上記のニーズに応える手段の1つとしてパソコン等にマスコット的な人形を接続することが考えられる。従来、これに近い技術として、人間や動物等の外形を真似た擬似生物玩具をホストコンピュータと例えば無線で接続することが提案されている(特許文献1参照)。しかしこの擬似生物玩具は、擬似的な愛玩動物、あるいはコンピュータで動作させる玩具でしかなく、遊び心を持ちつつも実用性を有するという範疇のものではない。
また、パーソナルコンピュータに接続し、内部にスピーカやマイクロホンを備え、さらに撮影カメラを備え、例えばスピーカからの音声出力に合わせて口を動かす人形が提案されている(特許文献2参照)。これは、遊び心を持ちかつ実用性を有するという範疇には入るものの、これはいわばスピーカやマイクロホンといった従来の情報入出力機器を人形の形で覆ったものに過ぎず、口を動かしたり目を発光させたりしているものの、その口の動きや目の発光に何らかの意味があるものではない。
さらに、パソコンに近似した機能を備えた情報処理機器全体を人形の形に構成した装置も提案されている(特許文献3参照)。これは、外形を人形の形に形成した情報処理装置に過ぎないものである。
すなわち、上述した従来のいずれの提案も、パソコンやそのパソコン内で動作するソフトウェアがどういう状況にあるときに人形を動作させるといった、パソコンやソフトウェアと人形との連携動作を提案しているものではなく、単に遊び心を刺激する外形を提案しているにとどまっている。
本発明は、上記事情に鑑み、パソコンや家庭用ゲーム機等の情報処理機器と接続され、遊び心とともにその動作に意味を持たせることによって実用性を高めた擬似生物機器を備えた情報処理装置、およびそのような機能を持たせるのに好適なハードウェア構成を備えた擬似生物機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の情報処理装置うちの第1の情報処理装置は、メッセージを表示する表示部を備えた本体機器と、その本体機器に有線あるいは無線で接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器とを具備し、
上記メッセージが、擬似生物機器の動作をあらわす動作データを含むことが許容されたものであって、
本体機器が、メッセージから動作データを抽出する動作データ抽出部と、動作データ抽出部で抽出された動作データ、あるいはその抽出された動作データに基づいて生成された動作データを擬似生物機器に送信する動作制御部とを備えたことを特徴とする。
ここで、上記擬似生物機器とは、外形が、例えば動物等を含む広義の人形や、列車、自動車、パソコン等を型取った玩具等、実用本意ではなく、何らかの遊び心を刺激するような形状を有する機器をいい、一方、パソコン等の情報処理装置に一般的に備えられるキーボードやマウス、あるいはプリンタ等、実用本位の操作子や機器等を含まない概念のものをいう。
本発明の上記第1の情報処理装置は、擬似生物機器の動作をあらわす動作データをメッセージに含め、そのメッセージを表示するとともに擬似生物機器にその動作データに応じた動作を行なわせることにより、メッセージの表示のみでは難しかった感情表現をその擬似生物機器の動作に置き換えて表現することができる。
ここで、上記第1の情報処理装置において、本体機器が、ネットワークに接続されてそのネットワークを経由して送信されてきた、動作データを含むことが許容されたメッセージを受信する通信部を備えたものであることが好ましい。
本発明の第1の情報処理装置は、パソコン通信、電子メール等、他の情報処理装置等からメッセージを受け取って表示するシステムに好適である。
ここで上記第1の情報処理装置において、上記メッセージが、表示部に表示される表示データとは区別された制御文による動作データを含むことが許容されたものであって、
動作データ抽出部が、メッセージから動作データを抽出するとともに、抽出した動作データを除いた表示データを表示部に送るものであってもよい。
この場合、表示部には、擬似生物機器の動きをあらわす情報は表示されずに、すなわち、表示部には、表示用の文字等だけが表示され、擬似生物機器がその表示文に対応した動作を行なうことになる。
あるいは、上記第1の情報処理装置において、上記メッセージが、表示部に表示される表示データ中に動作データが埋め込まれたものであって、
動作データ抽出部が、表示データ中に埋め込まれた動作データを抽出するとともに、動作データを含む表示データを表示部に送るものであることも好ましい形態である。
表示データ中に動作データを埋め込むようにすると、動作データ用の特別の制御文は不要となり、既存の電子メールやインターネット通信等のプロトコルをそのまま用いて、そこに動作データを含ませることができる。この場合に、文字や単語との意味とは無関係に、例えば‘あ’,‘い’,‘う’,‘え’,‘お’の各文字に各動作データを対応づけてもよく、あるいは単語等の意味と動作とを対応づけ、例えば‘悲しい’、‘嬉しい’という言葉と‘悲しそうな動作’、‘嬉しそうな動作’とを対応づけてもよい。
言葉の意味と擬似生物機器の動作とを対応づけた場合、メッセージ作成者は、擬似生物機器の動作を意識せずにメッセージを作成することができるというメリットもある。
さらには、上記第1の情報処理装置において、上記メッセージ中に含まれる動作データは、1つの動作データが擬似生物機器の一連の複数の動作に対応づけられるものであって、
動作データ抽出部が、上記メッセージ中から動作データを抽出するとともに、抽出した動作データに基づいて、擬似生物機器の一連の複数の動作をあらわす一連の複数の動作データを生成するものであってもよい。
メッセージ中にそれぞれが各1つの動作に対応する動作データを含ませてもよいが、その場合、その擬似生物機器に一連の複数の動作を行なわせようとしたときは、それら一連の複数の動作に対応する複数の動作データをその動作の順に配列する必要があり、それら複数の動作データをメッセージ中に含ませるための操作が煩わしい場合が生じる。そこで、一連の複数の動作からなる例えば定型的な動作パターンについては、1つの動作データをそれら一連の複数の動作に対応づけておくと、メッセージに動作データを含ませる作業が容易となる。
また、上記第1の情報処理装置における、ネットワークに接続された通信部を備えた場合において、擬似生物機器が、その擬似生物機器に対する操作を検知するセンサを備え、
上記通信部が、ネットワークを経由して送信されてきたメッセージを受信するとともに、擬似生物機器がその受信に応答して操作された場合に、擬似生物機器が操作されたことに対応する応答メッセージを、受信したメッセージの発信元に向けてネットワークに送り出すものであることが好ましい。
こうすることにより、メッセージを受信したことを容易にかつ相手に面白く通知することができる。
この場合に、擬似生物機器がそれぞれ異なる操作により反応する複数のセンサを備え、反応したセンサに応じた応答メッセージを発信元に送信してもよく、センサの数を問わず、例えば1個のセンサであっても、1回のみ操作されたか、あるいは続けて二回操作されたかといった操作回数によって応答メッセージを変えてもよい。
あるいは、上記擬似生物機器が、その擬似生物機器の前の人の存在を検知するセンサを備え、
上記通信部が、ネットワークを経由して送信されてきたメッセージを受信するとともに、その受信に応答して、センサによる検知結果を含む応答メッセージを、受信したメッセージの発信元に向けてネットワークに送り出すものであることも好ましい形態である。
こうすることによりメッセージの発信元ではメッセージの受信側にユーザがいるかいないかを知ることができ、メッセージの受信先でメッセージが直ぐに伝わることが期待できるか否か知ることができる。
さらに、メッセージの発信元に向けて応答メッセージを送り返すにあたっては、上記通信部が、その発信元に向けて、発信元に擬似生物機器が備えられている場合のその擬似生物機器の動作を指示する動作データを含む応答メッセージをネットワークに送り出すものであることが好ましい。
メッセージの発信元に擬似生物機器が備えられている場合、その動作により、メッセージ送信先でメッセージが受信されたことを知ることができる。
また、本発明の情報処理装置のうちの第2の情報処理装置は、ネットワークに接続されてネットワークを経由して送信されてきたメッセージを受信する通信部、およびメッセージを表示する表示部を備えた本体機器と、その本体機器に有線あるいは無線で接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器とを具備し、上記本体機器が、メッセージの受信を受けて、擬似生物機器に動作データを送信する動作制御部を備えたことを特徴とする。
これにより、メッセージが受信されたことを人形の動きで知ることができる。
メッセージが受信されたとき、通常は表示部にその旨表示されることも多いが、別の作業を行なっている途中でそのような表示が割り込むと煩わしさを感じることもある。これに対し、メッセージが受信されたことを人形の動作で知らせることにより、そのような煩わしさから解放されることになる。
尚、この第2の情報処理装置にいう「メッセージの受信」は、「本体機器自身によるメッセージの受信」であってもよいが、それには限られず、例えばホストコンピュータを介在させてメッセージを送受信するシステムにおいては、「ホストコンピュータによる自分(本体機器)あてのメッセージの受信」も含まれる概念をいう。
この第2の情報処理装置において、本体機器が、メッセージの発信元と動作データとの対応表を備え、上記動作制御部が、受信したメッセージの発信元に応じた動作データを擬似生物機器に送信するものであることが好ましい。
この場合、擬似生物機器の動きにより、メッセージが受信されたということに加え、メッセージの発信元を知ることができる。
さらに、第2の情報処理装置において、本体機器が、メッセージの発信元あるいはメッセージ中のキーワードにより特定される優先度と、動作データとの対応表を備え、上記動作制御部が、受信したメッセージの優先度に応じた動作データを擬似生物機器に送信するものであることも好ましい。
ここで「メッセージの優先度に応じた動作データを擬似生物機器に送信する」態様の1つとして、動作データを送信しない、あるいは、動作を行なわないことあるいは動作を停止することをあらわす動作データを送信することも含まれる。
受信したメッセージの優先度に応じた動作データを送信すると、擬似生物機器の動作により、例えば受信したメッセージが重要度の高いもの、例えば直ちにメッセージを確認しなければならない緊急のものであるか否か等を知ることができる。
また、本発明の情報処理装置のうちの第3の情報処理装置は、本体機器と、その本体機器に有線あるいは無線で接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器とを具備し、擬似生物機器が、その擬似生物機器の前の人の存在を検知するセンサを備え、そのセンサによる検知結果に応じて異なる動作を行なうものであることを特徴とする。
ここでは、「センサによる検知結果に応じて異なる動作を行なう」1つの態様として、そのセンサの検知結果によって動作を行なわないことも含まれる。
この「センサによる検知結果に応じて異なる動作を行なう」にあたっては、センサによる検知結果を本体機器側に送信し、本体機器でその検知結果に応じたデータを擬似生物機器に送信(あるいは動作データを送信しないという態様を含む)してもよく、あるいは、本体機器からは、センサの検知結果によらず同一の動作データが送信され、擬似生物機器において、その検知結果に応じて、例えば送信されてきた動作データ全てに対応する動作を行ない、あるいは送信されてきた動作データの中から特定の動作データのみ選んで選んだ動作データに対応する動作のみ行ない、あるいは、動作データが送信されてきても無視して動作を行なわない、というように、センサの検知結果に応じてその動作を変更してもよい。
また、本発明のうちの第4の情報処理装置は、経過時間とユーザからのイベントとに応じた所定のフローにしたがって動作するマルチメディアソフトウェアが実行される本体機器と、その本体機器に有線あるいは無線で接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器とを具備し、
上記本体機器が、その本体機器で実行中のマルチメディアソフトウェアと連携した動作をあらわす動作データを擬似生物機器に送信する動作制御部を備えたことを特徴とする。
ここでいう「マルチメディアソフトウェア」とは、経過時間とユーザからのイベントにより音や静止画像や動画を再生表示するソフトウェアをいう。マルチメディアソフトウェアの詳細な特性については後述する。
上記第4の情報処理装置によれば、擬似生物機器により、本体機器で実行されているマルチメディアソフトウェアと連携した動作が行なわれ、そのマルチメディアソフトウェアの楽しさや効果を高めることができる。
さらに、本発明の第5の情報処理装置は、ソフトウェアが実行される本体機器と、その本体機器に有線あるいは無線で接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器とを具備し、
擬似生物機器が、その擬似生物機器に対する操作を検知するセンサを備えたものであって、
本体機器が、擬似生物機器が操作されたことを受けて、本体機器で実行される所定のプログラムに所定のイベントを発行するイベント発行部を備えたことを特徴とする。
本発明の第5の情報処理装置によれば、擬似生物機器のセンサ入力(スイッチ操作等)を、例えばスクリーンセーバの終了、ソフトウェアのロック解除、パスワード入力、プログラムの実行の終了などのイベント入力として用いることができる。
ここで、上記第5の情報処理装置において、イベント発行部が、擬似生物機器が特定の動作を行なっている間にその擬似生物機器が操作された場合に、本体機器で実行される所定のプログラムに所定のイベントを発行するものであることが1つの好ましい形態である。
こうすることにより、その擬似生物機器の動作とその擬似生物機器に加える操作との連携を知っているユーザのみイベントを入力することができ、例えばパスワード等、むやみに誰れでも入力するということが禁止されているイベントの入力に好適である。
さらに、上記第5の情報処理装置において、上記イベント発行部が、擬似生物機器が特定の操作パターンで操作された場合に、本体機器で実行される所定のプログラムに所定のイベントを発行するものであることも好ましい形態である。
ここで、「特定の操作パターン」とは、例えば同一の操作を繰り返し行なうときの操作のリズムであってもよく、例えば擬似生物機器に複数の操作態様を検知する複数のセンサを備え、それら複数のセンサに対応する複数の操作の操作順序であってもよく、あるいはそれらの組み合わせであってもよい。
このように、特定の操作パターンのときにのみイベントを発行するようにすることにより、その操作パターンを知っている特定のユーザのみに許されたイベントの入力に好適である。また、この形態は、キーボード操作に慣れていない人であってもイベントを楽に入力することができる。
さらに、本発明の情報処理装置のうちの第6の情報処理装置は、ソフトウェアが実行される本体機器と、その本体機器に有線あるいは無線で接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器とを具備し、
擬似生物機器が、その擬似生物機器に対する操作を検知するセンサを備えたものであって、
本体機器が、所定のイベントの発行を受けて動作データを擬似生物機器に送信する動作制御部と、擬似生物機器が動作している間にその擬似生物機器が操作された場合に、その擬似生物機器の動作の原因に対応づけられたソフトウェアを起動するためのイベントを発行するイベント発行部とを備えたものであることを特徴とする。
通常、ソフトウェアを起動するためのイベントを発行するには、マウスを操作して、表示画面にあらわれたアイコンをクリックする等の操作を行なう必要があるが、このような操作に慣れていないユーザであっても、例えば動作中の擬似生物機器に手を触れるだけで現在その擬似生物機器を動作させている原因に対応づけられたソフトウェアが駆動されるため、ユーザの操作負担が軽減される。
ここで、上記第6の情報処理装置において、擬似生物機器に動作データを送信する原因となるイベントに優先度が付されたものであって、上記動作制御部が、擬似生物機器に動作データを送信する原因となる複数のイベントが同時にあるいは相前後して発行された場合に、優先度の高いイベントに対応する動作データを擬似生物機器に送信するものであることが好ましい。
この場合、擬似生物機器の動作中に擬似生物機器が操作されると、その優先度の高い動作の原因に対応づけられたソフトウェアが起動されることになる。
このように優先度を付しておくことにより、擬似生物機器を動作させる原因が複数同時にあるいは相前後して発生したときに、緊急のもの、あるいは重要のものが通知され、擬似生物機器を操作することにより、その通知に対応した緊急の、あるいは重要なソフトウェアを起動することができる。
さらに、本発明の第7の情報処理装置は、画像を表示する表示画面を有する表示部、およびその表示画面上の位置を指定する操作子を備えた本体機器と、本体機器に有線あるいは無線で接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器とを具備し、
本体機器が、表示部の表示画面上に、擬似生物機器の動作をあらわすシンボルを、複数種類の動作について表示させ、上記操作子を用いた、これらのシンボルの配列操作を受けて、擬似生物機器を、シンボルの配列順序に対応した動作順序で動作させるための、配列された一連の動作データを生成する動作生成部を備えたことを特徴とする。
本発明の第7の情報処理装置によれば、擬似生物機器に行なわせる一連の複数の動作からなる動作パターンの生成が容易となる。
さらに、本発明の第8の情報処理装置は、イベントを発行する操作子を備えた本体機器と、本体機器に有線あるいは無線で接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器とを具備し、
本体機器が、上記操作子から順次発行されるイベントの発行速度に応じた動作データを擬似生物機器に送信する動作制御部を備えたことを特徴とする。
本発明の第8の情報処理装置によれば、例えば操作子としてキーボードを用意し、そのキーボードの操作の練習やそのキーボードを操作する仕事の励みとなり、練習や仕事の面白さを増すことができる。
さらに、本発明の第9の情報処理装置は、操作に応じた複数種類のイベントを発行する操作子を備えた本体装置と、その本体装置に有線あるいは無線で接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器とを具備し、
本体機器が、上記操作子から発行されるイベントの種類に応じた動作データを擬似生物機器に送信する動作制御部を備えたことを特徴とする。
この場合も、本発明の第8の情報処理装置の場合と同様、練習や仕事に遊び心を加え、練習や仕事の励みともなり、面白さを増すことができる。
さらに、本発明の第10の情報処理装置は、ソフトウェアが実行される本体機器と、その本体機器に有線あるいは無線で接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器とを具備し、
本体機器が、その本体機器で実行されるソフトウェアによる所定の作業の終了を受けて、動作データを擬似生物機器に送信する動作制御部を備えたことを特徴とする。
所定の作業の終了時、例えば印刷の終了時や、ダウンロードの終了時などに擬似生物機器を動作させることにより、その作業の終了をユーザに通知することができる。
さらに、本発明の第11の情報処理装置は、本体機器と、その本体機器に有線あるいは無線で接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器とを具備し、本体機器が、擬似生物機器が本体機器に接続されたことを受けて動作データを擬似生物機器に送信する動作制御部を備えたことを特徴とする。
本発明の第11の情報処理装置によれば、擬似生物機器が本体機器に接続されるとその擬似生物機器が動作するため、接続が確実に行なわれたことがユーザに認識できるとともに、ユーザがその擬似生物機器に命をふきこんだという生物的な感じを与え、面白さや擬似生物機器への親しみを増すことができる。
さらに、本発明の第12の情報処理装置は、本体機器と、その本体機器に有線あるいは無線で接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器とを具備し、擬似生物機器が、本体機器との接続が断たれたことを受けて、所定の動作を行なうものであることを特徴とする。
本発明の第12の情報処理装置によれば、擬似生物機器の接続が遮断されたことをユーザに認識させることができ、ユーザに安心感や面白さを与えることができる。
さらに、本発明の第13の情報処理装置は、時刻の指定を担う操作子を備えた本体機器と、その本体機器に有線あるいは無線で接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器とを具備し、本体機器が、上記操作子により時刻が指定された場合に、指定された時刻に、動作データを擬似生物機器に送信する動作制御部を備えたことを特徴とする。
本発明の第13の情報処理装置によれば、擬似生物機器の動作を、時刻報知や時刻アラームとして使用することができる。音で通知すると周囲に迷惑をかける場合があり、画面表示で通知すると画面を常に見ている状況でないと通知できないこととなるが、擬似生物機器の動作で通知することで、そのような状況を補完し、音を出さずに、かつ画面から目を離すことがあるような状況においても指定時刻になったことを通知することができる。
さらに、本発明の第14の情報処理装置は、スケジュールの入力と入力されたスケジュールのうちの所望のスケジュールの指定とを担う操作子を備えた本体機器と、その本体機器に有線あるいは無線で接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器とを具備し、
本体機器が、上記操作子により、入力されたスケジュールのうちの所望のスケジュールが指定された場合に、指定されたスケジュールに応じた時刻に、動作データを擬似生物機器に送信する動作制御部を備えたことを特徴とする。
本発明の第14の情報処理装置は、上記第13の情報処理装置を「スケジュール」に拡張したものであり、やはり、指定の時刻に達したことを、音を出さずに、かつ画面から目を離すことがあるような状況においても通知することができる。
ここで、上記の第14の情報処理装置における、「スケジュールに応じた時刻」は、そのスケジュールの開始時刻であってもよいが、それに限られるものではなく、そのスケジュールに応じた時刻であればよく、例えばそのスケジュールの開始時刻30分前等であってもよい。
また、上記目的を達成する本発明の擬似生物機器のうちの第1の擬似生物機器は、本体機器に着脱自在に接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器であって、
本体機器から送信されてきた、動作データと、その動作データに基づく動作を行なう条件を指示する条件データとを記憶しておく記憶部と、
上記条件データに基づいて、動作データに基づく動作を行なう条件が成立したか否かを判断する判断部と、
上記判断部による、動作を行なう条件が成立したという判断を受けて、擬似生物機器に、動作データに基づく動作を行なわせる駆動部とを備え、
この擬似生物機器が、内蔵電池からの電力の供給を受けて動作するものであることを特徴とする。
本発明の第1の擬似生物機器によれば、本体機器に着脱自在であって、内蔵電池からの電力の供給を受けて動作を行なうものであるため、本体機器からデータを一旦受信してさえおけば、その後本体機器から取り外されていても、条件が成立したとき、例えば所定の時刻に達したときにその擬似生物機器が動作し、その条件が成立したこと(例えば所定の時刻に達したこと)がユーザに通知される。
また本発明の擬似生物機器のうちの第2の擬似生物機器は、本体機器に着脱自在に接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器であって、本体機器に選択的にいずれか1つが接続される、異なる通信方式を採用した通信を行なう複数種類の通信部を備えたことを特徴とする。
本発明の第2の擬似生物機器によれば、複数種類の通信部、例えば、現在の一般的なインターフェースであるRS232Cと、近い将来主流となるであろうUSBとの双方の通信部を備えることにより、広範な本体機器に接続することが可能となる。
また、本発明の擬似生物機器のうちの第3の擬似生物機器は、本体機器に接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器であって、駆動源と、位置あるいは姿勢の変化が外観にあらわれる部分との間に、その部分の位置あるいは姿勢を固定しても破壊を免れる緩衝手段が介在してなることを特徴とする。
本発明の第3の擬似生物機器によれば、緩衝手段を介在させたため、こわれにくい擬似生物機器が構成される。特に上記第1の擬似生物機器と組み合わせて、本体機器から外して持ち運ぶことができるように構成した場合に一層有効である。
さらに、本発明の擬似生物機器のうちの第4の擬似生物機器は、本体機器に接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器であって、本体部と、本体部に支持され復帰自在に押下される頭部と、頭部が押下されたことを検知するセンサとを備えたことを特徴とする。
頭部は目立つため、ユーザが操作しようとしたときに手を出しやすい部分である。本発明の第4の擬似生物機器は頭部が押下されたことを検知するセンサを備えたものであり、自然な操作が行なわれる。
また、本発明の擬似生物機器のうちの第5の擬似生物機器は、本体機器に接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器であって、操作を検知するセンサを備えた台座部を有することを特徴とする。
台座部は、擬似生物の固定を目的として製作されるため頑丈に作ることができ、また、ユーザが手をかけやすい部分でもある。本発明の第5の擬似生物機器は、その台座部にセンサを備えたため、長期にわたる耐久性を確保し確実なセンシングを提供することができる。
また、本発明のうち擬似生物機器の第6の擬似生物機器は、本体機器に接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器であって、
本体機器との間で通信を行なってこの擬似生物機器の動作を制御する制御部を内蔵した台座部と、
その台座部に着脱自在に装着され、上記制御部からの指令に応じた動作を行なう本体部とを備えたことを特徴とする。
本発明の第6の擬似生物機器は、本体部が台座部に着脱自在であるため、その本体部として、例えば人の形を模した人形、ある動物の形を模した人形等、複数種類のものを用意しておき、好みの人形を台座部に装着して使用することができる。しかも、本発明の第6の擬似生物機器は、制御部は台座部に備えられているため、交換可能な本体部を安価に構成することができる。
また、本発明の擬似生物機器うちの第7の擬似生物機器は、本体機器に接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器であって、
この擬似生物機器を動作データに応じて駆動する駆動部と、
上記駆動部に供給するための電力が蓄積される蓄電部と、
本体機器から送られてきた電力で蓄電部を充電する充電部とを備えたことを特徴とする。
この場合、擬似生物機器には電池を内蔵する必要がないため、ランニングコストの安い擬似生物機器が構成される。また、本体機器の接続線に擬似生物機器を直接駆動するだけのエネルギーを供給する能力がない場合においても、電力を蓄えておいてその擬似生物機器を動作させることができる。
また、上記第7の擬似生物機器において、上記充電部は、本体機器からのデータをこの擬似生物機器に送信する通信線の電力で蓄電部を充電するものであってもよい。
通信線からの僅かな電力であっても、それを蓄えておくことにより、擬似生物機器を動作させることができる。
また、上記第7の擬似生物機器において、上記蓄電部に蓄電された電力を昇圧して駆動部に供給する昇圧部を備えることも好ましい。
昇圧部を備えることにより、本体機器から供給される電力の電圧が低い場合や、まだ充電が不十分であって電圧が低い場合であっても、その擬似生物機器を動作させることができる。
さらに、上記第7の擬似生物機器において、所定の動作データを記憶しておく記憶部と、本体機器との接続が断たれたことを検知して記憶部に記憶された動作データを駆動部に送る切断検出部とを備えることも好ましい形態である。
こうすることにより、本体機器から切断されたことが視覚的に認識され、ユーザに安心感を与えることができる。また、本体機器から切断された後で動作することにより、生物的な感じを与え、面白さを与えることができる。さらに、この動作においては、蓄積しておいた残存エネルギーが使用され、その動作を行なわせるために擬似生物機器側で別の電源を用意しておく必要はなく、擬似生物機器を廉価に構成できる。
また、本発明の擬似生物機器のうちの第8の擬似生物機器は、本体機器に接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器であって、
本体機器との間で通信を行なってこの擬似生物機器の動作を制御する制御信号を生成する、その本体機器から送られてきた電力で回路動作が行なわれる制御部と、
内蔵電池から電力が供給され、制御部から送られてきた制御信号に応じてこの擬似生物機器を駆動する駆動部とを備えたことを特徴とする。
本発明の第8の擬似生物機器によれば、制御部は本体機器から供給される電力により駆動されるため、この擬似生物機器が本体機器に接続されていないときには制御部は動作せず、したがって駆動部でも電力が消費されないこととなり、この擬似生物機器に電池を内蔵したまま販売しても電池消耗が防止される。また、このことから波及して、電池が内蔵された状態でユーザの手に渡ると、ユーザによる、この擬似生物機器を正常に動作させるための設定が簡単となる。さらに、この第8の擬似生物機器によれば、本体機器への接続、切離しがメインスイッチの役割りを成し、したがってそれとは別なメインスイッチは不要となり、製造コストを削減することができる。
さらに、本発明の擬似生物機器のうちの第9の擬似生物機器は、本体機器に接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器であって、
本体部と、その本体部に水平に軸支された揺動軸と、その揺動軸に支持された、復帰自在に押下される頭部と、その頭部が押下されたことにより復帰自在に押下される押ボタンを有しその押ボタンの押下を検知するセンサとを備え、
揺動軸がその押ボタンの直上に配置され頭部の押下に伴って揺動軸が押ボタンを押下するものであることを特徴とする。
また、本発明の擬似生物機器のうちの第10の擬似生物機器は、本体機器に接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器であって、
本体部と、その本体部に水平に軸支された揺動軸と、その揺動軸上にバネを介在させて支持された、復帰自在に押下される頭部と、その頭部が押下されたことにより復帰自在にその頭部で押下される押ボタンを有しその押ボタンの押下を検知するセンサとを備えたことを特徴とする。
さらに、本発明の擬似生物機器のうちの第11の擬似生物機器は、本体機器に接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器であって、
本体部と、その本体部に水平に軸支された、バネ性を有する揺動軸と、その揺動軸に固定された、復帰自在に押下される頭部と、頭部が押されたことにより復帰自在にその頭部で押下される押ボタンを有しその押ボタンの押下を検知するセンサとを備えたことを特徴とする。
本発明の第9〜第11の擬似生物機器によれば、揺動軸を中心に揺動させることができる機構を持った頭部の押下を、簡易な構成で確実に検知することができる。
さらに、本発明の擬似生物機器のうちの第12の擬似生物機器は、本体機器に接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器であって、
本体部と、その本体部にバネを介在させて支持された頭部と、その本体部に軸支されて上下に延びるレバーを備えるとともにそのレバーを回動させる駆動部を備えそのレバーの上部で頭部に係止してその頭部を動作させる、左右一対の頭部駆動機構とを具備し、これら左右一対の頭部駆動機構双方を同時に稼動させるかあるいはこれら左右一対の頭部駆動機構のうちの一方のみを稼動させるかに応じて、頭部を前に傾け、あるいは頭部を横に向けるものであることを特徴とする。
本発明の第12の擬似生物機器によれば、擬似生物機器が小型のものであっても頭部を動かすことができる。また簡単な機構でこの頭部を左右と上下との2自由度動かすことができるため、低コストでユーザに対し豊かな表現を与えることができる。
また、本発明の擬似生物機器のうちの第13の擬似生物機器は、本体機器に接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器であって、
この擬似生物機器が、本体機器からパルス幅の広狭で二値をあらわす動作データが送信されることを予定したものであり、
動作データが格納されるフリップフロップと、
本体機器から送信されてきた動作データを、パルス幅の広狭にかかわらず、フリップフロップに、そのフリップフロップにデータを取り込むタイミングを指示するクロックとして供給するとともに、本体機器から送信されてきた動作データを、パルス幅の広狭に応じて異なる論理の信号としてフリップフロップに取り込まれるように加工して、フリップフロップにデータとして供給するデコード回路とを備えたことを特徴とする。
本発明の第13の擬似生物機器によれば、本体機器から送信されてきたデータが、データ自身とクロックとの双方に使われるため、通常必要となる大規模なクロック生成回路がほぼそっくり不要となり、安価な擬似生物機器を提供することができる。
また、本発明の擬似生物機器のうちの第14の擬似生物機器は、本体機器に接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器であって、
この擬似生物機器に対する操作を検知するセンサを備え、
そのセンサが、本体機器から出力された互いに異なる電圧を伝える2本のステータス出力線どうしの間に抵抗と直列に配置されるとともに、抵抗との接続点に本体機器に電圧信号を伝えるステータス入力線が接続されてなるオンオフスイッチからなることを特徴とする。
本発明の第14の擬似生物機器によれば、擬似生物機器にその擬似生物機器に対する操作を検知するセンサを備えるにあたり、その擬似生物機器には抵抗とオンオフスイッチ1つずつのみで済み、低コスト化が図られる。また、この第14の擬似生物機器によれば、後述するように、本体機器に接続されているか否かを本体機器側で容易に検出することが可能となる。
さらに、本発明の擬似生物機器のうちの第15の擬似生物機器は、本体機器に着脱自在に接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器であって、
本体部と、その本体部に支持されるとともにその本体部との間に間隙を有しその本体部に対し可動な、内側から照射される色光により表面の色を変える頭部と、内側から頭部前側を色光で照射する発光体と、その発光体から発せられた色光が上記間隙を通って本体部表面を照射するのを防止する遮光体とを備えたことを特徴とする。
本発明の第15の擬似生物機器によれば、発光体から発光された色光により照射されることを期待する頭部前面にのみ照射され、本体部には照射されないため、頭部前面と本体部とで色がシャープに変化し、ユーザにその頭部の顔色が変化したことを強調して伝えることができる。
さらに本発明の擬似生物機器のうちの第16の擬似生物機器は、本体機器に着脱自在に接続され動作データに応じた動作を行なう擬似生物機器であって、
本体部と、その本体部に支持されるとともにその本体部との間に間隙を有し本体部に対し可動な、内側から照射される色光により表面の色を変える頭部と、内側から頭部前側を色光で照射する発光体と、その発光体に、複数のデューティ比の中から自在に選択されたいずれかのデューティ比の電力パルス列を供給する発光駆動部とを備えたことを特徴とする。
本発明の第16の擬似生物機器によれば、顔色を表現豊かにかつ簡単に変化させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、遊び心と実用性を兼ね備えた擬似生物機器、および情報処理機器と擬似生物機器との組合せからなる情報処理装置が構成される。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態の構成図である。
この図1に示す情報処理装置は、情報処理機器100と人形200とから構成されている。この情報処理装置の外観は、その一例が、例えば、図4、図5、図6あるいはそれ以降の複数の図に示されている。
情報処理機器100は、各種のソフトウェアが実行される中央演算処理装置(CPU)101、各種のソフトウェアを記憶しておくROM102、CPU101におけるソフトウェア実行の際の作業領域として使用されるRAM103、CPU101に対し各種のユーザイベントを発行するキーボード、ジョイスティック、マウス等の操作子104、CPU101で実行されているソフトウェアによる各種画面を表示するディスプレイあるいはテレビ等の表示装置105、CPU101で実行されているソフトウェアによる音声を出力するスピーカ106、人形200との間の通信を担うインターフェース107、およびネットワークを経由して外部の装置との通信を行なうインターフェース108から構成されている。
一方、人形200は、情報処理機器100との通信を担うインターフェース201、インターフェース201で受信した信号を解析する信号解析回路202、信号解析回路202における信号解析結果に従って駆動手段206を駆動する駆動回路203,204、信号解析回路202における信号解析結果に従ってLED207を点灯、消灯させる駆動回路205、駆動回路203,204によって駆動される、ここでは一例として、永久磁石206a,206bとコイル206c,206dとからなる駆動手段206、駆動手段206によって駆動されるLED207、およびスイッチ等のセンサ208から構成されている。
この駆動手段206は、ここでは1つのみ図示されているが、本実施形態では頭部を動かす駆動手段と、腕を動かす駆動手段との2系統備えられており、LED207は、顔の色を赤あるいは青に変化させるためのものがあり、赤色の色光を発光するLEDと緑色の色光を発光するLEDとの2つのLEDから構成されている。
またセンサ208は、後述する実施形態に応じて、ユーザが手でこの人形200の頭を押したことを検知するセンサ、あるいはこの人形200の前に人がいるかいないかを検知するセンサが備えられる。以下では、特に断らない限り、人形200の頭を押したことが検知されるセンサが備えられているものとして説明する。
また、情報処理機器100と人形200との間で通信を行なうインターフェース107,201は、以下の説明では主としてRS232Cのインターフェースケーブルで相互に接続されて通信を行なうものとして説明するが、これらのインターフェース107,201は、RC232C、あるいは有線での通信に限られるものではなく、USB等のインターフェース、パラレル通信方式のインターフェース、赤外線あるいは無線で通信を行なうインターフェース等であってもよく、本発明ではその通信方式を問うものではない。
また、インターフェース108は、電話回線網等のネットワークを経由して外部の装置との間で電子メールを送受信したり、インターネットのホームページをアクセスしたりする役割りを担っている。ここでは、この図1に示す情報処理装置と同一構成の情報処理装置が、ネットワークを介在させて、この図1に示す情報処理装置に接続されているものとし、特に断らない限り、単に「外部装置」と称したときは、そのネットワークを介在させて外部に接続された、この図1に示す情報処理装置と同一構成の情報処理装置を指すものとする。
図2は、外部装置でのメッセージ作成時の処理の流れを示したフローチャート、図3は、図1に示す情報処理装置でのメッセージ受信時の処理の流れを示したフローチャートである。尚、ここでは、外部装置でメッセージが作成されて送信され、図1に示す情報処理装置でその作成されたメッセージを受信するものとして説明するが、図1に示す情報処理装置でメッセージを作成して送信し、外部装置で受信してもよい。また、以下に説明する各実施形態における‘メッセージ’は、必ずしもネットワークを経由して通信されたものである必要はなく、その実施形態がネットワークを介在させた通信を必須要件とする実施形態でない限り、外部装置に向けて送信するか否かとは無関係に、図1に示す情報処理装置自体で作成したメッセージをも含むものである。
ここでは、メッセージに、人形200を動作させるための動作データを含ませることができる。
外部装置では、図2に示すように、メッセージ(文章)が新規に作成され(ステップ2_1)、その作成されたメッセージでの編集が行なわれ(ステップ2_2)、受信側の人形200を動作させるための動作の種類が選択され(ステップ2_3)、その動作を行なわせるための動作データを含むメッセージが送信される(ステップ2_4)。
図1に示す情報処理装置(受信側)では、ネットワークを経由してそのメッセージが送信されてくると、その送信されてきたメッセージが図1に示すインターフェース108で受信され(ステップ3_1)、CPU101で動作するメッセージ解析プログラムによりそのメッセージが解析されてそのメッセージ中から動作データが抽出され(ステップ3_2)、その抽出された動作データは、人形の動作を制御する人形動作制御プログラム10に渡されるとともに、その受信したメッセージ中から動作データを除いた表示データが図1に示す表示装置105に送られて、その表示画面上にメッセージが表示される(ステップ3_3)。
人形動作制御プログラム10は、動作パータン解析部11、入出力ポート管理部12、およびセンサ監視部13から構成されており、この人形動作制御プログラム10に動作データが伝えられると、その動作データは、動作パターン解析部11で解析されて人形200に伝えるためのデータ形式に変換され、そのデータ形式変換後の動作データが、入出力ポート管理部12により制御されるインターフェース107(図1参照)から送信される。その動作データの送信を受けた人形200側では、図1に示すインターフェース201でその送信された動作データが受信され、信号解析回路202でその送信されてきた動作データが解析され、各駆動回路203,204,205では、その解析結果に従って、駆動手段206を駆動して人形200の首や腕を動かしたり、LED207を駆動して人形200の顔の色を赤あるいは青ざめた色に変化させる。また、人形の頭が押されると、頭が押されたことが図1に示すセンサ208で検知され、その情報は人形側のインターフェース208から情報処理機器側のインターフェース107に伝えられて、人形動作制御プログラム10の入出力ポート管理部12を経由してセンサ監視部13に送られ、そのセンサ監視部13で人形の頭が押されたことが認識される。ただし、この図3に示す例では、この人形の頭が押されたことに対する情報処理機器側のアクションは示されていない。尚、人形200に、人が前にいるかいないかを検知するセンサを備えた場合も、上記と同様にして、センサ監視部13によりその検知結果が認識される。
図4は、図2、図3に示すフローチャートに沿った第1の処理例を示すイラスト図である。
外部装置(送信側)では、その送信側画面上にメッセージ作成ウィンドウが開かれて、メッセージ(文章)が作成される。そのメッセージ作成ウィンドウ中の「動作添付」のアイコンがクリックされると今度は動作選択ウィンドウが開かれる。そこでその動作選択ウィンドウから、受信側の人形の動作の態様が選択される。ここに示す例では、その人形の動作の態様として「びっくり」が選択されている。その動作の態様を選択して「決定」アイコンをクリックすると、送信側で実行中のソフトウェア内部では「びっくり」に対応する動作データが作成され、その動作データがメッセージ内に挿入される。その後、メッセージ作成ウィンドウ中の「送信」ボタンをクリックすると、あらかじめ指定しておいた受信先に向けて、動作データを含むメッセージが送信される。
受信側(情報処理機器100)では、そのメッセージが受信され、メッセージ受信ウィンドウが開かれると、そのメッセージ受信ウィンドウにメッセージ文章が表示されるとともに、人形200が、送信側でそのメッセージに挿入しておいた「びっくり」に相当する動作を行なう。前述したように、ここでは、人形200は、基本的に、頭(首)を動かす、腕(手)を動かす、赤ら顔になる、顔が青ざめるの4つの基本動作あるいはそれらの組合せが行なわれる(ここでは、顔色の変化も「動作」に含めている)。
ここでは、送信側における動作選択ウィンドウ中の単語、例えば「びっくり」等は、動作データを指示するためのものとして用いられており、メッセージ作成ウィンドウで作成した文書メッセージに、その動作データが挿入されて送信され、受信側では、受信したメッセージから動作データが抽出され、抽出された動作データは人形200の動作用として用いられ、メッセージ受信ウィンドウには、その動作データは反映されず、送信側のメッセージ作成ウィンドウで作成されたメッセージのみ表示される。すなわち、ここでは、動作データには、表示データとは区別された制御文が用いられている。
図5は、図2、図3に示すフローチャートに沿った第2の処理例を示すイラスト図である。
図4に示す第1の処理例の場合、送信側においてメッセージ作成ウィンドウのほかに動作選択ウィンドウが用意され、受信側で表示には反映されない動作データが挿入されたメッセージが作成されたが、この図5に示す例では、メッセージ作成ウィンドウ中にある特定の文字列、ここでは‘あいうえお’が挿入されて送信される。この‘あいうえお’は文章データの一部であり、文章データとしての制御文がそのまま用いられる。
受信側では受け取ったメッセージから特定の文字列‘あいうえお’が抽出され、‘あ’、‘い’、‘う’、‘え’、‘お’がそれぞれ1つずつの動作データに変換され人形200に送られて、人形200がその動作データに従って動作する。
このように動作パターンを単語や文字に対応させ、文字列、あるいは単語列で一連の動作を作成するように構成すると、図4に示す例のように別のウィンドウ(動作選択ウィンドウ)を開くことなく、メッセージ中に動作データを埋め込むことができ、ユーザにわかりやすく、動作の作成も容易とする。
図6は、図2、図3に示すフローチャートに沿った第3の処理例を示すイラスト図である。
図6に示す処理例の場合、図5の処理例と同様、送信側ではメッセージ作成ウィンドウに入力した文章の一部がそのまま動作データとしても作用する。受信側の情報処理機器100には、特定の単語と動作データとの対応表が作成されており、メッセージを受信すると、その受信メッセージ中から、あらかじめ登録しておいた特定の単語(ここでは「びっくり」と「残念」)が抽出され、その抽出された単語が動作データに変換され、その変換により得られた動作データに従って人形200が動作する。こうすることにより、メッセージ作成側では人形の動きを特に意識することなくメッセージを作成することができる。この場合、メッセージ送受信に限らず、例えばインターネットのホームページをアクセスしたときでも同様に適用することが可能である。すなわち、ネットワーク上の文章をダウンロードして特定の単語を抽出し、その抽出した単語を動作データに置き換えて人形200を動作させることができる。
尚、図4、図5、図6に示す各例は、図1に示す情報処理機器100がメッセージ作成側となった場合にも適用することができる。すなわち、図4に示す例の場合、動作選択ウィンドウを開いて動作を選択したことを受けて自分の人形が動作するように構成することにより、メッセージの送信に先立ってその動作を確認することができる。また、図5に示す例でも同じであり、特定の文字列を文章中に入力した時点で自分の人形がその入力した特定の文字列に対応した動作を行なうように構成してもよい。さらに図6に示す例において、メッセージの送信とは無関係に、例えばワープロ文章入力中に、特定の単語が入力されたことを受けて人形が動作するように構成することにより、ワープロ入力作業に遊び心が加えられ、そのワープロ入力作業の励みともなる。
図7は、メッセージを受信した後の処理例を示すイラスト図である。
メッセージ受信側でメッセージ受信ウィンドウを開くとそこにメッセージ文章が表示され、これとともに人形が動作する。そこでその人形の頭を叩くと、その頭が叩かれたことを受けて、ここに示す例では「向うで頭叩かれた」という応答メッセージが作成され、その応答メッセージを、自分が受信したメッセージの発信元に向けて自動返信する。
応答メッセージを受信した、もともとのメッセージの発信元では、メッセージ受信ウィンドウ上にその応答メッセージが表示され、自分が発信したメッセージを相手が確認したことを知ることができる。
ここでは、応答メッセージは、もともとのメッセージの発信元のメッセージ受信ウィンドウ上に表示される旨説明したが、この応答メッセージとして人形の動作データを送受信し、もともとのメッセージの発信元の人形を動作させてもよく、あるいはメッセージ受信ウィンドウへの表示と人形の動作との双方を行なってもよい。
また、もともとのメッセージの受信側において、上記の説明では人形の頭を叩く旨説明したが、例えば人形の頭と胸との双方にそれぞれセンサを配置し、頭と胸のどちらを叩いたかに応じて、あるいはいずれを先にいずれを後から叩いたかに応じて異なる応答メッセージを作成して、もともとのメッセージの発信元に送信してもよい。あるいはセンサは頭のみであっても、頭を一回叩いたか、あるいは二回叩いたか、あるいはある特定のリズムで叩いたかに応じて異なる応答メッセージを作成してもよい。さらには、人形に、その人形の前に人がいるかいないかを検知するセンサを備えておき、もともとのメッセージの受信側(応答メッセージの送信側)において、人形の前に人がいるかいないかに応じて異なる応答メッセージを作成してもともとのメッセージの発信元に送信してもよい。この場合、その応答メッセージを受信した、もともとのメッセージの発信元では、例えば、自分が送信したメッセージの受信側が今留守であって送信したメッセージが直ぐにはその相手に確認されない旨、知ることができる。
図8は、本発明をオンラインコミュニケーションシステム(チャットシステム)に適用した場合の処理を示す図である。このチャットシステムは、間にチャットサーバを介在させて複数のチャットクライアントが相互にメッセージを送受信することにより、仲間どおしで‘おしゃべり’をするシステムである。ここでは複数のチャットクライアントそれぞれが、図1に示す構成の情報処理機器100および人形200を備えているものとする。このシステムにおいてもメッセージには、前述したいずれかの態様による動作データがふくまれているものとする。
あるチャットクライアントがメッセージを送信すると、その送信されたメッセージは、チャットサーバを経由して、その会話(チャット)に参加している他のチャットクライアント(複数の場合もある)により受信される。そのメッセージを受信したクライアントでは、受信したメッセージから人形を動作させるための動作データが抽出されて人形動作制御プログラム10に渡され、これによりその人形は、その動作データに応じて動作する。
図9は、チャットシステムにおける応答メッセージの返信の場合の処理を示す図である。
メッセージ受信側で人形が操作される(例えば人形の頭が叩かれる)と、人形動作制御プログラム10のセンサ監視部13でその操作(例えば頭が叩かれたと)が検知されて、応答メッセージが自動作成され、その応答メッセージが、チャートサーバを経由して、もともとのメッセージの発信元のチャットクライアントに送信され、その、もともとのメッセージの発信元のチャットクライアントでは、その応答メッセージが動作データに変換されて、人形の動きにより、自分が発信したメッセージが受信されたことがそのチャットクライアントのユーザに通知される。あるいは応答メッセージは、文章で表示されて通知される。チャットシステムの場合、もともとのメッセージの受信側は1人には限られず、複数人数存在する場合もある。そこで、特にチャットシステムの場合、応答メッセージの発信元(もともとのメッセージの受信先)を特定することのできる応答メッセージを返信することが好ましい。この場合、応答メッセージの受信側では、人形が応答メッセージの発信元に応じて異なる動作を行ない、あるいは表示画面上にその応答メッセージの発信元がわかるような表示がなされる。
また、前述と同様に、人形に、その人形の前に人がいるかいないかを検知するセンサを備えておき、ユーザがチャットクライアントの前にいるかいないかを、他のチャット参加者に、その参加者の人形の動きにより、あるいは表示により、知らせるようにしてもよい。
図10は、本発明をチャットシステムに適用したときの他の処理例を示す図である。
ここでは、自分の名前やニックネームが登場し、あるいは自分が関心のある話題を示すキーワード等を登録しておく。
受信したメッセージ中に自分の名前やニックネーム、あるいは会話が自分に関心のある話題に移りその会話に自分が登録しておいたキーワードが登場すると、自分の人形が動作する。これにより、画面から目を離していても自分が加わるべき会話が始まったことを知ることができる。
図11は、本発明を、インターネットのホームページにアクセスした場合に適用したときの処理を示す図、図12は、その処理を示すイラスト図である。
ここでは、図12に示すようにホームページのソース内に、文章とともに一連の動作データからなる人形の動作プログラムが作り込まれているものとする。
ここで、図11に示すブラウザによりホームページがダウンロードされると(ステップ11_1)、そのダウンロードされたデータが人形の動作データであるか否か判定され(ステップ11_2)、人形動作用のデータのときはプラグインプログラムが起動される(ステップ11_3)。人形動作用データでないときは、その他の通常の処理に従い、そのホームページが画面表示される(ステップ11_4)。
プラグインプログラムは、人形の動作データを受け取り(ステップ11_5)、その人形動作データを、人形動作制御プログラム10に送信する。人形動作制御プログラム10は、前述した処理に従い、人形に動作データを送信し、人形を動作させる。
このように、本発明は、インターネットのホームページアクセスにも適用することができる。
以上の各処理は、メッセージに人形の動作データが含まれている場合に関する処理であるが、以下に説明する各処理には、メッセージに動作データが含まれている必要のない処理も含まれる。
図13は、メッセージ受信時の処理を示す図である。
図1に示す情報処理機器100では定期的に(例えば10分ごとに)メッセージが届いているか否かメッセージ受信チェックが行なわれる(ステップ13_1)。このメッセージには、人形動作データが埋め込まれている必要はない。メッセージの受信があったことが認識されると、人形動作データが人形動作制御プログラム10に送信され、それに従って人形が動作する。これによりユーザには表示画面から目を離していてもメッセージが届いたことが通知される。
図14は、メッセージ受信時のもう1つの処理例を示す図である。
ここでは、メッセージ(メール)の受信先と人形の動作データとの対応表があらかじめ用意されている。また、ここに示す例では、メッセージ(メール)はサーバにより受信され、受信先の情報処理機器からの送信要求を受けてその受信先の情報処理機器に送信される。
ここでは、設定された時間ごと、例えば10分ごとにサーバにメールが届いていないかどうかアクセスされ(ステップ14_1)、受信メールが届いていたらその受信メールの発信元の情報がサーバからダウンロードされ(ステップ14_2)、そのダウンロードされた発信元の情報から、その発信元が発信元と人形の動作データとの対応表に登録されているか否かが判定され(ステップ14_3)、そのメールの発信元がその対応表に登録されていたときは、その発信元に対応する動作データが人形動作制御プログラム10(図13参照)に送られ、人形がその動作データに応じた動作を行なう(ステップ14_4)。複数のメールが届いていたときは、この処理がその受信メールの数だけ繰り返される。
これにより、そのメール受信側のユーザは、メッセージを読む前にそのメッセージが誰れから来たのかをチェックすることができる。
図15は、メッセージ受信時のさらにもう1つの処理例を示す図である。
ここでは、メッセージ(メール)の発信元およびメッセージ中の特定のキーワードが、それぞれに優先度が付されてあらかじめ登録されている。この図15に示す例も、図14に示す例と同様、メッセージは一旦サーバに受信され、要求を待って受信先の情報処理装置に送信される仕組みになっている例である。
ここでは、図14の場合に同様に、例えば10分ごとにサーバにメッセージが届いていないかどうかアクセスされ(ステップ15_1)、サーバに自分あてのメッセージが届いているとその受信メッセージの情報がサーバからダウンロードされる(ステップ15_2)。次いで、その受信メッセージの発信元が対応表に登録されていないかどうか検索され、また、その受信メッセージ中に、対応表に登録されているキーワードが存在しないかどうか検索され(ステップ15_3)、その受信メーセージの発信元が対応表に登録されていたとき、あるいはその対応表中に登録されたキーワードが受信メッセージ中に存在していたときは、その発信元あるいはそのキーワードに対応する優先度が判定され、その優先度に対応する動作データが、人形動作制御プログラム10(図13参照)に送信され、人形がその動作データに従って動作する。
この場合、そのメッセージの受信側のユーザはメッセージを読む前にそのメッセージの優先度がわかり、優先度の高いメッセージ、例えば緊急のメッセージのみチェックすることができる。
尚、ここでは、人形は優先度に対応する動作を行なうとして説明したが、優先度が低い場合は人形を動作させないという態様を含んでいてもよい。
図16は、人形に、その人形の前の人の存在を検知するセンサを備えた場合の処理を示すフローチャートである。
例えば図3等に示す人形動作制御プログラム10では、動作データを受信すると(ステップ16_1)動作パターン解析部11においてその動作データが解析されるが(ステップ16_2)、その際、センサ監視部13で認識されたセンサ情報、すなわち、その人形の前に人がいるかいないかが考慮され、前に人がいるかいないかに応じて異なる動作データを、入出力ポート管理部12を経由して人形に送信する(ステップ16_3)。すると人形は、前に人がいる場合といない場合とで異なる動作を行なう(ステップ16_4,16_5)。例えば人がいないときにメールが届いた旨動作してもユーザには伝わらないため、その動作が省略される。こうすることにより、人形を無駄に動かす必要がなくなり、エネルギーロスが防止され、また、人形の故障を減らし長持ちさせることができる。
図17は、マルチメディアソフトウェアと人形との連携動作の説明図である。
ここで、マルチメディアソフトウェアとは、経過時間とユーザからのイベントにより音や静止画や動画を再生、表示するソフトウェアをいい、以下のような特性を有する。
すなわち、マルチメディアソフトウェアでは、時間経過が内部的に計測され、それに従って表現を時間的に変化させている。時間経過の計測には通常タイマが用いられ、例えば1msecごとにタイマ割込みを発生させている。
また、マルチメディアソフトウェアによっては、タイマ割込みごとに電圧を出力ポートから出力することにより波形出力とし、音声信号を再生する等の処理を行なうものもある。
音声再現や動画を表示するソフトウェア、アニメーションソフトウェア等は、時間ごとにあらかじめ決められた表現を再生するマルチメディアソフトウェアの例である。
一方、ワープロソフトウェアや表計算ソフトウェア等は、ユーザの入力ごとにそれに対応した動作を行ない、その動作が完了すると動作を終了して待ち状態となる。対応した動作は時間管理されておらず動作は速ければ速いほど良いと
図1に示す情報処理機器100のCPU101でそのようなマルチメディアソされる。これらはマルチメディアソフトウェアの概念から外れたソフトウェアの例である。
ここでは、上記の定義におけるマルチメディアソフトウェアであって、人形の動作データが埋め込まれたマルチメディアソフトウェアが対象となる。フトウェア20が実行されると、管理された時間経過に従ってその実行中のマルチメディアソフトウェア20から人形動作制御プログラム10に動作データが送信され、人形動作制御プログラム10は、送られてきた動作データに従って、人形を動作させる。これにより、人形はそのマルチメディアソフトウェアの進行状況に連携した動作を行なうことになる。また人形が操作されると(例えば人形の頭が叩かれると)、その操作が認識され、マルチメディアソフトウェア20にその旨のイベントが発行される。
このイベントの取扱いはマルチメディアソフトウェアによって異なるが、例えばユーザイベントの発行の有無により物語のストーリーが変更されるなどの処理が行なわれる。
図18は、人形とその人形が接続された情報処理機器を示す外観図である。
ここでは、情報処理機器200の内部では上述したマルチメディアソフトウェア、あるいはゲームソフトウェア等が進行しており、その途中で人形を操作する。すると、その操作で画面上の紙芝居がめくれたり、タイミングをとるゲームが進行したりする。このように、人形の操作により、現在進行中のソフトウェアにイベントを発行し、進行中のソフトウェアをそのイベントで操作するようにしてもよい。通常、そのようなユーザイベントはキーボードやマウスの操作により発行されるが、既存のソフトウェアは通常は人形の操作イベントは受け付けないので、例えば子供には、キーボードやマウスには触れることを禁止し、人形にだけ触れることを許容することにより、その子供向けのソフトウェアのみ進行させ、他のソフトウェアが予期せずに動作することが防止され、安心して子供に触れさせることができる。また、キーボードやマウスを子供から隠したりそれらに触れるのを禁止したりすることができない場合は、子供向けのソフトウェアのウィンドウを正面の一番上にその画面全面に表示し、この表示されたソフトウェアではキーボードやマウスのイベントを受け付けないようにし、キーボードからのパスワード入力で、そのソフトウェアが終了するようにしておいてもよい。
図18に示す人形200には、複数のセンサが内蔵されており、人形のどこを操作するかに応じて異なるイベントを発行することができる。この場合、様々なイベントを発行させ、複雑に分岐した処理を実行させることができる。
図19は、情報処理機器でゲームプログラムが実行されているときの人形の動作と人形の操作との連携の一例を示すフローチャートである。
ここでは、あらかじめ用意されている人形の動作データが読み込まれてその動作データに従って人形を動作させるとともに(ステップ19_1)、人形が操作されたか否かが判定される(ステップ19_2)。そして、人形が特定の動作(ここでは動作=B)を行なっているときにその人形が操作された場合に、そのゲームが成功(ユーザの勝ち)、その人形がその動作(動作=B)以外の動作を行なっているときにその人形が操作された場合に、そのゲームが失敗(ユーザの敗け)であるとする。
このように人形の動作と人形の操作との連携によってプログラムの進行や処理の分岐を行なってもよい。
図20は、スクリーンセーバプログラムと人形動作との連携処理の説明図、図21は、そのときの情報処理機器および人形の外観図である。
情報処理機器100が暫くの間操作されない状態が続くと、スクリーンセーバプログラム21が起動される。このスクリーンセーバプログラム21では、画面上に、例えばアニメーションが表示される(図示省略)。また、このスクリーンセーバプログラム21は、そのアニメーションの動作の進行に応じて人形の動作データを人形動作制御プログラム10に送信し、人形に、表示画面上のアニメーションの動きに対応した動きを行なわせる。こうすることにより、スクリーンセーバプログラム21の実行を遊び心のある一層面白いものとすることができる。このスクリーンセーバプログラム21は、キーボードやマウスからの操作イベントによっても終了するが、人形の、頭を叩くこと等の操作によっても終了する。
図22は、図20に示すスクリーンセーバプログラム21の終了のさせ方の他の例を示すフローチャートである。
ここでは、人形に対しある動作命令が出され(ステップ21_1)、その今回命令された動作が特定の動作(ここでは動作A(例えば人形が両手を上げるという動作)を特定の動作とする)であるか否かが判定され(ステップ21_2)、特定の動作(動作A)の場合のみそのスクリーンセーバプログラム21の終了を許可する許可フラグがオンとなり(ステップ21_2)、その特定の動作以外の動作のときは許可フラグがオフとなる(ステップ21_3)。
キーボードやマウスから、操作イベントが発行され、あるいは人形から操作イベントが発行されたときに、許可フラグがオンであったときはスクリーンセーバプログラムが終了し(ステップ21_4)、許可フラグがオフであったときはスクリーンセーバプログラムの実行がそのまま継続される(ステップ21_5)。
こうすることにより、そのスクリーンセーバプログラムがむやみに終了させられ予期せずして他のプログラムが実行されてしまうことが防止される。
尚、ここではスクリーンセーバプログラムの終了を例に挙げて説明したが、同様のことは、スクリーンセーバプログラムの終了に限らず、パスワードを入力するような場面において広く使用することができる。
図23は、パスワード入力の他の方法を示したフローチャートである。
図22では人形が特定の動作を行なっているときに操作することによりパスワード入力と同一視したが、ここでは、人形が特定のリズムで操作されることをもってパスワード入力と同一視される。
ここで、人形12のセンサは、例えば頭を叩いたときにそれを検知するセンサ1つのみであって、頭を叩くリズムが特定のリズムに合っているときにパスワード入力があったものとしてもよく、人形に複数のセンサを備え、それら複数のセンサに対応する複数の操作の操作順序が特定の順序に合っていることをもってパスワード入力があったものとしてもよい。この図23は、それらを組み合わせ、人形に2つのセンサA,Bを備えた2種類の操作A,Bを行なうこととし、しかもそれら2種類の操作の操作順序および操作リズムが特定の組合せにあるときにパスワード入力があったものと認識するプログラムである。
ここでは先ず、2つのセンサA,Bそれぞれが反応したことをあらわす‘A’,‘B’および単位時間内にいずれのセンサA,Bも反応しなかったことをあらわす‘0’をパターン化し、パスワードデータとして登録しておく。人形が実際に操作されると、それがデータ化されて入力順列データが生成され、その入力順列データと、あらかじめ登録しておいたパスワードデータとが比較されてそれらの一致不一致が判定され、それらが一致するとパスワードが入力されたものと認識され、例えばスクリーンセーバプログラムが終了し、あるいは、あるプログラムのロックが解除されてそのプログラムの実行が可能になるなどの処理が行なわれる。入力順列データが、登録されたパスワードデータと一致しなかったときは、パスワード入力とはみなされず、これまでと同じ状態が継続され、あるいはエラーメッセージが表示される。
図24は、本発明のもう1つの例を示すフローチャートである。
ここでは、定期的に(例えば10分おきに)、メール受信の有無がチェックされ、受信があったときは人形が動作してメールの受信があったことを知らせる(ステップ24_1)。このステップ24_1の処理は図13を参照して説明したとおりである。
ここで、人形がメールの受信があったことに応じて動作している間に人形が操作される(例えば人形の頭が叩かれる)と(ステップ24_2)、その人形を動作させた原因に対応づけられたプログラム、ここではメーラ(メール作成、表示、送信用のプログラム)を起動するためのイベントが発行され、そのプログラム(メーラ)が起動される(ステップ24_3)。
このように、人形の動作中にその人形を操作することにより、その人形を動作させている原因に対応づけられたプログラムを起動するようにすると、ユーザの操作負担が軽減される。
図25は、人形を動作させるプログラムが複数存在する場合において、それらに優先度が付されている場合の動作説明図である。
ここでは、人形を動作させるプログラムとして、メール受信チェックソフト、時刻通知ソフト、ゲームソフト、Webブラウザプログインプログラム、スクリーンセーバ等がインストールされており、ここでは、相前後してメール受信チェックソフトと時刻通知ソフトが起動され、それらから人形動作制御プログラムに人形を動作させるための動作データがそれぞれ送信されたものとする。ここでは、各プログラムには、人形動作の優先順位を示すデータが保持されており、人形の動作データが人形動作制御プログラムに送信されるときには、その優先順位のデータと、その動作データを送信した自分自身を特定するデータも一緒に送信される。
人形動作制御プログラムでは、送信されてきたデータが解析され、動作データを送信してきた複数のプログラムがあったときはそれら複数のプログラムのうちの優先順位の最も高いプログラムが送信してきた動作データのみ有効とし、その動作データに基づいて人形の動作が制御される。その人形が動作している途中でその人形の操作(頭の押下)が行なわれると、その動作の原因となった(現在動作中の動作を行なわせている動作データを送信してきた)プログラムにイベントが発行される。そのイベントにより起動されるべきプログラムは、その動作データを送信してきたプログラムが知っており、ここに示す例では、そのイベントを受けたメール受信チェックソフトによりメーラが起動される。
このように、複数のプログラムから人形の動作データが送信される可能性がある場合であっても、優先順位を付しておくことにより、人形の動作中の操作で、その人形の動作の原因に対応づけられたプログラムを起動することができる。
図26は、一連の動作データからなる人形の動作プログラムを作成する手法の説明図である。
ここでは、図1に示す表示装置105の表示画面上にスコアウィンドウと選択肢とが表示される。この選択肢は、各イラストが人形の1つの動作をあらわしている。そこで、操作子104(図1参照)のうちのマウスを操作して選択肢の中から所望のイラスト(動作)を選択し、ドラッグアンドドロップ操作によりそのイラストをスコアウィンドウに配列する。このときスコアウィンドウには、同じイラストが複数の位置に配列されることも許容されている。
このようにして複数のイラストがスコアウィンドウに並べられると、その配列順序のままの一連の動作データからなる動作プログラムが作成される。
この図26に示す手法を取り入れると、ユーザによる人形の動作プログラムの作成が容易となる。
図27は、キーボードやマウス等のイベントにより人形を動作させる処理の一例を示す図である。
ここでは、操作子104(図1参照)を構成するキーボードやマウス等の操作によるイベントの発生が監視され(ステップ27_1)、単位時間あたりのイベントの発生回数が測定される(ステップ27_2)。ここでは、単位時間あたりのイベントの発生回数と人形の動作との対応データがあらかじめ用意されており、単位時間あたりのイベント発生回数に応じた動作が選択され、その動作データが人形動作制御プログラム10に渡される(ステップ27_3)。人形動作制御プログラム10は、その動作データに従って人形の動作を制御する。
例えばキーボードの操作練習やキーボードを用いた文章入力作業等を行なっているときに、人形がキーボードの操作速度に応じた動作を行なう。例えば、キーボードがリズミカルに高速に操作されているときは人形もリズミカルに動作し、キーボード操作の手を休めると人形も寝てしまったような動作を行なう。こうすることにより、練習や作業の励みともなり、またその練習や作業に遊び心を付加し、その練習や作業に面白みを与え、飽きさせることなく長続きさせることができる。
図28は、キーボードやマウス等のイベントにより人形を動作させる処理のもう1つの例を示す図である。
ここでは、イベントの種類と人形の動作があらかじめ対応づけられており、イベントが発生するとその発生したイベントの種類に応じた動作データが人形動作制御プログラムに送信されて、人形がその動作データに従って動作する。
この場合も、キーボード操作の練習やキーボード操作による文書作成作業等に遊び心や面白みを与えることができる。
図29、図30は、プログラムによる特定の処理の終了を人形の動作で知らせるようにした処理の手順の説明図であり、図29は、終了時に人形を動作させる処理を指定する場面における画面例、図30は、実際の処理を示すフローチャートである。
図29に示す画面例には検索ウィンドウが開かれており、ここには、スレッド/プロセス一覧画面と、ウィンドウ一覧画面があらわれている。そこでここでは、終了時に人形を動作させるスレッド/プロセスとしてスレッドFが指定され、あるいはウィンドウHが指定される。ここでは、スレッドFは、メッセージをダウンロードする、WebブラウザあるいはFTPツール等のソフトウェアのダウンロード処理のスレッドである。そのスレッドの実行中は、ダウンロードお知らせウィンドウが開かれており、ウィンドウHはこのダウンロードお知らせウィンドウである。すなわち、ここではスレッドFとウィンドウHは同じ処理を意味している。尚、図29では、スレッドFとウィンドウHとの双方が指定されているが、これは、この指定を、スレッド/プロセス一覧画面上で行なってもよく、ウィンドウ一覧画面上で行なってもよいことを意味している。
図30に示すステップ30_1は、図29を参照して説明したスレッドあるいはウィンドウの指定のステップであり、このような指定が行なわれると、その後単位時間おきにその指定されたスレッドFの終了(あるいはウィンドウHの閉鎖)があるか否かが調査され(ステップ30_2)、スレッドFが終了(ウィンドウHが閉鎖)したことが検出されると(ステップ30_3)、人形の動作データが人形動作制御プログラムに送信される(ステップ30_4)。人形動作制御プログラムは、動作データを受け取ると、その受取った動作データに従って人形の動作を制御する。
このように、スレッドやプロセス、あるいはウィンドウの終了を監視し、その処理が終了したことを人形の動きで知らせるようにすると、ユーザは、画面から目を離して別の作業を行なっていてもその処理の終了を知ることができ、その処理が時間のかかる処理の場合に特に有用である。
図31は、人形を情報処理機器に接続したときの処理を示す図である。
ここでは、人形が情報処理機器に接続されると、その人形を動作させるためのドライバプログラムが検索、ロードされ、初期化動作が行なわれるが、そのドライバの初期化処理の際に、スピーカ106(図1参照)から、例えば「ああ、良く寝た」と発音され、デバイスの初期化が行なわれ、その初期化が成功した場合には、スピーカ106から例えば「今日も絶好調」と発音されるとともに人形が体操を行なっているように動作する。あるいはその初期化が不成功であったときは、スピーカ106から「なんか調子悪い」と発音され、さらに、その対処方法の説明が行なわれる。このときには、人形の動作は行なわれない。
このように、人形を情報処理装置に接続した時点でその人形を動作させることにより、正しく接続でき正しく動作することができる状態になったことをユーザに知らせるとともに、接続時に人形を動作させることで、その人形に命が吹き込まれたかのような印象、あるいはその人形があたかも生きているかのような印象をユーザに与えることができる。
図32は、人形が情報処理機器から取り外されたときの処理を示す図である。
ここでは、ユーザがデバイス(人形)を取り外すと、ドライバのアンロード(終了処理)が行なわれ、そのドライバの終了処理において、例えば音声で「ばいばい」と発音され、人形が手を振る動作を行なう。その後デバイスの終了処理が行なわれる。ここに示す例では、その後再度音声で「さよならー」と発音される。
ユーザが人形のケーブルを取り外すとき何本ものケーブルが情報処理機器に接続されていると、取り外したケーブルが人形のケーブルであるか別の機器に接続されていたケーブルであるか不安になることがあるが、人形を情報処理機器から取り外したときに人形を動作させることにより、その人形が情報処理機器から外れたことがユーザに認識され、ユーザに安心感を与えることができる。
図33は時刻指定画面を示す図、図34は、指定された時刻に人形を動作させる処理を示すフローチャートである。
図33に示す画面には、時刻指定ウィンドウが開かれておりその時刻指定ウィンドウ上で時刻指定が行なわれる。ここに示す例では、1998.9.30.10:30が指定されている。時刻指定の後、「動作選択」ボタンがクリックされると動作選択ウィンドウが開かれ、今度はその動作選択ウィンドウ上で人形の動作が選択される。ここでは「わくわく」の動作が選択される。すると、指定された時刻と「わくわく」に対応する動作データとが対応づけられてアラームデータベースに格納される。
図34に示す時刻アラームプログラムでは、アラームデータベース中の日付、時刻が確認され(ステップ34_1)、そこに時刻設定がないときは何もせずに終了する。そこに時刻設定があったときは、そこに設定されている日付、時刻と現在の日付、時刻との差分の時間を計時するためのタイマーがセットされ(ステップ34_2)、その後定期的にそのタイマーがタイムアップしていないかどうか時刻チェックが行なわれ(ステップ34_3)、設定した時刻に達する(タイマーがタイムアップする)と、そのタイマーを終了させた上で(ステップ34_5)、人形の動作が開始される(ステップ34_6)。人形の頭が叩かれるとその人形の動作が終了し(ステップ34_7)、このアラームプログラムが終了する(ステップ34_8)。
このように人形の動作を時刻アラームとして使用することにより、ディスプレイを常に見ている必要がなく、かつ音で知らせるアラームのように周囲に迷惑をかけるおそれがなく、設定した時刻に達したことを知ることができる。またその時刻アラームに遊び心や面白さを加えることができる。尚、設定時刻に達したことをここでは人形の動作により通知する旨説明したが、例えば、その設定時刻には表面画面を見ながら作業していることがわかっているとき、あるいは音を出しても周囲に迷惑をかけないことがわかっているときなどに、設定時刻に達したことを、人形の動作と併用して、画面表示や音声アラームでユーザに知らせるようにしてもよい。
図35は、スケージュール作成画面を示す図、図36は、指定されたスケージュールに対応した時刻に人形を動作させる処理を示すフローチャートである。
図35に示す画面にはスケジュール作成ウィンドウが開かれており、そのスケジュール作成ウィンドウ内にスケジュールが書き込まれる。ここで、このスケジュール作成ウィンドウ内に書き込まれたスケジュールのうちのいずれか1つあるいは複数のスケジュールが時刻アラームのために選択され、その後「動作選択」ボタンがクリックされ動作選択ウィンドウが開かれて人形の動作が選択される。するとスケジュールデータベースには、時刻アラームを行なうべきスケジュールに対応づけられて、その選択された動作に対応する動作データが書き込まれる。
図36に示すスケジューラ連携時刻アラームプログラムでは、先ず、スケジュールデータベースが検索されて動作データが対応づけられたスケジュールが存在するか否かが認識される(ステップ36_1)。そのスケジュールデータベース中に動作データが対応づけられたスケジュールが存在していたときは、そのうちの最も早く到来するスケジュールの開始日時と、そのスケジュールに対応づけられた動作データとが読み込まれ、現在の日時からそのスケジュールの開始日時までの時間を計時するためのタイマーがセットされる(ステップ36_2)。その後定期的にそのタイマーがタイムアップしていないかどうか時刻チェックが行なわれ(ステップ36_3)、設定した時刻に達する(タイマーがタイムアップする)と(ステップ36_4)、そのタイマーを終了させた上で(ステップ36_5)、人形の動作が開始される(ステップ36_6)。人形の頭が叩かれるとその人形の動作が終了し(ステップ36_7)、今人形が動いたことに対応するスケジュールの確認のために、画面上にスケジューラが表示される(ステップ36_8)。
このようにして、スケジューラプログラムと連接した時刻アラームを人形の動作で行なわせることもできる。
尚、ここでは、指定されたスケジュールの開始時刻に人形が動作する旨説明したが、開始時刻よりも所定時間前、例えば30分前に人形が動作するようにしてもよく、何分前に動作するかを設定できるようにしておいてもよい。
図37は、本発明の擬似生物機器の一例である人形の構成図、図38は、パソコン(パーソナルコンピュータ)に接続された人形の外観図である。尚、図38では、人形の下に矩形ブロックが示されているが、このブロックは、例えば図37に示すような人形の内部の回路ないし機構を示しており、実際の外形にはあらわれないものであるが、この図、および後に説明するいくつかの図においては、図示の都合上、実際は人形に内蔵される回路ないし機構が、人形の外形の外部に示されている。
ここでは、人形200は、通信線240およびコネクタ250を介してパソコンと接続されており、その人形内部には、大きく分けて、パソコンとの通信を担う通信回路210(図1の場合のインターフェース201に相当する)、機構駆動回路220(図1の場合の駆動回路203,204,205に相当する)、および機構230(図1の場合の駆動手段206等に相当する)が備えられている。尚、ここでは、センサ(スイッチ等)は図示省略されている。
図39は、人形内部の回路構成を示す図である。
コネクタ250のRTS端子からは、パソコン側から+15Vの信号が入力され、その+15Vの信号は、ダイオード2001、15Vから5Vに電圧を変換する電圧変換回路2002を経由して、フリップフロップ2004a,2004b,…が直列に並んだシフトレジスタ2003に、電源Vccとして供給される。
また、コネクタ250のTXD端子からは、人形を動作させるための動作データをあらわすパルス列信号が入力される。ここでは、パルス幅の広狭で動作データの二値が表現されている。詳細は後述する。このTXD端子から入力されたパルス列信号は、トランジスタ2005を経由してシフトレジスタ2003にクロックCLKとして供給されるとともに、トランジスタ2005および信号変換回路2006を経由してシフトレジスタ2003の先頭のフリップフロップ2004aにデータとして供給される。
この人形には、頭部を動かすための扁平コイル2061と、手を動かすための扁平コイル2062とが備えられており、さらに、顔を青ざめさせるための緑色の光を発するLED2071と顔を赤面させるための赤色の光を発するLED2072が備えられている。これらには、内蔵電池2012からの電力が供給されるが、電力供給のオンオフは、シフトレジスタ2003を構成する各フリップフロップ2004a,2004b,…に格納されたデータに基づいてオン、オフされる、各トランジスタスイッチ2007,2008,2009,2010により行なわれる。
コネクタ250のSG端子は、グラウンド端子である。
この人形には、この人形の頭を叩いたときにオンとなるセンサ(スイッチ)208が備えられており、このセンサ208は、コネクタ250のRST端子とDSR端子との間に配置されている。また、このDSR端子とDTR端子は、抵抗2011を介して接続されている。
DTR端子には、パソコン側から基本的には−15Vの信号が伝えられ、したがってセンサ208がオフのときは、DSR端子には、抵抗2011を介して−15Vが伝えられる。センサ208がオンになるとDSR端子にはRTS端子の+15Vが伝えられる。パソコン側では、DSR端子の電圧がモニタされ、そのDSR端子の電圧が−15Vのときはセンサ208はオフ、そのDSR端子の電圧が+15Vのときはセンサ208はオンと認識される。
尚、この図39は、人形内部の回路構成の一例を示したものであり、以下において説明する人形の構成を示す各種実施形態全てに合致するものではない。
以上、図37〜図39を参照して人形の基本的な実施形態を説明したが、以下人形に関する各種の実施形態について順次説明する。
図40は、人形の内部構成の一例を示すブロック図である。
ここには、図37に示した通信回路210、機構駆動回路220、および機構230のほか、データ蓄積装置270と判断装置280が備えられており、さらに、通信線240の人形200側にもコネクタ251が備えられ、人形200にも、そのコネクタ251に結合するコネクタ211が備えられている。
この人形200は、コネクタ251とコネクタ211とを外すことにより、パソコンとは切り離して持ち運ぶことができる携帯型の人形である。
この人形200がパソコンに接続されている状態において、パソコンから、人形200に、人形を動かすための動作データとその人形を動かす条件をあらわす条件データ、たとえばその人形を動かす時刻をあらわすスケジュールデータが送信され、それらのデータは通信回路210で受信されてデータ蓄積回路270に格納される。
その後、この人形200は、パソコンから切り離されて持ち運ばれるものとする。
判断装置280は、データ蓄積装置270に格納されているデータのうちの条件データ、例えばスケジュールデータを定期的に参照し、その条件が成立したか否か、例えばその時刻に達したか否かが判断される。その条件が成立する(その時刻に達する)と、データ蓄積装置270に格納されていた動作データが読み出されて機構駆動回路220に送られ、それに応じてこの人形200が動作する。
このように、この実施形態の人形によれば、携帯できることで、必要なときにいつでもそのユーザに知らせることができ、かつ人形が動作するため、例えばポケット等に入れておいてその人形から目を離した状況にあってもユーザに知らせることができる。パソコンに再度接続すると、人形中の条件データ(スケジュールデータ)を最新のものに更新することができる。
図41は、人形の内部構成の他の例を示すブロック図である。
ここには、通信回路が2つ(通信回路210aと通信回路210b)備えられており、また、各通信回路210a,210bに対応して、通信線240の人形200側のコネクタ251と組み合う各コネクタ211a,211bが備えられている。さらに、ここには、これら2つの通信回路210a,210bのうちのいずれか一方の通信回路を選択して機構駆動回路220に接続する自動選択回路290が備えられている。
2つの通信回路210a,210bは、相互に異なる通信方式に適合した通信回路である。例えば、ここに示す例では、一方の通信回路210aは、現在の一般的な通信方式の1つであるRS232Cの規格に準拠した通信回路、もう一方の通信回路210bは、将来主流となるであろうUSBの規格に準拠した通信回路である。また、自動選択回路290は、これら2つの通信回路210a,210bのうちのいずれの通信回路がパソコンと接続されているかを自動判別してパソコンと接続された方の通信回路を機構駆動回路220に接続する機能を有するものである。
本実施形態の場合、パソコンのインターフェースがRS232Cの規格に準拠したものであっても、USBの規格に準拠したものであっても、この人形を使用することができ、汎用性が大きく広がることになる。
図42は、人形内部の駆動機構の一例を示す図である。
ここにはモータにより腕を上下動する機構が示されている。モータ2031の軸が矢印A方向に回転するとギア2032が矢印B方向に回転する。すると、アーム2033が支軸2034を中心に上下に回動する。このアーム2033の前側はコイルバネ2035で構成されており、このコイルバネ2035は人形の腕を構成している。したがってこの機構ではモータ2031が回転することによって人形の腕(手)が上下動することになる。
ここで、この人形の腕はコイルバネ2035で構成されているため、この人形が例えばポケットの中等の狭い場所に入れられた場合のように腕の動作が制限を受けるような状況下にあっても、モータ2031が回転したときコイルバネ2035が弾性変形してそれが緩衝作用を成し、この腕あるいはこの腕を動かす駆動機構が破壊してしまうことが防止される。ただし、図40を参照して説明したような携帯型の人形の場合において、例えばポケットの中に入れておいたとき腕が動こうとすると、その動作圧力が身体に伝わるので、目に見えなくても人形が動いていることはわかる。
図43は、人形内部の駆動機構のもう1つの例を示す図である。
ここには、交流電流が流れるコイル2036を備えた電磁石2037と、支軸2039により回動自在に軸支された永久磁石2038を備えた、人形の腕を構成するアーム2040が示されており、電磁石2037のコイル2036に交流電流が流れるとアーム2040が支軸2039を中心に上下に往復回動する。この駆動機構の場合、腕は固いアームで構成されるが、電磁力により駆動されているため、それが緩衝作用を成し、図42の場合と同様に、腕の動きが制限されていてもこの駆動機構が破壊されることが防止される。またこの場合も、例えばポケットの中に入れておいたとき腕の動作圧力が身体に伝わり、人形が動いていることがわかる。
図44は、人形の構造の一例を示す図である。
この人形200は、本体部301と、頭部302とからなり、頭部302は、本体部301の上部に、コイルバネ303を介在させて取り付けられている。本体部301の上部にはセンサ(スイッチ)304が固定されており、頭部302を上から押下するとそのセンサ304がオンとなり、頭から手を離すと頭部302がコイルバネ303の付勢力により元の位置に復帰し、センサ304がオフとなる。
頭部は目立つためユーザが最も手を出しやすい部分であり、人形を操作してパソコンにイベントを発行する構成の場合に、そのユーザが手を出しやすい頭部を押したときに作動するセンサを備えることにより、操作性の良い人形となる。
図45は、人形の構造のもう1つの例を示す図である。
ここに示す人形200には台座300が備えられており、この台座300に押ボタン式のセンサ305が備えられている。
台座は、人形を固定することを目的として製作されるため頑丈に作ることができ、また台座はユーザにとって手をかけやすい場所の1つである。そこで、その台座にセンサを設けることによって、長期にわたり確実に作動するセンサを提供することができる。
図46は、パソコンと人形との連携動作の説明図である。
ここに示す人形200には、マイクロホンやスピーカは内蔵されておらず、例えば人形200の動きと同期した音声を発する必要があるときはパソコン側のスピーカが使用される。
このように、人形が接続される機器(例えばパソコン)に装備されている機能(例えばマイクロホンやスピーカ)はその機器(パソコン)に装備されたものを利用することとし、人形にはそのような装備を持たないようにすることにより、小型化が可能となり、携帯型に構成した場合には持ち運びが容易となり、また安価な人形を提供することができる。
図47は、人形の構造のさらにもう1つの例を示す図である。
ここに示す人形200は、台座300と人形本体310とから構成され、人形本体310は台座300に抜き差し自在であるとともに複数種類の外形のものが用意され、自分の好みのものを入手し台座300に差し込んで使用することができる。
ここで、パソコンとの間で通信を行なってこの人形200の動作を制御する制御回路321は、台座300に収納されている。
このように、人形本体310を交換可能とすることにより、自分の好みの人形を楽しむことができる。また、制御回路320は台座300に内蔵することにより人形本体310を安価に提供することができ、ユーザが複数の人形本体310を入手してそのときの気分に応じて使い分けることも容易となる。
図48は、人形の内部構成のもう1つの例を示すブロック図である。
ここには、通信インターフェース(図37に示す通信回路)210およびドライバ(図37に示す機構駆動回路)220のほか、充電回路320および大容量コンデンサ330が示されている。また、ここでは、通信線240としてデータの伝送線のほか、電圧信号の伝送線が明示的に示されている。
ここに示す人形200は接続相手(例えばパソコン等)から電圧の供給を受けその電圧による電力が充電回路320を介して大容量コンデンサ330に蓄積される。この人形200を動作させるときは、大容量コンデンサ330に蓄積された電力がドライバ220に供給され、その電力によりこの人形が動作する。
この構成の場合、パソコン等との接続線が人形を駆動するだけの電流を供給できないときであっても電力を蓄えておいて使うことができるため、この人形の接続対象が広がることになる。また、この構成の場合、人形に電池を内蔵する必要がなく、低コスト化が図られる。
図49は、人形の内部構成のもう1つの例を示すブロック図である。
この図49に示すブロック図の、図48に示すブロック図との相違点は、充電回路320がデータ伝送線に接続されている点と、昇圧回路340を備えている点である。
この図49に示す例では、データ伝送線の電力が充電回路320により大容量コンデンサ330に蓄積され、人形200を動作させるときは、その大容量コンデンサ330に蓄積された電力が昇圧回路340により昇圧されて供給される。
データ伝送線の場合大電力は得られないが、人形200を時々動作させる場合は、このようにデータ伝送線の小さな電力を蓄積するようにしてもよい。ここでは昇圧回路340を設けたため、データ伝送線の電圧が低い場合や、未だ充電が完全でないような場合であっても、人形を駆動することができる。
図50は、人形の内部構成のさらに異なる例を示すブロック図である。
この図50に示すブロック図の、図48のブロック図との相違点は、人形200をある動作パターンで動作させるための動作データが記憶された動作パターンメモリ350、コネクタ250が相手機器(例えばパソコン)から切り離されたか否かを検出する切断検出回路360、および切換スイッチ370が備えられている点である。
切換スイッチ370は、コネクタ250がパソコン等に接続されているときは、通信インターフェース210側に切り換えられており、切断検出回路360により、コネクタ250がパソコン等から切り離されたことが検出されると、切換スイッチ370が動作パターンメモリ350側に切り換わり、動作パターンメモリ350に記憶されている動作データが読み出されてドライバ220に入力され、コネクタ250がパソコン等から切り離される前に大容量コンデンサ330に蓄積されていた電力で人形200が駆動される。
すなわち、ここでは、人形200が、パソコン等から切り離されたことを受けて動作する。
この場合、人形が動作することで、接続されていた装置(パソコン等)からの切断が確認され、ユーザに安心感を与えることができる。また、切り離された後で動作するため、この人形に生物的な感じを与え、面白さを与えることができる。さらに、この実施形態は、切り離された時点で大容量コンデンサ330に蓄積されていた残存エネルギーを使用するものであるため、動作は切り離された後であっても、その動作を行なわせるための電源(電池等)を別に用意する必要はなく、安価に構成できる。
図51は、人形の内部構成のもう1つの例を示すブロック図である。
ここには、通信線240を経由して伝送されてくる接続相手先(パソコン等)の電力を整流して通信インターフェース210に供給する整流回路380が備えられており、通信インターフェース210はその整流回路380で整流された電力、すなわち接続相手(パソコン等)から供給された電力で動作する。
また、この人形200には、この人形200を動作させるためのモータ400が内蔵されており、このモータ400には、通信インターフェース210からの出力がトランジスタスイッチ390をオン状態にすると、人形200に内蔵された電池410により電力が供給される。
この実施形態では、人形200に電池が内蔵されているにも拘らず、通信インターフェース210、すなわちこの人形の動作を制御する制御回路部分はパソコン等の接続相手から供給される電力で動作するように構成されており、通信インターフェース210に電力が供給されないときはその通信インターフェース210が確実に非作動の状態となるように回路が構成されている。したがって、この場合、パソコン等の接続相手に接続しないときには、モータ400も駆動されなくなり、電力消費がなくなる。このためこの人形を電池消耗なしに電池を装填したまま販売することができる。したがってユーザ側も電池を装填する手間が省け、その人形の動作設定が簡単となる。また、コネクタ250の着脱がメインスイッチの役割りを成すため、メインスイッチを別に備える必要がなく、製造コストを削減することができる。
図52は、人形の構造の一例を示す図である。
この人形200は、本体部301と頭部302とからなり、この頭部302は、本体部301に回動自在に水平に軸支された揺動軸309に支持されている。この揺動軸309の直下には、センサ304の押ボタンが配置されており、頭部302を押下すると揺動軸309がその押ボタンを押下し、センサ304により頭が押されたことが検知される。この押ボタンは、押下されていた力がなくなると図示しないバネにより上方に復帰するよう構成されており、この頭部302は、頭部302から手を離すと、そのバネの復帰力を利用して上方に復帰するように工夫されている。
この構成の場合、簡単な構成で本体部301に対し可動な頭部302が押されたことを確実に検知することができる。
図53は、人形の構造のもう1つの例を示す図である。
この人形200は、本体部301と頭部302とからなり、この頭部302は、本体部301に回動自在に水平に軸支された揺動軸309の上にコイルバネ303を介在させて支持されている。本体部301の上部には押下ボタン付きのセンサ304が備えられており、頭部302を押すと、その頭部302の内壁で押ボタンを押し下げ、頭部302は、その頭部302から手を離すとコイルバネ303の付勢力に従って上方に復帰する。
この構成の場合も、前後に揺動することのできる頭部302を備えた人形において、簡単な構成で、その頭部302を押したことを確実に検知することができ。
図54は、人形の構造のさらに異なる例を示す図である。
この人形200は、本体部301と頭部302とからなり、頭部302は、本体部301に回動自在に水平に軸支された揺動軸309に支持されている。押ボタン構造のセンサ304は、本体部301の上端部に備えられている。この実施形態の人形の場合、揺動軸309がバネ性を有し、このため頭部302に上から力を加えるとその揺動軸309が変形して頭部302が押し下げられる。このとき、頭部302の内壁で押ボタンを押し下げ、頭部302が押されたことが検知される。頭部302から手を離すと、揺動軸309が元の状態に復帰し、頭部302が上方に復帰する。
この構成の場合も、前後に首を振ることのできる頭部302を備えた構成の人形において、簡単な構成で、頭部302が押されたことを確実に検知することができる。
図55は、人形のさらに異なる構造を示す図である。
図55(A),(B),(C)は、それぞれ、内部を透視した正面図、本体部の内部を透視した側面図、および、図55(A)のA−A′に沿う断面図である。
この人形200は、本体部301と頭部302とからなり、頭部302は本体部301の上部にコイルバネ303を介在させて取り付けられている。また、この人形200には、水平に延びた、本体部301に固定された支軸306に軸支された、上下に延びる左右一対のレバー307が備えられており、それらのレバー307の下部には、それらのレバー307それぞれを回動させる駆動部308が設けられている。各駆動部308は、永久磁石308aと電磁コイル308bとから構成されており、電磁コイル308bに電流を流すと、レバー307が、支軸306を中心に回動する。ここで、各レバー307は図55(C)に示すように、各レバー307の上端部307aが頭部302の内側の爪302aに係止しており、レバー307が回動すると頭部302が動くように構成されている。
ここで、一対のレバー307を駆動する一対の駆動部308の双方を同時に駆動すると、頭部302が前に傾き、一方の駆動部308のみ駆動すると、いずれを駆動するかに応じて、右あるいは左を向く。
人形にこの図56に示す構造の駆動機構を備えると、簡単な機構で、小さな人形であっても頭部を動かすことができる。しかも、頭部を左右と上下の2自由度動かすことができるので、ユーザに多彩な動きを印象づけ、遊び心や面白さを増すことができる。
図56は、人形内部の、パソコン等の接続機器からのデータ取り込み部分の回路図、図57は、その信号波形図である。
この人形には、パソコン等の接続機器から、図57(A)に示すような、パルス幅の広狭で論理が区別された信号VTXD が入力される。ここでは、この信号VTXD の“Lレベル”の幅をパルス幅と称している。この信号VTXD は、図56に示すクロック信号線315を経由してフリップフロップ317のクロック入力端子に入力されるが、このクロック入力端子に入力されるクロックは、そのクロック信号線315にダイオード3151が配置されていることから、図57(B)のクロックVCKに示す信号波形となる。ここで、フリップフロップ317は、クロックの立ち上がりでデータを取り込むように構成されており、したがって、図57に示す例では、パルス幅の広狭には無関係に、図57に示した2つの立ち上がりCK1,CK2のいずれにおいてもデータが取り込まれることになる。
一方、パソコン等の接続機器から入力されてきた信号VTXD は、信号変換回路316を経由してフリップフロップ317のデータ入力端子に伝達されるが、このデータ入力端子に伝達された信号は、図57(C)に示す波形の信号VD となる。すなわち、この信号変換回路316にはコンデンサ3162と抵抗3163が備えられており、図57(C)に示すように、そのコンデンサ3162への充電は高速に行なわれるが、ダイオード3161が配置されていることから、放電は、抵抗3163を経由してゆっくりと行なわれる。
図57(D)は図57(C)の充放電波形をフリップフロップ317のデータ取り込みのしきい値TTHで二値化した波形を示す図であり、この図57(D)に示すように、CK1のタイミングでは、フリップフロップ317に“L”レベルのデータが取り込まれ、CK2のタイミングではフリップフロップ317に“H”レベルの信号が取り込まれ、フリップフロップ317の出力VQ は図57(E)に示すものとなる。
すなわち、この信号変換回路316を採用すると、もともとの信号VTXD のパルス幅(ここでは、前述したように、“L”レベルの幅をパルス幅としている)が広いか狭いかに応じて、フリップフロップ317に異なる論理のデータが取り込まれることになる。この図56のフリップフロップ317は、図39のシフトレジスタ2003の先頭のフリップフロップ2004aに相当するものであり、パソコン等の接続機器から、パルス幅の相違で論理をあらわした信号を伝送すると、そのパルス幅の相違により区別された論理が電圧の“H”レベル、“L”レベルによる論理に変換されてシフトレジスタに取り込むことができる。しかも、この回路構成の場合、従来備えられていた、クロックを生成するための大規模なタイミング回路は不要となる。
図58は、従来のシリアルデータ受信器の一例を示す図であり、図39あるいは図56に示す回路に対する比較例である。詳細な説明は省略するが、従来は、ここに示すような大規模なタイミング回路を必要とし、発振器を常に動作させておく必要上、消費電力も大きなものであった。これに対し、図39あるいは図56の構成によれば、パルス幅の広狭で論理を区別する必要上、幅の広いパルスが必要となり、その分データの伝送速度は低下するが、これが許容される場合、受信側の回路規模を大きく削減し、消費電力も大幅に抑えることが可能となる。
図59は、図56に示す回路の変形例を示す図である。
この図59に示す回路は図56に示す回路と比べ、分圧用の抵抗3154,3164が備えられている。
シリアル信号伝送線の電圧範囲は一般には±15Vであり、図59に示すように抵抗分割により電圧を下げると、耐圧の低い廉価なIC(フリップフロップあるいはシフトレジスタ等;一般には3V〜6V入力)を利用することができる。
図60は、図58、図59を参照して説明した基本的な考え方を採用した、各種の回路例を示す図である。
これらの回路例において電圧変換回路2002は、入力電圧を、内部の電圧に適した、例えば5Vに変換する回路である(図39参照)。図56に示した回路、すなわち、図57に示した波形図では、“L”レベルの幅をパルス幅としていたが、図60に示す回路例の中にはそれとは論理が反転しており、“H”レベルの幅をパルス幅としている回路例もある。個々の回路例に関する詳細な説明は省略するが、いずれも、論理の区別をパルス幅の広狭で行なって、クロック生成回路(タイミング回路)を簡略化もしくはほとんど省略するという考え方に立つ回路が実現されている。このように、この考え方に立つ回路は、具体的には様々に構成することができる。
図61は、人形に備えられたセンサ(スイッチ)の構成図である。
ここには、パソコン等の接続機器からコネクタ250を経由して人形側に伝達される電圧信号としてステータス出力1とステータス出力2との2つの信号が存在し、一方、人形からパソコン等の接続機器側に伝達される信号としてステータス入力が存在する。センサ(スイッチ)208は、ここではステータス出力2とステータス入力との間に配置され、ステータス出力1とステータス入力との間には抵抗2011が配置されている(図39参照)。
ここで、パソコン等の接続機器側からは、ステータス出力1、ステータス出力2として、それぞれ、−15V,+15Vが伝達され、したがって、ステータス入力には、センサ208がオフのときは、ステータス出力1、すなわち−15Vが伝達され、センサ208がオンのときはステータス出力2、すなわち+15Vが伝達される。したがって、パソコン等では、ステータス入力の電圧レベルを監視することにより、センサ208のオン、オフを認識することができる。
ここで、例えばRS232C等の通信方式では、図61に示すステータス出力1として、−15Vとは限らず、これに代えて+15Vを出力することもできる。そこで、これを利用して、ステータス出力1の電圧を上下しながらステータス入力の電圧を検出することにより、パソコン等の接続装置側で、人形が接続されているか否かを検出することができる。
図62は、人形の頭部の構成の一例を示す図、図63は、その一部の拡大図、図64は、比較例を示す図である。
図62に示すように、この人形200は、本体部301と頭部302を備えており、頭部302は、本体部301に軸支された揺動軸309に軸支され、前後に回動する(首を縦に振る)ことができるように構成されている。この動作を確保するため、本体部301と頭部302との間には隙間が空いている。
この頭部302は、内部から照らされたとき外部からその明るさを感じることができるような、例えば乳白色のプラスチック等で形成されており、この頭部302の内側にはLED207が備えられており、このLED207が点灯すると頭部前面側(顔面)が内側から照射される。このLED207は、図39に示すように、赤と緑との2つのLEDから成るが、ここでは省略して1個のみ示されている。
ここで、この図62に示すように、頭部の下部(首の前側の部分)には、遮光反射板350が配置されている。この遮光反射板350は、図63に示すように、内面側が反射処理されている。
この遮光反射板350が備えられていないと、図64に示すように、首の部分からLEDの光が漏洩し、本体部301の胸の部分が照らされ、顔の色と本体部の色との区別がはっきりしなくなってしまう。これに対し、図62に示すように遮光反射板350を備えると、LED207を点灯させたとき顔色のみ変化し、顔と胴体との色境界がシャープとなり、ユーザに人形の顔色が変化したことを強く印象づけることができる。
また、この図62に示す例では、図63に示すように、その遮光反射板350の内面が反射処理されているため、LED207から発せられた光を必要な領域(顔)に有効に集めることができ、その分消費電力を抑え、あるいは発光効率の低い安価なLEDでも使用可能となる。
図65は、人形の顔色の変化の程度を調整するための、LEDの発光波形を示す図である。ここでは、赤色の光を発するLEDが用いられるものとし、顔色の変化の程度を赤み1,赤み2,…と称している。
ここでは、デューティー比の異なる4つの波形(A)〜(D)が用意され、それぞれが各赤み(赤み1,赤み2,赤み3,赤み4)に対応づけられている。顔色の変化の程度(すなわち赤み1〜赤み4のうちのいずれか)が設定されると、パソコン等の接続機器側から、その設定された赤みに応じた、例えば「00010001…」(‘0’はLEDオフ、‘1’はLEDオンをあらわす)のような時系列データが人形に送信され、人形では、それに従ってLEDをオン、オフし、LEDが図65(A)〜(D)のいずれかの波形に従って点滅する。このようにLEDの点滅のデューティ比を変えることによって、人形の顔色の変化の程度を容易に調整することができる。