JP4307578B2 - 画像式遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機、コイン遊技機、スロットマシンなどに代表される遊技機に関し、特に、遊技盤面を表す遊技盤面画像、遊技盤面画像上を移動する打玉画像、および遊技者に有利な遊技状態を発生させるために用いられる特定遊技部の表示画像を表示可能な表示装置を含み、この表示装置の表示状態があらかじめ定められた特定の表示状態となった場合に所定の遊技価値が付与可能となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機、コイン遊技機、スロットマシン等の遊技機として、種々の画像を表示する可変表示装置を有するものがある。可変表示装置には、例えばCRTやLCDが用いられる。そのような遊技機では、可変表示条件の成立によって、可変表示装置において図柄等の識別情報の可変表示が開始される。そして、表示結果が導出され、その表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様となった場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与可能な遊技状態となるように構成されている。また、そのような遊技機は、特定の遊技価値の付与の前提として可変表示装置によって種々の態様の可変表示を行うことによって、効果的に遊技の演出を行うように構成されている。
【0003】
さらに、CRTやLCDを用いた可変表示装置では、特定の遊技価値付与のために行われる可変表示だけでなく、遊技価値の付与とは直接関係のないいわゆるデモンストレーション的な表示等も行われる。そのような表示によって遊技をより一層面白く演出できる。
【0004】
このように、従来の遊技機では、可変表示装置による可変表示を通じて遊技の興趣を向上させるための演出が行われている。しかし、遊技機の遊技領域に備えられる可変表示装置以外の構造物は全て機械的構造物である。それらの機械的構造物は、打玉との物理的作用によってのみ動作するものである。従って、可変表示装置とは異なり、それらの機械的構造物は、あらかじめ決められている動作しか行えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の遊技機においては、可変表示装置によってのみ任意の可変表示を行うことができ、他の構造物は、機械的な構造物であるため常識的な物理的動きのみ許容されるにすぎない。可変表示装置による可変表示のみによって遊技の興趣を向上させるには限界があり、従来の遊技機において、さらに面白い変化に富んだ演出を行うことは難しいという問題があった。
【0006】
このような問題を解決するための一手段として、遊技機の遊技領域全体を表示装置によって表示することが考えられる。そのような画像表示による遊技機によれば、遊技領域中の全ての構造物が画像表示によって実現されるので、より変化に富んだ演出を行える遊技機が実現される。
従来の物理的構造物による遊技機には、打玉の入賞が決定されるとさらに物理的構造物による所定の打玉貯留部に打玉を貯留する構成のものがある。そして、貯留条件が解除されると、貯留されていた打玉は入賞口等に移送される。画像表示による遊技機では、物理的構造物による遊技機とは異なり、打玉を貯留部に貯留するか否も所定の抽選処理によって決定するのであるが、抽選の方式についてなんらの考慮も払われないと、実際に貯留部分に多数の打玉が到達したにもかかわらず貯留がなされなかったりするという不自然な遊技状態が発生してしまう。
【0007】
本発明はそのような問題を解消するためになされたものであって、打玉を貯留する貯留手段部を表示する画像表示による遊技機において、打玉の動きに即した遊技状態を実現できる遊技機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明による画像式遊技機は、開放状態または閉成状態に表示される大入賞口を含む遊技盤面画像における遊技状態を制御する遊技制御手段と、遊技制御手段の制御に応じて遊技盤面画像における表示制御を行う画像表示制御手段とを備え、遊技制御手段は打球軌跡、入賞/非入賞(入賞するかしないかの決定)および当たり/はずれ(当たりとするかしないかの決定)等の遊技に関する各事項を打球の発射のタイミングで決定する決定手段を含み、決定手段は、打球の入賞/非入賞を決定する入賞決定手段とを有し、入賞決定手段は、打球が発射されてから大入賞口、特定の入賞口もしくはそれら以外の入賞口に入賞するまでの複数種類の打球のルートおよび排出口に至る複数種類の打球のルートが設定された遊技盤面ルートテーブルを備え、排出口に至る打球のルートを遊技盤面ルートテーブルから選択することによって打球の非入賞を決定し、大入賞口、特定の入賞口またはそれら以外の入賞口に入賞する打球のルートを遊技盤面ルートテーブルから選択することによって打球の入賞を決定し、打球の発射のタイミングで大入賞口が開放状態に表示されているときに大入賞口に入賞する打球のルートを選択対象とし、選択した打球のルートが大入賞口に入賞するルートである場合に、選択されうるルートの各々における大入賞口、特定の入賞口、それら以外の入賞口または排出口までの打球の到達時間が設定されたルート別時間テーブルを参照して当該ルートの打球が大入賞口に到達するまでの時間が大入賞口が閉成状態に表示変更されるまでの時間よりも短いと判定したときには打球のルートを大入賞口に至らないルートに変更し、大入賞口が閉成状態に表示されているときに選択した打球のルートが大入賞口を経由して排出口に至るルートである場合に、ルート別時間テーブルを参照して当該ルートの打球が大入賞口に到達するまでの時間が大入賞口が開放状態に表示変更されるまでの時間よりも短いと判定したときには、大入賞口に入賞するルートを含む複数種類のルートから打球のルートを選択し直すものである。
なお、貯留手段部は、遊技盤面画像において、そこに到達した打球を所定の目的をもって所定期間保持したり停留するように表示される部分である。
【0009】
また、入賞球貯留決定手段は、打球を貯留させると決定する確率を所定の条件に応じて変える構成であってもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
なお、ここでは、遊技機の一例として、パチンコ遊技機を示すが、本発明は、パチンコ遊技機に限られるものではなく、コイン遊技機等であってもよい。遊技盤面を表わす遊技盤面画像と、遊技盤面画像上を移動する打玉を表わす打玉画像とを表示可能な表示装置を含み、表示装置の表示状態があらかじめ定められた特定の表示状態となった場合に所定の遊技価値が付与可能となる全ての遊技機に本発明を適用することができる。
【0011】
図1は、本発明の実施の一形態による遊技機の構成を示す正面図である。図に示すように、遊技機1の上部には、遊技状態があらかじめ定められた特定遊技状態となったときに点灯または点滅する枠ランプ7が設けられている。遊技機1の開放側側部(図中右側)には、施錠装置(図示せず)の鍵穴9が設けられ、その周囲を装飾する錠飾りが設けられている。その錠飾りの一部には、すなわち鍵穴9の上部には、打玉の発射動作が表示されて遊技機1が稼働中であることを示す遊技中ランプ8が設けられている。枠ランプ7の両側には、遊技の興趣を向上するため、所定の効果音を発生させるスピーカ3が備えられている。遊技機1の左側部には、遊技結果としての玉数すなわち得点に応じて表示状態が変化するアナログ表示器10が設けられている。
【0012】
遊技機1の左下方部には、使用金額・玉数表示部5が設けられている。使用金額・玉数表示部5には、遊技中の現在の玉数および使用金額が表示される。使用金額・玉数表示部5の左下方部には、カード挿入口4が設けられている。遊技者は、あらかじめ所定の玉数または金額が記憶されたカードを購入し、購入したカードをカード挿入口4に挿入することにより、カードに記憶された玉数または金額をもとに遊技を開始することができる。また、カードには、遊技終了時に遊技結果としての玉数または金額が再び記憶され、記憶された玉数に応じて遊技場で所定の景品等と交換することもできる。なお、カードとして、磁気カード、ICカード、光カード等を使用することができる。
【0013】
使用金額・玉数表示部5の下方部には、使用金額・玉数表示スイッチ24が設けられている。遊技者は使用金額・玉数表示スイッチ24を操作することにより、使用金額・玉数表示部5に使用金額および玉数を表示させることができる。遊技機1の右下部には、遊技ハンドル6が設けられている。遊技ハンドル6は、遊技者が打玉の打込を操作するために使用され、この遊技ハンドル6を遊技者が操作することにより、後述するように打玉が1個ずつ遊技盤面画像上に発射されたように打玉画像が表示される。
【0014】
遊技開始時には、図1に示すようにゲームメニュー画面が表示画面2に表示される。ゲームメニュー画面には、ゲーム選択スイッチ23、ゲーム説明スイッチ14、カード返却スイッチ32が表示される。表示画面2上には、透明のタッチパネルスイッチが設けられている。遊技者がゲーム選択スイッチ23を触れることによって所望のゲームを選択することができる。例えば、遊技者は、ゲーム1〜ゲーム6から所定のゲームを選択することができる。また、ゲーム説明スイッチ14に触れることによってゲーム説明用の画面を表示させたり、カード返却スイッチ32に触れることによってカード挿入口4からカードを返却させることができる。
なお、この実施の形態では、各ゲームメニューの選択等に関して表示画面2上のタッチパネルを用いているが、所定のスイッチを遊技機1に設けてもよい。
【0015】
図2は、遊技機の構成を示す裏面図である。遊技機1の裏面の中央部には、画像表示器15が取付けられる。画像表示器15の右下方部には、使用金額・玉数表示器12が取付けられている。使用金額・玉数表示器12の表示部が使用金額・玉数表示部5に相当する。使用金額・玉数表示器12の下部にはカードユニット13が取付けられている。カードユニット13は、カード挿入口4から挿入されたカードに記録されている情報を読み出し、遊技機1の下方部に取付けられている主制御基板16の基本回路に読み出したデータを転送し、また、基本回路から送信されたデータをカードに記録する。
【0016】
次に、遊技機に用いられる制御回路について説明する。図3は、遊技機に用いられる制御回路の構成を示すブロック図である。この実施の形態では、図3に示すような制御回路によってパチンコ遊技等の所定の遊技が所定の順序で制御される。
【0017】
図3に示すように、制御回路は、画像表示器15、画像表示器制御基板18、基本回路と各種回路とを含む主制御基板16、カードユニット13、スピーカ3、拡大スイッチ19、角度調整スイッチ20、位置調整スイッチ21、追跡モードスイッチ22、ゲーム説明スイッチ14、ゲーム選択スイッチ23、使用金額・玉数表示スイッチ24、表示切替スイッチ25、スロースイッチ26、割数設定スイッチ27、発射コントロールスイッチ28、使用金額・玉数表示部5、枠ランプ7、アナログ表示器13、精算スイッチ31、およびカード返却スイッチ32を含む。
ここで、拡大スイッチ19、角度調整スイッチ20、位置調整スイッチ21、追跡モードスイッチ22、ゲーム説明スイッチ14、ゲーム選択スイッチ23、使用金額・玉数表示スイッチ24、表示切替スイッチ25、およびスロースイッチ26は、タッチパネルスイッチ2Aで実現される。
【0018】
拡大スイッチ19は、画面の拡大度合いを設定するためのスイッチである。拡大スイッチ19は、拡大度合いを指令するための制御信号を画像表示器制御基板18に出力する。角度調整スイッチ20は、表示画面の表示角度を設定するためのスイッチである。角度調整スイッチ20は、表示画面の表示角度を指令するための制御信号を画像表示器制御基板18に出力する。位置調整スイッチ21は、遊技盤面画像の表示位置を調整するためのスイッチである。位置調整スイッチ21は、表示位置を指令するための制御信号を画像表示器制御基板18に出力する。
【0019】
追跡モードスイッチ22は、打玉画像の位置を追跡し、打玉の周囲を順次表示する追跡モードを選択するためのスイッチである。追跡モードスイッチ22は、追跡モードが選択されたことを指令する制御信号を画像表示器制御基板18に出力する。ゲーム説明スイッチ14は、ゲーム説明画面を表示させるためのスイッチである。ゲーム説明画面では、ゲームの手順および操作方法等が表示される。ゲーム説明スイッチ14は、ゲーム説明画面が選択されたことを指令する制御信号を画像表示器制御基板18に出力する。なお、上記の各スイッチは、表示画面2上のタッチパネルスイッチ2Aで実現されているが、機械的なスイッチを別途設けてもよい。
【0020】
画像表示器制御基板18に設けられる画像表示器制御回路(図示せず)は、各スイッチから出力された制御信号および主制御基板16の基本回路から出力される制御信号をもとに画像表示器15に所定の画像を表示するとともに、表示した画像に応じた効果音をスピーカ3に発生させる。
【0021】
ゲーム選択スイッチ23は、複数のゲームの中から所定のゲームを選択するためのスイッチである。この実施の形態では、後述するように、第1種パチンコ遊技機、第2種パチンコ遊技機、第3種パチンコ遊技機、およびスロットマシン等のゲームを選択することができる。ゲーム選択スイッチ23は、選択されたゲームを指令するための制御信号を主制御基板16の基本回路に出力する。基本回路は、ゲーム選択スイッチ23から出力された制御信号に応じたゲーム画面を表示するよう画像表示器制御基板18に制御信号を出力する。
【0022】
使用金額・玉数表示スイッチ24は、使用金額・玉数表示部5の表示状態を制御するためのスイッチである。使用金額・玉数表示スイッチ24は、操作状態に応じて使用金額・玉数を表示させるための制御信号を基本回路に出力する。基本回路は、使用金額・玉数表示スイッチ24から出力された制御信号に応じて、使用金額・玉数表示部5の表示状態を制御する。
【0023】
表示切替スイッチ25は、スタート画像およびメニュー画像を表示し、スタート画像が選択された場合は遊技を開始し、メニュー画像が選択された場合はメニュー画面を表示させるためのスイッチである。表示切替スイッチ25は、遊技者の操作状態に応じて制御信号を基本回路に出力する。基本回路は、表示切替スイッチ25から出力された制御信号に応じて、遊技を開始させたり、メニュー画面を表示させるための制御信号を画像表示器制御基板18に出力する。画像表示器制御基板18における画像表示器制御回路は、画像表示器15に、基本回路から出力された制御信号に応じて遊技を所定順序で表示したりメニュー画面を表示する。
【0024】
スロースイッチ26は、遊技盤面画像上での打玉画像の移動速度を調整するためのスイッチである。遊技者は、スロースイッチ26を操作することにより、好みの速度で打玉画像の移動速度を設定することができる。スロースイッチ26は、遊技者の操作に応じた速度を指令するための制御信号を基本回路に出力する。基本回路は、スロースイッチ26から出力された制御信号に応じて、打玉画像を表示するよう指令する制御信号を画像表示器制御基板18に出力する。画像表示器制御基板18における画像表示器制御回路は、基本回路から出力された制御信号に応じて所定の速度で打玉画像が移動するよう画像表示器15を制御するとともに、スピーカ3による効果音を打玉画像の移動速度に応じて変化させる。
【0025】
割数設定スイッチ27は、打玉画像の移動軌跡の選択確率を設定するためのスイッチである。この遊技機は、遊技盤面上のすべての構造物を画像として表示する。従って、従来の遊技機のように物理的に釘を調整することなく、割数設定スイッチ27を調整することによって、打玉画像の移動軌跡が所定の移動軌跡となる確率を設定することができる。従って、従来は熟練した釘師により遊技価値の付与度合いを変更していたのに対して、この実施の形態による遊技機では、単にスイッチを調整するだけで割数を設定することができる。この結果、遊技機の管理が非常に簡便になる。
【0026】
割数設定スイッチ27は、設定された割数に応じた制御信号を主制御基板16の基本回路に出力する。基本回路は、割数設定スイッチ27から出力された制御信号も考慮して打玉画像の移動軌跡を設定する
なお、割数設定スイッチ27は、遊技場で管理すべきスイッチであり、遊技機1の裏面等遊技者が直接操作できない部分に設けられる。
【0027】
発射コントロールスイッチ28は、遊技ハンドル6内に装備され、遊技ハンドル6の操作状態に応じて、打玉画像の発射状態を制御するためのスイッチである。すなわち、打玉画像の発射時の速度および発射間隔等を設定する。発射コントロールスイッチ28は、操作状態に応じた発射状態を指令するための制御信号を基本回路に出力する。基本回路は、発射コントロールスイッチ28から出力された制御信号に応じて打玉画像が発射されたように表示するための制御信号を画像表示器制御基板18に出力する。画像表示器制御基板18は、入力した制御信号に応じて打玉画像の発射状態を制御し画像表示器15上に表示する。
【0028】
主制御基板16には、基本回路以外に各種回路も設けられている。例えば、大当たりの発生に関する情報を示すための大当たり情報および始動入賞口部への入賞個数のうち実際に可変表示装置部における図柄の変動表示の始動に使用された個数等を示すための有効始動情報等を含む管理データをホール用管理コンピュータ等に対して出力する出力回路が設けられている。さらに、出力回路は、遊技者が遊技を終了した後その売上データをホール用管理コンピュータ等に対して出力する。また、主制御基板16には、枠ランプ7の点灯状態を制御するランプ制御回路も設けられている。
【0029】
精算スイッチ31は、遊技者が遊技を終了し使用金額を精算したい場合に精算動作を指令するためのスイッチである。遊技者が精算スイッチ31を操作すると、精算スイッチ31は、精算動作を指令するための制御信号をカードユニット13に出力する。カードユニット13は、精算スイッチ31から出力される制御信号を受けると、主制御基板16の基本回路から現在の玉数に関するデータを受け、その玉数をカードに記録したり、その玉数またはその玉数に応じた金額等をカードに記録する。
【0030】
カード返却スイッチ32は、カードの返却動作を指令するためのスイッチである。カード返却スイッチ32は、遊技者の操作に応じて、カードの返却動作を指令するための制御信号をカードユニット13に出力する。カードユニット13は、カード返却スイッチ32から出力される制御信号に応じてカード挿入口4からカードを排出させる。
【0031】
カードユニット13は、カードが挿入されたとき、カードに記録されている玉数または金額等を読出し、これらのデータを基本回路に出力する。基本回路は、これらのデータに応じた遊技が行なわれるように各種機器を制御する。また、基本回路から現在の玉数がカードユニット13に送信され、カードユニット13は、現在の玉数に応じてアナログ表示器10の表示状態を制御する。
【0032】
基本回路は、制御用プログラムに従って遊技機の各種機器を制御する。基本回路の内部には、制御用プログラム等を記憶しているROM、制御用プログラムに従って制御動作を行なうためのCPU、CPUのワーク用メモリとして機能するRAM、I/Oポート、およびクロック発生回路等が設けられている。
【0033】
図4は、図3に示す画像表示器制御基板18における画像表示器制御回路の構成を示すブロック図である。画像表示器制御回路は、CRTコントロール回路33、リセット回路41、発振回路34、VDP(Video Display Processor)35、VDP36、キャラクタROM38、JPEG(Joint Photographic Experts Group)用復号化IC37、キャラクタROM39、および映像切換回路40を含む。CRTコントロール回路33は、CPU331、RAM332、ROM333を含む。VDP35はVRAM(Video RAM)351を含む。VDP36はVRAM361を含む。
【0034】
発振回路34からクロック信号がCRTコントロール回路33に入力され、リセット回路41からリセット信号がCRTコントロール回路41に入力される。VDP35は、VRAM351を内蔵し、電源投入時等に、キャラクタROM38のアドレスを指定するアドレス信号をキャラクタROM38に出力する。すると、キャラクタROM38に記憶されている創作画像データの一例であるアニメーション画像データ(以下、アニメ画像データという。)が読み出される。次に、VDP35は、読み出されたアニメ画像データをVRAM351にマッピングする。
【0035】
VDP36も、VRAM361を内蔵し、電源投入時等に、キャラクタROM39のアドレスを指定するアドレス信号をJPEG用復号化IC37に出力する。これに応じて、JPEG用復号化IC37からアドレス信号がキャラクタROM39に出力される。すると、キャラクタROM39に記憶されている実写画像データがJPEG用復号化IC37に入力される。キャラクタROM39に記憶されている実写画像データは、JPEG規格にもとづいてデータが圧縮された状態で記憶されている。よって、圧縮された画像データがJPEG用復号化IC37に入力され、元の画像データに復号される。復号された元の画像データは、VDP36に入力される。VDP36は、入力された画像データをVRAM361にマッピングする。
【0036】
アニメ画像データとして、リーチ時および大当たり時の表示画面に対応する画像データがある。実写画像データは、遊技盤面画像に対応する画像データである。すなわち、この遊技機では、遊技盤面画像は、実写画像を元に表示されている。従って、非常にリアルな画面が表示され、遊技の興趣を向上することができる。
【0037】
なお、JPEG規格にもとづく画像データの圧縮に用いられるアルゴリズムには、DCT(離散コサイン変換)を基本とした方式と、2次元空間でDPCM(差動PCM)を行なう可逆符号化方式とがある。DCT方式は、ベースライン・プロセス(必須機能)と、拡張プロセス(オプション機能)の2つに分類される。これらの方式と別に、上記の方式を組合せて、プログレッシブ・ビルトアップを実現するハイアラキカル・プロセスがある。
【0038】
CRTコントロール回路33の内部には、制御プログラムおよび後述する移動軌跡等を記憶しているROM333、制御用プログラムに従って制御動作を行なうためのCPU331、CPU331のワーク用メモリとして機能し移動軌跡データを用いて演算したデータ等を記憶するRAM332、およびI/Oポート等が設けられている。CRTコントロール回路33は、VDP35に対し、アドレス信号、リード信号、ライト信号および映像同期信号等の各種制御信号を出力する。また、VDP35からCRTコントロール回路33にデータ信号が出力される。同様に、CRTコントロール回路33は、VDP36に対し、アドレス信号、リード信号、ライト信号および映像同期信号等の各種制御信号を出力する。また、VDP36は、データ信号をCRTコントロール回路33に出力する。
【0039】
VDP35は、CRTコントロール回路33から出力されたアドレス信号に従って、VRAM351内の指定されたアドレスに記憶されているアニメ画像データを映像切換回路40に出力する。同様に、VDP36も、CRTコントロール回路33から送られてきたアドレス信号に従って、VRAM361内の指定されたアドレスに記憶されている実写画像データを映像切換回路40に出力する。CRTコントロール回路33は、映像切換回路40の動作を制御するために、映像選択信号を映像切換回路40に出力する。映像選択信号は、VDP35から送られてきたアニメ画像データとVDP36から送られてきた実写画像データとうちのいずれか選択して表示させるかを指令するための信号である。
【0040】
映像切換回路40は、入力した映像選択信号に応じて、アニメ画像データと実写画像データとのうちの一方を選択し、選択したデータに応じたRGB信号をカラーCRTである画像表示器15に出力する。映像切換回路40は、高速にアニメ画像データと実写画像データとを切換えることができ、アニメ画像と実写画像とが同時に画像表示器15に表示されているように見せることが可能である。また、上記の各動作は、主制御基板(コントロール基板)16の基本回路から出力されるコマンドデータCOM0〜COM7の指令信号に応じて行なわれている。
【0041】
次に、この実施の形態による遊技機を用いて行なうことができるゲームの種類について説明する。図5〜図8は、この実施に形態による遊技機におけるゲーム種類を説明するための説明図である。
図5は、第1種パチンコ遊技機の表示の一例を示す説明図である。表示画面は、遊技盤面用表示画面2aとメニュー用表示画面2bとに分割されている。遊技盤面用表示画面2aには、第1種パチンコ遊技機の遊技盤面画像が表示されている。第1種パチンコ遊技機の遊技盤面画像は、例えば、ゲーム選択画面23のGAME1を遊技者が選択すると表示される。メニュー用表示画面2bには、表示切替スイッチであるSTARTスイッチ25aおよびMENUスイッチ25bが表示される。遊技者は、STARTスイッチ25aを選択することによって遊技を開始することができる。また、MENUスイッチ25bを選択することによってメニュー画面を表示させることができる。
【0042】
遊技盤面用表示画面2aに表示されている第1種パチンコ遊技機の遊技盤面画像は、キャラクタROM39に記憶されている実写画像データをもとに表示されている。従って、遊技盤面用表示画面2aに表示される遊技盤面画像は非常にリアルな表示となり、遊技者はあたかも実際のパチンコ遊技機によって遊技をしているかのような実感を得ることができる。
【0043】
メニュー用表示画面2bに表示されている表示切替スイッチ25は、キャラクタROM38に記憶されているアニメ画像データをもとに表示されている。従って、メニュー用表示画面には、任意の画像データを表示することができ、遊技機の操作性を向上させることができる。なお、遊技盤面用表示画像2aには、実写画像データをもとに遊技盤面画像を表示しているが、メニュー用表示画面2bと同様にアニメ画像データを用いて遊技盤面画像を表示するようにしてもよい。なお、このことは、以下の各ゲーム例についても同様である。
【0044】
図6は、第2種パチンコ遊技機の表示例を示す説明図である。遊技盤面用表示画面2aには、第2種パチンコ遊技機の遊技盤面画像が表示されている。その他の表示は第1種パチンコ遊技機の場合と同様である。
【0045】
図7は、第3種パチンコ遊技機の表示例を示す説明図である。遊技盤面用表示画面2aには、第3種パチンコ遊技機の遊技盤面画像が表示されている。その他の表示は第1種パチンコ遊技機および第2種パチンコ遊技機の場合と同様である。
【0046】
図8は、スロットマシンの表示例を示す説明図である。遊技盤面用表示画面2aには、スロットマシンの遊技盤面画像が表示されている。その他の表示は第1種パチンコ遊技機、第2種パチンコ遊技機および第3種パチンコ遊技機の場合と同様である。
【0047】
この実施の形態では、遊技機の1つの表示画面2に複数種類の遊技機の遊技盤面画像を表示することができ、遊技者は1台の遊技機により複数種類の遊技を楽しんだり、また、所望の遊技機の遊技を楽しんだりすることができる。また、表示画面2の下方にメニュー用表示画面2bを表示することにより、複数の操作スイッチを適宜表示することができ、遊技操作が容易となり、遊技者が遊技を楽しむことが可能となる。
【0048】
次に、遊技機による遊技の進行状態について説明する。
図9〜図14は、遊技の進行状態を説明するための図である。以下、第1種パチンコ遊技機の遊技盤面画像を例に説明するが、他の遊技機でも同様な遊技進行が行われる。
【0049】
図1に示すゲームメニュー画面が表示されているときに、ゲーム選択スイッチ23のGAME1が選択されると、図9に示す遊技盤面用表示画面2aおよびメニュー用表示画面2bが表示される。このとき、遊技者がメニュー用表示画面2bの表示切替スイッチのSTARTスイッチ25aを選択すると、表示画面は図10に示すようになる。一方、MENUスイッチ25bを選択すると図1に示すゲームメニュー画面が再び表示される。
【0050】
図10に示す表示画面では、遊技盤面画像表示切替メニューがメニュー用表示画面2bに表示される。遊技盤面画像表示切替メニューには、拡大スイッチ19、角度調整スイッチ20、位置調整スイッチ21、追跡モードスイッチ22およびスロースイッチ26が表示される。さらに、右端に次画面を選択するための表示切替スイッチである次画面スイッチ25cが表示される。遊技盤面画像表示切替メニューは、遊技盤面画像の表示状態を切替えるためのスイッチである。
ここで、次画面を選択するための次画面スイッチ25cが操作されると、表示画面2は図11に示すようになる。
【0051】
図11に示す表示画面では、メニュー用表示画面2bには、精算スイッチ31、カード返却スイッチ32、および前画面を選択するための表示切替スイッチである前画面スイッチ25dが表示される。ここで、精算スイッチ31が操作された場合には、既に説明したような精算動作が行なわれる。また、カード返却スイッチ32が操作された場合には、既に説明したようなカード返却動作が行なわれる。そして、前画面を選択するための前画面スイッチ25dが操作された場合には、図10に示す遊技盤面画像表示切替メニューが再び表示される。
【0052】
図10に示す拡大スイッチ19が操作された場合には、図12に示すように、自動拡大スイッチ19a、2倍スイッチ19b、5倍スイッチ19c、および前画面を選択するための前画面スイッチ25dが表示される。ここで、自動拡大スイッチ19aが操作された場合には、リーチ時に自動的に可変表示装置を表わす可変表示装置部43が拡大表示される。また、前画面を指定するための前画面スイッチ25dが操作された場合には、図10に示す遊技盤面画像表示切替メニューが再び表示される。
【0053】
また、2倍スイッチ19bまたは5倍スイッチ19cが操作された場合には、図13に示すように、メニュー用表示画面2bには、「拡大する場所を画面上で指して下さい」というメッセージが表示され、さらに、前画面を指定するための前画面スイッチ25dが表示される。ここで、遊技者が、遊技盤面用表示画面2a上の拡大表示したい部分を触るとタッチパネルによりその位置が指定され、その部分が拡大表示される。図12に示す状態で2倍スイッチ19bが操作されている場合には、指定された部分が2倍に拡大され、5倍スイッチ19cが操作されている場合は指定された部分が5倍に拡大されて表示される。
【0054】
例えば、2倍スイッチ19bが操作され、可変表示装置部43が指定された場合には、図14に示すように、可変表示装置部43が2倍に拡大されて遊技盤面用表示画面2aに表示される。また、遊技盤面用表示画面2aの右下部には、遊技盤面全体を表わす画像2cが表示される。従って、遊技者は、遊技盤面全体の状態を画像2cにより確認しながら、もっとも興味のある可変表示装置部43の部分を拡大した状態で遊技を楽しむことが可能となり、遊技の興趣を向上することが可能となる。
【0055】
また、図14に示すメニュー用表示画面2bでは、図10に示す拡大スイッチ19の代わりに取消スイッチ19dが表示され、次画面スイッチ25cの代わりに前画面を選択するための前画面スイッチ25dが表示される。ここで、遊技者が取消スイッチ19dを操作すると、図10に示す拡大表示が行なわれていない表示画面が表示される。また、前画面を指定するための前画面スイッチ25dが操作されると、図13に示す前画面が再び表示され、拡大する場所を指定しなおすことが可能になる。
【0056】
また、角度スイッチ20を操作すると、遊技盤面画像(ここでは可変表示装置部43)の表示角度が変化する。また、位置調整スイッチ21を操作することによって、遊技盤面用表示画像2aの表示位置を任意に移動することができる。遊技者が追跡モードスイッチ22を操作すると、遊技盤面画像上の1つの打玉画像を追跡して表示状態が変化する追跡モードとなる。また、遊技者がスロースイッチ23を操作すると、打玉画像の移動速度を所定の速度に設定することができる。
【0057】
次に、遊技機の表示画面の表示例について説明する。図15〜図18は、遊技機の表示画面の表示例を説明するための説明図である。
通常、パチンコ遊技機では、遊技領域内に始動入賞領域の一例である始動入賞口が設けられている。そして、遊技領域内に打込まれた打玉が始動入賞口に入賞すれば、可変表示装置の可変表示部における可変表示が開始される。その後、まず左側の可変表示部の可変表示が停止し、次に右側の可変表示部の可変表示が停止し、最後に中央の可変表示部の可変表示が停止する。そして、停止時の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様(例えば、777等の特有の識別情報の組合せ)になると特定遊技状態が発生し、可変入賞球装置が開放して打玉が入賞可能な遊技者にとって有利な第1の状態になる。
【0058】
可変入賞球装置は通常時には閉成状態になっていて、打玉が入賞不可能な遊技者にとって不利な第2の状態になっている。そして、特定遊技状態が発生すれば可変入賞球装置が開放状態となり、第1の状態すなわち大当たり状態となる。この可変入賞球装置の第1の状態は、所定時間(例えば30秒間)の経過または所定個数(例えば10個)の打玉の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了して第2の状態となる。
【0059】
所定個数の打玉の入賞は、通常テンカウント表示される。また、第1の状態になっている可変入賞球装置内に進入した打玉が特定入賞領域(Vポケット)に入賞すると、可変入賞球装置の第1の状態が終了するのを待って再度その可変入賞球装置を第1の状態にする繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の実行上限回数は例えば16回と定められている。特定入賞領域に打玉が入賞した場合には、V入賞表示が行なわれる。この実施の形態では、上記の動作が、表示画面2上に表示された遊技盤面画像および打玉画像等によって実現される。
【0060】
図15は、テンカウント表示の一表示例を示す説明図である。可変入賞球装置を表わす可変入賞球装置部49に打玉画像が入賞したように表示される場合には、打玉画像の入賞個数に応じてテンカウント表示画像2dが遊技盤面用表示画像2aの右下部に表示される。従って、遊技者は、テンカウント表示画像2dに表示された個数を見ることにより、現在何個の打玉が可変入賞球装置部49に入賞しているか確認することができる。
【0061】
図16は、V入賞表示の表示例を示す説明図である。可変入賞球装置部49の特定入賞領域に相当する部分に打玉画像が入賞したように表示された場合には、V入賞表示画像2eが遊技盤面用表示画面2aに表示される。遊技者は、V入賞表示画像2eを確認することにより、特定入賞領域に打玉が入賞したことを確認することができる。
【0062】
なお、上記のテンカウント表示画像2dおよびV入賞表示画像2eの表示例は一例であり、遊技者の遊技を妨げない部分であれば表示画面上のどの部分に表示してもよい。また、その表示態様も通常の数字または英文字ではなく、遊技者の遊技の興趣をそそる装飾された文字、時間とともに変化する文字、その他の画像であってもよい。
【0063】
図17は、リーチ時の表示画面の一例を示す説明図である。図17に示すように、リーチ状態が発生した場合には、例えば遊技盤面表示画面2aの全体に「REACH!」が表示されるとともに、画面全体に稲妻が走ったような画像が表示される。このとき、画面全体を点滅させてもよいし、稲妻の部分の色を変更したり、その他の部分の色を変更したりして遊技者にアピールするようにしてもよい。また、遊技盤面用表示画面2aの右下方部には現在の遊技状態を遊技者に知らせるための画像2cが表示されている。従って、遊技者は、画面全体がリーチ態様の画面に切替わったとしても、遊技状態を確認することができる。
【0064】
図18は、大当たり時の表示画面の一例を示す説明図である。図18に示すように、大当たり時には、例えば遊技盤面用表示画面2aの中央部に「FEVER!!」が表示されるとともに、花火が爆発したかのような画像が表示される。このとき、リーチ時と同様に画面全体を点滅させてもよいし、各部分の色を変更して遊技者にアピールするようにしてもよい。また、遊技盤面用表示画面2aの右下方部には、現在の遊技状態を表示する画像2cが表示されている。従って、リーチ時と同様に遊技者は現在の遊技状態を確認することができる。
【0065】
以上のように、この実施の形態による遊技機は、打玉を含む遊技盤面全体を画像表示している。よって、従来の機械的構造物による表示ではできなかったあらゆる種類の画像を表示することができる。その結果、遊技の面白味を向上させ、遊技の興趣を向上することが可能になる。
【0066】
次に、遊技機の打玉画像の移動の制御方法について説明する。
上述したように、この実施の形態では、打玉を含め遊技盤面全体が画像表示されるので、打玉画像の移動軌跡は、図3に示す画像表示器制御基板18における画像表示器制御回路および主制御基板16における基本回路によって表示制御される必要がある。以下、その制御方法について詳細に説明する。
図19は、遊技機の打玉画像の移動軌跡を説明するための図である。図19に示すように、表示画面2上に遊技盤面画像が表示されているときに、遊技盤面画像に入射された打玉画像は、例えば、P1〜P5に示す各位置およびL1〜L13に示す各位置によって決定される移動軌跡に従って移動する。以下、例えばL1の位置に至る軌跡を移動軌跡L1と呼ぶ。打玉画像が各移動軌跡のうちどの移動軌跡を選択するかの決定は、遊技ハンドル6の操作状態すなわち発射レベルに応じて決定される。また、図19に示すようにL1〜L13のそれぞれの間隔は不等ピッチとなっている。そして、遊技者が遊技時によく使用する部分、例えばL3〜L8では、遊技者による打玉の調整が木目細かくできるように、他の部分に比べてピッチが小さくなっている。
【0067】
図20は、発射レベルと打玉画像の移動軌跡との関係を示す対応図である。図20に示すように、発射レベルが1の場合(発射レベルが一番弱い場合)には、打玉画像の移動軌跡は、P1まで行った後発射位置に戻る移動軌跡となる。発射レベルが2の場合には、P2まで行った後発射位置に戻る移動軌跡となる。発射レベル3の場合には、P3まで行った後発射位置に戻る軌跡となる。発射レベル4の場合には、P4まで行った後発射位置に戻る移動軌跡となる。発射レベル5の場合には、P5まで行った後発射位置に戻る移動軌跡となる。
【0068】
発射レベル6の場合には、打玉画像がP5まで移動した後に移動軌跡L1が選択される。発射レベル7の場合には、打玉画像がP5まで移動した後に移動軌跡L2が選択される。発射レベル8の場合には、打玉画像がP5まで移動した後に移動軌跡L3が選択される。発射レベル9の場合には、打玉画像がP5まで移動した後に移動軌跡L4が選択される。発射レベル10の場合には、打玉画像がP5まで移動した後に移動軌跡L5が選択される。発射レベル11の場合には、打玉画像がP5まで移動した後に移動軌跡L6が選択される。発射レベル12の場合には、打玉画像がP5まで移動した後に移動軌跡L7が選択される。発射レベル13の場合には、打玉画像がP5まで移動した後に移動軌跡L8が選択される。発射レベル14の場合には、打玉画像がP5まで移動した後に移動軌跡L9が選択される。発射レベル15の場合には、打玉画像がP5まで移動した後に移動軌跡L10が選択される。発射レベル16の場合には、打玉画像がP5まで移動した後に移動軌跡L11が選択される。発射レベル17の場合には、打玉画像がP5まで移動した後に移動軌跡L12が選択される。発射レベル18の場合には、打玉画像がP5まで移動した後に移動軌跡L13が選択される。
以上のように、発射レベルに応じて打玉画像の移動軌跡が決定される。
【0069】
表示画面上に表示されている遊技盤面画像の例についてさらに詳しく説明する。
図21は、第1種パチンコ遊技機用の遊技盤面画像を示す説明図である。第1種パチンコ遊技機用の遊技盤面画像は、表示画面2の遊技盤面用表示画面2aに表示される。遊技盤面画像内の周面に、2本の円弧状の区画レール部44が表示されている。区画レール部44は、外レール部および内レール部から構成され、外レール部と内レール部とで囲まれた2つの領域が誘導路部および遊技領域部42となる。
【0070】
遊技者が遊技ハンドル6を操作すると、打玉画像が1個ずつ発射された状態で表示される。発射された打玉画像は、外レール部と内レール部との間に形成された誘導路部によって遊技領域部42に導かれるように表示される。誘導路部から遊技領域部42への出口部分には、一旦、遊技領域部42に打込まれた打玉画像が誘導路部内に逆戻りすることを防止するための弁状の戻り防止部材部が表示されている。
【0071】
遊技領域部42の中央には、複数種類の画像が変動表示される可変表示装置部43が表示されている。可変表示装置部43の上方には、入賞口部50が表示されている。可変表示装置部43の上方および下方には、センタランプ58が表示されている。可変表示装置部43の下方には、始動入賞口部48と可変入賞球装置部49とが表示されている。可変表示装置部43の左右両側の通称「袖部」と呼ばれる位置には、入賞口部52が表示されている。可変表示装置部43の左右両側の通称「落とし部」と呼ばれる位置には、入賞口部51が表示されている。遊技領域部42の最下部には、アウト口部56が表示されている。
【0072】
遊技領域部42に打込まれた打玉画像は、遊技領域部42を流下する途中で始動入賞口部48、可変入賞球装置部49および入賞口部50〜52のうちのいずれかの入賞口部に入賞するように表示されるか、または、アウト口部56へ導かれてアウト玉として処理されるように表示される。可変入賞球装置部49に打玉画像が入賞したように表示される場合は、入賞玉1個に対して15個の景品玉が遊技者に払出されるように表示される。始動入賞口部48と入賞口部50〜52とのいずれかに打玉画像が入賞したように表示された場合は、入賞玉1個に対して7個の景品玉が遊技者に払出されたように表示される。すなわち、この例では、可変入賞球装置部49に入賞した入賞玉によって払出される景品玉数は、それ以外の入賞口に入賞した入賞玉によって払出される景品玉数よりも相対的に多くなるように表示される。
【0073】
遊技領域部42には、さらに、遊技領域部42を装飾するとともに、打玉画像の流下方向を多様化させるように表示するための風車部45が表示され、その上に風車ランプ部59が表示されている。また、遊技領域部42の左右両端部には、サイドランプ部53が表示されている。サイドランプ部53は、遊技機の動作状態に応じて点滅または点灯される。また、遊技領域部42の下方には、ラウンド表示部54および入賞数表示部55とが表示されている。ラウンド表示部54は大当たり状態のラウンド数を表示し、入賞球表示部55は入賞数を表示する。
【0074】
可変入賞球装置部49には、遊技領域部42の前後方向に所定範囲で傾斜表示可能な開閉板部57が表示されている。通常時には、開閉板部57は閉成状態で表示され、打玉画像が入賞しにくい遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となっている。一方、始動入賞口部48に打玉画像が入賞したことにもとづいて、可変表示装置部46の3つの図柄表示部46a,46b,46cの変動表示が行なわれる。変動表示が停止をしたとき、3つの図柄の組合せがあらかじめ定められた特定の組合せとなった場合に、「大当たり」が発生する。大当たりが発生すると、可変入賞球装置部49が、第2の状態から、打玉が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(第1の状態)が表示される。大当たりが発生し、可変入賞球装置部49が第1の状態となっている状態を特定遊技状態という。
【0075】
大当たりが発生した場合、開閉板57が開放状態に表示され、打玉画像が可変入賞球装置部49の大入賞口部に入賞することが可能な遊技者にとって有利な第1の状態として表示される。また、このとき、図14に示す表示例のように、可変入賞球装置部49を拡大表示し、また、始動入賞口部48を拡大表示してもよい。
【0076】
可変入賞球装置部49の第1の状態は、開閉板57が開放状態に表示された後、30秒が経過するか、または、可変入賞球装置部49の入賞開口部(大入賞口部)に打玉画像が10個入賞する表示が行なわれるかのうちのいずれか早い方の条件が成立したことにより終了する。すなわち、上記の条件が成立したとき、開閉板部57が閉成状態に表示され、可変入賞球装置部49が第2の状態で表示される。
【0077】
大入賞口部の内部の中央部分には、通称「Vポケット」と呼ばれる特定領域が設けられている。大入賞口部に入った打玉画像がこの特定領域に入賞したように表示されれば、特定入賞したことが判定される。特定入賞したことが判定されると、その回の可変入賞球装置部49の第1の状態の表示が終了するのを待って、再度、可変入賞球装置部49を第1の状態に表示する繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御によって、可変入賞球装置部49は、最高16回連続して第1の状態で表示される。また、大入賞口部の特定領域に打玉画像が入賞した場合にはV入賞表示画像が表示され、特定領域に打玉画像が入賞したことが遊技者に報知される。
【0078】
始動入賞口部48に打玉画像が入賞することを特に「始動入賞」という。始動入賞口部48に打玉画像が入賞したことに応じて、可変表示装置部43の図柄表示部46a,46b,46cにおいて図柄の表示変動が開始される。変動表示の停止時に特定の図柄の組合せが表示された場合に、可変入賞球装置部49が第1の状態となる。
【0079】
図柄の変動表示が行なわれている間および図柄の変動表示の結果にもとづいて可変入賞球装置部49が第1の状態で表示されている間に、始動入賞口部48に打玉画像が入賞した状態で表示されると、その始動入賞が記憶される。これを始動記憶という。始動記憶の個数は、始動記憶表示部47の点灯表示によって遊技者に報知される。始動記憶の上限は4個に定められている。始動記憶がある場合には、図柄表示部46a,46b,46cの図柄の変動表示が停止した後、または、可変入賞球装置部49の第1の状態の表示が終了した後に、再び、図柄表示部46a,46b,46cにおける図柄の変動表示が開始される。
【0080】
次に、打玉打像の発射のタイミングにおいて実行される打玉画像のルート選定処理および入賞/非入賞の決定の仕方について説明する。
図22は、第1種パチンコ遊技機の遊技が選択された場合に用いられるランダムカウンタの種類とその内容を示す説明図である。ランダムカウンタとは、打玉画像の移動軌跡を決定するために用いられる乱数、入賞/非入賞を決定するために用いられる乱数、および可変表示装置部49の変動表示の制御に用いられる乱数をカウントするためのカウンタである。この場合には、ランダムカウンタ1〜ランダムカウンタ8の8種類のランダムカウンタが用いられる。これらのランダムカウンタの値が打玉発射のタイミングで読み出され、その値にもとづいて、入賞/非入賞が決定されるとともに打玉画像の移動軌跡が決定され、かつ、可変表示装置部43の変動表示動作が制御される。なお、ランダムカウンタのカウント値の読出処理は、主制御基板16における基本回路の内部に備えられたCPUによって制御用ROMの制御プログラムに従って実行される。
【0081】
ランダムカウンタ1は、打玉画像の移動軌跡を事前に決定するためのランダムカウンタである。ランダムカウンタ1は、「0〜999」の範囲で、0.002秒毎および割込処理の余り時間において1ずつカウントアップする。なお、0.002秒は、基本回路において、定期リセット回路から出力された定期リセット信号にもとづいて開始される割込処理の実行間隔(割込発生間隔)である。この割込処理において制御用プログラムが実行される。従って、割込処理の余り時間は制御用プログラムが決められた処理を完了してから次の定期リセット信号が発生するまでの時間であり、その間、ランダムカウンタのカウントアップが繰り返される。
【0082】
ランダムカウンタ2は、可変表示装置部43における図柄の変動表示の結果、大当たりを発生させるか否かを事前に決定するためのランダムカウンタである。ランダムカウンタ2は、「0〜209」の範囲で、0.002秒毎に1ずつカウントアップする。
【0083】
ランダムカウンタ3は、可変表示装置部43の図柄の変動表示の結果、大当たりとしないことが決定された場合に、左側の図柄表示部46aにおいて停止させる図柄の種類を決定するためのランダムカウンタである。ランダムカウンタ3は、「0〜20」の範囲で、0.002秒毎に1ずつカウントアップされる。
ランダムカウンタ4は、可変表示装置部43の図柄の変動表示の結果、大当たりとしないことが決定された場合に、中央の図柄表示部46bにおいて停止させる図柄の種類を決定するためのランダムカウンタである。ランダムカウンタ4は、ランダムカウンタ3の値が「20」から1増えると(桁上げが生ずると)、「0〜20」の範囲で1ずつカウントアップされる。なお、ランダムカウンタ3の値は、「20」から1増えると「0」に戻される。
ランダムカウンタ5は、可変表示装置部43の図柄の変動表示の結果、大当たりとしないことが決定された場合に、右側の図柄表示部46cにおいて停止させる図柄の種類を決定するためのランダムカウンタである。ランダムカウンタ5は、ランダムカウンタ4の値が「20」から1増えると(桁上げが生ずると)、「0〜20」の範囲で1ずつカウントアップされる。なお、ランダムカウンタ4の値は、「20」から1増えると「0」に戻される。
【0084】
ランダムカウンタ6は、大当たりを発生させることが決定された場合に、大当たりをどの図柄の組合せによって発生させるかを決定するためのランダムカウンタである。ランダムカウンタ6は、「0〜44」の範囲で、0.002秒毎および割込処理の余り時間に実行され、1ずつカウントアップされる。
【0085】
ランダムカウンタ7は、複数のリーチ動作の中から所定のリーチ動作を指定するためのリーチ動作指定数を決定するためのランダムカウンタである。ランダムカウンタ7は、ランダムカウンタ6の値が「44」から1増えると(桁上げが生ずると)、「0〜19」の範囲で1ずつカウントアップされる。「リーチ」とは、表示結果が特定の表示態様となる組合せの一部を満たす場合の通常時と異なる表示制御である。例えば、可変表示装置部43の表示結果を時期を異ならせて複数導出表示させ、可変表示装置部43の複数の表示結果の導出表示の途中段階において、先に導出された表示結果が特定の表示態様の組合せとなる条件を満たす場合に、未だ表示結果が導出されていない部分について特別な表示制御を行なう。また、必ずしも時期を異ならせて表示結果を導出しなくてもよく、特別な表示制御も一部分の表示結果の導出に限らずすべての部分において行なってもよい。また、リーチ表示態様は、表示内容、変動速度、変動時間、停止順序、効果音等を1つ以上異ならせることにより複数のリーチ表示態様を設定する。
ここでは、リーチは、左側、中央、右側の図柄表示部46a,46b,46cにおける先に停止する2つの領域において同一種類の当たり図柄が2個揃って停止表示され、さらに、残る領域において1個の同一種類の図柄が停止表示されれば大当たりが発生する状態である。
【0086】
ランダムカウンタ8は、大当たりが発生したときに開閉板57が開放状態に表示され打玉画像が可変入賞球装置部49の大入賞口部に入賞することが可能な第1の状態において、打玉画像が特定入賞領域(Vポケット)に入賞するように表示するか否かを決定するためのランダムカウンタである。ランダムカウンタ8は、ランダムカウンタ7の値が「19」から1増えると(桁上げが生ずると)、「0〜7」の範囲で1ずつカウントアップされる。
【0087】
図23は、遊技状態別の入賞率の設定値の一例を示す説明図である。
例えば、遊技状態が大当たり状態ではない通常状態、または開閉板57が閉成状態に移行して次のラウンドの開放状態が開始するまでのインターバル状態にあるときには、L1(図19参照)に達した打玉画像は、5%の割合で始動入賞口部48に入賞するように表示されるべきであることを示す。また、打玉画像が0.5%の割合で「落とし部」の入賞口部51に入賞し、0.3%の割合で「袖部」の入賞口部52に入賞するように表示されるべきであることを示す。なお、図23には、L1から入賞口部50に至る打玉のルートはなく、開閉板57が閉成状態にあるので可変入賞球装置部49の大入賞口部に打玉が入賞するルートがないことを示している。
また、図23等において、図21に示された入賞口部50,51,52は、それぞれ「入賞口1」,「入賞口2」,「入賞口3」と記載され、始動入賞口部48は「始動口」と記載されている。
【0088】
図23には、遊技状態が大当たり状態であって開閉板57が開放状態に表示されているとき(大入賞口開放中)には、さらに、30%の割合で可変入賞球装置部49の大入賞口部に打玉が入賞するように表示されるべきであることが示されている。
そして、図23は、遊技状態が通常状態またはインターバル状態にあるときには、100−(5+0.5+0.3)=94.2%の割合で打玉がアウト口部56に至るように打玉画像が表示され、遊技状態が大入賞口開放中の状態では、100−(5+0.5+0.3+30)=64.2%の割合で打玉がアウト口部56に至るように打玉画像が表示されるべきであることも意味している。
【0089】
L2〜L13(図19参照)に達した打玉画像についても、それぞれ遊技状態別の入賞率が設定されている。ただし、図23には、L1について以外に、L5およびL13についての遊技状態別の入賞率のみが示されている。
なお、図23に示す入賞率は個々の打玉についての確率ではなく、多数の打玉にわたっての入賞/非入賞の割合である。従って、ひと通りの入賞/非入賞の決定がなされた後の第1発目の打玉(遊技開始直後の第1発目を含む)については、入賞確率は図23に示す入賞率に一致するが、その他の打玉の個々の入賞確率は、入賞/非入賞が非独立試行によって決定されるので、図23に示す入賞率とは異なっていく。例えば、図23は、1000個の打玉がL1を通過した場合に、そのうちの5%=50個が始動口に入賞すべきであることを意味する。そして、この実施の形態では、以下に説明するように、例えば1000個の打玉がL1を通過した場合に、そのうちのほぼ50個の打玉の始動口への入賞が確保される。
【0090】
この実施の形態では、L1〜L13のいずれかに達した打玉画像は、遊技盤面画像においてトータル400通りのルートのうちのいずれかをたどって各入賞口部またはアウト口部に至るとする。もちろん、ルート数「400」は、遊技機に要求される性能等に応じて増減することができる。
【0091】
なお、図23に示すように、この実施の形態では、通常状態と大当たり状態とで、異なるモードの入賞率が定義されている。また、大当たり状態でも、大入賞口開放中とインターバル状態とで、異なるモードの入賞率が定義されている。従って、通常状態では通常時決定モードで入賞/非入賞が決定され、特定遊技状態では特定時決定モードで入賞/非入賞が決定され、さらに、特定時決定モードでは、大当たり状態とインターバル状態とを分けて入賞/非入賞が決定される必要がある。
【0092】
図23に示されたような入賞率を実現するために、例えば、図24〜図26に示すような遊技盤面ルートテーブルが用意される。図23に示すように、この実施の形態では、通常状態における入賞率とインターバル状態における入賞率とは等しいように設定されている。そのような場合には、図24〜図26のA欄に示すように、双方の状態について同一のテーブルを使用することができる。すなわち、通常時決定モードと特定時決定モードにおけるインターバル状態のモードとを兼用できることになる。
通常状態における入賞率とインターバル状態における入賞率とが同じでない場合には、通常状態、インターバル状態および大入賞口開放中のそれぞれの状態に対応したテーブルが用いられる。すなわち、通常時決定モード、特定時決定モードにおける大入賞口開放中のモード、および特定時決定モードにおけるインターバル状態のモードのそれぞれについて、別個のテーブルが用いられる。
【0093】
なお、図24〜図26において、「sx (xは順に付された数字)」は、始動入賞口部48(始動口)に至るルートであることを示す。「ax 」、「bx 」、「cx 」は、それぞれ、入賞口部50(入賞口1)、入賞口部51(入賞口2)、入賞口部52(入賞口3)に至るルートであることを示す。「vx 」は、可変入賞球装置部49の大入賞口部に至るルートであることを示す。そして、「ox 」は、アウト口部56に至るルートであることを示す。
【0094】
図24は、図23におけるL1の列に記載された入賞率を実現するための遊技盤面ルートテーブルを示す説明図である。図24において、L1_s1〜L1_s3は、それぞれ図19に示されたL1の位置から始動入賞口部48に到達するルートである。そして、遊技状態が通常状態またはインターバル状態にあるときには、ランダムカウンタ1の値が「0〜14」のうちのいずれかであればL1_s1のルートが選択され、「15〜30」のうちのいずれかであればL1_s2のルートが選択され、「31〜49」のうちのいずれかであればL1_s3のルートが選択されることを示している。
また、L1_b1,L1_b2は、それぞれ図19に示されたL1の位置から入賞口部51に到達するルートである。そして、遊技状態が通常状態またはインターバル状態にあるときには、ランダムカウンタ1の値が「50〜52」のうちのいずれかであればL1_b1のルートが選択され、「53,54」のうちのいずれかであればL1_b2のルートが選択されることを示している。
【0095】
L1_v1,L1_v2は、それぞれ図19に示されたL1の位置から可変入賞球装置部49の大入賞口部に到達するルートである。そして、遊技状態が通常状態またはインターバル状態にあるときには、それらのルートが選択されないことを示している。
L1_o1〜L1_onは、それぞれ図19に示されたL1の位置からアウト口部56に到達するルートである。そして、遊技状態が通常状態またはインターバル状態にあるときには、ランダムカウンタ1の値が「58〜157」のうちのいずれかであればL1_o1のルートが選択され、「900〜999」のうちのいずれかであればL1_onのルートが選択されることを示している。なお、ランダムカウンタ1の値が「158〜899」のうちのいずれかであればL1_o1およびL1_on以外のアウト口部56に至るルートが選択されるが、図24では、そのことは省略されている。
【0096】
遊技状態が大入賞口開放中の状態にあるときには、図24のテーブル右側に示すランダムカウンタ1の値に応じたルートが選択される。例えば、ランダムカウンタ1の値が「58〜157」のうちのいずれかであればL1_v1の大入賞口部に至るルートが選択され、「258〜357」のうちのいずれかであればL1_vmの大入賞口部に至るルートが選択されることを示している。なお、ランダムカウンタ1の値が「158〜257」のうちのいずれかであればL1_v1およびL1_vm以外の大入賞口部に至るルートが選択されるが、図24では、そのことは省略されている。
【0097】
同様に、遊技盤面画像上のL2〜L13の位置からのルートとランダムカウンタ1の値との関係を示す遊技盤面ルートテーブルも用意される。例えば、図25は図23におけるL5の列に記載された入賞率を実現するための遊技盤面ルートテーブルを示し、図26は図23におけるL13の列に記載された入賞率を実現するための遊技盤面ルートテーブルを示す。ここで、例えばL5_a1は、図19に示されたL5の位置から入賞口部50に到達するルートを示す。
なお、図24〜図26に示すテーブルは入賞率等を説明するために簡略的に作成されたものであり、実際の遊技機においては、各ルートとランダムカウンタ1との関係は適宜設定される。
また、L1〜L13の位置からのルートとランダムカウンタ1の値との関係を示す各遊技盤面ルートテーブルは、主制御基板16の基本回路におけるROMに設定される。さらに、L1〜L13についての各遊技盤面ルートテーブル中のA欄およびB欄の0〜999の各値のそれぞれに対応した未使用/使用済ビットが、主制御基板16の基本回路におけるRAMに用意される。
【0098】
L1からのルートに関して、遊技状態が通常状態またはインターバル状態にあるときには、ランダムカウンタ1の値が「0〜57」のうちのいずれかであれば打玉がいずれかの入賞口部に入賞するルートが選択されることが決定される。また、遊技状態が大入賞口開放中の状態にあるときには、ランダムカウンタ1の値が「0〜357」のうちのいずれかであれば打玉がいずれかの入賞口部に入賞するルートが選択されることが決定される。従って、ランダムカウンタ1がとりうる「0〜999」の1000種類の値に対して、それぞれの入賞口部に入賞することが決定されるランダムカウンタ1の数の割合は、図23に示す遊技状態別入賞率に対応したものとなっている。例えば、L1の位置から始動入賞口部48に至るルートL1_s1〜L1_s3に応じたランダムカウンタ1の値は「0〜49」の50種類であって、1000種類に対して5%となっている。
【0099】
従って、ランダムカウンタ1のとる値が完全なランダムな乱数となっていれば、打玉がL1の位置から始動入賞口部48に至る確率は5%となる。すなわち、かなり長い期間にわたって実際の始動入賞率を観測すると、その値は設定値である5%となる。しかし、ランダムカウンタ1の値に応じて無条件に遊技盤面ルートテーブルからルートを抽出すると、かなり長い期間にわたって実際の始動入賞率を観測すると5%になるものの、現実には、遊技続行中に全く入賞のない期間がしばらく続いたり、入賞が頻発する期間がしばらく続いたりすることもある。しかし、以下に詳しく説明するように、この実施の形態では、極端に入賞率が上がった期間が継続したり極端に入賞率が下がった期間が継続することなく、入賞率がほぼ設定値に等しい状態で遊技が継続される遊技機が実現される。
【0100】
図27は、400種類の各ルートについての打玉が発射されてから入賞口部またはアウト口部まで到達するまでの時間が記載されたルート別時間テーブルを示す説明図である。例えば、ルート1は、打玉画像の発射表示がなされてから、打玉画像が3.8秒(3800ms)後に可変入賞球装置部49の大入賞口部を通るように表示され、5.6秒後にアウト口部56に到達するように表示されることを示す。従って、ルート1は、アウト口部56に至るルートの一つである。また、ルート2は、打玉画像の発射表示がなされてから、打玉画像が3.8秒(3800ms)後に可変入賞球装置部49の大入賞口部に入賞するように表示されることを示す。ルート2は、大入賞口部に入賞するルートの一つである。そして、ルート400は、打玉画像の発射表示がなされてから、打玉画像が2.2秒後に入賞口部50(「入賞口1」)に到達するように表示されることを示す。
ルート3〜399についても、同様に、打玉画像の発射表示がなされてから、打玉画像が入賞口部またはアウト口部に到達するまでの時間が設定されている。そして、このようなルート別時間テーブルは、主制御基板16の基本回路におけるROMに設定される。なお、ルート1〜400は、それぞれ、L1〜L13のいずれかを通るルートである。
【0101】
以下、入賞/非入賞の決定の仕方と大当たり/はずれの決定の仕方を図28〜図30のフローチャートを参照して説明する。
主制御基板16の基本回路は、打玉発射のタイミングにおいて、図28に示すように、まず打玉の発射レベルを確認する(ステップS1)。発射レベルが「6」未満であれば、打玉画像は遊技領域部42に達するように表示されないので(図20参照)、入賞/非入賞の決定を行わない。発射レベルが「6」以上であれば、基本回路は、ランダムカウンタ1の値を抽出する(ステップS2)。発射レベルに応じて打玉画像がL1〜L13のうちのいずれを通るか決定されるので、どの遊技盤面ルートテーブルを用いればよいのか決定される。
【0102】
次いで、基本回路は、大入賞口部が現在開放中であるかどうか確認する(ステップS3)。基本回路は遊技状態を管理するものであり当然大入賞口部の状態を把握しているので、開放中であるか否かは直ちに認識できる。そして、開放中でなければ遊技盤面ルートテーブルにおけるA欄を使用し(ステップS4)、開放中であれば、遊技盤面ルートテーブルにおけるB欄を使用することを決定する(ステップS5)。
【0103】
そして、決定された遊技盤面ルートテーブル中の選択された欄における各値(0〜999)が全て使用済であれば、未使用/使用済ビットを全て未使用にしておく(ステップS6,S7)。上述したように、未使用/使用済ビットは、各遊技盤面ルートテーブル中の各値(0〜999)に対応して基本回路中のRAMに用意されているものである。ステップS6,S7の処理によって、遊技盤面ルートテーブル中の各値(0〜999)が全て使用された段階で未使用/使用済ビットがリセットされることになる。すなわち、全ての値が未使用状態に戻される。さらに、基本回路は、ランダムカウンタ1の抽出値と一致する遊技盤面ルートテーブル中の値が未使用であるか否か確認する(ステップS9)。その値が使用済であれば、値を1増やした後(ステップS10)、再度その値が未使用であるか否か確認する。
【0104】
以上のように、この実施の形態では、打玉の発射のタイミングにおいて大入賞口部が開放中であるかどうか確認される。しかし、打玉の発射のタイミングにおいて大入賞口部が開放中であっても、実際に打玉画像が大入賞口部に到達したときには大入賞口部閉成の条件が成立して大入賞口部が閉成状態になっている場合もある。そこで、ステップS12以下の処理において、大入賞口部に入賞すると決定された打玉画像が実際に大入賞口部に到達したときには大入賞口部が閉成状態になっている場合が生じたときの考慮がなされる。
【0105】
ステップS9において未使用の値が見つかったら、基本回路は、遊技盤面ルートテーブル中のその値に応じたルートを打玉画像の入賞口部またはアウト口部への軌跡として選択する(ステップS11)。
例えば、発射レベルが「6」であって発射のタイミングで抽出されたランダムカウンタ1の値が「58」であったとする。すると、発射レベルが「6」であるから、図20を参照すると、打玉画像は遊技領域部42におけるL1の位置に達した後に遊技領域部42を落下すると決定されることがわかる。すなわち、図24に示す遊技盤面ルートテーブルを使用することが決定される。ここで、大入賞口が開放中であれば、B欄が使用され、B欄における値「58」が未使用であるか否かチェックされる。「58」が使用中であれば、「59」が未使用であるか否かチェックされる。そして、「59」が未使用であれば、図24に示す遊技盤面ルートテーブルのB欄の「59」に対応したルートL1_v1が打玉画像に軌跡として選択される。なお、ルートL1_v1は大入賞口部へのルートであるから、この例では、発射のタイミングにおいて、大入賞口部に入賞することが決定されたことになる。
【0106】
上述したように、可変入賞球装置部49が開放する状態である第1の状態(大当たり状態)は所定時間(例えば30秒間)の経過または所定個数(例えば10個)の打玉の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了する。すると、大入賞口部に入賞することが決定された打玉画像が発射表示されてから大入賞口部に達する期間中に、可変入賞球装置部49が閉成中であるインターバル状態に移行している可能性がある。そこで、基本回路は、以下のようにインターバル状態において大入賞口部への入賞が発生しないように制御する必要がある。
【0107】
基本回路は、まず、ステップS11において決定されたルートが大入賞口部に入賞するルートであるか否か確認する(ステップS12)。決定されたルートが大入賞口部に入賞するルートである場合には、図27に示すルート別時間テーブルから、そのルートの打玉画像が大入賞口部に到達するまでの時間を抽出する(ステップS13)。そして、抽出された時間と第1の状態の残り時間とを比較して(ステップS14)、抽出された時間の方が長くない場合にはルート変更処理を行う(ステップS15)。
【0108】
第1の状態の残り時間の方が長い場合には、基本回路は、そのときのラウンドにおける大入賞口部に既に入賞した入賞数と、既に発射表示された打玉画像のうちで大入賞口部に入賞することが決定されているがまだ大入賞口部には到達していないものの数との和を求める。和が10以上であれば、入賞/非入賞を決定しようとしている打玉が大入賞口部に達する前に、可変入賞球装置部49は閉成して第2の状態に移行することになる。すなわち、和が10以上であれば、第2の状態における大入賞口部への入賞が発生してしまう。そこで、この場合にも、基本回路はルート変更処理を行う(ステップS16,S15)。
【0109】
図29は、ルート変更処理を示すフローチャートである。
ルート変更処理において、基本回路は、遊技盤面ルートテーブルにおけるB欄に代えてA欄を使用することを決定する(ステップS31)。すなわち、大入賞口開放中のテーブルに代えてインターバル状態のテーブル使用することを決定する。ここで、遊技盤面ルートテーブル中の変更後の欄における各値(0〜999)が全て使用済であれば、未使用/使用済ビットを全て未使用にしておく(ステップS32,S33)。
そして、ステップS11の処理を実行するときに決定されていた値すなわちルートを決めるための値が、遊技盤面ルートテーブルの新たに使用することが決定された方の欄(この場合はA欄)において使用済であるか否か確認する(ステップS34)。使用済であれば、値を1増やして(ステップS35)、再度使用済であるか否か確認する。未使用であれば、遊技盤面ルートテーブル中のその値に応じたルートを打玉画像の大入賞口部を除く入賞口部またはアウト口部への軌跡として選択する(ステップS36)。
例えば、ステップS11の処理を実行するときに「59」という値が決定されていたとする。「59」という値が未使用であるならば、ステップS36において、図24のA欄における「59」に対応したルートL1_o1が変更されたルートとして選択される。
【0110】
また、開閉板57が閉成状態に移行して次のラウンドの開放状態が開始するまでのインターバル状態にあるときに非入賞が決定された場合、その打玉画像のルートが大入賞口部を経てアウト口部56に至るルート(例えば、図27に示すルート1)であるときには、実際に大入賞口部に到達する前に次のラウンドが開始されて可変入賞球装置部49が開放する状態である第1の状態に移行している可能性もある。そのまま打玉画像が遊技領域部42を移動していくと、開放状態にある可変入賞球装置部49を素通りしてしまう。そこで、基本回路は、以下のようにして、そのような不都合を回避する。
【0111】
基本回路は、ステップS11で決定されたルートがA欄の値から選定され、かつ、大入賞口部を経てアウト口部56に至るものかどうか確認する(ステップS18)。そのようなルートである場合には、図27に示すルート別時間テーブルから、そのルートの打玉画像が大入賞口部に到達するまでの時間を抽出する(ステップS19)。そして、抽出された時間とインターバル状態の残り時間とを比較して(ステップS20)、抽出された時間の方が長くない場合には図29に示すルート変更処理を行う(ステップS21)。この場合には、ステップS31の処理において、基本回路は、遊技盤面ルートテーブルにおけるA欄に代えてB欄を使用することを決定する。すなわち、インターバル状態のテーブルに代えて大入賞口開放中のテーブル使用することを決定する。
【0112】
例えば、ステップS11の処理を実行するときに「59」という値が決定されていたとする。図24のA欄において「59」という値に対応するルートはL1_o1である。ルートL1_o1が大入賞口部を経てアウト口部56に至るものであって、そのルートL1_o1をたどって移動した打玉画像が実際に大入賞口部に達したときには次のラウンドが開始される場合には、ルート変更処理が実行される。そして、ステップS36において、B欄の「59」という値が未使用であるならば、B欄の「59」に対応したL1_v1が変更されたルートとして選択される。
【0113】
上述したように、打玉発射のタイミングで入賞/非入賞を決定する場合には、入賞/非入賞を決定するタイミングと実際に打玉画像が大入賞口に到達するタイミングとがずれるので、なんらの考慮もなされないと、発射のタイミングで大入賞口部に入賞すると決定されたにもかかわらず、実際に打玉画像が大入賞口部に到達したときには大入賞口部が閉じられているという事態も生じうる。また、逆に、発射のタイミングで入賞しないと決定された場合には、なんらの考慮もなされないと、打玉画像が開放中の大入賞口部を素通りしてアウト口部56に向かうように表示制御されてしまうこともある。
しかし、この実施の形態によれば、発射のタイミングから打玉画像が大入賞口部に到達するまでの時間と、打玉が発射されてから可変入賞球装置部49に達する時間とが比較され、比較結果に応じてルート変更がなされるので、閉じている大入賞口部に入賞してしまう等の不都合が回避される。
【0114】
なお、この実施の形態では、遊技盤面ルートテーブルにおけるA欄とB欄を切り替えてルート変更を行うようにしたが、他の方法によっても、上記の不都合を回避することができる。例えば、あらかじめ定められているルート(この実施の形態では計400ルート)中で、大入賞口部にのみ入賞するルートを定義せず、大入賞口部を経由する全てのルートについてさらにアウト口部56に至る軌跡を定義する。例えば、図27におけるルート2のようなルートを設定せず、ルート1のように大入賞口部を経由する場合にはアウト口部56に至る軌跡もあるようにルート定義する。そして、入賞しないことが決定された場合には、アウト口部56にまで到達するように表示制御され、大入賞口部に入賞することが決定されたら打玉画像が大入賞口部に入賞するように表示制御されるように遊技機を構成すればよい。さらに、発射のタイミングで大入賞口部への入賞が決定されたにもかかわらず、実際に大入賞口部へ打玉画像が達したときには大入賞口部が閉じられてしまうような場合には、アウト口部56にまで到達するように表示制御されればよい。このような表示制御の切り替えは、例えば、基本回路から画像表示器制御基板18に設けられる画像表示器制御回路への制御信号に、打玉画像をアウト口部56まで移動するか否かの信号を追加することによって実現される。
【0115】
あるいは、大入賞口部にのみ入賞するルートと大入賞口部を経てアウト口部56に至るルートとを対応付けておいても、上記の不都合を回避することができる。例えば、図27に示されたルート1とルート2とが対応付けられているとする。そして、発射のタイミングで大入賞口部へ入賞するルート2が選定されたにもかかわらず、実際に大入賞口部へ打玉画像が達したときには大入賞口部が閉じられてしまうような場合には、ルート2に対応付けられているルート1に軌跡を変更すればよい。なお、対応付けは、基本回路のROMに格納されているテーブルにおいて対応付けのデータを付しておくことによって実現できる。
【0116】
ステップS11において、またはルート変更処理によって最終的にルートが決定されると、基本回路は、そのときに扱っている遊技盤面ルートテーブル中の値に対応する未使用/使用済のビットを使用済にする(ステップS22)。なお、そのときに扱っている遊技盤面ルートテーブル中の値とは、ステップS11の処理を開始する前に決定された値、またはルート変更処理において変更された値である。
【0117】
また、この実施の形態では、各遊技盤面ルートテーブルにおいてA欄およびB欄が設けられたが、1つの欄(例えばB欄)のみを設けてもよい。その場合には、ランダムカウンタ1の値に応じて大入賞口部に入賞するルートが選定された場合に、そのルートに応じた大入賞口部に到達するまでの時間をルート別時間テーブルから抽出する。そして、その時間が経過すると大入賞口部の開放状態が終了してしまう場合には、アウト口部56に至るルートに変更すればよい。
【0118】
以上のように、この実施の形態では、各遊技盤面ルートテーブル中の0〜999の値のそれぞれに未使用/使用済のビットを付し、全ての値が使用済になるまでは、使用済の値を再度使用することはしない。また、この実施の形態では、各遊技盤面ルートテーブル中の各値は、打玉画像のルートを決定するものであるとともに、打玉の入賞/非入賞を決定するものでもある。この実施の形態では、各ルートの到達点である各入賞口部またはアウト口部が決まっているので、ルートが選定されれば入賞/非入賞が決定するからである。従って、打玉の発射のタイミングで上述した処理が実行されると、入賞/非入賞の抽選のために使用された値は、以後、ひと通りの入賞/非入賞の抽選が終了するまで使用されない。すなわち、非独立試行の抽選が行われる。すると、比較的短期間でも、入賞の発生割合は、図23に例示したような入賞率に近いものとなる。換言すれば、入賞率が急激に上がったり長期間にわたって低い入賞率が継続したりすることなく、入賞率が安定した状態で遊技が進行する。
【0119】
なお、この実施の形態では、遊技盤面画像におけるL1〜L13の位置からの各ルートに対応した各遊技盤面ルートテーブルを用意し、打玉画像の移動軌跡を事前に決定するためのランダムカウンタ1の値(0〜999)に対応したテーブル中の値について、1度使用された値は、ひと通りの抽選が終了するまで次回の抽選対象とされないようにして、入賞/非入賞の非独立試行の抽選が実現された。しかし、他の方式によっても、入賞/非入賞の非独立試行の抽選を実現することもできる。
【0120】
例えば、ランダムカウンタ1の値を、始動入賞、始動入賞以外の各入賞、大入賞口への入賞、および非入賞を決めるためだけに使用する。すなわち、ランダムカウンタ1の値を、入賞/非入賞の抽選のためだけに使用し、ランダムカウンタ1をルート選定に関係しないものとする。そして、ランダムカウンタ1の値に応じて始動入賞、始動入賞以外の各入賞、大入賞口への入賞、または非入賞を決めるテーブルが用意され、ランダムカウンタ1の値にもとづいて、そのテーブルの内容が検索され、始動入賞、始動入賞以外の各入賞、大入賞口への入賞、または非入賞が決定される。その後、発射レベルに応じて決まるL1〜L13の位置から各入賞口部またはアウト口部へ至るルートが選定される。この場合、例えば、ランダムカウンタ1の値にもとづいて始動入賞が決定され、L1の位置から始動入賞口部48に至るルートが複数定義されている場合には、別の乱数によって1つのルートを選定する。そして、そのときに抽出されたランダムカウンタ1の値は、ひと通りの抽選が終了するまで、すなわち、この実施の形態では1000回の抽選が完了するまで、次回の抽選では使用しないようにする。このようにしても、1度入賞/非入賞の抽選に用いられた値は、ひと通りの抽選が終了するまで用いられないようにすることができる。
【0121】
その場合には、図23に示すような各ルート(L1〜L13を通る各ルート)毎の各入賞率が設定されず、全体的な入賞率が設定されている場合でも、比較的短い期間で、その設定入賞率に近い値の実際の入賞率が安定して現れる遊技機を実現することができる。
なお、この場合、1つのランダムカウンタ1ではなく、通常状態またはインターバル状態において用いられるランダムカウンタ1Aと大入賞口開放中に用いられるランダムカウンタ1Bとの2つを用いる。そして、ランダムカウンタ1Aの値に応じて始動入賞、始動入賞以外の各入賞、または非入賞が決定される。また、ランダムカウンタ1Bの値に応じて始動入賞、始動入賞以外の各入賞、大入賞口への入賞、または非入賞が決定される。また、通常状態ランダムカウンタ1A、インターバル状態において用いられるランダムカウンタ1B、および大入賞口開放中において用いられるランダムカウンタ1Cを用いるようにしてもよい。
【0122】
図30は、ランダムカウンタの値によって大当たりを発生させるか否かを決定するための制御を示すフローチャートである。図30に示す処理も、打玉の発射のタイミングで実行される。大当たりとするかまたは大当たり以外(はずれ)とするかは、ランダムカウンタ2の値を判定することにより決定される。基本回路は、ランダムカウンタ2の値が、「3」であれば大当たりとし「3」以外であれば大当たり以外とする。大当たりとすることが決定された場合は、ランダムカウンタ6の値によって大当たりを発生させるための図柄の種類を決定する。一方、大当たり以外とすることが決定された場合は、ランダムカウンタ3,4,5の値を使用して、左側、中央、右側の図柄表示部46a,46b,46cにおける停止表示される図柄(以下「停止図柄」という。)の種類をそれぞれ決定する。なお、大当たり以外とする場合に、ランダムカウンタ3,4,5の各値にもとづいて決定された図柄の組合せ配列が、偶然、大当たりとなる図柄の組合せ配列となる場合は、中図柄を示すランダムカウンタ4の値から「1」を減算し、強制的にはずれれ図柄の組合せ配列で停止表示するように調整する。
なお、ランダムカウンタ2の値によって大当たりを発生させるか否かを決定する際に、基本回路は、所定の値を除外するといった制御を行わない。すなわち、基本回路は、ここでは独立試行を行う。
【0123】
図31は、可変入賞球装置部49における開閉板部57の構造を説明するための概念図である。また、図32,図33は、打玉画像が可変入賞球装置部49の大入賞口部に入賞した後、大入賞口部内の打玉のルートを選択するための大入賞口内玉ルートテーブルを示す説明図である。
ここでは、遊技盤面画像におけるL1〜L13から大入賞口部に至るルートのうちに、開閉板部57の左半分の側から大入賞口部に入賞するルートと開閉板部57の右半分の側から大入賞口部に入賞するルートとがあるとする。また、図31に示すように開閉板部57の内部の左側にVポケット部(V)が表示され右側に普通入賞口部(10C)が表示される。
【0124】
基本回路は、打玉発射のタイミングにおいて、打玉画像のルートとして大入賞口部に至るルートを決定した場合には、ランダムカウンタ8の値を抽出する。そして、抽出した値に応じて大入賞口部内の打玉画像のルートを決定する。具体的には、開閉板部57の左半分の側から大入賞口部に入賞するルートが選定されている場合には、基本回路は、図32に示す大入賞口内玉ルートテーブルの内容に従って大入賞口部内の打玉画像のルートを決定する。また、開閉板部57の右半分の側から大入賞口部に入賞するルートが選定されている場合には、図33に示す大入賞口内玉ルートテーブルの内容に従って大入賞口部内の打玉画像のルートを決定する。このように、打玉画像のルートとして大入賞口部に至るルートが選定された場合には、打玉発射のタイミングにおいて、大入賞口部内の打玉画像のルートも決定される。
【0125】
例えば、開閉板部57の左半分の側から大入賞口部に入賞するルートが選定されている場合であって、ランダムカウンタ8の抽出値が「0」であった場合には、基本回路はその旨を記憶する。そして、打玉画像が遊技領域部42を落下して開閉板部57で受け止められたときに、基本回路に記憶されている内容に従って、画像表示器制御基板18上の画像表示器制御回路は、図31に示すAルートを通りVポケット部(V)に入賞するように打玉画像を表示制御する。なお、基本回路は、発射のタイミングにおいて、または、その後に画像表示器制御回路に記憶内容を通知する。
【0126】
ランダムカウンタ8の抽出値が例えば「4」であった場合には、図31に示すAルートを通るがVポケット部(V)に入賞せず、内部の傾斜ルートを通って打玉画像が普通入賞口部(10C)に入賞するように表示制御される。ランダムカウンタ8の抽出値が例えば「6」であった場合には、図31に示すBルートを通り内部の傾斜ルートを通って打玉画像が普通入賞口部(10C)に入賞するように表示制御される。
ランダムカウンタ8の抽出値がその他の値であった場合も図32に示す大入賞口内玉ルートテーブルの内容に従って表示制御がなされ、開閉板部57の右半分の側から大入賞口部に入賞するルートが選定されている場合には、図33に示す大入賞口内玉ルートテーブルの内容に従って同様の表示制御がなされる。
【0127】
この実施の形態では、基本回路は、貯留手段部としてのVポケット部(V)に入賞玉画像を貯留表示するか否かを決定する入賞球貯留決定手段としても作用する。このような実施の形態は、例えば1ラウンド中のVポケットへの入賞確率を所定値以内としたい場合に有効である。また、所定の条件に応じてVポケットへの入賞確率を変えるようにしたので、より現実味のある遊技状態を提供できる。なお、この実施の形態では、所定の条件として大入賞口部への入賞位置の違いを例にとったが、遊技状態の違いに応じて入賞確率を変える等、他の条件を採用することもできる。
【0128】
以上のように、この実施の形態によれば、遊技機の遊技領域全体が表示装置によって表示される第1種パチンコ遊技機であって、発射のタイミングで入賞/非入賞の抽選が行われるものにおいて、入賞/非入賞の抽選も独立試行とした場合に比べて、スタート(始動入賞数/分)やベース(全入賞数/分)が安定して遊技が続行される遊技機を実現できる。
また、図23に示すように遊技状態が通常状態にあるときと大入賞口開放中とで異なった入賞率を設定し、図24〜図26に示されたような通常状態と大入賞口開放中とが分けられているテーブルによって入賞/非入賞の抽選を実現しているので、大当たり中の入賞率を容易に変えることができる等の効果を得ることができる。始動入賞、始動入賞以外の各入賞、大入賞口への入賞、または非入賞を決めるための2つのランダムカウンタ1A,1Bを用いた場合にも、入賞率が通常状態にあるときと大入賞口開放中とで異なるような遊技機を実現することができる。
さらに、インターバル状態についても、図23に示すように大入賞口開放中とは異なった入賞率を設定し、図24〜図26に示されたようなインターバル状態と大入賞口開放中とが分けられているテーブルによって入賞/非入賞の抽選を実現しているので、インターバル状態での大入賞口部への入賞を容易に回避できる。始動入賞、始動入賞以外の各入賞、大入賞口への入賞、または非入賞を決めるためのランダムカウンタ1A,1Bを用いた場合にも、同様のことがいえる。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態にあるときとインターバル状態にあるときとで同一のテーブルを用いるようにしたが、別のテーブルを用いるようにしてもよい。そのようにすれば、通常状態とインターバル状態とで入賞率を別にしたい等の要請に容易に応えられる。
さらに、発射のタイミングにおいて入賞が決定された打玉画像を、貯留手段部に貯留するか否か発射のタイミングにおいて決定する入賞球貯留決定手段を設けたので、特定の入賞口部に入賞する確率を容易に設定できる。
【0129】
次に、第2種パチンコ遊技機の表示例について説明する。
図34は、第2種パチンコ遊技機用の遊技盤面画像の一例を示す説明図である。図34に示すように、表示画面2の遊技盤面用表示画面2aには、第2種パチンコ遊技機用の遊技盤面画像が表示される。遊技盤面画像内の周面に、2本の円弧状の区画レール部64が表示されている。区画レール部64は、外レール部および内レール部から構成され、外レール部と内レール部とで囲まれた2つの領域が誘導路部および遊技領域部62となる。
【0130】
遊技領域部62のほぼ中央には、第2可変入賞球装置部70が表示される。第2可変入賞球装置部70は、落下してきた打玉を開放状態において受け止める1対の玉受部材部71と、玉受部材部71によって受け止められた入賞玉が流下するように表示される入賞空間部73と、入賞空間部73の最下方中央に表示される特定入賞領域部83を含む複数の入賞領域部とを含んでいる。特定入賞領域部83の下方には、特定入賞領域部83への入賞玉画像を検知する役割を果たすものとして特定玉検出器部84が表示されている。
【0131】
また、第2可変入賞球装置部70の下方には、始動遊技状態を生起させる1つの第1可変入賞球装置部65と2つの始動入賞口部66とが表示されている。第1可変入賞球装置部65は、開閉表示される1対の開閉翼片部67を有し、通過ゲート部68,69に打玉画像が通過したように表示されると開閉翼片部67が所定時間開閉表示される。可変表示器部77が表示される場合には、通過ゲート部68,69に打玉画像が通過したように表示されると、可変表示器部77における停止図柄が所定の図柄となったことを条件に開閉翼片部67が所定時間開閉表示される。図34に示す例は、可変表示器部77を表示する遊技機の例である。
また、始動入賞口部66は、受け口形式の入賞口部として表示されている。始動入賞口部66に打玉画像が入賞したように表示されると、第2可変入賞球装置部70の玉受部材部71が比較的短い時間の開放を1回行なうように表示される。また、中央の第1可変入賞球装置部65に打玉画像が入賞したように表示されると、玉受部材部71が比較的短い時間の開閉を2回行なうように表示される。
【0132】
なお、この実施の形態において、第1可変入賞球装置部65は、所定条件が成立したときに、第2可変入賞球装置部70への打玉画像への入賞率を向上させるための手段の一部を構成する。また、第1可変入賞球装置部65および始動入賞口部66に入賞した入賞玉画像によって払出される景品玉数は、他の入賞口部または入賞球装置部に入賞した入賞玉画像によって払出される景品玉数(例えば、15個)よりも少なく設定(例えば、5個)されている。入賞玉数の種類は遊技動作を制御する基本回路に入力される。
【0133】
第1可変入賞球装置部65を駆動表示するための通過ゲート部68,69は、第2可変入賞球装置部70左右側方に表示される。さらに、遊技領域部62には、入賞口部75,76が表示されている。入賞口部75は、第2可変入賞球装置部70の下方部左右側方に表示されている。入賞口部76は、入賞口部75の下方に表示され、その下部にランプ付き風車部が表示され、そのランプ部は袖ランプ部78と呼ばれる。
【0134】
また、遊技領域部62の左右両端部には、サイドランプ部79が表示され、遊技領域部62の最下方には、入賞しなかった打玉画像を回収するように表示するためのアウト口部80が表示される。遊技領域部62の入口部分には、打玉画像の逆流を防止するように表示するための逆流防止部材部82が表示されている。袖ランプ部78およびサイドランプ部79は、始動遊技状態や大当たり遊技状態等に所定の態様で表示される。
【0135】
次に、図35を参照して、第2可変入賞球装置部70の構成について説明する。第2可変入賞球装置部70のほぼ中央に、入賞玉画像が落下する入賞空間部73が後方に凹状に形成されているように表示される。そして、入賞空間部73には玉受部材部71が開放したときにだけ打玉画像が受け入れられる。玉受部材部71によって受け止められた打玉画像は、上部玉転動板367によって後方に導かれるように表示され、入賞空間部73の上部左右に表示された玉出口369a,369bから入賞空間部73に放出される。また、入賞空間部73の上縁および左右縁に沿って打玉画像の侵入を阻止する障害枠363が表示され、障害枠363の上辺の後方には、入賞口部362が形成されている。障害枠363の下方空間後面には、各種の情報を表示する可変表示器部364が設けられている。可変表示器部364には、例えば、始動入賞時には、所定の文字が64msの速さで点滅表示される。また、特定遊技状態となった場合において、玉受部材部71が開放する前に、所定の文字が100msの速度でスクロール表示され、最後の開閉サイクルの継続中には、そのことを示す文字が100msの速度でスクロール表示される。なお、開閉サイクルについては、後で説明する。
【0136】
また、可変表示器部364は、特定遊技状態の発生時、すなわち、特定玉検出器部84で打玉画像がが検出されたような表示がなされたときに、「0〜9」の数字を可変表示して、所定時間後にいずれか1つの数字を停止表示する。そして、例えば、停止表示された数字が「3」または「7」のときには、開閉サイクルの最大継続回数が16回とされる。停止表示された数字が「5」のときには、開閉サイクルの最大継続回数が8回とされる。停止表示された数字が「5」のときには、開閉サイクルの最大継続回数が5回とされ、それら以外のときには、開閉サイクルの最大継続回数が3回とされる。
なお、開閉サイクルの最大継続回数は、打玉の発射のタイミングにおいて、後で述べるランダムカウンタ10の値に応じて設定される。
【0137】
玉出口369a,369bの下方には、水平方向と下り傾斜方向とに可変する可動板部72が表示され、可動板部72が水平表示されたときには、玉出口369a,369bから放出された打玉画像が入賞空間部73の中央に表示されるキャラクター部材85の盃部81に導かれ、下り傾斜状態となっているときには、入賞空間部73をそのまま下方に落下するように表示制御される。入賞空間部73の中央に設けられるキャラクター部材85は、相撲取りの意匠が付与され、優勝した相撲取りが盃部81を持って美酒を飲むような動作を行う。
【0138】
盃部81は、持ち上げられたように表示されたときには盃部81に貯留された打玉画像を玉流出口から流出させるが、そのとき、キャラクター部材85に形成される口部376が開放して、盃部81から流出する打玉画像を受け入れる。受け入れられた打玉画像は、そのまま下方に導かれてキャラクター部材85の足の間から下部玉転動板380の中央に放出される。ただし、その放出部の直前に玉を一時的に停止させる一時停止板が仮想的に設けられ、口部376から入った先頭の玉を一時停止板で貯留し、後続の玉は、一時停止板によって貯留される先頭の玉に衝突して左右に振り分けられるように表示制御される。従って、下部玉転動板380の中央に放出される打玉画像は1個となる。
【0139】
下部玉転動板380は、入賞空間部73の底面を構成するもので、入賞空間部73の後方から前方に向けて下り傾斜状に表示されている。その前端縁に特定入賞領域部83と通常入賞領域部383a,383bとが表示されている。特定入賞領域部83は中央に1つ表示され、通常入賞領域部383a,383bは左右に表示されている。また、特定入賞領域部83の下方には特定玉検出器部84が表示され、特定玉検出器部84が打玉画像によって仮想的にオンすることによって、特定遊技状態となったり、開閉サイクルが継続するように制御される。
【0140】
下部玉転動板380には、特定入賞領域部83の横幅に相当する間隔で中央通路形成片381が表示されている。一時停止板によって開放された1個の打玉画像であってキャラクター部材85の足の中央から放出されて下部玉転動板380の中央を転動する打玉画像は、中央通路形成片381によって特定入賞領域部83に誘導される。逆に、下部玉転動板380の左右通路を流下する打玉画像は、中央通路形成片381によって特定入賞領域部83への誘導を阻止され、多くの確率で通常入賞領域部383a,383bに導かれる。つまり、第2可変入賞球装置70において、玉受部材部71に受け止められて内部に誘導された打玉画像のうち、可動板部72によって盃部81に誘導された打玉画像は、ほぼ確実に特定入賞領域部383に導かれるように表示制御される。
【0141】
次に、始動遊技状態後の第2可変入賞球装置部70の表示状態について説明する。
第1可変入賞球装置部65または始動入賞口部66に打玉画像が入賞したように表示されると、始動遊技状態が開始される。この状態において、第2可変入賞球装置部70の1回または2回の開閉動作表示がなされる。この始動遊技状態において第2可変入賞球装置部70に受入れられた入賞玉画像が特定入賞領域部83に入賞したように表示されると、特定遊技状態(以下、大当たり遊技状態という。)になったように表示される。大当たり遊技状態になったように表示されると、玉受部材部71が所定時間(例えば、28秒)内に所定回数(例えば、18回)開閉動作する表示が行なわれるか、または、その所定回数内の開閉動作表示中に所定個数(例えば、10個)の入賞玉画像が発生するまでの開閉動作表示が行なわれる(以下、これを開閉サイクルという)。
【0142】
このような開閉サイクルが表示されているときに受け入れられた入賞玉画像が特定入賞領域部83に誘導されたときには、直ちにその回の開閉サイクルを停止して次の開閉サイクルに移行する。そして、その継続回数は、開閉サイクル中に入賞玉画像が特定入賞領域部83に入賞するように表示されることを条件として、所定回数(例えば、15回)繰り返される。従って、大当たり遊技状態となると、短時間に多量の入賞玉を発生させることができるので、この種の遊技機においては、大当たり遊技状態となる前提である始動遊技状態に遊技者の注意が集中する。
【0143】
入賞率を向上させるために、第2可変入賞球装置部70の玉受部材部71の始動入賞における開放表示時間を増大させる制御(例えば、0.3秒→0.8秒)、第2可変入賞球装置部70の玉受部材部71の始動入賞における開放回数を増大させる制御(例えば、1回→2回)、第2可変入賞球装置部70の玉受部材部71の始動入賞における開放時間を増大させて表示する制御(例えば、0.3秒→5.9秒;本表示例の制御)、第1可変入賞球装置部65の開放回数を増大させる制御(例えば、1回→10回)、第1可変入賞球装置部65の開放量を増大させるように表示する制御(例えば、小開き→大開き)等を行なってもよい。
図34に示す遊技態様のように可変表示器部77が表示され、第1可変入賞球装置部65の開放表示を可変表示器部77の表示結果が当たりとなったときに行なう場合において、可変表示器部77の当たり図柄数を増大させる制御(例えば、1個→4個)、可変表示器部77の当たり図柄出現確率を増大させる制御(例えば、1/8→4/8)等を行なってもよい。
【0144】
さらに、他の入賞率向上制御として、第2可変入賞球装置部70における特定領域誘導部材部である可動板部72の作動表示時間の増大(例えば、0.4秒→0.8秒)、可動板部72の作動表示回数の増大(例えば、1回→2回)、可動板部72の作動表示タイミングの変更(本表示例の制御)、特定領域(本表示例の特定入賞領域部83に相当)の位置を打玉画像が入賞しやすい位置に移動させて表示する制御、特定領域の大きさを大きくしたり増加させたりする拡大制御等を行なってもよい。なお、第1の入賞率向上制御および第2の入賞率向上制御等において、上に列挙したそれぞれの条件または制御を複数個組合せてもよい。
【0145】
以下、上述した入賞率向上制御が行なわれるという条件の下で、まず、この実施の形態による遊技機の表示動作について説明する。
図36は、通過ゲート部68,69を打玉画像が通過したときの第1可変入賞球装置部65の表示状態を説明するためのタイミング図である。打玉画像が通過ゲート部68または通過ゲート部69を通過したように表示されると、図36に示すように、第1可変入賞球装置部65が微少時間(0.300秒)開放した状態で表示される。この第1可変入賞球装置部65の微少時間の開放は、特定遊技状態(大当たり動作)の1回目の終了までの表示である。この実施の形態では、そのような1回目の表示が終了したときに所定条件が成立することになる。所定条件の成立後に通過ゲート部68,69を打玉画像が通過すると、第1可変入賞球装置部65の開放表示は、図36の下段に示すように、比較的長い時間(5.900秒)に設定される。このため、打玉画像が第1可変入賞球装置部65に確実に入賞し、その結果、第2可変入賞球装置部70の玉受部材部71の2回の開放表示が頻繁に発生する。従って、打玉画像が第2可変入賞球装置部70に入賞しやすくなり、その入賞率が向上することになる。つまり、所定条件が成立することにより、第2可変入賞球装置部70への打玉画像の入賞率を向上させることができる。なお、所定条件の成立は、3回目の特定遊技状態が終了するまで継続される。
【0146】
次に、図37〜図39を参照して打玉画像が第1可変入賞球装置部65または始動入賞口部66に入賞した場合の第2可変入賞球装置部70の表示状態について説明する。
図37は打玉画像が始動入賞口部66に入賞した場合の表示状態を説明するためのタイミング図であり、図38は打玉画像が始動口としての第1可変入賞球装置部65に入賞した場合の表示状態を説明するためのタイミング図であり、図39は所定条件成立後に打玉画像が第1可変入賞球装置部65に入賞した場合の表示状態を説明するためのタイミング図である。
【0147】
打玉画像が始動入賞口部66に入賞したように表示されると、図37に示すように、始動入賞があったと判定される。その判定後、所定時間(2.500秒)が経過したときに第2可変入賞球装置部70の玉受部材部71が微少時間(0.300秒)1回開放状態で表示される。玉受部材部71の開放表示と同時に可動板部72が水平状態で表示され、打玉画像を盃部81に導く態勢で表示される。しかし、玉受部材部71の開放表示と可動板部72の水平表示とが同時に行なわれ可動板部72の水平表示期間は極めて短いので、玉受部材部71の開放直後に入賞した打玉画像のみが盃部81に導かれる、従って、この態様では、極めて限られた打玉画像が特定入賞領域部83に導かれるように表示される。
そして、玉受部材部71および可動板部72の作動表示停止後、所定時間(1.000秒)経過したときに盃部81が駆動表示され、その後、一時停止板が動作し貯留されている打玉画像がある場合に打玉画像を解放するように表示される。なお、玉受部材部71の開放表示終了後、所定時間(4.500秒)が経過するまでは、打玉画像が第1可変入賞球装置部65および始動入賞口部66に入賞しても無効として処理され、単なる入賞玉として処理される。
【0148】
図38に示すように、打玉画像が第1可変入賞球装置部65に入賞したように表示され始動入賞が判定されると、所定時間(2.500秒)が経過したときに第2可変入賞球装置部70の玉受部材部71が2回所定時間(0.8秒)だけ開放状態で表示される。玉受部材部71の開放表示と同時に可動板部72がそれよりも短い時間だけ水平状態となって打玉画像を盃部81に導く態勢で表示される。
この2回開き始動入賞では2回の開放動作が表示され、しかも上述した1回の開放時間より長い時間開放したように表示されるので、打玉画像は第2可変入賞球装置部70に入賞しやすいのであるが、玉受部材部71の開放表示と可動板部72の水平表示とが同時に行なわれ可動板部72の水平表示期間は短いので、玉受部材部71の開放表示直後に入賞した打玉画像しか盃部81に導かれるない。従って、この場合にも、極めて限られた打玉画像が特定入賞領域部83に導かれるように表示されることになる。
そして、玉受部材部71の作動表示停止後、所定時間(1.000秒)経過したときに盃部81が駆動表示され、その後、一時停止板部が動作され貯留されている打玉画像がある場合に開放するように表示される。なお、玉受部材部71の開放表示終了後、所定時間(4.500秒)が経過するまでは、打玉画像が第1可変入賞球装置部65および始動入賞口部66に入賞しても無効として処理され、単なる入賞玉として処理される。
【0149】
所定条件の成立後に打玉画像が第1可変入賞球装置部65に入賞したように表示され始動入賞が判定されると、図39に示すように、所定時間(2.500秒)が経過したときに第2可変入賞球装置部70の玉受部材部71が所定時間(0.800秒)の間隔をおいて微少時間(0.800秒)2回開放状態で表示される。可動板部72も同じ時間(0.800秒)だけ開放状態で表示され、可動板部72が水平状態となって打玉画像を盃部81へ導く態勢で表示される。
この場合には、玉受部材部71の開放開始してからしばらくして可動板部72可動板部72が水平表示されるので、玉受部材部71によって受け止められた各打玉画像は、ほとんど可動板部によって盃部81へ導かれる。従って、ほぼ確実に打玉画像が特定入賞領域部83に誘導されるように表示される。つまり、所定条件が成立すると、特定入賞領域部83への打玉画像の誘導率(入賞率)を向上させることができる。
【0150】
上述したように、本表示例では、所定条件が成立することにより、第2可変入賞球装置部70への打玉画像の入賞率を向上させることができると同時に特定入賞領域部83への打玉画像の誘導率(入賞率)を向上させることができる。よって、打玉画像が特定入賞領域部83に入賞して特定遊技状態となる可能性が極めて高くなり、遊技者の興趣を強く引きつけることができる。
【0151】
なお、図36に示す第1の入賞率向上制御の変形例として、図40および図41に示すように表示制御してもよい。図36に示す例では、所定条件成立後の通過ゲート部68,69への打玉画像の通過表示にもとづいて、第1可変入賞球装置部65が一定時間(5.900秒)連続して開放表示される。これに対して、図40に示すように、第1可変入賞球装置部65の微少時間(0.300秒)の開放表示を連続して所定回数(例えば、10回)行なうようにしてもよい。
また、通過ゲート部68,69を打玉画像が通過したことにもとづいて図34に示す可変表示器部77が可変表示する場合には、図41に示すように、例えば、可変表示器部77の表示結果があらかじめ定めた当たり図柄「7」であるときに第1可変入賞球装置部65を微少時間(0.300秒)開放表示する場合において、所定条件が成立したときに、当たり図柄の数を増加(例えば、1、3、5、7)させるとともに、第1可変入賞球装置部65を連続的に一定時間(5.900秒)開放表示するか、または微少時間(0.300秒)間隔の開閉表示を所定回数(10回)行なうようにして、第2可変入賞球装置部70への入賞率を高めるようにしてもよい。
【0152】
次に、図42および図43を参照して開閉サイクル時の表示状態について説明する。
図42は開閉サイクルの基本的な表示状態を説明するためのタイミング図であり、図43は最終回の開閉サイクルの表示状態を説明するためのタイミング図である。なお、図中の役物連続作動装置の作動は、特定玉検出器部84による特定入賞領域部83への打玉画像の入賞の検出を示す。
【0153】
まず、開閉サイクルにおける基本的な表示動作を図42を参照して説明する。特定玉検出器部84が作動したように表示され特定入賞領域部83への入賞が判定されると、所定時間(5.500秒〜8.000秒)遅れて玉受部材部71が開閉サイクルを開始する。この開閉サイクルにおいて、一定の開放時間(0.800秒)と閉成時間(0.800秒)とが交互に行なわれる。また、特定玉検出器部84の作動判定後、玉受部材部71の開閉動作の表示開始前には、盃部81が少なくとも1回上下動し、可動板部72が2回上下動し、一時停止板部も2回動作するように表示される。
【0154】
一方、開閉サイクルが開始されて所定時間(1.000秒)が経過したときには、可動板部72が一定時間(3.000秒)上位置に表示されるので、玉受部材部71の3回目の開閉表示動作まで打玉画像が受入れられると打玉画像は盃部81に導かれる。その後、4回目の開閉表示動作の開始時に盃部81が上位置に表示されるので、盃部81に貯留された打玉画像は、キャラクタ部材部85の口部376に飲み込まれるように表示制御され、先頭の打玉画像だけが一時停止板部に貯留されるように表示される。
【0155】
一時停止板部に貯留された打玉画像は、次に一時停止板部が駆動されるように表示されるまで貯留される。一時停止板部の次の駆動表示は、開閉サイクルの終了時であるので、結局、開閉サイクルの終了時に貯留が解除される。さらに、開閉サイクルが進んで、玉受部材部71に受入れられて入賞した入賞玉数が6個になったときに、または、玉受部材部71の13回目の開閉表示が終了したときに、可動板部72の所定時間(3.000秒)の開状態が開閉サイクルの終了まで継続される。この結果、先の可動板部72の開状態によって盃部81に打玉画像が導かれない場合でも、再度盃部81に打玉画像を導くチャンスが与えられる。
【0156】
そして、上述したような経過を経て開閉サイクルが終了したときには、終了時から所定時間(1.000秒)経過したときに盃部81が上位置に傾動して表示され、その後、一時停止板部が2回オン/オフの表示状態を繰返す。すると、一時停止板部に停止されていた打玉が中央通路形成片部を通って特定入賞領域部83に導かれるように表示され、特定入賞領域部83に打玉画像が入賞し、継続権が成立して次の開閉サイクルに移行する。
【0157】
次に、最終回への開閉サイクルの表示状態について図43を参照して説明する。12回目の開閉サイクルの途中で入賞玉画像が特定入賞領域部83に入賞したように表示され特定入賞領域部83への入賞が判定されると、直ちに玉受部材部71の開閉表示動作が終了する。そして、12回目の開閉サイクルの途中での特定入賞領域部83への入賞判定後、一定時間(6.000秒)経過したとき、玉受部材部71の開閉表示動作が実行され、最終回の開閉サイクルが開始される。最終回の開閉サイクルにおいても、上記した通常の開閉サイクルと同じ動作が繰返し表示される。また、12回目の開閉サイクルの途中での特定入賞領域部83への入賞判定後の上記の一定時間においては、判定導出と同時に盃部81の上下動表示が行なわれ、その余り時間にも短い周期の上下動が表示されるとともに、可動板部72および一時停止板部も通常の開閉サイクルの開始時と同じ動作で表示される。
【0158】
以下、打玉画像の発射のタイミングにおいて実行される打玉画像のルート選定処理および入賞/非入賞の決定の仕方について説明する。
図44は、この実施の形態による遊技機において、第2種パチンコ遊技機の遊技が選択された場合における、ランダムカウンタの種類とその内容を示す説明図である。この場合には、ランダムカウンタ1およびランダムカウンタ9〜ランダムカウンタ11の4種類のランダムカウンタが用いられる。これらのランダムカウンタの値が打玉発射のタイミングで読み出され、その値にもとづいて、入賞/非入賞が決定されるとともに打玉画像の移動軌跡が決定され、かつ、第1可変入賞球装置部65および第2可変入賞球装置部70の変動表示動作が決定される。ランダムカウンタのカウント値の読出処理は、主制御基板16における基本回路の内部に備えられたCPUによって制御用ROMの制御プログラムに従って実行される。
【0159】
ランダムカウンタ1は、打玉画像の移動軌跡を事前に決定するためのランダムカウンタである。ランダムカウンタ1は、「0〜999」の範囲で、0.002秒毎および割込処理の余り時間において1ずつカウントアップする。
【0160】
ランダムカウンタ9は、打玉画像が第2可変入賞球装置部70内に進入したときに、第2可変入賞球装置部70内におけるルートを決定するためのランダムカウンタである。ランダムカウンタ9は、0.002秒毎および割込処理の余り時間において、「0〜19」の範囲で1ずつカウントアップされる。
【0161】
ランダムカウンタ10は、始動遊技状態において打玉画像が可変表示装置部43における特定入賞領域部83に入賞したように表示される場合に、大当たり状態において開放サイクルの回数(ラウンド数)を決定するためのランダムカウンタである。ランダムカウンタ10は、0.002秒毎および割込処理の余り時間において、「0〜14」の範囲で1ずつカウントアップされる。この実施の形態では、基本回路は、抽出したときのランダムカウンタ10の値に応じて、ラウンド数を、3回、5回、8回または16回のいずれかに決定する。
【0162】
ランダムカウンタ11は、可変表示器部77が表示される場合に、通過ゲート部68,69に打玉画像が通過したように表示されるときに、開閉翼片部67を所定時間開閉表示するか否か決定するためのランダムカウンタである。ランダムカウンタ11は、0.002秒毎に「0〜11」の範囲で1ずつカウントアップされる。
【0163】
図45は、遊技状態別の入賞率の設定値の一例を示す説明図である。
例えば、遊技状態が大当たり状態ではない通常状態、または第2可変入賞球装置部70の玉受部材部71が開放サイクル中に閉成状態に移行して次の開放状態が開始するまでのインターバル状態にあるときには、L1(図19参照)に達した打玉画像は、3%の割合で左側の始動入賞口部66に入賞するように表示されるべきであることを示す。また、打玉画像が0%または30%の割合で第1可変入賞球装置部65に入賞するように表示されるべきであることを示す。なお、第1可変入賞球装置部65の開閉翼片部67が開放状態で表示されているときには、30%の割合が用いられ、開閉翼片部67が閉成状態で表示されているときには、0%の割合が用いられる。0%の割合で到達するとは、そこに至る打玉のルートがないことを意味する。また、打玉画像は、20%の割合で通過ゲート部68を通過するように表示されるべきであることを示す。さらに、3%の割合で左側の入賞口部75に入賞し、2%の割合で左側の入賞口部76に入賞するように表示されるべきであることが示されている。そして、L1の位置からその他の入賞口部(玉受部材部71を含む)およびゲートに至るルートはない。
【0164】
なお、図45等において、
左側の始動入賞口部66、第1可変入賞球装置部65、右側の始動入賞口部66は、それぞれ、「始動口1」、「始動口2」、「始動口3」と記載されている。通過ゲート部68、通過ゲート部69は、それぞれ、「始動ゲート1」、「始動ゲート2」と記載されている。
入賞口部362、左側の入賞口部75、右側の入賞口部75、左側の入賞口部76、右側の入賞口部76は、それぞれ、「入賞口1」、「入賞口2」、「入賞口3」、「入賞口4」、「入賞口5」と記載されている。
第2可変入賞球装置部70における左側の玉受部材部71、右側の玉受部材部71は、それぞれ、「大入賞口1」、「大入賞口2」と記載されている。
【0165】
L1に達した打玉画像は、遊技状態が大当たり状態であって玉受部材部71が開放状態に表示されているとき(大入賞口開放中)には、1.5%の割合で左側の始動入賞口部66に到達するように表示されるべきであることを示す。また、打玉画像が0%または15%の割合で第1可変入賞球装置部65に到達するように表示されるべきであることを示す。なお、第1可変入賞球装置部65の開閉翼片部67が開放状態で表示されているときには、15%の割合が用いられ、開閉翼片部67が閉成状態で表示されているときには、0%の割合が用いられる。また、打玉画像は、20%の割合で通過ゲート部68を通過するように表示されるべきであることを示す。さらに、1.5%の割合で左側の入賞口部75に入賞し、1%の割合で左側の入賞口部75に入賞するように表示されるべきであることが示されている。さらに、10%の割合で玉受部材部71から第2可変入賞球装置部70内に進入するように表示されるべきであることが示されている。そして、L1の位置からその他の入賞口部(玉受部材部71を含む)およびゲートに至るルートはない。
【0166】
L2〜L13(図19参照)に達した打玉画像についても、それぞれ遊技状態別の入賞率が設定されている。ただし、図45には、L1について以外に、L5およびL13についての遊技状態別の入賞率のみが示されている。
なお、図45に示す入賞率は個々の打玉についての確率ではなく、多数の打玉にわたっての入賞/非入賞の割合である。従って、ひと通りの入賞/非入賞の決定がなされた後の第1発目の打玉(遊技開始直後の第1発目を含む)については、入賞確率は図45に示す入賞率に一致するが、その他の打玉の個々の入賞確率は、入賞/非入賞が非独立試行によって決定されるので、図45に示す入賞率とは異なっていく。
【0167】
この実施の形態では、L1〜L13のいずれかに達した打玉画像は、遊技盤面画像においてトータル450通りのルートのうちのいずれかたどって各入賞口部またはアウト口部に至るとする。もちろん、ルート数「450」は、遊技機に要求される性能等に応じて増減することができる。
【0168】
なお、図45に示すように、この実施の形態でも、通常状態と大当たり状態とで、異なるモードの入賞率が定義されている。また、大当たり状態でも、大入賞口開放中とインターバル状態とで、異なるモードの入賞率が定義されている。従って、通常状態では通常時決定モードで入賞/非入賞が決定され、特定遊技状態では特定時決定モードで入賞/非入賞が決定され、さらに、特定時決定モードでは、大当たり状態とインターバル状態とを分けて入賞/非入賞が決定される必要がある。
【0169】
図45に示されたような入賞率を実現するために、例えば、図46〜図48に示すような遊技盤面ルートテーブルが用意される。図45に示すように、この実施の形態では、通常状態における入賞率とインターバル状態における入賞率とは等しいように設定されている。そのような場合には、図46〜図48のA欄に示すように、双方の状態について同一のテーブルを使用することができる。すなわち、通常時決定モードと特定時決定モードにおけるインターバル状態のモードとを兼用できることになる。
通常状態における入賞率とインターバル状態における入賞率とが同じでない場合には、通常状態、インターバル状態および大入賞口開放中のそれぞれの状態に対応したテーブルが用いられる。すなわち、通常時決定モード、特定時決定モードにおける大入賞口開放中のモード、および特定時決定モードにおけるインターバル状態のモードのそれぞれについて、別個のテーブルが用いられる。
【0170】
なお、図46〜図48において、「s1x(xは順に付された数字)」は、左側の始動入賞口部66(始動口1)に至るルートであることを示す。「s2x」は、第1可変入賞球装置部65(始動口2)に至るルートであることを示す。「s3x」は、右側の始動入賞口部66(始動口3)に至るルートであることを示す。
「g1x」は、通過ゲート部68(始動ゲート1)に至るルートであることを示す。「g2x」は、通過ゲート部69(始動ゲート2)に至るルートであることを示す。
「ax 」、「bx 」、「cx 」、「dx 」、「ex 」は、それぞれ、入賞口部362(入賞口1)、左側の入賞口部75(入賞口2)、右側の入賞口部75(入賞口3)、左側の入賞口部76(入賞口4)、右側の入賞口部76(入賞口5)に至るルートであることを示す。
「vx 」は、第2可変入賞球装置部70の大入賞口部に至るルートであることを示す。そして、「ox 」は、アウト口部80に至るルートであることを示す。
【0171】
図46は、図45におけるL1の列に記載された入賞率を実現するための遊技盤面ルートテーブルを示す説明図である。図46において、L1_s11,L1_s12,L1_g11−s13は、それぞれ図19に示されたL1の位置から左側の始動入賞口部66(始動口1)に到達するルートを示す。ただし、L1_g11−s13は、通過ゲート部68を通過して始動入賞口部66に到達するルートを示す。
そして、遊技状態が通常状態またはインターバル状態にあるときには、ランダムカウンタ1の値が「0〜9」のうちのいずれかであればL1_s11のルートが選択され、「10〜19」のうちのいずれかであればL1_s12のルートが選択され、「20〜29」のうちのいずれかであればL1_g11−s13のルートが選択されることを示している。
【0172】
L1_g12−s21−o1,L1_s22−o2〜L1_s2m−omは、それぞれ図19に示されたL1の位置から第1可変入賞球装置部65(始動口2)に到達するルートを示す。ただし、L1_g12−s21−o1は、通過ゲート部68を通過して第1可変入賞球装置部65に到達するルートを示す。また、各ルートは、第1可変入賞球装置部65が閉成しているときには、アウト口部80に至るルートとなることを示す。
そして、遊技状態が通常状態またはインターバル状態にあるときには、ランダムカウンタ1の値が「30〜59」のうちのいずれかであればL1_g12−s21−o1のルートが選択され、「60〜89」のうちのいずれかであればL1_s22−o2のルートが選択され、「270〜299」のうちのいずれかであればL1_s2m−omのルートが選択されることを示している。なお、ランダムカウンタ1の値が「90〜269」のうちのいずれかであれば上記の各ルート以外の第1可変入賞球装置部65を経てアウト口部80に至るに至るルートが選択されるが、図46では、そのことは省略されている。
【0173】
L1_g13,L1_g14は、それぞれ図19に示されたL1の位置から通過ゲート部68(始動ゲート1)に到達するルートを示す。そして、遊技状態が通常状態またはインターバル状態にあるときには、ランダムカウンタ1の値が「300〜369」のうちのいずれかであればL1_g13のルートが選択され、「370〜439」のうちのいずれかであればL1_g14のルートが選択されることを示している。なお、L1_g13,L1_g14は、通過ゲート部68を通過した後アウト口部80に到達する。
【0174】
L1_g15−b1,L1_b2,L1_b3は、それぞれ図19に示されたL1の位置から左側の入賞口部75(入賞口2)に到達するルートを示す。ただし、L1_g15−b1は、通過ゲート部68を通過して入賞口部75に到達するルートを示す。
そして、遊技状態が通常状態またはインターバル状態にあるときには、ランダムカウンタ1の値が「440〜449」のうちのいずれかであればL1_g15−b1のルートが選択され、「450〜459」のうちのいずれかであればL1_b2のルートが選択され、「460〜469」のうちのいずれかであればL1_b3のルートが選択されることを示している。
【0175】
L1_g16−d1,L1_d2は、それぞれ図19に示されたL1の位置から左側の入賞口部76(入賞口4)に到達するルートを示す。ただし、L1_g16−d1は、通過ゲート部68を通過して入賞口部76に到達するルートを示す。
そして、遊技状態が通常状態またはインターバル状態にあるときには、ランダムカウンタ1の値が「470〜479」のうちのいずれかであればL1_g16−d1のルートが選択され、「480〜489」のうちのいずれかであればL1_d2のルートが選択されることを示している。
【0176】
L1_v1−s2p−op,L1_v2−s2q−oqは、それぞれ図19に示されたL1の位置から第2可変入賞球装置部70における玉受部材部71(大入賞口)に到達するルートを示す。ただし、それらのルートは、玉受部材部71を経由してさらに第1可変入賞球装置部65を経由しアウト口部80に至るルートを示す。従って、第2可変入賞球装置部70が開放中であれば第2可変入賞球装置部70に進入し、そうでなければ第2可変入賞球装置部70ではじかれた後第1可変入賞球装置部65が開放中であれば第1可変入賞球装置部65に入賞する。第1可変入賞球装置部65も開放中でなければアウト口部80に至る。
そして、遊技状態が通常状態またはインターバル状態にあるときには、ランダムカウンタ1の値が「490〜514」のうちのいずれかであればL1_v1−s2p−opのルートが選択され、「515〜519」のうちのいずれかであればL1_v2−s2q−oqのルートが選択されることを示している。
【0177】
L1_or〜L1_osは、それぞれ図19に示されたL1の位置からいずれの通過ゲート部および入賞口部も経由せずにアウト口部80に到達するルートを示す。そして、遊技状態が通常状態またはインターバル状態にあるときには、ランダムカウンタ1の値が「520〜599」のうちのいずれかであればL1_orのルートが選択され、「900〜999」のうちのいずれかであればL1_osのルートが選択されることを示している。なお、ランダムカウンタ1の値が「600〜899」のうちのいずれかであればL1_orおよびL1_os以外のアウト口部80に至るルートが選択されるが、図46では、そのことは省略されている。
【0178】
遊技状態が大入賞口開放中の状態にあるときには、図46のテーブル右側に示すランダムカウンタ1の値に応じたルートが選択される。例えば、ランダムカウンタ1の値が「360〜409」のうちのいずれかであればL1_v1−s2p−opの第2可変入賞球装置部70における玉受部材部71に至るルートが選択され、「410〜459」のうちのいずれかであればL1_v2−s2q−oqの大入賞口部に至るルートが選択されることを示している。
【0179】
同様に、遊技盤面画像上のL2〜L13の位置からのルートとランダムカウンタ1の値との関係を示す遊技盤面ルートテーブルも用意される。例えば、図47は図45におけるL5の列に記載された入賞率を実現するための遊技盤面ルートテーブルを示し、図48は図45におけるL13の列に記載された入賞率を実現するための遊技盤面ルートテーブルを示す。
ただし、図46〜図48に示すテーブルは入賞率等を説明するために簡略的に作成されたものであり、実際の遊技機においては、各ルートとランダムカウンタ1との関係は適宜設定される。
なお、L1〜L13の位置からのルートとランダムカウンタ1の値との関係を示す各遊技盤面ルートテーブルは、主制御基板16の基本回路におけるROMに設定される。また、L1〜L13についての各遊技盤面ルートテーブル中のA欄およびB欄の0〜999の各値のそれぞれに対応した未使用/使用済ビットが、主制御基板16の基本回路におけるRAMに用意される。
【0180】
L1からのルートに関して、遊技状態が通常状態またはインターバル状態にあるときには、例えば、ランダムカウンタ1の値が「30〜299」または「490〜519」のうちのいずれかであれば、第1可変入賞球装置部65が開放中ならば、打玉は第1可変入賞球装置部65に入賞する。従って、ランダムカウンタ1がとりうる「0〜999」の1000種類の値に対して、30%の割合で打玉は第1可変入賞球装置部65に入賞し、その割合は図45に示す遊技状態別入賞率に対応したものとなっている。また、ランダムカウンタ1の値が「20〜29」、「30〜59」、「300〜439」、「440〜469」「470〜489」のうちのいずれかであれば、打玉画像は通過ゲート部68を通過する。従って、ランダムカウンタ1がとりうる「0〜999」の1000種類の値に対して、打玉が通過ゲート部68を通過することが決定されるランダムカウンタ1の数の割合は、図45に示す遊技状態別入賞率に対応したものとなっている。
【0181】
従って、ランダムカウンタ1のとる値が完全なランダムな乱数となっていれば、例えば、打玉がL1の位置からに第1可変入賞球装置部65に至る確率は30%となり(第1可変入賞球装置部65が開放中の場合)、打玉が通過ゲート部68を通過する確率は20%となる。すなわち、かなり長い期間にわたって実際の入賞率および通過率を観測すると、その値は設定値である30%および20%となる。しかし、ランダムカウンタ1の値に応じて無条件に遊技盤面ルートテーブルからルートを抽出すると、かなり長い期間にわたって観測すると30%および20%になるものの、現実には、遊技続行中に全く入賞のない期間がしばらく続いたり、入賞が頻発する期間がしばらく続いたりすることもある。
しかし、以下詳しく説明するように、この実施の形態でも、極端に入賞率が上がった期間が継続したり極端に入賞率が下がった期間が継続することなく、入賞率がほぼ設定値に等しい状態で遊技が継続される遊技機が実現される。
【0182】
図49は、450種類の各ルートについての打玉が発射されてから入賞口部、通過ゲート部またはアウト口部まで到達するまでの時間が記載されたルート別時間テーブルを示す説明図である。例えば、ルート1は、打玉画像の発射表示がなされてから、3.4秒(3400ms)後に打玉画像が通過ゲート部68(始動ゲート1)を通過し発射から4.2秒後に左側の始動入賞口部66(始動口1)に入賞するように表示されることを示す。なお、ルート1は、例えば図46におけるルートL1_g11−s13に対応する。
また、ルート2は、打玉画像の発射表示がなされてから、5.3秒後に打玉画像が左側の始動入賞口部66に到達するように表示されることを示す。ルート2は、例えば図46におけるルートL1_s11に対応する。
【0183】
ルート200は、打玉画像の発射表示がなされてから、3.2秒後に打玉画像が左側の玉受部材部71(大入賞口部)に到達するように表示されることを示す。そして、第2可変入賞球装置部70が開放中であれば打玉画像は第2可変入賞球装置部70に進入するが、そうでなければ閉鎖中の玉受部材部71に跳ね返されるように表示されて打玉発射から4.8秒後に第1可変入賞球装置部65(始動口2)に至るように表示されることを示す。さらに、第1可変入賞球装置部65が開放中であれば打玉画像は第1可変入賞球装置部65に進入するが、そうでなければ閉鎖中の開閉翼片部67跳ね返されるように表示されて打玉発射から5.2秒後にアウト口部80に至るように表示されることを示す。なお、ルート200は、例えば図46におけるルートL1_v1−s2p−o1に対応する。
【0184】
ルート450は、打玉画像の発射表示がなされてから、打玉画像が6.7秒後に左側の入賞口部76(入賞口4)に到達するように表示されることを示す。なお、ルート450は、例えば図46におけるルートL1_d2に対応する。
【0185】
その他のルートについても、同様に、打玉画像の発射表示がなされてから、打玉画像が通過ゲート部、入賞口部またはアウト口部に到達するまでの時間が設定されている。そして、このようなルート別時間テーブルは、主制御基板16の基本回路におけるROMに設定される。なお、ルート1〜450は、それぞれ、L1〜L13のいずれかを通るルートである。
【0186】
以下、入賞/非入賞の決定の仕方を図50および図51のフローチャートを参照して説明する。
主制御基板16の基本回路は、打玉発射のタイミングにおいて、図50に示すように、まず打玉の発射レベルを確認する(ステップS201)。発射レベルが「6」未満であれば、打玉画像は遊技領域部62に達するように表示されないので(図20参照)、入賞/非入賞の決定を行わない。発射レベルが「6」以上であれば、基本回路は、ランダムカウンタ1の値を抽出する(ステップS202)。発射レベルに応じて打玉画像がL1〜L13のうちのいずれを通るか決定されるので、どの遊技盤面ルートテーブルを用いればよいのか決定される。
【0187】
次いで、基本回路は、大入賞口部が開放中であるかどうか確認する(ステップS203)。この実施の形態では、「大入賞口の開放中」は、第2可変入賞球装置部70の玉受部材部71が開放中のことである。また、この実施の形態では、現在から3.2秒経過後の玉受部材部71の状態を確認することにする。3.2秒とは、各打玉画像の発射のタイミングから玉受部材部71まで到達する平均的な時間として採用された値である。
【0188】
基本回路は遊技状態を管理するものであるから、発射のタイミングにおいても、3.2秒後における大入賞口部の状態を直ちに認識できる。そして、大入賞口部がそのときに開放中でなければ遊技盤面ルートテーブルにおけるA欄を使用し(ステップS204)、大入賞口部がそのときに開放中であれば、遊技盤面ルートテーブルにおけるB欄を使用することを決定する(ステップS205)。このように、発射のタイミングから所定時間経過後の大入賞口部の状態に応じて通常時決定モードとするか特定時決定モードとするかを決定することにより、より実際の遊技状況に合致した入賞率を選択できる。
【0189】
次いで、基本回路は、決定された遊技盤面ルートテーブル中の各値(0〜999)が全て使用済であれば、未使用/使用済ビットを全て未使用にしておく(ステップS206,S207)。上述したように、未使用/使用済ビットは、各遊技盤面ルートテーブル中の各値(0〜999)に対応して基本回路中のRAMに用意されているものである。ステップS206,S207の処理によって、遊技盤面ルートテーブル中の各値(0〜999)が全て使用された段階で、未使用/使用済ビットがリセットされることになる。すなわち、全ての値が未使用状態に戻される。
【0190】
さらに、基本回路は、ランダムカウンタ1の抽出値と一致する遊技盤面ルートテーブル中の値が未使用であるか否か確認する(ステップS209)。その値が使用済であれば、値を1増やした後(ステップS210)、再度その値が未使用であるか否か確認する。
未使用の値が見つかったら、基本回路は、遊技盤面ルートテーブル中のその値に応じたルートを打玉画像の入賞口部またはアウト口部への軌跡として選択する(ステップS211)。
例えば、発射レベルが「6」であって発射のタイミングで抽出されたランダムカウンタ1の値が「58」であったとする。すると、発射レベルが「6」であるから、図20を参照すると、打玉画像は遊技領域部62におけるL1の位置に達した後に遊技領域部42を落下すると決定されることがわかる。すなわち、図46に示す遊技盤面ルートテーブルを使用することが決定される。ここで、大入賞口が開放中であれば、B欄が使用され、B欄における値「58」が未使用であるか否かチェックされる。「58」が使用中であれば、「59」が未使用であるか否かチェックされる。そして、「59」が未使用であれば、図46に示す遊技盤面ルートテーブルのB欄の「59」に対応したルート(第1可変入賞球装置部65=始動口2に至るルート)が打玉画像の軌跡として選択される。
【0191】
上述したように、大当たり遊技状態の開閉サイクルでは、第2可変入賞球装置部70の玉受部材部71において、0.800秒間の開放状態と0.800秒間の閉成状態とが交互に現れる。また、始動入賞口部66に打玉画像が入賞したように表示されると、玉受部材部71が比較的短い時間の開放を1回行なうように表示され、第1可変入賞球装置部65に打玉画像が入賞したように表示されると、玉受部材部71が比較的短い時間の開閉を2回行なうように表示される。大入賞口部に進入するルートは、打玉画像が玉受部材部71に達したときに玉受部材部71が開放状態にあるという条件で選定されなければならない。
従って、基本回路は、図51に示すように、玉受部材部71の開放状態のチェックを行う。
【0192】
基本回路は、まず、決定されたルートが大入賞口部に到達するルートであるか否か確認する(ステップS220)。決定されたルートが大入賞口部に到達するルートである場合には、図49に示すルート別時間テーブルから、そのルートの打玉画像が大入賞口部に到達するまでの時間を抽出する(ステップS221)。さらに、打玉の発射のタイミングから抽出された時間が経過したときに大入賞口部が開放しているか否か確認する(ステップS222)。上述したように、大入賞口部の開放、すなわち第2可変入賞球装置部70の玉受部材部71の開放のタイミングは規定されている。従って、基本回路は、所定時間経過後に大入賞口部が開放しているか否か認識することができる。
【0193】
図52(A)は、(a)に示すように、打玉の発射のタイミングから3.2秒後にその打玉画像が大入賞口部に到達する場合の例を示すタイミング図である。さらに、(b)に示すように、既に発射済の打玉画像が、現在発射されるタイミングから0.5秒後に始動入賞口部66に入賞するルートが選定されていた場合の例である。すると、既に説明したように、始動入賞口部66に入賞後の2.5秒経過後に第2可変入賞球装置部70の玉受部材部71は開放を開始し、(c)に示すように0.3秒間開放状態となる。従って、現在発射される打玉画像が3.2秒後に大入賞口部に到達するときには、大入賞口部は開放状態にあることになる。そこで、この場合には、基本回路は、ステップS222の処理において大入賞口部が開放していると判定する。
また、図52(B)は、大当たり状態で開放サイクルが実行されている場合の例を示すタイミング図である。現在発射される打玉画像が3.2秒後に大入賞口部に到達するときには、(b)に示すように、大入賞口部は開放状態にあることになる。そこで、この場合にも、基本回路は、ステップS222の処理において大入賞口部が開放していると判定する。
【0194】
大入賞口部が開放していると判定した場合には、基本回路は、選定されたルートを大入賞口部に進入するルートと決める(ステップS223)。ステップS220における判断が「Y」であった場合(ステップS211において大入賞口部に到達するルートが選定されている場合)には、例えば打玉画像が遊技領域部62におけるL1の位置に達する各ルートから打玉画像の軌跡が選定されているときには、図46に示す大入賞口部に到達するルートであるL1_v1−s2p−opまたはL1_v2−s2q−oqが選定されているはずである。そこで、基本回路は、そのルートを大入賞口部に進入するものとする。
【0195】
大入賞口部が開放していないと判定した場合には、基本回路は、選定されたルートを大入賞口部からさらに落下するルートと決める(ステップS224)。例えば打玉画像が遊技領域部62におけるL1の位置に達する各ルートから打玉画像の軌跡が選定されているときには、選定されているルートL1_v1−s2p−opまたはL1_v2−s2q−oqを、大入賞口に進入せず第1可変入賞球装置部65に向かうルートとする。
【0196】
上述したように、通過ゲート部68,69に打玉画像が通過したように表示されると第1可変入賞球装置部65の開閉翼片部67が所定期間開放状態とされる。そして、開閉翼片部67が開状態になって第1可変入賞球装置部65が開放状態になると、打玉画像が第1可変入賞球装置部65に入賞可能な状態になる。従って、打玉画像が第1可変入賞球装置部65に入賞するルートは、打玉画像が実際に第1可変入賞球装置部65に達したときに第1可変入賞球装置部65が開放状態にあるという条件で、選定されなければならない。
従って、基本回路は、第1可変入賞球装置部65の開放状態のチェックも行う必要がある。
【0197】
そのために、基本回路は、ステップS211において決定されたルートが第1可変入賞球装置部65に到達するルートであるか否か確認する(ステップS230)。決定されたルートが第1可変入賞球装置部65に到達するルートである場合には、図49に示すルート別時間テーブルから、そのルートの打玉画像が第1可変入賞球装置部65に到達するまでの時間を抽出する(ステップS231)。さらに、打玉の発射のタイミングから抽出された時間が経過したときに第1可変入賞球装置部65が開放しているか否か確認する(ステップS232)。図40や図41に示されているように、第1可変入賞球装置部65の開放のタイミングは規定されている。従って、基本回路は、所定時間経過後に第1可変入賞球装置部65が開放しているか否か認識することができる。
【0198】
図53は、(a)に示すように、打玉の発射のタイミングから4.8秒後にその打玉画像が第1可変入賞球装置部65に到達する場合の例を示すタイミング図である。そして、(b)に示すように、既に発射された打玉画像が、現在発射されるタイミングから4.7秒後に通過ゲート部68を通過するルートが選定されていた場合の例である。すると、既に説明したように、第1可変入賞球装置部65は、(c)に示すように0.3秒間開放状態となる。従って、現在発射される打玉画像が4.8秒後に第1可変入賞球装置部65に到達するときには、第1可変入賞球装置部65は開放状態にあることになる。そこで、この場合には、基本回路は、ステップS232の処理において第1可変入賞球装置部65が開放していると判定する。
【0199】
第1可変入賞球装置部65が開放していると判定した場合には、基本回路は、選定されたルートを第1可変入賞球装置部65に入賞するルートと決める(ステップS233)。ステップS230における判断が「Y」であった場合(ステップS211において第1可変入賞球装置部65に到達するルートが選定されている場合)には、例えば打玉画像が遊技領域部62におけるL1の位置に達する各ルートから打玉画像の軌跡が選定されているときには、図46に示す第1可変入賞球装置部65に到達するルートであるL1_g12−s21−o1またはL1_s22−o2〜L1_s2m−omが選定されているはずである。
あるいは、L1_v1−s2p−opまたはL1_v2−s2q−oqが選定され、ステップS224において大入賞口部に進入しないルートが選定されているはずである。
そこで、基本回路は、選定されているルートを第1可変入賞球装置部65に進入するものとする。
【0200】
第1可変入賞球装置部65が開放していないと判定した場合には、基本回路は、選定されたルートを第1可変入賞球装置部65からさらに落下するルートと決める(ステップS234)。
例えば打玉画像が遊技領域部62におけるL1の位置に達する各ルートから打玉画像の軌跡が選定されているときには、選定されているルートL1_g12−s21−o1もしくはL1_s22−o2、またはL1_v1−s2p−opもしくはL1_v2−s2q−oqを、第1可変入賞球装置部65に入賞せずアウト口部80に向かうルートとする。
【0201】
打玉発射のタイミングで入賞/非入賞を決定する場合には、入賞/非入賞を決定するタイミングと実際に打玉画像が大入賞口部や第1可変入賞球装置部65に到達するタイミングとがずれるので、なんらの考慮もなされないと、発射のタイミングで大入賞口部または第1可変入賞球装置部65に入賞すると決定されたにもかかわらず、実際に打玉画像が大入賞口部または第1可変入賞球装置部65に到達したときには大入賞口部または第1可変入賞球装置部65が閉じられているという事態も生じうる。
しかし、この実施の形態によれば、発射のタイミングにおいて、打玉画像が実際に大入賞口部または第1可変入賞球装置部65に到達するときにそれらが開放しているか否か判定し、判定結果に応じてルート設定がなされるので、閉じている大入賞口部に進入してしまったり閉じている第1可変入賞球装置部65に入賞してしまったりする不都合が回避される。
【0202】
しかも、この実施の形態では、図46〜図48に例示されているように、開閉される可能性のある役物に到達するルートについては、それらの閉成時の経路もさらに定義されている。そして、発射のタイミングにおいて、実際に打玉画像がそれらに到達するときにそれらが開放状態になるのか否かチェックされる。そして、それらが開放状態になるのであれば、それらに進入または入賞するルートが設定される。従って、第1種パチンコ遊技機に関する実施の形態におけるようなルート変更処理を行わなくてもよい。従って、図49に示すルート別時間テーブルのサイズは第1種パチンコ遊技機に関する実施の形態におけるルート別時間テーブルのサイズよりも大きくなるが、処理は簡略化される。
【0203】
ステップS211、S223、S224、S233またはS234の処理を経て最終的にルートが決定されると、基本回路は、そのときに扱っている遊技盤面ルートテーブル中の値に対応した未使用/使用済のビットを使用済にする(ステップS240)。なお、そのときに扱っている遊技盤面ルートテーブル中の値とは、ステップS211の処理を開始する前に決定された値である。
【0204】
以上のように、この実施の形態でも、各遊技盤面ルートテーブル中の0〜999の値のそれぞれに未使用/使用済のビットを付し、全ての値が使用済になるまでは、使用済の値を使用しない。また、この実施の形態では、各遊技盤面ルートテーブル中の各値は、打玉画像のルートを決定するものであるとともに、打玉の入賞/非入賞を決定するものともなっている。従って、打玉の発射のタイミングで上述した処理が実行されると、入賞/非入賞の抽選のために使用された値は、以後、ひと通りの入賞/非入賞の抽選が終了するまで使用されない。すなわち、非独立試行の抽選が行われる。すると、比較的短期間でも、入賞の発生割合は、図45に例示したような入賞率に近いものとなる。換言すれば、入賞率が急激に上がったり長期間にわたって低い入賞率が継続したりすることなく、入賞率が安定した状態で遊技が進行する。
【0205】
なお、この実施の形態では、遊技盤面画像におけるL1〜L13の位置からの各ルートに対応した各遊技盤面ルートテーブルを用意し、打玉画像の移動軌跡を事前に決定するためのランダムカウンタ1の値(0〜999)に対応したテーブル中の値について、1度使用された値は、ひと通りの抽選が終了するまで次回の抽選対象とされないようにして、入賞/非入賞の非独立試行の抽選が実現された。しかし、他の方式によっても、入賞/非入賞の非独立試行の抽選を実現することもできる。
【0206】
例えば、ランダムカウンタ1の値を、始動入賞、始動入賞以外の各入賞、大入賞口への進入、通過ゲート部の通過、および非入賞を決めるためだけに使用する。すなわち、ランダムカウンタ1の値を、入賞/非入賞の抽選のためだけに使用し、ルート選定には用いないものとする。そして、ランダムカウンタ1の値に応じて始動入賞、始動入賞以外の各入賞、大入賞口への入賞、通過ゲート部の通過、または非入賞を決めるテーブルが用意され、ランダムカウンタ1の値にもとづいて、そのテーブルの内容が検索され、始動入賞、始動入賞以外の各入賞、大入賞口への入賞、または非入賞が決定される。その後、発射レベルに応じて決まるL1〜L13の位置から各入賞口部、各通過ゲート部またはアウト口部へ至るルートが選定される。この場合、例えば、ランダムカウンタ1の値にもとづいて始動入賞が決定され、例えばL1の位置から始動入賞口部66に至るルートが複数定義されている場合には、別の乱数によって1つのルートを選定する。そして、そのときに抽出されたランダムカウンタ1の値は、ひと通りの抽選が終了するまで、すなわち、この実施の形態では1000回の抽選が完了するまで、次回の抽選では使用しないようにする。このようにしても、1度入賞/非入賞の抽選に用いられた値は、ひと通りの抽選が終了するまで用いられないようにする。
この場合には、図45に示すような各ルート(L1〜L13を通る各ルート)毎の各入賞率が設定されず、全体的な入賞率が設定されている場合でも、比較的短い期間で、その設定入賞率に近い値の実際の入賞率が安定して現れる遊技機を実現することができる。
【0207】
図54,図55は、打玉画像が第2可変入賞球装置部70内に進入した後、第2可変入賞球装置部70内での打玉のルートを選択するための役物内玉ルートテーブルを示す説明図である。ここでは、下り傾斜状態となっているときには図54に示すテーブルが使用され、可動板部72が水平表示されたときには図55に示すテーブルが使用されるとする。
【0208】
基本回路は、打玉発射のタイミングにおいて、打玉画像のルートとして第2可変入賞球装置部70内に進入するルートを決定した場合には、ランダムカウンタ9の値を抽出する。そして、抽出した値に応じて第2可変入賞球装置部70内での打玉画像のルートを決定する。具体的には、第2可変入賞球装置部70内に打玉が進入したときに可動板部72が下り傾斜状態となるときには、基本回路は、図54に示す役物内玉ルートテーブルの内容に従って第2可変入賞球装置部70内の打玉画像のルートを決定する。
第2可変入賞球装置部70内の打玉画像のルートは打玉の発射のタイミングで決定され、発射のタイミングと打玉画像が実際に第2可変入賞球装置部70に到達するタイミングとは異なる。従って、基本回路は、発射のタイミングにおいて、打玉画像が第2可変入賞球装置部70内に進入したときに可動板部72がどういう状態にあるのか判定しなければならない。しかし、基本回路は、遊技状態を管理しているものであるから、打玉画像が実際に第2可変入賞球装置部70に到達したときに可動板部72がどのような態様で表示されるのか容易に把握できる。なお、基本回路は、発射のタイミングで決定した第2可変入賞球装置部70内のルートを記憶しておく。
【0209】
可動板部72が下り傾斜状態となるときには、ランダムカウンタ9の値が「0〜18」のうちのいずれかであれば打玉画像は可動板部72に沿って下方に落下するように表示制御され、ランダムカウンタ9の値が「19」であれば打玉画像は可動板部72に当たった後盃部81に貯留されるように表示制御される。
なお、上述したように、可動板部72に沿って下方に落下した打玉画像は、基本的に通常入賞領域部383a,383bに入賞し、盃部81に貯留されるように表示制御された打玉画像は、その後特定入賞領域部83入賞するように表示制御される。
【0210】
また、第2可変入賞球装置部70内に打玉が進入したときに可動板部72が水平状態となるときには、基本回路は、図55に示す役物内玉ルートテーブルの内容に従って第2可変入賞球装置部70内の打玉画像のルートを決定する。すなわち、ランダムカウンタ9の値が「0」であれば打玉画像は可動板部72からこぼれて下方に落下するように表示制御され、ランダムカウンタ9の値が「1〜19」のうちのいずれかであれば打玉画像は可動板部72に沿って盃部81に貯留されるように表示制御される。
【0211】
そして、打玉画像が実際に打玉画像が第2可変入賞球装置部70に進入したときに、基本回路に記憶されている内容に従って、画像表示器制御基板18上の画像表示器制御回路は、打玉画像を表示制御する。なお、基本回路は、発射のタイミングにおいて、または、その後に画像表示器制御回路に記憶内容を通知する。
【0212】
以上のように、この実施の形態では、基本回路は、貯留手段部としての盃部81に打玉画像を貯留表示するか否かを決定する入賞球貯留決定手段としても作用する。
なお、ここでは、2種類の役物内玉ルートテーブルによって、可動板部72が水平状態となっているとき、および下り傾斜状態となっているときとを分けて第2可変入賞球装置部70内のルートを決定するようにしたが、可動板部72は水平状態と下り傾斜状態との間を連続的に移動するように表示されるので、さらに多くの役物内玉ルートテーブルを設け、より多くの位置状態に分けて第2可変入賞球装置部70内のルートを決定するようにしてもよい。
【0213】
以上のように、この実施の形態によれば、遊技機の遊技領域全体が表示装置によって表示される第2種パチンコ遊技機であって、発射のタイミングで入賞/非入賞の抽選が行われるものにおいて、入賞/非入賞の抽選も独立試行とした場合に比べて、スタート(始動入賞数/分)やベース(全入賞数/分)が安定して遊技が続行される遊技機を実現できる。
また、図45に示すように遊技状態が通常状態にあるときと大入賞口開放中とで異なった入賞率を設定し、図46〜図48に示されたような通常状態と大入賞口開放中とが分けられているテーブルによって入賞/非入賞の抽選を実現しているので、大当たり中の入賞率を容易に変えることができる等の効果を得ることができる。
さらに、インターバル状態についても、図45に示すように大入賞口開放中とは異なった入賞率を設定し、図46〜図48に示されたようなインターバル状態と大入賞口開放中とが分けられているテーブルによって入賞/非入賞の抽選を実現しているので、インターバル状態での大入賞口部への入賞を容易に回避できる。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態にあるときとインターバル状態にあるときとで同一のテーブルを用いるようにしたが、別のテーブルを用いるようにしてもよい。そのようにすれば、通常状態とインターバル状態とで入賞率を別にしたい等の要請に容易に応えられる。
さらに、この実施の形態でも、発射のタイミングにおいて入賞が決定された打玉画像を、貯留手段部に貯留するか否か発射のタイミングにおいて決定する入賞球貯留決定手段を設けたので、特定の入賞口部に入賞する確率を容易に設定できる。
【0214】
次に、第3種パチンコ遊技機用の遊技盤面画像について説明する。図56は、第3種パチンコ遊技機用の遊技盤面画像の一例を示す説明図である。第3種パチンコ遊技機用の遊技盤面画像は、表示画面2の遊技盤面用表示画面2aに表示される。
【0215】
図56に示すように、遊技盤面画像内の周面に、2本の円弧状の区画レール部92が表示されている。区画レール部92は、外レール部および内レール部から構成され、外レール部と内レール部とで囲まれた2つの領域が誘導路部および遊技領域部91となる。遊技領域部91のほぼ中央には、各図柄表示部での識別情報(以下、遊技図柄という。)の可変表示(以下、変動ともいう。)を可能にする可変表示装置部93が表示されている。
【0216】
可変表示装置部93の下方には、始動玉通過口部94が表示されている。始動玉通過口部94を打玉画像が通過したことが判定されると、可変表示装置部93の図柄表示部が変動し、その表示結果が当たり図柄であるときに権利発生装置部95の左右の開閉片部96が所定時間開放状態で表示される。なお、始動玉通過口部94の打玉画像の通過にもとづく可変表示装置部93の変動は、所定回数(例えば4回)記憶され、可変表示装置部93上の記憶表示LED部に記憶回数が表示される。
【0217】
可変表示装置部93の左側方には、権利発生装置部95が表示されている。権利発生装置部95の周囲には、縦長形状の取付基板部97が表示されている。取付基板部97の上側部分には、普通可変入賞口部98が表示されている。普通可変入賞口部98の左右には、1対の開閉片部96が表示されている。開閉片部96は、傾斜位置と垂直位置との間で変動自在に表示され、また、垂直位置に表示されている開閉片96の上方には、普通可変入賞口部98への打玉画像の入賞を阻止する障害釘部99が表示されている。開閉片部96は、傾動状態で普通可変入賞口部98を開放し、垂直状態となって普通可変入賞口部98を閉塞する。
【0218】
取付基板部97の下側部分には、入賞空間部100が設けられているように表示される。入賞空間部100には、普通可変入賞口部98の下流端と連通するC字状の玉通路部と、玉通路部からの入賞玉を1個だけ玉受面部に停留して上下方向への移動が可能な可動部材部と、可動部材部の移動における上端位置で玉受面部の停留玉を右方向に転送する転送路とが設けられているように表示されている。なお、可動部材部の移動(上下)方向における遊技領域91には、可動部材部の移動を規制するための案内溝が形成されているように表示される。
【0219】
また、入賞空間部100内において、玉通路部の途中径路に余剰玉受入口部が、案内溝の下方に入賞玉受入口部(普通領域)が、転送路の下流端部に特定玉受入口部(特定領域)がそれぞれ形成されているように表示される。さらに、入賞空間部100には、入賞空間部100内での入賞玉の動きが視認し得る透明材料の前面盤部と、遊技内容に応じた照明装飾を行なう飾りLED部とが設けられているように表示されている。
【0220】
次に、権利発生装置部95における入賞玉の動きについて説明する。まず、可変表示装置部93の表示結果が当たり図柄となると、権利発生装置部95の開閉片部96が所定時間開放表示される。このとき権利発生装置部95に入賞した打玉画像は入賞玉画像となり、入賞空間部100内に入賞玉画像が導かれる。その後、入賞空間部100に導かれた1個目の入賞玉画像が可動部材部の玉受面部上に停留され、かつ、2個目および3個目の各入賞玉画像が玉通路部内に停留されると、4個目以降の入賞玉画像は、3個目の入賞玉に弾かれて余剰玉受入口部に流れるように表示される。
【0221】
その後、所定時間が経過すると、1個目の入賞玉画像を停留した可動部材部が上方に移動される。また、2個目および3個目の各入賞玉画像は、入賞玉受入口部に流れるように表示される。そして、1個目の入賞玉画像は、可動部材部が上端位置で停止すると、玉受面部上から転送路上に転送され、最終的に特定玉受入口部に入り、権利発生状態を発生させるようになっている。このように、本表示例の権利発生装置部95では、1個目の入賞玉画像のみが可動部材部の玉受面部上に停留され、その入賞玉画像のみが特定玉受入口部に導かれる。その結果、複数の入賞玉画像が特定玉受入口部に入賞したことに起因する権利発生直後の権利消滅という事態は防止される。
【0222】
可変表示装置部93の右側方には、回転体部101が表示されている。回転体部101の周囲には、遊技領域部91の表面に取付けられるように表示される取付板部がある。そして、取付板部の表面には円状の包囲枠が突設されているように表示され、時計回りの方向に回転体部101が回転駆動されるように表示されている。回転体部101の外周部には、1個の打玉画像を受入れる玉受凹部102が形成され、回転体部101が回転して包囲枠の上部に形成された作動入賞口部103から入った打玉画像を受入れるように表示される。玉受凹部102に受け止められた打玉画像は、取付板部に開設された入賞孔部から取付板部の裏面に導かれるように表示される。権利発生状態中に打玉画像が取付板部の裏面に導かれると、可変入賞球装置部104の開閉翼片部105が開放表示される特定遊技状態が発生する。
【0223】
また、可変入賞球装置部104は可変表示装置部93の下方において表示され、特別可変入賞口部106を備えているように表示されている。特別可変入賞口部106には、特別可変入賞口部106を開閉表示する左右1対の開閉翼片部105が表示されている。特別可変入賞口部106へ入賞した打玉画像の個数が所定個数となった場合には、開閉翼片部105は閉成状態で表示される。さらに、可変入賞球装置部104には、入賞玉数を表示する7セグメントタイプの個数表示器部、所定の飾りLED部、および左右の各入賞口部が表示されている。
【0224】
遊技領域91には、さらに、入賞口部107,108、左サイドLED飾り部109、右サイドLED飾り部110、風車部111、アウト口部112、バック玉防止部材部113等が表示される。なお、左サイドLED飾り部109および右サイドLED飾り部110には、「1〜10、0」の番号(以下、これをサービス図柄という)が順次表示される。左サイドLED飾り部109および右サイドLED飾り部110は、特定玉の入賞に伴って表示を変更し、所定時間後に表示変更を停止する。従って、あらかじめ遊技店内における特定のサービス図柄を決め、そのサービス図柄が点灯表示したときには景品玉の継続使用を許可する等のサービスを行なうことができる。
【0225】
次に、特定遊技状態における遊技内容を簡単に説明する。
可変表示装置部93における当たり図柄の表示に伴って権利発生装置部95の開閉片部96が開放表示され、さらに、入賞空間部100内で特定玉の入賞が判定されると、権利発生状態となる。そして、権利発生状態が継続しているときに、打玉画像が回転体部101の玉受凹部102に入賞すると、特定遊技状態が発生し、可変入賞球装置部104の開閉翼片部105が開放表示される。このような特定遊技状態は、権利発生状態が継続している限り、打玉画像が回転体部101の玉受凹部102に入賞するごとに繰返される。ただし、権利発生状態は、権利発生状態中に再度入賞空間部100内の特定玉受入口部に打玉画像が入賞したとき、または、回転体部101に所定個数(例えば16個)の打玉画像が入賞したときに終了する。
【0226】
次に、可変表示装置部93について説明する。
可変表示装置部93は、取付基板部114と、左側、中央および右側の各図柄表示部を有するLCD表示器部とを含む。取付基板部114の上部には、入賞口部116、センターランプおよび飾りLED部等が表示されている。また、取付基板部114の左右の両側部には飾りLED部が表示され、取付基板部114の下部には、始動玉通過口部94を通過した打玉画像の数を記憶表示する記憶表示LED117が表示される。なお、可変表示装置部93の変動未消化分を記憶する最大数は、例えば、4個であり、記憶表示LED117は4個表示されている。
【0227】
次に、LCD表示器部115の各図柄表示部に表示される各図柄について説明する。
各図柄表示部に表示される左側、中央および右側の各図柄列には、それぞれ「1〜11」の番号が順次表示される。これら3つの各表示柄列は、それぞれあたかもリール回転するように変動表示される。そして、変動開始時から所定時間経過したときに左・中・右の順で停止して3個の図柄が確定することになる。なお、左・中・右の各図柄列における当たり図柄の組合せは、同一図柄の組合せである。
【0228】
次に、打玉画像の発射のタイミングにおいて実行される打玉画像のルート選定処理および入賞/非入賞の決定の仕方について説明する。
図57は、第3種パチンコ遊技機の遊技が選択された場合に用いられるランダムカウンタの種類とその内容を示す説明図である。この場合には、ランダムカウンタ1、ランダムカウンタ7およびランダムカウンタ12〜ランダムカウンタ15の6種類のランダムカウンタが用いられる。これらのランダムカウンタの値が打玉発射のタイミングで読み出され、その値にもとづいて、入賞/非入賞が決定されるとともに打玉画像の移動軌跡が決定され、かつ、可変表示装置部93の変動にもとづく当たりが制御される。なお、ランダムカウンタのカウント値の読出処理は、主制御基板16における基本回路の内部に備えられたCPUによって制御用ROMの制御プログラムに従って実行される。
【0229】
ランダムカウンタ1は、打玉画像の移動軌跡を事前に決定するためのランダムカウンタである。ランダムカウンタ1は、「0〜999」の範囲で、0.002秒毎および割込処理の余り時間において1ずつカウントアップする。
【0230】
ランダムカウンタ12は、可変表示装置部93における図柄の変動の結果、当たりを発生させるか否かを事前に決定するためのランダムカウンタである。ランダムカウンタ12は、「0〜224」の範囲で、0.002秒毎に1ずつカウントアップする。
【0231】
ランダムカウンタ13は、可変表示装置部93の図柄の変動の結果、当たりとしないことが決定された場合に左側の図柄表示部において停止させる図柄の種類を決定するとともに、当たりとすることが決定された場合に当たり図柄を決定するためのランダムカウンタである。ランダムカウンタ13は、「0〜10」の範囲で、0.002秒毎に1ずつカウントアップされる。
ランダムカウンタ14は、可変表示装置部93の図柄の変動の結果、当たりとしないことが決定された場合に、中央の図柄表示部において停止させる図柄の種類を決定するためのランダムカウンタである。ランダムカウンタ14は、ランダムカウンタ3の値が「10」から1増えると(桁上げが生ずると)、「0〜10」の範囲で1ずつカウントアップされる。なお、ランダムカウンタ13の値は、「10」から1増えると「0」に戻される。
ランダムカウンタ15は、可変表示装置部93の図柄の変動の結果、当たりとしないことが決定された場合に、右側の図柄表示部において停止させる図柄の種類を決定するためのランダムカウンタである。ランダムカウンタ15は、ランダムカウンタ14の値が「10」から1増えると(桁上げが生ずると)、「0〜10」の範囲で1ずつカウントアップされる。なお、ランダムカウンタ14の値は、「10」から1増えると「0」に戻される。
【0232】
ランダムカウンタ7は、複数のリーチ動作の中から所定のリーチ動作を指定するためのリーチ動作指定数を決定するためのランダムカウンタである。ランダムカウンタ7は、ランダムカウンタ15の値が「10」から1増えると(桁上げが生ずると)、「0〜19」の範囲で1ずつカウントアップされる。
【0233】
図58は、遊技状態別の入賞率の設定値の一例を示す説明図である。
例えば、遊技状態が大当たり状態ではない通常状態、または可変入賞球装置部104の開閉翼片部105が閉成状態に移行して次のラウンドの開放状態が開始するまでのインターバル状態にあるときには、L1(図19参照)に達した打玉画像は、5%の割合で始動玉通過口部94を通過するように表示されるべきであることを示す。また、打玉画像が0%または70%の割合で権利発生装置部95の普通可変入賞口部98に入賞するように表示されるべきであることを示す。なお、権利発生装置部95の開閉片部96が開放状態で表示されているときには、70%の割合が用いられ、開閉片部96が閉成状態で表示されているときには、0%の割合が用いられる。さらに、打玉画像が2%の割合で左側の入賞口部107に入賞し、0.5%の割合で右側の入賞口部107に入賞するように表示されるべきであることを示す。
【0234】
また、図58等において、図56に示された始動玉通過口部94は「始動ゲート」と記載され、権利発生装置部95の普通可変入賞口部98は「振分1,2」と記載され、回転体部101の上部に形成された作動入賞口部103は「始動口」と記載されている。なお、「振分1」は左側の開閉片部96から普通可変入賞口部98に入賞することを意味し、「振分2」は右側の開閉片部96から普通可変入賞口部98に入賞することを意味する。また、入賞口116、入賞口部108、左側の入賞口部107、右側の入賞口部107は、それぞれ「入賞口1」、「入賞口2」、「入賞口3」、「入賞口4」と記載され、特別可変入賞口部106は「大入賞口1,2」と記載されている。なお、「大始動口1」は左側の開閉翼片部105から特別可変入賞口部106に入賞することを意味し、「大始動口2」は右側の開閉翼片部105から特別可変入賞口部106に入賞することを意味する。
【0235】
図58には、遊技状態が大当たり状態であって特別可変入賞口部106が開放状態に表示されているとき(大入賞口開放中)には、さらに、60%の割合で可変入賞球装置部104の特別可変入賞口部106(大入賞口部)に打玉が入賞するように表示されるべきであることが示されている。
【0236】
L2〜L13(図19参照)に達した打玉画像についても、それぞれ遊技状態別の入賞率が設定されている。ただし、図58には、L1について以外に、L5およびL13についての遊技状態別の入賞率のみが示されている。
なお、図58に示す入賞率は個々の打玉についての確率ではなく、多数の打玉にわたっての入賞/非入賞の割合である。従って、ひと通りの入賞/非入賞の決定がなされた後の第1発目の打玉(遊技開始直後の第1発目を含む)については、入賞確率は図58に示す入賞率に一致するが、その他の打玉の個々の入賞確率は、入賞/非入賞が非独立試行によって決定されるので、図58に示す入賞率とは異なっていく。
【0237】
この実施の形態では、L1〜L13のいずれかに達した打玉画像は、遊技盤面画像においてトータル350通りのルートのうちのいずれかたどって各入賞口部またはアウト口部に至るとする。もちろん、ルート数「350」は、遊技機に要求される性能等に応じて増減することができる。
【0238】
なお、図58に示すように、この実施の形態でも、通常状態と大当たり状態とで、異なるモードの入賞率が定義されている。また、大当たり状態でも、大入賞口開放中とインターバル状態とで、異なるモードの入賞率が定義されている。従って、通常状態では通常時決定モードで入賞/非入賞が決定され、特定遊技状態では特定時決定モードで入賞/非入賞が決定され、さらに、特定時決定モードでは、大当たり状態とインターバル状態とを分けて入賞/非入賞が決定される必要がある。
【0239】
図58に示されたような入賞率を実現するために、例えば、図59〜図61に示すような遊技盤面ルートテーブルが用意される。図58に示すように、この実施の形態では、「大入賞口1,2」に関して以外、通常状態における入賞率、インターバル状態における入賞率、および大入賞口開放中における入賞率は、等しいように設定されている。そのような場合には、図59〜図61に示すように、1つのテーブルを使用することができる。すなわち、通常時決定モードと特定時決定モードとを兼用できることになる。
「大入賞口1,2」に関して以外でも、通常状態における入賞率とインターバル状態における入賞率、および大入賞口開放中における入賞率が同じでない場合には、通常状態、インターバル状態および大入賞口開放中のそれぞれの状態に対応した欄を有するテーブルが用いられる。すなわち、通常時決定モード、特定時決定モードにおける大入賞口開放中のモード、および特定時決定モードにおけるインターバル状態のモードのそれぞれについて、別個のテーブルが用いられる。
【0240】
なお、図59〜図61において、「gx 」は、始動玉通過口部94(始動ゲート)を通過するルートであることを示す。「fx 」は、普通可変入賞口部98(振分1,2)に至るルートであることを示す。「sx 」は、作動入賞口部103は(始動口)に至るルートであることを示す。
「ax 」、「bx 」、「cx 」、「dx 」は、それぞれ、入賞口116(入賞口1)、入賞口部108(入賞口2)、左側の入賞口部107(入賞口3)、右側の入賞口部107(入賞口4)に至るルートであることを示す。
「vx 」は、特別可変入賞口部106(大入賞口1,2)に至るルートであることを示す。そして、「ox 」は、アウト口部112に至るルートであることを示す。
【0241】
図59は、図58におけるL1の列に記載された入賞率を実現するための遊技盤面ルートテーブルを示す説明図である。図59において、L1_f1−g1−v1−o1,L1_f2−g2−v2−o2,L1_g3−v3−o3,L1_g4,L1_g5は、それぞれ打玉画像が図19に示されたL1の位置から落下して始動玉通過口部94を通過するルートを示す。ただし、L1_f1−g1−v1−o1,L1_f2−g2−v2−o2は、権利発生装置部95の普通可変入賞口部98に到達して開閉片部96が開放状態で表示されているときには普通可変入賞口部98に入賞し、そうでなければ普通可変入賞口部98および始動玉通過口部94を通過して大入賞口部に達し、大入賞口部が開放状態で表示されているときには大入賞口部に入賞し、そうでなければアウト口部112に至るルートである。また、L1_g3−v3−o3は、始動玉通過口部94を通過して大入賞口部に達し、大入賞口部が開放状態で表示されているときには大入賞口部に入賞し、そうでなければアウト口部112に至るルートである。
そして、図59に記載されているランダムカウンタ1の値に応じてルートが選択されることを示す。
【0242】
L1_f3−o4,L1_f4−v4−o5〜L1_f6−v6−o7は、それぞれ打玉画像が図19に示されたL1の位置から落下して権利発生装置部95の普通可変入賞口部98に到達するルートを示す。ただし、L1_f3−o4は、開閉片部96が開放状態で表示されているときには普通可変入賞口部98に入賞し、そうでなければ普通可変入賞口部98に入賞せずにアウト口部112に至るルートである。また、L1_f4−v4−o5〜L1_f6−v6−o7は、開閉片部96が開放状態で表示されているときには普通可変入賞口部98に入賞し、そうでなければ普通可変入賞口部98および始動玉通過口部94を通過して大入賞口部に達し、大入賞口部が開放状態で表示されているときには大入賞口部に入賞し、そうでなければアウト口部112に至るルートである。
そして、図59に記載されているランダムカウンタ1の値に応じてルートが選択されることを示す。
【0243】
L1_c1およびL1_c2は、それぞれ打玉画像が図19に示されたL1の位置から落下して左側の入賞口部107に入賞するルートを示す。
そして、図59に記載されているランダムカウンタ1の値に応じてルートが選択されることを示す。
【0244】
L1_v7−o8,L1_v7−o9は、それぞれ打玉画像が図19に示されたL1の位置から可変入賞球装置部49の大入賞口部に到達するルートを示す。ただし、各ルートは、大入賞口部が開放状態で表示されているときには大入賞口部に入賞し、そうでなければアウト口部112に至るルートである。
そして、図59に記載されているランダムカウンタ1の値に応じてルートが選択されることを示す。
【0245】
L1_o10〜L1_onは、それぞれ打玉画像が図19に示されたL1の位置からいずれの始動ゲート部および入賞口部も経由せずにアウト口部112に到達するルートを示す。そして、図59に記載されているランダムカウンタ1の値に応じてルートが選択されることを示す。
【0246】
同様に、遊技盤面画像上のL2〜L13の位置からのルートとランダムカウンタ1の値との関係を示す遊技盤面ルートテーブルも用意される。例えば、図60は図58におけるL5の列に記載された入賞率を実現するための遊技盤面ルートテーブルを示し、図61は図58におけるL13の列に記載された入賞率を実現するための遊技盤面ルートテーブルを示す。
ただし、図59〜図61に示すテーブルは入賞率等を説明するために簡略的に作成されたものであり、実際の遊技機においては、各ルートとランダムカウンタ1との関係は適宜設定される。
なお、L1〜L13の位置からのルートとランダムカウンタ1の値との関係を示す各遊技盤面ルートテーブルは、主制御基板16の基本回路におけるROMに設定される。また、L1〜L13についての各遊技盤面ルートテーブル中の0〜999の各値のそれぞれに対応した未使用/使用済ビットが、主制御基板16の基本回路におけるRAMに用意される。
【0247】
L1からのルートに関して、権利発生装置部95の開閉片部96が開放状態で表示されているときには、ランダムカウンタ1の値が「0〜19」または「50〜729」のうちのいずれかであれば、打玉画像は、権利発生装置部95に進入する。従って、ランダムカウンタ1がとりうる「0〜999」の1000種類の値に対して、70%の割合で打玉は権利発生装置部95に進入し、その割合は図58に示す遊技状態別入賞率に対応したものとなっている。また、ランダムカウンタ1の値が「0〜29」、「220〜729」または「755〜814」のうちのいずれかであれば、大入賞口部が開放状態で表示されているときには大入賞口部に入賞する。従って、ランダムカウンタ1がとりうる「0〜999」の1000種類の値に対して、60%の割合で打玉は大入賞口部に入賞し、その割合は図58に示す遊技状態別入賞率に対応したものとなっている。
【0248】
従って、ランダムカウンタ1のとる値が完全なランダムな乱数となっていれば、例えば、打玉がL1の位置から権利発生装置部95に進入する確率は70%となり(開閉片部96が開放中の場合)、打玉が大入賞口部に入賞する確率は60%となる(大入賞口部が開放中の場合)。すなわち、かなり長い期間にわたって実際の入賞率を観測すると、その値は設定値である70%および60%となる。しかし、ランダムカウンタ1の値に応じて無条件に遊技盤面ルートテーブルからルートを抽出すると、かなり長い期間にわたって観測すると70%および60%になるものの、現実には、遊技続行中に全く入賞のない期間がしばらく続いたり、入賞が頻発する期間がしばらく続いたりすることもある。
しかし、以下詳しく説明するように、この実施の形態でも、極端に入賞率が上がった期間が継続したり極端に入賞率が下がった期間が継続することなく、入賞率がほぼ設定値に等しい状態で遊技が継続される遊技機が実現される。
【0249】
図62は、350種類の各ルートについての打玉が発射されてから入賞口部、始動ゲート部またはアウト口部まで到達するまでの時間が記載されたルート別時間テーブルを示す説明図である。例えば、ルート1は、打玉画像の発射表示がなされてから、4.2秒(4200ms)後に打玉画像が始動玉通過口部94(始動ゲート)を通過し、発射から5.0秒後に特別可変入賞口部106(大入賞口1)に入賞するように表示されることを示す。そして、大入賞口部が開放中でないときには打玉画像は発射から5.6秒後にアウト口部112に至る。なお、ルート1は、例えば図59におけるルートL1_g3−v3−o3に対応する。
【0250】
また、ルート2は、打玉画像の発射表示がなされてから、3.1秒後に打玉画像が権利発生装置部95の普通可変入賞口部98(振分2)に到達するように表示されることを示す。そして、開閉片部96が開放状態で表示されているときには普通可変入賞口部98に入賞し、そうでなければ発射から4.5秒後に始動玉通過口部94を通過して発射から5.3秒後に大入賞口部に達し、大入賞口部が開放状態で表示されているときには大入賞口部に入賞し、そうでなければ発射から5.9秒後にアウト口部112に至る。なお、ルート2は、例えば図59におけるルートL1_f1−g1−v1−o1に対応する。
【0251】
ルート350は、打玉画像の発射表示がなされてから、打玉画像の発射表示がなされてから4.5秒後に回転体部の上部に形成された作動入賞口部103に到達するように表示されるルートである。そして、打玉画像が作動入賞口部103に入賞できる状態であればそこに入賞し、そうでなければ、打玉画像が作動入賞口部103の部分ではじかれ、打玉画像の発射表示がなされてから5.5秒後にアウト口部112に至る。
【0252】
その他のルートについても、同様に、打玉画像の発射表示がなされてから、打玉画像が始動ゲート部、入賞口部またはアウト口部に到達するまでの時間が設定されている。そして、このようなルート別時間テーブルは、主制御基板16の基本回路におけるROMに設定される。なお、ルート1〜350は、それぞれ、L1〜L13のいずれかを通るルートである。
【0253】
以下、入賞/非入賞の決定の仕方および当たり/はずれの決定の仕方を図63〜図65のフローチャートを参照して説明する。
主制御基板16の基本回路は、打玉発射のタイミングにおいて、図63に示すように、まず打玉の発射レベルを確認する(ステップS301)。発射レベルが「6」未満であれば、打玉画像は遊技領域部91に達するように表示されないので(図20参照)、入賞/非入賞の決定を行わない。発射レベルが「6」以上であれば、基本回路は、ランダムカウンタ1の値を抽出する(ステップS302)。発射レベルに応じて打玉画像がL1〜L13のうちのいずれを通るか決定されるので、どの遊技盤面ルートテーブルを用いればよいのか決定される。
【0254】
ここで、決定された遊技盤面ルートテーブル中の各値(0〜999)が全て使用済であれば、未使用/使用済ビットを全て未使用にしておく(ステップS303,S304)。
【0255】
次いで、基本回路は、ランダムカウンタ1の抽出値と一致する遊技盤面ルートテーブル中の値が未使用であるか否か確認する(ステップS305)。その値が使用済であれば、値を1増やした後(ステップS306)、再度その値が未使用であるか否か確認する。
【0256】
未使用の値が見つかったら、基本回路は、遊技盤面ルートテーブル中のその値に応じたルートを打玉画像の入賞口部またはアウト口部への軌跡として選択する(ステップS307)。
例えば、発射レベルが「6」であって発射のタイミングで抽出されたランダムカウンタ1の値が「58」であったとする。すると、発射レベルが「6」であるから、図20を参照すると、打玉画像は遊技領域部62におけるL1の位置に達した後に遊技領域部42を落下すると決定されることがわかる。すなわち、図59に示す遊技盤面ルートテーブルを使用することが決定される。ここで、遊技盤面ルートテーブルにおける値「58」が未使用であるか否かチェックされる。「58」が使用中であれば、「59」が未使用であるか否かチェックされる。そして、「59」が未使用であれば、図59に示す遊技盤面ルートテーブル中の「59」に対応したルートが打玉画像の軌跡として選択される。
【0257】
以上のように、この実施の形態では、打玉の発射のタイミングにおいて、遊技領域部91における打玉画像のルートを決める。すると、打玉の発射のタイミングにおいて権利発生装置部95の開閉片部96が開放状態であったとしても、実際に打玉画像が権利発生装置部95の普通可変入賞口部98に到達したときには開閉片部96が閉成していて普通可変入賞口部98に入賞できなくなっている場合がある、逆に、打玉の発射のタイミングにおいて権利発生装置部95の開閉片部96が閉成状態であったとしても、実際に打玉画像が権利発生装置部95の普通可変入賞口部98に到達したときには開閉片部96が開放状態になっている場合もある。すなわち、ステップS307において普通可変入賞口部98に達するルートが選定されていた場合には、打玉画像を普通可変入賞口部98に入賞させるかどうか決定しなければならない。
【0258】
そこで、基本回路は、ステップS307において選定されたルートが普通可変入賞口部98に達するルートであるのかどうか確認する(ステップS308)。図59に示す例では、普通可変入賞口部98に達するルートは、L1_f1−g1−v1−o1、L1_f2−g2−v2−o2、L1_f3−o4、L1_f4−v4−o5〜L1_f6−v6−o7のうちのいずれかである。
【0259】
普通可変入賞口部98に達するルートが選定されている場合には、基本回路は、図62に示すルート別時間テーブルから、選定されたルートにおける普通可変入賞口部98(振分1,2)までの時間を抽出する(ステップS309)。そして、発射のタイミングからその時間が経過するときに権利発生装置部95の開閉片部96が開放状態になるかどうか確認する(ステップS310)。開放状態になると判定された場合には、選定されているルートを普通可変入賞口部98に入賞するルートとする(ステップS311)。また、閉成状態になると判定された場合には、選定されているルートを普通可変入賞口部98に入賞しないルートとする(ステップS312)。
例えば、ステップS307においてルートL1_f1−g1−v1−o1が選定されていた場合には、ステップS312において、そのルートは、普通可変入賞口部98ではじかれ、その後始動玉通過口部94を通過して大入賞口部に至るルートに設定される。
【0260】
この実施の形態では、回転体部101の上部に形成された作動入賞口部103から入った打玉画像は、回転体部101に形成され回転体部101の回転に応じて回転する玉受凹部102に受け止められるまでそこに停留する。そして、前に発射された打玉画像が作動入賞口部103に停留しているときには、次の打玉は、停留中の打玉にはじかれて落下するように表示制御される。従って、この実施の形態のように打玉の発射のタイミングで打玉画像のルートを決める場合には、作動入賞口部103に至るルートが選定されたときには、作動入賞口部103に打玉画像を入れるか否か決定しなければならない。
【0261】
そこで、基本回路は、ステップS307において選定されたルートが作動入賞口部103に達するルートであるのかどうか確認する(ステップS320)。選定されたルートが作動入賞口部103に達するルートであると判定された場合には、基本回路は、図62に示すルート別時間テーブルから、選定されたルートにおける作動入賞口部103(始動口)までの時間を抽出する(ステップS321)。そして、発射のタイミングからその時間が経過するときに、前に発射された打玉画像が作動入賞口部103に停留する状態になるかどうか確認する(ステップS322)。前に発射された打玉画像が停留しないと判定した場合には、基本回路は、選定されているルートを作動入賞口部103に入賞するルートとする(ステップS323)。また、前に発射された打玉画像が停留すると判定した場合には、選定されているルートを、作動入賞口部103にはじかれて落下するルートとする(ステップS324)。
【0262】
また、打玉の発射のタイミングにおいて大入賞口部が開放中であっても、実際に打玉画像が大入賞口部に到達したときには大入賞口部閉成の条件が成立して大入賞口部が閉成状態になっている場合もある。そこで、ステップS330以下の処理において、大入賞口部に入賞すると決定された打玉画像が実際に大入賞口部に到達したときには大入賞口部が閉成状態になっている場合が生じたときの考慮がなされる。
【0263】
基本回路は、まず、決定されたルートが大入賞口部に到達するルートであるか否か確認する(ステップS330)。
なお、図59に示す例では、大入賞口部に到達するルートは、L1_g3−v3−o3、L1_v7−o8またはL1_v8−o9である。または、ステップS307においてL1_f1−g1−v1−o1、L1_f2−g2−v2−o2、L1_f4−v4−o5〜L1_f6−v6−o7のうちのいずれかが選定され、ステップS312において普通可変入賞口部98に入賞しないとされたルートである。
決定されたルートが大入賞口部に到達するルートである場合には、図62に示すルート別時間テーブルから、そのルートの打玉画像が大入賞口部に到達するまでの時間を抽出する(ステップS331)。さらに、打玉の発射のタイミングから抽出された時間が経過したときに大入賞口部が開放しているか否か確認する(ステップS332)。
【0264】
大入賞口部が開放していると判定した場合には、基本回路は、選定されたルートを大入賞口部に進入するルートと決める(ステップS333)。
大入賞口部が開放していないと判定した場合には、基本回路は、選定されたルートを大入賞口部からさらに落下するルートと決める(ステップS312)。例えば打玉画像が遊技領域部62におけるL1の位置に達する各ルートから打玉画像の軌跡が選定され、ルートL1_v7−o8が選定されている場合には、そのルートを大入賞口に進入せずアウト口部112に向かうルートとする。
【0265】
以上のように、この実施の形態によれば、発射のタイミングにおいて、打玉画像が実際に権利発生装置部95の普通可変入賞口部98、回転体部101の上部に形成された作動入賞口部103または大入賞口部に到達するときに打玉画像がそれらに進入できるか否か判定し、判定結果に応じてルート設定がなされるので、閉じている大入賞口部に進入してしまったり閉じている普通可変入賞口部98に入賞してしまったりする不都合が回避される。
【0266】
しかも、この実施の形態では、図59〜図61に例示されているように、開閉される可能性のある役物または進入できないタイミングを有する役物に到達するルートについては、それらへの非進入時の経路もさらに定義されている。そして、発射のタイミングにおいて、実際に打玉画像がそれらに到達するときにそれらが進入可能状態になるのか否かチェックされる。そして、それらが進入可能状態になるのであれば、それらに進入ルートが設定される。従って、ルート選定処理が簡略化される。
【0267】
ステップS308、S311、S312、S323、S324、S333またはS334の処理を経て最終的にルートが決定されると、基本回路は、そのときに扱っている遊技盤面ルートテーブル中の値に対応した未使用/使用済のビットを使用済にする(ステップS340)。なお、そのときに扱っている遊技盤面ルートテーブル中の値とは、ステップS307の処理を開始する前に決定された値である。
【0268】
以上のように、この実施の形態でも、各遊技盤面ルートテーブル中の0〜999の値のそれぞれに未使用/使用済のビットを付し、全ての値が使用済になるまでは、使用済の値を使用しない。また、この実施の形態では、各遊技盤面ルートテーブル中の各値は、打玉画像のルートを決定するものであるとともに、打玉の入賞/非入賞を決定するものともなっている。従って、打玉の発射のタイミングで上述した処理が実行されると、入賞/非入賞の抽選のために使用された値は、以後、ひと通りの入賞/非入賞の抽選が終了するまで使用されない。すなわち、非独立試行の抽選が行われる。すると、比較的短期間でも、入賞の発生割合は、図58に例示したような入賞率に近いものとなる。換言すれば、この場合にも、入賞率が急激に上がったり長期間にわたって低い入賞率が継続したりすることなく、入賞率が安定した状態で遊技が進行する。
【0269】
なお、この実施の形態では、遊技盤面画像におけるL1〜L13の位置からの各ルートに対応した各遊技盤面ルートテーブルを用意し、打玉画像の移動軌跡を事前に決定するためのランダムカウンタ1の値(0〜999)に対応したテーブル中の値について、1度使用された値は、ひと通りの抽選が終了するまで次回の抽選対象とされないようにして、入賞/非入賞の非独立試行の抽選が実現された。しかし、他の方式によっても、入賞/非入賞の非独立試行の抽選を実現することもできる。
【0270】
例えば、ランダムカウンタ1の値を、始動入賞、始動入賞以外の各入賞、大入賞口への進入、始動ゲート部の通過、および非入賞を決めるためだけに使用する。すなわち、ランダムカウンタ1の値を、入賞/非入賞の抽選のためだけに使用し、ルート選定には用いないものとする。そして、ランダムカウンタ1の値に応じて始動入賞、始動入賞以外の各入賞、大入賞口への入賞、始動ゲート部の通過、または非入賞を決めるテーブルが用意され、ランダムカウンタ1の値にもとづいて、そのテーブルの内容が検索され、始動入賞、始動入賞以外の各入賞、大入賞口への入賞、または非入賞が決定される。その後、発射レベルに応じて決まるL1〜L13の位置から各入賞口部、各始動ゲート部またはアウト口部へ至るルートが選定される。この場合、例えば、ランダムカウンタ1の値にもとづいて始動入賞が決定され、例えばL1の位置から始動入賞口部66に至るルートが複数定義されている場合には、別の乱数によって1つのルートを選定する。そして、そのときに抽出されたランダムカウンタ1の値は、ひと通りの抽選が終了するまで、すなわち、この実施の形態では1000回の抽選が完了するまで、次回の抽選では使用しないようにする。このようにしても、1度入賞/非入賞の抽選に用いられた値は、ひと通りの抽選が終了するまで用いられないようにする。
この場合には、図58に示すような各ルート(L1〜L13を通る各ルート)毎の各入賞率が設定されず、全体的な入賞率が設定されている場合でも、比較的短い期間で、その設定入賞率に近い値の実際の入賞率が安定して現れる遊技機を実現することができる。
【0271】
また、遊技領域部91の右領域に玉受凹部102が形成された回転体部101などが表示され、権利発生状態では玉受凹部102に打玉を入賞させないと権利継続状態とならず、かつ、遊技領域部91の左領域にある権利発生装置部95内の特定領域に入賞すると権利が消滅する遊技機では、遊技者は、権利発生状態において、打玉画像が遊技領域部91の右領域に打ち込まれるように遊技ハンドル6を操作するいわゆる右打ちを行う。従って、遊技者による発射レベルに応じて、図19に示すL11,L12,L13等の打玉画像が遊技領域部91の右領域に落下しやすい軌跡が選択される可能性が高い。そこで、この実施の形態では、図59に示すように、L13から回転体部101の上部に形成された作動入賞口部103(始動口)に至る割合が高く設定される。すなわち、図61に示すように、L13から作動入賞口部103に至るルートが選定されやすくなっている。なお、図58には示されていないが、L11,L12等の打玉画像が遊技領域部91の右領域に落下しやすいものについても、作動入賞口部103に至る割合が高く設定される。
【0272】
逆に、打玉画像が遊技領域部91の左領域に落下しやすいL1,L5等については、作動入賞口部103に至る割合が低く設定される。図58には示されていないが、L2〜L4等の打玉画像が遊技領域部91の右領域に落下しやすいものについても、作動入賞口部103に至る割合が低く設定されている。
このように、この実施の形態では、遊技者が右打ちを行うときに選定される軌跡については、右打ちの目的となっている役物への入賞率が高く設定され、そのような入賞率を実現するために、右打ち時に用いられる遊技盤面ルートテーブルにおいて、右打ちの目的となっている役物に至るルートが選定されやすくなっている。従って、遊技者が所定の目的を持って特殊なハンドル操作を行った場合に、遊技状態がそのような目的に適うように進行するので、遊技者に違和感を与えることはない。
【0273】
図65は、ランダムカウンタの値によって当たりを発生させるか否かを設定するための制御を示すフローチャートである。図58に示す処理も、打玉の発射のタイミングで実行される。当たりとするかまたは当たり以外(はずれ)とするかは、ランダムカウンタ12の値を判定することにより決定される。通常時には、基本回路は、ランダムカウンタ12の値が、「3」であれば当たりとし「3」以外であれば当たり以外とする。当たりとすることが決定された場合は、ランダムカウンタ13の値によって当たりを発生させるための図柄の種類を決定する。一方、当たり以外とすることが決定された場合は、ランダムカウンタ13,14,15の値を使用して、左側、中央、右側の図柄表示部における停止図柄の種類をそれぞれ決定する。なお、当たり以外とする場合に、ランダムカウンタ13,14,15の各値にもとづいて決定された図柄の組合せ配列が、偶然、当たりとなる図柄の組合せ配列となる場合には、中図柄を示すランダムカウンタ14の値から「1」を減算し、強制的にはずれ図柄の組合せ配列で停止表示するように調整する。
なお、ランダムカウンタ12の値によって当たりを発生させるか否かを決定する際に、基本回路は、所定の値を除外するといった制御を行わない。すなわち、基本回路は、ここでは独立試行を行う。
【0274】
また、この実施の形態では、特定遊技状態が終了すると、その後2回新たな特定遊技状態が開始されるまで、当たり確率が高く設定されるものとする。そこで、高確率時には、ランダムカウンタ12の値が、「3,7,127,197,211」のいずれかの値であるときに当たりとされる。なお、図59に示すように、各入賞口への入賞率は、通常状態と高確率状態とで変わりはない。
【0275】
以上のように、この実施の形態によれば、遊技機の遊技領域全体が表示装置によって表示される第3種パチンコ遊技機であって、発射のタイミングで入賞/非入賞の抽選が行われるものにおいて、入賞/非入賞の抽選も独立試行とした場合に比べて、スタート(始動入賞数/分)やベース(全入賞数/分)が安定して遊技が続行される遊技機を実現できる。
また、図58に示すように遊技状態が通常状態にあるときと大入賞口開放中とで異なった入賞率を設定し、図59〜図61に示されたような通常状態と大入賞口開放中とが分けられているテーブルによって入賞/非入賞の抽選を実現しているので、大当たり中の入賞率を容易に変えることができる等の効果を得ることができる。
さらに、インターバル状態についても、図58に示すように大入賞口開放中とは異なった入賞率を設定し、図59〜図61に示されたようなインターバル状態と大入賞口開放中とが分けられているテーブルによって入賞/非入賞の抽選を実現しているので、インターバル状態での大入賞口部への入賞を容易に回避できる。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態にあるときとインターバル状態にあるときとで同一のテーブルを用いるようにしたが、別のテーブルを用いるようにしてもよい。そのようにすれば、通常状態とインターバル状態とで入賞率を別にしたい等の要請に容易に応えられる。
さらに、所定の目的にもとづく右打ち等の特殊な遊技者の操作に応じて、その目的に合致する入賞率が実現されるように打玉画像のルートを選定しているので、遊技者に不自然な感じを与えることのない画像式遊技機が実現される。
【0276】
次に、以上の実施の形態における打玉画像の移動軌跡の割数の設定について説明する。以上の各実施の形態では、遊技盤面全体を画像表示しているので、従来の遊技機のように釘調整によって入賞する確率を変化させることはできない。しかし、遊技盤面画像上の打玉画像の移動軌跡は、基本回路および画像表示器制御回路によって任意に制御することができる。
【0277】
例えば、図23等に示す入賞率のテーブルであって、互いに異なる入賞率が設定されている複数のテーブルを、基本回路のROMに設定しておく。さらに、それぞれが各テーブルに対応した複数種類の遊技盤面ルートテーブルを、基本回路のROMに設定しておく。そして、割数設定スイッチ27の設定に応じて、基本回路が対応する入賞率テーブルおよび遊技盤面ルートテーブルを用いれば、入賞率を容易に変更することができる。
【0278】
なお、上記の各実施の形態では、入賞球貯留決定手段によって打玉の貯留が制御される貯留手段部として、第1種パチンコ遊技機におけるVポケット部57cや第2種パチンコ遊技機における盃部81を例示したが、第3種パチンコ遊技機の例における権利発生装置部95の可動部材部は、玉通路部からの入賞玉を1個だけ玉受面部に停留して上下方向へ移動させるものであるから、本発明における貯留手段部として機能する。すなわち、権利発生装置部95の入賞空間部100内の玉ルートを、入賞球貯留決定手段が決定するようにしてもよい。
【0279】
以上に説明したように、上記の各実施の形態では、打球の発射のタイミングにおいて、入賞決定手段である基本回路が、入賞/非入賞、当たり/はずれ、大当たり/はずれ、および打球画像の軌跡を決定する。本発明における方式とは異なり打玉画像の移動に従って徐々に軌跡が選定されていく方式の画像式遊技機では、釘や役物に打玉画像が衝突するように表示されるたびに基本回路は軌跡を演算しなければならず、基本回路の負荷が大きい。例えば、基本回路がマイクロコンピュータで実現される場合には、大きなプログラムと高性能のマイクロコンピュータが求められ、遊技機が高価なものとなってしまう。すなわち、本発明の画像式遊技機は、打玉画像の移動に従って徐々に軌跡が選定されていく方式の画像式遊技機に比べて安価に構成できる。
【0280】
なお、打玉の入賞/非入賞は打球画像が遊技領域部に表示されるまでに決定されればよい。従って、基本回路は、打球画像が遊技領域部に表示される前であれば、発射のタイミング以外で、入賞/非入賞、当たり/はずれ、大当たり/はずれ、および打球画像の軌跡を決定してもよい。ただし、そのようにした場合には、打玉の発射のタイミングから打球が遊技領域部に表示されるまでは、打玉画像の移動に従って徐々に軌跡が選定されていくことになり、基本回路の負荷がやや大きくなる。しかし、遊技領域部における軌跡に比べて、打玉の発射のタイミングから打球が遊技領域部に表示されるまでの軌跡の種類は極めて少ないので、発射のタイミング以外であって打球画像が遊技領域部に表示される前に入賞/非入賞を決定したとしても、基本回路の負荷の増大は最小限に止められる。
【0281】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、画像式遊技機を、打球の発射のタイミングにおいて遊技に関する各事項を決定する場合に、入賞決定手段によって入賞が決定された打球のうちさらに貯留手段部に貯留させるか否か決定し、入賞決定手段が、選択した打球のルートが大入賞口に入賞するルートである場合に、ルート別時間テーブルを参照して当該ルートの打球が大入賞口に到達するまでの時間が大入賞口が閉成状態に表示変更されるまでの時間よりも短いと判定したときには打球のルートを大入賞口に至らないルートに変更し、大入賞口が閉成状態に表示されているときに選択した打球のルートが大入賞口を経由して排出口に至るルートである場合に、ルート別時間テーブルを参照して当該ルートの打球が大入賞口に到達するまでの時間が大入賞口が開放状態に表示変更されるまでの時間よりも短いと判定したときには、大入賞口に入賞するルートを含む複数種類のルートから打球のルートを選択し直すように構成したので、実際に貯留部分に多数の打球が到達したにもかかわらず貯留がなされなかったりするという不自然な遊技状態が発生することを回避できる。
また、打球を貯留させると決定する確率を所定の条件に応じて変える場合には、よりリアルで興趣を向上させた遊技機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態による遊技機の構成を示す正面図である。
【図2】 遊技機の構成を示す裏面図である。
【図3】 遊技機に用いられる制御回路の構成を示すブロック図である。
【図4】 図3に示す画像表示器制御基板における画像表示器制御回路の構成を示すブロック図である。
【図5】 第1種パチンコ遊技機の表示の一例を示す説明図である。
【図6】 第2種パチンコ遊技機の表示例を示す説明図である。
【図7】 第3種パチンコ遊技機の表示例を示す説明図である。
【図8】 スロットマシンの表示例を示す説明図である。
【図9】 ゲーム選択スイッチによってGAME1が選択されたときの遊技盤面用表示画面を示す説明図である。
【図10】 STARTスイッチが押下されたときの遊技盤面用表示画面を示す説明図である。
【図11】 次画面スイッチが押下されたときの遊技盤面用表示画面を示す説明図である。
【図12】 拡大スイッチが押下されたときの遊技盤面用表示画面を示す説明図である。
【図13】 2倍スイッチまたは5倍スイッチが押下されたときの遊技盤面用表示画面を示す説明図である。
【図14】 可変表示装置部が拡大された遊技盤面用表示画面を示す説明図である。
【図15】 テンカウント表示の一表示例を示す説明図である。
【図16】 V入賞表示の一表示例を示す説明図である。
【図17】 リーチ時の表示画面の一例を示す説明図である。
【図18】 大当たり時の表示画面の一例を示す説明図である。
【図19】 遊技機の打玉画像の移動軌跡を説明するための図である。
【図20】 発射レベルと打玉画像の移動軌跡との関係を示す対応図である。
【図21】 第1種パチンコ遊技機用の遊技盤面画像を示す説明図である。
【図22】 第1種パチンコ遊技機の遊技が選択された場合に用いられるランダムカウンタの種類とその内容を示す説明図である。
【図23】 遊技状態別の入賞率の設定値の一例を示す説明図である。
【図24】 図23におけるL1の列に記載された入賞率を実現するための遊技盤面ルートテーブルを示す説明図である。
【図25】 図23におけるL5の列に記載された入賞率を実現するための遊技盤面ルートテーブルを示す説明図である。
【図26】 図23におけるL13の列に記載された入賞率を実現するための遊技盤面ルートテーブルを示す説明図である。
【図27】 各ルートについての打玉が発射されてから入賞口部またはアウト口部まで到達するまでの時間が記載されたルート別時間テーブルを示す説明図である。
【図28】 入賞/非入賞の決定の仕方を示すフローチャートである。
【図29】 ルート変更処理を示すフローチャートである。
【図30】 大当たりを発生させるか否かを設定するための制御を示すフローチャートである。
【図31】 可変入賞球装置部における開閉板部の構造を説明するための概念図である。
【図32】 大入賞口部内の打玉のルートを選択するための大入賞口内玉ルートテーブルを示す説明図である。
【図33】 大入賞口部内の打玉のルートを選択するための大入賞口内玉ルートテーブルを示す説明図である。
【図34】 第2種パチンコ遊技機用の遊技盤面画像の一例を示す説明図である。
【図35】 第2可変入賞球装置部の構成を説明するための説明図である。
【図36】 第1可変入賞球装置部の表示状態を説明するためのタイミング図である。
【図37】 打玉画像が始動入賞口部に入賞した場合の表示状態を説明するためのタイミング図である。
【図38】 打玉画像が第1可変入賞球装置部に入賞した場合の表示状態を説明するためのタイミング図である。
【図39】 所定条件成立後に打玉画像が第1可変入賞球装置部に入賞した場合の表示状態を説明するためのタイミング図である。
【図40】 第1可変入賞球装置部の他の表示状態を説明するためのタイミング図である。
【図41】 第1可変入賞球装置部のさらに他の表示状態を説明するためのタイミング図である。
【図42】 開閉サイクルの基本的な表示状態を説明するためのタイミング図である。
【図43】 最終回の開閉サイクルの表示状態を説明するためのタイミング図である。
【図44】 第2種パチンコ遊技機の遊技が選択された場合に用いられるランダムカウンタの種類とその内容を示す説明図である。
【図45】 遊技状態別の入賞率の設定値の一例を示す説明図である。
【図46】 図45におけるL1の列に記載された入賞率を実現するための遊技盤面ルートテーブルを示す説明図である。
【図47】 図45におけるL5の列に記載された入賞率を実現するための遊技盤面ルートテーブルを示す説明図である。
【図48】 図45におけるL13の列に記載された入賞率を実現するための遊技盤面ルートテーブルを示す説明図である。
【図49】 各ルートについての打玉が発射されてから入賞口部、通過ゲート部またはアウト口部まで到達するまでの時間が記載されたルート別時間テーブルを示す説明図である。
【図50】 入賞/非入賞の決定の仕方を示すフローチャートである。
【図51】 ルート変更の処理を示すフローチャートである。
【図52】 大入賞口部開放の判定の仕方を説明するためのタイミング図である。
【図53】 第1可変入賞球装置部開放の判定の仕方を説明するためのタイミング図である。
【図54】 第2可変入賞球装置部内での打玉のルートを選択するための役物内玉ルートテーブルを示す説明図である。
【図55】 第2可変入賞球装置部内での打玉のルートを選択するための役物内玉ルートテーブルを示す説明図である。
【図56】 第3種パチンコ遊技機用の遊技盤面画像の一例を示す説明図である。
【図57】 第3種パチンコ遊技機の遊技が選択された場合に用いられるランダムカウンタの種類とその内容を示す説明図である。
【図58】 遊技状態別の入賞率の設定値の一例を示す説明図である。
【図59】 図58におけるL1の列に記載された入賞率を実現するための遊技盤面ルートテーブルを示す説明図である。
【図60】 図58におけるL5の列に記載された入賞率を実現するための遊技盤面ルートテーブルを示す説明図である。
【図61】 図58におけるL13の列に記載された入賞率を実現するための遊技盤面ルートテーブルを示す説明図である。
【図62】 各ルートについての打玉が発射されてから入賞口部、始動ゲート部またはアウト口部まで到達するまでの時間が記載されたルート別時間テーブルを示す説明図である。
【図63】 入賞/非入賞の決定の仕方を示すフローチャートである。
【図64】 ルート変更の処理を示すフローチャートである。
【図65】 当たりを発生させるか否かを設定するための制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 遊技機
2 表示画面
15 画像表示器
16 主制御基板
18 画像表示器制御基板
42,62,91 遊技領域部
43 可変表示装置部
48 始動入賞口部
49 可変入賞球装置部
65 第1可変入賞球装置部
70 第2可変入賞球装置部
71 玉受部材部
72 可動板部
93 可変表示装置部
95 権利発生装置部
96 開閉片部
101 回転体部
103 作動入賞口部
104 可変入賞球装置部
105 開閉翼片部
Claims (2)
- 打球が遊技領域に至る前に打球の入賞/非入賞を決定する画像式の遊技機であって、
開放状態または閉成状態に表示される大入賞口を含む遊技盤面画像における遊技状態を制御する遊技制御手段と、
前記遊技制御手段の制御に応じて遊技盤面画像における表示制御を行う画像表示制御手段とを備え、
前記遊技制御手段は、遊技に関する各事項を打球の発射のタイミングで決定する決定手段を含み、
前記決定手段は、
前記画像表示制御手段によって表示制御される打球の入賞/非入賞を決定する入賞決定手段と、
前記入賞決定手段によって入賞が決定された打球のうちさらに前記遊技盤面画像の一部をなす貯留手段部に貯留させるか否か決定する入賞球貯留決定手段とを有し、
前記入賞決定手段は、
打球が発射されてから前記大入賞口、特定の入賞口もしくはそれら以外の入賞口に入賞するまでの複数種類の打球のルートおよび排出口に至る複数種類の打球のルートが設定された遊技盤面ルートテーブルを備え、
前記排出口に至る打球のルートを前記遊技盤面ルートテーブルから選択することによって打球の非入賞を決定し、前記大入賞口、前記特定の入賞口またはそれら以外の入賞口に入賞する打球のルートを前記遊技盤面ルートテーブルから選択することによって打球の入賞を決定し、
打球の発射のタイミングで前記大入賞口が開放状態に表示されているときに前記大入賞口に入賞する打球のルートを選択対象とし、
選択した打球のルートが前記大入賞口に入賞するルートである場合に、選択されうるルートの各々における前記大入賞口、前記特定の入賞口、それら以外の入賞口または前記排出口までの打球の到達時間が設定されたルート別時間テーブルを参照して当該ルートの打球が前記大入賞口に到達するまでの時間が前記大入賞口が閉成状態に表示変更されるまでの時間よりも短いと判定したときには打球のルートを前記大入賞口に至らないルートに変更し、
前記大入賞口が閉成状態に表示されているときに選択した打球のルートが前記大入賞口を経由して前記排出口に至るルートである場合に、前記ルート別時間テーブルを参照して当該ルートの打球が前記大入賞口に到達するまでの時間が前記大入賞口が開放状態に表示変更されるまでの時間よりも短いと判定したときには、前記大入賞口に入賞するルートを含む複数種類のルートから打球のルートを選択し直す
ことを特徴とする画像式遊技機。 - 入賞球貯留決定手段は、打球を貯留させると決定する確率を所定の条件に応じて変える
請求項1記載の画像式遊技機。
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