本発明に係る液晶表示装置の駆動回路及びその駆動方法は、液晶テレビ等に用いられる液晶表示装置に適用することができる。
第1の実施形態
図1は本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態に係る液晶表示装置の駆動回路及びその駆動方法の説明にあたり、図18と同一構成部分には同一符号を付している。
図1において、1はLCDパネルであり、LCDパネル1はそのゲートラインG1〜Gnを駆動するゲートドライバ(GD1〜GDn)部10と、ソースラインS1〜Sm及び各ソースラインS1〜Smに寄生する寄生容量CC1〜CCmを駆動するソースドライバ部20とから構成される。
LCDパネル1はスイッチトランジスタTR11〜TRnm、液晶電極CX11〜CXnm、及び電圧レベルVcomを印加する共通電極(図示せず)により各々液晶画素が構成され、その画素をマトリクス状に配して構成される。
ソースドライバ部20は、ソースラインS1〜Sm及び各ソースラインS1〜Smに寄生する寄生容量CC1〜CCmを駆動するソースドライバSD1〜SDmと、ソースドライバSD1〜SDmの出力をソースラインS1〜Smから切り離し共通電極の電位VcomにショートさせるスイッチSWA1〜SWAm及びSWB1〜SWBmとから構成されている。これらのスイッチは、例えばFET等のトランジスタにより容易にドライバ内部に作り込むことが可能である。
このように、LCDパネル1と、ゲートラインG1〜Gnを駆動するゲートドライバGD1〜GDnからなるゲートドライバ部10と、ソースドライバSD1〜SDmの出力をソースラインS1〜Smと接続可能としたスイッチSWA1〜SWAm及びSWB1〜SWBmを介して共通電極の電位VcomとソースラインS1〜Smを接続可能としたソースドライバ部20から構成し、ソースドライバ部20において、所定のタイミングにてソースラインS1〜SmとVcomレベルをショートさせることにより、消費電流を低減し、かつソースラインS1〜Smを所定のレベルまで充電/放電させる時間を短縮している。
以下、上述のように構成された液晶表示装置の動作を説明する。
図2はゲートドライバ部の駆動波形を示す波形図、図3はソースドライバ部のソースドライバSD1〜SDmの駆動波形を示す波形図であり、図2は前記図20と同一である。
本液晶表示装置の駆動回路は、図2に示すゲートドライバ駆動波形及び図3に示すソースドライバ駆動波形で駆動される。本実施形態では、64階調表示を行う場合を例にして述べる。
まず、図2において、ソースドライバを一例として64階調レベルが出力できるものとすると任意のソースドライバSDk-1は共通電極の電位Vcomより高い所定の64個のアナログレベルのうち選択された1つの(Vcomより高い)レベルを出力しソースラインSk-1を所定のレベルに充電する。同時に、SDk-1の隣のソースドライバSDkはVcomより低い所定の64個のアナログレベルのうち選択された1つの(Vcomより低い)レベルを出力しソースラインSkを所定のレベルに充電する。つまり、この状態においては、スイッチSWA1〜SWAmはオン状態であり、スイッチSWB1〜SWBmはオフ状態である。
このように隣り合うソースラインがVcomレベルを基準として極性が逆になるようにソースドライバSD1〜SDmはソースラインS1〜Smを充電する。この時、同時にゲートドライバGD1によってゲートラインG1がHレベルになる。この動作によってTR11〜TR1mのトランジスタがオン状態になり、ソースドライバSD1〜SDmの出力レベルがソースラインS1〜Smを介してそれぞれ液晶容量CΧ11〜CX1mに充電される。
次に、ゲートドライバGD1によってゲートラインG1がLレベルになり、GD2によってG2がΗレベルになり、ソースドライバ部20の構成要素であるスイッチSWA1〜SWAmをオフ状態にし、スイッチSWB1〜SWBmをオン状態にすることにより全ソースラインS1〜Smを共通電極の電位レベルVcomにショートさせる。
この時、Vcomより高いレベルの電荷が蓄積されているソースラインの数とVcomより低いレベルの電荷が蓄積されているソースラインの数は半分ずつであるためVcomからみた場合、全ソースラインをVcomレベルに充電するという動作はVcomを介しての電荷の移動をするという動作もするため(その時のソースレベルの状態にもよる)ある程度電荷が相殺される。
その後、スイッチSWA1〜SWAmをオフ状態としスイッチSWB1〜SWBmをオン状態とし、ソースドライバSD1〜SDm1は所定のレベルを出力し次の液晶容量を充電するレべルにソースラインS1〜Smを充電する。このソースラインS1〜Smに、次のレベルを書き込む前にソースドライバSD1〜SDmを切り離しVcomレベルとショートさせるという動作以外は従来例と同様であるため、これ以降の動作については説明を省略する。
以上説明したように、第1の実施形態に係る液晶表示装置の駆動回路及びその駆動方法は、LCDパネル1と、ゲートラインG1〜Gnを駆動するゲートドライバGD1〜GDnからなるゲートドライバ部10と、ソースドライバSD1〜SDmの出力をソースラインS1〜Smと接続可能としたスイッチSWA1〜SWAm及びSWB1〜SWBmを介して共通電極の電位VcomとソースラインS1〜Smを接続可能としたソースドライバ部20を備え、液晶容量への書き込みの初期時にソースドライバSD1〜SDmの出力を、スイッチSWA1〜SWAm及びSWB1〜SWBmによりソースラインS1〜Smから切り離し、共通電極の電位Vcomにショートさせるようにしているので、全ソースラインに蓄積された電荷のVcomレベル付近までの充電をショートによる電荷移動によって行うため、ソースドライバが全ソースラインをVcomレベルに対して逆相のレベルに充電する場合よりも消費電流を削減することができる。
すなわち、従来例では全ソースラインに蓄積された電荷(特に、寄生容量CC1〜CCmの電荷)を、ソースドライバの能力によって移動させた上で、ソースラインS1〜Smを駆動するようにしていたため、ソースドライバにはより大きな駆動能力とそれに伴う消費電流が必要であった。これに対し、本駆動方式では、全ソースラインに蓄積された電荷(特に、寄生容量CC1〜CCmの電荷)を、次のレベルを書き込む前にソースドライバSD1〜SDmを切り離しソースラインS1〜SmをVcomレベルとショートさせることによってまず消滅させ、電荷消滅後にソースラインS1〜Smを駆動するようにしていたため、ソースドライバには本来的なソースラインS1〜Smの駆動能力があればよく消費電流を削減することが可能になる。また、ソースドライバの小型化・低コスト化を図ることができる。
また、ソースドライバの出力インピーダンスよりも低い抵抗で電荷移動を行うことにより所定のレベルまでソースラインを設定するまでの時間を短縮することができる。
なお、本実施形態では、1つのゲートライン上において常に隣り合う液晶容量に、Vcomに対して極性が逆の電位を充電している例で説明を行っているが、ある任意のドット毎にVcomに対して極性が逆の電位を充電しても同様の効果が得られる言うまでもない。
第2の実施形態
図4は本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態に係る液晶表示装置の駆動回路及びその駆動方法の説明にあたり、図1と同一構成部分には同一符号を付している。
図4において、1はLCDパネルであり、LCDパネル1はそのゲートラインG1〜Gnを駆動するゲートドライバ(GD1〜GDn)部10と、ソースラインS1〜Sm及び各ソースラインS1〜Smに寄生する寄生容量CC1〜CCmを駆動するソースドライバ部30とから構成される。
ソースドライバ部30は、ソースラインS1〜Sm及び各ソースラインS1〜Smに寄生する寄生容量CC1〜CCmを駆動するソースドライバSD1〜SDmと、ソースドライバSD1〜SDmの出力をソースラインS1〜Smから切り離し隣接するソースライン同士をショートさせるスイッチSWC1〜SWCm及びSWD1〜SWDm-1とから構成されている。
このように、LCDパネル1と、ゲートラインG1〜Gnを駆動するゲートドライバGD1〜GDnからなるゲートドライバ部10と、ソースドライバSD1〜SDmの出力をスイッチSWC1〜SWCm及びSWD1〜SWDm-1を介して隣のドライバ出力と接続したソースドライバ部20から構成し、ソースドライバ部20において、所定のタイミングにてスイッチSWC1〜SWCmをオフ、SWD1〜SWDm-1をオンさせることにより、消費電流を低減し、かつソースラインS1〜Smを所定のレベルまで充電/放電させる時間を短縮している。本構成では、上述の第1の実施形態のようにVcomレベルをソースドライバ部に供給しなくてもよい。
以下、上述のように構成された液晶表示装置の動作を説明する。
本液晶表示装置の駆動回路は、前記図2に示すゲートドライバ駆動波形及び前記図3に示すソースドライバ駆動波形で駆動される。本実施形態では、64階調表示を行う場合を例にして述べる。
まず、図2において、任意のソースドライバSDk-1は共通電極の電位Vcomより高い所定のレベルを出力しソースラインSk-1を所定のレベルに充電する。同時に、SDk-1の隣のソースドライバSDkはVcomより低い所定のレベルを出力しソースラインSkを所定のレベルに充電する。このように隣り合うソースラインがVcomレベルを基準として極性が逆になるようにソースドライバSD1〜SDmはソースラインS1〜Smを充電する。この時、同時にゲートドライバGD1によってゲートラインG1がHレベルになる。つまり、この状態においては、スイッチSWC1〜SWCmはオン状態であり、スイッチSWD1〜SWDm-1はオフ状態である。
この動作によってトランジスタTR11〜TR1mがオン状態になり、ソースドライバSD1〜SDmの出力レベルがソースラインS1〜Smを介してそれぞれ液晶容量CX11〜CΧ1mに充電される。
次に、ゲートドライバGD1によってゲートラインG1がLレベルになり、ゲートドライバGD2によってゲートラインG2がΗレベルになり、ソースドライバ部30の構成要素であるスイッチSWC1〜SWCmをオフ状態にし、スイッチSWD1〜SWDm-1をオン状態にすることにより全ソースラインをショートさせる。
この時、Vcomより高いレベルの電荷が蓄積されているソースラインの数とVcomより低いレベルの電荷が蓄積されているソースラインの数は半分ずつであるため電荷の移動が起こり(その時のソースレベルの状態にもよる)電荷が相殺され当初のソースラインのレベルよりもVcomの近いレベルになり安定する。
その後、スイッチSWC1〜SWCmをオフ状態としスイッチSWD1〜SWDm-1をオン状態とし、ソースドライバSD1〜SDm1は所定のレベルを出力し次の液晶容量を充電するレベルにソースラインS1〜Smを充電する。このソースラインに、次のレベルを書き込む前にソースドライバを切り離しVcomレベルとショートさせるという動作以外は従来例と同様であるため、これ以降の動作については説明を省略する。
以上説明したように、第2の実施形態に係る液晶表示装置の駆動回路及びその駆動方法は、ソースドライバSD1〜SDmの出力をソースラインS1〜Smから切り離し隣接するソースライン同士をショートさせるスイッチSWC1〜SWCm及びSWD1〜SWDm-1を有するソースドライバ部30を備え、ソースドライバ部30は、隣り合うソースラインS1〜Smが共通電極の電位を基準として極性が逆になるようにソースラインS1〜Smを駆動する駆動方式の場合、液晶容量への書き込みの初期時にソースドライバSD1〜SDmの出力をソースラインS1〜Smから切り離し、隣接するソースラインS1〜Sm同士をショートするようにしているので、第1の実施形態と同様に、ソースドライバが全ソースラインをVcomレベルに対して逆相のレベルに充電する場合よりも消費電流を削減することができる。
特に、本実施形態では、全ソースラインに蓄積された電荷のVcomレベル付近までの充電をソースライン同士のショートによる電荷移動によって行うため、第1の実施形態のようにVcomレベルをソースドライバ部に供給することなく、消費電流の削減を行うことができる。また、ソースドライバの出力インピーダンスよりも低い抵抗で電荷移動を行うことにより所定のレベルまでソースラインを設定するまでの時間を短縮することができる。
さらにまた、本実施形態に係る液晶表示装置は、ソースライン同士をショートするスイッチSWD1〜SWDm-1に加え、ソースドライバSD1〜SDmの出力をソースラインS1〜Smから切り離すためのスイッチSWC1〜SWCmを有し、上述したスイッチのオン/オフタイミング、すなわち、まずスイッチSWC1〜SWCmはオン、スイッチSWD1〜SWDm-1はオフ状態として隣り合うソースラインがVcomレベルを基準として極性が逆になるようにソースドライバSD1〜SDmはソースラインS1〜Smを充電し、次にスイッチSWC1〜SWCmをオフ、スイッチSWD1〜SWDm-1をオン状態にすることにより全ソースラインをショートさせる。このようにソースラインに、次のレベルを書き込む前にソースドライバを切り離しVcomレベルとショートさせるという動作を行っている。
したがって、隣接するソースライン同士を単にスイッチによりショートする態様ではなく、ソースドライバ出力をソースラインと切り離してからソースライン同士をショートしているので、ソースライン同士のショートによる電荷移動がソースドライバの影響(各ソースドライバに至る配線抵抗、配線容量等の差異)を受けることはない。
なお、本実施形態では、1つのゲートライン上において常に隣り合う液晶容量に、Vcomに対して極性が逆の電位を充電している例で説明を行っているが、ある任意のドット毎にVcomに対して極性が逆の電位を充電しても同様の効果が得られることは言うまでもない。
第3の実施形態
図5は本発明の第3の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態に係る液晶表示装置の駆動回路及びその駆動方法の説明にあたり、図4と同一構成部分には同一符号を付している。
図5において、1はLCDパネルであり、LCDパネル1はそのゲートラインG1〜Gnを駆動するゲートドライバ(GD1〜GDn)部10と、ソースラインS1〜Sm及び各ソースラインS1〜Smに寄生する寄生容量CC1〜CCmを駆動するソースドライバ部40とから構成される。
ソースドライバ部40は、ソースラインS1〜Sm及び各ソースラインS1〜Smに寄生する寄生容量CC1〜CCmを駆動するソースドライバSD1〜SDmと、ソースドライバSD1〜SDmの出力をソースラインS1〜Smから切り離し隣接するソースライン同士をショートさせるスイッチSWC1〜SWCm及びSWD1〜SWDm-1とから構成されている。また、スイッチSWD1〜SWDm-1は、前記第2の実施形態のように全てのソースドライバ出力同士を接続するのではなく、1つおきに設置されている。
このように、常に隣り合う液晶容量に、Vcomに対して極性が逆の電位を充電する駆動方式において、LCDパネル1と、ゲートラインG1〜Gnを駆動するゲートドライバGD1〜GDnからなるゲートドライバ部10と、ソースドライバSD1〜SDmの出力をスイッチSWC1〜SWCm及びSWD1〜SWDm-1を介して隣のドライバ出力と1つおきに接続したソースドライバ部30から構成し、ソースドライバ部30において、所定のタイミングにてスイッチSWC1〜SWCmをオフ、SWD1〜SWDm-1をオンさせることにより、消費電流を低減し、かつソースラインS1〜Smを所定のレベルまで充電/放電させる時間を短縮している。本構成では、上述の第1の実施形態のようにVcomレベルをソースドライバ部に供給しなくてもよく、また上述の第2の実施形態に比べ隣のドライバと接続を行うスイッチを半分に削減できる。
以下、上述のように構成された液晶表示装置の動作を説明する。
本液晶表示装置の駆動回路は、前記図2に示すゲートドライバ駆動波形及び前記図3に示すソースドライバ駆動波形で駆動される。本実施形態では、64階調表示を行う場合を例にして述べる。
まず、図2において、任意のソースドライバSDk-1は共通電極の電位Vcomより高い所定のレベルを出力しソースラインSk-1を所定のレベルに充電する。同時に、SDk-1の隣のソースドライバSDkはVcomより低い所定のレベルを出力しソースラインSkを所定のレベルに充電する。このように隣り合うソースラインがVcomレベルを基準として極性が逆になるようにソースドライバSD1〜SDmはソースラインS1〜Smを充電する。この時、同時にゲートドライバGD1によってゲートラインG1がΗレベルになる。つまり、この状態においては、スイッチSWC1〜SWCmはオン状態であり、スイッチSWD1〜SWDm-1はオフ状態である。
この動作によってトランジスタTR11〜TR1mがオン状態になり、ソースドライバSD1〜SDmの出力レベルがソースラインS1〜Smを介してそれぞれ液晶容量CX11〜CX1mに充電される。
次に、ゲートドライバGD1によってゲートラインG1がLレベルになり、ゲートドライバGD2によってゲートラインG2がΗレベルになり、ソースドライバの構成要素であるSWC1〜SWCmをオフ状態にし、SWD1〜SWDm-1をオン状態にすることにより全ソースラインをショートさせる。
この時Vcomより高いレベルの電荷が蓄積されているソースラインの数とVcomより低いレベルの電荷が蓄積されているソースラインの数は半分ずつであるため電荷の移動が起こり(その時のソースレベルの状態にもよる)電荷が相殺され当初のソースラインのレベルよりもVcomに近いレベルになり安定する。
その後、スイッチSWC1〜SWCmをオフ状態としスイッチSWD1〜SWDm-1をオン状態とし、ソースドライバSD1〜SDmは所定のレベルを出力して次の液晶容量を充電するレベルにソースラインS1〜Smを充電する。
このソースラインS1〜Smに、次のレベルを書き込む前にソースドライバを切り離しVcomレベルとショートさせるという動作以外は従来例と同様である。
以上説明したように、第3の実施形態に係る液晶表示装置の駆動回路及びその駆動方法は、常に隣り合う液晶容量にVcomに対して極性が逆の電位を充電する駆動方式を前提とし、ソースドライバ部40が、ソースドライバSD1〜SDmの出力をソースラインS1〜Smから切り離し隣接するソースライン同士をショートさせるスイッチSWC1〜SWCm及びSWD1〜SWDm-1備え、スイッチSWD1〜SWDm-1は1つおきの隣り合うソースドライバ出力をショートさせるようにスイッチSWC1〜SWCmの半分の数で構成したので、第2の実施形態と同様に、ソースドライバが全ソースラインをVcomレベルに対して逆相のレベルに充電する場合よりも消費電流を削減することができ、ソースドライバの出力インピーダンスよりも低い抵抗で電荷移動を行うことにより所定のレベルまでソースラインを設定するまでの時間を短縮することができる。
特に、本実施形態では、ドライバ出力をショートさせるスイッチSWD1〜SWDm-1が1つおきに設置されているので、第2の実施形態に比べスイッチSWD1〜SWDm-1の数を半分にすることができる。
第4の実施形態
図6は本発明の第4の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態に係る液晶表示装置の駆動回路及びその駆動方法の説明にあたり、図1と同一構成部分には同一符号を付している。
図6において、1はLCDパネルであり、LCDパネル1はそのゲートラインG1〜Gnを駆動するゲートドライバ(GD1〜GDn)部10と、ソースラインS1〜Sm及び各ソースラインS1〜Smに寄生する寄生容量CC1〜CCmを駆動するソースドライバ部50とから構成される。
ソースドライバ部50は、ソースラインS1〜Sm及び各ソースラインS1〜Smに寄生する寄生容量CC1〜CCmを駆動するソースドライバSD1〜SDmと、ソースドライバSD1〜SDmの出力をソースラインS1〜Smから切り離し、抵抗R1を介してソースラインS1〜Smを共通電極の電位VcomにショートさせるスイッチSWA1〜SWAm及びSWB1〜SWBmとから構成されている。
このように、LCDパネル1と、ゲートラインG1〜Gnを駆動するゲートドライバGD1〜GDnからなるゲートドライバ部10と、ソースドライバSD1〜SDmの出力をソースラインS1〜Smと接続可能とするスイッチSWA1〜SWAm及びSWB1〜SWBmを介して共通電極の電位Vcomと接続可能としたソースドライバ部50から構成し、ソースドライバ部50において、所定のタイミングにてスイッチをオンすることにより抵抗R1を介してソースラインS1〜Smに蓄積した電荷を移動させて、放電時のピーク電流を低減しノイズ対策を行う。
以下、上述のように構成された液晶表示装置の動作を説明する。
本液晶表示装置の駆動回路は、前記図2に示すゲートドライバ駆動波形及び前記図3に示すソースドライバ駆動波形で駆動される。本実施形態では、64階調表示を行う場合を例にして述べる。
図2及び図6において、ゲートドライバGD1によってゲートラインG1がLレベルになり、ゲートドライバGD2によってG2がHレベルになり、ソースドライバ部50の構成要素であるスイッチSWA1〜SWAmをオフ状態にし、スイッチSWB1〜SWBmをオン状態にすることにより全ソースラインS1〜Smを共通電極の電位レベルVcomとショートさせる。この時、電荷の移動が早すぎると、ソースラインとゲートラインの交差部分等でのライン間の寄生容量によりゲートラインのレベルが影響され誤動作の原因となる。この現象はゲートドライバから遠いスイッチトランジスタに発生しやすい。この現状を回避するため、本実施形態では電荷移動を抵抗R1を介して行うことにより電荷の移動を制御しピーク電流を抑えている。また、このスイッチと抵抗をトランジスタで作ることにより容易にΙC内部に作り込むことが可能である。
以上説明したように、第4の実施形態に係る液晶表示装置の駆動回路及びその駆動方法では、全ソースラインに蓄積された電荷のVcomレベル付近までの充電の電荷移動を抵抗R1を介して行うため、ソースラインとゲートラインのライン容量による誤動作を防ぐことができる。
第5の実施形態
図7は本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態に係る液晶表示装置の駆動回路及びその駆動方法の説明にあたり、図4と同一構成部分には同一符号を付している。
図7において、1はLCDパネルであり、LCDパネル1はそのゲートラインG1〜Gnを駆動するゲートドライバ(GD1〜GDn)部10と、ソースラインS1〜Sm及び各ソースラインS1〜Smに寄生する寄生容量CC1〜CCmを駆動するソースドライバ部60とから構成される。
ソースドライバ部60は、ソースラインS1〜Sm及び各ソースラインS1〜Smに寄生する寄生容量CC1〜CCmを駆動するソースドライバSD1〜SDmと、ソースドライバSD1〜SDmの出力をソースラインS1〜Smから切り離し抵抗R2を介して隣接するソースライン同士をショートさせるスイッチSWC1〜SWCm及びSWD1〜SWDm-1とから構成されている。
このように、LCDパネル1と、ゲートラインG1〜Gnを駆動するゲートドライバGD1〜GDnからなるゲートドライバ部10と、ソースドライバSD1〜SDmの出力をソースラインS1〜Smと接続可能としたスイッチSWC1〜SWCm及びSWD1〜SWDm-1を介して隣のソースラインS1〜Smと接続可能としたソースドライバ部60から構成し、ソースドライバ部60において、所定のタイミングにてスイッチをオンすることにより抵抗R2を介してソースラインS1〜Smに蓄積した電荷を移動させて、放電時のピーク電流を低減しノイズ対策を行う。
以下、上述のように構成された液晶表示装置の動作を説明する。
本液晶表示装置の駆動回路は、前記図2に示すゲートドライバ駆動波形及び前記図3に示すソースドライバ駆動波形で駆動される。
図2及び図7において、ゲートドライバGD1によってゲートラインG1がLレベルになり、ゲートドライバGD2によってゲートラインG2がΗレベルになり、ソースドライバ部30の構成要素であるスイッチSWC1〜SWCmをオフ状態にし、スイッチSWD1〜SWDm-1をオン状態にすることにより全ソースラインをショートさせる。
この時、電荷の移動が早すぎると、ソースラインとゲートラインの交差部分等でのライン間の寄生容量によりゲートラインのレベルが影響され誤動作の原因となる。この現象はゲートドライバから遠いスイッチトランジスタに発生しやすい。この現状を回避するため、本実施形態では電荷移動を抵抗R2を介して行うことにより電荷の移動を制御しピーク電流を抑えている。また、このスイッチと抵抗をトランジスタで作ることにより容易にΙC内部に作り込むことが可能である。
以上説明したように、第5の実施形態に係る液晶表示装置の駆動回路及びその駆動方法では、ソースドライバSD1〜SDmの出力をソースラインS1〜Smから切り離し隣接するソースライン同士をショートさせるスイッチSWC1〜SWCm及びSWD1〜SWDm-1を備え、ショートによる電荷移動を抵抗R2を介して行うようにしているので、第2の実施形態と同様に、消費電流を削減することができ、さらにソースラインとゲートラインのライン容量による誤動作を防ぐことができる。
なお、本実施形態では、図4に示す第2の実施形態において抵抗R2を挿入しショート時の誤動作を未然に防止するようにしているが、同様に図5に示す第3の実施形態において抵抗R2を挿入しショート時の誤動作を防ぐようにしてもよい。また、この抵抗はスイッチとともにトランジスタで作ることができる。
第6の実施形態
図8は本発明の第6の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態に係る液晶表示装置の駆動回路及びその駆動方法の説明にあたり、図1と同一構成部分には同一符号を付している。
図8において、1はLCDパネルであり、LCDパネル1はそのゲートラインG1〜Gnを駆動するゲートドライバ(GD1〜GDn)部10と、ソースラインS1〜Sm及び各ソースラインS1〜Smに寄生する寄生容量CC1〜CCmを駆動するソースドライバ部70とから構成される。
ソースドライバ部70は、ソースラインS1〜Sm及び各ソースラインS1〜Smに寄生する寄生容量CC1〜CCmを駆動するソースドライバSD1〜SDmと、ソースドライバSD1〜SDmの出力をソースラインS1〜Smから切り離し、ソースラインS1〜Smをゲートドライバ出力の1/2電位VGD/2にショートさせるスイッチSWA1〜SWAm及びSWB1〜SWBmとから構成されている。
このように、LCDパネル1と、ゲートラインG1〜Gnを駆動するゲートドライバGD1〜GDnからなるゲートドライバ部10と、ソースドライバSD1〜SDmの出力をスイッチSWA1〜SWAm及びSWB1〜SWBmを介してゲートドライバ出力の1/2電位VGD/2と接続したソースドライバ部70から構成し、ソースドライバ部70において、所定のタイミングにてソースラインS1〜SmとVGD/2レベルをショートさせることにより、消費電流を低減し、かつソースラインS1〜Smを所定のレベルまで充電/放電させる時間を短縮している。
以下、上述のように構成された液晶表示装置の動作を説明する。
本実施形態では、液晶容量への書き込みの初期時にショートさせる電位を、共通電極の電位レベルVcomからソースドライバ出力の1/2電位VSD/2に変えているがこれは以下のような理由からである。
すなわち、TFTの問題点としてはTFTのゲート・ドレイン寄生容量CGDによってゲート電圧変化に対して保持電圧が低下(ΔVGD)する現象がある。この電圧降下ΔVGDが直流電圧として残ると焼き付き、フリッカなどの原因となるため、通常、共通電極の電位レベルVcomをビデオ中心より電圧降下ΔVGD相当分だけずらすことにより液晶に直流電圧が加わらないようにして取り除くようにしている。
したがって、次のレベルを書き込む前にソースドライバSD1〜SDmを切り離しソースラインS1〜Smをショートさせる最も好ましい電位は、共通電極の電位VcomではなくそのVcomから電圧降下ΔVGD相当分だけずらした電位である。本実施形態では、この電位に相当する電位をソースドライバ出力の1/2電位VSD/2から得るようにしている。
ソースラインS1〜Smに、次のレベルを書き込む前にソースドライバSD1〜SDmを切り離しVSD/2レベルとショートさせるという動作以外は第1の実施形態と同様である。
以上説明したように、第6の実施形態に係る液晶表示装置の駆動回路及びその駆動方法では、全ソースラインに蓄積された電荷のVSD/2レベル付近までの充電を電荷移動によって行うため、全ソースラインをVSD/2レベルに対して逆相のレベルにソースドライバが充電する場合よりも消費電流が削減でき、ソースドライバの出力インピーダンスよりも低い抵抗で電荷移動を行うことにより所定のレベルまでソースラインを設定するまでの時間を短縮することができる。
特に、ショートによる電荷移動を共通電極の電位VcomではなくそのVcomから電圧降下ΔVGD相当分だけずらしたソースドライバ出力の1/2電位VSD/2としているので、該電荷移動の際に直流電流が重畳することがなく、上述した効果の実効を図ることができる。
ここで、共通電極の電位Vcomから電圧降下ΔVGD相当分だけずらした電位であればどのような電位でもよいが、本実施形態ではソースドライバ出力の1/2電位として容易に得ることが可能な電位VSD/2を用いている。
なお、本実施形態では、図1に示す第1の実施形態において共通電極の電位Vcomに代えてソースドライバ出力の1/2電位VSD/2を用いているが、同様に図6に示す第4の実施形態において電位VSD/2を用いてより一層効果を高めるようにしてもよい。
第7の実施形態
前記図18に示すような液晶表示装置において、ゲートドライバ及びソースドライバによる駆動波形を図9及び図10に示すような駆動波形を出力するものに変えることにより消費電流の低減を図ることができる。本実施形態における構成は、前記各実施形態に示す構成又は前記図18に示す従来の構成に適用することができる。
例えば、本実施形態を前記図18に示す構成に適用し、図9及び図10に示すような駆動波形にすることにより、ゲートラインに毎にVcomに対して反対の極性の充電を行うのではなく、数ライン毎に行うことによりソースラインの寄生容量の充電/放電回数を低減することにより消費電流の低減を図っている。
以下、上述のように構成された液晶表示装置の動作を説明する。
図9はゲートドライバ部の駆動波形を示す波形図、図10はソースドライバ部のソースドライバSD1〜SDmの駆動波形を示す波形図であり、図9は前記図20と同一である。
前記図18に示す駆動回路は、図9のゲートドライバ駆動波形及び図10のソースドライバ駆動波形で駆動される。本実施形態では、図10のソースドライバ駆動波形に示すように、充電するレベルをVcomに対して3ライン毎に反転させる例である。
まず、図18において、任意のソースドライバSDk-1はVcomより高い所定の64個のアナログレベルのうち選択された1つの(Vcomより高い)レベルを出力しソースラインSk-1を所定のレベルに充電する。同時に、SDk-1の隣のソースドライバSDkはVcomより低い所定の64個のアナログレベルのうち選択された1つの(Vcomより低い)レベルを出力しソースラインSkを所定のレベルに充電する。このように隣り合うソースラインがVcomレベルを基準として極性が逆になるようにソースドライバSD1〜SDmはソースラインS1〜Smを充電する。この時、同時にゲートドライバGD1によってゲートラインG1がHレベルになる。
この動作によってトランジスタTR11〜TR1mがオン状態になり、ソースドライバSD1〜SDmの出力レべルがソースラインS1〜Smを介してそれぞれ液晶容量CX11〜CX1mに充電される。
次に、ゲートドライバGD1によってゲートラインG1がLレベルになり、ゲートドライバGD2によってゲートラインG2がHレベルになると同時に各ソースラインS1〜Smに液晶容量CΧ21〜CΧ2mに充電するレベルをソースドライバSD1〜SDmにより駆動する。
この時、図10に示すようにソースラインに設定されるレベルはゲートラインG1がΗレベルの時と同様にVcomレベルより高いレベルを充電している。そして、ゲートドライバGD3がΗレベルになった時も同様にVcomレベルより高いレベルを充電している。ゲートドライバGD4がHレベルになった時に初めてVcomレベルより低いレベルを充電している。そして、ゲートドライバGD5、GD6がΗレベルになった時も同様にVcomレベルより低いレベルを充電している。
このように、3ライン毎に充電するレベルをVcomに対して反転させることにより、ソースラインの寄生容量CC1〜CCmを充電/放電する回数を低減させている。その他の動作は従来と同様である。
以上説明したように、第7の実施形態に係る液晶表示装置の駆動回路及びその駆動方法では、ゲートドライバ(GD1〜GDn)部10が、液晶容量への書き込みレベル出力を、3ゲートライン毎に共通電極に対して反転して行うように構成しているので、ソースラインの寄生容量のVcomをまたぐ充電/放電の回数が減るため、消費電流を低減することができる。
ここで、本実施形態では、図10のソースドライバ駆動波形に示すように、充電するレベルをVcomに対して3ライン毎に反転させるようにしているが、3ライン毎に限定されない。
また、本実施形態では、図18の従来例に適用した例について説明したが、勿論これには限定されず、上述の各実施形態と組み合わせることも可能である。このように上述の各実施形態と組み合わせるようにすれば、上述の各実施形態の効果に本実施形態の効果を加えることができる。
上述した第1〜第7の各実施形態により、各ソースラインS1〜Smに寄生する寄生容量CC1〜CCmの充電時/放電時の消費電流を低減することができ、ソースラインを所定のレベルまで充電/放電させる時間を短縮させることができた。
ところで、前記図19の従来例で述べたように、各ゲートラインG1〜Gnには寄生容量CC1〜CCnがあるため、ゲートドライバGD1〜GDnはこの寄生容量CC1〜CCnを充放電できるように設計する必要があり、ゲートドライバの大型化や寄生容量CC1〜CCnへの充放電に伴う消費電流若しくは消費電力の増加を招いていた。
以下、第8〜第13の実施形態により、このゲートラインG1〜Gnに寄生する寄生容量CC1〜CCnの充電時/放電時の消費電流の削減方法について詳細に説明する。
第8の実施形態
図11は本発明の第8の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態に係る液晶表示装置の駆動方法の説明にあたり、図19と同一構成部分には同一符号を付している。
図11において、1はLCDパネルであり、LCDパネル1はソースラインS1〜Smを駆動するソースドライバ(SD1〜SDm)部100と、ゲートラインG1〜Gn及び各ゲートラインG1〜Gnに寄生する寄生容量CC1〜CCnを駆動するゲートドライバ部110とから構成されている。
LCDパネル1はスイッチトランジスタTR11〜TRnm、液晶電極CX11〜CΧnm、及び電圧レベルVcomを印加する共通電極(図示せず)により各々液晶画素が構成され、その画素をマトリクス状に配して構成される。
このように、LCDパネル1と、ソースラインS1〜Smを駆動するソースドライバSD1〜SDmからなるソースドライバ部100と、ゲートドライバGD1〜GDnの出力をスイッチSWA1〜SWΑn及びSWB1〜SWBnを介してゲートドライバ出力電圧振幅の1/2電位VGD/2と接続したゲートドライバ部110から構成し、ゲートドライバ部110において、所定のタイミングにてゲートラインG1〜GnとVGD/2レベルをショートさせることにより消費電流を低減している。
以下、上述のように構成された液晶表示装置の駆動方法を説明する。
図12はゲートドライバ部110のゲートドライバGD1〜GDnの駆動波形を示す波形図である。本液晶表示装置のゲート駆動回路は、図12に示すゲートドライバ駆動波形で駆動される。
まず、図11において、ソースドライバSD1〜SDmはソースラインS1〜Smを所定のアナログレベルに充電する。この時、同時にゲートドライバGDk(k=1,…,n)によってゲートラインGkがLレベルからHレベルになるように、また、ゲートドライバGDk-1によってゲートラインGk-1がHレベルからLレベルになるように駆動される直前にゲートドライバ部110の構成要素であるスイッチSWAk及びSWAk-1をオフ状態にし、スイッチSWBk及びSWBk-1をオン状態にすることにより、ゲートラインGk及びGk-1をゲートドライバ出力電圧振幅の1/2電位VGD/2にショートさせる。
その後、スイッチSWAk及びSWAk-1をオン状態、スイッチSWBk及びSWBk-1をオフ状態とし、ゲートドライバGDkによってゲートラインGkをHレベルになるように、また、ゲートドライバGDk-1によってゲートラインGk-1をLレベルになるように駆動する。この動作によってTRk1〜TRkmのトランジスタがオン状態、また、TRk-1〜TRk-1mのトランジスタがオフ状態になり、ソースドライバSD1〜SDmの出力レベルがソースラインS1〜Smを介してそれぞれ液晶容量CΧk1〜CXkmに充電される。これ以降のゲートラインGk+1〜Gnの駆動についても同様な動作をするため説明は省略する。
以上説明したように、第8の実施形態に係る液晶表示装置の駆動方法は、LCDパネル1と、ソースラインS1〜Smを駆動するソースドライバSD1〜SDmからなるソースドライバ部100と、ゲートドライバGD1〜GDnの出力をスイッチSWA1〜SWAn及びSWB1〜SWBnを介してゲートドライバ出力電圧振幅の1/2電位VGD/2と接続したゲートドライバ部110を備え、ゲートラインの駆動前にゲートドライバGD1〜GDnの出力を、スイッチSWΑ1〜SWAn及びSWB1〜SWBnにより切り離し、ゲートドライバ出力電圧振幅の1/2電位VGD/2にショートさせる、すなわちゲートドライバ出力がオンまたはオフする瞬間のトランジェント時にゲートラインをVGD/2にショートさせるようにしているので、各々のゲートラインに蓄積された電荷のVGD/2レベル付近までの充放電を、ショートによる電荷移動によって行うため、ゲートドライバが各々のゲートラインをΗまたはLレベルに充電する場合よりも消費電流を削減することができる。
すなわち、従来例では各ゲートラインに蓄積された電荷(特に、寄生容量CC1〜CCnの電荷)を、ゲートドドライバの能力によって移動させた上で、ゲートラインG1〜Gnを駆動するようにしていたため、ゲートドライバにはより大きな駆動能力とそれに伴う消費電流が必要であった。これに対し、本駆動方式では、ゲートラインGk及びGk-1を駆動する前にゲートドライバGDk及びGDk-1を切り離しVGD/2レベルとショートさせることによって、各ゲートラインに蓄積された電荷(特に、寄生容量CC1〜CCnの電荷)をまず減少させ、電荷減少後にゲートラインGk及びGk-1を駆動するようにしているため、ゲートドライバには本来的な駆動能力があればよく消費電流を削減することが可能になる。また、ゲートドライバの小型化・低コスト化を図ることができる。
第9の実施形態
図13は本発明の第9の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態に係る液晶表示装置の駆動方法の説明にあたり、図11と同一構成部分には同一符号を付している。
図13において、1はLCDパネルであり、LCDパネル1はそのゲートラインG1〜Gn及び各ゲートラインG1〜Gnに寄生する寄生容量CC1〜CCnを駆動するゲートドライバ部120と、ソースラインS1〜Smを駆動するソースドライバ(SD1〜SDm)部100とから構成されている。
LCDパネル1はスイッチトランジスタTR11〜TRnm、液晶電極CX11〜CXnm、及び電圧レベルVcomを印加する共通電極(図示せず)により各々液晶画素が構成され、その画素をマトリクス状に配して構成される。
ゲートドライバ部120は、ゲートラインG1〜Gn及び各ゲートラインG1〜Gnに寄生する寄生容量CC1〜CCnを駆動するゲートドライバGD1〜GDnと、ゲートドライバGD1〜GDnの出力をゲートラインG1〜Gnから切り離し、共通電極の電位VcomにショートさせるスイッチSWA1〜SWΑn及びSWB1〜SWBnとから構成されている。これらのスイッチは、例えばFET等のトランジスタにより容易にドライバ内部に作り込むことが可能である。
このように、LCDパネル1と、ソースラインS1〜Smを駆動するソースドライバSD1〜SDmからなるソースドライバ部100と、ゲートドライバGD1〜GDnの出力をスイッチSWΑ1〜SWAn及びSWB1〜SWBnを介して共通電極の電位Vcomと接続したゲートドライバ部120から構成し、ゲートドライバ部120において、所定のタイミングにてゲートラインG1〜GnとVcomレベルをショートさせることにより、消費電流を低減している。
以下、上述のように構成された液晶表示装置の駆動方法を説明する。
本液晶表示装置のゲート駆動回路は、前記図12に示すゲートドライバ駆動波形で駆動される。
図13において、ソースドライバSD1〜SDmはソースラインS1〜Smを所定のアナログレベルに充電する。この時、同時にゲートドライバGDk(k=1,…,n)によってゲートラインGkがLレベルからHレべルになるように、また、ゲートドライバGDk-1によってゲートラインGk-1がHレベルからLレベルになるように駆動される直前にゲートドライバ部120の構成要素であるスイッチSWAk及びSWAk-1をオフ状態にし、スイッチSWBk及びSWBk-1をオン状態にすることにより、ゲートラインGk及びGk-1を共通電極の電位Vcomにショートさせる。
その後、スイッチSWAk及びSWAk-1をオン状態、スイッチSWBk及びSWBk-1をオフ状態とし、ゲートドライバGDkによってゲートラインGk-1がHレベルになるように、また、ゲートドライバGDk-1によってゲートラインGk-1をLレベルになるように駆動する。この動作によってTRk1〜TRkmのトランジスタがオン状態、また、TRk-1〜TRk-1mのトランジスタがオフ状態になり、ソースドライバSD1〜SDmの出力レベルがソースラインS1〜Smを介してそれぞれ液晶容量CXk1〜CXkmに充電される。これ以降のゲートラインGk+1〜Gnの駆動についても同様な動作をするため説明は省略する。
以上説明したように、第9の実施形態に係る液晶表示装置の駆動方法は、LCDパネル1と、ソースラインS1〜Smを駆動するソースドライバSD1〜SDmからなるソースドライバ部100と、ゲートドライバGD−〜GDnの出力をスイッチSWA1〜SWAn及びSWB1〜SWBnを介して共通電極の電位Vcomと接続したゲートドライバ部120を備え、ゲートラインの駆動前にゲートドライバGD1〜GDnの出力を、スイッチSWA1〜SWAn及びSWB1〜SWBnにより切り離し、共通電極の電位Vcomにショートさせる、すなわちゲートドライバ出力がオンまたはオフする瞬間のトランジェント時にゲートラインをVcomにショートさせるようにしているので、各々のゲートラインに蓄積された電荷のVcomレベル付近までの充放電をショートによる電荷移動によって行うため、ゲートドライバが各々のゲートラインをHまたはLレベルに充電する場合よりも消費電流を削減することができる。
このように本駆動方式では、ゲートラインGk及びGk-1を駆動する前にゲートドライバGDk及びGDk-1を切り離しVcomレベルとショートさせることによって、各ゲートラインに蓄積された電荷(特に、寄生容量CC1〜CCnの電荷)をまず消滅させ、電荷消滅後にゲートラインGk及びGk-1を駆動するようにしているため、ゲートドライバには本来的な駆動能力があればよく、第8の実施形態と同様に消費電流を削減することが可能になる。
また、本実施形態では、ゲートラインGk及びGk-1を駆動する前にゲートドライバGDk及びGDk-1を切り離しショートさせる電位に、共通電極の電位Vcomレベルを用いているため、既にあるVcomレベルをそのまま用いることができ実施が容易である利点がある。
第10の実施形態
図14は本発明の第10の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態に係る液晶表示装置の駆動方法の説明にあたり、図11と同一構成部分には同一符号を付している。
図14において、1はLCDパネルであり、LCDパネル1はそのゲートラインG1〜Gn及び各ゲートラインG1〜Gnに寄生する寄生容量CC1〜CCnを駆動するゲートドライバ部130と、ソースラインS1〜Smを駆動するソースドライバ(SD1〜SDm)部100とから構成されている。
ゲートドライバ部130は、ゲートラインG1〜Gn及び各ゲートラインG1〜Gnに寄生する寄生容量CC1〜CCnを駆動するゲートドライバGD1〜GDnと、ゲートドライバGD1〜GDnの出力をゲートラインG1〜Gnから切り離し、隣接するゲートライン同士をショートさせるスイッチSWC1〜SWCn及びSWD1〜SWDn-1とから構成されている。これらのスイッチは、例えばFET等のトランジスタにより容易にドライバ内部に作り込むことが可能である。
このように、LCDパネル1と、ソースラインS1〜Smを駆動するソースドライバSD1〜SDmからなるソースドライバ部100と、ゲートドライバGD1〜GDnの出力をスイッチSWC1〜SWCn及びSWD1〜SWDn-1を介して隣接するゲートドライバ出力と接続したゲートドライバ部130から構成し、ゲートドライバ部130において、所定のタイミングにてスイッチSWC1〜SWCn及びSWD1〜SWDn-1をオンあるいはオフさせることにより、消費電流を低減している。
以下、上述のように構成された液晶表示装置の駆動方法を説明する。
本液晶表示装置のゲート駆動回路は、前記図12に示すゲートドライバ駆動波形で駆動される。
図14において、ソースドライバSD1〜SDmはソースラインS1〜Smを所定のアナログレベルに充電する。この時、同時にゲートドライバGDk(k=1,…,n)によってゲートラインGkがLレベルからHレベルになるように、また、ゲートドライバGDk-1によってゲートラインGk-1がHレベルからLレベルになるように駆動される直前にゲートドライバ部130の構成要素であるスイッチSWCk及びSWCk-1をオフ状態にし、スイッチSWDk-1をオン状態にすることにより、ゲートラインGkとGk-1をショートさせる。
その後、スイッチSWCk及びSWCk-1をオン状態、スイッチSWDk-1をオフ状態とし、ゲートドライバGDkによってゲートラインGkをHレベルになるように、また、ゲートドライバGDk-1によってゲートラインGk-1をLレベルになるように駆動する。
この動作によってTRk1〜TRkmのトランジスタがオン状態、また、TRk-1〜TRk-1mのトランジスタがオフ状態になり、ソースドライバSD1〜SDmの出力レベルがソースラインS1〜Smを介してそれぞれ液晶容量CXk1〜CXkmに充電される。これ以降のゲートラインGk+1〜Gnの駆動についても同様な動作をするため説明は省略する。
以上説明したように、第10の実施形態に係る液晶表示装置の駆動方法は、LCDパネル1と、ソースラインS1〜Smを駆動するソースドライバSD1〜SDmからなるソースドライバ部100と、ゲートドライバGD1〜GDnのスイッチの出力をスイッチSWC1〜SWCn及びSWD1〜SWDn-1を介して隣接するゲートライン同士を接続したゲートドライバ部130を備え、ゲートラインの駆動前にゲートドライバGD1〜GDnの出力を、スイッチSWC1〜SWCn及びSWD1〜SWDn-1により切り離し、隣接するゲートライン同士をショートさせる、すなわちゲートドライバ出力がオンまたはオフする瞬間のトランジェント時にゲートドライバがオン動作しているゲートラインと次にオン動作するゲートドライバに接続されるゲートラインをショートさせるようにしているので、各々のゲートラインに蓄積された電荷のゲート駆動オン電位とゲート駆動オフ電位の中間電位レベル付近までの充放電をショートによる電荷移動によって行うため、ゲートドライバが各々のゲートラインをΗまたはLレベルに充電する場合よりも消費電流を削減することができる。
このように本駆動方式では、ゲートラインGk及びGk-1を駆動する前にゲートドライバGDk及びGDk-1を切り離しゲートラインGkとGk-1をショートさせることによって、各ゲートラインに蓄積された電荷(特に、寄生容量CC1〜CCnの電荷)をまず減少させ、電荷減少後にゲートラインGk及びGk-1を駆動するようにしているため、ゲートドライバには本来的な駆動能力があればよく消費電流を削減できることが可能になる。
特に、本実施形態では、前記第8の実施形態のようにVGD/2や、第9の実施形態のように共通電極の電位Vcomレベルをゲートドライバ部に供給しなくてもよいため極めて容易に実施が可能である。
第11の実施形態
図15は本発明の第11の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態に係る液晶表示装置の駆動方法の説明にあたり、図11と同一構成部分には同一符号を付している。
図15において、1はLCDパネルであり、LCDパネル1はそのゲートラインG1〜Gn及び各ゲートラインG1〜Gnに寄生する寄生容量CC1〜CCnを駆動するゲートドライバ部140と、ソースラインS1〜Smを駆動するソースドライバ(SD1〜SDm)部100とから構成されている。
ゲートドライバ部140は、ゲートラインG1〜Gn及び各ゲートラインG1〜Gnに寄生する寄生容量CC1〜CCnを駆動するゲートドライバGD1〜GDnと、ゲートドライバGD1〜GDnの出力をゲートラインG1〜Gnから切り離し、抵抗R1を介してゲートドライバ出力電圧振幅の1/2電位VGD/2にショートさせるスイッチSWA1〜SWAn及びSWB1〜SWBnとから構成されている。これらのスイッチ及び抵抗は、例えばFET等のトランジスタにより容易にドライバ内部に作り込むことが可能である。
このように、LCDパネル1と、ソースラインS1〜Smを駆動するソースドライバSD1〜SDmからなるソースドライバ部100と、ゲートドライバGD1〜GDnの出力をスイッチSWΑ1〜SWAn及びSWB1〜SWBnと抵抗R1を介してゲートドライバ出力電圧振幅の1/2電位VGD/2と接続したゲートドライバ部140から構成し、ゲートドライバ部140において、所定のタイミングにてゲートラインG1〜GnとVGD/2レベルを抵抗R1を介してショートさせることにより、消費電流を低減し、さらに放電時のピーク電流を低減しノイズ対策を行う。
以下、上述のように構成された液晶表示装置の駆動方法を説明する。
本液晶表示装置のゲート駆動回路は、前記図12に示すゲートドライバ駆動波形で駆動される。
図15において、ソースドライバSD1〜SDmはソースラインS1〜Smを所定のアナログレベルに充電する。この時、同時にゲートドライバGDk(k=1,…,n)によってゲートラインGkがLレベルからΗレべルになるように、また、ゲートドライバGDk-1によってゲートラインGk-1がHレベルからLレベルになるように駆動される直前にゲートドライバ部140の構成要素であるスイッチSWAk及びSWAk-1をオフ状態にし、スイッチSWBk及びSWBk-1をオン状態にすることにより、ゲートラインGk及びGk-1を抵抗R1を介してゲートドライバ出力電圧振幅の1/2電位VGD/2にショートさせる。
その後、スイッチSWAk及びSWAk-1をオン状態、スイッチSWBk及びSWBk-1をオフ状態とし、ゲートドライバGDkによってゲートラインGkをHレベルになるように、また、ゲートドライバGDk-1によってゲートラインGk-1をLレベルになるように駆動する。この動作によってTRk1〜TRkmのトランジスタがオン状態、また、TRk-11〜TRk-1mのトランジスタがオフ状態になり、ソースドライバSD1〜SDmの出力レベルがソースラインS1〜Smを介してそれぞれ液晶容量CΧk1〜CXkmに充電される。これ以降のゲートラインGk+1〜Gnの駆動についても同様な動作をするため説明は省略する。
以上説明したように、第11の実施形態に係る液晶表示装置の駆動回路及びその駆動方法では、ゲートラインの駆動前にゲートドライバGD1〜GDnの出力を、スイッチSWA1〜SWΑn及びSWB1〜SWBnにより切り離し、抵抗R1を介してゲートドライバ出力電圧振幅の1/2電位VGD/2にショートさせるようにしているので、各々のゲートラインに蓄積された電荷のVGD/2レベル付近までの充放電をショートによる電荷移動によって行うため、ゲートドライバが各々のゲートラインをHまたはLレベルに充電する場合よりも消費電流を削減することができ、さらにピーク電流を低減しノイズ対策を行うことができる。
すなわち、各ゲートラインG1〜Gnを共通電極の電位レベルVcomとショートさせる時、電荷の移動が早すぎると、ソースラインとゲートラインの交差部分等でのライン間の寄生容量によりゲートラインのレベルが影響され誤動作の原因となる。この現象はゲートドライバから遠いスイッチトランジスタに発生しやすい。この現状を回避するため、本実施形態では電荷移動を抵抗R1を介して行うことにより電荷の移動を制御しピーク電流を抑えている。したがって、第8の実施形態の効果に加えて、ピーク電流を低減しノイズによる誤動作を防ぐことが可能になる。
第12の実施形態
図16は本発明の第12の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態に係る液晶表示装置の駆動方法の説明にあたり、図13と同一構成部分には同一符号を付している。
図16において、1はLCDパネルであり、LCDパネル1はそのゲートラインG1〜Gn及び各ゲートラインG1〜Gnに寄生する寄生容量CC1〜CCnを駆動するゲートドライバ部150と、ソースラインS1〜Smを駆動するソースドライバ(SD1〜SDm)部100とから構成されている。
ゲートドライバ部150は、ゲートラインG1〜Gn及び各ゲートラインG1〜Gnに寄生する寄生容量CC1〜CCnを駆動するゲートドライバGD1〜GDnと、ゲートドライバGD1〜GDnの出力をゲートラインG1〜Gnから切り離し、抵抗R1を介して共通電極の電位VcomにショートさせるスイッチSWΑ1〜SWΑn及びSWB1〜SWBnとから構成されている。これらのスイッチ及び抵抗は、例えばFET等のトランジスタにより容易にドライバ内部に作り込むことが可能である。
このように、LCDパネル1と、ソースラインS1〜Smを駆動するソースドライバSD1〜SDmからなるソースドライバ部100と、ゲートドライバGD1〜GDnの出力をスイッチSWΑ1〜SWΑn及びSWB1〜SWBnと抵抗R1を介して共通電極の電位Vcomと接続したゲートドライバ部150から構成し、ゲートドライバ部150において、所定のタイミングにてゲートラインG1〜GnとVcomレベルを抵抗R1を介してショートさせることにより、消費電流を低減し、さらに放電時のピーク電流を低減しノイズ対策を行う。
以下、上述のように構成された液晶表示装置の駆動方法を説明する。
本液晶表示装置のゲート駆動回路は、前記図12に示すゲートドライバ駆動波形で駆動される。
図16において、ソースドライバSD1〜SDmはソースラインS1〜Smを所定のアナログレベルに充電する。この時、同時にゲートドライバGDk(k=1,…,n)によってゲートラインGkがLレベルからHレベルになるように、また、ゲートドライバGDk-1によってゲートラインGkがHレベルからLレベルになるように駆動される直前にゲートドライバ部150の構成要素であるスイッチSWAk及びSWAk-1をオフ状態にし、スイッチSWBk及びSWBk-1をオン状態にすることにより、ゲートラインGk及びGk-1を抵抗R1を介して共通電極の電位Vcomにショートさせる。
その後、スイッチSWAk及びSWAk-1をオン状態、スイッチSWBk及びSWBk-1をオフ状態とし、ゲートドライバGDkによってゲートラインGkをHレベルになるように、また、ゲートドライバGDk-1によってゲートラインGk-1をLレベルになるように駆動する。
この動作によってTRk1〜TRkmのトランジスタがオン状態、またTRk-1〜TRk-1mのトランジスタがオフ状態になり、ソースドライバSD1〜SDmの出力レベルがソースラインS1〜Smを介してそれぞれ液晶容量CΧk1〜CXkmに充電される。これ以降のゲートラインGk+1〜Gnの駆動についても同様な動作をするため説明は省略する。
以上説明したように、第12の実施形態に係る液晶表示装置の駆動回路及びその駆動方法は、ゲートラインの駆動前にゲートドライバGD1〜GDnの出力を、スイッチSWA1〜SWΑn及びSWB1〜SWBnにより切り離し、抵抗R1を介して共通電極の電位Vcomにショートさせるようにしているので、各々のゲートラインに蓄積された電荷のVcomレベル付近までの充放電をショートによる電荷移動によって行うため、ゲートドライバが各々のゲートラインをHまたはLレベルに充電する場合よりも消費電流を削減することができ、さらに上述した第11の実施形態の場合と同様な理由によりピーク電流を低減させることができノイズ対策を行うことができる。
したがって、第9の実施形態の効果に加えて、さらにピーク電流を低減しノイズによる誤動作を防ぐことが可能になる。
第13の実施形態
図17は本発明の第13の実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態に係る液晶表示装置の駆動方法の説明にあたり、図14と同一構成部分には同一符号を付している。
図17において、1はLCDパネルであり、LCDパネル1はそのゲートラインG1〜Gn及び各ゲートラインG1〜Gnに寄生する寄生容量CC1〜CCnを駆動するゲートドライバ部160と、ソースラインS1〜Smを駆動するソースドライバ(SD1〜SDm)部100とから構成されている。
ゲートドライバ部160は、ゲートラインG1〜Gn及び各ゲートラインG1〜Gnに寄生する寄生容量CC1〜CCnを駆動するゲートドライバGD1〜GDnと、ゲートドライバGD1〜GDnの出力をゲートラインG1〜Gnから切り離し、抵抗R2を介して隣接するゲートライン同士をショートさせるスイッチSWC1〜SWCn及びSWD1〜SWDn-1とから構成されている。これらのスイッチ及び抵抗は、例えばFET等のトランジスタにより容易にドライバ内部に作り込むことが可能である。
このように、LCDパネル1と、ソースラインS1〜Smを駆動するソースドライバSD1〜SDmからなるソースドライバ部100と、ゲートドライバGD1〜GDnの出力をスイッチSWC1〜SWCn及びSWD1〜SWDn-1と抵抗R2を介して隣接するゲートライン同士を接続したゲートドライバ部160から構成し、ゲートドライバ部160において、所定のタイミングにて隣接するゲートライン同士を抵抗R2を介してショートさせることにより、消費電流を低減し、さらに放電時のピーク電流を低減しノイズ対策を行う。
以下、上述のように構成された液晶表示装置の駆動方法を説明する。
本液晶表示装置のゲート駆動回路は、前記図12に示すゲートドライバ駆動波形で駆動される。
図17において、ソースドライバSD1〜SDmはソースラインS1〜Smを所定のアナログレベルに充電する。この時、同時にゲートドライバGDk(k=1,…,n)によってゲートラインGkがLレベルからHレベルになるように、また、ゲートドライバGDk-1によってゲートラインGk-1がΗレベルからLレベルになるように駆動される直前にゲートドライバ部160の構成要素であるスイッチSWCk及びSWCk-1をオフ状態にし、スイッチSWDk-1をオン状態にすることにより、ゲートラインGkとGk-1を抵抗R2を介してショートさせる。
その後、スイッチSWCk及びSWCk-1をオン状態、スイッチSWDkをオフ状態とし、ゲートドライバGDkによってゲートラインGkをHレベルになるように、また、ゲートドライバGDk-1によってゲートラインGk-1をLレベルになるように駆動する。
この動作によってTRk1〜TRkmのトランジスタがオン状態、また、TRk-11〜TRk-1mのトランジスタがオフ状態になり、ソースドライバSD1〜SDmの出力レベルがソースラインS1〜Smを介してそれぞれ液晶容量CXk1〜CXkmに充電される。これ以降のゲートラインGk+1〜Gnの駆動についても同様な動作をするため説明は省略する。
以上説明したように、第13の実施形態に係る液晶表示装置の駆動回路及びその駆動方法は、LCDパネル1と、ソースラインS1〜Smを駆動するソースドライバSD1〜SDmからなるソースドライバ部100と、ゲートドライバGD1〜GDnの出力をスイッチSWC1〜SWCn及びSWD1〜SWDn-1と抵抗R2を介して隣接するゲートライン同士を接続したゲートドライバ部160を備え、ゲートラインの駆動前にゲートドライバGD1〜GDnの出力を、スイッチSWC1〜SWCn及びSWD1〜SWDn-1により切り離し、抵抗R2を介して隣接するゲートライン同士をショートさせるようにしているので、各々のゲートラインに蓄積された電荷のゲート駆動オン電位とゲート駆動オフ電位の中間電位レベル付近までの充放電をショートによる電荷移動によって行うため、ゲートドライバが各々のゲートラインをHまたはLレベルに充電する場合よりも消費電流を削減することができ、ピーク電流を低減しノイズ対策を行うことができる。
したがって、第10の実施形態の効果に加えて、さらにピーク電流を低減しノイズによる誤動作を防ぐことが可能になる。
このような優れた特長を有する液晶表示装置の駆動回路及びその駆動方法を、各種液晶表示パネルのドライバ等に適用すれば、この液晶表示装置を用いた液晶表示装置においてより低消費電流で高品位な表示を行うことができる。
なお、上記各実施形態に係る液晶表示装置の駆動回路及びその駆動方法を、例えば液晶テレビに適用することができるが、これに限定されるものではなく、マトリックス状に配置した液晶表示部を駆動する装置であれば他の装置、例えば液晶プロジェクタ等の液晶表示装置に用いてもよいことは勿論である。
また、上記各実施形態では、駆動の一例として図2、図3、図9、図10、図12の波形を示したが、駆動波形はどのような波形及び駆動方式であってもよいことは言うまでもない。
さらに、上記液晶表示装置を構成するスイッチング素子、抵抗、ドライバ回路等の種類、数などは前述した各実施形態に限られないことは言うまでもない。例えば、アクティブマトリックスパネルとしてTFT型液晶パネルを用いているが、薄膜ダイオード(thin film diode)に適用してもよい。また、スイッチング素子としてTFT素子を用いているが、MIM、ダイオード等の非線形素子にも適用できる。
1 LCDパネル、 10,110,120,130,140,150,160 ゲートドライバ部、 20,30,40,50,60,70,100 ソースドライバ部、 G1〜Gn ゲートライン、 S1〜Sm ソースライン、 CC1〜CCm,CC1〜CCn 寄生容量、 SD1〜SDm ソースドライバ、 SWA1〜SWAm,SWB1〜SWBm,SWC1〜SWCm,SWD1〜SWDm,SWA1〜SWAn,SWB1〜SWBn,SWC1〜SWCn,SWD1〜SWDn スイッチ、 Vcom 共通電極の電位、 VSD/2 ソースドライバ出力の1/2電位、 VGD/2 ゲートドライバ出力の1/2電位、 R1,R2 抵抗