JP5007776B2 - 亜鉛基合金ショット - Google Patents

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Description

本発明は、例えばアルミニウムダイカスト製品やアルミニウム鋳物製品などを例とする非鉄金属部品のバリおよびカエリの除去(以下「バリ取り」と記載)、並びに、鋳造品の砂落とし、塗型や離型剤の焼き付き除去、又は、酸化膜や湯じわの除去(以下、「研掃」と記載)を目的としたショットブラストや、非鉄金属部品又は、非鉄金属部品の溶接部の疲労強度改善を目的としたショットピーニングで使用される投射加工(吹付け加工)用のショットに関する。
本明細書で、ビッカース硬さは、JIS Z 2244において、試験力0.4093N、試験力の保持時間:10〜15sの条件で測定したものを意味し、「○○○HV0.05」と表示されるものであるが、単に「○○○HV」と略記する。
また、合金組成を示す「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味する。
従来、自動車部品などに使用されているアルミニウム基合金または、亜鉛基合金または、Mg基合金を例とする非鉄金属製のダイカスト製品においては、成型品(成形品)のバリ取りや研掃などを目的とした表面処理として、ショットと呼ばれる小さな球を高速で被処理品へ投射するショットブラストが多く使用されている。
また近年では、非鉄金属部品や非鉄金属部品の溶接部の疲労強度向上を目的とした表面処理として、上記ショットブラストと同じく、ショットを高速で被処理品へ投射するショットピ−ニングが多く使用されている。
このショットブラストに用いられるショットの材料としては、アルミニウム基合金、ステンレス、亜鉛基合金からなるショットが一般に使用されてきた。
アルミニウム基合金ショットは、比重が軽いために被処理品の研掃能力が十分で無く、また、アルミニウムの材料特性に基づきショットブラスト中に発生するショット破砕に起因する粉塵雲の爆発感度は高く、しかも爆発下限濃度も低い。このため、余分な作業安全管理を必要とする。
ステンレスショットは、化学物質排出移動量届出制度(PRTR“Pollutant Release and Transfer Register" 制度)の対象となるNi(政令番号231)やCr(政令番号68)を含んでいる。このため、作業安全や環境保全の見地から、使用制限の方向にある。
亜鉛基合金ショットは、アルミニウム基合金ショットやステンレスショットと比較して、ショット破砕に起因する粉塵雲の爆発感度が低くしかも爆発下限濃度も高い。このため、安全性の面から非鉄金属製のダイカスト製品のショットブラストやショットピーニング用のショットとして近年では最も多く使用されている。
亜鉛基合金ショットに係る先行技術文献として、本発明の特許性に影響を与えるものではないが、特許文献1〜5等が存在する。
特開平11−320416号公報 特開2001−162538号公報 特開2007−84869号公報 特開平9−70758号公報 特開2002−224962号公報
ショットブラストによるバリ取りや研掃、さらには、ショットピーニングによる疲労寿命の向上等を目的とした表面処理に際して、被処理物の表面硬さに応じたショットを用いることが、それらの目的達成のためには望ましい。
例えば、ビッカース硬さ90〜110HVのアルミダイカスト製品には、それらの硬さ近傍若しくは以上のショットを用いることが望ましい。
しかし、それらの硬さ以上の亜鉛基合金ショットにおいて、靭性を有するものはあまり上市されていない。亜鉛基合金ショットは、通常、硬さの増大に比例して靭性が低下するためである。
なお、特許文献2において、添加元素としてショット耐久性を向上させるために、Mnを添加(添加量:0.3〜5.0%)する技術が提案されている。しかし、MnもPRTR制度の対象(政令番号311)であり、ステンレスショットと同様な問題点がある。
そして、亜鉛基合金ショットにおいて、昨今の環境問題の高まりの見地から、PRTR制度の対象となるMn等の元素を添加せずに耐久性を向上させる技術の出現が望まれていた。
本発明者らは、これらの亜鉛基合金ショットの課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ZnにAlとCuを添加して、特定の合金組成に調節した場合に、PRTR制度の対象元素を添加しなくても、上記ビッカース硬さ100HV近傍以上を有して靭性の高い亜鉛基合金ショットが製造できる合金組成があることを見出して、下記構成の本発明に想到した。
本発明(第一発明)は、添加元素としてAl:0.5〜6.5%、Cu:0.5〜4.5%を含む三成分系の亜鉛基合金ショットであって、前記AlおよびCuの質量組成比(Al/Cu)=1.0〜13.0、添加量合計(Al+Cu):1.5〜10.5%、且つビッカース硬さ:90〜190HVであることを特徴とする。
なお、図1に亜鉛基合金ショットの三成分系合金組成の状態図における本発明の組成範囲(灰色部)を概略的に示す。
本発明の亜鉛基合金ショットには、ショット消耗量に大きく影響する機械的性質である耐衝撃性を向上させるために合金元素(必須元素)としてAlを添加する。Alは亜鉛合金の耐衝撃性(靭性)ならびに機械的強度やビッカース硬さを増大させる作用がある。Alの添加量(全体量100%基準;以下同じ。)が0.5%未満ではそれらの作用を得難く、6.5%を超えると耐衝撃性が低下傾向を示す。その他の添加合金であるCuの添加割合にもよるが、耐衝撃性を増大させるための好適なAlの添加量は3.0〜6.0質量%、好ましくは約3.0〜5.0%である。
また、亜鉛基合金ショットのビッカース硬さを向上させるために添加元素としてCuを使用する。Cuは亜鉛合金の機械的強度やビッカース硬さを増大させる作用があり、Cuの添加量が0.5%未満ではそれらの作用を得難い。しかし、Cuの添加量が4.5%を超える、もしくは、AlとCuの添加量合計が10.5%を超えると機械的強度やビッカース硬さは向上するものの耐衝撃性が低下傾向(靭性が低下する。)を示す。アルミダイカスト製品のビッカース硬さ100HVよりも十分に硬さの高いビッカース硬さ140HVである本発明の亜鉛基合金ショットの場合、最も好適なCuの添加量は、約1.0〜3.0%である。
また、亜鉛基合金ショットにおいて、前述の通りビッカース硬さ90HVを下回るとバリ取り能力や研掃能力が十分ではないが、190HVを超えると、バリ取り時や研掃時やピーニング処理時において亜鉛基合金ショットの割れや損耗が進行しやすくなり、ショットの消耗量が増大して実用的ではない。これは亜鉛基合金ショットの靱性が低いことに起因する。よって、十分なバリ取り能力や研掃能力やピーニング能力を有し、かつショットの消耗量が少ない(高靭性)のものが得易いビッカース硬さ:90〜190HV、好ましくは130〜154HVの範囲で、処理対象(製品)や処理目的に応じてショットを適宜選定する。
上記構成の本発明において、亜鉛基合金ショットに含まれる三成分(Zn、Al、Cu)以外の元素(非必須元素)の含有量:0.5%以下とし、かつ、Fe含有量:0.3%以下とすることが望ましい。
上記非必須元素としては、例えば、Pb、Fe、Cd、Sn、Si、Ti、Mn、As、Sb、Bi、S、が挙げられる。これらの非必須元素の合計が0.5%を超えると亜鉛基合金ショットが脆く、靱性が低くなり易い。特にFeは、靭性に悪影響を与え、Feの含有量が亜鉛基合金ショット中に合計で0.3%を超えると、ショット消耗量が増大してショットとしては実用的ではない(比較例1-6、比較例2-3参照)。
上記構成の本発明において、添加元素であるAlとCuとの各純度が99.9%以上であり、かつ、非必須元素の含有量が合計で0.02%以下とすることが望ましい。亜鉛基合金ショットの製造に際して、AlとCuに含まれる非必須元素(不純物)及び該非必須元素の酸化物が結晶粒界に入りこむことによる靭性低下を可及的に小さくできる(実施例1-6、実施例2-3)。
具体的には、 上記Alの原料(地金)としては、JISH2102のアルミニウム地金特1種(99.90%以上)やJISH2111(またはICS77.120.10)の精製アルミニウム地金特特殊(99.995%以上)・1種(99.990%以上)・2種(99.95%以上)を、上記Cuの原料(地金)としては、JISH2121の電気銅地金(99.96%以上)を、それぞれ挙げることができる。
なお、基元素であるZnの原料(地金)としては、特に限定されず、JISH2107(またはISO725:1981)に規定されている各グレイドのものを使用できる。ショットの品質安定性の見地からは、JISH2107の普通亜鉛地金(99.97%以上)、最純亜鉛地金(99.995%以上)、特種亜鉛地金(99.99%以上)等の高純度のものを使用することが望ましい。
他の本発明(第二発明)は、添加元素としてAl:0.5〜6.5%、Cu:0.5〜4.5%、Mg:0.01〜0.2%を含む四成分系の亜鉛基合金ショットであって、AlおよびCuの質量組成比(Al/Cu):1.0〜13.0、添加量合計(Al+Cu):1.5〜8.0%で、かつ、ビッカース硬さ:90〜190HV、好ましくは140〜150HVであることを特徴とする。
第二発明は、第一発明の如く、AlとCuとの添加量合計(Al+Cu):8.0%以下の場合において、第一発明の亜鉛基合金ショットを繰り返し使用することにより生じる金属組織の再結晶化による、ショットの機械的強度やビッカース硬さの低下を防止するために、添加元素として微量のMgを使用する。Mgは、亜鉛合金の結晶界面にMg化合物を析出させ再結晶化を抑制する作用があると共に機械的強度やビッカース硬さを向上させる作用もある。Mg:0.01%未満では再結晶化抑制作用を得難く、0.2%を超えると、AlやCuの添加による耐衝値向上の作用を阻害するおそれがある。そして、ビッカース硬さ140HV前後の亜鉛基合金ショットが得られる添加元素組成を、Al:3.0〜5.0%、Cu:1.0〜3.0%とした場合、好適なMgの添加量は0.01〜0.2%、好ましくは0.03〜0.08%であるである。なお、ビッカース硬さ140HV前後は、非鉄金属製品に対して良好なショットブラストやショットピーニングの効果を得易いショット硬さである。
Mg以外の添加元素(AlとCu)の添加量の数値範囲限定の理由は、第一発明と同様である。
上記構成の第二発明において、第一発明の場合と同様、亜鉛基合金ショットに含まれる四成分以外の非必須元素の含有量を0.5%以下とし、かつ、Feの含有量が0.3%以下とすることが、望ましい。それらの非必須元素の含有量限定の理由は、第一発明と同様である。
上記第二発明に係る各発明において、第一発明と同様、前記添加元素であるAl、Cu及びMgの各純度がそれぞれ99.9質量%以上であることが望ましい。それらの純度限定の理由は、第一発明と同様である。
なお、具体的には、上記Al、CuおよびZnの原料(地金)は、前述の通りであり、上記Mgの原料(地金)としては、JISH2150(またはISO8287:2000)のマグネシウム地金1種(99.90%以上)を挙げることができる。
上記第一・第二発明における亜鉛基合金ショットの平均粒径は、被処理品の強度および処理目的によっても異なるが、通常、0.1〜3.0mmとすることができ、好ましくは0.3〜2mmとすることができる。
平均粒径が過小であると十分なバリ取り能力や研掃能力やピーニング効果(例えば、圧縮残留応力付与)を得難い。逆に、平均粒径が過大であると、バリ取り時や研掃時やピーニング処理時に被処理物に傷がついたり、面粗度が維持できなかったりする。
ショットの平均粒径を0.1〜3.0mm、好ましくは0.3〜2mmとした場合には、高い研掃効果を発揮して短時間内に被処理品のバリ取り等の表面処理を行うことができる。また、ショットの平均粒径を0.3〜0.6mmとした場合には、肌荒れの少ない美麗な表面肌を得ることができる。
上記第一・第二発明の亜鉛基合金ショットは、溶解した金属溶湯を水等の冷却媒体中へ滴下させる工程、この冷却媒体中で、滴下させた金属溶湯を凝固させて粒状体を形成し堆積させる工程、該凝固・堆積物を乾燥させる工程を経た粒状体を分級して製造する。
溶解した金属溶湯を冷却媒体中に滴下することにより前記金属溶湯は急激に冷却されるため、一般の鋳造材料に比べて微細で均一な組織となる。ショットブラストまたはショットピーニングとして用いた場合、亜鉛基合金ショットには非常に大きな外力が負荷されるため、微細で均一な組織とすることで、耐衝撃性や引っ張り強度などの機械的性質が向上し、亜鉛基合金ショットとして好適に用いることができる。
本発明の亜鉛基合金ショットは、亜鉛基合金であることからショット破砕に起因する粉塵雲の爆発感度が低く爆発下限濃度が高いので、安全性の高い亜鉛基合金ショットを提供することができる。
さらに、本発明の亜鉛基合金ショットは、高硬度(ビッカース硬さが90HV以上)であるため、ショットブラストによるバリ取りや研掃能力が高く、短時間でショットブラスト処理ができて生産性が高い。しかも、従来の亜鉛基合金ショットには無い高靭性であるため、亜鉛基合金ショットの消耗量が少なくなるとともに、ショット破砕に起因する粉塵発生量も低減する。
また、ショットピ−ニングで使用した場合も同様に、高硬度で且つ高靭性である本発明の亜鉛基合金ショットは、被処理品の表面層に効率良く塑性変形を起こして圧縮残留応力を付与することが可能である。また、ショットブラストで使用した場合と同様にショット破砕に起因する粉塵発生量も低減する。
さらに、本発明の亜鉛基合金ショットは、金属組織の再結晶化によるショットの機械的強度の低下が相対的に小さく、亜鉛基合金ショットの使用中のビッカース硬さが安定する。このため、その効果としてショットブラストやショットピーニング後の被処理品の仕上がりにバラツキが少なくなり、表面処理品質も安定する。
さらに、本発明の亜鉛基合金ショットは、粉塵の発生量が少ない上に、PRTR制度の対象となるMnなどが含まれておらず、環境保全および作業安全性の見地からも望ましい。
本発明の合金組成範囲を示す三成分系状態図である。 本発明の亜鉛基合金ショットの製造方法の一例を示す流れ図である。
本発明における亜鉛基合金ショットを、滴下造粒法を用いて製造する場合について以下に説明する(図2参照)。
まず、基元素(Zn)および添加元素(Al、CuさらにはMg)のインゴット(原料)12を計量して、設定合金組成比となるように坩堝14に投入する。
次に、坩堝14を加熱手段(抵抗加熱)15で加熱することで、投入したインゴット(地金)混合物を溶解し、溶湯16を得る。このときの溶解加熱温度は、合金組成や生産規模により異なるが、通常550〜700℃(望ましくは580〜600℃)の範囲で適宜設定する。なお、各元素の融点は、下記の通りである。
Zn:419.6℃、Cu:1083.4℃、Al:660℃、Mg:648℃
次に、溶湯16を溶湯保持容器18に投入する。溶湯保持容器18には加熱手段(抵抗加熱)20が備えられており、亜鉛基合金ショット製造時に、溶湯16が必要以上に冷却されないように保持することができる。このときの溶湯保持温度は、合金組成や生産規模により異なるが、通常500〜600℃(望ましくは520〜550℃)の範囲で適宜設定する。
溶湯保持容器18の底部には溶湯滴下用の滴下ノズル22が設けられており、該ノズル22の下部には水等の冷却媒体24が投入されて、冷却手段(クーリングタワー)26が付設された冷却槽28が配されている。なお、冷却媒体24は油等であってもよい。
溶湯保持容器18中の溶湯16は、滴下ノズル22から滴下されることにより、滴下ノズル22と冷却媒体24に至るまでの空気中通過時に空気と接触し、さらには、冷却媒体24との接触による冷却に伴い、表面張力の影響を受け球状化する。
ここで、溶湯16が滴下ノズル22から滴下されるとき、溶湯16の液滴の形状は完全な球ではなく、落下方向に引き伸ばされて歪んだ球ないし楕円状となる。このため、得られる粒状体30、すなわちショットの粒子の形状は、やや歪んだ球状、回転楕円体状、あるいは角が丸い円柱状になる。このようなショットの投影図から求めたショットの長手方向の長さをa、長手方向に直交する方向における最大径をbとした場合に、60%以上のショットのa/bが1.0〜1.2の範囲内にあることが好ましい。このようなショットは真球に近く、形状のバラツキが小さいので、より均一な研掃効果が得られる。なお、ショットの投影図は、顕微鏡観察や撮像による画像解析等の公知の手段で得ることができる。
なお、冷却媒体24は滴下溶湯が接触することにより温度が上昇し、滴下溶湯の急冷が妨げられる原因となる。このため、冷却手段26により、冷却媒体24を設定温度に保持する。この設定冷却温度は、例えば、水の場合、通常、60℃以下(好ましくは30〜40℃)とする。60℃を超えると、滴下溶湯(液滴)と接触した水が沸騰して界面が気化状態となり、急冷作用を発揮し難くなる。
冷却媒体24の底部には、亜鉛合金の粒状体30が堆積される。これを回収して、乾燥機(回転乾燥機)32で乾燥後、分級機(振動篩)34で分級して亜鉛基合金ショットを得る。なお、分級は亜鉛基合金ショットの使用目的に合わせて所定の粒径になるように行なう。
なお、亜鉛基合金ショットの製造方法は、上記滴下造粒法に限定されない。例えば、ガスアトマイズ法、遠心アトマイズ法、水アトマイズ法等公知の方法を、それぞれ目的とする亜鉛基合金ショットの形状、粒度等に応じて適宜選択することができる。
以下、第一・第二発明の効果を確認するために比較例とともに行なった実施例について説明する。
実施例1-1〜1-8および比較例1-1〜1-6が第一発明に、実施例2-1〜2-3および比較例2-1〜2-3が第二発明に、それぞれ対応する。
合金元素の各原料は、下記各地金(インゴット)を使用した。各地金のJIS規定の純度(下限値)とともに、Fe含量(許容上限値)を付記する。なお、「1号銅線くず」のFeは推定値である。
・合金元素原料合計:200kg
・使用地金A(実施例1-6・2-3を除く実施例・比較例)・・・
Zn:普通亜鉛地金(JISH2107)99.97%、Fe:0.01%、
Al:アルミニウム地金3種(JISH2102)99.00%、Fe:0.80%、
Cu:1号銅線くず(JISH2109)99.87%、Fe:0.01%、
Mg:マグネシウム地金2種(JISH2150)99.8%、Fe:0.05
%、
・使用地金B(実施例1-6・2-3)・・・
Zn:普通亜鉛地金(JISH2107)99.97%、Fe:0.01%、
Al:アルミニウム地金特1種(JISH2102)99.90%、Fe:0.
07%、
Cu:電気銅地金(JISH2121)99.96%、Fe:0.01%、
Mg:マグネシウム地金1種(JISH2150)99.90%、Fe:0.01%、
各合金ショットの製造は、前述の図2に示した方法(滴下造粒法)において、下記条件で合金組成を表1・2に示すものとして行なった。
・溶解温度:約600℃、
・溶湯保持温度:約550℃、
・冷却媒体(水)保持温度:約40℃
また各実施例および比較例における非必須元素(不純物)合計およびFe含量を、各JIS表示組成から求めて表1(第一発明対応)・2(第二発明対応)に示す。比較例1-6および比較例2-3は、Fe添加して、それぞれ、Fe含量:0.35%となるように調節した。
即ち、不純物合計は、実施例1-1〜1-8及び実施例2-1〜2-3は、0.014〜0.092%であり、比較例1-1〜1-6および比較例2-1〜2-3は、0.032〜0.378であった。
さらに、従来例1として、99.9%以上の各原料地金を用いて、添加元素組成「Al:0.01%、Mn:1.9%」、ビッカース硬さ:88HV、従来例2として、添加元素「Al:0.05%、Mn:4.5%」、ビッカース硬さ:129HVのものを調製した。
Figure 0005007776
Figure 0005007776
こうして製造した各ショットについて、ビッカース硬さを測定した。それらの結果を後記表3・4に示す。
上記で調製した各実施例・比較例の亜鉛基合金ショットについて、(1)ショットブラストおよび(2)ショットピーニングの各評価試験を行なった。
(1)ショットブラスト評価試験
準備した亜鉛基合金ショット(平均粒径1.0mm、a/bが1.2以下のショットが70%以上)50kgを、「DZB型遠心式投射装置(5HP)」(新東工業株式会社製)により投射速度45m/sでアルミニウム合金製ダイカスト部品(表面硬さ:100HV)にショットブラストをして性能の評価を行なった。何れも、投入した亜鉛基合金ショットの金属組織の再結晶化現象が十分に安定すると思われる8時間の予備投射を実施して、実際のショットブラスト操業とほぼ同じ状態となるように亜鉛基合金ショットのコンディション調整をしたものを使用した。
評価項目は、靭性(耐衝撃性)に対応する「ショット消耗量」、ブラスト能力に対応する「バリ取り能力」および「研掃能力」について、下記の如く行なった。
<ショット消耗量>
亜鉛基合金ショットを用いて8時間、ショットブラストすることにより微粉となって損耗した量を「ショット消耗量」として下記基準で評価した。
◎:0.06kg/(h・HP)以下、
○:0.06kg/(h・HP)超0.08kg/(h・HP)以下、
△:0.08kg/(h・HP)超0.10kg/(h・HP)以下、
×:0.10kg/(h・HP)超。
<バリ取り能力>
下記基準で評価した。
◎:ショットブラスト時間が30秒でバリ取りを行うことができて結果が極めて良好なもの、
○:60秒でバリ取りを行うことができ結果が良好なもの、
△:90秒でバリ取りを行うことができ結果がやや不良なもの、
×:90秒ショットブラストしてもバリを取ることができず不良なもの。
<研掃能力>
下記基準で評価した。
◎:処理後の被処理品の表面肌が銀白色に輝いていたもの、
○:同じく少し黒ずんでいたもの、
△:同じく黒ずんでいたもの。
それらの評価結果を表3に示す。
Figure 0005007776
次に、第一発明のAl添加量範囲(0.5〜6.5%)について説明する。
Al添加量過少(0.5%)となる比較例1-1の亜鉛基合金ショットは、ショットの消耗量は少ない「○」であるものの、ビッカース硬さが低いために、バリ取り能力や研掃能力が低く亜鉛基合金ショットの総合評価は、やや不良なもの「△」となった。
Al添加量の過多(6.5%超)である比較例1-2及び1-3の亜鉛基合金ショットは、Alの過剰添加によりショットの耐衝撃性(靭性)が低下してしまい、ショットの消耗量はやや多い「△」となった。さらに、比較例1-2及び1-3は、Alを過剰添加したために亜鉛基合金ショットの比重が軽くなり、ビッカ−ス硬さが向上したにもかかわらず、亜鉛基合金ショットの被処理品への衝突力が低下する。このため、比較例1-2及び1-3は、バリ取り能力ならびに研掃能力が低下した。亜鉛基合金ショットの総合評価は、やや不良なもの「△」となった。
第一発明のAl添加量:0.5〜6.5%の範囲内である実施例1-1〜1-3の亜鉛基合金ショットは耐衝撃性が高く、ショット消耗量は、極めて少ない「◎」となった。特に、ビッカース硬さが130HV以上である実施例1-2及び1-3の亜鉛基合金ショットは、バリ取り能力及び研掃能力の双方が高く、亜鉛基合金ショットの総合評価は、極めて良好なもの「◎」となった。
第一発明のCu添加量(0.5〜4.0%)について説明する。
Cu添加量過少(0.5%未満)となる比較例1-4の亜鉛基合金ショットは、ショットの消耗量は極めて少ない「◎」であるものの、ビッカース硬さが低いために、研掃能力が低く、亜鉛基合金ショットの総合評価は、やや不良なもの「△」となった。
Cu添加量過多(4.5%超)の比較例1-5の亜鉛基合金ショットは、190HVと亜鉛合金としては極めて高硬度であり、バリ取り能力および研掃能力は「◎」評価であったが、Cuの過剰添加によりショットの靭性が低下して、ショット消耗量が「△」と増大する結果となった。これは、Cuの含有量増大に伴ない亜鉛基合金ショットの靱性が低下したことに起因する。
第一発明の亜鉛基合金ショットに係る実施例1-1(ビッカース硬さ92HV)と従来例1(ビッカース硬さHV88)、および実施例1-2(ビッカース硬さ130HV)と従来例2(ビッカース硬さHV129)は、それぞれ、ビッカース硬さは、ほぼ同じであるにもかかわらず、本発明の亜鉛基合金ショットの方がバリ取り能力や研掃能力が優れている。
一般に亜鉛合金は、時効により再結晶が進行して金属組織が変化して硬さが低下する傾向がある。今回のショットブラストにおける亜鉛基合金ショットの評価テストではこの再結晶化後のショットの状態が実際のショットブラスト操業状態であると考えて8時間の予備投射を実施している。おそらく従来例1・2の亜鉛基合金ショットは、本発明の亜鉛基合金ショットよりも硬さの低下率が大きいために、バリ取り能力や研掃能力が劣る結果となったのではないかと推定される。
また、添加合金地金として比較的低純度の材料を使用した場合(実施例1-4)と、高純度の材料(実施例1-6)を比較すると、高純度材料を用いた実施例1-6の場合の方が、ビッカース硬さが若干低くなるが、ショット消耗量が少なく、より良好な結果が得られた。
また、亜鉛基合金ショット中に含まれるFeの量が少ない場合(実施例1-4)と、多い場合(比較例1-6)を比較すると、Fe含有量が過剰である比較例1-6は、ビッカース硬さが低くなるとともに、ショット消耗量、バリ取り能力および研掃能力のいずれもが低下する結果となった。
(2)ショットピーニング評価試験
準備した亜鉛基合金ショット(平均粒径1.0mm)を新東工業株式会社製のDZB型遠心式投射装置により投射速度60m/sでカバレージが300%になるまで、下記のAC4CH連続鋳造材にショットピーニングをした。
何れの評価サンプルも、投入した亜鉛基合金ショットの金属組織の再結晶化現象が十分に安定すると思われる8時間の予備投射を実施して、実際のショットピーニングの操業とほぼ同じ状態となる様に亜鉛基合金ショットのコンディションを調整した後にショットピーニングを行なった。予備投射後の亜鉛基合金ショットのビッカース硬さを表4に示す。
ショットピーニング試験は、AC4CH連続鋳造材を520℃で8時間溶体化処理した後、水冷して12時間放置後に160℃で6時間時効処理した厚さ5mm、幅15mm、平行部の長さ17mmの短冊状試験片を用いた。
ショットピーニング評価は下記各項目について行なった。
評価項目は、ピーニング効果に対応する「圧縮残留応力の向上率」および「靭性(耐衝撃性)」について、下記の如く行なった。
<圧縮残留応変化率>
試験片の被処理面の中央部表面から0.15mmの深さの残留応力を測定して、ショットピ−ニング未処理品の残留応力−100MPaに対する変化率により下記基準で評価した。
◎:250%以上、
○:200%以上250%未満、
△:200%未満。
<ショット消耗量>
亜鉛基合金ショットを用いて8時間、ショットピーニングすることにより微粉となって損耗した量を「ショット消耗量」として下記基準で評価した。
◎:0.06kg/(h・HP)以下、
○:0.06kg/(h・HP)超0.08kg/(h・HP)以下、
△:0.08kg/(h・HP)超0.10kg/(h・HP)以下、
×:0.10kg/(h・HP)超。
以上の「圧縮残留応力の向上率」「ショットの消耗量」を「総合判定」して、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや不良なものを△、不良であるものを×として評価した。その評価結果を表4に示す。
Figure 0005007776
第一の発明の亜鉛基合金ショットである実施例1-2〜1-5の亜鉛基合金ショットは、予備投射によりビッカース硬さが約27〜45%低下してビッカース硬さが90〜97HVとなった。AlとCuとの添加量合計が7.5%未満の場合は、亜鉛基合金ショットの繰り返し使用により金属組織が再結晶化して亜鉛基合金ショットの機械的強度やビッカース硬さが低下してしまうことが分かった。即ち、AlとCuとの合計が7.5%未満の場合、ショットピーニング用のショットとしては、必ずしも最適とはいえない。
したがって、実施例1-2〜1-5の亜鉛基合金ショットは、被処理品のビッカース硬さ104HVよりも亜鉛基合金ショットの硬さが低くなり被処理品表面層に十分に塑性変形を起こすことができず、「圧縮残留応力の向上率」が200%未満のピ−ニング効果が少なかった「△」の評価となった。実施例1-2〜1-5の亜鉛基合金ショットの総合評価は、やや不良なもの「△」となった。
第一の発明の亜鉛基合金ショットであり、AlとCuの合計が7.5%超である実施例1-7及び1-8の亜鉛基合金ショットは、予備投射によりビッカース硬さが約29〜32%低下しているものの、予備投射前のビッカース硬さが180〜183HVと高硬度であり、予備投射後のビッカース硬さは122〜130HVであった。被処理品のビッカース硬さ104HVよりも高いビッカース硬さが確保された結果、実施例1-6・1-7の亜鉛基合金ショットは、被処理品表面層に十分に塑性変形を起こすことができ、「圧縮残留応力の向上率」が250%以上の極めてピーニング効果の高い「◎」の評価となった。ショットの消耗量は少なかった「○」の評価であり、実施例1-7及び1-8の亜鉛基合金ショットの総合評価は、良好なもの「○」となった。
第二発明に係る比較例2-1は、Mg添加量が過少(Mg:0.01%未満)の0.001%である。Mgを添加しているものの再結晶反応を抑制する効果が得られず、予備投射後のビッカース硬さは92HVまで低下(36%低下)した。
このため、比較例2-1は、被処理品のビッカース硬さ104HVよりも亜鉛基合金ショットの硬さが低くなった結果、「圧縮残留応力の向上率」が200%未満とピ−ニング効果が少ない「△」の評価となった。この亜鉛基合金ショットの総合評価は、やや不良なもの「△」となった。
比較例2-2の亜鉛基合金ショットは、Mg添加量が過多(0.2%超)の0.3%である。Mgの添加により亜鉛合金の結晶界面にMg化合物を析出させた結果、予備投射後のビッカース硬さの低下は3%に抑制され再結晶化が防止されたと思われるが、耐衝撃性が低下して「ショット消耗量」が多かった「×」の評価となった。この亜鉛基合金ショットの総合評価は、不良であるもの「×」となった。
本発明のAlとCuの添加量合計が7.5%以下で且つ、Mg:0.01〜0.2%の範囲内である実施例2-1〜2-3の亜鉛基合金ショットは、繰り返し使用による金属組織の再結晶化が抑制され予備投射後のビッカース硬さの低下は約6〜12%の僅かなものであった。しかも、予備投射後のそのビッカース硬さの絶対値が123〜141HVであり被処理品のビッカース硬さ104HVよりも十分に高い硬さが確保されている。
したがって、実施例2-1〜2-3は、被処理品表面層に十分に塑性変形を起こすことができ、「圧縮残留応力の向上率」が250%以上の極めてピ−ニング効果の高い「◎」の評価となった。また、Mgによる耐衝撃性の低下が抑制可能な添加範囲内であることから「ショット消耗量」は極めて少ない「◎」(実施例2-1・2-3)、少ない「○」(実施例2-2)の評価となった。この亜鉛基合金ショットの総合評価は、極めて良好なもの◎(実施例2-3)、良好なもの○(実施例2-1及び2-2)となった。
上記の実施例の説明からも明らかなように、第一発明および第二発明に係る各実施例の亜鉛基合金ショットは、従来の亜鉛基合金ショットでは得難かった高硬度(100HV以上)と高靭性を両立させたことが確認できた。
実加工生産におけるショットブラストによるバリ取りや研掃能力および、ショットピーニングした場合の応力付与能力が飛躍的に向上し、且つ、ショットの消耗量低減によるコストダウンならびに、粉塵発生量低減による作業環境の改善効果も両立させることができる。さらに、PRTR制度の対象となるMn等を含まない。
また、合金元素添加物として比較的低純度の材料を使用した場合(実施例2-1)と、高純度材料(実施例2-3)とを比較すると、高純度材料を用いた場合の方がビッカース硬さ、予備投射後ビッカース硬さ、および残留圧縮応力が若干高くなり、またショット消耗量が少なく、より良好な結果が得られた。
また、亜鉛基合金ショット中に含まれるFeの量が少ない場合(実施例2-1)と、多い場合(比較例2-3)とを比較すると、Fe含有量が高い比較例2-3は、ビッカース硬さ、予備投射後ビッカース硬さ、残留圧縮応力がいずれも低くなり、総合評価「×」であった。
また、Mg添加量が過剰(0.2%)を超える比較例2-3は、実施例2-2に比し残留圧縮応力は若干大きくなるが、ショット消耗量は低下する結果となった。これは、Mgの過剰添加に伴い亜鉛基合金ショットの靱性が低下したことに起因すると考えられる。
12・・・インゴット(地金)
14・・・坩堝
16・・・溶湯
18・・・溶湯保持容器
22・・・滴下ノズル
24・・・冷却媒体(水)
32・・・乾燥機
34・・・分級機

Claims (18)

  1. 添加元素としてAl:0.75〜6.5質量%、Cu:0.5〜4.5質量%を含む三成分系の亜鉛基合金ショットであって、前記AlおよびCuの質量組成比(Al/Cu):1.0〜13.0、添加量合計(Al+Cu):1.5〜10.5質量%で、かつ、ビッカース硬さが90〜190HV0.05であることを特徴とする亜鉛基合金ショット。
  2. 前記亜鉛基合金ショットに含まれる前記三成分以外の元素(非必須元素)の合計含有量:0.5質量%以下であり、かつ、Fe含有量:0.3質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の亜鉛基合金ショット。
  3. 前記添加元素であるAlとCuの各純度が99.9質量%以上として、かつ、前記非必須元素の含有量が合計で0.02質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の亜鉛基合金ショット。
  4. 請求項1に記載の亜鉛基合金ショットであって、アルミニウム基合金、亜鉛基合金またはマグネシウム基合金からなる非鉄金属製品の表面処理に用いられることを特徴とする亜鉛基合金ショット。
  5. 請求項4に記載の亜鉛基合金ショットであって、添加元素としてAl:3.0〜6.0質量%、Cu:1.0〜3.0質量%を含む三成分系の亜鉛基合金ショットであることを特徴とする亜鉛基合金ショット。
  6. 請求項1に記載の亜鉛基合金ショットであって、アルミニウム基合金、亜鉛基合金またはマグネシウム基合金からなる非鉄金属製品のバリ取りの表面処理に用いられ、かつ、ビッカース硬さが130〜154HV0.05であることを特徴とする亜鉛基合金ショット。
  7. 添加元素としてAl:0.75〜6.5質量%、Cu:0.5〜4.0質量%、Mg:0.01〜0.2質量%を含む四成分系の亜鉛基合金ショットであって、
    前記AlおよびCuの質量組成比(Al/Cu):1.0〜13.0、添加量合計(Al+Cu):1.5〜8.0質量%で、かつ、ビッカース硬さが90〜190HV0.05であることを特徴とする亜鉛基合金ショット。
  8. 前記亜鉛基合金ショットに含まれる前記四成分以外の非必須元素の含有量が0.5質量%以下であり、かつ、Feの含有量が0.3質量%以下であることを特徴とする請求項7記載の亜鉛基合金ショット。
  9. 前記添加元素であるAl、Cu及びMgの各純度が99.9質量%以上であり、かつ、前記非必須元素の含有量が合計で0.02質量%以下であることを特徴とする請求項7又は8記載の亜鉛基合金ショット。
  10. 請求項7に記載の亜鉛基合金ショットであって、アルミニウム基合金、亜鉛基合金またはマグネシウム基合金からなる非鉄金属製品の表面処理に用いられることを特徴とする亜鉛基合金ショット。
  11. 請求項10に記載の亜鉛基合金ショットであって、添加元素としてAl:3.0〜5.0質量%、Cu:1.0〜3.0質量%、Mg:0.01〜0.2質量%を含む四成分系の亜鉛基合金ショットであることを特徴とする亜鉛基合金ショット。
  12. 請求項7に記載の亜鉛基合金ショットであって、アルミニウム基合金、亜鉛基合金またはマグネシウム基合金からなる非鉄金属製品のバリ取りの表面処理に用いられ、かつ、ビッカース硬さが140〜150HV0.05であることを特徴とする亜鉛基合金ショット。
  13. 請求項7に記載の亜鉛基合金ショットであって、アルミニウム基合金、亜鉛基合金またはマグネシウム基合金からなる非鉄金属製品のピーニングの表面処理に用いられ、かつ、ビッカース硬さが140〜150HV0.05であることを特徴とする亜鉛基合金ショット。
  14. 粒子の平均粒径が0.1〜3mmであることを特徴とする請求項1、2、4、5、6、7、8、10、11、12、13のいずれかに記載の亜鉛基合金ショット。
  15. 請求項1、2、4、5、6、7、8、10、11、12、13、14のいずれかに記載の亜鉛基合金ショットの製造方法であって、溶解した金属溶湯を水等の冷却媒体中へ滴下させる工程、この冷却媒体中で、凝固・堆積させる工程、該凝固・堆積物を乾燥させる工程を経た粒状体を分級して製造することを特徴とする亜鉛基合金ショットの製造方法。
  16. 請求項15に記載の製造方法で製造した亜鉛基合金ショットであって、亜鉛基合金ショットの粒子の長手方向の長さをa、前記長手方向に直交する方向における最大径をbとした場合に、60%以上のショットのa/bが1.0〜1.2の範囲内にあることを特徴とする、亜鉛基合金ショット。
  17. 請求項15又は16に記載の亜鉛基合金ショットであって、粒子の平均粒径が、0.3から2.0mmであることを特徴とする亜鉛基合金ショット。
  18. 請求項17に記載の亜鉛基合金ショットであって、粒子の平均粒径が、0.3から0.6mmであることを特徴とする亜鉛基合金ショット。
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