JP4305855B2 - 被処理流体の変調電磁場処理装置と方法 - Google Patents

被処理流体の変調電磁場処理装置と方法 Download PDF

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本発明は、被処理流体の変調電磁場処理装置と該装置を用いる変調電磁場処理方法に関する。
本発明者は各種流体に変調電磁場処理を施すことにより、その後の流体の扱いが容易になる技術を開発し、その技術は各種分野に使用されている。その内容は特許第3247942号の特許公報などに開示されていて、経過時間に対して周波数が変化する方形波の交流電流を流すコイルを巻いたテスト流路中に結晶化可能な物質を含む被処理流体を流した後、該流体を乾燥させた際にできる結晶体粒径が小粒子化することをラボテストで確認し、次に実設備において、前記被処理流体が流れる流体流路などの表面にコイルを巻きつけ、適用するコイル電流値を可変させ、ラボテストで確認された小粒径結晶体が得られるコイル電流出力を決定し、前記コイルに20Hz〜1MHzの帯域で周波数が時間的に変化する方形波の交流電流を流し、コイルに流れる電流により誘起される電磁界により前記流体流路を流れる前記被処理流体を処理することにより流体流路を構成する壁面を防錆する方法又は前記流体流路を構成する壁面に海生物が付着することを防止する方法など及び前記方法を実施するための変調電磁場処理装置である。
特許第3247942号公報
被処理流体に対して上記変調電磁場処理を施すことにより、その後の流体の扱いが容易になることが判明したが、流体の種類によっては電磁場処理効果が少ないか、ほとんど効果がない場合がある。
たとえば、カルシウム成分などのスケールが付着した流水配管内部は上記本発明者らの開発した変調電磁場処理では、スケールの除去がはかどらないことが分かってきた。
このような現象が生じる原因について種々検討してきたが、流体中に含まれる成分によって電磁場処理効果が異なることが判明した。
そこで本発明の課題は、異なるタイプの被処理流体であっても、それぞれ異なる方式で効果的な変調電磁場処理が可能な装置と方法を提供することである。
上記課題を解決するための手段として本発明者は、被処理流体が流れる配管や貯留槽内の壁面のスケール防止及び腐食防止等に対する変調電磁場処理装置において、酸化又は還元作用を与える性質の異なる変調電磁場を発生させる装置を発明した。
本発明の上記課題は、次の解決手段により解決される。
請求項記載の発明は、被処理流体照射用のコイル部と、該コイル部に20Hz〜1MHzの帯域で周波数が時間的に変化する交流電流を流す還元(−)型変調電磁場発生器と、コイル部に20Hz〜1MHzの帯域で周波数が時間的に変化する交流電流を流す酸化(+)型変調電磁場発生器と、前記2つの変調電磁場発生器と前記コイル部との間に前記2つの変調電磁場発生器のいずれかを作動させるための切替器を備えた変調電磁場処理装置である。
請求項記載の発明は、被処理流体照射用の永久磁石と、被処理流体照射用のコイル部と、該コイル部に20Hz〜1MHzの帯域で周波数が時間的に変化する交流電流を流す酸化(+)型変調電磁場発生器とを備えた請求項記載の変調電磁場処理装置である。
請求項記載の発明は、コイル部は、(a)被処理流体が流れる流体流路の表面に巻き付けたコイル、(b)被処理流体中に浸漬したコイル設置部材表面に巻き付けたコイル又は(c)被処理流体が流れる流体流路の近傍に配置したコイル設置部材表面に巻き付けたコイルの内の少なくとも一つのコイルを備えた請求項1または2のいずれかに記載の変調電磁場処理装置である。
請求項記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の変調電磁場処理装置を用いて行う被処理流体の流路又は被処理流体を貯める貯留槽の壁面の錆び、スケール、その他の成分の付着防止及び/又は除去を行う変調電磁場処理方法である。
請求項5記載の発明は、アニオン系薬剤、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム又は水酸化ナトリウムの少なくともいずれかを含有又は添加した被処理流体又はカチオン薬剤を除いた被処理流体に還元(−)型変調電磁場発生器を用いる変調電磁場処理をし、一方、カチオン系薬剤を含有又は添加した被処理流体又はアニオン系薬剤、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び水酸化ナトリウムを除いた被処理流体に酸化(+)型変調電磁場発生器を用いる変調電磁場処理をする請求項4記載の変調電磁場処理方法である。
請求項6記載の発明は、還元(−)型変調電磁場発生器により、周波数が時間的に変化する方形波の交流電流を流すコイルを巻いたテスト流路中に前記被処理流体を流した後、該流体を乾燥させ、乾燥後にできる結晶体粒径が小粒子化すること及び流体乾燥物の界面付近への結晶体の集合性を失うことを確認して、前記被処理流体の変調電磁場処理の効果の程度を判定する被処理水の机上試験を行い、その机上試験法による判定結果が良くない場合には、前記被処理流体中にカチオン系薬剤が含まれていると、これを除いた後に該流体に対して還元(−)型変調電磁場発生器を用いて変調電磁場処理をする、又はカチオン薬剤が含まれない状態で前記被処理流体にアニオン系薬剤、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム又は水酸化ナトリウムの少なくともいずれかを添加した後に該流体に対して還元(−)型変調電磁場発生器を用いて変調電磁場処理をする請求項5記載の変調電磁場処理方法である。
請求項7記載の発明は、還元(−)型変調電磁場発生器を作用させて前記被処理流体に変調電磁場処理を施した場合には前記被処理流体に変調電磁場処理を施した場合の該被処理流体中の粒子のゼータ電位の変化量が変調電磁場処理を施してない粒子のゼータ電位に比較してマイナス側に極大値を示す周波数及びその近傍の周波数領域で該被処理流体に対して変調電磁場処理をする請求項5又は6に記載の変調電磁場処理方法である。
請求項8記載の発明は、4,000〜6,000Hzとその近傍の周波数領域で前記被処理流体に対して前記変調電磁場処理をする請求項7記載の変調電磁場処理方法である。
請求項9記載の発明は、酸化(+)型変調電磁場発生器により、周波数が時間的に変化する方形波の交流電流を流すコイルを巻いたテスト流路中に前記被処理流体を流した後、該流体を乾燥させ、乾燥後にできる結晶体粒径が小粒子化すること及び流体乾燥物の界面付近への結晶体の集合性を失うことを確認して、前記被処理流体の変調電磁場処理の効果の程度を判定する被処理水の机上試験を行い、その机上試験法による判定結果が良くない場合には、前記被処理流体中にアニオン系薬剤、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム又は水酸化ナトリウムが含まれると、これらの薬剤又は化合物を除いた後に、該流体に対して酸化(+)型変調電磁場発生器を用いて変調電磁場処理をし、又はアニオン系薬剤、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び水酸化ナトリウムが含まれない状態で該流体にカチオン系薬剤を添加した後に、該被処理流体に対して酸化(+)型変調電磁場発生器を用いて変調電磁場処理をする請求項5記載の変調電磁場処理方法である。
請求項10記載の発明は、酸化(+)型変調電磁場発生器を作用させて前記被処理流体に変調電磁場処理を施した場合の該被処理流体中の粒子のゼータ電位の変化量が変調電磁場処理を施してない粒子のゼータ電位に比較してプラス側に極大値を示す周波数及びその近傍の周波数領域で該被処理流体に対して前記変調電磁場処理をする請求項5記載の変調電磁場処理方法である。
請求項11記載の発明は、500Hzとその近傍及び40kHzとその近傍の周波数領域で前記被処理流体に対して変調電磁場処理をする請求項10記載の変調電磁場処理方法である。
請求項12記載の発明は、被処理流体照射用の永久磁石の存在下で、500Hzとその近傍及び40kHzとその近傍の周波数領域で前記被処理流体に対して変調電磁場処理をする請求項5記載の変調電磁場処理方法である。
(作用)
まず、被処理流体用の配管の内壁、被処理流体貯留槽の内壁等にスケールが付着するメカニズムを説明する。なお、被処理流体は、一般的に水系であるので、以下これを被処理水ということがある。
図32に示すように被処理水に接する配管の内壁、貯槽内壁等の表面はマイナスに帯電している。被処理水中で、飽和条件下にあるスケール成分が析出して生成するスケール結晶体の表面は、通常プラスに帯電する。この互いに異符号(プラスとマイナス)の電位間の電気的引力によって前記内壁等の表面にスケール成分が付着する。
前記スケール成分は被処理水中に含まれる無機化合物が主体であり、CaCO3(炭酸カルシウム)、CaSO4(硫酸カルシウム)などである。ただし、単体無機化合物としてのスケール結晶体はほとんど無く、例えばシリカスケールではSiO2(シリカ)を主体として、Ca、Mg又はAl等の金属類を含み、共有結合またはイオン結合している。また、CaCO3単結合としてのスケール結晶体は少なく、ほとんどが10〜100個またはそれ以上の結晶の集合体である。前記結晶の集合体を形成する力は前述の電気的引力、又は水和力によって生じる。
また、被処理水中に溶解するCa2+、Fe3+等の陽イオン(カチオン)の量が多いほど、同時に形成されたスケール結晶体の表面のプラス帯電力が増し、また、上記結晶の集合体の濃度も増加してスケール成長性も高くなる。
次に、本発明の請求項記載の還元(−)型変調電磁場発生器を用いる変調電磁場処理装置により被処理水用配管の内壁等にスケールが付着するのを防止するメカニズムを図29に示す。
前述のように、被処理水と接する配管内壁又は貯留槽内壁等の表面はマイナスに帯電しているが、還元(−)型変調電磁場により処理された被処理水中で形成されるスケール結晶体の表面は、図29に示すように中性またはマイナスに帯電する。この同符号電位間の電気的斥力によって、反発力を生じて、前記内壁表面などへのスケール付着を防止する。また、このとき、スケール結晶体同士も反発力によって分散し、スケール成長性を抑制し、小粒子化した結晶が多くできやすい。
また、還元(−)型変調電磁場処理した被処理水の浸透性が増加するのに伴い、スケール結晶体内部での結晶体の溶解と再結晶化及びスケール結晶体表面のマイナス帯電による反発力によってスケール結晶体は小粒子化され、そのため分散されやすくなる。こうして被処理水の高流速部では小粒子化した結晶が流下除去され易くなり、低流速部ではそれらが沈降・堆積しやすくなる。
また、硬質のスケール、例えばシリカ主体のスケール結晶体は、そのスケール表面が平滑であればあるほど、変調電磁場処理水の浸透力を阻害させ、その軟化及び除去に長い時間を要する。また、被処理水のpHが低いほど、また温度が低いほど、スケール除去又はスケール軟化に時間がかかる。しかし、硬質のスケールであっても、通常の凹凸面を有するスケールの場合は、本発明の変調電磁場処理で容易に軟化又は除去できるものが多い。
軟質スケール、例えばFe(OH)3、Ca(OH)2等は水和物(Fe(OH)3・nH2O)としてスケールを形成し、本発明の還元(−)型変調電磁場処理水と前記水和物内の水分子との置換が阻害され易く、スケール除去効果が小さい。また軟質スケールが他のスライム防止剤または防食剤として用いられるポリマー薬剤により付着物を形成している場合も本発明の還元(−)型変調電磁場処理を阻害しやすい。
本発明の還元(−)型変調電磁場処理は、好ましくは20Hz〜10MHz、より好ましくは100Hz〜1MHz、さらに好ましくは2,000Hz〜20,000Hz、さらに好ましくは4,000Hz〜6,000Hzの帯域で周波数が時間的に変化する方形波の交流電流を流すコイルを流体流路に巻き付けて行う。このとき、例えば10〜500msの時間間隔で前記周波数が時間的に変化する方形波の交流電流を繰り返してコイルに流す方法を採用しても良い。
また、本発明の還元(−)型変調電磁場処理により鋼鉄製の装置壁面に黒錆が生成するメカニズムは以下のように推定される。
本発明の還元(−)型変調電磁場処理により発生する渦電流の原因となる誘導電場Eが図30(a)に示すように形成され、その誘導電場Eが図30(b)に示すように極大値となり、これが電子供与帯として還元状態となる。
水中の溶存酸素は次式に従ってOHイオンとして働き、次の反応式のように黒錆が生成する。黒錆が生成すると、以後壁面の腐食が進行しないので、黒錆は防食作用がある。
2+2H2O+4e-→4OH-
Fe23(赤錆)→Fe34(黒錆)
なお、本発明の還元(−)型変調電磁場処理によって帯電する箇所は水中における水−スケール結晶、水−ガス(空気等)、水−配管内壁等、水−油分等の界面等である。
また、被処理水には各種薬剤が添加されることが多いが、カチオン系薬剤が本出願人の還元(−)型変調電磁場処理を阻害させる薬剤であるので、これを除去した後に還元(−)型変調電磁場処理を行うことが効果的であることを見出し、先に特許出願した(特開2001−259691号公報)。
この現象は次のようなメカニズムで生じると考えられる。
すなわち、カチオン系薬剤がマイナスに帯電する被処理水配管内壁をプラスに帯電させると共に、スケール結晶体表面のプラス荷電力を高め、プラス(配管内壁)対プラス(スケール結晶体)の反発力によって配管内壁面にスケールが付着するのを防止する。また、スケール結晶間の反発力によってスケール結晶体の成長性も抑制する。すなわち、上記防食剤の腐食防止作用は本発明の変調電磁場処理作用でスケール結晶体をマイナスに帯電させて、マイナス帯電の配管内壁と反発させることで防食させることとは正反対の帯電作用に基づくものである。
カチオン系薬剤としては、界面活性剤、高分子系薬剤とリン酸塩系薬剤を含む防食剤、清缶剤、スケール防止剤、スライム防止剤、帯電防止剤、リンス(乾燥仕上)剤、床ワックス剤、消泡剤及び海生物付着防止剤などの薬剤がある。
カチオン系薬剤とは反対にアニオン系薬剤は前記還元(−)型変調電磁場処理を促進させる薬剤であることは、上記推定から容易に想到されることであり、前記特許出願にもこのために食品容器の洗剤などのアニオン系薬剤、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム又は水酸化ナトリウムを積極的に被処理水に添加して、結晶の表面電荷の中性化を促すことでスケール結晶体及び被処理水配管内壁のプラス荷電力を弱める還元(−)型変調電磁場処理を行うことを提案した。
本発明の請求項1記載の発明によれば、還元(−)型変調電磁場処理だけでなく、酸化(+)型変調電磁場処理も行える装置を開発できたことにより、前記酸化(+)型変調電磁場処理装置により、被処理水中でスケール結晶化する上で炭酸イオン及び炭酸水素イオンが少なく、過剰のCa2+、Fe3+、Mg2+等の陽イオンが存在する場合は、被処理水のカチオン度が高いときでも、容易にスケール除去などが行えるようになった。
この現象は、図31に示すように、本発明の酸化(+)型変調電磁場処理作用でスケール結晶体をプラスに帯電させて、同時に酸化(+)型変調電磁場処理作用は被処理水配管内壁をプラスに帯電させるため、プラス(被処理水配管内壁)対プラス(スケール結晶体)の反発力によって被処理水配管内壁面にスケールが付着するのを防止させるものと推定される。
従って、前記した被処理水中にCa2+、Fe3+、Mg2+等の陽イオンが溶解していても、酸化(+)型変調電磁場処理作用でCa2+、Fe3+、Mg2+等の陽イオン含有スケール結晶体の表面のプラス帯電力が増し、同時に酸化(+)型変調電磁場処理作用で被処理水と接する配管壁又は貯留槽壁等の表面がプラスに帯電するので、電気的斥力によって、反発力を生じて、前記壁面などへのスケール付着を防止する。
このため、専ら還元(−)型変調電磁場処理した被処理水の浸透性により前記壁面と陽イオン含有スケール結晶体との剥離によっていた前記壁面への陽イオン含有スケール付着防止効果に比べて酸化(+)型変調電磁場処理作用は格段のスケール付着防止効果がある。
また、当然ながら、酸化(+)型変調電磁場処理のみを行う場合には、還元(−)型変調電磁場処理とは逆にアニオン系薬剤を予め除去した後に酸化(+)型変調電磁場処理を行うことが必要であり、またカチオン系薬剤を添加して処理すると電磁場処理効果がより促進される。
このように、請求項1、4記載の発明によれば、コイル部に通電する交流を還元(−)型と酸化(+)型の2種類の電磁場発生器を切り替えることにより、コイル部において発生する電磁場の被処理流体(被処理水)および、該被処理流体(被処理水)が流れる配管や貯留槽内の壁面(界面)における帯電作用が次の様に異なることが分かる。
(−)帯電作用:還元(−)型(電子を与える作用)変調電磁場発生器による作用
(+)帯電作用:酸化(+)型(電子を奪う作用)変調電磁場発生器による作用
また、請求項5,6記載の発明によれば、コイル部に与える電流信号が還元(−)型と酸化(+)型で、前記配管や貯留槽内の壁面(界面)に対する帯電作用が異なり、さらに被処理水系の前記界面における帯電化の活用メカニズムも大きく異なると考えられるので、逆に、テストピースを用いた机上試験などにより、テストピースの腐食性の判定、顕微鏡による乾燥液滴界面のスケール成分の小結晶化確認テスト(ラボテスト)などを利用して本発明の2種類の変調電磁場発生器に基づく帯電作用が還元(−)型であるのか、酸化(+)型であるかを見極めることができるようになった。
すなわち図1と図7に開示した回路構成からなる装置がそれぞれどのようなメカニズムで対象の被処理流体(被処理水)に作用しているのかは推定の域を出ないが、前記テストピースの腐食性テストとテストピースの腐食性の判定、顕微鏡により乾燥液滴界面のスケール成分の小結晶化確認テスト(ラボテスト)などから、逆に図1と図7に記載の回路構成からなる装置が還元(−)型の装置であるか、酸化(+)型の装置であるかを判定できる。
また、前記顕微鏡による乾燥液滴界面のスケール成分の小結晶化確認テスト(ラボテスト)で本発明の電磁場処理の効果を確認できるが、前記ラボテストにおいて本発明の還元(−)型電磁場処理と酸化(+)型電磁場処理の効果がある周波数領域では、被処理流体中の粒子は電磁場処理をしない場合を基準(「ゼロ」)として、そのゼータ電位の変化量が変調電磁場処理を施してない粒子のゼータ電位に比較して、それぞれマイナス側とプラス側に極大値を有する変化量を示すことが判明した。
すなわち、請求項7,8及び10,11記載の発明によれば、本発明の還元(−)型電磁場処理効果がある周波数は、前記マイナス側の極大値を示すゼータ電位の前記変化量が4,000〜6,000Hz及びその近傍にあり、酸化(+)型電磁場処理効果がある周波数は、前記プラス側の極大値を示すゼータ電位の変化量が500Hz及びその近傍と40kHz及びその近傍にあることが推定できる。
このように机上試験(ラボテスト)及び/又はゼータ電位の測定によって、性質が不明の被処理水に対して、図1と図7に記載の回路構成からなる2つの装置いずれの装置を適用すべきかを容易に判定できるようになった。
また、請求項記載の発明によれば、酸化(+)型変調電磁場処理において酸化力を適用する場合は、永久磁石を併用することで更に強い酸化作用を得ることができる。
請求項1、2、記載の発明による酸化(+)型変調電磁場発生器と還元(−)型変調電磁場発生器を併用して、これらを切り替えてコイル部で変調電磁場を発生させる装置による電磁場処理により、あらゆる被処理流体(被処理水)を用いる流路又は貯留槽の壁面でのスケール防止、スケールの除去及びあらゆる流路又は貯留槽の壁面の腐食防止、油含有排水の流路の詰まり防止、アンモニア含有水からのアンモニア臭の脱臭、被処理水のろ過用フィルターの詰まり防止及び被処理水流路又は貯留槽の壁面への海生物付着防止等の効果が得られるようになった。
また、請求項2、12記載の発明によれば、酸化(+)型変調電磁場発生器を用いる変調電磁場処理において酸化力を適用する場合は、永久磁石を併用することで更に強い酸化作用を得ることができ、上記スケール除去などの効果を更に発揮させることができる。
請求項記載の発明によれば、請求項1または2のいずれかに記載の変調電磁場処理装置を用いて、それぞれ被処理流体の態様に応じて被処理流体が流れる流体流路の表面、被処理流体中に浸漬したコイル設置部材表面又は被処理流体が流れる流体流路の近傍に配置したコイル設置部材表面に被処理流体照射用のコイルを巻き付けた構成にすることで、被処理流体に対して適切で、効果的な電磁場処理を行うことができる。
請求項5記載の発明によれば、アニオン系薬剤、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム又は水酸化ナトリウムの少なくともいずれかを含有又は添加した被処理流体には還元(−)型変調電磁場処理を行い、一方、カチオン系薬剤を含有又は添加した被処理流体には酸化(+)型変調電磁場処理を行うことで、前記各薬剤添加を含まない変調電磁場処理だけをする場合に比較してより効果的に変調電磁場処理ができる。
請求項6記載の発明によれば、還元(−)型の変調電磁場処理による机上試験法による結果が良くない場合には、カチオン系薬剤を除いた後の該被処理流体に対して還元(−)型の変調電磁場処理を行うか、又は前記被処理流体にアニオン系薬剤、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム又は水酸化ナトリウムの少なくともいずれかを添加した後に該被処理流体に対して還元(−)型の変調電磁場処理をすることで実機に対して無駄なく、効果的に電磁場処理ができる。
請求項7記載の発明によれば、前記被処理流体に還元(−)型の変調電磁場処理を施した場合の該被処理流体中の粒子のゼータ電位の変化量が変調電磁場処理を施してない粒子のゼータ電位に比較してマイナス側に極大値を示す周波数及びその近傍の周波数領域で該被処理流体に対して還元(−)型の変調電磁場処理をすることで変調電磁場処理を効果的に行うことができる。
請求項8記載の発明によれば、4,000〜6,000Hzとその近傍の周波数領域で前記被処理流体に対して還元(−)型の変調電磁場処理をすることで、変調電磁場処理を効果的に行うことができる。
請求項記載の発明によれば、酸化(+)型の変調電磁場処理による机上試験法による結果が良くない場合には、前記被処理流体中に含まれるアニオン系薬剤、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び水酸化ナトリウムを除いた後に該被処理流体に対して酸化(+)型の変調電磁場処理をするで、被処理流体を用いる実機に対して無駄なく、効果的に電磁場処理ができる。
請求項10記載の発明によれば、被処理流体に酸化(+)型の変調電磁場処理を施した場合の該被処理流体中の粒子のゼータ電位の変化量が変調電磁場処理を施していない粒子のゼータ電位に比較してプラス側に極大値を示す周波数及びその近傍の周波数領域で該被処理流体に対して前記酸化(+)型の変調電磁場処理をすることで変調電磁場処理を効果的に行うことができる。
請求項11記載の発明によれば、500Hzとその近傍及び40kHzとその近傍の周波数領域で被処理流体に対して酸化(+)型の変調電磁場処理をすることで、変調電磁場処理を効果的に行うことができる。
本発明の実施の形態について図面とともに説明する。
本実施例は被処理流体(以下、流体の主成分は水であることがほとんどであるので単に被処理水という)に還元(−)型変調電磁場処理と酸化(+)型変調電磁場処理を選択して行うことができる変調電磁場発生器を用いる変調電磁場処理装置を利用するものである。
(A)還元(−)型変調電磁場発生器を用いる変調電磁場処理装置
まず、図1に示す還元(−)型変調電磁場発生器を用いる変調電磁場処理装置(簡単に「還元型装置」ということがある。)の説明をする。
図1において、スイープ信号発振回路から連続可変周波数発生回路にスイープ信号が所定時間間隔で発振され、周波数が変化しながら波形整形増幅回路に出力される。このとき連続可変周波数発生回路には周波数幅設定回路と中心周波数設定回路からの出力が入り、それぞれ周波数の幅の中心周波数が設定される。波形整形増幅回路では、レベル設定回路で電磁場強度を設定し、その後、電力増幅回路で適切な大きさの電力を得てコイル部に出力する。
なお、電磁場強度とは空間における電磁波の強さを意味し、単位は[V/m]又は[A/m]である。測定方法は使用目的により使い分けるが、本発明においては[A/m]である(Vは電圧、Aは電流、mは長さ)。コイルに流す電流に比例し、センサーを置いた所での磁界の大きさをこの場合の電磁波の強さ又は強度としている。
この還元(−)型装置は、20Hz〜1MHzの帯域で連続的に周波数が時間的に変化する方形波の変調交流電流を被処理水流路に巻いたコイルに流す変調電磁場処理装置であり、当該装置により発生する電流により誘起される電磁界により前記水流路を流れる被処理水を処理するものである。
この還元(−)型装置から発生する電流を、例えば400msサイクル(任意可変可能)で順次周波数を変えてコイル部に流すと、図2に示す電磁場強度が得られる。なお、図2は周波数に対する電磁場強度のイメージ図であり、6×10-3ガウスの電磁場強度で約4,000〜6,000Hzの周波数帯にピーク値を有する主要周波数を示す。また、前記電磁場強度はコイル2に流す電流値に比例してその大きさが変化する。
P=K×i2×t
P:被処理水液体への変調電磁場照射エネルギー[W]
i:コイルに流れる電流[A]
t:照射時間[秒]
K:定数[H/m3
前記図2に示す電磁場強度のピーク値を示す周波数付近で水中に含まれる粒子のゼータ電位の変化量が図3に示すように変調電磁場処理を行わない場合(未処理時)のゼータ電位(ゼロ値)に比べて大きく低下した値を示すことが分かった。なお粒子のゼータ電位の変化については後述する。
次にコイル部の配置について説明する。
図4には被処理水配管1の外側にコイル2を設置する例を示す。コイル部2は被処理水が流れる配管1の外側へ設置され、該コイル2部へ還元(−)型変調電磁場発生器3から変調電磁波を流すとコイル部2より発生する変調電磁場が配管1を透過して被処理水に照射される。配管1の材質によっては電磁波の透過量が異なり、鋼鉄管<ステンレス管<塩化ビニル管の順に電磁波透過量は多くなる。透過率の悪い材質に対してはコイル電流値を増加させて被処理水に必要な変調電磁波量を確保する。
図5には投げ込み式のコイル部2とコイル部2へ電流を流す還元(−)型変調電磁場発生器3を有する投込み照射型の変調電磁場処理装置を示す。処理対象の液体槽4(主に水を主成分とする液であるので、以下「水槽」ということがある)内に、例えば塩化ビニール管からなるコイル設置部材にコイルを巻いたコイル部2を投込み、コイル部2より発生する変調電磁場を水槽4内の液体に作用させる。
本発明者らは、図4に示すような、被処理水が流れる配管1の外側にコイルを巻く方法では、配管1の電磁波透過性が良くない場合には配管1内部を通過する被処理水への電磁場の作用が著しく低下することを見出した。特に、配管1の材質として、鋼鉄管、鋳鉄管、ステンレス管等の金属材質からなる配管1を用いる場合には、電磁波の透過性が悪く、被処理水への電磁場の作用が著しく低下することが判った。そこで、このような場合には、コイル部2を水槽4内の被処理水中に浸漬した投込み照射型の変調電磁場発生器により被処理水を処理する方法を実施した。図5(a)に示す投込み照射型の変調電磁場処理装置の変調電磁場発信部を図5(b)に示すように絶縁性の合成樹脂製のケース5内に密封することが効果的である。
図5に示すコイル部2を水槽4内に投げ込む方式のコイル部2は、図4の被処理水配管1にコイルを巻く方法と比較して配管1の材質に左右されないで電磁場を被処理水に有効に作用させることができる。また、図5に示す方法は図4に示す方法に比べて単位時間当たりの電磁波の照射エネルギーが高い。このように変調電磁波による照射エネルギーが高いため、投げ込み方式のコイル部2により発生させる電磁場強度は小さくても良い。
また、被処理水に対する還元力及び酸化力を促進させる変調電磁場を作用させる手段として、図5に示す被処理水が一時的に貯留される水槽4等を有する場合には、コイル部2の投込み照射型の変調電磁場処理装置を採用することで、図4に示す方法に比較して効率的な変調電磁場処理が可能となる。
図5に示すように水槽4内の被処理水中に投込み照射型の変調電磁場処理装置のコイル部2を浸漬しておくと、変調電磁場処理装置から発する変調電磁場エネルギーは全て被処理水に供給されるのでエネルギーのロスがない。しかも、図4の配管1内を流れる被処理水とは異なり、水槽4内に被処理水が滞留しているので長時間の電磁波を照射できる。このため、電磁波の照射時間の制御が容易になる。
なお、変調電磁場の処理効果判定は従来より用いている図20に示す机上テスト(ラボテスト)による顕微鏡判定を行うことができる。
図6には外部照射方式のコイル部を示す。
図6(a)は外部照射方式コイル部2を被処理水配管1の外側に位置するコイル部2から変調電磁波を照射するものであり、図6(b)は水槽4内の水面より上側に設置するコイル部2から被処理水に変調電磁波を照射する様子を示す。
以上図4〜図6に示すコイル部2からの変調電磁場処理方法のうち、最も少ない電磁場強度で処理が可能な方法は図5に示す投げ込み式である。透過させる物質の影響を受けず、直接、水に照射させることが可能である。
以上の還元(−)型装置を用いる変調電磁場処理は、次のような用途に用いられる。
(a)被処理水を用いて壁面にスケールが付着し易い性質又は壁面が腐食性を有する設備へ適用することが最も適している。
特に、被処理水の性質として壁面に対して腐食性を有する場合には壁面を構成する、例えば鋼材の腐食防止を行う必要がある。このような腐食性を有する被処理水を扱う設備に還元(−)型変調電磁場処理が有効である。また、被処理水と(−)帯電性薬剤との併用により還元(−)型変調電磁場処理の相乗効果を生む。
但し、一般的な水処理剤は(+)帯電性のものが多く、このような(+)帯電性の水処理剤が混入した場合は還元(−)型電磁場処理が阻害される(このような還元(−)型電磁場処理が効果的に行われないことを、本明細書では「阻害性がある」という)。
(b)工場排水、生活排水、アンモニア含有水などの各種被処理水が流れる配管又は水槽を構成する壁面の浄化に利用され、該壁面の防錆、海生物の付着防止、配管の付着物による詰まり防止、アンモニア臭気の消臭に利用できる。
(c)残コンクリートの消泡、固液分離膜の延命作用などにも利用可能である。
(B)酸化(+)型変調電磁場発生器を用いる変調電磁場処理装置
次に、図7に示す酸化(+)型変調電磁場発生器を用いる変調電磁場処理装置(簡単に「酸化型装置」ということがある。)の説明をする。
図7において、OSCからの信号を任意の周波数の信号に変換するための分周器11a、11bと2系統へ信号を分ける分配器12a、12bを通し、R系統ゼネレータ13a又はS系統ゼネレータ13bに電気的に掛け合わせた後、それぞれ電力増幅器14a、14bによりコイル部(図示せず)に出力する。この時、信号の流れとして同一構成で2系統を持ち、例えば一つの分配器12aからの信号を波形ゼネレータ13a、13bに送ることによる同期型とそれぞれ独立した系統(図7の上段と下段)で信号をそれぞれ波形ゼネレータ13a、13bに送る非同期型を選択可能である。
この酸化(+)型装置は、コイル部に方形波にサイン波を乗せた変調電磁場信号を間欠的に流すものである。
前記変調電磁場信号の周波数は0.5kHzの他に10又は20,40,60,・・・、200kHz等の中から、任意の周波数の信号を1以上の任意の数だけ、組み合わせて変調した信号を出力して被処理水に流す。4〜6種の周波数信号を組み合わせて使用することが望ましい。
図9にはA、B及びCの3種類の周波数信号を20ms毎の時間間隔で組み合わせて使用した場合の電磁場強度の時間変化を示す。図9に示すようにコイルに流す電流値に比例して発生電磁場強度は変化するので、3種類の電磁場を組み合わせることで3つのピーク値を有する電磁場強度信号が定期的に発生する。使用する周波数は複数種類を組み合わせて、図9のように複数段変化させるが、1種類の周波数を用いても良い。また、図9では20msの時間間隔で同一周波数の電磁波信号を繰り返して出力しているが、この時間間隔も任意に可変できる。また、発生する電磁場強度は選択する周波数ごとに任意可変可能であり、さらにA、B及びCの少なくとも1以上の周波数を組み合わせた信号を出力しても良い。
この酸化(+)型装置から発生する電流を、例えば400msサイクル(任意可変可能)で順次周波数を変えてコイル部に流すと、図8に示す電磁場強度が得られる。なお、図8は周波数に対する電磁場強度のイメージ図であり、電磁場強度は0.5kHz及びその近傍と40kHz及びその近傍にピーク値を有する。
また、前記0.5kHz及びその近傍と40kHz及びその近傍の周波数では図3に示すように、水中に含まれる酸化チタン微粒子のゼータ電位の変化量が変調電磁場処理を行わない場合(未処理時)のゼータ電位(ゼロとすると)に比べてプラス側に増加した値を示すことが分かった。
このことから酸化(+)型電磁場処理効果がある周波数は、前記プラス側の極大値を示すゼータ電位の変化量が0.5kHz及びその近傍と40kHz及びその近傍にあることが判明した。
また、酸化(+)型変調電磁場発生器を用いる変調電磁場処理装置と永久磁石(電磁石)との組合せにより更に被処理水に対する酸化力(+)を増加させることができる。詳細は後述の(D)で述べる。
なお、前記酸化(+)型変調電磁場処理装置コイル部2は前記還元(−)型装置と同じく図4〜図6と同じように、水配管外側にコイルを設置する方式、投げ込み式のコイル部を水槽内の被処理水内に配置する方式及び被処理水の外部に設けたコイル部から被処理水を照射する方式がある。
最も効率的な酸化(+)型変調電磁場処理は還元(−)型と同様に投げ込み式である。これは、コイルを巻いた電磁波を透過させる配管の材質等の影響を受けず、直接、電磁波を被処理水に作用させることが可能なためである。
酸化(+)型装置の用途は、被処理水を扱う配管又は水槽などの設備の壁面にスケール性付着物が形成される場合に適用できる。特に、カルシウムやマグネシウム系スケールに対して酸化(+)型の変調電磁場処理が有効である。また、下記(a)、(b)の用途でカチオン系薬剤の添加が必要な場合には、酸化(+)型変調電磁場処理が有効である。
(a)工場排水、生活排水、アンモニア含有水などの各種被処理水が流れる配管又は水槽を構成する壁面の浄化及び前記壁面の防錆、海生物の付着防止、配管の付着物による詰まり防止、アンモニア臭気の消臭
(b)残コンクリートの消泡、固液分離膜の延命
但し、腐食されやすい設備には防食を目的として還元(−)型変調電磁場処理が適している。
なお、還元(−)型変調電磁場処理ではむしろスケール除去に悪影響があった一般的水処理剤に多い(+)帯電性のカチオン系薬剤を含む被処理水に対して、酸化(+)型の変調電磁場処理を行うと、問題無くスケール除去が行える。これはむしろ、カチオン系薬剤添加と酸化(+)型変調電磁場処理との相乗作用によりカチオン系薬剤の注入率を低減させることができる。
酸化(+)変調電磁場処理の適用例を以下に説明する。
本実施例は図10に示す焼却炉16とその排ガス流路17の冷却設備における高濃度カルシウム(Ca)のスケール付着対策を行ったものである。図10の焼却炉16の壁面に設けたウオータージャケット及び焼却炉16から排出する排ガス流路17の壁面に設けたウオータージャケットを冷却する冷却水配管18を設ける。該冷却水配管18は井戸水が補給される補給水タンク20に戻された後、冷却塔21で冷却され、再び焼却炉16とその排ガス流路17の冷却に使用される。
補給水タンク20と冷却塔21との間の冷却水配管と補給水タンク20と焼却炉16との間の冷却水配管にコイル部2、2を設けた酸化(+)型変調電磁場発生器6、6を設ける。
変調電磁場処理をしない場合は、上記焼却炉16とその排ガス流路17の冷却設備では、井水中の全硬度が高く、使用する設備の井戸水と接する壁面にスケールが付着し易い(これをスケール性が高いという)水であったため、軟水器を用いてカルシウムやマグネシウムの硬度成分を予め除去していた。しかし、それでも冷却水の濃縮度が高い排ガス冷却部では「スケール性」が高かった。前記スケールはシリカスケールおよび軟水器からリークするカルシウム等の硬度成分によるスケールである。
井戸水はpH7.4、導電率350μS/cm、全硬度70mg/リットル、シリカ含有量35mg/リットルの物性を有し、冷却水はpH10.5、導電率5000μS/cm、全硬度900mg/リットル、シリカ含有量420mg/リットルであった。
酸化(+)型変調電磁場処理は配管内径100mmに巻いたコイル部2に1.0A、主要周波数40kHzの変調交流電流を流す条件で行った。
酸化(+)変調電磁場処理の開始前と処理後の焼却炉の冷却部におけるスケール付着状況を比較して図11及び図12に示す。
焼却炉16の冷却部における酸化(+)変調電磁場処理開始前のスケール付着状況を図11(a)(焼却炉16の冷却部上部)、図11(b)(焼却炉16の冷却部の側面)に示し、酸化(+)変調電磁場処理後のスケール付着状況を図12(a)(焼却炉16の冷却部の上部)、図12(b)(焼却炉16の冷却部の側面)にそれぞれ示す。処理開始前のスケールが著しく付着している状況であったのが、約3ヶ月間にわたり前記電磁場処理を実施した結果、図12に示すようにスケール付着物が除去されたことを確認した。
処理開始前と比較し、白色のCaスケール付着物は剥離・除去されているのが判る。また、酸化(+)変調電磁場処理の酸化・溶解作用により短期間でのスケール除去効果が確認された。
なお、還元(−)型変調電磁場処理を約3ヶ月間実施したがスケール付着防止に対しても無効であった。
(C)還元(−)・酸化(+)型変調電磁場発生器を用いる変調電磁場処理装置
図13に示すように、この変調電磁場処理装置は、前記還元(−)型変調電磁場発生器3と酸化(+)型変調電磁場発生器6を並列配置して各変調電磁場発生器3、6から切替器7を介して両方の変調電磁場発生器3、6に共通して使用できるコイル部2に通電させる構成である。
従って、還元(−)型変調周波数又は酸化(+)型変調周波数のいずれかの変調周波数を選択して使用できるので、被処理水の性質に応じて両方を切り替えて使用する。
例えば、既存設備におけるCa系やMg系のスケール付着が激しく、これらの成分からなるスケール除去を目的として酸化(+)型変調電磁場処理を行い、スケール除去がほぼ完了した時点で還元(−)型変調電磁場処理に切り替えて、配管などの壁面の鋼材の腐食を抑えることができる。特に、冷却設備等ではほとんどの場合、鋼材が使用されており、配管及び銅製熱交換器等に対しての腐食防止作用が効果的に行える。
(D)還元(−)型変調電磁場処理と酸化(+)型変調電磁場処理の違い
(D−1)机上試験(テストピース腐食試験)
この机上試験の目的は前記還元(−)型と酸化(+)型変調電磁場処理による還元力と酸化力を比較すること又はそれぞれ還元力と酸化力を高める方法を検討することである。
図14に示す容量15Lの水槽4に東京都上水を入れ、50mm×90mm×2mm厚のテストピース9を上水中に浸漬させ、本発明の投げ込み式コイル部2を用いる変調電磁場処理装置で上水の変調電磁場処理を行い、時間経過による水のORP(酸化還元電位)を測定する。鉄の腐食進行と共に上水のORPは低下するので、単位時間当たりのORP低下量が大きい程、テストピース9の腐食速度が大きいことを示す。
図15には下記表1の条件でテストピースの腐食速度の試験を行ったときのORPの6時間までの経過を示す。
[表1]
A : 還元(−)型変調電磁場処理 コイル電流値 3.50Aイ)
B : 酸化(+)型変調電磁場処理 コイル電流値 1.00Aロ)
C : B+永久磁石(MG)4000G(ガウス)(40kHz)ロ)
D : B+永久磁石(MG)6000G(ガウス)(40kHz)ロ))
E : コイル有りハ)+永久磁石(MG)4000G(ガウス)
F : コイル有りハ)+永久磁石(MG)6000G(ガウス)
G : コイル無し +永久磁石(MG)4000G(ガウス)

上記イ)は40kHz変調周波数、上記ロ)は0.5kHzの周波数を共通として、20,30,40,50,80,120kHzの全て又は単独又は任意の複数の周波数を選択する。上記ハ)はコイルに電流は流さない。
図15から明らかな通り、上水の変調電磁場処理をしていない場合(未処理:X)と比較して変調電磁場処理をした場合には、A〜Fの全ての処理方法にてテストピース9の腐食速度の増加が確認された。
還元(−)型と酸化(+)型の変調電磁場処理を比較すると、酸化(+)型変調電磁場処理の方が腐食速度が大きい。
両方(酸化(+)型と還元(−)型)の変調電磁場処理によるテストピース9の腐食速度は異なり、テストピース9の腐食速度が大きい方を本発明者らは、酸化(+)型変調電磁場処理と命名した。
図15によれば、変調電磁場処理と永久磁石を用いない場合(未処理:X)に比較して永久磁石(MG)(線F)、還元(−)型と酸化(+)型の変調電磁場処理(A、B)の方が腐食が進行している。また、酸化(+)型変調電磁場処理に永久磁石を付加させる(C、D)と、テストピース9の腐食速度は更に増加し、MG4000G(C)と6000G(D)では6000Gの方が腐食速度を増加させる。永久磁石単独で電磁波を照射した場合(G)も時間が遅れながら腐食性を示す。
さらに、コイルを巻いて永久磁石4000Gを付加させた場合(E)には初期の腐食速度は遅いが、時間が経過すると腐食速度が速くなる。これはコイル無しで永久磁石4000Gだけを用いた場合(G)も同じであった。ただし、コイルを巻いて6000Gの永久磁石を用いた場合(F)とコイルを巻いて4000Gの永久磁石を用いた場合(G)に比べて極端に腐食速度がおそくなる。
これらのことからに次のことが判明した。
1)永久磁石(MG)を併用することによって酸化(+)型変調電磁場処理の酸化力が促進される。
2)酸化(+)型変調電磁場処理に永久磁石を付加させる場合(C、D)は、コイルを巻いて永久磁石4000Gを付加させた場合(E)又はコイル無しで永久磁石4000Gだけを用いた場合(G)に比較して、腐食速度が早期に速くなり、より酸化促進効果が高い。
また、図16、図17及び図18は変調電磁場処理をしていない場合(未処理)と表1のA、Dの条件で20日間連続して変調電磁場処理した後のテストピース9の腐食の程度を示す写真である。
図16の未処理のテストピースでは腐食が進み、テストピース9の表面は柔らかい鉄水酸化物を形成している。下地が露出し易く、腐食進行しているのが判る。また、図17に示す還元(−)型変調電磁場処理後のテストピースでは下地には黒色を呈する強固な黒錆被膜が形成されていて、これは赤錆を還元して形成された黒錆であり、腐食が止まっていることを示している。この結果は図15で還元(−)型変調電磁場処理(A)では未処理(X)に比べてテスト開始後6時間では腐食が進んでいたのに対して20日間経過後は腐食の進行が停止することを示している。
また、図18に酸化(+)型変調電磁場処理と永久磁石(MG)を併用したテストピースの表面を示すが、変調電磁場未処理の場合と同様にテストピース9の下地が露出し易く、表面に形成されている鉄水酸化物量が少ない。これは上記酸化(+)型変調電磁場処理と永久磁石(MG)の併用による酸化力が強く、水への鉄溶解が進んだことを示すものであり、強いイオン化の作用を有することが判る。
次に前記酸化(+)型変調電磁場処理における周波数を変化させて最も酸化力の大きい周波数を求める実験を行った。
この実験は図14に示す水槽4に東京都上水15Lを入れて、その中に投げ込み式コイル部2を浸漬し、酸化(+)型変調電磁場処理装置に6000ガウスの永久磁石(MG)を併用して周波数を20、30、40、50、80及び120kHzにそれぞれ単独又はこれらの周波数を混合して上水を処理した場合の上水のORP(酸化還元電位)変化を試験した。
その結果を図19(a)の経過時間に対するOPR値と図19(b)の5時間後のORP値に示す。6000ガウスの永久磁石(MG)と併用した周波数を20、30、40、50、80及び120kHzとした場合の折れ線をそれぞれa、b、c、d、e、fで示し20Hz〜120kHzを図9に示すように組み合わせて出力した場合を折れ線gで示す。
図19に示すように、40kHzが最もORPが低下した。すなわち、酸化(+)型変調電磁場処理において酸化力を適用する場合は、約40kHz付近の単独周波数とMGを併用することで更に強い酸化作用を得ることができることが判った。なお、20〜120kHzの混合時はそれぞれの周波数を単独で処理した場合のほぼ平均値となっていることからも周波数による酸化力の違いを示すものと考えられる。
なお、0.5kHzの周波数での酸化力については図19(a)には示していない。
(D−2)机上試験(乾燥液滴界面視察によるラボテスト)
本出願人の特許である特許第3247942号公報に記載の変調電磁場処理が対象とする被処理水に有効に作用するか否かを机上試験(ラボテスト)で行う方法を紹介した。
前記ラボテストは、経過時間に対して周波数が変化する方形波の交流電流を流すコイルを巻いたテスト流路中に結晶化可能な物質を含む被処理水を流した後、該被処理水の水滴試料をガラス板上で乾燥させる際に水滴界面付近へ結晶が集合性を有する場合を「スケール性有り」と判定し、前記界面への結晶集合性を失って小粒子化する場合を「スケール性消失」と判定するものである。
(1)コイル部投げ込み式照射処理の検証
(a)本実施例の還元(−)型の変調電磁場発生器を用いて、試料としてビール工場の洗たる洗浄設備で用いた次のような物性を有するアルカリ洗浄排水について、図20に示すガラスパイプに本実施例の還元(−)型の変調電磁場発生器3に接続したコイル(コイル部2)を巻き付けておき、これにコイル電流2.0Aで1回、3回、5回の通液テストを行い、通液していない未処理液と比較するテストを行った。
前記比較テストは試料をガラス板上に滴下し、乾燥させた後、界面部の結晶状況を顕微鏡を用いて確認する。
アルカリ洗浄排水:pH9.8、 導電率2.5mS/cm、全硬度300mg/リットル、シリカ30mg/リットル、全鉄5mg/リットル
(b)また、コイル部投げ込み式に変形して上記還元(−)型の変調電磁場発生器3を用いて前記ビール工場の洗たる洗浄設備で用いた500mリットルのビーカー内のアルカリ洗浄排水について図5に示す照射試験を2秒間、5秒間及び10秒間行った。前記通液テストと同様にガラス板に滴下し、乾燥させた後、界面部の結晶状況を確認する。
図20に示す通液処理方法を行い、図21(a)、図21(b)、図22(a)及び図22(b)にそれぞれ通液未処理、通液処理を1回、3回及び5回行った結果の顕微鏡写真を示し、図23(a)、図23(b)及び図24にそれぞれ図5に示すコイル部投げ込み式の照射処理を2秒間、5秒間、10秒間行った結果の顕微鏡写真を示し、その試験結果を表2に示す。
Figure 0004305855
上記アルカリ洗浄排水が強い結晶の(+)帯電性を有するため、還元(−)型変調電磁場処理にてスケール性を消失させるにはコイル電流値を増加させて対処する方法の他に通液回数を増加させたり、投げ込み式照射時間を長くする方法を用いることが可能である。
(2)被処理水の(−)・(+)帯電性の薬品との併用効果の確認
還元(−)型変調電磁場処理に対して同じく(−)帯電性を有する薬品を併用処理すると相乗効果を生むことが判っている(特開2001−259691号公報)。
次の(−)帯電性薬品を用いて図20に示す通液を行う机上試験を行い、得られた液滴の乾燥物の界面の顕微鏡写真による判定における酸化(+)型変調電磁場処理の影響を確認する。
使用薬品:(株)片山化学工業研究所製スケール洗浄剤OSC−1(主成分:ホスホン酸系)
還元(−)型変調電磁場処理条件:コイル電流値1.0A
酸化(+)型変調電磁場処理条件:コイル電流値1.0A
還元(−)型、酸化(+)型ともそれぞれ20Hz〜120kHzの混合周波数からなる変調電磁波を用いた。
被処理水:東京都上水に上記薬品100ppmを添加し、図20の通液試験を行った。
図20に示す通液処理方法を行い、図25(a)、図25(b)、図26(a)及び図26(b)にそれぞれ還元(−)型変調電磁場処理を通液未処理、通液処理を1回、3回及び5回した結果の顕微鏡写真を示し、図27(a)、図27(b)、図28(a)及び図28(b)にそれぞれ酸化(+)型変調電磁場処理を通液処理を1回、3回、5回及び7回行った結果の顕微鏡写真を示し、その試験結果を表3に示す。
Figure 0004305855
以上のように既知の(−)帯電性薬品を含有する被処理水には酸化(+)型変調電磁場処理を行うと、界面(設備壁面)に結晶が集合して(+)帯電作用があることが明らかとなった。従って、このような(−)帯電性薬品を含有する被処理水には還元(−)型変調電磁場処理を行うと効果的であり、逆に(+)帯電性薬品を含有する被処理水には酸化(+)型変調電磁場処理を行うと効果的であることが分かった。
従来、被処理水中に含まれる水処理薬剤等の影響を受け、変調電磁場処理装置を適用しても設備壁面へのスケールの付着を助長させるか、効果がないことがあったが、被処理水中に含まれる薬剤が(−)アニオン性であっても(+)カチオン性であっても、それぞれに適した変調電磁場処理装置を選択して使用することにより対処することが可能となった。
また、付着障害を抱えるあらゆる被処理水含有設備に対して本実施例の還元(−)型又は酸化(+)型変調電磁場処理装置のいづれかを選択して適用することで該被処理水に含まれる成分が(−)アニオン性であっても(+)カチオン性であっても対応可能となる。
[ゼータ電位の測定]
図3は、図1に示す回路を有する還元(−)型電磁場処理装置と図7に示す回路を有する酸化(+)型電磁場処理装置を用いて周波数を変化させたときの酸化チタン微粒子を含む塩化カリウム水溶液のゼータ電位の変化を示すグラフである。
その際の実験条件は以下の通りである。
(1)ゼータ電位測定装置:大塚電子(株)製の電気泳動光散乱光度計ELS−800
(2)試料、溶質:酸化チタンのコロイド粒子(粒径100〜200μm)
溶媒:10mモルのKCl水溶液
調整液:pH5.5
温度:25℃
(3)変調電磁場発生器:
(a)図1に示す回路を有する還元(−)型装置を用いてコイル電流を1.0アンペアで図2に示す電磁場強度と周波数の関係を示す変調電磁場を発生させる。
(b)図7に示す回路を有する酸化(+)型装置を用いてコイル電流を1.0アンペアで図8に示す電磁場強度と周波数の関係を示す変調電磁場を発生させる。
(4)実験方法は図33に示すようにコイル部2(コイルを20回巻き付けた塩化ビニル配管)の内部空間に前記粒子を含む試料を入れたビーカ24を挿入した後、変調電磁場処理装置3又は6からコイル部2に後述の周波数で1.0アンペアの電流を1分間流して処理をした。その後、ビーカー24内の粒子を含む試料を低部に設けた流出管25からゼータ電位測定装置26内に送り出してゼータ電位を測定した。
なお、還元(−)型装置と酸化(+)型装置共に同一条件で測定した。
コイルに流す電流の主要周波数は、0.5、20,40,60,80,・・・及び120kHzで行った。
また、還元(−)型装置と酸化(+)型装置による電磁場処理をしない場合にも、ビーカー24内の粒子を含む試料を低部に設けた流出管25からゼータ電位測定装置26内に送り出してゼータ電位を測定した。
(5)実験結果
還元(−)型装置と酸化(+)型装置を用いて各周波数とゼータ電位の変化量の関係を図3に示す。なお、図3のゼータ電位の変化量は変調電磁場処理を行わない場合(未処理時)のゼータ電位に対する変化量である。
還元(−)型装置による処理では図2に示す5kHz付近に主要周波数を有する処理を行うことでゼータ電位の変化量がマイナス性を示す(負側になる)。
また、酸化(+)型装置による処理では図に示す0.5kHz付近又は0.5kHz付近とともに20,40,60,80,120kHz付近に主要周波数を有する処理を行うことでゼータ電位の変化量はプラス性を示す(正側になる)ことが多い。最も(+)帯電性を強く示したのは、0.5kHz付近の周波数だけで電磁場処理した場合であった。
なお、図3に示したデータは5回の測定値の平均値である。
19(b)に示すように酸化(+)型変調電磁場処理は、0.5kHzと40kHz付近に主要周波数を有する処理が最も水のORP値(5時間後の値)の低下傾向が大きく、鉄テストピースからの鉄イオンが水中に溶出することに伴って酸化速度が増加することが確認されている。この事実と上記酸化(+)型変調電磁場処理でのゼータ電位の変化量が0.5kHzと40kHz付近に主要周波数を有する処理においてプラス性が有することが確認された点から鉄テストピースの表面電位を(+)性、すなわち電子を鉄から奪う反応を伴う「酸化反応」が促進させる作用が酸化(+)型変調電磁場処理にあると推定される。
このように還元(−)型又は酸化(+)型変調電磁場処理によってゼータ電位が変化する、その変化量のマイナス性又はプラス性は従来から本発明者が行っていた机上試験(ラボテスト)で得られたカチオン性又はアニオン性薬剤の影響との相関性とも良く合致していることが判明した。すなわち特有の主要周波数を中心に周波数を変化させる変調電磁場処理により、「界面(表面)電位」を変化させることが可能であり、その「界面(表面)電位」を還元(−)型型変調電磁場処理によって(−)側に、また酸化(+)型変調電磁場処理によって(+)側に変化させることができることを見出した。
なお、ゼータ電位が変化する要因としては被処理水のpH及び水中に含まれる物質があり、例えばpHに関しては被処理流体中に水酸基が多く含まれれば、含まれる程、前記極大値を示すゼータ電位が小さくなる。
また、本発明の還元(−)型及び酸化(+)型変調電磁場処理のいずれの処理でも被処理水中の粒子が結晶形成時において同符号反発の条件(例えば(−)帯電粒子同士の反発)ではより小粒子の結晶を形成し易く、この小粒子化に応じて当該粒子表面の電位(ゼータ電位)が小さくなる。
すなわち、被処理水中の(+)イオン濃度が高い場合には、本来、粒子表面電位は(+)帯電性が高いが、それにもかかわらず、粒子が結晶を形成する時に小粒子化することに伴い、その表面電位(ゼータ電位)は低下して電位は「ゼロ」に近づく。同様に被処理水中の(−)イオン濃度が高い場合には、本来粒子表面電位は(−)帯電性が高いが、それにもかかわらず、粒子の結晶形成時に小粒子化することに伴い、その表面電位(ゼータ電位)は更に低下する。
酸化チタン粒子は本発明の変調電磁場処理での結晶形成時に小粒子化する傾向にあるので、この酸化チタン粒子の小粒子化によりゼータ電位の前記変化量も影響を受けることが考えられる。
本発明により、(−)帯電性であっても、(+)帯電性であっても、(a)あらゆる種類の被処理水に対して変調電磁場処理でスケール付着防止、スケールの除去をはじめとする不具合に対処できる可能性が高くなり、(b)工場排水、生活排水、アンモニア含有水などの各種被処理水が流れる配管又は水槽を構成する壁面の浄化に利用され、該壁面の防錆、海生物の付着防止、配管の付着物による詰まり防止、アンモニア臭気の消臭に利用でき、(c)残コンクリートの消泡、固液分離膜の延命作用などにも利用可能である。
還元(−)型変調電磁場発生器の回路図である。 図1の還元(−)型変調電磁場発生器による電磁場強度と周波数との関係図である。 酸化(+)型と還元(−)型の変調電磁場発生器を用いる塩化カリ水溶液中の酸化チタン微粒子の基準値(未電磁場処理水中の酸化チタン微粒子のゼータ電位=ゼロ)との差異と周端数との関係を示す図である。 被処理水配管の外側にコイルを設置する還元(−)型変調電磁場処理装置の構成図である。 投げ込み式のコイル部を有する還元(−)型変調電磁場処理装置の構成図である。 外部照射方式のコイル部を有する還元(−)型変調電磁場処理装置の構成図である。 酸化(+)型変調電磁場発生器を用いる変調電磁場処理装置の 酸化(+)型変調電磁場発生器を用いる変調電磁場処理装置の回路図である。 図7の酸化(+)型変調電磁場発生器による電磁場強度と周波数との関係図である。 酸化(+)型変調電磁場発生器を用いて3種類の周波数信号を20ms毎の時間間隔で組み合わせて使用した場合の電磁場強度の時間変化を示す図である。 焼却設備の冷却設備における酸化(+)変調電磁場処理の適用例の構成図である。 図10の焼却炉の冷却部における酸化(+)変調電磁場処理の開始前のスケール付着状況を示す写真図である。 図10の焼却炉の冷却部における酸化(+)変調電磁場処理の処理後のスケール付着状況を示す写真図である。 還元(−)型と酸化(+)型変調電磁場発生器を切り替えて用いる変調電磁場処理装置の構成図である。 還元(−)型と酸化(+)型変調電磁場処理の違いをテストする装置の構成図である。 図14のテストで得られたテストピースの腐食速度を示す図である。 図14のテストで得られたテストピースの腐食の程度を示す写真図である。 図14のテストで得られたテストピースの腐食の程度を示す写真図である。 図14のテストで得られたテストピースの腐食の程度を示す写真図である。 酸化(+)型変調電磁場発生器と永久磁石を併用した場合の周波数と酸化力との関係を示す図である。 変調電磁場処理の有効性をテストする机上試験を説明する図である。 図20の通液式還元(−)型の変調電磁場発生器を用いて行った机上試験で得られた液滴の乾燥後の界面部の顕微鏡写真を示す図である。 図20の通液式還元(−)型の変調電磁場発生器を用いて行った机上試験で得られた液滴の乾燥後の界面部の顕微鏡写真を示す図である。 コイル部投げ込み式還元(−)型の変調電磁場発生器を用いて行った机上試験で得られた液滴の乾燥後の界面部の顕微鏡写真を示す図である。 コイル部投げ込み式還元(−)型の変調電磁場発生器を用いて行った机上試験で得られた液滴の乾燥後の界面部の顕微鏡写真を示す図である。 (−)帯電性を有する薬品を併用した図20の通液式還元(−)型の変調電磁場発生器を用いて行った机上試験で得られた液滴の乾燥後の界面部の顕微鏡写真を示す図である。 (−)帯電性を有する薬品を併用した図20の通液式還元(−)型の変調電磁場発生器を用いて行った机上試験で得られた液滴の乾燥後の界面部の顕微鏡写真を示す図である。 (−)帯電性を有する薬品を併用した通液式酸化(+)型の変調電磁場発生器を用いて行った机上試験で得られた液滴の乾燥後の界面部の顕微鏡写真を示す図である。 (−)帯電性を有する薬品を併用した通液式酸化(+)型の変調電磁場発生器を用いて行った机上試験で得られた液滴の乾燥後の界面部の顕微鏡写真を示す図である。 還元(−)型変調電磁場処理法により被処理水用配管の内壁等にスケールが付着するのを防止するメカニズムを示す図である。 還元(−)型変調電磁場処理により発生する渦電流の原因となる誘導電場とその誘導電場が極大値となり、これが電子供与帯として還元状態となることを説明する図である。 酸化(+)型変調電磁場処理法により被処理水用配管の内壁等にスケールが付着するのを防止するメカニズムを示す図である。 被処理水用配管の内壁等にスケールが付着するメカニズムを説明する図である。 変調電磁場処理により粒子のゼータ電位の変化量を測定した結果を示す図である。
符号の説明
1 被処理流体配管 2 コイル部
3 還元(−)型変調電磁場発生器
4 水槽 5 コイル専用ケース
6 酸化(+)型変調電磁場発生器
7 切替器 9 テストピース
11、12 分周器 13 波形ゼネレータ
14 電力増幅器 16 焼却炉
17 排ガス冷却配管 18 冷却水配管
20 補給水タンク 21 冷却塔
24 ビーカ 25 流出管
26 ゼータ電位測定装置

Claims (12)

  1. 被処理流体照射用のコイル部と、該コイル部に20Hz〜1MHzの帯域で周波数が時間的に変化する交流電流を流す還元(−)型変調電磁場発生器と、コイル部に20Hz〜1MHzの帯域で周波数が時間的に変化する交流電流を流す酸化(+)型変調電磁場発生器と、前記2つの変調電磁場発生器と前記コイル部との間に前記2つの変調電磁場発生器のいずれかを作動させるための切替器を備えたことを特徴とする変調電磁場処理装置。
  2. 被処理流体照射用の永久磁石と、被処理流体照射用のコイル部と、該コイル部に20Hz〜1MHzの帯域で周波数が時間的に変化する交流電流を流す酸化(+)型変調電磁場発生器とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の変調電磁場処理装置。
  3. コイル部は、(a)被処理流体が流れる流体流路の表面に巻き付けたコイル、(b)被処理流体中に浸漬したコイル設置部材表面に巻き付けたコイル又は(c)被処理流体が流れる流体流路の近傍に配置したコイル設置部材表面に巻き付けたコイルの内の少なくとも一つのコイルを備えたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の変調電磁場処理装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の変調電磁場処理装置を用いて行う被処理流体の流路又は被処理流体を貯める貯留槽の壁面の錆び、スケール、その他の成分の付着防止及び/又は除去を行うことを特徴とする変調電磁場処理方法。
  5. ニオン系薬剤、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム又は水酸化ナトリウムの少なくともいずれかを含有又は添加した被処理流体又はカチオン薬剤を除いた被処理流体に還元(−)型変調電磁場発生器を用いる変調電磁場処理をし、一方、カチオン系薬剤を含有又は添加した被処理流体又はアニオン系薬剤、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び水酸化ナトリウムを除いた被処理流体に酸化(+)型変調電磁場発生器を用いる変調電磁場処理をすることを特徴とする請求項4記載の変調電磁場処理方法。
  6. 還元(−)型変調電磁場発生器により、周波数が時間的に変化する方形波の交流電流を流すコイルを巻いたテスト流路中に前記被処理流体を流した後、該流体を乾燥させ、乾燥後にできる結晶体粒径が小粒子化すること及び流体乾燥物の界面付近への結晶体の集合性を失うことを確認して、前記被処理流体の変調電磁場処理の効果の程度を判定する被処理水の机上試験を行い、
    その机上試験法による判定結果が良くない場合には、前記被処理流体中にカチオン系薬剤が含まれていると、これを除いた後に該流体に対して還元(−)型変調電磁場発生器を用いて変調電磁場処理をする、又はカチオン薬剤が含まれない状態で前記被処理流体にアニオン系薬剤、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム又は水酸化ナトリウムの少なくともいずれかを添加した後に該流体に対して還元(−)型変調電磁場発生器を用いて変調電磁場処理をすることを特徴とする請求項5記載の変調電磁場処理方法。
  7. 還元(−)型変調電磁場発生器を作用させて前記被処理流体に変調電磁場処理を施す場合には前記被処理流体に変調電磁場処理を施した場合の該被処理流体中の粒子のゼータ電位の変化量が変調電磁場処理を施していない粒子のゼータ電位に比較してマイナス側に極大値を示す周波数及びその近傍の周波数領域で該被処理流体に対して変調電磁場処理をすることを特徴とする請求項5又は6に記載の変調電磁場処理方法。
  8. 4,000〜6,000Hzとその近傍の周波数領域で前記被処理流体に対して前記変調電磁場処理をすることを特徴とする請求項7記載の変調電磁場処理方法。
  9. 酸化(+)型変調電磁場発生器により、周波数が時間的に変化する方形波の交流電流を流すコイルを巻いたテスト流路中に前記被処理流体を流した後、該流体を乾燥させ、乾燥後にできる結晶体粒径が小粒子化すること及び流体乾燥物の界面付近への結晶体の集合性を失うことを確認して、前記被処理流体の変調電磁場処理の効果の程度を判定する被処理水の机上試験を行い、
    その机上試験法による判定結果が良くない場合には、前記被処理流体中にアニオン系薬剤、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム又は水酸化ナトリウムが含まれると、これらの薬剤又は化合物を除いた後に、該流体に対して酸化(+)型変調電磁場発生器を用いて変調電磁場処理をし、又はアニオン系薬剤、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び水酸化ナトリウムが含まれない状態で該流体にカチオン系薬剤を添加した後に、該被処理流体に対して酸化(+)型変調電磁場発生器を用いて変調電磁場処理をすることを特徴とする請求項5記載の変調電磁場処理方法。
  10. 酸化(+)型変調電磁場発生器を作用させて前記被処理流体に変調電磁場処理を施した場合の該被処理流体中の粒子のゼータ電位の変化量が変調電磁場処理を施していない粒子のゼータ電位に比較してプラス側に極大値を示す周波数及びその近傍の周波数領域で該被処理流体に対して前記変調電磁場処理をすることを特徴とする請求項5記載の変調電磁場処理方法。
  11. 500Hzとその近傍及び40kHzとその近傍の周波数領域で前記被処理流体に対して変調電磁場処理をすることを特徴とする請求項10記載の変調電磁場処理方法。
  12. 処理流体照射用の永久磁石の存在下で、500Hzとその近傍及び40kHzとその近傍の周波数領域で前記被処理流体に対して変調電磁場処理をすることを特徴とする請求項5記載の変調電磁場処理方法。
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