや銅の添加に比べて飛躍的に硬度が増大することが判る。このことは、マグネシウムの場合は、少量の添加で目的とする硬度のものが得られることを意味する。従って、本発明によれば、硬度調整が容易であり、且つ添加量が少量で済むので製品コストの低減に寄与できる。
実施例9、比較例5
添加物としての合金成分が含有されていない亜鉛ショット(平均粒径1.5mm)について、寿命試験を行った。試験方法は、前記した寿命試験と同様の方法を採用した。
また、亜鉛にマグネシウムを添加してなる本発明ショットについて、同様の方法により寿命試験を行った。この場合、亜鉛に対するマグネシウムの含有量を種々変えて、硬度の異なる複数種類の亜鉛合金ショット(平均粒径1.5mm)を用意し、それぞれの硬度のショットにおける寿命試験を行った。
添加物としての合金成分が含有されていない亜鉛ショット(平均粒径1.5mm)について、寿命試験を行った。試験方法は、前記した寿命試験と同様の方法を採用した。
また、亜鉛にマグネシウムを添加してなる本発明ショットについて、同様の方法により寿命試験を行った。この場合、亜鉛に対するマグネシウムの含有量を種々変えて、硬度の異なる複数種類の亜鉛合金ショット(平均粒径1.5mm)を用意し、それぞれの硬度のショットにおける寿命試験を行った。
亜鉛ショットの寿命を「100」としたときに、マグネシウムを添加することによって硬度を上げることにより、どの程度寿命が長くなるかを、寿命の増大率(%)として求めた。硬度と寿命の増大率との関係を図2のグラフに示す(実施例9)。
本発明との比較のため、亜鉛に銅を添加してなる亜鉛合金ショット(平均粒径1.5mm)について、同様に硬度の異なる複数種類の亜鉛合金ショットを用意し、それぞれの硬度のショットにおける寿命試験を行い、上記と同様、亜鉛ショットに対する寿命の増大率(%)を求めた。硬度と寿命の増大率との関係を図2のグラフに示す(比較例5)。
図2のグラフによれば、本発明のように亜鉛にマグネシウムを添加することにより、硬度が増大し、それによりショットの寿命が増大することが判る。
亜鉛に銅を添加してなる亜鉛合金ショット(比較例5)も寿命の増大が認められるが、比較例5のショットよりも本発明ショット(実施例9)の方が、寿命の増大率が大きいことが図2のグラフから明らかである。従って、ショット寿命の増大を図るためにマグネシウムを添加することは極めて有益であることが判明した。
亜鉛に銅を添加してなる亜鉛合金ショット(比較例5)も寿命の増大が認められるが、比較例5のショットよりも本発明ショット(実施例9)の方が、寿命の増大率が大きいことが図2のグラフから明らかである。従って、ショット寿命の増大を図るためにマグネシウムを添加することは極めて有益であることが判明した。
Claims (5)
- 亜鉛を主成分とし、添加成分としてマグネシウムを含有する亜鉛合金からなるショットであって、マグネシウムが、0.03〜5.0重量%含有されていることを特徴とする亜鉛合金ショット。
- 43〜140Hvの硬度を有する請求項1記載の亜鉛合金ショット。
- 0.1〜4.0mmの平均粒径を有する請求項1又は2記載の亜鉛合金ショット。
- マグネシウムの含有量が、0.05〜3.0重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の亜鉛合金ショット。
- 硬度が、45〜130Hvである請求項2〜4のいずれかに記載の亜鉛合金ショット。
Priority Applications (1)
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