JP4304805B2 - 浮上ヘッドスライダとディスクドライブ装置 - Google Patents

浮上ヘッドスライダとディスクドライブ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク、光ディスクや光磁気ディスク等の回転型の記憶メディアを用いて大容量のデータの記録及び/又は再生を行うことができる大容量記憶装置に適用するのに最適な浮上ヘッドスライダと、その浮上ヘッドスライダを用いるディスクドライブ装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図10及び図11に示すように、ディスクドライブ装置の一例であるリムーバルハードディスク・ドライブ装置(以下、R−HDDと記載する)31では、回動型のヘッドアクチュエータ32が使用されていて、そのヘッドアクチュエータ32の先端には板厚が薄い板バネで構成されたサスペンション33が取り付けられ、そのサスペンション33の先端に浮上ヘッドスライダ34がジンバルプレート等を介して支持されている。そして、回転型の大容量記憶メディアの一例であって、磁気ディスクで構成されているハードディスク35がカートリッジ36内に回転自在に収容されていて、そのカートリッジ36によってハードデイ35がR−HDD31内に交換可能(脱着自在)に装填されるように構成されている。
【0003】
そして、R−HDD31内にはスピンドルモータ37が搭載されていて、カートリッジ36によってR−HDD31内に装填されたハードディスク35の強磁性体で構成されているセンタコア38がスピンドルモータ37の頂部のチャッキングマグネット39上にマグネットチャッキングされる。そして、スピンドルモータ37によってハードディスク35を矢印a方向に高速で回転駆動して、そのハードディスク35の記録面35aの表面に動圧軸受として利用する矢印a方向に流れる空気流ASを発生させる。そして、ヘッドアクチュエータ32のサスペンション33のばね力によって浮上ヘッドスライダ34をそのハードディスク35の記録面の空気流AS上に押圧させるようにして、その浮上ヘッドスライダ34をハードディスク35の記録面の表面上に数10nmの値に浮上させる。そして、ヘッドアクチュエータ32によってその浮上ヘッドスライダ34をハードディスク35の内外周方向である矢印b、c方向にシークしながら、情報の高密度の記録、再生を行うように構成されている。
なお、図11は、ヘッドアクチュエータ32によって浮上ヘッドスライダ34がハードディスク35の内外周に矢印b、c方向にシークされる際のスキュー角(記録トラックの接線に対する浮上ヘッドスライダ34の開き角度を言う)θを説明していて、図11の例においては、このスキュー角θは記録トラックの半径方向の中間点でプラススキュー角+θとマイナススキュー角−θに反転され、浮上ヘッドスライダ34が記録トラックの最外周にシークされた時に、そのスキュー角θは最大のプラススキュー角+θとなり、その逆に、浮上ヘッドスライダ34が記録トラックの最内周にシークされた時には、そのスキュー角θが最大のマイナススキュー角−θとなる。
【0004】
ところで、図12及び図13に示すように、従来の一般的な浮上ヘッドスライダ34は、扁平な直方体形状に構成されているスライダ本体41のハードディスク35の記録面35aと対向するベース面42上で、空気流ASの流入方向(=ハードディスク35の回転方向)aの上流側(矢印a方向の逆方向側を言う)の端面であるスライダ本体41の前端面41a側に偏位された位置に平面形状がほぼコ字状のステップ面43をそのベース面42に対して段差を有する平行面状(ステップ面43とベース面42が平行であること)に形成し、そのベース面42上でステップ面43より下流側(矢印a方向側の前方側を言う)に偏位された位置に平面形状がコ字状のレール面44をステップ面43及びベース面42に対して段差を有する平行面状(レール面44がステップ面43及びベース面42に対して平行であること)に形成している。この際、レール面44はスライダセンターPに対して直角な前側レール面44aと、スライダセンターPと平行な一対の後側レール面44bとによって平面形状がコ字状に形成されていて、ステップ面43とレール面44の前側レール面44aとの間の前側段差面45がスライダセンターPに対して直角に形成されている。そして、その前側段差面45とステップ面43の直角なコーナ部分が正圧発生部46に形成され、レール面44の前側レール面44aと一対の後側レール面44bとの間でコ字状に囲まれた凹所が負圧発生部47に形成されている。なお、スライダ本体41の空気流の流入方向aの下流側の端面である後端面41bの近傍位置でレール面44の一方の後側レール面44bの後端近傍位置にはハードディスク35の記録面に情報を記録、再生する磁気ヘッド48のヘッドチップが露呈されている。
【0005】
また、図12〜図14に示すように、ベース面42上にステップ面43及びレール面44を順次段差を有するように加工する方法としては、レール面44を最上層の基準面とし、イオンエッチング等の加工方法により、そのレール面44の輪郭線51及びステップ面43の輪郭線52をこれらの段差相当分だけ下方へ2段階に掘り下げるようにして加工されている。その際、加工精度の関係で、レール面44の輪郭線51がステップ面43の輪郭線52に内包される(レール面44がステップ面43より少し小さいコ字状に形成されること。)ように加工するのが一般的であり、スライダ本体41の後端面41bでは、これらの両輪郭線51、52を一緒に切断するのが一般的である。
【0006】
従って、従来の一般的な浮上ヘッドスライダ34では、レール面44の前側レール面44aの空気流ASの流入方向aの下流側にも、ステップ面43に対する後側段差面53が形成され、そのステップ面43の後側段差面53より更に下流側にも、ベース面42に対する後側段差面54が形成されていた。そして、従来は、これらの後側段差面53、54の空気流ASの流入方向aの間隔(以下単に前後方向の間隔と記載する)S1が30μm〜40μmの大間隔に形成されていた。
【0007】
そして、図13に示すように、矢印a方向に高速で回転されるハードディスク35の記録面35aの表面に発生されている空気流ASの流入方向aの上流側へ浮上ヘッドスライダ34のスライダ本体41の前端面41aがほぼ直角状に向くようにして、その浮上ヘッドスライダ34のレール面44をその空気流AS上にサスペンション33のばね力によって矢印d方向からほぼ直角状に押圧させることによって、正圧発生部46で正圧を発生させて、そのレール面44をハードディスク35の記録面35aから数10nmの浮上量Hに浮上させる一方、負圧発生部47で発生される負圧によって記録面35aに対するレール面44の浮上量Hの適正化を図るようにして、磁気ヘッド48で記録面35aに情報を記録、再生するように構成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ハードディスク35の交換が不能な固定型のハードディスク・ドライブ装置では、ドライブ本体の外筐を密封ケースに構成して、ダストに対してクリーンな環境下で、浮上ヘッドスライダ34をハードディスク35の記録面35a上に浮上させることができるので、ダストがその浮上ヘッドスライダ34と記録面35aとの間に挟み込まれて、浮上ヘッドスライダ34の浮上姿勢に悪影響を及ぼすことが殆んどない。
【0009】
しかし、ハードディスク35の交換が必要なR−HDD31では、カートリッジ36の装填及び排出時に、R−HDD31内にダストが侵入され易く、その侵入されたダストは、ハードディスク35の記録、再生中に、そのハードディスク35の記録面35aに発生する空気流ASに混って浮上ヘッドスライダ34とハードディスク35の記録面35aとの間に流入され易くなる。
【0010】
この際、従来の一般的な浮上ヘッドスライダ34は、図12〜図14に示すように、レール面44の前側レール面44aの後側段差面53と、ステップ面43の後側段差面54との間隔S1が30μm〜40μmの大間隔に形成されていたために、図14に示すように、これらの2つの後側段差面53の下流側近傍位置で、ステップ面43上P1にダストDSが付着され易かった。そして、その付着されたダストDSはやがて剥れて流出し、そのレール面44とハードディスク35の記録面35aとの間に挟み込まれる事態が発生すると、浮上ヘッドスライダ34にピッチングやローリング等の浮上姿勢の不安定化が発生して、情報の録再不良を生じたり、最悪の場合には、浮上ヘッドスライダ34のレール面44や磁気ヘッド48等が高速回転中のハードディスク35の記録面35aに接触して、これら両者がクラッシュされてしまう等の事態も発生し易いと言う問題があった。
【0011】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、耐ダスト性に非常に優れた浮上ヘッドスライダを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の浮上ヘッドスライダは、記憶メディアの回転によって発生する空気流によりその記憶メディアに対して浮上された状態で情報の記録及び/又は再生を行う浮上ヘッドスライダにおいて、スライダ本体に形成され、上記記憶メディアと対向されるベース面と、上記ベース面上の上記空気流の流入方向の上流側と下流側とに凹所を隔てて偏位され、該ベース面とほぼ平行面状に形成された第1及び第2のステップ面と、上記第1及び第2のステップ面上の上記空気流の流入方向の下流側へやや偏位された位置に段差を有するほぼ平行面状に形成された第1及び第2のレール面とを有し、上記第1のステップ面及び上記第1のレール面は上記空気流の下流側に進むに従って上記ベース面の幅方向のほぼ中央部から両側部にかけてほぼ放物線に沿って湾曲されたほぼ相似形状に構成し、上記第2のステップ面及び上記第2のレール面は上記空気流の流入方向の上流側で小幅で、下流側に進むに従って大幅となる形状に形成し、上記第1のステップ面と上記第2のステップ面との間に凹所を形成し、上記第1及び第2のレール面に対する上記ベース面の段差G3をほぼ3.4μmとするために、上記第1及び第2のステップ面に対する上記ベース面の段差G1をほぼ3μmに構成し、上記第1及び第2のレール面に対する上記第1及び第2のステップ面の段差G2をほぼ0.4μmに構成したものである。
【0013】
上記のように構成された本発明の浮上ヘッドスライダによれば、スライダ本体に形成され、上記記憶メディアと対向されるベース面と、上記ベース面上の上記空気流の流入方向の上流側と下流側とに凹所を隔てて偏位され、該ベース面とほぼ平行面状に形成された第1及び第2のステップ面と、上記第1及び第2のステップ面上の上記空気流の流入方向の下流側へやや偏位された位置に段差を有するほぼ平行面状に形成された第1及び第2のレール面とを有し、上記第1のステップ面及び上記第1のレール面は上記空気流の下流側に進むに従って上記ベース面の幅方向のほぼ中央部から両側部にかけてほぼ放物線に沿って湾曲されたほぼ相似形状に構成し、上記第2のステップ面及び上記第2のレール面は上記空気流の流入方向の上流側で小幅で、下流側に進むに従って大幅となる形状に形成し、上記第1のステップ面と上記第2のステップ面との間に凹所を形成し、上記第1及び第2のレール面に対する上記ベース面の段差G3をほぼ3.4μmに構成するために、上記第1及び第2のステップ面に対する上記ベース面の段差G1をほぼ3μmに構成し、上記第1及び第2のレール面に対する上記第1及び第2のステップ面の段差G2をほぼ0.4μmに構成したので、記憶メディアの回転速度が速くなっても、これら2つの後側段差面の下流側に空気流の渦流が殆んど発生せず、これら2つの後側段差面の下流側にダストが付着され難くなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をリムーバルハードディスク・ドライブ装置(R−HDD)に適用された浮上ヘッドスライダの実施の形態を図1〜図9を参照して説明する。なお、図10及び図14と同一構造部には同一の符号を付して説明の重複を省く。
【0015】
「浮上ヘッドスライダの基本的な構成」
まず、本発明の浮上ヘッドスライダ1の基本的な構成を図8によって説明すると、この浮上ヘッドスライダ1は、扁平な直方体形状に構成されているスライダ本体2のハードディスクの記録面と対向するベース面3上にステップ面4が段差G1を有する状態でそのベース面3に対して平行面状(平行な面であること)に形成され、そのステップ面4上にレール面5が段差G2を有する状態でそのステップ面4に対して平行面状(平行な面であること)に形成されている。そして、ベース面3とレール面5の段差がG3で示されている。この際、ステップ面4及びレール面5は空気流ASの流入方向aの上流側に配置された第1のステップ面4a及び第1のレール面5aと、下流側に配置された第2のステップ面4b及び第2のレール面5bで構成されている。そして、ステップ面4の第1のステップ面4aが空気流ASの流入方向aの上流側であるスライダ本体2の前端面2a側へ偏位された位置に配置されていて、レール面5の第1のレール面5aがその第1のステップ面4aの前端に対して空気流ASの流入方向aの下流側へ所定の距離偏位された位置に配置されている。
【0016】
そして、ベース面3の幅方向をX方向とし、長さ方向をY方向とした時に、ステップ面4の第1のステップ面4aの空気流ASの流入方向aの上流側に位置し、ベース面3に対する段差G1を有する前側段差面6と、レール面5の第1のレール面5aの空気流ASの流入方向aの上流側に位置し、第1のステップ面4aに対する段差G2を有する前側段差面7がその空気流ASの流入方向側に進むに従ってベース面3の幅方向(X方向)のほぼ中央部から両側部にかけて連続した曲線によってほぼ放物線に沿って湾曲されたほぼ相似形状に形成されている。また、ステップ面4の第1のステップ面4aの空気流ASの流入方向aの下流側に位置し、ベース面3に対する段差G1を有する後側段差面8と、レール面5の第1のレール面5aの空気流ASの流入方向aの下流側に位置し、ステップ面4に対する段差G2を有する後側段差面9もその空気流ASの流入方向aの下流側に進むに従ってベース面3の幅方向(X方向)のほぼ中央部から両側部にかけて連続した曲線によってほぼ放物線に沿って湾曲されたほぼ相似形状に形成されている。但し、これらの後側段差面8、9の空気流ASの流入方向aの上流側部分での曲率半径が前側段差面6、7の空気流ASの流入方向aの上流側部分の曲率半径よりも小さく構成されていて、これら前側段差面6、7及び後側段差面8、9によって、これら第1のステップ面4a及び第1のレール面5aの輪郭線10、11がほぼ後退翼形状(又はほぼブーメラン形状)に形成されている。
【0017】
そして、ステップ面4の第2のステップ面4bは第1のステップ面4aの後側段差面8のほぼ中央部に接続部4cによって接続されていて、ベース面3上のスライダ本体2の後端面2bの近傍位置との間にスライダセンターPに沿って配置されていて、この第2のステップ面4bのベース面3に対する段差G1を有する段差面である輪郭線12は空気流ASの流入方向aの上流側で小幅であり、下流側に進むに従って大幅となるほぼテーパ状に形成されている。また、レール面5の第2のレール面5bは第1のレール面5aの後側段差面9のほぼ中央部に対して所定の距離に離間されて第2のステップ面4b上に配置されていて、この第2のレール面5bの第2のステップ面4bに対する段差G2を有する段差面である輪郭線13も空気流ASの流入方向aの上流側で小幅であり、下流側に進むに従って大幅となるほぼテーパ状に形成されている。但し、スライダ本体2の一方の側面2c側をハードディスク35の内周側ISとし、他方の側面2d側をハードディスク35の外周側OSとした時に、第2のレール面5bの輪郭線13の内周側ISには凹形状部13aが形成されている。そして、磁気ヘッド14のヘッドチップがスライダセンターP上で第2のレール面5bの後端から例えば30μm前方へ離れた位置に露呈されている。
【0018】
そして、第1及び第2のステップ面4a、4bの輪郭線10、12内に第1及び第2のレール面5a、5bの輪郭線11、13が内包されている。そして、第1のステップ面4aの前側段差面6とベース面3とのコーナ部分及び第1のレール面5aの前側段差面7と第1のステップ面4aとのコーナ部分が正圧発生部15に形成されていて、第1のステップ面4a及び第1のレール面5aの後側段差面8、9とベース面3とのコーナ部分が負圧発生部16に形成されている。
【0019】
そして、図13で説明したように、矢印a方向に高速で回転駆動されるハードディスクの記録面の表面に発生されている空気流ASの流入方向aの上流側へ浮上ヘッドスライダ1のスライダ本体2の前端面2aがほぼ直角状に向くようにして、その浮上ヘッドスライダ1の第1及び第2のレール面5a、5bをその空気流AS上にサスペンション33のばね力によって矢印d方向からほぼ直角状に押圧させることによって、正圧発生部15で正圧を発生させて、その第1及び第2のレール面5a、5bにその空気流ASの流入方向aの上流側に向く仰角を与えて、その第1及び第2のレール面5a、5bをハードディスク35の記録面35aから浮上量Hに浮上させる一方、負圧発生部16で発生される負圧によって記録面35aに対する第1及び第2のレール面5a、5bの浮上量Hの適正化を図るようにして、磁気ヘッド14で記録面35aに情報の記録、再生を行うように構成されている。
【0020】
この際、浮上ヘッドスライダ1のスライダサイズは30%(ピコスライダ)に構成されていて、ハードディスク35の回転数が2,700rpm等の高速回転仕様であり、サスペンション33のばね力による浮上ヘッドスライダ1の矢印d方向への押圧荷重が3gf(BI単位)である時、記録面35aに対する浮上ヘッドスライダ1の浮上量Hは20nmとなるように構成されている。
【0021】
ところで、スライダ本体2のベース面3、第1及び第2のステップ面4a、4b、第1及び第2のレール面5a、5bは、その第1及び第2のレール面5a、5bを最上層の基準面として、これら第1及び第2のレール面5a、5bから輪郭線11、13の外周部分を段差G2に掘り下げ、次に、第1及び第2のステップ面4a、4bの輪郭線10、12の外周部分を段差G1に掘り下げるRIE(反応性イオンエッチング等の加工方法で掘り下げることによって、前述したようにベース面3上に段差G1の第1及び第2のステップ面4a、4bを形成し、これら第1及び第2のステップ面4a、4b上に段差G2の第1及び第2のレール面5a、5bを形成されるのが一般的である。
【0022】
このように構成された本発明の浮上ヘッドスライダ1の基本構成によれば、ハードディスク2,700rpmで回転されることによって、空気流ASの流入速度もほぼ同速となる。しかし、その空気流ASに混って流入されるダストDSは第1のステップ面4a及び第1のレール面5aの前側段差面6、7によってほぼ放物線に沿わせるようにして、これら第1のステップ面4a及び第1のレール面5aの両側方へスムーズに排出することができるので、前側段差面6、7に沿って両側方へ排出されたダストDSが負荷発生部16内に巻き込まれることを極力防止できる。また、第2のレール面5bの輪郭線13の内周側ISに形成されている凹形状部13aはこの浮上ヘッドスライダ1マイナススキュー角時にもCFH(Constan Flying Height)性維持する効果がある。
【0023】
しかし、このように構成された本発明の浮上ヘッドスライダ1の基本構成では、第1のステップ面4aと第1のレール面5aの後側段差面8、9との間で中央部分P1や両側部分P2にこれらの間の前後方向の間隔S2の非常に大きい箇所(30μm〜40μm以上の間隔を言う)が存在している。なお、中央部分では、第1のステップ面4aの後側段差面8がなく、第1のステップ面4aに第2のステップ面4bの前端が接続部4cによって接続されている。また、第2のステップ面4bと第2のレール面5bの輪郭線12、13の下流側の両側コーナ部分P3にも、これらの間に前後方向の間隔S3の非常に大きい箇所が存在している。
【0024】
このために、流入速度が高速となっている空気流ASに混ったダストDSが第1及び第2のレール面5a、5bを乗り越えて矢印a方向に流下される際に、図14で説明した渦流wsによってダストDSが巻き込まれて、図8に小間隔の平行線で示すように、上記の各箇所P1、P2、P3で第1及び第2のステップ面4a、4b上にダストDSが付着され易いと言うことが実験的に確認された。
【0025】
特に、図9に示す変形例のように、各箇所P1、P2、P3の間隔S2、S3が拡大されたものでは、図9中に小間隔の平行線で示した箇所にダストDSがより一層付着され易くなる。
【0026】
そこで、図6及び図7に示すように、第1のステップ面4aと第2のステップ面4bの先端との接続部4cを切除して、この部分に凹所4dを形成すると、中央部分P1で、第1のステップ面4a上に付着されるダストDSの付着が最も最小化された。また、第1及び第2のレール面5a、5bに対するベース面3の段差(深さ)G3を深くすればする程、上記各箇所P1、P2、P3部分で第1及び第2のステップ面4a、4b上へのダストDSの付着が少なくなることが実験的に確認された。
【0027】
「本発明の浮上ヘッドスライダの第1の実施形態」
そこで、図1〜図3によって、本発明の浮上ヘッドスライダ1の第1の実施形態について説明すると、まず、第1及び第2のレール面5a、5bに対するベース面3の段差G3をほぼ3.4μmに深く構成している。そのために、第1及び第2のステップ面4a、4bに対するベース面3の段差(深さ)G例えば3μmに深く構成し、第1及び第2のレール面5a、5bに対する第1及び第2のステップ面4a、4bの段差(深さ)G例えば0.4μm位に構成している。
【0028】
次に、第1のレール面5aと第1のステップ面4aに対する段差を形成する後側段差面9と、第1のステップ面4aとベース面3に対する段差を形成する後側段差面9と、第2のレール面5bと第2のステップ面4bに対する段差を形成する後側段差面である輪郭線13の後側と、第2のステップ面4bとベース面3に対する段差を形成する後側段差面である輪郭線12の後側との前後方向の間隔S4、S5を10μm以下に構成している。また、輪郭線12と13の後側のコーナ部分の間隔S6も10μm以下に構成したものである。なお、レール面5に対するステップ面4及びベース面3のイオンエッチング加工等の加工手順や加工時間を考慮すると、Max10μm以下が限度となる。
【0029】
そして、このように、上記間隔S4、S5、S6を基本的な構成部分で説明した間隔S2やS3等に比べて1/4〜1/3以下に非常に小さい間隔に最小化したことによって、図2に示すように、空気流ASが高速で矢印a方向に流入される際に、上記の各箇所P2、P3部分に空気流ASの渦流wsが殆んど発生しなくなり、その空気流AS中のダストDSが上記の箇所P2、P3の第1及び第2のステップ面4a、4b上に付着され難くなる。
従って、上記の箇所P2、P3の第1及び第2のステップ面4a、4b上に付着、堆積したダストDSがやがて剥れて流下し、第2のレール面5aとハードディスクの記録面との間に挟み込まれて、浮上ヘッドスライダ1の浮上姿勢が不安定化して、情報の録再不良を生じたり、両者がクラッシュされてしまうことを未然に防止することができる。
【0030】
「本発明の浮上ヘッドスライダの第2の実施形態」
次に、図4及び図5によって、本発明の浮上ヘッドスライダ1の第2の実施形態について説明すると、まず、図5に示すように、第1及び第2のレール面5a、5bの輪郭線11、13と、第1及び第2のステップ面4a、4bの輪郭線10、12はイオンエッチング加工の2工程で実行され、2枚のマスク21、22が使用される。そして、最初に第1及び第2のレール面5a、5bの輪郭線11、13を加工する第1のマスク21には、その輪郭線加工用マスク部23a、23bが形成されていて、次に第1及び第2のステップ面4a、4bの輪郭線10、12を加工する第2のマスク22には、その輪郭線加工用マスク部24a、24bが形成されている。
【0031】
そこで、第1のマスク22の輪郭線加工用マスク部23aの後側である空気流ASの流入方向aの下流側を、第2のマスク22の輪郭線加工用マスク部24aの後側である空気流ASの下流側より、その下流側へ偏位させておき、これら2枚のマスク22、23を用いて2工程で第1及び第2のレール面5a、5b及び第1及び第2のステップ面4a、4bをイオンエッチング加工すると、2つの輪郭線加工用マスク部23a、24aが重なる下流側部分に相当する、第1のレール面5aの下流側には第1のステップ面4aが存在しなくなると言う効果が得られることになる。なお、その際のベース面3の掘り下げ深さを3μm以上+ステップ面4aの深さとすることにより、新たな面25の深さは3μm以上となる。但し、このような2枚のマスク21、22を用いるイオンエッチング加工方法は、高い精度が要求される。
【0032】
「本発明の浮上ヘツドスライダの第3の実施形態」
次に、図6によって、本発明の浮上ヘッドスライダ1の第3の実施形態について説明すると、この場合は、まず、第2のステップ面4bと第2のレール面5bの輪郭線12、13の空気流ASの流入方向aの下流側の端部をスライダ本体2の後端面2bの切断加工時に一緒に切り落して、これらの輪郭線12、13の下流側に段差が生じないように加工する。
【0033】
次に、これらの輪郭線12、13の下流側の両側をテーパ状の輪郭線28に沿ってベース面3の下方に機械加工等にて、例えば50μm程度掘り下げて深い凹所29を形成したものである。なお、この機械加工には回転砥石を用いるのが好適であり、輪郭線28をテーパ状の直線に高精度に加工することができる。
【0034】
そして、このように、輪郭線12、13の下流側の両側部にテーパ状で、直線状の輪郭線28を加工すれば、その部分には、第2のレール面5bの下流側に第2のステップ面4bが存在しなくなり、その部分にダストDSが付着、堆積されることがない。
【0035】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変更が可能である。
【0036】
以上のように構成された本発明の浮上ヘッドスライダは、スライダ本体に形成され、上記記憶メディアと対向されるベース面と、上記ベース面上の上記空気流の流入方向の上流側と下流側とに凹所を隔てて偏位され、該ベース面とほぼ平行面状に形成された第1及び第2のステップ面と、上記第1及び第2のステップ面上の上記空気流の流入方向の下流側へやや偏位された位置に段差を有するほぼ平行面状に形成された第1及び第2のレール面とを有し、上記第1のステップ面及び上記第1のレール面は上記空気流の下流側に進むに従って上記ベース面の幅方向のほぼ中央部から両側部にかけてほぼ放物線に沿って湾曲されたほぼ相似形状に構成し、上記第2のステップ面及び上記第2のレール面は上記空気流の流入方向の上流側で小幅で、下流側に進むに従って大幅となる形状に形成し、上記第1のステップ面と上記第2のステップ面との間に凹所を形成し、上記第1及び第2のレール面に対する上記ベース面の段差G3ほぼ3.4μmとなるように構成するために、上記第1及び第2のステップ面に対する上記ベース面の段差G1をほぼ3μmに構成し、上記第1及び第2のレール面に対する上記第1及び第2のステップ面の段差G2をほぼ0.4μmに構成したので、記憶メディアの回転速度が速くなっても、これら2つの後側段差面の下流側に空気流の渦流が殆んど発生せず、これら2つの後側段差面の下流側にダストが付着され難くなる。従って、浮上ヘッドスライダの浮上姿勢の安定化を図ることができ、情報の録再不良や、浮上ヘッドスライダと記憶メディアのクラッシュ等を未然に防止することができて、高品質、高信頼性の浮上ヘッドスライダやディスクドライブ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した浮上ヘッドスライダの第1の実施形態を説明する平面図である。
【図2】図1の要部を説明する拡大断面側面図である。
【図3】図1の斜視図ある。
【図4】本発明の浮上ヘッドスライダの第2の実施形態を説明する平面図である。
【図5】図4の浮上ヘッドスライダをイオンエッチング加工するマスクの平面図である。
【図6】本発明の浮上ヘッドスライダの第3の実施形態を説明する平面図である。
【図7】本発明の浮上ヘッドスライダの基本的な構成を発展させた場合の平面図である。
【図8】本発明の浮上ヘッドスライダの基本的な構成を説明する平面図である。
【図9】本発明の浮上ヘッドスライダの基本的な構成の変形例を説明する平面図である。
【図10】従来の一般的なR−HDDを説明する斜視図である。
【図11】同上のR−HDDにおける浮上ヘッドスライダのスキュー角を説明する平面図である。
【図12】同上のR−HDDに使用されている一般的な浮上ヘッドスライダを説明する斜視図である。
【図13】同上の浮上ヘッドスライダのハードディスクに対する浮上動作を説明する断面側面図である。
【図14】同上の浮上ヘッドスライダのステップ面の下流側等にダストが付着する様子を説明する要部の拡大断面側面図である。
【符号の説明】
1は浮上ヘッドスライダ、2はスライダ本体、3はベース面、4はステップ面、4aは第1のステップ面、4bは第2のステップ面、5はレール面、5aは第1のレール面、5bは第2のレール面、8はステップ面の後側段差面、9はレール面の後側段差面、10は第1のステップ面4aの輪郭線、11は第1のレール面5aの輪郭線、12は第2のステップ面4bの段差面である輪郭線、13は第2のレール面5bの段差面である輪郭線、15は正圧発生部、16は負圧発生部、21は記憶メディアである光磁気ディスク、R−HDDはディスクドライブ装置であるリムーバルハードディスク・ドライブ装置、35は記憶メディアであるハードディスクである。

Claims (2)

  1. 記憶メディアの回転によって発生する空気流によりその記憶メディアに対して浮上された状態で情報の記録及び/又は再生を行う浮上ヘッドスライダにおいて、
    スライダ本体に形成され、上記記憶メディアと対向されるベース面と、
    上記ベース面上の上記空気流の流入方向の上流側と下流側とに凹所を隔てて偏位され、該ベース面とほぼ平行面状に形成された第1及び第2のステップ面と、
    上記第1及び第2のステップ面上の上記空気流の流入方向の下流側へやや偏位された位置に段差を有するほぼ平行面状に形成された第1及び第2のレール面とを有し、
    上記第1のステップ面及び上記第1のレール面は上記空気流の下流側に進むに従って上記ベース面の幅方向のほぼ中央部から両側部にかけてほぼ放物線に沿って湾曲されたほぼ相似形状に構成し、
    上記第2のステップ面及び上記第2のレール面は上記空気流の流入方向の上流側で小幅で、下流側に進むに従って大幅となる形状に形成し、
    上記第1のステップ面と上記第2のステップ面との間に凹所を形成し、
    上記第1及び第2のレール面に対する上記ベース面の段差G3をほぼ3.4μm構成するため、上記第1及び第2のステップ面に対する上記ベース面の段差G1をほぼ3μmに構成し、上記第1及び第2のレール面に対する上記第1及び第2のステップ面の段差G2をほぼ0.4μmに構成した
    ことを特徴とする浮上ヘッドスライダ。
  2. 請求項1に記載の浮上ヘッドスライダが回動型のヘッドアクチュエータにサスペンションを介して支持され、そのサスペンションによって上記浮上ヘッドスライダが上記記憶メディアの空気流上に押圧されるように構成された
    ことを特徴とするディスクドライブ装置。
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