JP4307196B2 - 合成繊維製造用延伸ローラ及びその製造方法並びにそれを用いた合成繊維の製造方法 - Google Patents

合成繊維製造用延伸ローラ及びその製造方法並びにそれを用いた合成繊維の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は合成繊維製造用延伸ローラ及びその製造方法、並びにそれを用いた合成繊維の製造方法に関し、さらに詳しくは、表面の低摩擦性、耐摩耗性を一層向上すると共に、表面の汚れ堆積を低減するようにした合成繊維製造用延伸ローラ及びその製造方法、並びにそれを用いた合成繊維の製造方法に関する。
一般に合成繊維は合成重合体を口金から紡糸し、次いで延伸することにより製造される。ポリアミド繊維やポリエステル繊維の製造では、溶融状態にした合成重合体を紡糸口金から紡糸したのち冷却固化し、その紡出糸に集束性、制電性、平滑性などを付与するため油剤を付着し、次いで延伸行程で数倍に延伸して高強度の糸条にする。延伸行程で与える延伸倍率は、延伸ローラの回転速度、表面温度、表面滑り性などにより決定されるが、その滑り性を安定させるために、延伸ローラの表面にはクロムめっきや、酸化クロム溶射などによる被覆層が設けられている。
しかし、最近の合成繊維の製造法における高強度化や高紡糸速度化などに伴って、糸条と接する延伸ローラの表面の低摩擦化、汚れ堆積の抑制が強く求められ、その対策の一つとして、延伸ローラ表面に硬質クロムめっき、酸化クロム系溶射、或いはクロム−クロム炭化物複合めっき(Hv1000級)などの被覆層を設けるようにしたものが実用化されている。また、表面が平滑な炭化物などの硬質粒子を複合化学めっきするとか、酸化クロムを溶射したものも知られている。しかしながら、これらの従来の被覆層は、近年の高強度化や高紡糸速度化された合成繊維の製造法に対しては、十分な耐摩耗性を発揮することができておらず、また汚れ堆積の防止にも十分ではないという問題があった。
このような問題の対策として、特許文献1には、延伸ローラの表面をタングステンカーバイドにコバルトを複合したタングステンカーバイド複合材をプラズマ溶射被覆するものが開示されている。しかし、この提案の延伸ローラでは、被膜硬度を向上させたことで一定の寿命延長は図れるものの、サーメット層中に多数のポーラス部(微細な穴)が存在するため、表面の汚れ堆積と云う観点からはむしろ従来技術よりも劣るといった問題があった。つまり、延伸ローラの摩耗による生産性の悪化は改善されたものの、ローラ表面に堆積する汚れによる問題を本質的に解決するものではなかった。
特開平2002−212852号公報
本発明の目的は、上述した従来の問題を解決し、合成繊維に対する低摩擦性と共に耐摩耗性を一層向上し、かつ汚れ堆積を低減して毛羽や単糸切れの発生を低減するようにした合成繊維製造用延伸ローラおよびその製造方法、並びにそれを使用する合成繊維の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の合成繊維製造用延伸ローラは、金属製のローラ母材の表面にタングステンカーバイド複合材を溶射したサーメット層を被覆形成し、かつ前記サーメット層表面のJIS−B0601:2001規定による表面粗さが、算術平均粗さRaで0.3〜5μmであり、かつ相対負荷長さRmrを表す負荷長さ率(%)と切断レベル(%)との直交座標において、座標点(0,0)、(100,100)を結ぶ直線aと負荷長さ率が0%の線と切断レベルが50%の線とに囲まれた三角総面積をAとし、該直交座標の切断レベル0〜50%の領域において、前記直線aと相対負荷長さ曲線bとに囲まれた総面積をBとするとき、その面積比B/Aが15〜35%であることを特徴とするものである。
さらに好ましくは、上記構成のほかに、さらに次の(1)〜(6)の構成を備えるようにするとよい。
(1)サーメット層のポーラス部に封孔剤を封入したこと。
(2)前記タングステンカーバイド複合材に配合された結合材が、クロムとニッケル、クロムカーバイドとニッケル、又はコバルトとクロムであること。
(3)前記サーメットの厚みが30〜900μmであり、前記タングステンカーバイド複合材のタングステンカーバイド/結合材の配合比が60〜95/5〜40であること。
(4)前記封孔剤が金属アルコキシド有機溶剤、アルカリシリケート、コロイダルシリカ及び六価クロムのいずれかであること。
(5)前記封孔剤の耐熱温度が150〜600℃であること。
(6)前記タングステンカーバイド複合材が、高速ガス炎溶射法で被覆形成されていること。
また、本発明の合成繊維製造用延伸ローラの製造方法は、金属製のローラ母材の表面にタングステンカーバイド複合材を溶射してサーメット層を被覆形成し、次いで該サーメット層の表面を研磨加工したのちブラスト粗面加工し、さらに該サーメット層の表面を研磨加工することを特徴とする。
さらに好ましくは、次の(7)、(9)の構成を採用するとよい。
(7)前記金属製のローラ母材の表面にタングステンカーバイド複合材のサーメット層を被覆形成した後、該サーメット層のポーラス部に封孔剤を封入すること。
(8)前記最後の研磨加工後のサーメット層表面のJIS−B0601:2001規定による表面粗さが、算術平均粗さRaで0.3〜5μmであり、かつ相対負荷長さRmrを表す負荷長さ率(%)と切断レベル(%)との直交座標において、座標点(0,0)、(100,100)を結ぶ直線aと負荷長さ率が0%の線と切断レベルが50%の線とに囲まれた三角総面積をAとし、該直交座標の切断レベル0〜50%の領域において、前記直線aと相対負荷長さ曲線bとに囲まれた総面積をBとするとき、その面積比B/Aが15〜35%であること。
(9)前記タングステンカーバイド複合材を高速ガス炎溶射法で溶射すること。
また、本発明の合成繊維の製造方法は、上述した延伸ローラを用いて合成繊維未延伸糸を延伸処理することを特徴とするものである。
本発明の合成繊維製造用延伸ローラによれば、ローラ表面をタングステンカーバイド複合材のたサーメット層で被覆形成すると共に、特定の表面粗さに設定したことにより糸/ローラ間の低摩擦性及び耐摩耗性を従来の延伸ローラに比べて一層向上し、ローラ表面の汚れを顕著に抑制し、毛羽発生や糸切れを低減すると共に、稼働率を向上することができる。
また、本発明の合成繊維製造用延伸ローラの製造方法によれば、上記な効果を奏する延伸ローラを得ることができ、さらに本発明の合成繊維の製造方法によれば、上記のような稼働率にすぐれた生産を可能にする。
本発明の合成繊維製造用延伸ローラは、ローラ母材が金属であり、この金属製のローラ母材の表面にタングステンカーバイド複合材が溶射されてサーメット層を被覆形成している。ローラ母材の材質は金属であれば特に限定されないが、好ましくはクロムモリブデン鋼、機械構造用炭素鋼などの鋼材が使用される。
被覆層のサーメット層を構成するタングステンカーバイド複合材は、タングステンカーバイドに結合する結合材として、クロムとニッケル、クロムカーバイドとニッケル、又はコバルトとクロムの組み合わせのいずれかを使用したものが好ましい。これら結合材が配合されたタングステンカーバイド複合材は、耐摩耗性に優れると共に、酸やアルカリ水溶液の環境下で優れた耐腐食性を示すことができる。特にニッケルとクロムの組み合わせを含むものは、より優れた耐腐食性を示す。
本発明に使用されるタングステンカーバイド複合材は、タングステンカーバイド(WC)と結合材(K)の配合比(WC/K)が60〜95/5〜40であるものが好ましく、さらに好ましくは70〜85/15〜30であるものがよい。延伸ローラの表面には、糸条に付与された油剤の一部が経時的に汚れになって付着し、この汚れが表面の凹凸のダルの谷間に徐々に堆積されていく。そのため、その油剤汚れの堆積によりローラ表面の摩擦係数が徐々に増大していき、糸切れや毛羽立ちを発生させる原因になる。
そのため汚れ堆積物は定期的に洗浄して取り除く必要がある。その堆積物の洗浄液として、一般にアルカリ性又は酸性の溶液が使用される。このようなアルカリ性または酸性の洗浄液に対する耐腐食性は、上記のようにタングステンカーバイド/結合材の配合比を60〜95/5〜40の範囲にすると共に、特に結合材として、クロムとニッケル、クロムカーバイドとニッケル、又はコバルトとクロムの組み合わせのいずれかを使用すると、一層向上することができる。
本発明において、タングステンカーバイド複合材をローラ母材の表面にサーメット層として被覆する方法は溶射により行う。溶射法の種類は特に限定されないが、例えば、高速ガス炎溶射(HVOF)、プラズマ溶射、ガス粉末式溶射、爆発式溶射などで行うことができる。これらの溶射のうちでも、特に高速ガス炎溶射は好ましく、高い密着力を有する被覆層を形成することができる。
被覆層としてのサーメット層は、厚みを30〜900μmにすることが好ましい。一般に延伸ローラの温度は、稼働中は加熱されて上昇し、休転中は冷却されて低下し、この加熱・冷却の繰り返し毎に膨張と収縮が繰り返される。このような温度変化に対して、被覆層(サーメット層)のタングステンカーバイド複合材とローラ母材の金属とは、互いに材料が異なるため線膨張係数が互いに異なり、膨張と収縮の繰り返しにより被覆層とローラ母材の界面に剪断応力が発生し、被覆層がローラ母材から剥離脱落しやすくなる。しかし、上記のように被覆層の厚みを30〜900μm、好ましくは50〜500μmにすることにより、上記のような剥離脱落を防止することができる。
本発明において、上記ように溶射で形成されたサーメット層は、多孔性のポーラス構造(以下、ポーラス部という)になっている。本発明では、このサーメット層のポーラス部には封孔剤が封入され、この封孔剤の封入により、油剤の侵入を阻止すると共に、定期的なローラ洗浄の際に使用される洗浄液の侵入を阻止するようになっている。
延伸工程では、糸条の油剤が延伸ローラ表面に付着し、それが経時的にタール状化して堆積され、糸切れや毛羽の原因になる。そのため定期的にアルカリ水溶液でローラの清掃作業が行われ、アルカリ洗浄した後は水洗して中和するようにしている。しかし、サーメット層のポーラス部に侵入したアルカリ洗浄液は、水洗しても中和することが難しいため、加熱により徐々に高濃度のアルカリ性になり、サーメット層とローラ母材の臨界面を腐蝕して、サーメット層を母材から剥離・脱落させる原因になる。
本発明の延伸ローラに設けたサーメット層は、そのポーラス部に封孔剤が封入されているため、アルカリ水溶液で定期的なローラの清掃作業するときアルカリ洗浄液が侵入することはない。また、合成繊維の延伸処理時に油剤が炭化したタール状の汚れがポーラス部に侵入・堆積することができなくなるので、長期に亘り被膜強度が維持され、また毛羽や糸切れの少ない操業を維持することができるできる。
このようにポーラス部に封入する封孔剤の材料は、特に限定するものではないが、好ましくは金属アルコキシド有機溶剤、アルカリシリケート、コロイダルシリカ及び六価クロムの少なくとも1種を使用するとよい。中でも、金属アルコキシド有機溶剤、アルカリシリケートのケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸アンモニウム、または六価クロムは特によい。
サーメット層のポーラス部に封孔剤を封入処理するためには、封孔剤が多孔間隙に侵入しやすい特性にしておくことが好ましい。そのため封入処理する際の封孔剤は、希釈剤(例えば水溶液、又はアルコール類)で希釈液にして使用することが好ましい。また、そのときの希釈液の粘度を1〜50cps、さらに好ましくは1〜10cpsにして使用するとよい。
本発明の延伸ローラは、上記のようにローラ母材の表面に形成したサーメット層(被覆層)の表面粗さを、JIS−B0601:2001に規定された方法で表示するとき、下記にようにしたことを特徴とする。このときの粗さ測定には、触針走査式粗さ測定器が使用される。
まず、触針走査式粗さ測定器でサーメット層(被覆層)の粗さ曲線を得て、その粗さ曲線から求められる算術平均粗さRaを0.3〜5μmの範囲にすることである。
さらにサーメット層(被覆層)の表面を一定量づつ平らにカットオフしながら、各カットオフ毎に触針走査式粗さ測定器で表面の粗さを求め、その時の切断レベル(%)と累積相対負荷長さRmrの負荷長さ率(%)を求め、このようにして得た測定値を、図1に例示するように負荷長さ率(%)と切断レベル(%)との直行座標にプロットして相対負荷長さ曲線をbを得る。そして、この負荷長さ率(%)と切断レベル(%)との直行座標において、二つの座標点(0,0)、(100,100)を結ぶ直線aと負荷長さ率が0%の線と切断レベルが50%の線とで囲まれた三角総面積をA、該直交座標の切断レベル0〜50%の領域において、前記直線aと相対負荷長さ曲線bとで囲まれる総面積をBとする時、その面積比B/Aを10〜35%の範囲にすることである。
上述した表面粗さにおいて、前者の算術平均粗さRaローラ表面の粗さを表す。この算術平均粗さRaが0.3μm未満であると、ほとんど表面凸凹がない平滑状態であるため、ローラ表面に対する糸条の接触面積が増加し、摩擦抵抗が高くなるため、製糸時に毛羽や糸切れが増大する。また、算術平均粗さRaが5μmを越えると、凹凸の差が大きくなるため、繊維糸条に毛羽や糸切れが発生しやすくなる。 後者の面積比B/Aは、ローラ表面粗さの突起部(ダル)の形状の鋭利度を表す。この面積比B/Aを求めるため使用される切断レベル(%)は、上記のようにカットオフ処理していく時の表面形状の深さを表わし、切断レベル0%はカットオフ前の状態であって、山形状の山頂点を示し、また切断レベル100%は粗さ曲線で最も深い谷底の深さを示す。
他方、負荷長さ率(%)は、各切断レベルにカットしたとき面内の基準長さ内に現れる切断長さの和(累積負荷長さ)の基準長さに対する比の百分率で求められた値であって(基準長さとして25mmを選択するものとする。)、ローラ表面の形状を表す指数になる。つまり、この負荷長さ率(%)の値が小さいほどローラ表面がギザギザの山形状に尖っていることを意味し、またこの値が大きいほどローラ表面が丸みの形状を示していることを意味する。
したがって上述定義の面積比B/Aは、ダル先端の鋭角の度合いを表しており、面積比B/Aが大きいほどダル先端が鋭利になって糸条を傷つけやすくなり、また小さいほどダル先端が丸くなっていて糸条を傷つけ難くなることを意味する。本発明の延伸ローラに形成されるサーメット層の表面粗さの面積比B/Aは、百分率で15〜35%に設定されている。この面積比B/Aが35%を超えると、表面の凹凸のダルが鋭利化して糸条を傷つけ、毛羽立ちやすくなる。また、単糸繊度が小さい糸条では、単糸がダルの谷間に落ち込んで摩擦抵抗が高くなる。他方、面積比がB/Aが15%未満であると、ローラ表面の平滑性は十分であるが、現在の加工技術では達成困難な領域になる。
なお、本発明において上記面積比B/Aを規定するに当たり、切断レベル0〜50%の範囲に限ったのは、作用効果との関係で表面粗さ(ダル)の頂点の状態を特定するには、切断レベル50%までを測定すれば十分であり、それ以上を測定してもあまり意味がないからである。また、上記の面積Bについては、図1において、相対負荷長さ曲線bが直線aよりも上方側に膨らむ場合もあるが、現在の加工技術では得られないので、対象外にしてある。
本発明の合成繊維製造用延伸ローラは、次の(1)〜(8)の製造工程によって製造することができる。ただし、これらの工程中、(3)の封孔処理工程は本発明において好ましい処理ではあるが、必ずしも必要とするものではない。また、この封孔処理工程は、溶射後のいずれの工程で処理してもよいが、最も好ましくは、タングステンカーバイド複合材を溶射する被覆層の形成工程の次に行なうようにするのがよい。
すなわち、(1)金属製ローラ母材の表面清浄工程−(2)タングステンカーバイド複合材を溶射する被覆層(サーメット層)の形成工程−(3)封孔処理工程−(4)砥石研削加工による鏡面研磨工程−(5)ブラストで粗面化する粗さ調整工程−(6)ローラ表面清浄工程−(7)表面仕上げ研磨加工工程−(8)ローラ表面清浄工程である。
金属製ローラ母材の表面清浄工程(1)は、タングステンカーバイド複合材がローラ母材表面にサーメット層を形成し易くするために行う。まず、ローラ母材表面をエタノール・シンナー等の溶剤洗浄や酸洗浄により脱脂する。洗浄液としては、安全性や環境面からエタノールが好ましい。次いで、ローラ母材表面に付着した錆(酸化膜)又は異物をブラスト処理により除去する。ブラスト処理はローラ表面に微細なダル形状を形成させ、溶射被膜との接触面積を増やすために行う。
次に、被覆層(サーメット層)の形成工程(2)で、延伸ローラ母材表面にタングステンカーバイド複合材を溶射し、サーメットの被覆層を形成する。この工程では、タングステンカーバイド複合材のサーメット層を如何に均一な厚みに形成させるかが重要である。この被膜形成が不完全であると、後の工程(5)のブラストによる粗面化処理で、ブラストが衝突する衝撃で被覆層(被膜)が剥離・脱落する場合がある。また、延伸工程の終了後に延伸ローラを洗浄する時、約200〜300℃程度に加熱した延伸ローラを一気に150℃程度まで冷却することを繰り返すとき、被覆層がローラ母材との界面で剪断応力により剥離・脱落することがある。
タングステンカーバイド複合材の溶射工程は、溶射形成した被覆層に被膜ムラを生じさせないため、ローラ母材を回転台の上で回転させながら行うのがよい。タングステンカーバイド複合材を溶融噴射するトーチ(ガン)はローラ母材の表面に直角に配置し、これをローラ軸方向に往復運動させながら行う。これらの操作により、タングステンカーバイド複合材が厚さムラを生じないように溶射される。このようにしてローラ母材に形成されたタングステンカーバイド複合材のサーメット層は、同芯度、真円度等に注意しながら、旋盤等により延伸ローラの設計外径寸法まで切削加工する。
タングステンカーバイド複合材の溶射方法は、特に限定されるものでなく、例えば、高速ガス炎溶射(HVOF)、プラズマ溶射、ガス粉末式溶射、爆発式溶射などのいずれであってもよい。しかし、好ましくは、これらの中でも特に高速ガス炎溶射法がよい。
金属熱力学によれば、被覆層の主成分であるタングステンカーバイドは、大気中で高温安定性に乏しい特性がある。例えば、実質火炎温度が5000〜6000℃に達するプラズマ溶射を用いた場合は、主成分であるタングステンカーバイドは溶射加工時に酸化脱炭反応を起こし、本来のタングステンカーバイドの特性が損なわれて、被覆層の硬さが低下する場合がある。しかし、高速ガス炎溶射(HVOF)の場合には、炭化水素燃料を純酸素で燃焼させて得た火炎を用いるので、その火炎温度は2200〜2500℃であり、しかも火炎速度が音速を超える高速であるという特徴がある。したがって、タングステンカーバイド複合材の粒子は、溶射中にほとんど酸化脱炭反応を起こすことなく、高硬度のサーメット層を形成する。また、ローラ母材に対する密着力が高く、耐摩耗性に優れたサーメット層になる。
次に行うサーメット層の封孔処理工程(3)は、上記のようにローラ表面に形成されたサーメット層のポーラス部を封孔剤で封孔処理する工程である。封孔処理の封孔剤には、好ましくは金属アルコキシド有機溶剤、アルカリシリケート、コロイダルシリカ、又は六価クロムを用いる。また、この封孔処理に使用する封孔剤は希釈剤で粘度調整し、その粘度が1〜10cps、さらに好ましくは1〜5cpsになるようすることが好ましい。この範囲の粘度にすることにより、サーメット層のポーラス部に充分浸透させることができ、かつ膜厚ムラを生じないように仕上げることができる。
封孔処理に使用する装置は、小型圧力容器に特殊な噴射ノズルを耐圧ホースで連結して構成されている。小型圧力容器(タンク)に封孔剤の希釈処理液を密閉し、そのタンクに0.1〜0.3MPaのエアーを送り込んで希釈処理液を圧縮する。この時に用いるエアーは除湿し、3μm以下のフィルターを通してクリーンなエアーにしておくことが好ましい。そして、小型圧力容器に連結した噴射ノズルから封孔剤の希釈処理液をサーメット層の表面に噴射する。噴射ノズルには、希釈処理液を微細な霧状に噴射するものが使用される。また、基材(ローラ)の大きさや曲率にあわせて、噴射ノズルの先端アタッチメントを替え、吹きつけ面積を調整するようにするとよい。特に好ましくは、ブラスト処理の方法と同様に、ローラを回転台の上で回転させながら噴霧するとよい。また、噴射ノズルはローラ表面に直角に配置し、この噴射ノズルをローラ軸方向に往復運動させながら、ローラ表面に均一に封孔剤が当たるようにするのがよい。このようにしてローラ表面に塗布された封孔剤は、その特性に合わせ150〜350℃で焼成する。そして、上記工程を数回繰り返すことにより、封孔剤をさらにサーメット層のポーラス部の内部に深く浸透させて緻密にすることができる。
次に、鏡面研磨工程(4)によりサーメット被覆層の表面に鏡面研磨加工を施す。鏡面研磨加工に使用する研磨材としては、人造ダイヤモンド(工業用ダイヤモンド)が好ましく、これによりサーメット被覆層の表面を鏡面状態にまで研磨する。ここで鏡面状態とは、算術平均粗さRaで0.1〜0.5μmにすることである。この粗さ範囲は、一般的な鏡面研磨と言われるよりも若干粗い状態に相当するが、このような粗さに仕上げることが好ましい。この鏡面研磨の処理工程は、溶射加工で出来た異常突起を取り除くことと、ローラの真円度を出すことと、粗さの汎用性を高めるために行う。
次に、ブラストによる粗さ調整工程(5)により、上記工程(4)で得られた鏡面状態の被覆層を粗面化する。ブラスト処理で粗面化する算術平均粗さRaとしては、0.3〜5μmにする。このようなブラスト処理が行えるのは、溶射で得たローラ母材と被覆層(サーメット層)との密着力が強固であり、緻密な被膜を形成しているためである。特に高速ガス炎溶射(HVOF)法で溶射した場合に、このような高い効果を得ることができる。粗面化に使用するブラスト材料としては、ガラスビーズ、エメリ(砂)、SUSボール、アルミナグリッド等が好ましいが、このうちでも特にアルミナグリッドが好ましい。
ブラスト処理の方法としては、ローラを回転台の上で回転させながら加工するとよい。このときブラスト材料を噴射するトーチ(ガン)はローラに直角に配置し、このトーチをローラ軸方向に往復運動させながら、ローラ表面に均一にブラストが当たるようにするのがよい。
次いで、ローラ表面清浄工程(6)で清浄を行う。これはローラ表面に付着しているブラストの微細な破片を取り除き、より完全な封孔処理を行うために行う。(1)の洗浄工程とは異なり、ローラと特殊なジグ(吊り具)を用いて、地面に垂直に吊り上げる。高圧洗浄装置を用いて洗浄水を基材(ローラ)に噴射することによりブラストを洗い流す。さらに、充分な洗浄をした後にエアーブローする。このエアーブローに用いるエアーは、3μm以下のフィルターを通して、クリーンなエアーにしておくことが好ましい。
次いで、表面仕上げ研磨工程(7)により、ローラ表面を低摩擦化する研磨を再度行う。この研磨法は、溶射後の被覆層を鏡面研磨する上記(4)の工程とは全く異なった研磨方法である。
上記粗さ調整工程(5)のブラスト加工で粗面化処理を終えたローラ表面は、無数のダルを有し、梨地状になっている。ローラ表面の梨地の粗さは、算術平均粗さRaが0.3〜5μmのダル形状であるが、このままではダル形状が鋭利であるので、単糸繊度が小さい糸条ではダルの谷間に単糸が落ち込み、またダルの突起部で傷を受けて毛羽立ちを起こすおそれがある。従って、表面仕上げ研磨工程(7)の研磨処理により低摩擦化し、ローラ表面のダル形状を丸いドーム状(球状)にする。このときの研磨材としては、ダイヤモンドペースト、アルミナ砥粒入り不織布、砥石、耐水ペーパ等を使用することができる。中でも、特にダイヤモンドペーストやアルミナ砥粒入り不織布が好ましい。
ダイヤモンドペーストの研磨方法としては、延伸ローラを回転台に固定し、そのローラ表面に粒度を選定したダイヤモンドペーストを塗布し、その上にベルトを掛けてローラをゆっくり回転させる。ローラとベルトは若干スリップしながら、ダイヤモンドペーストが研磨材になってダル表面、先端を研磨し、丸いドーム状態に変化させる。ベルトは、ローラの表面に平行に、かつ均一に接触させて張力(接触圧)が均一になるように調整しながら研磨する。
また、アルミナ砥粒入り不織布を使用する際は、上記と同様にローラを回転台に固定し、その不織布を所定の面圧でローラ表面に接触させ、ローラをゆっくりと回転させる。アルミナ砥粒入り不織布をローラに押しつける際は、ローラの曲率にあった押し板ジグを使用することが好ましい。押し板ジグは、ローラ径の約1/3周にわたり、ローラ軸に平行に、かつ均一に接触するように、面圧(接触圧)を調整しながら研磨する。アルミナ砥粒入り不織布を固定し、ローラの方を回転させることで、ダルの表面や先端を丸いドーム状態に研磨する。
最後に、ローラ表面洗浄工程(8)により、ローラ表面をエタノール等で洗浄する。上記研磨工程(7)を経たローラは、この研磨工程で発生した微粒子研磨粉がダルの谷間に堆積した状態になっているため、これを洗浄する。
上記ようにして、最後の工程(8)を経て得られた延伸ローラは、タングステンカーバイド複合材の溶射被覆層(サーメット層)がJIS−B0601:2001に規定する表面粗さにして、算術平均粗さRaが0.3〜5μmの範囲になり、かつ粗さ形態を表す累積相対負荷長さ曲線bから求めた面積比B/Aが15〜35%の範囲になるようにすることができる。このようにして一層の低摩擦性、耐摩耗性が向上し、かつ汚れ堆積を低減することができる。また、結合材を特定したタングステンカーバイド複合材を使用すれば、酸やアルカリに対する耐腐食性も向上することができる。
上述した延伸ローラを使用することにより、合成繊維の製造における生産条件を、総合延伸倍率を3〜6.5倍、延伸速度を2000〜6000m/分にして安定操業を可能にし、この延伸処理により得られた原糸強度を5〜10cN/dtexにすることができる。さらに好ましくは、総合延伸倍率を4.5〜6.5倍、延伸速度を3500〜6000m/分にし、原糸強度7〜10cN/dtexの延伸糸を安定操業下に高速延伸することができる。
適用可能な合成繊維としては、溶融紡糸可能な熱可塑性ポリマーであれば、いずれも可能である。例えば、ナイロン6,ナイロン66,ナイロン46等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート,ポリプロピレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリ乳酸等のポリエステル、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスルフィド、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル等を挙げることができる。また、上記ポリマーを主成分とする共重合体、および上記2種類以上のポリマーのブレンドまたは複合して用いられるポリマーなどを例示することできる。
以下に、本発明の合成繊維製造用延伸ローラを用いた産業用ナイロン66繊維を製糸する場合を例示する。
硫酸相対粘度3.2〜3.8のナイロン66チップを用いてエクストルダー型紡糸機で溶融紡糸する。紡糸温度は280〜310℃とし、紡糸パックには15μmの金属不織布フイルターを用いて濾過した後、口金細孔を通して紡糸する。紡出糸条は、口金直下に設置された長さ10〜50cmの加熱筒によって囲まれ、270〜350℃に加熱された高温雰囲気中を通過した後、常温の10〜25℃の冷風によって冷却固化される。次いで、糸条は平滑剤、静電剤、界面活性剤を主成分とする油剤を付与された後、引き取りローラに捲回され、所定の引き取り速度で引き取られる。引き取り速度は300〜3000m/分、通常は500〜2000m/分である。引取り糸条は一旦巻き取ることなく、順次高速で回転する複数の対ローラに捲回させ、該対ローラの速度差によって延伸する。通常は2段以上の多段延伸したのち、弛緩処理をして巻き取る。延伸はガラス転移温度以上で熱延伸を行い、最終の延伸および熱セット温度は230〜250℃の高温で行う。延伸倍率は3〜6.5倍の範囲で行う。なお、引き取り後の延伸ローラは、金属製の母材の表面にタングステンカーバイド複合材を溶射したサーメット層を被覆形成し、また、封孔処理を施した前記延伸ローラを用いた。なお、巻取速度は2000〜6000m/分であり、巻取張力が50〜250gfの条件下で行った。
実施例1〜8、比較例1〜4
クロムモリブデン鋼からなるローラ母材を使用し、本文で説明した製造工程で合成繊維製造用延伸ローラを製作するに当たり、被覆層の組成、封孔剤処理の有無、封孔剤の組成及び粘度、被覆方法、膜厚、表面の算術平均粗さRa、表面粗さ面積比B/Aを、それぞれ表1及び表2に示すように異ならせることにより、12種類(実施例1〜8、比較例1〜4)の延伸ローラを製作した。
なお、比較例のうち、比較例1のローラは、従来のクロム(Cr)を電気めっき法で被覆形成させ、また比較例2〜4のローラは、プラズマ被覆のためブラスト加工は行わなかった。
上記12種類の延伸ローラを、それぞれ直接溶融紡糸延伸機に延伸ローラとしてセットし、これら直接溶融紡糸延伸機を使用して、ナイロン66を吐出速度3000g/minで溶融紡糸し、冷却したのち油剤を付与し、引き続きローラ回転速度4000rpm、ローラ表面温度230℃に設定した延伸ローラで5倍に延伸することにより、1400デシテックス、204フィラメントのマルチフィラメントを製造した。
この時の各延伸ローラについて、下記に説明する測定方法により糸/ローラ摩擦抵抗、ローラ汚れの堆積、毛羽の発生個数、ローラ交換周期をそれぞれ測定し、その結果を表1及び表2に示した。
〔糸とローラ摩擦抵抗〕
図2に示す摩擦抵抗測定装置を用い測定した。糸パッケージPからのテスト糸Yの解舒速度Vを10m/分とし、動滑車lに荷重W(gf)を負荷し、一定位置に固定した延伸ローラ2にテスト糸Yを巻き掛けて通過させながら、そのときの張力を張力ピックアップ3で検知し、それを摩擦抵抗値(gf)として表した。
〔ローラ汚れの堆積〕
製糸の開始から5日間連続で製糸運転を行った後のローラ汚れの堆積を肉眼で観察し、下記のように総合評価した。
◎◎・・汚れ堆積が極めて小
◎・・・汚れ堆積小
○・・・汚れ堆積中
×・・・汚れ堆積大
〔毛羽の発生個数〕
毛羽検知装置により個数をカウントし、1千万m当たりの毛羽個数を測定した。
〔ローラ交換周期〕
被覆層の耐摩耗性の指標として、糸/ローラ摩擦抵抗が使用限界値200gfに達成するまでの経過日数を測定した。
〔長期製糸性〕
毛羽や糸切れの少ない長期安定した製糸性を下記の基準によって総合評価した。
◎◎・・連続製糸が1年6カ月以上
◎・・・連続製糸が1年〜1年6カ月未満
○・・・連続製糸が6カ月〜1年未満
×・・・連続製糸が6カ月未満
Figure 0004307196
Figure 0004307196
相対負荷長さ曲線に関する負荷長さ−切断レベル関係図である。 摩擦抵抗測定装置を示す説明図である。
符号の説明
1 動滑車
2 延伸ローラ
3 張力ピックアップ
P 糸パッケージ
W 荷重

Claims (14)

  1. 金属製のローラ母材の表面にタングステンカーバイド複合材を溶射したサーメット層を被覆形成し、かつ該サーメット層表面のJIS−B0601:2001規定による表面粗さが、算術平均粗さRaで0.3〜5μmであり、かつ相対負荷長さRmrを表す負荷長さ率(%)と切断レベル(%)との直交座標において、座標点(0,0)、(100,100)を結ぶ直線aと負荷長さ率が0%の線と切断レベルが50%の線とに囲まれた三角総面積をAとし、該直交座標の切断レベル0〜50%の領域において、前記直線aと相対負荷長さ曲線bとに囲まれた総面積をBとするとき、その面積比B/Aが15〜35%であることを特徴とする合成繊維製造用延伸ローラ。
  2. 前記サーメット層のポーラス部に封孔剤を封入した請求項1に記載の合成繊維製造用延伸ローラ。
  3. 前記タングステンカーバイド複合材に配合された結合材が、クロムとニッケル、クロムカーバイドとニッケル、又はコバルトとクロムである請求項1または2に記載の合成繊維製造用延伸ローラ。
  4. 前記サーメットの厚みが30〜900μmであり、前記タングステンカーバイド複合材のタングステンカーバイド/結合材の配合比が60〜95/5〜40である請求項1、2または2に記載の合成繊維製造用延伸ローラ。
  5. 前記封孔剤が金属アルコキシド、アルカリシリケート、コロイダルシリカおよび六価クロムから選ばれた少なくとも1種からなる請求項2〜4のいずれかに記載の合成繊維製造用延伸ローラ。
  6. 前記封孔剤の耐熱温度が150〜600℃である請求項2〜5のいずれかに記載の合成繊維製造用延伸ローラ。
  7. 前記タングステンカーバイド複合材が高速ガス炎溶射法で被覆形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の合成繊維製造用延伸ローラ。
  8. 金属製のローラ母材の表面にタングステンカーバイド複合材を溶射してサーメット層を被覆形成し、次いで該サーメット層の表面を研磨加工したのちブラスト粗面加工し、さらに該サーメット層の表面を研磨加工することを特徴とする合成繊維製造用延伸ローラの製造方法。
  9. 前記金属製のローラ母材の表面にタングステンカーバイド複合材のサーメット層を被覆形成した後、該サーメット層のポーラス部に封孔剤を封入する請求項8に記載の合成繊維製造用延伸ローラの製造方法。
  10. 前記最後の研磨加工後のサーメット層表面のJIS−B0601:2001規定による表面粗さが、算術平均粗さRaで0.3〜5μmであり、かつ相対負荷長さRmrを表す負荷長さ率(%)と切断レベル(%)との直交座標において、座標点(0,0)、(100,100)を結ぶ直線aと負荷長さ率が0%の線と切断レベルが50%の線とに囲まれた三角総面積をAとし、該直交座標の切断レベル0〜50%の領域において、前記直線aと相対負荷長さ曲線bとに囲まれた総面積をBとするとき、その面積比B/Aが15〜35%である請求項8または9に記載の合成繊維製造用延伸ローラの製造方法。
  11. 前記タングステンカーバイド複合材を高速ガス炎溶射法で溶射する請求項8、9または10に記載の合成繊維製造用延伸ローラの製造方法。
  12. 請求項1〜7のいずれかに記載の合成繊維製造用延伸ローラを用い、合成繊維を延伸することを特徴とする合成繊維の製造方法。
  13. 前記合成繊維の製造における総合延伸倍率が3〜6.5倍で、延伸速度が2000〜6000m/分である請求項12に記載の合成繊維の製造方法。
  14. 前記延伸後の合成繊維の原糸強度が5〜10cN/dtexである請求項12または13に記載の合成繊維の製造方法。
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