JP2018501959A - 水を調整するためのシステムと方法 - Google Patents

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Abstract

電磁場で水を処理するための処理装置であって、導管と、導管の一部分の外面の周囲に配置されるワイヤコイルと、変換器と電気的に接続される制御装置とを備える。制御装置は変換器に交流電流を供給するようになっている。場合によっては、処理装置に多区間変換器を含むことができる。多区間変換器は導管の一部分の外面まわりに配置した複数のワイヤコイルからなる。複数のワイヤコイルは直列に接続することができ、制御装置と多区間変換器を電気的に接続することができる。制御装置はワイヤコイルのそれぞれに交流電流を供給するように構成することができる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、「水調整装置」という名称で2015年1月16日にスティーブン・ストロンツェックにより出願された米国特許仮出願第62/104,564号に対する優先権を主張し、同様に2015年8月7日に「水を調整するためのシステムと方法」という名称でスティーブン・ストロンツェックにより出願された米国特許仮出願第62/202,470号に対する優先権を主張し、これら両方の全体を参照により本願明細書に援用する。
これまで、水処理の方法では比較的低い電力を利用してきた。その結果、水に電力をかけて変化した状態をうまく維持することができなかった。水は数時間、場合によっては1日か2日の間変化した状態のままであったが、不安定であったので水は未処理の状態に戻ってしまう。さらに、従来の方法では1時間あたりに生成する製品をリットル単位で測るが、従来の方法では1時間に約2リットルしか生成することができない。例えば、KANGEN WATERは貯蔵寿命が4〜5日間の調整水を生成する。
過去の装置では、主に2つの理由から安定した状態の調整水の生成に失敗してきた。第一に消費コストを全般的に低く抑えるため、比較的低い電力が水に加えられるからである。第二に水に電力を供給するのに用いられる標準装置が金属導体であり、水を励起して水中に電気を流すために、この金属導体が実際に水中に沈められるからである。この方法を用いると、水の改変状態を維持しない不安定な状態の調整水となり、この調整水は浸出した金属イオンを含んでしまう。処理された水は数日以内に悪くなるだけでなく、処理された水にも添加された金属イオンが含まれてしまう。
水処理装置に供給され得る電力量は限定的であった。多くの場合、それ以上の電力を投入する必要はない。なぜならば、調整された飲料水を生産するという目的は達成していたからである。また、壁からの標準的な110ボルトの電気線が使用され、220ボルトの電気線は望ましくなかった。さらに、投入される電流量は標準的な電気システムの限界により限定的であった。また、過剰な電力付加は望ましくない。なぜならば、電気は導体を介して水と直接接触していたからである。直接的に水に過剰な電力が供給された場合、水は加熱されて蒸気となり、最終的には完全に蒸発してしまうだろう。
他の処理装置としては、従来のイオン交換硬水軟化装置があるが、この装置は水にナトリウムイオン(Na)が加わること、定期的に補充しなければならない材料の価格、媒体を再生する間の稼働停止時間、および水の無駄遣いといったいくつかの欠点を含んでいる。従来の硬水軟化装置では、タンク中の媒体は帯電したビーズであり、通常、約30000グレインまでのカルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)を捕捉可能である。硬水軟化装置を通って水が流れると、水中に存在するCa、Mgおよびその他の金属の陽イオンが媒体によって捕捉され、水の硬度が実質的に0まで減少する。媒体が性能限界に達する前に、塩化ナトリウム(NaCl)または塩化カリウム(KCl)をタンクに加えると、媒体からイオン交換を介してCaとMgの陽イオンが放出し、これにより硬水軟化剤ユニットは再生する。放出されたCaとMgの陽イオンがユニットから排出されるように、CaとMgの陽イオンはClの陰イオンと結合し、塩化カルシウム(CaCl)と塩化マグネシウム(MgCl)を形成する。媒体はNa(またはK)の陽イオンをNaCl(またはKCl)から捕捉し、その後硬度の高い水をさらに受けることができる。硬水中の金属陽イオンは媒体上でNaまたはKの陽イオンと反応し、それにより媒体からNaまたはKの陽イオンを同時に放出させ、MgとCaの陽イオンを保持させている。再度媒体が性能限界にほぼ達した時点で、ユニットは再生工程を繰り返さなければならない。最終生成物は少量のNa陽イオンを含む水であるが、CaとMgの陽イオンを含まないため軟化される原因となる。水に少量でもナトリウムが含まれていると、調理や飲料水の味、そして修景の効果に悪影響を与える可能性がある。
一実施例として、水を電磁場で処理するための処理装置は、導管と、導管の一部の外側周りに配置したワイヤコイルからなる変換器と、変換器に電気的に接続される制御装置とを備える。制御装置は変換器に交流電流を供給するようになっている。
一実施例として、水を電磁場で処理するための処理装置は、導管と、導管の一部分の外側周りに配置した複数のワイヤコイルを備える多区間変換器と、その多区間変換器に電気的に接続した制御装置とを備える。複数のワイヤコイルは直列接続しており、制御装置は複数のワイヤコイルの各ワイヤコイルに交流電流を供給するようになっている。
一実施例として、水を処理する方法は、導管に注入水を流すステップと、導管内の変動する電磁場に注入水をさらすステップと、変動する電磁場に応じて導管内の注入水の少なくとも一つの性質を変化させるステップと、調整された水を製造するステップとを備える。この方法には、変換器に交流電流を流すステップと、変換器に交流電流を流すことに応じて導管内に変動する電磁場を生成するステップとを含めることもできる。変換器は少なくとも導管の一部分の周囲に設置されるワイヤコイルからなる。
これらの特徴やその他の特徴は図面や特許請求の範囲と併せて以下の詳細な説明からさらに明確に理解されるであろう。
本願に記載の実施例には特定の先行技術の装置、システムおよび方法に関連する様々な欠点に対処することを目的とした特徴や利点の組み合わせが含まれている。前述の内容は本願発明の特徴や技術的な利点をかなり幅広く概説したものであり、これは以下の本願発明の詳細な説明をよりよく理解できるようにするためのものである。上述した様々な特性は他の特徴と同様に、当業者であれば以下の詳細な説明を読み、添付の図面を参照することにより容易に理解できるであろう。なお、開示した構想や具体的な実施例は本発明と同じ目的で実施するために、他の構造を修正したり設計したりするための基礎として容易に利用可能であることは、当業者であれば当然理解できることである。また、そのような均等な構造は添付の請求の範囲に記載した本開示の趣旨および範囲から逸脱しないことは当業者であれば当然理解できるはずである。
ここで、本発明の好ましい実施例の詳細な説明のために、添付の図面を参照する。
図1は一実施例による処理装置の一実施例としての概略図である。 図2は一実施例による他の処理装置の一実施例としての概略図である。 図3は一実施例による、処理工程の間に水を加熱するのに用いる処理装置の他の一実施例としての概略図である。 図4は一実施例で用いられるリサイクル回路を示す概略的な工程系統図である。 図5は処理装置の一実施例で用いる乱流誘導装置の一実施例を概略的に示す。 図6A−6Cは変換器の一実施例に関する異なる巻線様式を概略的に示す。 図7は処理装置の一実施例で使用可能な制御装置を概略的に示す。 図8は一実施例による高出力、高生産性の処理装置の概略図である。
次の議論は様々な実施例を対象とするものである。しかしながら、当業者であれば本開示の例示は幅広い応用を有すること、そしていずれの実施例についての議論もその実施例の例示であるに過ぎず、特許請求の範囲を含む本開示の範囲をその実施例に限定しようとするものでないことは当然に理解できることである。
以下の明細書および特許請求の範囲の全体にわたって個別の特徴や構成要素を指すために一定の用語を用いている。当業者であれば当然理解できることであるが、人が違えば同じ特徴や構成要素を異なる名称で呼ぶ可能性がある。この文書は、名称は異なるが機能は異ならない構成要素や特徴を互いに区別しようとするものではない。図面は必ずしも縮尺通りではない。本願における特定の特徴や構成要素は縮尺を誇張して示したり、いくらか概略的な形式で示したりする場合もある。また、従来の部材の詳細によっては明確性および簡潔性のために示していない場合もある。
以下の議論および特許請求の範囲において、「含む」や「備える」という用語は非排他的な意味で用いているため、「〜を含むがこれに限定されない」の意味として解釈されるべきである。同様に、「接続する」という用語は間接的な接続か直接的な接続かのどちらか一方を意味するよう意図している。したがって、仮に第一装置を第二装置に連結する場合、その接続は直接的な接続であっても、または他の装置、構成要素、および接続を介する間接的な接続によるものであってもよい。さらに本願で用いている「軸の」および「軸方向の」という用語は、多くの場合、中心軸(例えば本体またはポートの中心軸)に沿うかあるいは平行であることを意味し、他方で「半径方向の」と「半径方向に」という用語は多くの場合、中心軸に対して直角であることを意味する。例えば、軸方向の距離とは、中心軸に沿うかまたは平行な距離を意味し、半径方向の距離といえば中心軸に対して垂直に図った距離を意味する。
ここに記載した実施例は水を調整するための方法および装置に関する。具体的には、水の流れるパイプ周りに一つ以上のコイルを巻き、このコイルに強力な電流を流し、電場が水にかけられる。
ここに開示したのはミネラルや二酸化炭素などの溶存成分を有する水を処理するのに適するシステムおよび方法である。電磁場を利用する水処理により水の溶存成分を一部沈殿させることができ、それにより水の総合的な性質を改善する。水の処理には導管の外側に設置される変換器を利用することができ、交流の電磁場を変換器に通すことができる。変動する電磁場により、交流電流および磁場を導管内の水に通すことができる。この構成において水は導体としてふるまうため、システムはファラデーの法則に従う。本明細書に記載の実施例には、調整水または軟水を生成するための従来の方法や装置を上回るいくつかの利点を有する。例えば本発明では、安定した状態のまま18か月間以上維持することのできる安定した製品を、1分間に最大100ガロンの割合で生産することができる。この工程でも、直接接触する導体由来の金属イオンによっても、イオン交換器の水軟化剤由来のナトリウムによっても、水製品に物質を加えてはいない。
図1は一実施例として、水処理装置の一実施例を模式的に図示したものである。図示したように、システム100は電力入口線104に接続される制御装置102を備えることができる。制御装置102は変換器106と電気的に接続されており、変換器106は導管108の周りに巻きつけられている。
制御装置102は導管108の周りに巻きつけられた変換器106に対して交流電流(AC)の電源を供給することができる。変換器106を通れる電流は変換器106内に交流電磁場を発生させることができ、交流電磁場は導管108を流れる水に入射する。具体的には、水が変換器106内の導管108を流れるときに、水は変換器106内に発生した電磁場の影響を受ける。
概して、導管108は使用中に水を保持し、変換器を支える働きをする。導管108は円形断面を有するものでよいが、四角形、長方形、長円形、三角形などのどの断面であってもよい。導管108の長さは変換器106の長さに対応できる適切な距離となるように選択するのがよい。導管108は1か所以上の曲がり角や屈曲部を有してもよく、これにより変換器106に対して適切な長さを提供すると同時にコンパクトな装置を提供するのに役立つ。
導管108は水を含むのに適切かつ印加される電気に耐えることのできる適切な材料で作ることができる。例えば、PVCなどのプラスティックは導管108の形成に用いることができる。プラスティックは比較的安価であることと、電気的に絶縁であることの両面で有用となり得る。実施例によっては、非強磁性材料を導管108の形成に用いることができる。適切な非強磁性材料としては、これらに限定されないが、銅、アルミニウム、非強磁性ステンレス鋼、これらの合金、およびこれらの組み合わせなどが含まれ得る。
使用中は、変換器106に電流を流すことにより、結果として変換器106が熱を発生させる可能性がある。導管108を形成する材料を選ぶにあたり、水に熱を伝達させたいという要求に基づくこともできる。例えば銅、ステンレス鋼、アルミニウムなどの金属材料はプラスティックよりも高い熱伝導性を有し得るので、熱の発生が焦点となる場合にはこれらを用いることができる。
導管108の直径は装置の用い方に基づいて変更することができる。例えば、大量の処理能力が必要な場合、大径のものを使用することができる。一実施例として、導管108の直径を約0.1インチ以上、約0.25インチ以上、約0.5インチ以上、約0.75インチ以上、約1インチ以上、約1.5インチ以上、約2インチ以上、約3インチ以上、約4インチ以上、約5インチ以上、約6インチ以上、約10インチ以上、約12インチ以上または18インチ以上とすることができる。一実施例として、導管108の直径を約36インチ以下、約30インチ以下、約24インチ以下、約20インチ以下、約18インチ以下、約16インチ以下、約16インチ以下、約14インチ以下、約12インチ以下、約10インチ以下、約8インチ以下または約6インチ以下とすることができる。導管108の直径は上記したものより小さな直径の値やより大きな直径の値からも選択することができる。
実施例によっては、導管108に電気絶縁被覆を設け、変換器106と導管108との間のいずれの電気的結合を小さくすることができる。この被覆は非磁性(例えば非強磁性)の高分子材料や誘電材料で構成することができる。一実施例として、電気被覆を例えばポリウレタン被覆やエナメル被覆などのスプレー被覆から構成することができる。その他、ワニス(例えばGE社のグリプタル等)などの絶縁材料も使用することができる。電気被覆がワイヤに施されている場合、導管の電気被覆をしないか、または電気被覆の厚みを薄くすることができる。
一実施例として、変換器106は導管108の全長の周りに巻線を備える。交流電流を受信するため、ワイヤの各末端を制御装置102に接続することができる。直線状のところとコイルを巻いたところの両方のワイヤの全長および寸法は、パイプを流れる水を変化させるのに必要な、変換器に要求される電場により決定される。変換器106を形成するのにワイヤの異なるゲージを用いることができる。一般に、ワイヤの直径が大きいほど(例えば、ゲージがより小さいほど)、余分な熱を発生させることなくより大きな電流をワイヤに流すことができる。
概して、変換器106の形成に用いるワイヤは導電性の材料から形成することができる。一実施例として、ワイヤを銅、アルミニウム、鋼鉄、またはその他の適切な導体から形成することができる。ワイヤを選択し決定する際に材料の抵抗を考慮に入れてもよい。アルミワイヤは、今日の電気事業においてはよく用いられているが、銅よりも抵抗が大きいため、銅線と比較したときに同じ寸法のワイヤでも熱がより高くなる可能性がある。
多くの場合、ワイヤの長さと寸法は、所望の抵抗、ひいては変換器を通る所望の電流を供給するように選択される。また、ワイヤの寸法は発生する熱量にも影響を与える可能性があり、十分な厚さを選択することで、熱の発生を規定の限度未満に抑えることができる。この寸法と長さは相互関係を有し、所望の抵抗を生じさせている。ひとたび処理要求に基づいて寸法を選択すれば、所望の抵抗を生み出すための長さが算出可能となる。算出した長さのワイヤを導管の周りに巻付けることができ、これにより変換器106の全長を決定することができる。
変換器106に覆われる導管108の量は、電磁場中での水の滞在時間が閾値に達するための十分な長さがありさえすれば、それほど重要ではない。この長さは水の流量および電磁場の強さに基づいて決めることができる。
一実施例として、導管108を通る水の速度は、水が処理領域内に存在する合計時間に影響を与え得る。本明細書で詳細に説明するように、水の速度を十分に低くして水を処理し、1つ以上の水の性質に所望の変化をもたらすようすることができる。一実施例として、水の速度を約10ft/s未満、約9ft/s未満、約8ft/s未満、約7ft/s未満、約6ft/s未満または約5ft/s未満に維持することができる。水の速度は、所与の導管の直径に対する流量として表すこともできる。例えば、水の流量はa1”パイプにおいては1分間あたり約15ガロン以下(例えば約6ft/s未満の速度を有する)、a4”パイプにおいては、1分間あたり約200ガロン未満(例えば例えば約5ft/s未満の速度を有する)またはa8”パイプにおいては、1分間あたり約600ガロン未満とすることができる。
変換器を利用することにより導管108内に交流電磁場をつくりだすことができる。電磁場の強さの各成分は相互に関係しており、個々に測定可能である。一実施例として、電磁場の強さの磁場成分は少なくとも約20ガウス、少なくとも約100ガウス、少なくとも約500ガウス、少なくとも約1000ガウスまたは少なくとも約1200ガウスとすることができ、磁場の強さについては、少なくとも一部は交流周波数に基づいて選択することができる。例えば、30ガウスの磁場の強さであれば約2500ヘルツの周波数で有効となる可能性があり、1200ガウスの磁場の強さであれば、60ヘルツの周波数で有効となる可能性がある。一実施例として、磁場の強さと周波数の積は少なくとも約50,000ガウス−Hz、少なくとも約55,000ガウス−Hz、少なくとも約60,000ガウス−Hz、少なくとも約6,5000ガウス−Hz、少なくとも約70,000ガウス−Hzまたは少なくとも約75,000ガウス−Hzとすることができる。
制御装置102は所望の電圧、周波数および波形で電力を変換器106に供給する働きをする。変換器106に供給される電圧は、特定の用途に応じて変えることができ、また変換器106に供給される電圧は、水の予測流量や水の所望の変化量に基づいて変えることができる。約12V AC〜約480V ACの電圧源を利用することができる。一実施例として、変換器106に供給する電圧は約110V AC〜約480V ACの間とすることができる。
制御装置102は電源104から変換器106が受信する電流のパススルーとしての役割を果たす。一実施例として、120V AC,60Hzの電力に相当する通常出力の線電流を変換器106に直接的に通すこともできる。実施例によっては、240V AC,60Hzや480VAC,60Hzの電力を変換器に供給することができ、三相電源の利用について本明細書にさらに詳細に記載している。本明細書で説明するように、実施例によっては、制御装置102が特定の電圧出力を供給するための変圧器、および所望の周波数を供給するための周波数発生器、および所望の波形(例えば、矩形波、正弦波、三角波)を供給するための波形発生器を備える。
変換器106にかける電圧は、電源104により決定したり、所望の電力処理量を生み出すために必要な電圧に基づいて選択したりすることができる。最終的に決定した電圧、ワイヤの寸法、およびワイヤの長さを組み合わせは、電流処理量の算出に用いることができる。様々なパラメータを変化させることにより、導管110内の水中に所望の電磁場を供給することができる。
一実施例として、変換器106に加える電流の周波数を変化させて交流電磁場を発生させることができる。一実施例として、電磁場の流れの周波数を約10Hzと約200Hzの間か、または約50Hzと約30kHzの間で変化させることができる。約60Hzと30kHzとの間の範囲の交流電流の周波数で試験した。この結果に著しい変化はなかったため、実施例によっては簡潔にするため約60Hzの周波数を用いることが可能である。一実施例として、使用中は周波数を実質的に一定とすることができる。
変換器106に加える交流電磁場の流れの周波数は、処理工程の間、一定の周波数に維持したり、または変化させたりすることができる。周波数を変化させる場合、約0.5秒から約30秒の間の時間をかけて周波数を約10Hzから約200kHzの間の範囲で変動させることができる。周波数を上昇させて、その後一定のパターンで下降させたり、上昇させた後に低い値にセットし直したり、またはその他の適切なパターンに従って変化させることができる。一実施例として、約1秒から10秒間の間の時間をかけて周波数を約30Hzから約30kHzまで上昇させた後、同様の時間をかけて30Hzまで戻すことができる。
変換器106にかける電力レベルは最終生成物の変化量に影響を与える。一実施例として、変換器106に加える電力量が大きくなるにつれて、生成水のパラメータ変化も大きくなる。変換器106は約1ワットから約10キロワットの範囲の電力レベルを受けることが可能である。変換器106にかける電力量は、期待される装置100の通過回数や水流量などを含めた処理用途に基づいて変化させることができる。例えば、農業または緑化の用途には約500ワットを必要とする。より大きな規模の用途では数キロワット以上を必要とする可能性もある。
多くの場合、処理装置100は、変動する電磁場から影響を受けるイオン、塩、極性分子などを含む流体の処理に利用可能である。流体は水と一種類以上の溶解化合物とを含む液体とすることができる。一実施例として、液体は、水と、水道水に通常見られるタイプの溶解したミネラルや気体とを含んだ液体とすることができる。この液体は水以外のものも含むが、本願の目的上、本願ではその液体を「水」と呼ぶことができる。
変換器106に電流をかけることにより、結果として水110に電磁場を加えることとなり、水の酸化還元電位(ORP)、不純物総溶解度(TDS)、pH、水の硬度および電気伝導率(EC)を変化させることができる。一般に、水の物理的性質や化学的性質などの性質は、水中に存在する成分や、成分間の分子間相互作用により規定される。本明細書を開示するにあたり、本明細書に開示した水処理方法の対象となる水を「水」と呼び、本明細書に開示した水処理方法で処理した結果得られた水を「調整水」と呼ぶ。さらに本開示の目的に関して、本明細書に開示した水処理の方法を説明するために用いる際、「処理」、「調整」、「軟化」、「転換」、「加工」という用語を交換可能に用いることができ、これらの用語は水から調整水を生成する工程をいう。
一実施例として、水は任意の適切な水源を備えることができる。本明細書に開示した調整水の生産に適した水の非限定例として、真水、地下水、水道水、飲料水、非飲料水、井戸水、廃水、リサイクル水、再生水、家庭雑排水、灌漑用水、工業用水、フラッキング水など、およびそれらの組み合わせを含む。本開示を活用すれば当業者は理解できることであるが、水源によって水は異なる組成物を有し得る。システム100で用いる水は水分子と、様々な溶解固形物やイオンを含有する。一般に、任意の溶存イオンを含まない純水を利用しても、発生した電磁場と相互作用することができず、水の性質に何ら変化を示さない。水は通常、水分子(例えば非解離の水分子)、ヒドロニウムイオン(H)と水酸化物イオン(HO)に解離した水分子、溶解固形物、溶解イオン、溶解陽イオン(例えばCa2+,Mg2+,Na,K,Fe2+等)、溶解陰イオン(例えばCl,HCO ,CO 2−,SO 2−等)、溶解気体(例えばO, CO, HCO等)などを含む。
例えば密度、沸点、融点等の(他の溶媒とは対照的な)水特有の性質は、一般に水分子間に水素結合が存在することに起因する。本開示を活用すれば当業者は理解できることであるが、液体の水は水素結合を最も高密度で含有する溶媒の一つであり、共有結合とほぼ同数の水素結合を有している。理論により限定されることを望むわけではないが、水分子(例えば非解離の水分子)は5分子以上の水分子からなる四面体構造のクラスターを形成することができる(例えば水分子は集まってクラスター形成することができる)。このクラスターは、1つの水分子を四面体構造(例えば正四面体)の中心に配置し、この水分子を四面体構造の角に位置する他の4つの水分子が取り囲んで水素結合している。さらに、本開示を活用すれば当業者は理解できることであるが、水中における水素結合は、例えば溶質(溶解固形物、溶解ミネラル、溶解イオン、溶解陽イオン、溶解陰イオン、溶解気体等)などの状況や環境の変化に応じてすぐに再配置し得る。
例えば、二酸化炭素(CO)は水に溶解できるが、双極子モーメントを有しておらず、水分子と比較してもかなり大きな分子である。二酸化炭素のそのような可溶性は、COの酸素原子と水分子との間の水素結合に一部起因する可能性がある。式(1)に示すように、大気中のCO(COが気相(g)にある)は水に溶解できる(COが液相(aq)にある)
Figure 2018501959

本開示を活用すれば当業者は理解できることであるが、式(1)に表現した平衡状態は温度、圧力、水の組成に基づいてどちらの方向にもシフトされ得る。例えば、CO2(aq)を水中での反応に用いる場合(例えば式(2)に示したように)、式(1)に示した平衡状態は右にシフトする可能性があり、さらに多くのCO2(g)が水和されて液相に入り、CO2(aq)になる可能性がある。さらに、本開示を活用すれば当業者は理解できることであるが、気体はより低温条件下で水への高い溶解度を有し、水の温度を上昇させると、COが水から気相(例えば空気、大気等)に出ることにより式(1)に示す平衡状態を左にシフトさせることができる。式(2)によれば、CO2(aq)は水と反応して炭酸(HCO)を形成することができる。
Figure 2018501959

COは水溶性であり、その水素原子と酸素原子の両方を通して水分子と水素結合を形成する。HCOは水中で2つのステップでイオン化する。第一ステップでは、式(3)により、重炭酸陰イオン(HCO )を形成し、第2ステップでは式(4)により炭酸陰イオン(CO 2−)形成する。
Figure 2018501959

Figure 2018501959

式(3)および(4)によると、水中にCOが溶解することで、ヒドロニウムイオン(H)を生成することにより、水のpHは小さくなる(例えば酸性度は高くなる)。理論により限定されることを望むわけではないが、Hは20個の水分子(例えば十二面体)からなる水クラスターの中央に配置されて、「魔法数クラスター」H(HO)20を形成することができる。このとき、Hは周囲の水分子と水素結合を形成し、そのような周囲の水分子は互いに水素結合を形成する。
一般に、溶解した陽イオンは一次水和殻、二次水和殻、三次水和殻などの1つ以上の水和殻を有する。水和殻や水和球は溶媒和殻の溶媒が水である特別なケースであり、水溶液(例えば水)中のイオン(例えば陽イオン)の周囲に複数の水分子が配置していることをいう。一般に、水分子は金属イオンの周りに球(例えば水和殻や水和球)を形成する。水和殻の水の陰性の酸素原子が金属イオンの正電荷に静電気的に引き付けられる結果、金属イオンを取り囲む水分子の溶媒和殻となる。水和殻は数個の水分子の厚み(例えば一次水和殻、二次水和殻、三次水和殻など)を有する可能性があり、このことは金属イオンの電荷に依存する。本開示を活用すれば当業者は理解できることであるが、金属イオンの電荷が大きければ大きいほど、その特定の金属イオンの水和殻にはより多くの水分子が存在することになる。陽イオン(例えばCa2+,Mg2+,Na,K,Fe2+や微量元素の陽イオン)の周りを水クラスター化(例えば水和殻形成)することにより、水中(例えば水溶液中)に上記の陽イオンを保持しておくことが可能となる。理論により限定されること望むわけではないが、カルシウム陽イオン(Ca2+)は少なくとも6個の水分子を一次水和殻に有し、少なくとも約9〜10個の水分子を二次水和殻に有する。さらに、理論により限定されることを望むわけではないが、一次水和殻における水分子は、その双極子モーメントにより、静電気的にCa2+に引き付けられる可能性がある。他方で、二次水和殻における水分子は一次水和殻の水分子と水素結合する。同様に、マグネシウム陽イオン(Mg2+)は一次水和殻に6個の水分子を有し、二次水和殻に12個の水分子を有する。一次水和殻における水分子は、その双極子モーメントにより、静電気的にMg2+に引き付けられる可能性があり、Mg2+に直接的に配位することができる。他方で二次水和殻における水分子は一次水和殻の水分子と水素結合する。
この化学的性質は、変換器106によって生じる電磁場と、導管108内の水との間の相互作用を説明するのに役立つ。一実施例として、水は水クラスターを含んでいてもよく、水クラスターは溶質(例えば、溶解固形物、溶解ミネラル、溶解イオン、溶解陽イオン、溶解陰イオン、溶解気体など)を囲むように形成し、溶質を安定化させる。水の水クラスターは水クラスターの平均サイズにより特徴付けることができる。一般に、平均の水クラスターのサイズとは、水中にH(例えば魔法数クラスターH(HO)20)、溶解陽イオンまたは溶媒和陽イオン(例えばCa2+,Mg2+,Na,K,Fe2+など)のクラスター等として存在する水クラスターの平均サイズのことをいう。
一実施例として、水を水のpHにより特徴付けることができる。一般に、水(または水溶液)のpHは水に含まれる水素イオンの量を基準とする。pHの値が低いほど酸性の強い水(または水溶液)であり、pHの値が高いほど塩基性の強い水(または水溶液)である。実施例によっては、システムに入れる水はpHが約7.0から最大pHが約8.2、約8.0、約7.8、約7.6、約7.4または約7.2の低pHであることを特徴とする。このように、注入水のpH値は約7.0といずれかの最大pH値との間の範囲を有することができる。
一実施例として、水は不純物総溶解度(TDS)によって特徴付けることができる。一般に、TDSは一定量の水に溶解したミネラル、塩、金属を含む可動性の荷電イオンの総量の基準であり、水の単位体積あたりの質量(mg)(mg/L)で表すことができ、あるいは百万分率(ppm)ということもできる。TDSは無機塩(例えばカルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、重炭酸塩、炭酸塩、塩化物、硫酸塩など)を含むことができる。水のTDSは天然源(例えば鉱泉、炭酸塩堆積物、塩類鉱床、海水侵入などの自然環境の特徴)や、下水、都市流出水、産業排水、水処理工程で用いられる化学物質、水を運ぶのに用いられる配管や機械設備の性質(例えば配管設備)や、それらの組み合わせに由来する可能性がある。実施例によっては、水のTDSが約280mg/L以上であること、約300mg/L以上であること、約400mg/L以上であること、約500mg/L以上であること、約600mg/L以上であること、または約700mg/L以上であることを特徴とすることができる。実施例によっては、TDS量の上限を飽和状態または飽和状態近くにしてもよいが、これは水に溶解した化合物や化合物類の具体的な組成や、水の温度、水圧によって決めることができる。実施例によっては、水のTDSが1800mg/L以下であること、1500mg/L以下であること、1200mg/L以下であること、1000mg/L以下であること、800mg/L以下であること、または700mg/L以下であることを特徴とすることができる。水のTDSは上記のいずれかの下限値といずれかの上限値との間で様々な値をとる可能性がある。
一実施例として、水を水の硬度によって特徴付けることができる。一般に、硬度は一定量の水に溶解した(2価以上の電荷を有する)多価陽イオンの尺度であり、mg/Lまたはppmで表すことができる。水の硬度も一般に硬度のグレインで表すことができ、硬度1グレインは17.1mg/Lである。水の硬度の主要因はカルシウムイオン(Ca2+)とマグネシウムイオン(Mg2+)であるが、例えば鉄イオン(Fe2+)やマンガンイオン(Mn2+)などの他の陽イオンも、水中での濃度や存在に基づいて水の硬度に寄与し得るものである。実施例によっては、水の硬度が約200mg/L以上であること、約250mg/L以上であること、約300mg/L以上であること、約350mg/L以上であること、または約400mg/L以上であることを特徴とすることができる。実施例によっては、水の硬度が約1800mg/L以下であること、約1500mg/L以下であること、約1200mg/L以下であること、または約1000mg/L以下であることを特徴とすることができる。水の硬度はいずれかの下限値といずれかの上限値との間で様々な値をとる可能性がある。
一実施例として、水を水の酸化還元電位(ORP)によって特徴付けることができる。一般に、ORPは水が化学反応を由来とする電子を放出するかまたは受け取るかの水の能力の基準であり、一般に基準電力(例えば3M KCl中のAg/AgCl、標準水素電極(SHE)等)に対するmVで示される。ORPは水に化学種を導入することで変化し得る値であり、この化学種は既に水中に存在しているものと同じかまたは異なる化学種である。ORPは水から化学種(例えばCa2+)を少なくとも一部除去することでも変化し得る。実施例によっては、25℃での水のORPが約300mV以上であること、約350mV以上であること、約400mV以上であること、約450mV以上であること、約500mV以上であることを特徴とすることができる。実施例によっては、25℃での水のORPが約700mV以下であること、約650mV以下であること、約600mV以下であること、約550mV以下であること、または約500mV以下であることを特徴とする。水のORPはいずれかの下限値といずれかの上限値との間で様々な値をとる可能性がある。
一実施例として、水の電気伝導率によって水を特徴付けることができる。一般に、電気伝導率は電気を通す水の能力の尺度であり、センチメートルあたりのマイクロオーム(μmhos/cm)またはセンチメートルあたりのマイクロジーメンス(μS/cm)で表すことができる。水の電気伝導率は溶解陽イオン、溶解陰イオンなどの無機溶解固形物の存在や温度(すなわち水温が高いほど電気伝導率が高くなる)により影響を受ける可能性がある。実施例によっては、25℃での水の電気伝導率が約500μS/cm以上であること、約1000μS/cm以上であること、約2000μS/cm以上であること、約3000μS/cm以上であること、約4000μS/cm以上であること、または約5000μS/cm以上であることを特徴とする。実施例によっては、25℃での水の電気伝導率が約7000μS/cm以下であること、約6000μS/cm以下であること、約5000μS/cm以下であること、約4000μS/cm以下であること、約3000μS/cm以下であること、約2000μS/cm以下であること、または約1000μS/cm以下であることを特徴とすることができる。水の電気伝導率はいずれかの下限値といずれかの上限値との間で様々な値をとる可能性がある。
一実施例として、水を水の表面張力によって特徴付けることができる。一般に、表面張力は水分子間の凝集力の結果生じる力であり、水面がどれほど外力に耐えるかの尺度であり、水分子間の相互作用によって決まる。表面張力は温度のみならず、水中の溶解イオンの量に依存する(例えば水中の塩分量が増えるほど表面張力が大きくなる)。水の表面張力、凝集力および付着力は、水についての毛細管現象を定義する上で重要であり、また水の毛細管現象は農業(例えば植物の吸水)にとって重要である。一般に毛細管現象または毛細管は、水が重力などの外力の助けなしに、または外力に反して狭い空間(例えば細孔や毛細血管など)に流れ込む能力である。毛細管現象は、水の狭い空間に対する付着力が水分子間の凝集力よりも大きいときに発生する。表面張力と重力によって制限される(例えば凝集力が強いほど表面張力が強く、毛細管現象が弱い)。表面張力は空気に対する水に関して測定することができ、mN/mまたはdyn/cmで示すことができる。一般に、水のTDS量が増えるにつれて、表面張力はほぼ直線的に大きくなる傾向がある。
一実施例として調整水は水を電磁場にさらした後に提供することもできる。理論により限定されることを望むわけではないが、電磁場によって水分子の双極子を電磁場のパラメータに基づく方向に向け、水素結合をより高いエネルギーポテンシャルまで活性化してイオンをより反応しやすくすることにより、水クラスター(例えばCa2+の周りに形成される水クラスターであるカルシウム水和殻)を破壊することができる。式(5)で示すように、このような反応でCa2+とCO 2−から炭酸カルシウム(CaCO)固体を形成することができる。
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炭酸カルシウムが水から析出沈殿したとき、炭酸カルシウムは固体であり電荷を示さない。さらに、イオンが反応しやすくなることにより、例えば水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛、水酸化鉄またはそれらの組み合わせなどの他の化合物を同じように沈殿させることができる。不溶性固体(例えば沈殿物)を生成して溶液からイオンを除去することで、溶媒和イオンの数を減少させ、平均のクラスターサイズを小さくすることができる。一実施例として調整水は、調整水クラスターサイズの平均が、水クラスターサイズの平均未満であることを特徴とすることができる。通常、平均の調整水のクラスターサイズとは、調整水に存在する調整水クラスターの平均サイズのことをいい、調整水にはH(例えば魔法数クラスターH(HO)20)、溶解陽イオンまたは、溶媒和陽イオン(例えばCa2+,Mg2+,Na,K,Fe2+など)に起因する調整水クラスターが存在する。溶媒和イオンの周りに形成された水クラスターの数が減少すると、もっと小さな水分子の正四面体構造がより大きな影響をもち、調整水クラスターの平均サイズを減少させることができる。調整水は水よりも「痩せている」ということができる。このことは、調整水が植物や構造土の毛細管を水よりも容易かつ多く通過することができるということを意味する。なぜならば、水分子の中には、溶媒和イオンの周りの水和殻の中で、もはや凝集(例えばクラスター化)していないものもあるからである。CaCOと任意の他の沈殿した化合物(例えば水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛、水酸化鉄など)は水垢を形成する可能性があり、それらを水から除去して調整水を生成することが有益となる可能性がある。例えば、パイプやその他の設備の壁に形成された水垢を除去するときと比べて、微粒子状の固体として沈殿物を形成し、これを水から除去する方が容易である。
一実施例として調整水のpHは、水のpHと比較して約0.1pH単位以上の差で、あるいは約0.2pH単位以上の差で、あるいは約0.3pH単位以上の差で、あるいは約0.4pH単位以上の差で、あるいは約0.5pH単位以上の差で、あるいは約1pH単位以上の差で、あるいは約1.5pH単位以上の差で、あるいは約2.0pH単位以上の差で、あるいは約2.5pH単位以上の差で、あるいは約3.0pH単位以上の差で、調整水のpHの方が高くなる可能性がある。
一実施例として、調整水のTDSは、水のTDSと比較して、少なくとも約10%の差で、少なくとも約20%の差で、少なくとも約30%の差で、少なくとも約40%の差で、または少なくとも約50%の差で減少する可能性がある。
一実施例として、調整水の硬度は、水の硬度と比較して、少なくとも約20%の差で、少なくとも約30%の差で、少なくとも約40%の差で、少なくとも約50%の差で、または少なくとも約60%の差で減少する可能性がある。
一実施例として、調整水のORPは、水のORPと比較して、約20mV以上の差で、あるいは約30mV以上の差で、あるいは約40mV以上の差で、あるいは約50mV以上の差で減少する可能性がある。
一実施例として、調整水の電気伝導率は、水の電気伝導率と比較して、少なくとも約10%の差で、少なくとも約20%の差で、少なくとも約30%の差で、または少なくとも約40%の差で減少する可能性がある。
一実施例として、調整水の表面張力は、水の表面張力と比較して、少なくとも約10%の差で、少なくとも約20%の差で、少なくとも約30%の差で、または少なくとも約40%の差で減少する可能性がある。
一実施例として、一定の期間、調整水の性質を維持しつつ調整水を保存することができる。調整水を保存している間、CaCOおよび任意の他の沈殿化合物(例えば水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛、水酸化鉄など)が保存容器の底に集まって固着した沈殿物を形成する可能性がある。固着した沈殿物を含む保存容器から調整水を(例えば静かに容器を傾けて)取り除き、任意の適切な目的のために用いることができる。保存する調整水を含んだ保存容器を外環境から密閉することで、式(1)にしたがってCO2(g)が水に逆拡散するのを防ぐことができる。一実施例として、調整水は約1年以上、あるいは約2年以上の安定性を特徴とする。通常、調整水の安定性とは、規定時間にわたってその変化した性質(例えばpH、TDS、硬度、ORP、電気伝導率、表面張力など)を保持する調整水の能力のことをいう。
水に関して議論したが、処理装置を他の流体を処理するのに用いることもできる。例えば、水と炭化水素の流体とを含む流体を、流体分離させるために処理することができる。処理装置を特定の化学反応のための活性化エネルギーを供給するのに用いることもできる。例えば、極性液体やイオン液体を用いる化学製造製品を処理装置に通し、変換器を用いて反応に必要な活性化エネルギーを供給することができる。理論により限定されるのを望むわけではないが、生じた中間産物は、さらなる反応の触媒としてや、1つ以上の成分(例えば反応産物の一部など)が沈殿するときの開始場所として役立つ可能性がある。結果として、水だけが処理装置100で用いるのに適した流体だというわけではないかもしれない。
使用に際して、システム100は導管108内を流れる処理水110を処理するのに用いることができる。一実施例として、水110を導管108に通すことができる。変換器106内の導管108を水110が流れるとき、水110を電磁場にさらして、調整水を生成することができる。電磁場はパイプ周りに配置される変換器106によって生成することができる。水を水のpH、酸化還元電位(ORP)、不純物総溶解度(TDS)、水の硬度および電気伝導率(EC)を含む様々な判定基準によって特徴づけることができる。その後、調整水を様々な下流での利用のために導管108から回収したり、複数回処理するために導管108に再循環させたりする場合がある。調整水も同じ判定基準により特徴付けることができ、処理の結果として調整水における判定基準の値は変化する可能性がある。一実施例として、調整水のpHは少なくとも0.1pH単位増加し(例えばより塩基性になる)、調整水の硬度を水の硬度と比較したときに、調整水の硬度が約20%以上減少する可能性がある。上述したように、処理の結果として沈殿剤も形成される可能性がある。
処理装置200の他の一実施例を図2に概略的に示す。図2に示すように、導管108は導管108の周りに設置した変換器206を有することができ、変換器206を制御装置102に接続することできる。制御装置102と導管108は、図1に関して説明した制御装置102と導管108と同じか似たものとすることができる。
図示したように、変換器206を複数の区間206a、206b、206c、206dに分けることができる。本実施例では変換器206を4つの区間206a、206b、206c、206dに分けたが、2つ、3つまたは5つの区間を使用することもできる。一実施例として、多区間変換器206は約2〜50区間を有することができる。第一区間206aにおけるワイヤの最初の部分は制御装置102に接続されている。変換器の各区間は直列に接続されており、第一区間206aのワイヤコイル末端は第二区間206bのワイヤコイルの最初の部分に接続される。同様に、第三区間206cと第四区間206dも直列に配置される。第四区間206dのワイヤの末端部は制御装置102に接続される。変換器206の206a、206b、206c、206dの各区間は、導管108内に一部の電磁場を供給する役割を有する。
変換器の区間206a、206b、206c、206dの長さはおおよそ同じにすることもできるし、変えることもできる。一実施例として、変換器の区間206a、206b、206c、206dのおおよその長さをおおよそ同じにすることができ、導管108内の水に対して対応する量の電磁場を伝達できるようにしてもよい。例えば、四つの区間206a、206b、206c、206dが存在する場合、各区間は水に対して電磁場全体のおおよそ4分の1の電磁場を供給することができる。このことは、区間206a、206b、206c、206dのそれぞれが、対応する量の電圧降下を経ると表現することもできる。例えば、変換器206の両端に印加される電圧が約120V ACであるとき、区間206a、206b、206c、206dのそれぞれが約30Vの電圧降下を有するように設計することができる。複数の区間が直列に配置されるとき、各区間で約20Vと80Vの間の範囲または約30Vと約60Vの間の範囲の電圧降下を有するように構成することができる。
以下でより詳細に説明するように、乱流誘導構造を用いることで導管108内の水が変換器206の区間内にある間によく混ざるように改善することができる。混合することにより水中での反応種の相互作用を増進し、調整水を生成するための反応全体を促進することができる。導管108内に1箇所以上の曲がり角や屈曲を有する多区間処理装置を利用することにより、処理装置200を通る水の中でよく混合するように乱流量の供給を促進することができる。
処理装置の他の一実施例を図3に示す。本実施例において、水が装置300を通過するときに、電磁場によって水が処理することに加えて、水を変換器306で加熱することができる。前の実施例と同様に、制御装置102と導管108は図1に関して説明した制御装置102と導管108と同じかまたは類似するものとすることができる。本実施例において、変換器306が余分な熱を発生するように構成することができ、変換器306および導管108を断熱囲い302内に収容することができる。断熱囲い302は図3に破線により概略的に示す。
本実施例において、変換器306が余分の熱を発生するように設計することができる。この余分の熱は水に移して水を加熱することができる。電流が変換器306を通過するときに熱を発生させるため、変換器306の形成に用いるワイヤのサイズや材料を余分の熱が発生するように選択することができる。例えば、ワイヤのサイズは比較のワイヤよりも小さいものを選択することができる。サイズの小さなものは単位長さあたりの抵抗がより高く、使用中に熱を発生させることができる。同様に、高い抵抗性の材料を選択してワイヤを選択することによって水を加熱するためのさらなる熱を発生させることができる。
変換器306が余分な熱を発生させては水を加熱するようになっている場合、導管108は比較的高い熱伝導性を有する材料で形成することができる。例えば変換器306により発生する熱を効率的に水に移送するため、導管108を銅、アルミニウム、非磁性ステンレス鋼などで形成することができる。囲い302は囲いと変換器306との間に断熱材を備えることができる。囲い302および断熱材により囲い302内の熱を保持し、導管108の中の水に対する熱伝達能を高めるために温度差を作るのを促進することができる。
図3に示した変換器306は2つの区間を備えるが、任意の適切な区間数を直列や並列で用いて所望の温度上昇をもたらすことができる。一実施例として、システム300を利用することにより、約5℃以上、あるいは約10℃以上、あるいは約15℃以上、あるいは約20℃以上、あるいは約30℃以上、あるいは約40℃以上、水の温度を上昇させることができる。本開示を活用すれば当業者は理解できることであるが、水の温度を上昇させて水からCO2(g)を放出させることで、式(1)、(2)、(3)および(4)の平衡が左に移動し、pHが上昇する。理論により限定されることを望むわけではないが、pHの上昇によりさらに多くのCaCOと水酸化マグネシウムを沈殿させることになる。魔法数クラスターH(HO)20の数が減少しても同様となり(式(3)および(4)において平衡が左に移動してヒドロニウムイオンが減少するため)、調整水クラスターの平均サイズはさらに小さくなる。さらに、水の温度が上昇すると、式(6)に従って重炭酸カルシウムからCaCO3(S)とCO2(g)とを生成させることになる。
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このことから、重炭酸塩の一部を炭酸塩の沈殿物として除去することにより、調整水の効果を増大させることができる。
処理区間内に存在する時間を長くすることで、実施例によっては付加的な利点が得られる可能性がある。水を電磁場にさらす時間を長くするため、リサイクルラインを有するシステムを用いて水を処理区間に2回以上通過させることができる。図4はシステム400にリサイクルライン412を有するシステム400の一実施例を概略的に示したものである。示したように、未処理の水を注入ライン401からシステム400に通すことができる。注入ライン401で水とリサイクルライン412の水とを混ぜ合わせて混合水流404を形成することができ、この水流は処理区間402に入ることができる。処理区間402は本明細書に記載した処理システムのいずれの実施例でも備えることができる(例えば処理システム100、処理システム200、処理システム300など)。一旦、処理システム402で処理されると、調整水は出口ライン403を通過することができ、調整水の出口線406とリサイクルライン412に分裂させることができる。ポンプ等の原動力装置408を用いることで、水をリサイクルライン412内に循環させることができる。
必要に応じて、貯蔵タンク410をリサイクルライン412内の任意の位置に設置することができる。貯蔵タンク410はリサイクルシステム内に大きな液体容量を提供すると同時に、水処理の結果として形成する可能性のある任意の固体沈殿物を除去するための沈降タンクとしての役割を有する。一実施例として、原動力装置408を貯蔵タンク410の上流または下流に設置することができる。
実施例によっては、1つ以上のインラインセンサをリサイクルループ内に設置することができる。例えば、1つ以上のセンサを出口線403のセンサパッケージ414に配置することができ、処理システム402を通る調整水の性質を検出する。センサパッケージ414内のセンサで本明細書に記載の性質のいずれも検出することができる。実施例によっては、センサにpHメーター、TDSメーター、ORPセンサなどを含むことができる。図には単一のセンサパッケージ414として示したが、複数のセンサパッケージを連続して設けることもできる。さらに、任意の貯蔵タンク410内を含むリサイクルループの任意の箇所にセンサを設けることができる。そうすることで、システムの操作をしている間にセンサを用いて調整水の性質を判定することができる。
リサイクルライン412を有するシステム400は連続操作モード、回分操作モード、半回分操作モードで操作することができる。連続操作システムでは、注入ライン401を通して供給される水を連続的に取込み、リサイクルライン412中の調整水と混合することができる。リサイクル水に対する注入水の割合は体積基準で約1:1000〜約1000:1の範囲とすることができ、調整水に求められる処理量に依存する。調整水の出口ライン406を通過する水の流量は注入ライン401を通ってシステム400に入る流量とおおよそ同じにすることができる。注入ライン401の水流量とリサイクルライン412を流れる水流量の相対流量から、水が処理区間402を通って循環したおおよその回数を測定することができる。一実施例として、水を処理区間402に約2回から約50回の間の範囲で、効率的に再循環させることができる。水を何回再循環させるかは、少なくとも一部には所望の水の性質の(例えばセンサパッケージ414のセンサを用いての)測定に依存し、所望の水の性質を獲得するまで再循環させることができる。
回分操作モードでは、注入ライン401を通して処理する水でシステム400を充填することができる。一旦充填された時点で注入ラインを閉じることができ、所望の処理量が水に与えられるまでリサイクルライン内の水を循環させることができる。本実施例では、約2回から約50回にわたり、水を処理区間402に通して再循環させることができる。例えば、対象の調整水の性質を検査して、水が目標の水準に到達したときを判定することができる。一度、水が調整されれば、調整水出口ライン406を通して水をシステム400から移動させることができる。
システム400は半回分操作モードで操作することもできる。本実施例では、処理する水でシステム400を充填することができる。周期的または特定の間隔で、システム400内の水の一部を調整水出口ライン406に通してリサイクルライン412から取り出し、注入ライン401を通して水を補充することができる。
リサイクルラインを有するシステム400を利用することで、出口において所望の特性を有する調整水を生成するのに役立つ可能性がある。また処理区間402の体積や場の強さが、所望の調整水パラメータを生成するために必要とされるものよりも小さい場合、システム400が役に立つ可能性がある。したがって、水を再循環させる能力により、より強い電磁場を用いてより大きな単位で処理した水と同じ性質を備える調整水をシステム400で生成することができる。すなわち同じ結果が得られると同時にそのシステムをより小さくすることができる。
水を1回以上装置の中に流せばpH、OPRおよび硬度は高くなるが、必要な通過回数と与える影響については、水の最終的な利用と要求されるパラメータとでバランスを取らなければならない。水を約30回変換器に送り込む場合、水のpHは7.5から8.5超または9にまで上昇する。pH9.2という高pHが得られたこともある。アルカリ性の水は健康面での利点や味の改善の可能性を有すると考えられている。さらに水耕栽培の用途に関しては、水がより多く通過するほど、より良くなる。
本明細書に開示した任意の実施例における導管108内で様々な付加的構造を用いることで、水が処理区間に存在する間に水をよく混合させることができる。水が処理区間を通過するとき、乱流誘導構造を用いることで水処理を改善することができる。例えばらせん構造や、1つ以上の屈曲部分を有する配管形状、または任意の他の構造や特徴などの内部混合構造を含む様々な構造を乱流誘導に用いることができる。
一実施例として、多区間の変換器を用いることで乱流を誘導することができる。例えば、図2に示す実施例では、導管108における屈曲部分により接続された多区間を有する導管108を用いることができる。直列に接続した多区間変換器206を用いることで、接続部分の屈曲により水の方向を変化させ、さらに乱流を引き起こすという追加の利点が得られる。屈曲による乱流を増加させることで、水が導管108内で混ざり、実質的に均等かつ均一に電磁場に水をさらし、水全体をパイプ内径の外縁近くの最も場の強い部分で処理することができる。また乱流が増加することにより、水中の反応成分間の相互作用も増加し、水の処理効率を全体的に改善することができる。
実施例によっては、導管内に構造体を配置して乱流を誘導することができる。図5は導管108内に配置可能な挿入体502を示す。挿入体502は多くの形態を含むことができる。図5に示すように、挿入体502をらせん形にすることができる。このらせんを中心軸周りに捻じり、処理区間におけるコイルを通して水をらせん状のパターンに方向付けることができる。また、らせん状の通路によって水の軸方向の流れを減速させ、電磁放射への水の曝露を増やすことができる。らせんまたはねじの外径をパイプの内径とおおよそ等しくし、これにより挿入体502と導管108との間で締まりばめを形成することができる。挿入体502の長さは調整水の所望の結果によって決まるが、変換器や変換器区間とおおよそ同じ長さにすることもできる。実施例によっては、挿入体502の長さを変換器や変換器区間よりも短くしたり長くしたりすることもできる。
らせんとして記載しているが、追加の挿入体でも同様に導管108内に乱流を作り出すことができる。一実施例として、挿入体502は例えばピン、ワイヤなどの一続きの交差構造を備えることができる。実施例によっては、挿入体502はメッシュやガーゼを備えることができる。メッシュやガーゼはその材料を通過させて曲がりくねった通路を作り出すことができ、乱流を発生させ、経路長を長くすることができる。他の挿入体が適する可能性もある。
本明細書に記載のいずれの変換器(例えば変換器106、変換器206、変換器306など)も巻線様式として、単層構造、多層またはランダムな巻線様式を有することができる。図6Aに示すように、ワイヤの巻線様式を単層配置とすることができる。巻き線の軸方向の密度(例えば隣接するワイヤがそれぞれ隣のワイヤの巻きとどれほど近いか)は、導管108内の電磁場の強さに影響を及ぼす可能性がある。一般に、ワイヤをきつく巻き付けるほど、変換器(巻線)の水への影響は大きくなる。変換器をきつく巻き付けないと、巻線の間に空間が生じ、変換器はあまり大きな熱を発生させることができず、実施例によってはこのことが有益となり得る。
図6Bは多層の巻線様式を示す。本実施例において、ワイヤを導管に沿って単層で巻き付けることができるが、第二層をこの第一層の上から巻くこともできる。複数のワイヤ層を用いることにより、より短い距離により高い電磁場密度を可能とするため、変換器をよりコンパクトにすることができる。この様式は、変換器を配置できるパイプの距離が限定されているときに有用となり得る。しかしながら多層を用いる場合、いくらか効率は下がる可能性がある。このため、単層を用いる場合よりも巻線の全長をいくらか長めにする必要な場合がある。
図6Cはさらに他の巻線様式を示す。この様式は短い距離にいくらかランダムな巻線を含むことができ、場合によってはこの様式をスクランブルというように呼ぶことができる。この巻線様式では、巻線の正確な構成が完全に整然としたものにはできないが、この巻線様式は導管の所定の巻線箇所または空間を埋めるのに用いることができる。多層を使用するときと同様、巻線内の場の強さが強くなる可能性がある。多層構造を用いることでいくらか効率性や場の強さが失われる可能性はあるが、巻線様式が水の変質全般に著しい程度にまで影響を及ぼすものでないことがわかっている。
本明細書に記載のいずれの実施例においても、変換器を通して交流電流を生成するように設計された多くの構成部材を制御装置に含めることができる。ここに記載した通り、制御装置102は変換器706に対して所望の電圧、周波数および波形で電力を供給する役割を有する。制御装置102は、例えば変圧器702や電圧調整器704や波形発生器708などの多くの構成要素を備えることができる。
図7は制御装置内に存在し得る構成要素を概略的に示す。一実施例として、入口の変圧器702は注入ラインから電流を絶縁するのに用いることができる。線間電圧以外の電圧を変換器706で用いる場合、変圧器702は所望の電圧を供給する働きをすることができる。実施例によっては、本明細書で説明したように、変圧器702を外し、変換器を標準的な壁コンセントに直接つなぐことができる。例えば変圧器を外すことができるとすると、制御装置は単に壁コンセントと変換器との間の直接接続のみを備えることができる。
一実施例として、制御装置102は電圧調整器を備えることができる。電圧調整器は変圧器と同じものとすることができ、または別個の電圧調整器704を用いることもできる。電圧調整器を波形発生器708と併せて用いて、変換器706を通る電流の波形を生成することができる。波形発生器708を用いて電流の多数の波形を生成することができる。一実施例として、波形発生器708により変換器706とともに用いる所望の周波数で矩形波を生成することができる。実施例によっては、波形発生器708により変換器706とともに用いる正弦波形を生成することができる。波形発生器708は定常周波数および波形を生成することができ、あるいは変換器のための可変周波数を生成することができる。例えば多周波スペクトルを有する三角波を、変換器706とともに用いるために生成することができる。
様々な他の構成部材を制御装置102と統合することができる。実施例によっては、流体スイッチ710や温度センサ712などの安全装置を変換器706とともに用いることができる。流体スイッチ710や温度センサ712は制御装置102の一部とすることができ、またはそれらは別個の構成部材とすることができる。流体スイッチ710や温度センサ712がある場合、これらを制御装置102内のスイッチと接続することで、温度が閾値を超えたときや、導管108に水が流れていないことを流体スイッチ710が示しているときに、変換器706に電力が送られるのを阻止することができる。
一実施例として、流体スイッチ710を処理装置の入口または出口で導管108に組み込むことができる。水流が導管を通り、流体スイッチ710と接触すると、流体スイッチ710内で信号が生成され、変換器706を始動させる。変換器706を冷却するための水流れが無い状態のまま変換器が作動された場合に、導管の過熱を防ぐにあたって流体スイッチ710が有益となり得る。流体スイッチ710はリレーまたは電気回路を位相制御トライアックとともに備え、制御装置102内の変換器を作動させることができる。例えば、磁気リードスイッチを流体スイッチとして用いることができる。
一実施例として、熱電対などの温度センサ712を用いて、変換器706や導管108や処理装置から出る水などの温度を検出することができる。温度センサ712を制御装置102内のリレーと電気的に接続し、閾値を超える温度が検出された場合に変換器を停止させることができる。
実施例によっては、制御装置が任意の他の制御部品に加えてコンデンサを備えている場合、装置を同調回路として機能させることができる。多くの場合、同調回路をその共振周波数で発振させることができる。共振周波数は変換器のインダクタンス性能とコンデンサの静電容量性能の相対的な値に依存する。駆動周波数は共振周波数と同じか近いものであってもよい。処理装置を共振周波数で同調回路として機能させることにより、ほとんど正弦波形と同じ波形を生成することができる。さらに非同調回路を用いる実施例では変換器を操作する場合と比べて変換器内の加熱量を減少させることができる。加熱を減らすことは、水を処理するという点よりも電力を伝送するという点では有利となる可能性はある。そうしない場合この電力は変換器を加熱することにつながる可能性もある。
一実施例として、処理装置を同調回路(例えばタンク回路)として構成し、変換器の巻線にかかる周波数が約2500Hzとなるように動作させることができる。変換器とその両端につないだ並列(共振)コンデンサとでL‐Cタンク回路が形成されることによって巻線は2500HzでLC共振することができる。変換器は2500Hzの電力矩形波により励磁することができ、並列共振タンクのLC作用により、正弦波に近い波を再形成して変換器に通すことができる。矩形波発振器を有する制御装置の構成部材内に矩形波が電気的に生成されると、発振器の出力はDクラスパワーのV−MOSFETSに加えられる。このV−MOSFETSは基本的にグラウンドからVddまでの単純なスイッチとして動作する。印加される電圧は様々であるが、約48ボルトがドレインに加えられ、高出力電力レベルで(例えば約150ワットRMSの電流単位レベルで)動作することができる。結果的に、同調回路に対する入力には、回路を駆動させる矩形波やパルス状の入力を含むことができる。同調回路の設計については具体的な値を出して説明しているが、出力装置、駆動回路、共振周波数、インダクタンス性能および静電容量性能は、同調回路の設計をするにあたって考慮に入れることのできる設計事項である。
本実施例における制御装置は故障検出装置を備えることもできる。故障検出装置は変換器の主要な巻線の周りに巻かれる二次的な巻線から形成することができる。変換器が電子ユニット由来の適切な励磁状態下にあるとき、RMS電圧(例えばおよそ2ボルトのRMS電圧)を故障検出装置の巻線に誘導することができる。故障検出装置の巻線出力を整流してコンパレーターに加えることができ、コンパレーターは二次的検出巻線からの入力がなくなると出力を出すように設定されている。同様にこれが変換器の故障の指標(例えばアラームを鳴らす、表示灯を光らせるなど)となる。実施例によっては、60Hzの変換器用の故障検出装置は、主要な変換器の巻線を覆って巻かれる単純な二次的な巻線により形成することができ、表示灯を直接的に駆動させる。このタイプの故障検出装置では、表示灯が光っていないことをもって変換器が機能していないことを示す。2500Hzで電気的に励磁される変換器は、長期間安定する調整水の生成に応用できる。
一実施例として、処理装置を様々な電圧源とともに用いることができる。一実施例として、120V ACの電流源を用いることができる。実施例によっては、例えば、より大きな容積測定の用途などに用いるため、さらに高い電圧源を用いることができる。図8は240V ACと三相電源を用いる処理装置の一実施例を模式的に示す。より大きな水処理量に対処するために、水を供給ヘッダー808aから1本以上の処理分枝に供給することができる。図には6本の処理分枝を示しているが、6本未満の処理分枝を用いたり、7本以上の処理分枝を用いたりして処理装置800の水処理能力を増減させることもできる。
各処理分枝は4つの変換器806の区間を備えることができ、各区間は本明細書に記載の変換器区間のいずれかと似たものかまたは同じものとすることができ、240Vの交流電源とともに用いることができる。中央の電気的接続部802を2つの供給源801、803と接続することができる。各脚について、最初の2つの変換器区間は第一供給源801および中央線802に接続され、同時に次の2つの変換器区間は第二供給源803および中央線802に接続される。一例として、供給源の電圧が三相電力で240V ACである場合、供給線801、803のそれぞれと中央線801との間に120V ACの電圧差を生じさせる。この例では、各処理分枝の変換器区間のそれぞれには60V ACの電圧が加えられる。本実施例では約10アンペアから約100アンペアの間の電流を処理装置800で用いることができる。1区間あたりに同程度の電圧を供給できるように変換器の区間を分割(例えば480V ACに対して処理分枝ごとの4つ以上の変換器区間)可能であれば、さらに高い電圧の電源(例えば480V AC)を用いることもできる。したがって、図8の実施例が示しているように、より大きな水処理量に対して比較的大きな出力処理量を達成することが可能であり、農業用水などの用途によっては有用となり得る。
本明細書に記載の任意の実施例を用いて得られる調整水は様々な用途で用いることができる。例えば調整水は飲料水、様々な料理用途、農業、化学調製および産業用途に用いることができる。一実施例として、調整水は飲料水や他の飲用用途に用いることができる。上記の通り、調整水は少数の溶解固形物を有し、pHは高められている。周波数が2kHz以上で動作する処理装置で生成する調整水は、低い動作周波数を用いる処理装置と比較して風味が改善されていることがわかった。さらに、飲料水の処理設備をリサイクル設定で動作することで、単回通過で得られる変化と比べて付加的な変化を水に与えることができる。このため調整水は飲料水やボトル入りの水用に用いることができる。また調整水は酸化膜が問題となるコーヒーメーカーや調理などの用途に用いることもできる。家庭規模ではパイプや温水暖房器における酸化膜の生成を防げるように大きめの装置が有用となり得る。これに関して、処理装置が硬水軟化剤の代わりとして役立つ可能性がある。実施例によっては、調整水は食品材料と混ぜ合わせることができる。例えば、調整水を清涼飲料の添加物と混ぜることができる。調整水を利用することで、より少ない材料を使って同じ味の結果を得ることができる。
また調整水は家庭規模と同様に商業的農業の用途との両方の農業用途に用いることもできる。実施例によっては、調整水を使用することで土壌や植物によく吸収されて通常よりも早く生育させることができる。
例えば、調整水を利用することにより、未処理の水と比較して水の浸透効率や吸収率を上昇させることができる。このように利用することで、調整水を吸収した植物の、昆虫や異常気象に対する抵抗力を高めることができる。これにより植物が暑さや寒さに良く耐えられるようになるため、生育時期を伸ばすことができ、また植物生産や収量が増加する。調整水はより健康的でより長生きの海洋生物に対する潜在的用途も有し得る。調整水はイネ、まぐさ、トウモロコシ、麦、ナッツ、果物その他の作物を含むどのタイプの植物にも用いることができる。
農業で用いる場合、調整水を使って灌漑に用いる全ての水や一部の水のみを処理することができる。例えば一部の水を処理したり、得られた調整水を灌漑に用いる前に未処理の水と混合したりすることができる。調整水と未処理の水とを混合することにより、灌漑の目的に対して混合水の性質を調整することができる。さらに、調整水は生育時期を通して使用したり、その一時期のみに使用したりすることができる。例えば、調整水を生育時期の最初に使って種子を発芽させたり生長させたりすることができ、新しい植物がより速い生育速度でより良く根付くようにすることができる。一度植物が根付けば、残りの生育期間全般で使用する場合であっても、調整水の量を減らすことができる。
実施例によっては、処理装置を用いて商業用途の水の総溶解固形物量を減らすことができる。例えば、処理装置は冷却塔の用途に用いることができる。調整水の総溶解固形物量およびカルシウム量は低下している可能性があり、これら両方は冷却塔の熱交換器に酸化膜を形成する恐れがあるものである。
他の商業利用として、特定の化学薬品の調製を含めることができる。水溶液の一部として販売されている化学薬品はいずれも、溶液を調製する際に用いる水の組成によって影響を受ける化学的性質を有する可能性がある。場合によっては、逆浸透圧法を用いて化学生産物を比較的きれいな水に調整することができる。本明細書に記載の処理装置を利用することにより、調整水が化学薬品の調製のみならず、最終化学溶液にも利用可能とすることができる。さらに、最終的にpHが上昇することは化学的用途によっては有益となり得る。
本願発明の様々な実施例をさらに示すため、次の例を提供する。

本開示ではおおまかに説明してきたが、次の例は本開示の特定の実施例として与えられるものであり、その実践と利点を示すためのものである。なお当然理解されることであるが、例は説明のために与えるものであり、いかなる方法においても明細書や請求の範囲に限定しようとするものではない。
例1
本明細書に記載の処理システムの効果を示すため、処理システムを構成し、いくつかの水のサンプルを処理に用いた。これらのサンプルは処理装置に起因する相対的な変化を説明するために試験した。この例で用いたシステムは水道水を調節して飲料用としたり、コーヒーやお茶などの清涼飲料水の調製用としたりするために設計されたものである。共振システムとして動作する変換器は、周波数およそ2500ヘルツの交流電流で動作している。このシステムは、7日間分のプログラム制御可能なデジタルタイマーからの信号に基づいて変換器を通る水を再循環するように設計されており、毎週同じようにサイクルを繰り返す。このシステムは、調理場の蛇口や給水口で必要な水が、差圧スイッチの設定により決定される圧力のかかった蓄圧貯蔵タンクによって供給されるようになっている。十分量の水が蓄圧貯蔵タンクから排出された場合、差圧スイッチがポンプを作動させ、電磁弁を用いて、圧力をかけた状態の水を大きな貯蔵タンクから蓄圧タンクおよび調理場への供給配管に供給する。調理場の水の需要が途絶えると、ポンプが差圧スイッチの設定値に到達するまで蓄圧貯蔵タンクの圧力を上げ続けて、ポンプを停止させる。
デジタルタイマーがタイミングサイクルの間に水の再循環を要求すると、タイマーがポンプを起動させ、水が貯蔵タンクに流れて戻る前に電磁弁によって水が変換器を通過するようにした。変換器はタイマーにより作動され、水が変換器を通過して再循環サイクルの間に調整される。時間サイクルが完結すると、設備は停止モードに入り、調理場が水を要求するかまたは次のサイクルが開始するまで停止する。再循環タイミングサイクルの間に調理場の水の需要があった場合、差圧スイッチからの信号をきっかけとして再循環タイミングサイクルをその調理場の水要求でもって無効にした。電磁弁のシステムにより、水はポンプの出口から変換器を通って蓄圧貯蔵タンクおよび調理場への供給配管へと回送される。調理場での需要が途絶えた場合、蓄圧タンクの圧力を検知する差圧スイッチがポンプを停止させるまで、ポンプが動作する。その時、システムは水の再循環に復帰し、デジタルタイマーから来る時間信号に基づいて設定されたタイムサイクルを完了させた。調理場での需要が途絶える前に再循環のタイミングサイクルが完了した場合、調理場での需要が途絶えた際に、設備は停止モードに入るようにした。
水位は4つのフロートスイッチを用いることによって貯蔵タンク内の適正な運転水位に保たれた。その中にはオーバーフロー安全スイッチがあり、故障モードの場合に供給電磁弁を閉じさせる。また低水位フロートスイッチがあり、貯蔵タンク内の水位が低い場合にシステム全体の電源を切る。そして残りの2つのフロートスイッチは高水位および低水位のフロートスイッチに反応して水電磁弁を開けたり閉じたりし、貯蔵タンクを適切な運転水位に保つようにした。
水の試料を採取し、本システム設備を通過させた。処理前の水試料(試料A1,試料B1,試料C1)と、処理して調整した後の水試料(試料A2,試料B2,試料C2の各々)とを分析した。試料A1はケール・カントリー社(Kerr Country、テキサス州)から入手した井戸水、試料B1はカリフォルニア州サンタバーバラの水、試料C1はテキサス州カービルの生水であった。水の試料の分析はテキサス・プラント&ソイル・ラボラトリー社(Texas Plant & Soil Lab,テキサス州エディンバーグ)によって行われ、総溶解固形物や、陽イオン、陰イオンおよび硬度などの様々な成分に関して解析した。総可溶塩含量は電気伝導率(EC[mmhos/cm])として測定し、総溶解固形物はEC値から概算した。カルシウムとマグネシウムに対するナトリウムの割合を示すナトリウム吸収率(SAR)は、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウムの濃度から概算した。水の解析結果を表1に表示する。
表1
Figure 2018501959
表1のデータに関して、負の%変化は特定のパラメータにおける減少を示し、他方で正の%変化は特定のパラメータにおける増加を示す。概して、処理したものは、カルシウム、炭酸塩および重炭酸塩の濃度が減少したが、これはおそらく炭酸カルシウムの沈殿生成によるものである。炭酸カルシウムの沈殿の生成は、全体的な硬度の減少につながった。マグネシウム濃度も処理したもの全体で減少したが、これはおそらく水酸化マグネシウムの沈殿生成によるものである。固体(例えば炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムなど)の沈殿に伴い、総可溶塩濃度も処理したもので同様に減少した。SARは処理後に増加したが、このことはカルシウムとマグネシウムが減少したことを考慮に入れて、ナトリウム濃度の増加が観察されたことと結び付けて予想することができる。ナトリウム、カリウム、硝酸塩および塩化物の濃度の全体的な増加は、特定の塩の沈殿やpHの変化に起因する塩の解離平衡の移動に寄与した可能性がある。pHが全体的に上昇したのは、CO2(g)が水から抜けたことに起因し、これにより炭酸の平衡がヒドロニウムイオンを消費する方向に移動した可能性がある。炭酸カルシウムの沈殿生成とCO2(g)はカルシウム濃度および重炭酸濃度の減少に寄与した可能性がある。B,Mn,Zn,CuおよびFeの濃度はB1およびB2に関してのみ試験した。ZnとCuの濃度は極端に低く、おそらく装置の検出限界に近かった。このため、表1に示したZnとCuの変動自体はあまり重要ではない可能性がある。B,MnおよびFeの濃度が処理後に減少したが、このことは、これらの成分の中には例えばホウ化カルシウム、炭酸マンガン、水酸化鉄、リン酸鉄などの不溶性沈殿物を生成した可能性のある成分が存在したことを示している。
例2
一実施例として処理装置を次の仕様で構成した。長さ30インチの1.5インチスケジュール40PVCパイプに、ワイヤゲージ規格16番のワイヤを巻き、4区間に切断して空間と効率性のために接続した。水流量は1分間に約25ガロンであった。これは家庭用設備にとっては十分な実施例であると考える。上水道から来る1インチの水量計は一般に約30ガロン/分を供給しているが、この設備では25ガロン/分しか扱わないため、この設備によって流れが少し遅くなるであろう。25ガロン/分で芝生に水やりをする場合、上水道から来る5ガロン/分がまだ残っており、同時にトイレを流すことができる。上水道の流量が設備の流量よりも大きい場合、設備によって流量が制限されて水圧が低下するが、設備は損傷を受けることはない。
例3
装置の他の一実施例として、長さ24インチの1/2インチスケジュール40PVCパイプと、ワイヤゲージ規格24のワイヤを巻長約18インチで密巻きしてできた変換器とを用い、印加した電力は20ワットであり、周波数は様々に変化させた。他の実施例として、1.5インチスケジュール40PVCパイプに、全長100〜120インチのワイヤゲージ規格16番のワイヤでできた変換器を設けた装置を用い、この装置に500ワットの電力を印加し、単回通過で農業用の水を調整した。例えば使用済みのフラック水や汚水などの工業目的であれば、ワイヤゲージ規格6番のワイヤを長さ12フィート、直径4インチまたは6インチのパイプに巻き付けた変換器に何キロワットもの電力を印加して使用することができる。
例4
テキサス州カービルにて、通常より約1〜2か月早い2014年3月1日に植えたトマト苗に処理した水を使用した。このトマト苗は4度の凍結を生き延び、高さ6フィート超にまで成長し、7月半ばでもまだトマトを作り続けていた。トマト苗はめったに凍結を生き延びることはない。なぜならば、トマト苗は温暖な気温から暑い気温を好むからである。凍結というときの温度は一般に華氏約30〜32度のことを言う。またテキサス州カービルにて、pH約8.5の処理した水を用いてブルーベリーを育てた。このpHは水が約30回にわたって装置を通過したことを意味する。このブルーベリー苗は7月半ばにおいてもまだ果実を作り続けていた。
例5
例えば、灌漑用ピボットなどの農業目的で、必要な水の流量はおそらく1分あたり約400ガロン以上であろう。変換器は約30フィートのパイプに対してワイヤゲージ規格12番のワイヤで作られた。ピボットによっては1分につき900ガロンの水を供給するため、装置は直径6インチのパイプにゲージ規格6番のワイヤと100アンペアの印加電力が必要となる。ピボット灌漑および他の大規模な農業利用に関する目標は、一度に180エーカーを灌漑できる単回通過の変換器やピボット噴霧器である。
例6
本明細書に記載の処理システムの効果をさらに例示するため、処理システムを構築し、本明細書で上記したように用いて水の試料を処理し、これらを試験して、処理装置によってもたらされた相対的な変化を示す。さらに具体的には、pH、電気伝導性、抵抗率および抵抗についての処理装置の効果を、異なる種類の水の試料に関して、ならびに処理システムを単回通過させたときと複数回通過させたときに関して調査し、結果のデータを表2に表示する。pHの測定は使用前に校正したpHメーターを用いて行った。電気伝導率の測定は、その工程において水の試料を抵抗として用いたときに、DC電圧パスを収集するよう設定した電圧計で測定した。試料#1は未処理の水からなる対照試料であり、今回のこの試料は処理システムを通過させなかった。試料#2は未処理の水を処理システムに単回通過させて得たものである。試料#3は未処理の水を軟化した後に処理システムを単回通過させて得たものである。試料#4(例えば50ガロンのセットアップ)と試料#5は未処理の水を処理システムに複数回通過させて得たものである。試料#3のみを、処理システムに通過させる前にカルシウムイオンとマグネシウムイオンとを除去する対象とした。他の試料は処理前(例えば処理システムに通過させる前)で軟化させなかった。
表2
Figure 2018501959
表2のデータは、本明細書に開示した処理システムに水を通すことによって、pHが上昇したこと、全体的に抵抗率が上昇したこと、伝導率が減少したことを示している。表2の結果が示唆しているのは、本明細書に開示した処理システムが水を活性化し、その平衡を水分子のイオン状態の対応物(HとHO)よりも水分子を多く形成する方向に移動させるということである。
pH分析 本明細書に開示の処理システムを通過する回数を増やすことにより、pHが上昇し、このため水のイオン積(K)が試料#1の2.88×10−15から試料#4の2.40×10−17まで小さくなっている。Kは試料#1から試料#3で一桁小さくなり、Kは試料#1から試料#4で二桁小さくなる。理論により限定されることを望むわけではないが、本明細書に開示の処理システムに水を通過させると、溶液中のHイオンとHOイオンの数を効果的に減らすこととなり、式(7)に示した平衡に基づいてこれらのイオンに非解離のHOの構造をとらせることになる。
Figure 2018501959
温度変化も式(7)における平衡に影響を与える。温度の上昇(例えば高温)によりこの平衡は右側に移動し(例えば水分子をHイオンとHOイオンに解離する)、温度の低下(例えば低温)によりこの平衡は左側に移動する(例えばHイオンとHOイオンから水分子を形成する)。例えば25℃でpHが7、K=1.0×10−14である。さらに他の一実施例として、0℃でK=1.5×10−15である。また他の実施例として、60℃でK=9.5×10−14である。本開示を活用すれば当業者は理解できることであるが、温度が高いほどKが高くなる。
伝導率の分析 一般に、抵抗率は溶液中のイオンの数または量の減少に伴って大きくなり、伝導率は溶液中のイオンの数または量の減少に伴い通常は減少することによって逆の傾向に沿う。このことはMg2+イオンとCa2+イオン(これらは試料#1と#2に存在する)がもはや存在しない(または実質的に除去されている)軟化した水(試料#3)において明らかである。試料#3に関して伝導率が減少する理由は、処理システムによって式(7)における平衡が非解離の水分子の方向に移動し、溶液中のHイオンとHOイオンの数を減少させていることに加え、Mg2+イオンとCa2+イオンが水試料から除去されることにより、システム全体の伝導率が減少していることにある。伝導率は複数回通過するシステムで減少し続ける(試料#4と#5)。なぜならば、イオン(例えばMg2+イオンとCa2+イオン)が潜在的に溶液(例えば水試料)中で沈殿を形成する可能性があるためである。水試料をイオン交換により軟化させる場合、Mg2+イオンとCa2+イオンは通常Naイオンに置換されるので、この工程は多くの場合、伝導率全体には影響を及ぼさない。しかしながらこの場合、式(7)における平衡が非解離の水分子の方向に移動することにより、HイオンとHOイオンの数が減るため、伝導率が小さくなる可能性がある。
単回通過比較 軟化した水(試料#3)のpHは比較的高いが、これは水を軟化させた結果として、試料#3の溶液中にイオン(Na)が存在することによる可能性が高い。理論により限定されることを望むわけではないが、本明細書に開示の処理システムは小さなイオン(Na)などに対してより効果的に作用することができる。pHは試料#3に関しては高くなる。なぜならば非解離の水分子のほうがイオン(HとHO)の対応物よりも多く存在しており、Naイオンの存在がpHの上昇につながる可能性があるためである。伝導率に関して上述したように、本明細書に開示の処理システムによって、式(7)の平衡が水分子の方向に移動することにより、溶液中のHイオンとHOイオンの数の減少につながり、このため伝導率が低くなり、結果的に抵抗率が高くなった可能性がある。異なる単回通過の試料(試料#2および#3)間のpHおよび伝導率に見られる差は、試料#3の水を軟化したことが原因である可能性が最も高い。試料#2の伝導率が上昇したのは、本明細書に開示の処理システムで水を活性化し、その平衡をイオンの対応物(HとHO)の方向よりむしろ非解離の水分子(HO)の方向に移動させたことにより、溶液中の自由イオン数が増加したことに起因する可能性がある。理論により限定されることを望むわけではないが、溶液(例えば試料#2)中のイオンによっては、そのようなイオンのより低い水和作用に起因して電流の流れが良くなる可能性がある。
複数回通過比較 複数回通過の試料#4および#5の伝導率は、単回通過の試料#2と比較して減少する(そして結果的に抵抗率が上昇する)ことを示している。これはおそらく、式(7)の平衡が水分子の方向に移動することにより、溶液中のHイオンとHOイオンの数がより大きく減少するためである。
本明細書では多くのシステムおよび方法を説明してきた。具体的な実施例として以下のものを含むが、これらに限定されない。
第1実施例として、水を電磁場で処理するための処理装置であって、導管と、導管の外面の周囲に配置されるワイヤコイルからなる変換器と、変換器と電気的に接続された制御装置とを備え、制御装置が変換器に交流電流を供給するようになっている処理装置。
第2実施例は第1実施例の装置を含むことができ、導管がプラスティックからなる。
第3実施例は第1実施例の装置を含むことができ、導管が非強磁性材料からなる。
第4実施例は第3実施例の装置を含むことができ、導管が銅、アルミニウム、非強磁性のステンレス鋼、これらの合金、またはこれらを組み合わせたものから形成される。
第5実施例は第1〜第4実施例のいずれかの装置を含むことができ、導管が電気絶縁被覆を備え、電気絶縁被覆が導管の外側表面とワイヤコイルとの間に設けられている。
第6実施例は第1〜5実施例のいずれかの装置を含むことができ、制御装置に連結される電源をさらに備え、電源が約12V ACと約480V ACの間の範囲の交流電流を供給するようになっている。
第7実施例は第1〜第6実施例のいずれかの装置を含むことができ、リサイクルラインをさらに備え、このリサイクルラインで変換器に対して導管の下流側にある排水口と、変換器に対して導管の上流側にある給水口との間を流体が流通するようになっている。
第8実施例は第1〜第7実施例のいずれかの装置を含むことができ、絶縁容器をさらに備え、導管と変換器とが絶縁容器内に設置されており、ワイヤコイルのワイヤのサイズが変換器に供給される交流電流に応じて熱を発生するようになっている。
第9実施例は第1〜第8実施例のいずれかの装置を含むことができ、ワイヤコイルが導管のまわりの単層巻線からなる。
第10実施例は第1〜第9実施例のいずれかの装置を含むことができ、ワイヤコイルが導管のまわりの複数層の巻線からなる。
第11実施例は第10実施例の装置を含むことができ、複数の層がランダムな巻線パターンで設けられている。
第12実施例は第1〜第11実施例のいずれかの装置を含むことができ、制御装置がコンデンサを備え、コンデンサと変換器で同調回路を形成しており、制御装置は共振周波数で変換器に交流電流を供給するようになっている。
第13実施例は第1〜第12実施例のいずれかの装置を含むことができ、導管内に配置される乱流誘導構造をさらに備える。
第14実施例は第13実施例の装置を含むことができ、乱流誘導装置が導管内に挿入されるらせん形の挿入体からなる。
第15実施例は第1〜第14実施例のいずれかの装置を含むことができ、流体スイッチをさらに備え、水が導管内に流れていないときに流体スイッチが制御装置に指示を与えるようになっている。
第16実施例は第1〜第15実施例のいずれかの装置を含むことができ、変換器と熱接触しかつ制御装置と信号通信する温度センサをさらに備えており、温度センサにより検出した温度が閾値を超えたときに、交流電流が変換器に供給されるのを制御装置が防ぐようになっている。
第17実施例として、水を電磁場で処理するための処理装置であって、導管と、導管の一部分の外面の周囲に配置される複数のワイヤコイルからなる多区間変換器とを備え、複数のワイヤコイルが直列に接続されており、制御装置が多区間変換器と電気的に接続されており、制御装置が複数のワイヤコイルの各ワイヤコイルに交流電流を供給するようになっている。
第18実施例は第17実施例の装置を含むことができ、多区間変換器が2〜10個のワイヤコイルからなる。
第19実施例は第17実施例または第18実施例の装置を含むことができ、制御装置が約20V ACと約80V ACの間の範囲の電圧を複数のワイヤコイルの各ワイヤコイルに供給するようになっている。
第20実施例は第17〜第19実施例のいずれかの装置を含むことができ、導管が複数のワイヤコイルの各ワイヤコイル間に少なくとも1箇所の屈曲部を含む。
第21実施例として、水を処理する方法は、導管に注入水を流すステップと、導管内で変動する電磁場に注入水をさらすステップと、変動する電磁場に応じて導管内の注入水の少なくとも一つの性質を変化させるステップと、調整した水を生成するステップとを備える。
第22実施例は第21実施例の方法を含むことができ、変換器に交流電流を流すステップをさらに備え、変換器が少なくとも導管の一部分のまわりに配置されるワイヤコイルからなり、変換器を流れる交流電流に応じて導管内に変動する電磁場を発生するステップを備える。
第23実施例は第22実施例の方法を含むことができ、導管が非強磁性材料からなる。
第24実施例は第23実施例の方法を含むことができ、導管が金属からなり、変動する電磁場に注入水をさらすと同時に熱を発生するステップと、導管を通して注入水にその熱を伝えるステップとを備える。
第25実施例は第22〜第24実施例のいずれかの方法を含むことができ、交流電流が約12V ACと約480V ACとの間の電圧の範囲で供給される。
第26実施例は第22〜第25実施例のいずれかの方法を含むことができ、交流電流が約10Hzと約200kHzの間の範囲の周波数で供給される。
第27実施例は第22〜第25実施例のいずれかの方法を含むことができ、交流電流によって約10ワットから約10キロワットの間の範囲の電力を水に供給する。
第28実施例は第22〜第27実施例のいずれかの方法を含むことができ、注入水を変換器内で加熱するステップをさらに備える。
第29実施例は第28実施例の方法を含むことができ、調整した水が注入水よりも少なくとも約5℃温かい。
第30実施例は第21〜第29実施例のいずれかの方法を含むことができ、交流電流がコンデンサと電気的に連絡しており、変換器とコンデンサは同調回路として共振周波数で機能する。
第31実施例は第21〜第30実施例のいずれかの方法を含むことができ、調整した水のpHが注入水よりも少なくとも約0.1pH単位高い。
第32実施例は第21〜第31実施例のいずれかの方法を含むことができ、調整した水のTDS量が注入水よりも少なくとも約10%低い。
第33実施例は第21〜第32実施例のいずれかの方法を含むことができ、調整した水の硬度が注入水よりも少なくとも約20%低い。
第34実施例は第21〜第33実施例のいずれかの方法を含むことができ、調整した水のORPが注入水よりも少なくとも約20mV低い。
第35実施例は第21〜第34実施例のいずれかの方法を含むことができ、注入水の少なくとも一つの性質の変化に応じて沈殿物を生成するステップを備える。
第36実施例は第21〜第35実施例のいずれかの方法を含むことができ、調整した水を1回以上導管の注入口に再循環するステップをさらに備える。
本明細書に開示した原理による様々な実施例を示して説明してきたが、当業者であれば本開示の趣旨および教示から逸脱することなく修正を加えることができる。ここに説明した実施例は代表例であるに過ぎず、これらに限定しようとするものではない。多くの変形、組み合わせ、修正は本開示の範囲内で可能である。実施例の特徴を組み合わせたり、統合したり、削除したりした結果生じる代替実施例も同様に本開示の範囲内にある。したがって、保護の範囲は上述の説明により限定されるのではなく、下記の請求項によって定義され、請求項は請求項の対象物とすべての均等物を含む。各請求項およびすべての請求項は明細書へのさらなる開示として援用し、請求項は本発明の実施例とする。さらに上述した任意の利点および特徴は特定の実施例に関連するものであるが、これらの利点や特徴は、特許された請求項の適用を上記の一部またはすべての利点を達成したり上記の一部またはすべての特徴を有したりする製造工程や構造に限定するものではない。
加えて、本明細書で用いたセクションの見出しは、米国連邦規則集第37巻1.77のもとでの提案と整合性を取るため、あるいは文章構成上の目印を提供するためのものである。これらの見出しは、本開示において特許となる可能性のあるいかなる請求項に規定した発明をも制限したり特徴付けたりするものではない。具体的に、および例として言うと、これらの見出しの中には「分野」と言っているものがあるかもしれないが、この見出しの下でいわゆる分野を記述するために選択された言葉によって請求項を限定すべきではない。さらに本開示の「背景」における技術の説明を、特定の技術がいかなる発明に対する先行技術であることの承認として解釈してはならない。また「概要」についても特許された請求項で定められる発明の特徴を制限するものとして考慮してはならない。さらに、本開示において単数形で「発明」と言っている箇所は、本開示に新規性を有する点がただ一点のみしかないと主張するために用いてはならない。本開示から特許となる複数の請求項の限定により複数の発明を規定することができ、そのような請求項は発明およびそれらの均等物を適切に規定し、従ってこれらは保護される。いかなる場合も、請求項の範囲は本開示に照らしつつそれ自身に基づいて考慮されるものであるが、本明細書に設けた見出しによって限定すべきではない。
「備える」「含む」「有する」などの上位語を利用することは、「からなる」「主成分とする」および「実質的に構成する」などの下位語をサポートするためのものと理解されるべきである。実施例の何らかの要素に対して「必要に応じて」「してもよい」「こともある」などの用語を使用している場合、「その要素は必要とされない」あるいは「その要素は必要とされる」という意味であり、この両方の選択肢が実施例の範囲内にあることになる。同様に、例について述べている箇所はただ単に例証目的のためであり、排他的であることは意図していない。
好ましい実施例を示して説明したが、当業者であれば本開示の範囲および教示から逸脱することなく修正を加えることができる。ここに説明した実施例は代表的なもののみに過ぎず、限定しようとするものではない。本明細書に記載のシステム、装置および工程の多くの変形および修正は本開示の範囲内において可能である。例えば、様々な部品の相対寸法、その様々な部品の材料、およびパラメータは様々に変えることができる。したがって、保護の範囲は本明細書に記載される実施例に限定されるのではなく、次の請求項によってのみ限定され、この範囲は請求項の対象物のすべての均等物を含むものとする。明示的に別段の定めをしない限り、方法の請求項におけるステップは任意の順に実施可能である。方法の請求項の前の例えば(a)、(b)、(c)または(1)、(2)、(3)などの識別子の記載はステップに対して順番を指定しようとしたり指定したりするものではなく、むしろそのようなステップの後の指示を簡単にするために用いている。
同様に、様々な実施例として個別にまたは分けて説明し図解した技術、システム、サブシステムおよび方法は、他のシステム、モジュール、技術または方法と本開示の範囲を逸脱することなく組み合わせたり、統合したりすることができる。互いに直接接続されたり接触したりしているものとして図示し述べたもの以外の物は、電気的、機械的またはそれ以外の場合であっても、何らかの接触部分、装置または中間構成要素を通して間接的に接続したり接触させたりすることができる。当業者は変更、置換および代替の他の例を確認できるし、それらはここに開示した趣旨および範囲を逸脱することなく可能である。

Claims (36)

  1. 水を電磁場で処理するための処理装置であって、
    導管と、
    導管の一部分の外面の周囲に配置されるワイヤコイルからなる変換器と、
    変換器と電気的に接続される制御装置とを備え、
    制御装置が変換器に交流電流を供給するようになっていることを特徴とする処理装置。
  2. 請求項1の装置であって、導管がプラスティックからなることを特徴とする装置。
  3. 請求項1の装置であって、導管が非強磁性材料からなることを特徴とする装置。
  4. 請求項3の装置であって、導管が銅、アルミニウム、非強磁性のステンレス鋼、これらの任意の合金、またはこれらを組み合わせたものから形成されることを特徴とする装置。
  5. 請求項1の装置であって、導管が電気絶縁被覆を備え、電気絶縁被覆が導管の外側表面とワイヤコイルとの間に設けられていることを特徴とする装置。
  6. 請求項1の装置であって、制御装置に連結される電源をさらに備え、電源が約12V ACと約480V ACの間の範囲の交流電流を供給するようになっていることを特徴する装置。
  7. 請求項1の装置であって、リサイクルラインをさらに備え、このリサイクルラインで変換器に対して導管の下流側にある排水口と変換器に対して導管の上流側にある給水口との間を流体が流通できるようになっていることを特徴とする装置。
  8. 請求項1の装置であって、絶縁容器をさらに備え、導管と変換器とが絶縁容器内に設置されており、ワイヤコイルのワイヤのサイズが変換器に供給される交流電流に応じて熱を発生するようになっていることを特徴とする装置。
  9. 請求項1の装置であって、ワイヤコイルが導管のまわりの単層巻線からなることを特徴とする装置。
  10. 請求項1の装置であって、ワイヤコイルが導管のまわりの複数層の巻線からなることを特徴する装置。
  11. 請求項10の装置であって、複数層がランダムな巻線パターンで設けられていることを特徴とする装置。
  12. 請求項1の装置であって、制御装置がコンデンサを備え、コンデンサと変換器で同調回路を形成しており、制御装置は共振周波数で変換器に交流電流を供給するようになっていることを特徴とする装置。
  13. 請求項1の装置であって、導管内に配置される乱流誘導構造をさらに備えることを特徴とする装置。
  14. 請求項12の装置であって、乱流誘導装置が導管内に挿入されるらせん形の挿入体からなることを特徴とする装置。
  15. 請求項1の装置であって、流体スイッチをさらに備え、水が導管内に流れていないときに流体スイッチが制御装置に指示を与えるようになっていることを特徴とする装置。
  16. 請求項1の装置であって、変換器と熱接触しかつ制御装置と信号通信する温度センサをさらに備え、温度センサにより検出した温度が閾値を超えたときに、交流電流が変換器に供給されるのを制御装置が防ぐようになっていることを特徴とする装置。
  17. 水を電磁場で処理するための処理装置であって、
    導管と多区間変換器と制御装置とを備え、
    多区間変換器は導管の一部分の外面の周囲に配置される複数のワイヤコイルからなり、複数のワイヤコイルは直列に接続されており、
    制御装置は多区間変換器と電気的に接続されており、制御装置がそれぞれのワイヤコイルに交流電流を供給するようになっていることを特徴とする装置。
  18. 請求項17の装置であって、多区間変換器が2〜10個のワイヤコイルからなることを特徴とする装置。
  19. 請求項17の装置であって、制御装置が約20V ACと約80V ACの間の範囲の電圧を複数のワイヤコイルそれぞれに供給するようになっていることを特徴とする装置。
  20. 請求項17の装置であって、導管が複数のワイヤコイルのそれぞれの間に少なくとも1箇所の屈曲部を含むことを特徴とする装置。
  21. 水を処理する方法であって、
    導管に注入水を流すステップと、
    導管内で注入水を変動する電磁場にさらすステップと、
    変動する電磁場に応じて導管内の注入水の少なくとも一つの性質を変化させるステップと、
    調整された水を生成するステップを備えることを特徴とする方法。
  22. 請求項21の方法であって、
    変換器に交流電流を流すステップと、
    変換器を流れる交流電流に応じて導管内に変動する電磁場を発生するステップをさらに備え、変換器が少なくとも導管の一部分のまわりに配置されるワイヤコイルからなることを特徴とする方法。
  23. 請求項22の方法であって、導管が非強磁性材料からなることを特徴とする方法。
  24. 請求項23の方法であって、導管が金属からなっており、
    変動する電磁場に注入水をさらすと同時に熱を発生するステップと、
    導管を通して注入水にその熱を伝えるステップを備えることを特徴とする方法。
  25. 請求項22の方法であって、交流電流が約12V ACと約480V ACとの間の電圧の範囲で供給されることを特徴とする方法。
  26. 請求項22の方法であって、交流電流が約10Hzと約200kHzの間の範囲の周波数で供給されることを特徴とする方法。
  27. 請求項22の方法であって、交流電流によって約10ワットから約10キロワットの間の範囲の電力を水に供給することを特徴とする方法。
  28. 請求項22の方法であって、注入水を変換器内で加熱するステップをさらに備えることを特徴とする方法。
  29. 請求項28の方法であって、調整された水が注入水よりも少なくとも約5℃温かいことを特徴とする方法。
  30. 請求項21の方法であって、交流電流がコンデンサと電気的に連絡しており、変換器とコンデンサが同調回路として共振周波数で機能することを特徴とする方法。
  31. 請求項21の方法であって、調整された水のpHが注入水よりも少なくとも約0.1pH単位高いことを特徴とする方法。
  32. 請求項21の方法であって、調整された水のTDS量が注入水よりも少なくとも約10%低いことを特徴とする方法。
  33. 請求項21の方法であって、調整された水の硬度が注入水よりも少なくとも約20%低いことを特徴とする方法。
  34. 請求項21の方法であって、調整された水のORPが注入水よりも少なくとも約20mV低いことを特徴とする方法。
  35. 請求項21の方法であって、注入水の少なくとも一つの性質の変化に応じて沈殿物を生成するステップをさらに備えることを特徴とする方法。
  36. 請求項21の方法であって、調整された水を1回以上導管の注入口に再循環するステップをさらに備えることを特徴とする方法。

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