JP4308032B2 - リジットフレックス基板及びその製造方法並びに補修方法 - Google Patents
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このRPC1aは、導体配線層4と絶縁層5とを交互に積層した構造で、これら導体配線層4、…は、スルーホール6に充填された導電材7及び導体配線層4、…間に形成された導電材8により電気的に接続され、かつ、コネクタ3aを介してFPC2の一端部に電気的に接続されている。
また、RPC1bもRPC1aと全く同様の構造のもので、このRPC1bの導電材7には、FPC2の他端部がコネクタ3bを介して電気的に接続されている。
このFPC2の各配線は、RPC1a、1bそれぞれの導電材7、7に直接電気的に接続されている。
特に、近年における電子機器の小型化、省スペース化、高性能化に伴い、一体成形により接続部レスとしたRF基板が多く用いられるようになってきている。
例えば、図16に示すように、RPC1a、1bの間にFPC2aを、RPC1a、1cの間にFPC2bを、それぞれ一体成形して電気的に接続した構造で、一部のRPC、例えばRPC1bに不具合が生じた場合、このRPC1bのみを他のRPCと交換することができず、RPC1a〜1c全体が不良になってしまうことになる。
この問題は、1つの回路基板の不具合が高価な製品全体を不良品にしてしまうことから、特に、複数個のRPCを二次元あるいは三次元的に集積化した積層構造において、特に大きな問題である。
本発明に係るリジットフレックス基板は、RPC(リジットプリント回路基板)とFPC(フレキシブルプリント配線板)が接着されるとともに電気的に接続されて一体化された第一回路部品と第二回路部品を備え、該第一回路部品と該第二回路部品を構成するFPC同士を電気的に接続し一体化してなるリジットフレックス基板であって、
前記FPCのうち少なくとも一方は、その一部が屈曲されかつ重ね合わされた余長部を有することを特徴とする。
しかも、可撓性を有する配線基材の一部を屈曲しかつ重ね合わせたことにより、回路基板を交換する際に、この屈曲しかつ重ね合わせた部分(余長部)を伸張させることにより、2つの回路基板間の間隔を当初の間隔に合わせることが可能になり、設計変更等を行う必要が無くなる。
その際、前記FPCは何れも、位置合わせ用のマークまたは穴を備えていることが好ましい。これにより、後述する補修方法において、一方の回路部品(第二回路部品)を新たな回路部品(第三回路部品)と交換する際に、この新たな回路部品(第三回路部品)と他方の回路部品(第一回路部品)との間の間隔を容易に設定できる。
また、前記余長部は、重ね合わされた部位において、互いが接していることが好ましい。これにより、余長部の重ね合わされた部位が最も薄く構成されるので、電子機器に搭載された場合に、電子器機の小型化や省スペース化に寄与する。
この様な構成とすることにより、不具合の生じた回路基板を不具合の無い回路基板と交換した際の、この回路基板の位置決めが容易になり、その位置決めの精度も向上する。
この様な構成とすることにより、回路基板の位置決めがさらに容易になり、その位置決めの精度もさらに向上する。
なお、前記工程A1において、前記FPCの作製時に同時に、あるいは前記FPCの作製後に、位置合わせ用のマークまたは穴を形成してもよい。
なお、前記工程B1において、前記FPCの作製時に同時に、あるいは前記FPCの作製後に、位置合わせ用のマークまたは穴を形成してもよい。
特に、第一回路部品と第二回路部品を構成するFPCに何れも、位置合わせ用のマークまたは穴が備えられていれば、工程γにおいて、接合後における第一回路部品と第三回路部品との間隔を予め設定された値の範囲に設定する際に、前記位置合わせ用のマークまたは穴を用いることにより、第一回路部品のRPCと第三回路部品のRPCとの間隔の設定を容易に行うことができる。
ゆえに、一方の回路基板(例えば第二回路部品のRPC)に不具合が生じた場合においても、この回路基板(第二回路部品のRPC)をその配線基材(第二回路部品のFPC)の部分で切断した後、この回路基板(第二回路部品のRPC)を不具合の無い回路基板(例えば第二回路部品と同一仕様の第三回路部品のRPC)と交換し、この不具合の無い回路基板(第三回路部品のRPC)の配線基材(FPC)を、残された回路基板(第一回路部品のRPC)の配線基材(FPC)に電気的に接続することにより、製品としての不良率の低減を図ることができ、その結果、製品の低価格化を図ることができる。
しかも、可撓性を有する配線基材(第一回路部品のFPC)はその一部に屈曲しかつ重ね合わせた余長部を有するので、回路基板を交換する際に、この屈曲しかつ重ね合わせた部分(余長部)を伸張させることで、2つの回路基板(第一回路部品のRPCと第三回路部品のRPC)間の間隔を所定の間隔に容易に合わせることができ、設計変更等を行う必要も無い。
また、これらの実施形態では、発明の趣旨を容易に理解し易い様に、各構成要素の寸法等を実際とは異ならしめている。
図1は、本発明の第1の実施形態のリジットフレックス基板(RF基板)を示す平面図、図2は同リジットフレックス基板のフレキシブルプリント配線板の中央部を示す側面図である。
図において、符号11、12はリジットプリント回路基板(以下、RPCと略称する)、13はRPC11、12に異方導電性の接着剤や接着シートを介して接着すると同時に両者の配線部同士が電気的に接続されて一体化されたフレキシブルプリント配線板(以下、FPCと略称する:可撓性を有する配線基材)である。
なお、このFPC13の中央部付近を断面N字型に屈曲して重ね合わせて余長部14とした後に、このFPC13とRPC11、12とを一体化してもよい。
また、位置決め用の穴15は、FPC13作製時に予め形成しておいてもよい。
ここでは、一方のRPC12に不具合が生じた場合について説明する。
図3(a)に示すように、RPC12に断線不良あるいはオープン不良等の不具合が生じた場合、押し切りカッター等の物理的切断手段を用いて、FPC13の余長部14がRPC11側に残る様にFPC13を切断16し、不具合が生じたRPC12を取り除く。
この切断16後のFPC13の端部処理は、レーザ加工もしくは機械的剥離により導体部分を露出させ、その後表面処理を施すことで行われる。
ここで、接合後のRPC11とRPC17との間隔が予め設定された値の範囲内であれば、これらの間隔を直す必要はないが、RPC11とRPC17との間隔が予め設定された値の範囲内でなかった場合には、図3(c)に示すように、余長部14を必要な長さだけ伸張させることによりRPC11とRPC17との間隔を予め設定された値とすることができる。
このRPC11とRPC17との間隔を設定する際に、位置決め用の穴15を用いれば、間隔の設定を容易に行うことができる。
しかも、FPC13の中央部付近に、断面N字型に屈曲されかつ重ね合わされた余長部14を形成したので、RPC12(または11)をRPC17に交換する際に、この余長部14を必要に応じて伸張させることにより、RPC12(または11)とRPC17との間隔を所定の間隔に合わせることができ、設計変更等を行う必要がない。
また、RPC12を新たなRPC17に交換した後、余長部14を伸張させることにより、RPC12(または11)とRPC17との間隔を所定の間隔とするので、RPC12(または11)とRPC17との間隔を所定の間隔に容易に合わせることができ、この補修に要する時間を短縮することができ、設計変更等を行う必要も無い。
図4は、本発明の第2の実施形態のリジットフレックス基板(RF基板)を示す平面図、図5は図4のA−A線に沿う断面図、図6は同リジットフレックス基板のフレキシブルプリント配線板の中央部を示す側面図であり、図において、符号21、22は第一回路部品、第二回路部品である。
RPC31は、例えば、エポキシ樹脂及びガラス繊維からなる複合材料を主成分とする可撓性を有しない絶縁性のエポキシガラス繊維樹脂基板(EGF)の片面もしくは両面に銅(Cu)箔をエッチングして所定の回路配線とした配線部が形成され、この配線部上にエポキシ樹脂(ER)、ポリイミド(PI)等の絶縁性樹脂が被覆されている。
ここでは、上記の第二回路部品22も第一回路部品21と全く同様の構成であり、したがって、第一回路部品21のFPC32と、第二回路部品22のFPC32とは、同じ回路ピッチとなる。
これら回路部品21、22のFPC32、32の端部同士は、超音波を用いた拡散接合法、半田接合法等、通常用いられる基板接合技術を用いて電気的に接続された接合部38とされている。
まず、RPC31とFPC32が接着剤や接着シート等を介して接着されると同時に両者の配線部同士が電気的に接続されて一体化された回路部品21、22をそれぞれ作製する(工程A1)。なお、FPC32の作製時に位置決め用の穴25も同時に形成しておく。この穴25は、FPC32の最終形状を作るために打ち抜き(プレス)加工を施す際に、同時に形成すればよい。なお、穴25に代えてマークを形成してもよい。
次いで、機械加工により、第一回路部品21のFPC32の中央部付近を断面N字型に屈曲して重ね合わせ、余長部24を形成する(工程A2)。
上述した製法Aとは異なり、余長部24の形成を、それぞれのFPC32、32の端部の配線部同士を接合した後に行ってもよい(製法B)。
また、位置決め用の穴25は、FPC32作製後に別途形成してもよい。
ここでは、第二回路部品22に不具合が生じた場合について説明する。
図7(a)に示すように、第二回路部品22のRPC31に断線不良あるいはオープン不良等の不具合が生じた場合、第一回路部品21を構成するFPC32の余長部24が第一回路部品21側に残る様に、押し切りカッター等の物理的切断手段を用いて第二回路部品22のFPC32を切断39し、不具合が生じた第二回路部品22を取り除く(工程α)。
次いで、図7(b)に示すように、不具合が生じた第二回路部品22と同一仕様の第三回路部品27を第一回路部品21に対向配置させ、第三回路部品27のFPC32と第一回路部品21のFPC32とを、超音波を用いた拡散接合法、半田接合法等、通常用いられる基板接合技術を用いて接合し、接合部38とする(工程β)。
この第一回路部品21と第三回路部品27間の間隔を設定する際に、位置決め用の穴25を用いれば、間隔の設定を容易に行うことができる。
また、第一回路部品21と第二回路部品22を接合した後、第一回路部品21のFPC32に余長部24を設ける製法Bによっても、製法Aと同様に、本実施形態のリジットフレックス基板を簡単な装置を用いて容易に作製することができる。
また、第二回路部品22のRPC31を新たな第三回路部品27のRPC31に交換した後、余長部24を伸張させることにより、第一回路部品21のRPC31と第三回路部品27のRPC31との間隔を所定の間隔とするので、第一回路部品21のRPC31と第三回路部品27のRPC31との間隔を、補修前の所定の間隔(第一回路部品21のRPC31と第二回路部品22のRPC31の間隔)に容易に合わせることができ、この補修に要する時間を短縮することができ、設計変更等を行う必要も無い。
図9は、本発明の第3の実施形態のリジットフレックス基板を示す平面図、図10は図9のB−B線に沿う断面図、図11は同リジットフレックス基板を構成する回路部品を示す断面図、図12は同リジットフレックス基板のフレキシブルプリント配線板の中央部を示す側面図であり、図において、符号41、42は回路部品、43は回路部品41、42の接合部である。
リジット部51は、例えば、エポキシ樹脂及びガラス繊維からなる複合材料を主成分とする可撓性を有しない絶縁性のエポキシガラス繊維樹脂基板(EGF)61の両面に銅(Cu)箔をエッチングして所定の回路配線とした銅配線部62、62が形成され、上方の銅配線部62には接着剤層63を介してポリイミド層64が形成されている。
この金属メッキ層76としては、超音波接合の場合、金(Au)メッキ層、銅(Cu)膜の表面を還元処理して得られた銅(Cu)層のいずれかが好適に用いられ、また、拡散接合の場合、錫(Sn)メッキ層、半田メッキ層のいずれかが好適に用いられる。
これらフレキシブル部52、52の金属メッキ層76、76同士は、超音波を用いた拡散接合法、半田接合法等、通常用いられる基板接合技術を用いて電気的に接続された接合部43とされている。
まず、リジット部51とフレキシブル部52が電気的に接続され一体化された回路部品21、22をそれぞれ作製し、次いで、これらの回路部品41、42それぞれのフレキシブル部52の中央部付近に、折り曲げ加工により余長部81を形成し、この余長部81が形成された回路部品41、42同士を、そのフレキシブル部52、52の端部の配線部同士が接するように、これらを対向配置し、次いで、超音波を用いた拡散接合法、半田接合法等、通常用いられる基板接合技術を用いてフレキシブル部52、52の金属メッキ層76、76同士を接合し、電気的に接続された接合部43とする。
余長部81の形成は、フレキシブル部52、52の端部同士を接合した後に行ってもよい。
ここでは、回路部品42に不具合が生じた場合について説明する。
図13(a)に示すように、回路部品42のリジット部51に断線不良あるいはオープン不良等の不具合が生じた場合、押し切りカッター等の物理的切断手段を用いて接合部43の両側のフレキシブル部52、52を切断91、91し、不具合が生じた回路部品42を取り除く。
以上により、回路基板の接続構造の補修を行うことができる。
また、銅配線部73のピッチについて調べたところ、端子間のピッチが0.3mm以上であれば、補修可能であることが分かった。
本実施形態においても、第2の実施形態と同様の効果を奏することができる。
Claims (9)
- RPCとFPCが接着されるとともに電気的に接続されて一体化された第一回路部品と第二回路部品を備え、該第一回路部品と該第二回路部品を構成するFPC同士を電気的に接続し一体化してなるリジットフレックス基板であって、
前記FPCのうち少なくとも一方は、その一部が屈曲されかつ重ね合わされた余長部を有することを特徴とするリジットフレックス基板。
- 前記FPCは何れも、位置合わせ用のマークまたは穴を備えることを特徴とする請求項1に記載のリジットフレックス基板。
- 前記余長部は、重ね合わされた部位において、互いが接していることを特徴とする請求項1に記載のリジットフレックス基板。
- RPCとFPCが接着されるとともに電気的に接続されて一体化された第一回路部品と第二回路部品を作製する工程A1、
前記第一回路部品を構成するFPCの中心部付近を断面N字型に屈曲して重ね合わせて余長部を形成する工程A2、及び、
前記第一回路部品を構成する余長部が形成されたFPCの端部の配線部と、前記第二回路部品を構成するFPCの端部の配線部とが接するように、これらを対向配置し、FPC同士を接合し、電気的に接続された接合部を形成する工程A3、
を備えたことを特徴とするリジットフレックス基板の製造方法。
- 前記工程A1において、前記FPCの作製時に同時に、あるいは前記FPCの作製後に、位置合わせ用のマークまたは穴を形成することを特徴とする請求項4に記載のリジットフレックス基板の製造方法。
- RPCとFPCが接着されるとともに電気的に接続されて一体化された第一回路部品と第二回路部品を作製する工程B1、
前記第一回路部品を構成するFPCの端部の配線部と、前記第二回路部品を構成するFPCの端部の配線部とが接するように、これらを対向配置し、FPC同士を接合し、電気的に接続された接合部を形成する工程B2、及び、
前記第一回路部品を構成するFPCの中心部付近を断面N字型に屈曲して重ね合わせて余長部を形成する工程B3、
を備えたことを特徴とするリジットフレックス基板の製造方法。
- 前記工程B1において、前記FPCの作製時に同時に、あるいは前記FPCの作製後に、位置合わせ用のマークまたは穴を形成することを特徴とする請求項6に記載のリジットフレックス基板の製造方法。
- RPCとFPCが接着されるとともに電気的に接続されて一体化された第一回路部品と第二回路部品を備え、前記第一回路部品を構成するFPCに、その中心部付近を断面N字型に屈曲して重ね合わせた余長部が設けられており、かつ、前記第一回路部品と前記第二回路部品を構成するFPC同士を電気的に接続し一体化してなるリジットフレックス基板の補修方法であって、
前記第二回路部品を構成するRPCに不具合が生じた場合、前記余長部が前記第一回路部品側に残るように、前記第二回路部品のFPCを切断し、該第二回路部品を取り除く工程α、
不具合が生じた第二回路部品と同一仕様の第三回路部品を用意し、前記第一回路部品を構成する余長部が残されたFPCの端部の配線部と、前記第三回路部品を構成するFPCの端部の配線部とが接するように、これらを対向配置し、FPC同士を接合し、電気的に接続された接合部を形成する工程β、及び、
接合後における第一回路部品と第三回路部品との間隔が予め設定された値の範囲より外れていた場合、前記余長部を必要な長さだけ伸張させる工程γ、
を備えたことを特徴とするリジットフレックス基板の補修方法。
- 前記第一回路部品と前記第二回路部品を構成するFPCには何れも、位置合わせ用のマークまたは穴が備えられており、
前記工程γにおいて、接合後における第一回路部品と第三回路部品との間隔を予め設定された値の範囲に設定する際に、前記位置合わせ用のマークまたは穴を用いることを特徴とする請求項8に記載のリジットフレックス基板の補修方法。
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