JP4306122B2 - 光結合装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の光ファイバの端部同士を光結合させる光結合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ファイバによる光通信の需要が高まってきているが、このような光通信経路上では、一対の光ファイバの端部同士を光接続する必要が必然的に生じる。本発明の光結合装置は、このような接続部に用いられる光部品である。なお、光接続は、一心対一心での場合だけでなく、一心対多心である場合や、多心対多心となるような場合もある。また、単に光接続するだけでなく、接続部において光機能部品を用いて所望の処理を行う場合もある。
【0003】
例えば、いわゆる波長分割多重技術(いわゆる、WDM:Wavelength Division Multiplexing)を用いて伝送されている光信号から特定波長の信号を取り出す場合などである。このような場合は、接続部に光フィルタなどの光機能部品を配設して(光機能部品を配設するために接続部を形成させて)光信号を処理する。また、通常は単に一対の光ファイバ同士を光結合しているだけであるが、必要なときに光機能部品を取り付けて所望の信号処理を行うような場合もある。
【0004】
このような接続部では、一方の光ファイバ側の光信号と他方の光ファイバ側の光信号との間で光信号が劣化することなく伝送されることが重要であり、接続部を構成する各部品によって正確に調芯を行う必要がある。調芯は、各部品の位置を調整することによって行われるが、位置を正確に調整できなければ調芯が不十分となってしまう。調芯が正確に行われなければ、接続部での伝送損失が増加して光通信上の障害となる。このため、このような接続部の光接続精度を向上させることを意図した種々の発明がなされている。特開平11-160569号公報に記載の光結合回路(接続部で所望の信号処理を行うタイプ)などもこのような発明の一つである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した公報に記載されているような従来の光結合回路(装置)は、調芯自由度が少なく、調芯精度向上のための更なる改良が望まれていた。また、その際、部品点数が増えるようであれば、装置の製造や組立が複雑になるだけでなく、調芯作業を困難にする要因ともなる。従って、本発明の目的は、簡素な構造によって実現され、調芯自由度が高く、調芯精度が良好な光結合装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の光結合装置は、少なくとも一本以上の第一光ファイバと、第一光ファイバの端部を位置決め固定する第一固定部材と、第一光ファイバの端部と対向する位置に端部が配される少なくとも一本以上の第二光ファイバと、第二光ファイバの端部を位置決め固定する第二固定部材と、第一固定部材に対して固定される第一レンズと、第二固定部材に対して固定される第二レンズと、第一レンズ及び第二レンズの間に配され、両端に第一レンズ及び第二レンズがそれぞれ固定される円筒状のレンズ間スリーブとを備え、第一レンズ及び第二レンズのレンズ間スリーブとの接触部分が、それぞれ球面状とされており、第一固定部材と第一レンズとが、円筒状の第一円筒スリーブを介して結合され、かつ、第二固定部材と第二レンズとが、円筒状の第二円筒スリーブを介して結合されており、第一レンズの第一円筒スリーブの端部と接触する部分が球面状とされ、かつ、第二レンズの第二円筒スリーブの端部と接触する部分が球面状とされていることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の光結合装置は、請求項1に記載の発明において、レンズ間スリーブの内部に、光機能部が配設されていることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の光結合装置は、請求項2に記載の発明において、光機能部が、円筒状の機能部固定スリーブを介して第一レンズ又は第二レンズに固定されており、第一レンズ又は第二レンズの機能部固定スリーブと接触する部分が、球面状とされていることを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載の光結合装置は、請求項1に記載の発明において、第一レンズ及び第二レンズが、それぞれ球状の形態をしたボールレンズであることを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載の光結合装置は、請求項4に記載の発明において、第一光ファイバ及び第二光ファイバの各端面、並びに、第一レンズ及び第二レンズの表面に、反射防止コーティングが施されていることを特徴としている。
【0012】
請求項6に記載の光結合装置は、請求項5に記載の発明において、第一光ファイバ及び第二光ファイバの各端面が、それぞれの光軸に対して斜めに形成されていることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の光結合装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1〜図3に、本発明の第一実施形態を示す。なお、図1〜図3においては、後述する各スリーブのみが断面として示されている。
【0014】
本実施形態の光結合装置は、WDM伝送されている光信号中から特定波長の信号を取り出すものである。この光結合装置では、図1(a)中左方の光ファイバ(第一光ファイバ)1aから入射した光信号を光フィルタ(光機能部:バンドパスフィルタ)2に導き、光フィルタ2によって取り出した特定波長の信号を図1(b)右方の光ファイバ(第二光ファイバ)1bから出射させる。また、特定波長が取り出された後の残り光信号は、光フィルタ2によって反射され、図1(a)中左方の光ファイバ1cから出射される。
【0015】
光ファイバ1a,1cの端部は、ほぼ円柱状の第一固定部材3aの内部に固定されている。光ファイバ1a,1cの端面は、第一固定部材3aの端面と共に研磨され、光ファイバ1a,1cの光軸に対して斜めに形成されている。これにより、光ファイバ1a,1cの端面での反射光を光伝達路外に逃がし、反射光が光伝達路内に戻るのを抑止して伝送損失の増加を抑止している。同様に、光ファイバ1bの端部は、ほぼ円柱状の第二固定部材3bの内部に固定されている。光ファイバ1bの端面も、第二固定部材3bの端面と共に研磨され、光ファイバ1bの光軸に対して斜めに形成されており、伝送損失の増加を抑止している。
【0016】
第一固定部材3aは、円筒状の第一円筒スリーブ4aの内部に挿入され、固定されている。第一固定部材3aの外径が第一円筒スリーブ4aの内径にほぼ等しく、接着剤により両者は固定される(樹脂接着に限らず、溶接や半田固定でも良い)。そして、この第一円筒スリーブ4aの先端側に球状のボールレンズ(第一レンズ)5aが取り付けられている。第一円筒スリーブ4aとボールレンズ5aとは接着剤によって固定されている。接着剤は、第一円筒スリーブ4aとボールレンズ5aとの接触部が形成する円の周上に等間隔に数カ所塗布されている。
【0017】
このため、第一円筒スリーブ4a、ボールレンズ5a及び接着剤の熱収縮差によって発生する応力が、ボールレンズ5aに均等に作用するため、温度特性を定させることができる。なお、第一円筒スリーブ4aとボールレンズ5aとの接触部が形成する円の周上の全てに接着剤を塗布しても同様の効果が得られる。第二固定部材3b、筒状の第二円筒スリーブ4b及びボールレンズ(第二レンズ)5bの結合も、上述した第一固定部材3a、第一円筒スリーブ4a及びボールレンズ5aの結合と全く同様になされているので詳しい説明は省略するが、温度特性に優れた結合方式であることは言うまでもない。
【0018】
そして、ボールレンズ5a,5b同士は、円筒状のレンズ間スリーブ6によって互いに結合されている。各ボールレンズ5a,5bは球状であるので、それぞれのレンズ間スリーブ6との接触部は球面となっている。ボールレンズ5a,5bとレンズ間スリーブ6との結合方式も、上述した第一円筒スリーブ4aとボールレンズ5aとの結合方式と全く同様であるため詳しい説明は省略するが、温度特性に優れた結合方式であることは言うまでもない。さらに、レンズ間スリーブ6の内部に配設された光フィルタ2は、円筒状の機能部固定スリーブ7を介してボールレンズ5aに対して固定されている。なお、光フィルタ2は、もう一方のボールレンズ5bに対して固定されてもよい。
【0019】
光フィルタ2は、円筒状の機能部固定スリーブ7の一端に接着剤などによって固定されている。そして、機能部固定スリーブ7の他端が、ボールレンズ5aに接着剤によって固定されている。このボールレンズ5aと機能部固定スリーブ7との間の結合方式も、上述した第一円筒スリーブ4aとボールレンズ5aとの結合方式と全く同様であるため詳しい説明は省略するが、温度特性に優れた結合方式であることは言うまでもない。
【0020】
また、本実施形態においては、各光ファイバ1a,1b,1cの端面とボールレンズ5a,5bの表面とに、反射防止コーティングが施されている。このように、光信号が通過する光部品の表面に反射防止コーティングを施しておけば、反射光による伝送特性の悪化を防止できるので好ましい。
【0021】
そして、本実施形態の光結合装置の最大の特徴は、上述した構成であるため、光ファイバ1a,1b(本実施形態の場合はさらに光ファイバ1c)同士の調芯を高精度に行うことができる。これは、上述した構造を有しているため、調芯自由度が高く、装置各部を構成する各部材を互いに結合させる際に高精度な調芯を行ってから互いを結合することができるからである。
【0022】
第一光ファイバ1aのボールレンズ5aに対する位置は、第一円筒スリーブ4aの端部をボールレンズ5aに接触させたまま移動させることによって、自由に移動させることができる。第一円筒スリーブ4aが円筒状の形態を有し、かつ、ボールレンズ5aと第一円筒スリーブ4aとの接触部が球面状に形成されているため、このような自由度のある移動を行うことができる。これは、第二光ファイバ1bとボールレンズ5bとの関係においても同様である。
【0023】
また、ボールレンズ5a,5b同士の位置はレンズ間スリーブ6によってほぼ決定してしまうが、レンズ間スリーブ6の内部の光フィルタ2についても、同様な調芯自由度を有している。即ち、光フィルタ2のボールレンズ5a(及びボールレンズ5b)に対する位置は、機能部固定スリーブ7の端部をボールレンズ5aに接触させたまま移動させることによって、自由に移動させることができる。機能部固定スリーブ7が円筒状の形態を有し、かつ、ボールレンズ5aと機能部固定スリーブ7との接触部が球面状に形成されているため、このような自由度のある移動を行うことができる。
【0024】
このように光フィルタ2の位置を調整することによっても、光フィルタ2と第一光ファイバ1aや第二光ファイバ1bとの位置調整(本実施形態においては光フィルタ2と第三光ファイバ1cとの位置の調整も)を高精度に行うことができる。図2に、このような調芯作業を行って製造された後の光結合装置の例を示す。ただし、図2においては、各構成部品の互いの位置が明瞭となるように、各部材間の振れ角などを強調して示してある。
【0025】
図2(a)は、光ファイバ1aと光ファイバ1cとを平行にした状態で、光ファイバ1aの光軸方向に対して直角な方向に調芯する様子を示している。なお、図2(a)は平断面であるが、側断面において同様のことを行えることは言うまでもない。即ち、光ファイバ1aの光軸方向をz軸とするxyz直交座標系を考えた場合、図2(a)に示される手法によって、x軸,y軸方向に調芯が行える。z軸方向の調整は、第一円筒スリーブ4aに対する第一固定部材3aの位置を調節することなどによって調整し得る(光ファイバ1c側も同様である)。
【0026】
図2(b)は、上述したxyz直交座標系における各軸周りの回転方向に調芯する様子を示している。なお、図2(b)は平断面であるが、側断面においても同様のことを行える。即ち、図2(b)に示される手法によって、x軸回転方向、y軸回転方向、z軸回転方向の調芯が行える。図2(b)には、光ファイバ1aに対して光ファイバ1cを回転調芯させる状態で示してある。なお、上述した光ファイバの光軸調整は数μmという範囲で行われるものである。このため、実際の各スリーブの調芯時には、微小な振れ角で充分な調芯自由度が確保される。
【0027】
上述した調芯は、光結合装置の製造時に行われる。次に、上述した光結合装置の製造工程について説明する。図3に製造工程を示す。まず、図3(a)に示されるように、ボールレンズ5aに、機能部固定スリーブ7を介して光フィルタ2を調芯固定する。さらに、ボールレンズ5aとボールレンズ5bとを、光フィルタ2がレンズ間スリーブ6の内部に配置されるように、レンズ間スリーブ6で連結固定する。このとき、光フィルタ2は、ボールレンズ5a,5b間のコリメート光のビームウエスト位置となるように調芯される。
【0028】
次に、光ファイバ1a,1cの端部が固定された第一固定部材3aを、第一円筒スリーブ4aの内部に収納させる。このとき、第一固定部材3aはまだ第一円筒スリーブ4aに対して固定されておらず、第一固定部材3aは第一円筒スリーブ4aの内部でスライド可能な状態とされている。同様に、光ファイバ1bの端部が固定された第二固定部材3bを、第二円筒スリーブ4bの内部に収納させる。このとき、第二固定部材3bは第二円筒スリーブ4bに対して固定されず、スライド可能な状態とされている。
【0029】
さらに、第一円筒スリーブ4aをボールレンズ5aに接触させ、かつ、第二円筒スリーブ4bをボールレンズ5bに接触させて調芯する。調芯時には、第一円筒スリーブ4aをボールレンズ5a上で移動させると共に、第一固定部材3aを第一円筒スリーブ4a内でスライドさせる。同様に、光ファイバ1b側についても、第二円筒スリーブ4bをボールレンズ5b上で移動させると共に、第二固定部材3bを第二円筒スリーブ4b内でスライドさせて調芯する。
【0030】
調芯時には、光ファイバ1aから入射されて光フィルタ2によって反射された信号光が、光ファイバ1cに入射するように調芯される。また、光ファイバ1aから入射されて光フィルタ2を通過した信号光が、光ファイバ1bに入射するように調芯される。調芯後、各部材が接着剤を用いて固定される。最終的には、光学系への埃などの浸入を防止するため、図1に示されている状態の上からさらに熱収縮チューブなどが被せられ、このチューブが熱収縮されて内部を保護するような形態で使用される。
【0031】
上述した第一実施形態では、一対のボールレンズ5a,5bを用いたため、その表面全体が球面状となった。しかし、各スリーブとの接触部だけを球状としても良い。また、各スリーブの接触部毎に異なる曲率の球面としても良い。このような例を第二実施形態として図4及び図5に示す。
【0032】
以下に、本発明の第二実施形態について説明するが、上述した第一実施形態と同一又は同等の構成については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。第二実施形態では、一対のレンズ(第一レンズ及び第二レンズ)は、ボールレンズではなく、非球体の凸レンズである。ただし、ボールレンズは全体を球状に形成すればよいので製造が容易であり、また、ボールレンズは光結合装置に組み込む際にも組み込み方向を気にする必要がないため製造効率向上に寄与する。
【0033】
本実施形態における光結合装置は、曲率が段階的に変化する一対の凸レンズ50a,50bを有している。また、第一固定部材30aは、ほぼ円柱状ではなく、ほぼ直方体の形態を有している。そして、第一固定部材30aには一対のステー40aが結合されて光ファイバ1aの先端光軸方向に延設されている。この一対のステー40aの先端が凸レンズ50aの周縁部に固定されている。光ファイバ1c側も同様の構造によって構築されているので詳しい説明は省略する。
【0034】
凸レンズ50a,50b同士は、レンズ間スリーブ6を介して互いに結合されている。各凸レンズ50a,50b上のレンズ間スリーブ6との接触部は、ある曲率を持った球面となっている。また、光フィルタ2は、機能部固定スリーブ7を介して、凸レンズ50aの球面状の表面に固定されている。凸レンズ50a上の機能部固定スリーブ7との接触部は、上述した曲率とは異なる曲率を持った球面となっている。
【0035】
光ファイバ1a,1bの端面や凸レンズ50a,50bの表面に反射防止コーティングが施されていること、光ファイバ1a,1bの端面が各固定部材30a,30bの端面と共に研磨されて各光ファイバ1a,1bの光軸に対して斜めに形成されていることなどは上述した第一実施形態と同様である。本実施形態によっても、第一実施形態で説明した図2のような調芯を行うことができ、調芯自由度の高い調芯を行うことによって高精度な調芯を行うことができる。
【0036】
本実施形態の光結合装置の製造工程について説明する。図5に製造工程を示す。まず、図3(a)に示されるように、光ファイバ1a,1cを固定した第一固定部材30aに対して、一対のステー40aを介して凸レンズ50aを固定させる。このとき、第一固定部材30aに対する凸レンズ50aの位置を調節して、信号光のビームウエスト位置が追って取り付ける光フィルタ2の位置となるように調芯する。同様に、第二固定部材30b、ステー40b及び凸レンズ50bも調芯して組み立る。
【0037】
次いで、機能部固定スリーブ7を介して、光フィルタ2を凸レンズ50aに対して調芯しつつ固定する。このとき、光ファイバ1aから入射されて光フィルタ2によって反射された信号光が、光ファイバ1cに入射するように調芯される。さらに、光フィルタ2が取り付けられた凸レンズ50a側と凸レンズ50b側とを、レンズ間スリーブ6を用いて調芯しつつ連結させる。このとき、光ファイバ1aから入射されて光フィルタ2を通過した信号光が、光ファイバ1bに入射するように調芯される。
【0038】
本実施形態の場合、このときの調芯自由度は、上述したxyz直交座標系におけるx軸方向、y軸方向及びxyz各軸回転方向の5自由度である。しかし、凸レンズ50a,50bを通過する信号光はコリメート光となっており、ビームウエスト位置が光フィルタ2の位置となるように既に調整されているので、z軸方向の調芯精度はこの時点ではさほど重要にならない。上記の5自由度で十分高精度な調芯を行える。調芯後、各部材が接着剤を用いて固定され(樹脂接着に限らず、溶接や半田固定でも良い)、熱収縮チューブによって全体が保持される。
【0039】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態における光結合装置は、光フィルタ2が常に内蔵されたものであるが、必ずしもこのような光機能部を有していない場合もあり得る。例えば、通常時は、このような光機能部を有しておらず、必要なとき(例えば光信号の状態を試験するときなど)だけ光機能部を内蔵させるような場合である。このような場合は、通常時は光学機能を有していない光結合装置となる。あるいは、光機能部内蔵していても、通常は光信号に関与しない場所に退避されており、必要時に光信号に関与する場所に移動するような形態も考えられる。
【0040】
また、上述した実施形態では、第一光ファイバ(上記実施形態では入射側の光ファイバ1a)や第二光ファイバ(上記実施形態では透過出射側の光ファイバ1b)が一本ずつ設けられた一心対一心の関係であったが、一心対多心である場合や、多心対多心となるような場合もある。また、上述した実施形態のように、透過した後に装置から出射される信号光だけでなく、反射された後に装置から出射される信号光が存在しても構わない。
【0041】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、レンズ間スリーブが円筒状の形態を有し、かつ、各レンズとレンズ間スリーブとの接触部が球面状とされているので、調芯自由度が高く、高精度な調芯を行うことができる。また、その構造は簡潔であり、調芯作業を困難とすることも、製造効率を悪化させることもない。むしろ、調芯作業は行いやすく、製造効率を向上させることができる。さらに請求項1に記載の発明によれば、第一固定部材と第一レンズとが円筒状の第一円筒スリーブを介して結合され、さらに、第一レンズの第一円筒スリーブとの接触部が球面状とされているので、この箇所でもさらに調芯することが可能となり、調芯作業に柔軟性を与えることができる。第二レンズ側についても全く同様である。例えば、先に一対のレンズとレンズ間スリーブを固定してしまっても、これらの箇所で調芯することも可能となる。さらに、第一固定部材が第一円筒スリーブ内でスライド可能な構造となるため、この分だけ調芯自由度が増す。第二固定部材側についても同様である。
【0042】
請求項2に記載の発明によれば、光機能部を有しているため、所望の処理を行うことができる。また、光機能部はレンズ間スリーブの内部に配置されるので、レンズ間スリーブによって保護され、外乱の影響を受けにくい。
【0043】
請求項3に記載の発明によれば、光機能部が固定された円筒状の機能部スリーブが何れかのレンズに固定され、機能部スリーブとレンズとの接触部が球面状とされているので、さらに光機能部自体を移動させて調芯することも可能となり、さらに調芯自由度が上がり、調芯精度が向上する。
【0045】
請求項4に記載の発明によれば、上述した請求項1に記載の発明を実現するにあたって、一対のレンズの製造が非常に簡単になり、製造効率が工場する。また、レンズをボールレンズとすることによって、レンズ自体の精度を向上させることが容易となるため、この点からも調芯精度を向上させることができる。
【0046】
請求項5に記載の発明によれば、各光ファイバの端面と各レンズ表面に反射防止コーティングを施すことによって、反射光による伝送特性の悪化を抑止することができる。請求項6に記載の発明によれば、光ファイバの端面が光軸に対して斜めに形成されているため、光ファイバ端面での反射光を伝送系路外に逃がして伝送特性の悪化を抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光結合装置の第一実施形態を示しており、(a)は平断面図、(b)は側断面図である。
【図2】本発明の光結合装置の第一実施形態の平断面図であり、調芯された状態を強調して示してある。
【図3】本発明の光結合装置の第一実施形態の製造工程を示す平断面図であり、(a)-(b)-(c)の順で製造工程が進んでいる。
【図4】本発明の光結合装置の第二実施形態を示しており、(a)は平断面図、(b)は側断面図である。
【図5】本発明の光結合装置の第二実施形態の製造工程を示す平断面図であり、(a)-(b)-(c)の順で製造工程が進んでいる。
【符号の説明】
1a…光ファイバ(第一光ファイバ)、1b…光ファイバ(第二光ファイバ)、1c…光ファイバ、2…光フィルタ(光機能部)、3a,30a…第一固定部材、3b,30b…第二固定部材、4a…第一円筒スリーブ、4b…第二円筒スリーブ、5a…ボールレンズ(第一レンズ)、5b…ボールレンズ(第二レンズ)、6…レンズ間スリーブ、7…機能部固定スリーブ、40a,40b…ステー、50a…凸レンズ(第一レンズ)、50b…凸レンズ(第二レンズ)。
Claims (6)
- 少なくとも一本以上の第一光ファイバと、
前記第一光ファイバの端部を位置決め固定する第一固定部材と、
前記第一光ファイバの端部と対向する位置に端部が配される少なくとも一本以上の第二光ファイバと、
前記第二光ファイバの端部を位置決め固定する第二固定部材と、
前記第一固定部材に対して固定される第一レンズと、
前記第二固定部材に対して固定される第二レンズと、
前記第一レンズ及び前記第二レンズの間に配され、両端に前記第一レンズ及び前記第二レンズがそれぞれ固定される円筒状のレンズ間スリーブとを備え、
前記第一レンズ及び前記第二レンズの前記レンズ間スリーブとの接触部分が、それぞれ球面状とされており、
前記第一固定部材と前記第一レンズとが、円筒状の第一円筒スリーブを介して結合され、かつ、前記第二固定部材と前記第二レンズとが、円筒状の第二円筒スリーブを介して結合されており、
前記第一レンズの前記第一円筒スリーブの端部と接触する部分が球面状とされ、かつ、前記第二レンズの前記第二円筒スリーブの端部と接触する部分が球面状とされていることを特徴とする光結合装置。 - 前記レンズ間スリーブの内部に、光機能部が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の光結合装置。
- 前記光機能部が、円筒状の機能部固定スリーブを介して前記第一レンズ又は前記第二レンズに固定されており、
第一レンズ又は前記第二レンズの前記機能部固定スリーブと接触する部分が、球面状とされていることを特徴とする請求項2に記載の光結合装置。 - 前記第一レンズ及び前記第二レンズが、それぞれ球状の形態をしたボールレンズであることを特徴とする請求項1に記載の光結合装置。
- 前記第一光ファイバ及び前記第二光ファイバの各端面、並びに、前記第一レンズ及び第二レンズの表面に、反射防止コーティングが施されていることを特徴とする請求項4に記載の光結合装置。
- 前記第一光ファイバ及び前記第二光ファイバの各端面が、それぞれの光軸に対して斜めに形成されていることを特徴とする請求項5に記載の光結合装置。
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