JP2001162538A - 亜鉛合金ショット - Google Patents
亜鉛合金ショットInfo
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Abstract
金ショットを提供することを課題とする。 【解決手段】 添加物としてマンガン0.3〜5.0質
量%および残部亜鉛よりなる亜鉛合金ショットであっ
て、平均粒径が0.4〜4.0mmであり、かつ硬度が
60〜130Hvである。この亜鉛合金ショットには所
望に応じてアルミニウム0.0001〜0.05質量%が
配合されていてもよい。
Description
どのバリの除去、表面処理などに使用される亜鉛合金シ
ョットに関するものである。
金、マグネシウム合金などのダイカスト製品のバリ、ス
ケールなどを除去する方法として、被処理製品にショッ
トと呼ばれる小さな球を多数投射するショットブラスト
法(shot blasting)が多く使用されている。このショ
ットブラストのショットに使用されるショット材として
はアルミニウム、スチール、ステンレス鋼などが広く採
用されてきたが、アルミニウム製のショットは使用中に
発生する粉塵により爆発を起こす危険があり、スチール
製やステンレス鋼製のショットはビッカース硬度が20
0以上と硬すぎて被処理品の表面を荒らしてしまうなど
の問題があった。最近これらの問題を考慮して、ショッ
ト材として亜鉛を使用した亜鉛ショットが使用されるよ
うになっている。亜鉛ショットは、粉塵爆発の危険性が
極めて低く、被処理品表面を傷つけることなくブラスト
できるという利点がある。
ョットは硬度が40Hv程度と低いため、同じバリを取
るにもブラスト時間が長くかかり作業能率上の問題があ
る。また、ショット自体の寿命も短く、さらに被処理品
の表面が黒色化し商品価値を損なうなどの問題点があっ
た。そこで、本発明者等は、亜鉛中にニッケル等を含有
させた硬度50〜70Hvを有する亜鉛合金ショットを開発
し、先に特許出願をした(特願平10-13005
4)。しかしながら、従来はビッカース硬度が70Hv以上
となると、被処理品の表面を荒らして面粗度が得られな
くなると言われてきたが、現在ではショットの寿命延命
のためにより高い硬度、すなわち60〜130Hv程度の硬度
を有する亜鉛合金ショットに対する要求がある。
み、作業能率が良くショットの寿命も長い亜鉛合金ショ
ットを提供することにある。
になされた本発明の亜鉛合金ショットは、添加物として
マンガン0.3〜5.0質量%および残部亜鉛よりなる
亜鉛合金ショットであって、平均粒径が0.4〜4.0
mmであり、かつ硬度が60〜130Hvであることを
特徴とするものである。本発明の亜鉛合金ショットは、
必要に応じてアルミニウム0.0001〜0.05質量%
を含んでもよい。これらの態様によると、材料の靭性を
大きく損なうことなく硬度を増すことができる。特にア
ルミニウムを添加した場合、製造時の溶湯の流動性の悪
化を防ぐことが可能となる。
に説明する。まず本発明に係る亜鉛合金ショットを構成
する材料の説明を行なう。 (1) 亜鉛(Zn)は、本ショットを構成する主たる
材料である。亜鉛は、スチールやステンレス鋼のように
硬すぎることがなく、また、アルミニウムのように粉塵
爆発を起こす可能性が極めて低い。 (2) マンガン(Mn)は、亜鉛合金を構成する成分
として添加される。マンガンを添加することにより亜鉛
合金の硬度が増す。 (3) アルミニウム(Al)は、マンガンと同様に亜
鉛合金を構成する成分として必要に応じて添加される
が、アルミニウムの添加により溶湯の流動性の低下を防
止する。 (4) なお、亜鉛、マンガンおよびアルミニウムは、
特別に高純度のものを使う必要はなく、一般的な純度を
有するもので充分である。
径の説明を行なう。本ショットは、平均粒径で0.4〜
4.0mmとするが、好ましくは平均粒径で0.6〜
1.8mm程度とする。0.4mm以下では、ショット
一粒当たりの質量が小さいため、バリ取りなどの作業効
率が落ちるからであり、4mm以上では、直径が大きす
ぎるために細かな部分のバリを取ることができず、ま
た、重いため被処理品を傷つけてしまうおそれがあるか
らである。平均粒径を0.6〜1.8mmとした場合
が、作業能率及び表面仕上げの美麗さなど表面処理効果
の点から好ましい。なお、ショットは一旦分級し、所定
の粒径ごとに分別したものを使用するのが、均一な表面
仕上げ処理の観点からは好ましい。
度で60〜130Hvが適している。硬度が60Hv以
上となると、ショットの寿命が延びる。またバリ取りの
作業時間が短縮可能となって作業効率が上がる。しかし
ながら、硬度が130Hv以上では亜鉛合金ショットの
靭性の面で、脆くなってかえって不経済である。以上よ
り、亜鉛合金ショットの硬度は、ビッカース硬度で60
〜130Hvが好ましい。また、確実なブラスト時間の
短縮と、ショット寿命の延長の観点から、亜鉛合金ショ
ットの硬度は70〜100Hvが好ましい。
造について説明する。所定の配合割合になるように亜鉛
などの材料を混合し、好ましくは不活性ガス雰囲気下で
加熱融解し溶湯とする。溶湯は水中(冷却媒体中)に流
下され、球状化して凝固される。しかる後、これを乾燥
し、分級などして、所定の粒度・硬度の亜鉛合金ショッ
トを得るという、一般的なショット製造方法で製造する
ことができる。なお、この製造方法においては、溶湯の
温度が低いとショットが細長い形状となり、糸状部を伴
いやすくなる。一方、溶湯の温度が高いとショットが偏
平になりやすい。一般に溶湯温度は、450〜650
℃、好ましくは500〜600℃である。また、水温
(冷却媒体の温度)が高い場合は形状が偏平化しやす
く、硬度も若干減少する傾向がある。品質的に安定した
ショットを得るには、溶湯の温度や水温が一定している
ことが重要である。
説明する。 (1) 表1に示すように、亜鉛にマンガンを添加する
と亜鉛合金ショットの硬度が増すが、マンガンの添加量
が少ない場合は所定の硬度が得られない。したがって、
ブラストの効率が悪いため処理時間(ブラスト時間)が
長くなる。また、ショット寿命も短くなる。一方、マン
ガンの添加量が多すぎると、ショットの硬さは増すが、
靭性が低減し脆くなってしまい好ましくない。また、マ
ンガンの添加量が多いと(5.0質量%以上)、製造時
にショットの形状が球形になりにくいため歩留まりが悪
くなる。同様に、マンガン添加量が5.0質量%を超え
ると、硬度のばらつきが大きくなり品質の安定の面から
も好ましく、また溶湯の流動性も悪くなる。したがっ
て、アルミニウムを添加しない場合のマンガンの添加量
は3.0質量%以下が好ましく、この配合割合での硬度
は約100Hvである。
低下を防止するために、必要に応じて添加される。アル
ミニウムを多く加え過ぎると前記マンガンの場合と同様
に、製造時に亜鉛合金ショットの形状が球状になりにく
いので歩留まりが悪くなり、さらに亜鉛合金ショットが
脆くなるので好ましくない。従って、アルミニウムを添
加する場合の添加量は0.0001質量%〜0.05質量
%の範囲が好ましく、より好ましくは0.0001質量
%〜0.01質量%の範囲内である。
に説明するが本発明は、下記の実施例に限定されるもの
ではない。
亜鉛合金ショットおよび比較例の亜鉛合金ショットは以
下のようにして製造した。まず、表1に示す配合量のマ
ンガンを亜鉛と混合し、これを加熱溶融し溶湯とした。
次に、底部に所定の口径のノズルを有する黒鉛ルツボに
前記溶湯を入れ、溶湯温度500〜600℃で溶湯上面
に29KPa〜49KPa(0.3〜0.5kgf/cm2)の
圧力を加えながらノズル先端部から溶湯を水中に滴下し
た。これにより、溶湯の流れは、球状化して凝固する。
最後に、これを回収・乾燥し、分級などした後、表1に
示す粒径・硬度を有するショットを得た。なお、ビッカ
ース硬度は、10個のショットの平均値として示す。ま
た、ショット製造時に、溶湯の流動性について観察し、
良好(○)、やや良(△)、不良(×)の三点評価を行っ
た。結果を表1に併記する。
明の範囲よりも低い比較例1では所望の硬度が得られ
ず、マンガンの配合量が増加するに従って硬度の増加が
見られた。しかしながらマンガンの配合量が4.92質
量%の実施例6付近で溶湯の流動性が徐々に悪くなっ
た。マンガンの配合量が本発明より高い比較例2および
比較例3では溶湯の流動性が悪化した。また得られた亜
鉛合金ショットは非常に脆いものであった。
する以外は、上記実施例1〜5および比較例1〜2と同
様の方法で表2に示す粒径・硬度を有するショットを得
た。また、ショット製造時に、溶湯の流動性について観
察し、良好(○)、やや良(△)、不良(×)の三点評価
を行った。結果を表2に併記する。
本発明の範囲よりも高い比較例4や比較例6では得られ
たショットが球形となりにくいことが判る。
合金ショットによれば、材料の靭性を大きく損なうこと
なく硬度を増すことができるので、ショットの寿命を長
くすることが可能となった。また、従来の亜鉛ショット
に比べて、効率よくブラストを行なうことができるの
で、処理時間を短くでき作業能率が向上する。
Claims (2)
- 【請求項1】 添加物としてマンガン0.3〜5.0質
量%および残部亜鉛よりなる亜鉛合金ショットであっ
て、平均粒径が0.4〜4.0mmであり、かつ硬度が
60〜130Hvであること、を特徴とする亜鉛合金シ
ョット。 - 【請求項2】 さらに添加物として、アルミニウム0.
0001〜0.05質量%を含むこと、を特徴とする請
求項1記載の亜鉛合金ショット。
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---|---|---|---|
JP35399099A JP4309004B2 (ja) | 1999-12-14 | 1999-12-14 | 亜鉛合金ショット |
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Family Applications (1)
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Cited By (4)
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WO2018235902A1 (ja) * | 2017-06-21 | 2018-12-27 | 新東工業株式会社 | 亜鉛基合金ショット及びその製造方法 |
CN110799305A (zh) * | 2017-06-21 | 2020-02-14 | 新东工业株式会社 | 锌基合金丸粒及其制造方法 |
-
1999
- 1999-12-14 JP JP35399099A patent/JP4309004B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN110799305A (zh) * | 2017-06-21 | 2020-02-14 | 新东工业株式会社 | 锌基合金丸粒及其制造方法 |
JPWO2018235902A1 (ja) * | 2017-06-21 | 2020-04-23 | 新東工業株式会社 | 亜鉛基合金ショット及びその製造方法 |
TWI798231B (zh) * | 2017-06-21 | 2023-04-11 | 日商新東工業股份有限公司 | 鋅基合金珠及其製造方法 |
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