JP4307939B2 - 棒体とフレーム部材の接続構造 - Google Patents
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すなわち、ルーバーaの幅方向の中央にルーバーaの長手方向に亘るように回転軸bを一体に装着し、回転軸bの長手方向の端部を軸受けフレームcに回転自在に装着して構成したものである(図9参照)。
<1>棒体とフレーム部材との接続構造を溶接接合やボルト接合等で緊結した場合、フレーム部材によって構成されるフレーム架構が変形した際に接合部には過度の応力が生じ得る。棒体が硬い部材として成形されている場合に、該棒体のうち棒体とフレーム部材との接合部近傍には過度の応力が生じ、棒体の破損につながり得る。
<2>ルーバー内においてルーバーの長手方向に貫通して回転軸を設け、かかる回転軸の端部をフレーム部材に接続して構成した場合、地震時水平力などの外的要因でフレーム架構が変形した場合、回転軸とフレーム架構の接続部および回転軸において変形および損傷が生じる可能性が極めて高い。
<3>ルーバー内においてルーバーの長手方向に貫通して回転軸を設け、かかる回転軸の端部をフレーム部材に接続して構成した場合、ルーバーとフレーム架構の取り付け作業に時間がかかるとともに、ルーバーのメンテナンス時に容易にルーバーのみをフレーム架構から取り外すことができない。
<1>フレーム部材から構成されるフレーム架構の変形に対して、フレーム部材に接続した棒体には過度の応力が生じない。また、棒体はその軸方向および上下方向および軸方向回りのフレーム架構の変形に追随することができる。
<2>ルーバーとフレーム架構の取り付けが容易であり、ルーバーのメンテナンス時に容易にルーバーのみをフレーム架構から取り外すことができる。したがって、フレーム架構およびルーバー設置時の施工性に優れ、工期の短縮を実現できるとともに、ルーバーメンテナンス時の作業時間も短縮できる。
本発明は、棒体2とフレーム部材4の接続構造1に関するものである。ここで、フレーム部材4とは鉛直部材および水平部材にて構成されたフレーム架構を構成する各部材のことをいう。かかるフレーム部材4、例えば鉛直部材間に鉛直部材に垂直方向に延びる棒体2を設置する際に構成される棒体2とフレーム部材4の接続部11の接続構造1についてその分解斜視図を図1に示す。
なお、かかる空隙6(挿入孔22の内空及び棒状体31の直径との関係)は想定する層間変形に応じて適宜決定できる。例えば、フレーム架構の層間変形を1/50と設定した場合、挿入孔22内に挿入された棒状体31の長さ(棒体2の延伸方向長さに補正した長さ)と空隙6の鉛直方向長さを1/50以上となるように製作するのが好ましい。
そのほか、一つの棒体2ごとに貫通部材7を設置することもできる。すなわち、2本のフレーム部材4,4間に棒体2を設置後、一方のフレーム部材4の貫通孔42から貫通部材7を他方の貫通孔42まで通して貫通部材7を設置するものである。
さらに、貫通孔23に例えば鉄筋などの貫通部材7を設置した状態で注入材72を注入固化させることもできる。かかる場合、鉄筋長さを棒体2の両端面21,21間長さ以上とする必要は必ずしもない。挿入孔22内に一定長さの貫通部材7(鉄筋など)を挿入した状態で、注入材7(例えばモルタルなど)を注入固化させておくことにより、棒体2がその途中で破断した場合でも鉄筋及び固化したモルタルにより破断片が落下する可能性は極めて低くなる。
棒体2は、例えばビルの窓の外側に設けるブラインドとなるルーバーとして使用することができる(図3参照)。
ルーバーは、窯業建材にて製作することができる。ここで、窯業建材とは、例えばセラミック製材料などをいう。また、さらにガラス製材料などにて製作することも可能である。
なお、フレーム架構は、図4に示すように窓91から所定の間隔を備えて設置するのが好ましい。例えば、窓91の清掃やメンテナンスなどの作業ができる程度の間隔を設けておくことにより安全なメンテナンス作業等を実現できる。
また、図5に示すように鉛直方向の2本のフレーム部材4,4を1フロアー高さ程度に製作し、ルーバーも予め工場にて設置して一ユニットを構成し現場にて設置することもできる。かかる縦長の一ユニットを使用する場合は、上記フレーム架構を構成する上下の水平材は設けない構成とするのが好ましい。層間変形に対する一ユニットの可撓性を向上させることができるからである。なお、水平方向に隣接設置した各ユニット間の接合は、隣接する鉛直方向のフレーム部材4,4同士をボルト接合するのがよい。
もっとも、断面形状は長方形や正方形、丸型、楕円形など多様に選定できる。
また、ビルが高層化した場合でも窓の外側に防護柵としてルーバーが設置されていることから高層ビルにおいても開閉式の窓を設置でき、直接外気を室内に供給することが可能となる。かかる外気の供給は冷房負荷の低減につながり、上記する熱量供給効果とともに一年を通して省エネを実現できる。
ルーバーは上記する省エネ性能に加えて、そのデザイン性から優れた景観への効果を実現できる。すなわち、セラミック製のルーバーはその外観がレンガ風のイメージを想起させ得る。したがって、往々にして硬く、冷たいイメージを与えるビルの表面を淡い土色で飾ることによって、ビルのイメージを和らげることができ、ひいてはビル群によって構成される街のイメージを一新することができる。
さらに、棒体2(ルーバー)をフレーム部材4から容易に取り外して迅速なメンテナンスが可能である。
板材3は例えば鋼材にて製作し、その表面にボルト孔33及び貫通部材7が貫通する貫通孔32を備えて成形する。図1においては、板材3の実施例を示しているが、その形状は棒体2(ルーバー)を所定の角度でフレーム部材4に設置した際に棒体2の断面形状が板材3の表面形状に収まる程度に所要の切欠きを施すのが好ましい。図1の実施例では、ルーバーの傾きに応じて一つの隅角部を斜めに切り欠いて成形している。
板材3の表面には、例えば鋼材にて製作した複数の棒状体31,31を板材3表面に垂直に溶着することのほか、ネジ込み式に接合することも可能である。
弾性体5は、棒状体31と挿入孔22の間に形成した空隙6に充たして構成することにより、地震時水平力などの外的要因で生じ得るフレーム架構の層間変形に対して接続部11を追随可能とするとともに棒状体31と挿入孔22の内空面との衝突音の発生を防止するために設けることができる。ここで、接続部11を追随可能とするとは、弾性体5の材質が備えた弾性性能によって、フレーム部材4の上下移動及び横方向への傾斜に応じた棒状体31の上下移動及び横方向への傾斜によって生じる局部的な支圧応力を弾性筒体5によって吸収可能とすることをいう。
弾性体5としては、例えば、内空を棒状体31の外径程度とし、外径を挿入孔22の内径程度とし、所定の長さを備えて成形した筒体51を一実施例とすることができる(図6参照)。
11・・接合部
2・・・棒体
21・・端面
22・・挿入孔
23・・貫通孔
3・・・板材
31・・棒状体
4・・・フレーム部材
5・・・弾性体
6・・・隙間
71・・貫通部材
72・・注入材
Claims (4)
- 棒体の両端を該棒体の延伸方向と略垂直方向に延びたフレーム部材に接続する棒体とフレーム部材の接続構造であって、
前記棒体の両端面に設けた該棒体の延伸方向に所定長さ延びた挿入孔と、
前記フレーム部材に着脱可能に設けた板材と、からなり、
前記板材には該板材表面に前記挿入孔に挿入可能な棒状体を設けてなり、
前記挿入孔に前記棒状体を挿入させた際に該挿入孔と該棒状体の間に空隙を形成するように構成してなり、
前記空隙のうち、前記端面から所定長さ区間を弾性体で充たして棒状体の傾斜を吸収可能に構成し
前記棒体の両端面に前記板材を設置し前記板材を前記フレーム部材に設置して構成したことを特徴とする、
棒体とフレーム部材の接続構造。
- 筒体からなる前記弾性体に前記棒状体を嵌装し、
又は筒体からなる前記弾性体を前記挿入孔に嵌め込んだ状態で前記棒状体を前記筒体に嵌装して構成したことを特徴とする、
請求項1記載の棒体とフレーム部材の接続構造。
- 前記棒体は該棒体の両端面間を貫通する貫通孔を備え、
並列する複数の前記フレーム部材の間に設けた前記棒体の前記貫通孔に、
貫通部材を設置し又は該貫通部材を設置した状態で注入材を注入固化したことを特徴とする、
請求項1又は2に記載の棒体とフレーム部材の接続構造。
- 窯業建材にて製作した前記棒体をルーバーとして使用することを特徴とする、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の棒体とフレーム部材の接続構造。
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