JP4116002B2 - 被処理水の机上試験方法と流体流路を構成する壁面の錆び、スケール、その他の成分の付着防止及び/又は除去方法 - Google Patents

被処理水の机上試験方法と流体流路を構成する壁面の錆び、スケール、その他の成分の付着防止及び/又は除去方法 Download PDF

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本発明は、流体流路を流れる流体を変調電場処理することで、流体流路を構成する壁面の錆び、スケール、その他の成分の付着を防止及び/又は除去する方法と装置に関する。
従来から各種流体、例えば使用済みの工業用水、工場排水、生活排水などの流体の流路、例えば配管の壁面が錆びたり、スケールなどが付着して、場合によっては流体流路が詰ってしまうことがあった。
そこで、本発明者らは、流体流路を流れる流体を変調電場処理することで、流体流路を構成する壁面の防錆方法、該壁面に海生物が付着すること及び/又は除去する方法、前記流体流路を流れる油含有排水により前記流路壁面が詰ること等を防止する方法を開発し、特許出願(特願平11−15192号=特許第3247942号)を行った。また、本出願人は米国特許第5,074,998号において、すでに流体流路を流れる流体を変調電場処理することで、流体流路を構成する壁面に付着物が付くことを防ぐ方法、該壁面に付いた付着物を除く方法について特許を取得している。
特許第3247942号公報 米国特許第5,074,998号明細書
前記本発明者らの特許出願に係る発明では、流体流路を流れる流体を変調電場処理することにより、効果的に流体流路を構成する壁面の防錆等の処理が行われるが、流体の種類によっては目的とする処理が十分でない場合、または目的とする処理がほとんどできない場合があった。
また、前記本発明者らの特許出願に係る発明では、変調電場処理の効果を促進することについては配慮がされていなかった。
そこで、本発明の課題は前記本発明者らの先の出願発明の問題点を解決し、変調電場処理を能率良く、またその効果を促進させること及び変調電場処理を阻害する原因を究明し、解決策を講じる方法と装置を提供することである。
本発明の上記課題は、次の構成によって解決される。
請求項1記載の発明は、流体流路を構成する壁面の錆び、スケール、その他の付着を防止及び/又は除去する流体の変調電場処理の効果を試験するための被処理水の机上試験方法において、周波数が時間的に変化する方形波の交流電流を流し、該電流により流体内に変調電場を誘起させるコイルを巻いた傾斜状に配置したパイプの内部に前記流体流路内に流す流体と同じ流体を通過させ、該パイプ内を通過した前記変調電場処理がなされた流体の一部をガラス板上に滴下させた後に、常温乾燥させ、乾燥されたガラス上の乾燥体の界面部における変化を顕微鏡で確認して、前記流体の変調電場処理の効果の程度を判定することで、前記流体の変調電場処理の効果を試験するための被処理水の机上試験方法である。
請求項記載の発明は、第一の流体流路または該第一の流体流路に導入する流体用の第二の流体流路の表面にコイルを巻きつけ、該コイルに周波数が時間的に変化する方形波の交流電流を流し、コイルに流れる電流により誘起される変調電場により前記第一の流体流路又は第二の流体流路を流れる流体を処理することにより前記第一の流体流路を構成する壁面の錆び、スケール、その他の成分の付着防止及び/又は除去方法において、請求項1記載の被処理水の机上試験方法を行い、その机上試験方法による結果が良くない場合には、さらに前記第一の流体流路又は第二の流体流路を流れる流体に対する変調電場処理用の電力の出力を上げた後に前記変調電場処理を行う被処理水の第一の流体流路を構成する壁面の錆び、スケール、その他の成分の付着防止及び/又は除去方法である。
上記被処理水の机上試験方法と装置が用いられる流体流路の錆び、スケール、その他の成分の付着の防止及び/又は除去方法と装置は次のような構成である。
被処理流体が流れる第一の流体流路または該第一の流体流路に導入する流体用の第二の流体流路の表面にコイルを巻きつけ、該コイルに経過時間に対して電流値が異なり、かつ周波数が時間的に変化する方形波の交流電流を流し、コイルに流れる電流により誘起される変調電場により前記第一の流体流路又は第二の流体流路を流れる流体を処理することにより前記第一の流体流路を構成する壁面の錆び、スケール、その他の成分の付着を防止及び/又は除去する方法において、次のような処理を行う。
(a)流体の前記変調電場処理を阻害するカチオン系薬剤又はその他の前記変調電場処理阻害物質(浮遊物質など)を除いた後に前記変調電場処理を行う。
(b)流体の前記変調電場処理を促進するアニオン系薬剤を添加した後に前記変調電場処理を行う。
(c)流体の前記変調電場処理を促進する炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム又は水酸化ナトリウムを添加した後に前記変調電場処理を行う。
(d)前記(b)及び(c)の処理と共に又はこれとは別に前記変調電場処理用の電流値などの出力を上げる。
次に、例えば、被処理水用配管の内壁等にスケールが付着するメカニズムと本発明の変調電場処理法により被処理水用配管の内壁等にスケールが付着することを防止するメカニズムについて説明する。
まず、被処理水用配管の内壁等にスケールが付着するメカニズムを説明する。図26に示すように被処理水に接する配管の内壁、貯槽内壁等の表面はマイナスに帯電している。被処理水中で、飽和条件下にあるスケール成分が析出して生成するスケール結晶体の表面は、通常プラスに帯電する。この互いに異符号(プラスとマイナス)の電位間の電気的引力によって前記内壁等の表面にスケール成分が付着する。
前記スケール成分は被処理水中に含まれる無機化合物が主体であり、CaCO(炭酸カルシウム)、CaSO(硫酸カルシウム)である。ただし、単体無機化合物としてのスケール結晶体はほとんど無く、例えばシリカスケールではSiO(シリカ)を主体として、Ca、Mg、Al等の金属類を含み、共有結合またはイオン結合している。また、CaCO単結合としてのスケール結晶体は少なく、ほとんどが10〜100個またはそれ以上の結晶の集合体である。前記結晶の集合体を形成する力は前述の電気的引力、又は水和力によって生じる。
また、被処理水中に溶解するCa2+、Fe3+等の陽イオンの量が多いほど、同時に形成されたスケール結晶体の表面のプラス帯電力が増し、また、上記結晶の集合体の濃度も増加してスケール成長性も高くなる。
次に、変調電場処理法により被処理水用配管の内壁等にスケールが付着するのを防止するメカニズムを図1に示す。前述のように、被処理水と接する配管内壁、貯槽内壁等の表面はマイナスに帯電しているが、変調電場処理された水中で形成されるスケール結晶体の表面は、図1に示すように中性またはマイナスに帯電する。この同符号電位間の電気的斥力によって、反発力を生じて、前記内壁表面などへのスケール付着を防止する。また、このとき、スケール結晶体同士も反発力によって分散し、スケール成長性を抑制し、小粒子化した結晶が多くできやすい。
また、変調電場処理した水の浸透性が増加するに伴い、スケール結晶体内部での結晶体の溶解と再結晶化及びスケール結晶体表面のマイナス帯電による反発力によってスケール結晶体は小粒子化され、そのため分散されやすくなる。こうして被処理水の高流速部では小粒子化した結晶が流下除去され易くなり、低流速部ではそれらが沈降・堆積しやすくなる。
また、硬質のスケール、例えばシリカ主体のスケール結晶体は、そのスケール表面が平滑であればあるほど、変調電場処理水の浸透力を阻害させ、その軟化及び除去に長い時間を要する。また、被処理水のpHが低いほど、また温度が低いほど、スケール除去又はスケール軟化に時間がかかる。しかし、硬質のスケールであっても、通常の凹凸面を有するスケールの場合は、本発明の変調電場処理で容易に軟化又は除去できるものが多い。
軟質スケール、例えばFe(OH)3、Ca(OH)2等は水和物(Fe(OH)3・nH2O)としてスケールを形成し、本発明の変調電場処理水と前記水和物内の水分子との置換が阻害され易く、スケール除去効果が小さい。また軟質スケールが他のスライム防止剤または防食剤として用いられるポリマー薬剤により付着物を形成している場合も本発明の変調電場処理を阻害しやすい。
本発明の変調電場処理は好ましくは10Hz〜10MHz、より好ましくは100Hz〜1MHzの帯域で周波数が時間的に変化する方形波の交流電流を流すコイルを流体流路に巻き付けて行う。
また、本発明の変調電場処理により鉄製の装置壁面に黒錆が生成するメカニズムについて以下説明する。
本発明の変調電場処理により発生する渦電流の原因となる誘導電場Eが図2(a)に示すように形成され、その誘導電場Eが図2(b)に示すように極大値となり、これが電子供与帯として還元状態となる。
水中の溶存酸素は次式に従ってOHイオンとして働き、つぎの反応式のように黒錆が生成する。黒錆が生成すると、以後壁面の腐食が進行しないので、黒錆は防食作用がある。
2+2H2O+4e→4OH
Fe23(赤錆)→Fe34(黒錆)
なお、本発明の変調電場処理によって帯電する箇所は水中における水−スケール結晶、水−ガス(空気等)、水−配管内壁等、水−油分等の界面等である。
また、本発明は上記各方法の発明を実施するための装置も含む。
本発明の変調電場処理による各種装置内でのスケール防止、スケールの除去及び各種装置の腐食防止、油含有排水の流路の詰まり防止、各種流体流路の壁面への海生物付着防止等の効果を有効に作用させるための諸方法と、その効果確認方法について、以下に説明する。
本発明の変調電場処理法を実効性のあるものにするためには、本発明の机上試験方法で当該変調電場処理による効果の確認をした上で、本発明の変調電場処理を実機で行うことが望ましく、その実例について説明する。
(1)未処理水
未処理水を図3に示す机上試験装置に通過させ、机上試験装置用の被処理液を調整する。 机上試験は、パイプ1に巻いたコイル2に、経過時間に対して電流値の異なる交流電流(出力0.14Aから25Aの間で変化、周波数10Hz〜10MHz)を流して電磁波を変換器3で発生させた状態で、ボトル4内の被処理水をパイプ1を通過させることにより行う。
前記机上試験装置で処理した被処理水をビーカ5で受け取り、その一部をガラス板6(図4)上に滴下させて常温乾燥し、乾燥した試料の界面部における結晶体の変化を顕微鏡で確認して、変調電場処理効果の程度を判定する。
なお、実機条件において高温下である場合には前記机上試験でも実機と同一条件となるように加温等を行い、同様の判定を行う。
(2)実機処理水
直接ガラス板上に処理水を滴下させ、常温乾燥させる。次いで乾燥した試料の界面部での結晶体等の変化により変調電場処理効果の判定をするのは未処理水の場合と同様である。実機処理条件下に類似する処理により装置を選定の上、再度、机上処理液を調整し、変調電場処理出力不足等の確認及び変調電場処理を阻害するカチオン系薬剤等の薬剤、浮遊物質などの不純物の残留の有無を確認し、適切に対応した後実機で処理を再開することが必要である。
また変調電場処理出力は机上試験の結果と実機の条件を勘案して適切な出力を設定する。
本発明者らは薬剤が被処理水中に混入している条件で本発明の変調電場処理を行った場合、変調電場処理効果が発揮されなかったり、逆作用を及ぼす場合があることについて、その原因を見いだすべく、鋭意検討した結果、特定の薬剤が被処理水中に含まれる場合に、被処理水の変調電場処理が阻害されることを発見した。また他の特定の薬剤を添加すると、被処理水の変調電場処理が促進されることを発見した。
被処理水の変調電場処理を阻害させる薬剤として、次のような種類のものがあった。
1.界面活性剤(カチオン系)
2.高分子剤 (カチオン系)
3.清缶剤(ボイラー)
4.スケール防止剤
5.防食剤(リン酸塩系、カチオン系高分子を含む)
6.スライム防止剤
7.帯電防止剤
8.リンス剤(乾燥仕上剤)
9.床ワックス剤
10.その他、消泡剤(シリコーン系)、海生物付着防止剤等
被処理水の変調電場処理を阻害させる前記薬剤に共通する性質を見極めることができれば、当該性質を有する薬剤を被処理水から除去した後に変調電場処理を行うことで、効果的に変調電場処理を行うことができる。
例えば、前記スライム防止剤である第四級アンモニウム塩はプラスに帯電していることは周知のことである(鈴木静夫著「冷却水の障害と処理」(株)コロナ社、昭和43年発行参照)ので、前記薬剤は固体表面電位をプラスに帯電させる「カチオン系」薬剤であると考えられる。
前記カチオン系薬剤が防食剤として機能する場合には、次のようなメカニズムに基づくものと考えられる。
すなわち、カチオン系薬剤がマイナスに帯電する流体配管内壁をプラスに帯電させる共に、スケール結晶体表面のプラス荷電力を高め、プラス(流体配管内壁)対プラス(スケール結晶体)の反発力によって流体配管内壁面にスケールが付着するのを防止する。また、スケール結晶間の反発力によってスケール結晶体の成長性も抑制する。すなわち、上記防食剤の腐食防止作用は本発明の変調電場処理作用でスケール結晶体をマイナスに帯電させて、マイナス帯電の流体配管内壁と反発させることで防食させることとは正反対の帯電作用に基づくものである。
処理対象水の変調電場処理を阻害させる薬剤は、上記したようにメカニズムによりスケール結晶体をプラスに帯電させる薬剤であると推定し、本発明ではこれらの列挙した1.〜10.の薬剤をカチオン系薬剤であると定義する。
従って、本発明の変調電場処理作用で流体配管内壁面へのスケール付着及び/又は除去を図るためには、予め前記カチオン系薬剤を除去しておくか、これらの薬剤注入を停止するのが有効である。ただし、製造工程において不可欠な薬剤であり、先の3〜10の薬剤でなければ変調電場処理装置の出力の高い機種を選定し、先に述べた顕微鏡による机上試験による効果確認を実施し、界面変化等良好であると判定されれば、その場合は本発明の変調電場処理作用を阻害する薬剤の影響が無くなったと考えられるので、そのとき条件の合致した変調電場処理装置の出力で処理を行うことができる。
処理対象水の変調電場処理を阻害させる上記薬剤の主なものについて、以下説明する。
1.界面活性剤
界面活性剤はカチオン性(プラス)、アニオン性(マイナス)及びノニオン性界面活性剤に分別されるが、泡切れがよい、手に着かない等のコマーシャルで、よく耳にする洗剤の大部分はアニオン系界面活性剤であり、変調電場処理装置への阻害作用の無いものである。皿、コップ、手などは負(マイナス)に帯電しているのでアニオン系洗剤を使用すると水洗いしやすい。旧世代の洗剤はカチオン系のものであり、現在、家庭用にはほとんど使用されなくなったが、工業用には、まだ使用しているところが見られる。
2.スケール分散剤
キレート剤、ヘキサメタリン酸ソーダなどであるが、マイナスに帯電する配管内壁をプラス帯電させると共に、スケール結晶体表面のプラス荷電力を高め、プラス−プラスの反発力によってスケール付着を防止する薬剤である。また、スケール結晶間の反発力によって、スケール結晶の成長性も抑制する。
3.スライム防止剤
塩素剤に代表される抗菌力、また第4級アンモニウム塩の有する殺菌力は負に帯電する細菌、藻類等に良く吸着しやすいが、これは、スライム防止剤が正の荷電を有しているためである。スライム防止剤を過剰に注入すると、その強力な酸化作用が被処理水中に残留するために腐食障害を起こすおそれがある。
4.防食剤
重合リン酸塩類や高分子類等からなり、リン酸またはポリマー被膜を生成して、防食効果を得るものである。ただし、過剰に注入すると、スケール防止剤中のヘキサメタリン酸と同様なリン酸カルシウムの生成があるだけでなく、加水分解で生成されたリン酸イオンは細菌類の必須栄養源となり、スライム生成による障害が生じることもある。
また、前記スライム防止剤を用いる場合、その強い酸化力によって、鋼材腐食が促進するため、防食剤が併用されることが多い。この場合、マイナスに帯電する配管内壁に被膜状に付着し、プラスに帯電させる。すなわちプラス帯電しているスライム防止剤を配管内壁から反発させることで、配管内壁の腐食防止を図るものである。
以上のように、スケール防止剤、スライム防止剤又は防食剤などは、そのプラス帯電作用により、その目的を達成するためのものであり、三種複合剤としても用いられる場合もある。
なお、カチオン性高分子剤が使用されている設備において、本発明の変調電場処理を適用すると、前記高分子剤の使用を停止しても残留するカチオン性高分子剤の影響により、逆作用を生じ、配管内壁面に軟質物質が付着し、障害を起こすおそれがある。従って、カチオン性高分子剤を含む被処理水に本発明の変調電場処理を適用する場合には、装置内の被処理水をすべて入れ替えると共に、補給水量を増加させ、残留するカチオン性高分子剤の除去を行う必要がある。
5.浮遊物質(SS)の影響
浮遊物質(SS)は水に不溶解性の物質であり、泥、Fe・Al系凝集ブロック、スケール結晶も含まれる。泥などの浮遊物質(SS)は、その大部分がマイナスに帯電しているが、Fe・Al系凝集フロック又はスケール結晶の大部分はプラスに帯電している。
本発明の変調電場処理を行なった水は、プラスに強く帯電している浮遊物質(SS)によってマイナス帯電力が減少し、その結果、変調電場処理が済んだ被処理水と未処理水から成る混合水のマイナス帯電力を失う場合がある。
さらに、プラス帯電する浮遊物質の量が3000ppm以上であると、本発明の変調電場処理作用が阻害される。これは浮遊物質に帯電力が消費され、未帯電スケール結晶が残留することによるものと考えられる。
また浮遊物質がマイナスに帯電する性質を有する場合でも、カチオン系薬剤が被処理水に多く含まれる場合には浮遊物質にカチオン系薬剤が付着して、全体としてカチオン性を帯びることがある。
従って、本発明の机上試験を行い、本来マイナスに帯電している浮遊物質であっても、本発明の変調電場処理を適用する前に浮遊物質を被処理水から除去することが必要な場合がある。
被処理水に本発明の変調電場処理を適用するには、前記薬剤を含まない原水に変調電場処理を行った後に、当該処理済みの原水を浮遊物質を含む被処理水と混合すると、混合される被処理水中の浮遊物質を帯電させる効果が高くなる。
本発明の変調電場処理効果を促進させる方法として、1.アニオン系薬品との併用処理法、2.処理炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムの注入法があることを本発明者らは発見した。
1.アニオン系薬品との併用処理法
過度にプラスに帯電したスケール結晶体を形成する被処理水に対して、本発明の変調電場処理単独では効果が出ない場合には、アニオン系薬剤を低濃度で被処理水に注入することで、良好な処理効果が得られる。この場合には、変調電場処理装置も低出力のもので対応することができる。
2.炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムの注入法
カルシウムスケール障害の激しい設備においては炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウム注入を併用することで、上記アニオン系薬剤の併用処理と同様に、変調電場処理の効果を促進させることができる。
シリカが存在することで本発明の変調電場処理効果が得られないときには、上記薬剤の他にナトリウム化合物(NaOH等)を注入することも有効である。
なお、浮遊物質を含む被処理水に前記アニオン系薬品又は炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウム等を添加することで、本発明の変調電場処理を適用する前に浮遊物質を被処理水から除去する必要がない場合もある。
以上、変調電場処理における配管内壁等へのスケールの付着防止、付着したスケールの除去及び配管内壁等の腐食防止、油含有排水配管等の詰まり防止、配管内壁等への海産物付着防止等の効果に対して、顕微鏡による効果確認方法を用いることにより有効な処理方法の選別が可能となった。
なお、本明細書において「電場処理」とは被処理水の近傍に配置したコイルに交流電流を流すことから、被処理水に「電磁波を作用させること」を意味している。
請求項1記載の発明によれば、机上試験により被処理水の変調電場処理有効性を確認できるので、無駄なく実機に用いる被処理水への変調電場処理対策を講じることができる。
請求項記載の発明によれば、本発明の机上試験を行った後に低コストの装置を用いて、しかも操作性の優れた方法で流体流路を構成する壁面が浄化され、錆び、スケール、海生物などの付着防止及び/又は除去、配管の付着物による詰まり防止が可能になる。
本発明の実施の形態について図面とともに説明する。
まず、本発明の実施の形態の変調電場処理が実際に効果があったのか確認する本発明の机上試験方法について説明し、当該変調電場処理による効果の確認をした上で、本発明の変調電場処理の実例について説明する。
未処理水を図3に示す机上試験装置に通過させ、机上試験装置用の被処理液を調整するが、前記机上試験装置による試験は、パイプ1に巻いたコイル2に経過時間に対して電流値の異なる交流電流(出力0.14Aから25Aの間で変化、周波数10Hz〜10MHz)を流して電磁波を変換器3で発生させた状態で、ボトル4内の被処理水をパイプ1を通過させる。ビーカ5で受けた処理水の一部をガラス板6(図4)上に滴下させて常温乾燥し、図4(図4(a)は平面図、図4(b)は側面図)に示す試料の界面部における乾燥結晶体の変化を顕微鏡で確認して、変調電場処理効果の程度を判定を実施する。
マイナス帯電したスケールの結晶体の界面付近からの反発性が最も確認される箇所はA(図4(b))である。ただし、スケール結晶体の比重が大きい場合、その反発力が現れにくくなる。
なお、実機条件において高温下である場合には前記机上試験でも実機と同一条件となるように加温等を行い、同様の判定を行う。
ここで、変調電場処理効果の程度の判定方法は次のようにして行う。前記顕微鏡検査の結果、未処理水と比べて次のような変化を示す場合、効果「良」と判定する。
第一に小粒子結晶の生成が有ることであり、これは大型のスケール結晶体が変調電場処理によって小粒子化及び分散性が高まったことを示す。また、第二に界面変化があって、粒子集合性が低下し、分散性を示すか又は粒子の反発性が有り、界面に寄っていた粒子が変調電場処理によって界面から離れた状態を示すことである。さらに第三に結晶成長性が無くなり、界面を基として、枝状に成長していた結晶体が小粒子化するか、または枝状結晶を消失した状態を示すことである。
これに対して、変調電場処理効果がないと判定するのは、未処理水と比べて、次のような変化を示す場合である。
小粒子結晶の生成が無く、また前記界面での変化が無い場合である。この場合には、パイプ1の通液回数を増加させると、界面付近への粒子反発性が無く、むしろ粒子集合性を示し、結晶が成長する傾向がある。
次に本発明の変調電場処理を阻害する薬剤を含む場合と当該薬剤を除いた場合のの変調電場処理の結果について述べる。
(1)界面活性剤
表1に各種シャンプー・リンス類を本発明の変調電場処理の前記図3に示す机上試験を行った結果を示す。
Figure 0004116002
表1に示すように本発明の変調電場処理で処理効果のある界面活性剤と処理効果のない界面活性剤があるが、前述のことから本発明の変調電場処理で処理効果のある界面活性剤(○)が負の表面電位を有するアニオン性の界面活性剤であり、本発明の変調電場処理で処理効果のない界面活性剤(×)がカチオン性の表面電位を有する界面活性剤であり、本発明の変調電場処理で処理効果があまりない界面活性剤(△)はその極性が不明な界面活性剤である。
本発明の変調電場処理で処理効果のある界面活性剤(○)、処理効果のない界面活性剤(×)及び処理効果があまりない界面活性剤(△)について、机上試験の結果を、それぞれ図5、図6及び図7の顕微鏡検査写真に示す。
図5(×(100)15μm/目盛)は「シャンプーE」200ppmを含む被処理水、図6(×(100)15μm/目盛)は「ボディソープC」100ppmを含む被処理水、図7(×(100)15μm/目盛)は「シャンプーF」200ppmを含む被処理水の結果である。
図5に示す写真は界面付近に小粒子結晶が散在していて、本発明の変調電場処理の効果が良くでていることを示している。一方、図6に示す写真では、界面に大きな塊が付着していて本発明の変調電場処理効果がないことを示している。
(2)高分子剤
変調電場処理していない冷却設備の循環水をガラス上で乾燥させた後の顕微鏡写真を図8(a)(×(100)15μm/目盛)に示すが、界面付近に大きな結晶体が寄っており、スケールが生じている設備であることが分かる。
この循環水に本発明の机上試験を3回、5回行った後の顕微鏡写真を撮ったが図8(b)(×(100)15μm/目盛)には机上試験を5回行った後の顕微鏡写真を示す。界面にはスケール結晶体粒子の集合性が見られる。
図8(a)、図8(b)に示すように、1回の処理での粒子の分散性を生じた状態は、3回〜5回と処理回数を増やすと、荷電中和による凝集性を示していることから、カチオン系薬剤の混入が予想されたが、この薬品は防食を目的とするカチオン系高分子物質を含むものであることが後で判明した。
このように高分子薬剤が注入されていると、界面付近での粒子の集合性が高まっており、この被処理水に本発明の変調電場処理を行っても効果が無いことが分かる。
(3)清缶剤
ある市販されている特定の清缶剤を含む被処理水の変調電場処理効果を見るために、机上試験で変調電場処理を行った被処理水に当該清缶剤の濃度を増加させながら添加した。その結果を図9の顕微鏡検査写真に示す。図9(a)(×(100)15μm/目盛)は前記清缶剤10ppmを含む被処理水、図9(b)(×(100)15μm/目盛)は前記清缶剤200ppmを含む被処理水の写真であり、薬剤注入量が増えると共に、界面付近での粒子の集合性が高まり、本発明の変調電場処理の適用ができないことが明らかとなった。
(4)スケール分散剤
変調電場処理した水道水に市販されている特定のスケール分散剤の濃度を種々変化させて加え、前記手順に従って得た界面の顕微鏡写真を図10(a)と図10(b)に示す。
図10(a)(×(100)15μm/目盛)はスケール防止剤50ppmを含む被処理水、図10(b)(×(100)15μm/目盛)はスケール防止剤200ppmを含む被処理水の写真であり、薬剤注入量が増えると共に、界面付近での粒子の集合性が高まっており、机上試験の判定方法によりカチオン系薬剤であると推定した。従って、カチオン系スライム防止剤を含む被処理水に本発明の変調電場処理を行っても効果が無いことが分かる。
(5)防食剤
特定の市販重合リン酸塩系防食剤を100ppm含む被処理水を本発明の変調電場処理を行わないで、界面の様子を見た顕微鏡写真が図11(×(100)15μm/目盛)であり、本発明の変調電場処理を行った被処理水の界面の様子を見た顕微鏡写真が図12(×(100)15μm/目盛)であるが、この場合も、カチオン系防食剤を含む被処理水に本発明の変調電場処理を行っても効果が無いことが分かる。
(6)スライム防止剤
変調電場処理した水道水に特定の市販スライム防止剤の濃度を種々変化させて加え、前記手順に従って得た界面の顕微鏡写真を図13(a)と図13(b)に示す。
図13(a)(×(100)15μm/目盛)はスライム防止剤10ppmを含む被処理水、図13(b)(×(100)15μm/目盛)はスライム防止剤200ppmを含む被処理水の写真であり、薬剤注入量が増えると共に、界面付近での粒子の集合性が高まっており、机上試験の判定方法によりカチオン系薬剤であると推定した。この場合も、カチオン系スライム防止剤を含む被処理水に本発明の変調電場処理を行っても効果が無いことが分かる。
(7)帯電防止剤
変調電場処理した被処理水に特定の市販帯電防止剤の濃度を種々変化させて加え、前記手順に従って得た界面の顕微鏡写真を図14(a)と図14(b)に示す。
図14(a)(×(100)15μm/目盛)は帯電防止剤と界面活性剤を10ppmを含む被処理水、図14(b)(×(100)15μm/目盛)は帯電防止剤と界面活性剤を200ppmを含む被処理水の写真であり、薬剤注入量が増えると共に、界面付近での粒子の集合性が高まっており、机上試験の判定方法によりカチオン系薬剤であると推定した。この場合も、カチオン系スライム防止剤を含む被処理水に本発明の変調電場処理を行っても効果が無いことが分かる。
(8)リンス剤
変調電場処理した被処理水に特定の市販されているリンス剤の濃度を種々変化させて加え、前記手順に従って得た界面の顕微鏡写真を図15(a)と図15(b)に示す。
図15(a)(×(100)15μm/目盛)はリンス剤50ppmを含む被処理水、図15(b)(×(100)15μm/目盛)はリンス防止剤200ppmを含む被処理水の写真であり、薬剤注入量が増えると共に、界面付近での粒子の集合性が高まっており、机上試験の判定方法によりカチオン系薬剤であると推定した。この場合も、リンス剤を含む被処理水に本発明の変調電場処理を行っても効果が無いことが分かる。
(9)海生物付着防止剤
変調電場処理した被処理水に特定の市販海生物付着防止剤の濃度を種々変化させて加え、前記手順に従って机上試験を行い、界面の顕微鏡写真を図16(a)と図16(b)に示す。
図16(a)(×(100)15μm/目盛)は海生物付着防止剤50ppmを含む被処理水、図16(b)(×(100)15μm/目盛)は海生物付着防止剤200ppmを含む被処理水の写真であり、薬剤注入量が増えると共に、界面付近での粒子の集合性が高まっており、机上試験の判定方法によりカチオン系薬剤であると推定した。この場合も、海生物付着防止剤を含む被処理水に本発明の変調電場処理を行っても効果が無いことが分かる。
(10)防食剤(重合リン酸塩)を含む被処理水に本発明の変調電場処理法を適用した例
発電所設備の軸受け冷却水のサンプリングラックを長期間使用中にスケールが付着するので、その対策として本発明の変調電場処理を適用した。
図17には発電所設備の軸受け冷却水の循環系を示す。冷却水タンク10には薬品注入設備11から随時防食剤(重合リン酸塩)が注入され、また工業用水も補給される。冷却水タンク10からは熱交換装置12の軸受けに冷却水が循環供給されるが、当該熱交換装置12の軸受け部分の冷却水は複数並列設置されているサンプリングラック13を経由した冷却水タンク10に戻る。
本発明の変調電場処理装置14はサンプリングラック13への導入部の各循環冷却水配管15に設けられる。そして変調電場処理水を冷却水タンク10に流入させるが、このとき、薬品注入設備11から防食剤(重合リン酸塩)を添加した。
図18(a)にはサンプリングラック13の冷却器の外側にスケールが付着した状況を示す。図18(b)には本発明の変調電場処理14を4ヶ月間連続して行った後のサンプリングラック13の冷却器の外側のスケールの状態を示す。
被処理水にカチオン系の防食剤(重合リン酸塩)が含まれたままで変調電場処理したため、スケールは軟質化しているが、冷却器に付着したままであり、スケール除去効果が十分ではない。
また図19(a)には本発明の変調電場処理をする前の前記サンプリングラック13の冷却器を収納しているケースにスケールが多く付着している状態を示す写真である。図19(b)には防食剤(重合リン酸塩)を含む被処理水を本発明の変調電場処理装置14で4ヶ月間連続して処理を行った後の前記ケーシングの内壁面を示すが、赤錆表面の軟質化と、黒錆が多く形成されていることが確認された。
(11)懸濁物質(SS)を含む被処理水に本発明の変調電場処理法を適用した例
図20に示すディーゼル発電機の開放型冷却設備の二次冷却水の循環流路に本発明の変調電場処理を適用した。
図20で熱交換器17から排出する二次冷却水は開放型冷却塔18で冷却されてポンプ19とストレーナ20を介して再び熱交換器に戻される。この実機の二次冷却水の循環流路に本発明の変調電場処理装置14を適用するに先立ち、この二次冷却水の循環流路の壁面にスケールが付着することを防止するために使用されるスライム防止剤及びスケール分散剤を二次冷却水に添加してある場合に本発明の変調電場処理が効果的か否か確認する机上試験を行った。
変調電場処理した水道水に特定の市販スライム防止剤とスケール防止剤の濃度を10、50、100、200ppmと変化させて加え、前記手順に従って得た界面の顕微鏡写真の代表例を図21(a)と図21(b)にそれぞれ示す。
図21(a)(×(100)15μm/目盛)はスライム防止剤100ppmを含む被処理水、図21(b)(×(100)15μm/目盛)はスケール防止剤100ppmを含む被処理水の写真を示すが、薬剤注入量が増えると共に、界面付近での粒子の集合性と結晶成長性が高まっていることが分かる。
そして、図20に示す開放型冷却塔18の底部に残留していた乳白色ポリマー状の物質を採取し、顕微鏡検査を実施した結果を図22に示す。図22に示す界面上にスケール成分が集合しているが、これは、スケール分散剤を含む懸濁物質であることが分かる。
そして図23はスケール分散剤を含む懸濁物質を除去する前に熱交換器17でのスケールが付着した状況を示す写真(特に配管の上半分にスケールが多く付着している)である。しかしストレーナ20を設置して懸濁物質を除去した後に本発明の変調電場処理装置14を適用した所、図24に示すように熱交換器17はきれいになりスケール付着物が全く無かった。
次に変調電場処理を促進させる実施の形態について述べる。
地熱発電設備への本発明の変調電場処理装置を適用した場合について、補助薬剤(炭酸水素ナトリウム)との併用で変調電場処理装置単独での処理以上の効果が得られるかどうか、机上試験を行った。前記手順に従って得た界面の顕微鏡写真を図25(a)(×(100)15μm/目盛)と図25(b)(×(100)15μm/目盛)に炭酸水素ナトリウムをそれぞれ10ppmと100ppm添加した場合の結果を示す。
図25(a)に示す界面の状態に比較して図25(b)に示す場合には、界面よりの小粒子が少なく、界面から粒子が反発していることが分かる。このように補助薬剤(炭酸水素ナトリウム)の併用とその添加量を多くすることで変調電場処理装置単独での処理以上の効果が得られることが判明した。
本発明の机上試験を行った後に低コストの装置を用いて、しかも操作性の優れた方法で流体流路を構成する壁面が浄化され、錆び、スケール、海生物などの付着防止及び/又は除去、配管の付着物による詰まり防止が可能になる。
本発明の変調電場処理法により被処理水用配管の内壁等にスケールが付着するのを防止するメカニズムを説明する図である。 図2(a)は本発明の変調電場処理により発生する渦電流の原因となる誘導電場を示す図であり、図2(b)は、その誘導電場が極大値となり、これが電子供与帯として還元状態となることを説明する図である。 本発明の机上試験用の変調電場処理装置を示す図である。 本発明の机上試験用の変調電場処理装置による変調電場処理効果の程度を判定をするための乾燥させた試料の界面部における乾燥結晶体を示す図である(図4(a)は平面図、図4(b)は側面図)。 本発明の実施の形態の変調電場処理で効果のある界面活性剤を含む被処理水の顕微鏡検査写真である。 本発明の実施の形態の変調電場処理で効果のない界面活性剤を含む被処理水の顕微鏡検査写真である。 本発明の実施の形態の変調電場処理で効果があまりない界面活性剤を含む被処理水の顕微鏡検査写真である。 本発明の実施の形態の変調電場処理で効果があまりないスケール障害を起こしている被処理水の顕微鏡検査写真(図8(a))であり、図8(b)は前記被処理水の机上試験を5回行った後の顕微鏡写真を示す。 本発明の実施の形態の変調電場処理後の被処理水に清缶剤を添加した場合の顕微鏡写真(図9(a)は清缶剤10ppmを含む被処理水、図9(b)は清缶剤200ppmを含む被処理水)である。 本発明の実施の形態の変調電場処理した被処理水にスケール防止剤を添加した場合の顕微鏡写真(図10(a)はスケール防止剤10ppmを含む被処理水、図10(b)はスケール防止剤200ppmを含む被処理水)である。 本発明の実施の形態の変調電場処理した被処理水に重合リン酸塩系防食剤を添加した場合の顕微鏡写真である。 本発明の変調電場処理を行った重合リン酸塩系防食剤を含む被処理水の界面の様子を見た顕微鏡写真である。 本発明の実施の形態の変調電場処理した被処理水にスライム防止剤を添加した場合の顕微鏡写真(図13(a)はスライム防止剤15ppmを含む被処理水、図13(b)はスライム防止剤200ppmを含む被処理水)である。 本発明の実施の形態の変調電場処理した被処理水に帯電防止剤と界面活性剤を添加した場合の顕微鏡写真(図14(a)は帯電防止剤と界面活性剤10ppmを含む被処理水、図14(b)は帯電防止剤と界面活性剤を200ppmを含む被処理水)である。 本発明の実施の形態の変調電場処理した被処理水にリンス剤を添加した場合の顕微鏡写真(図15(a)はリンス剤50ppmを含む被処理水、図15(b)はリンス剤200ppmを含む被処理水)である。 本発明の実施の形態の変調電場処理した被処理水に海生物付着防止剤を添加した場合の顕微鏡写真(図16(a)は海生物付着防止剤50ppmを含む被処理水、図16(b)は海生物付着防止剤200ppmを含む被処理水)である。 発電所設備の軸受け冷却水の循環系を示す図である。 図18(a)には図17の発電所設備の軸受け冷却水の循環系のサンプリングラックの冷却器の外側にスケールとして付着した状況を示し、図18(b)には防食剤(重合リン酸塩)を注入したまま、本発明の変調電場処理を4ヶ月間連続して行ったため、逆にスケール障害を生じた実例を示す。 図19(a)には本発明の変調電場処理をする前の前記サンプリングラックの冷却器を収納しているケースにスケールが付着している状態を示す写真であり、図19(b)には防食剤(重合リン酸塩)を含む被処理水に対して4ヶ月間連続して本発明の変調電場処理を行った後の前記ケーシングの内壁面を示す。 ディーゼル発電機の開放型冷却設備の二次冷却水の循環流路に本発明の変調電場処理装置を適用したフロー図を示す。 本発明の実施の形態の変調電場処理した水道水に特定の市販スライム防止剤を加え、前記手順に従って得た界面の顕微鏡写真(図21(a))と本発明の実施の形態の変調電場処理した水道水に特定の市販スケール防止剤を加え、前記手順に従って得た界面の顕微鏡写真(図21(b))である。 図20に示す開放型冷却塔の底部に残留していた乳白色ポリマー状の物質を採取し、顕微鏡写真である。 スケール分散剤を含む懸濁物質を除去する前に熱交換器でのスケール付着状況を示す写真である。 ストレーナを設置して懸濁物質を除去した後に本発明の変調電場処理を行った熱交換器を示す写真である。 本発明の変調電場処理を促進させる補助薬剤(炭酸水素ナトリウム)の効果を示す机上試験の結果を示す界面の顕微鏡写真である(図25(a)と図25(b)に炭酸水素ナトリウムをそれぞれ10ppmと100ppm添加した場合の結果を示す)。 被処理水用配管の内壁等にスケールが付着するメカニズムを説明する図である。
符号の説明
1 パイプ 2 コイル
3 変換器 4 ボトル
5 ビーカ 6 ガラス板
10 冷却水タンク 11 薬品注入設備
12 熱交換装置 13 サンプリングラック
14 変調電場処理装置 15 循環冷却水配管
17 熱交換器 18 開放型冷却塔
19 ポンプ 20 ストレーナ

Claims (2)

  1. 流体流路を構成する壁面の錆び、スケール、その他の付着を防止及び/又は除去する流体の変調電場処理の効果を試験するための被処理水の机上試験方法において、
    経過時間に対して電流値が異なり、かつ周波数が時間的に変化する方形波の交流電流を流し、該電流により流体内に変調電場を誘起させるコイルを巻いた傾斜状に配置したパイプの内部に前記流体流路内に流す流体と同じ流体を通過させ、
    該パイプ内を通過した前記変調電場処理がなされた流体の一部をガラス板上に滴下させた後に、常温乾燥させ、
    乾燥されたガラス上の乾燥体の界面部における変化を顕微鏡で確認して、前記流体の変調電場処理の効果の程度を判定することで、前記流体の変調電場処理の効果を試験するための被処理水の机上試験方法。
  2. 第一の流体流路または該第一の流体流路に導入する流体用の第二の流体流路の表面にコイルを巻きつけ、該コイルに周波数が時間的に変化する方形波の交流電流を流し、コイルに流れる電流により誘起される変調電場により前記第一の流体流路又は第二の流体流路を流れる流体を処理することにより前記第一の流体流路を構成する壁面の錆び、スケール、その他の成分の付着防止及び/又は除去方法において、
    請求項1記載の被処理水の机上試験方法を実施し、その机上試験方法による結果が良くない場合には、さらに前記第一の流体流路又は第二の流体流路を流れる流体に対する変調電場処理用の電力の出力を上げた後に前記変調電場処理を行うことを特徴とする第一の流体流路を構成する壁面の錆び、スケール、その他の成分の付着防止及び/又は除去方法。
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