JP4304689B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、予め定められた抽選開始条件が成立すると当り外れに関わる抽選を行う抽選手段と、抽選手段の当り外れの別に応じて抽選表示用図柄を変動表示して停止表示する図柄表示装置と、遊技者が操作可能な操作入力手段とを有し、操作入力手段による操作入力状態に応じて、図柄表示装置に表示される抽選表示用図柄の変動に影響を与え、図柄表示装置に変動表示される抽選表示用図柄が当りの停止表示態様になると遊技者に有利となる特別遊技状態となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機の1つとして、図柄(特別図柄)を変動表示する図柄表示装置と、図柄表示装置に表示される図柄を変動させる始動口と、図柄が特定の図柄配列で停止した場合に入賞可能な状態または遊技球を入賞させやすい入賞に有利な状態となる入賞装置とを備えた、所謂、第1種パチンコ機は広く知られている。また、このような遊技機において、遊技者が遊技状態を変更することができるようにしたものが知られている。例えば、遊技盤の周部の遊技者が操作し易い位置に、図柄表示装置の変動中の図柄を停止させる図柄停止ボタンを設けた遊技機が知られている。この従来の遊技機では、遊技者が図柄停止ボタンを操作することによって図柄の変動を停止させることができる。このような遊技機によれば、複数の図柄のうちの最終停止図柄が停止する前にはずれと判った場合に、遊技者が図柄停止ボタンを操作して変動している図柄を停止させることで、次の図柄が変動を開始するまでの時間を短縮させることができる。
【0003】
また、遊技者の操作によって入賞装置への遊技球の入賞可能性を高めることができるようにし、遊技者により高い趣向を付与するようにした遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この遊技機は、図柄(特別図柄)を変動表示する図柄表示装置と、図柄表示装置に表示される図柄を変動させる始動口と、図柄が特定の図柄配列で停止した場合に入賞可能な状態または遊技球を入賞させやすい入賞に有利な状態となる入賞装置と、集球可能な状態と集球困難な状態とに切り換え可能であり、集球した遊技球を入賞装置の方向へ誘導する集球装置と、集球装置の集球可能な状態に同期して図柄の変動を終了させることができる図柄停止手段(図柄停止ボタン)とを備え、図柄停止手段が操作されてから図柄の変動が終了するまでの時間を一定とし、集球装置を一定の周期で集球可能な状態と集球困難な状態とに切り換え動作させるようにしたものである。この遊技機によれば、遊技者が、集球装置の羽根部材が開放するタイミングに合わせて図柄停止ボタンを操作し、図柄の変動を終了させることができ、図柄当りが発生して入賞装置の羽根部材が開放した場合、より多くのパチンコ球を入賞装置に入賞させることができる。この遊技機は、ボタン操作が上手ければ遊技者に特典が与えられるようにしたものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−46638号公報(第2頁段落0002,第3頁段落0012−第6頁段落0032、図1,図2,図7)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、図柄変動において遊技者に参加意識を持たせることによって遊技者の遊技意欲を盛り上げることができる一方、図柄変動に関わる当落に何ら影響を与えない遊技機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る遊技機は、遊技状態を制御するメイン制御装置と、前記メイン制御装置からの指令に応じて図柄表示装置における表示態様を制御する表示制御装置とを備え、
前記メイン制御装置が、
予め定められた抽選開始条件が成立すると当り外れに関わる抽選を行う抽選手段と、
複数の図柄よりなる抽選表示用図柄の変動に関して変動パターンを決める変動パターン決定手段と、
前記変動パターン決定手段が決定した前記変動パターンを指定する変動パターンコマンドと、前記抽選の当り外れの別に応じたコマンドとを前記表示制御装置に送信するコマンド送信手段と、を有し、
前記表示制御装置が、
前記変動パターンコマンドと、前記抽選の当り外れの別に応じたコマンドとを受信するコマンド受信手段と、
受信した前記変動パターンコマンドに基づき、前記図柄表示装置に前記抽選表示用図柄を変動表示する抽選表示用図柄変動表示手段と、
前記受信した抽選の当り外れの別に応じたコマンドに基づき、抽選表示用停止図柄の組合せを決定する抽選表示用停止図柄決定手段と、を有し、
前記図柄表示装置に変動表示される前記抽選表示用図柄が当りの停止表示態様になると遊技者に有利となる特別遊技状態となるものであって、上記課題を解決するために、
前記変動パターンは、前記抽選表示用図柄の変動開始から変動停止までの総変動時間が予め設定され、
遊技者が操作可能な操作入力手段を設けると共に、前記操作入力手段による操作結果が前記表示制御装置に入力され、
前記表示制御装置に、
予め定められた特定の変動パターンに対応する総変動時間の後半部分において、前記操作入力手段による操作入力を有効とするスイッチ操作有効期間と、前記スイッチ操作有効期間に次いで、前記操作入力手段による操作入力が無効である調整変動期間とが設けられ、
前記表示制御装置は、
前記受信した変動パターンコマンドに応じた変動パターンが、前記特定の変動パターンである場合、前記抽選表示用図柄の変動開始後、前記スイッチ操作有効期間において前記操作入力手段による操作入力が行われている間は、前記抽選表示用図柄の変動速度を遅延させる変動速度遅延手段と、
前記調整変動期間において、前記抽選表示用停止図柄決定手段によって決定された抽選表示用停止図柄に一致するまで前記抽選表示用図柄を変動させた後待機する調整変動手段と、を備え、
前記表示制御装置は、
前記特定の変動パターンに対応する総変動時間が経過した時点で、前記抽選表示用停止図柄決定手段によって決定された抽選表示用停止図柄で図柄停止する、
ことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、遊技機の一態様としてパチンコ遊技機を用いて説明するが、本発明はパチンコ遊技機に限らず、例えば、コイン式の遊技機等であってもよく、予め定められた抽選開始条件が成立すると当り外れに関わる抽選を行う抽選手段と、抽選手段の当り外れの別に応じて抽選表示用図柄を変動表示して停止表示する図柄表示装置とを有し、図柄表示装置に変動表示される抽選表示用図柄が当りの停止表示態様になると遊技者に有利となる特別遊技状態となるように構成された遊技機であればすべて対象となる。
【0012】
図1は、本実施形態のパチンコ遊技機に配備された制御系統の要部ブロック図である。本実施形態のパチンコ遊技機には、パチンコ遊技の総括的な制御を行うメイン制御装置1と、メイン制御装置1から送信された情報(コマンド)に基いて、ランプ(装飾ランプ、装飾LED、表示ランプ、表示LED等)7の点灯、点滅等の表示制御及びスピーカ8から音を出す音声制御を実行するサブ制御装置2と、メイン制御装置1からサブ制御装置2を経由して送信されたコマンドを受けて液晶表示装置6に後述の抽選表示用図柄及び保留状態や各種の遊技情報の表示制御を行う表示制御装置3と、メイン制御装置1から送信された情報(賞球コマンド)に基いて払出モータ9を駆動することで賞球の払出制御を行う賞球制御装置4と、タッチセンサ10の検出信号を条件として、図示しない遊技盤面に向けて遊技球を発射する打球発射装置(図示せず)の発射モータ13の動作制御を行う発射制御装置5とが配備される。
【0013】
メイン制御装置1(主制御部)は図示しないメイン制御基板に配備される。メイン制御装置1は、パチンコ遊技に関わる総括的な制御を行うための処理実行手段としてのメインCPUと、メインCPUが実行するためのパチンコ遊技全体に関わる遊技制御プログラムや遊技制御プログラムの実行に必要となる予め定めた設定データが格納されているROMと、随時読み出しおよび書き込みが可能なRAMと、各種検出手段から送られた検出信号を受け付けてメインCPUに入力可能とする一方、メインCPUから外部装置に対して制御出力を可能とするための入出力インタフェースと、メインCPUが周辺機器との間でデータ通信を行うための通信インタフェース等を含んで構成されている。なお、メイン制御装置1の具体的な構成については図示を省略する。
【0014】
前記各種検出手段としては、例えば、図示しない遊技盤面に設けられた始動口(図柄始動口)へ入賞した遊技球を検出する始動口入賞検出スイッチ(始動口センサともいう)11、前記遊技盤面に設定されたゲート(図示せず)への遊技球の通過を検出するゲートセンサ、遊技盤面に設けられた電動役物装置(図示せず)に配備された大入賞口に入賞した遊技球を検出する大入賞口センサ(図示せず)、前記大入賞口内に設けられた特定領域へ入賞した遊技球を検出する特定領域センサ等がある。また、前記外部装置としては、前記大入賞口を開放させるための大入賞口開放ソレノイド12等がある。
【0015】
メイン制御装置1とサブ制御装置2とは、メイン制御装置1からサブ制御装置2への一方向通信のみ可能に接続されている。サブ制御装置2は、ランプの点灯/点滅等の制御、音声制御、メイン制御装置1から送信されるコマンド受信及び表示制御装置3に対するコマンド送信を行うための処理実行手段としてのサブCPUと、サブCPUが実行するためのランプ点灯/点滅に関わる制御プログラム、音声発生に関わる制御プログラム、コマンド受信に関わる制御プログラム及びコマンド送信に関わる制御プログラム、これらの各種制御プログラムの実行に必要となる予め定めた設定データ(ランプの点灯パターン等や音データ)が格納されているROMと、随時読み出しおよび書き込みが可能なRAMと、サブCPUからの制御出力を可能とするための出力インタフェースと、サブCPUがメイン制御装置1及び表示制御装置3との間でデータ通信を行うための通信インタフェース等を含んで構成されている。なお、サブ制御装置2の具体的な構成については図示を省略する。
【0016】
サブ制御装置2にはランプ7やスピーカ8が接続されている。サブ制御装置2はメイン制御装置1から送信されるコマンド指令に従ってランプ7を点灯駆動すると共にスピーカ8より効果音や警報を発生する。また、サブ制御装置2は、メイン制御装置1から送信されたコマンドを受信すると、受信したコマンドが自己の行う制御に関係するコマンドの場合には、このコマンドを記憶すると共に表示制御装置3に送信する一方、受信したコマンドが自己の行う制御に関係しないコマンドの場合には、このコマンドをそのまま表示制御装置3に送信する。なお、コマンドの送信形態については後述する。
【0017】
サブ制御装置2と表示制御装置3とは、サブ制御装置2から表示制御装置3への一方向通信のみ可能に接続されている。表示制御装置3は、サブ制御装置2から送信されたコマンドに応じて液晶表示装置6の表示画面に、特別図柄(請求項1に記載の抽選表示用図柄に相当する)、装飾図柄、静止画や動画(キャラクタ等)、遊技進行に伴って変化する遊技情報(例えば、始動入賞に関わる保留状態や大当り遊技中のラウンド数等)を各々表示制御するものである。表示制御装置3は、サブ制御装置2と接続された入力回路と、液晶表示制御用CPU(以下、表示CPUという)と、制御用ROM、RAM、画像データ及び前記表示CPUによる作業領域等を備えたVRAMと、各コマンドに対応した表示制御データ及びキャラクタや図柄が記憶されたキャラクタROMと、表示CPUからの指示に従って表示画面に対して表示データを出力する出力回路(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ等)を備えている。
【0018】
また、表示制御装置3には、遊技者が操作可能な操作入力手段としての操作スイッチ(例えば、押しボタン式のスイッチ)14が接続されている。なお、操作スイッチ14の配設箇所は、例えば、パチンコ遊技機の場合であれば、パチンコ球を停留する上皿の上面に設けることが望ましいが、この箇所に限らず、遊技中の遊技者が容易に操作可能な箇所であればよい。
【0019】
なお、賞球制御装置4及び発射制御装置5については周知であって、本発明の要旨とは直接に関連しないため、具体的な構成の図示や説明等を省略する。また、液晶表示装置6の表示画面において始動口への遊技球の入賞に基いて可変表示ゲームを行う特別図柄は、左図柄、中図柄、右図柄の3種類とする。なお、本実施形態において、請求項1に記載の図柄表示装置は液晶表示装置6が相当し、請求項1に記載の表示制御装置は表示制御装置3が相当する。
【0020】
次に、コマンドの送信形態について説明する。図2は、メイン制御装置1からサブ制御装置2に対して送信されるコマンド、並びにサブ制御装置2から表示制御装置3に送信されるコマンドを示すタイムチャートである。メイン制御装置1からサブ制御装置2に対して送信されるコマンドは、1コマンドを2バイトで構成されている。メイン制御装置1からサブ制御装置2に対して送信されるコマンドの種類は、特別図柄の図柄変動に関しては、特別図柄の変動パターンを指定するための変動パターンコマンド(左図柄、中図柄及び右図柄の総変動時間及び変動態様の相違に対応して複数種類の変動パターンが設定されている)、確定する左図柄を指定するための左停止図柄コマンド、確定する中図柄を指定するための中停止図柄コマンド、確定する右図柄を指定するための右停止図柄コマンド、左、右、中図柄を確定(停止表示)するための確定コマンドの5種類であるが、このほかに、始動口入賞検出スイッチ11の入賞検出信号を検出する(以下、単に始動入賞を検出するという)毎に報知音としての始動入賞音を出力させるための始動入賞コマンドが送信される。
【0021】
なお、本実施形態では、液晶表示装置6において表示される図柄の種類を左図柄、中図柄、右図柄共に共通図柄であるとし、10種類設定されているものとする。図柄の種類は、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9であるとして説明する。また、図柄の移行順序は、0→1→2→3→4→5→6→7→8→9→0である。
【0022】
音、ランプの制御に関しては、変動パターンコマンドにて制御が行われる。例えば、サブ制御装置2が、16進数表示で「1001」の2バイトコマンドを受信すると、これに応じた音のスケジューラデータ、ランプのスケジューラデータが選択され、これに基いて音、ランプの制御が実行される。特別図柄の図柄変動に関しては、メイン制御装置1からt1(4ms)毎に、変動パターンコマンド、左停止図柄コマンド、中停止図柄コマンド、右停止図柄コマンドの順でコマンドがサブ制御装置2に送信される。サブ制御装置2のCPUは、変動パターンコマンド、左停止図柄コマンド、中停止図柄コマンド、右停止図柄コマンドを受信すると、これらのコマンドをt2(約1ms)毎に表示制御装置3に送信する。表示制御装置3は、これらのコマンドを受信すると、同様にスケジューラデータを参照して表示制御を実行する。また、サブ制御装置2は、確定コマンドを受信すると表示制御装置3にそのまま送信する。
【0023】
表示制御装置3は、変動パターンコマンドを受信すると、変動パターンコマンドの内容に対応した左図柄、中図柄及び右図柄の変動時間(総変動時間)を決定し、左図柄、中図柄及び右図柄の図柄変動を開始する。また、表示制御装置3は、左停止図柄コマンドを受信すると、左停止図柄コマンドの内容に対応した左停止図柄を決定する。また、表示制御装置3は、中停止図柄コマンドを受信すると、中停止図柄コマンドの内容に対応した中停止図柄を決定する。さらに、表示制御装置3は、右停止図柄コマンドを受信すると、右停止図柄コマンドの内容に対応した左停止図柄を決定する。表示制御装置3は、確定コマンドを受信すると、決定した左停止図柄、中停止図柄及び右停止図柄で特別図柄を停止表示する。
【0024】
なお、副変動パターンコマンドは、サブ制御装置2が抽選して決定するコマンドである。機能としては、変動開始からリーチまでの間に複数のキャラクタを表示させる。表示制御装置3は、出現するキャラクタの数が多いほど期待感が大きくなるような演出を行う。例えば、16進数表示で「1201」では「キジ」が出現、16進数表示で「1202」では「キジ」と「猿」が出現、16進数表示で「1203」では「キジ」と「猿」と「犬」が出現するようになっている。
【0025】
次に、本実施形態における操作スイッチ14の機能について説明する。操作スイッチ14は、予め定められた変動パターンになることを条件として、かつ変動パターンによって定まる総変動時間内の予め定められた有効期間に限り、操作スイッチ14による操作入力が有効となる。予め定められた変動パターンになることを条件としての一具体例を、特定のリーチになる場合とする。なお、特定のリーチとは、液晶表示装置6の表示画面において表示されるキャラクタや背景によって特定の演出が行われるリーチのことで、例えば、「キジ」と「猿」と「犬」が出現するリーチが該当する。
【0026】
本実施形態では、メイン制御装置1において今回行う特別図柄の変動が変動パターンAに決定された場合であって、サブ制御装置2において「キジ」と「猿」と「犬」が出現する副変動パターンに決定された場合を条件として、かつ予め定められた有効期間に限り、操作スイッチ14による操作入力が有効となるものとする。なお、この場合、当然のことであるが、特別図柄はリーチ発生となる。表示制御装置3においては、受信した変動パターンコマンドが変動パターンAであり、かつ受信した副変動パターンコマンドが「キジ」と「猿」と「犬」が出現する副変動パターンコマンドである場合に、条件成立と判別する。
【0027】
また、予め定められた有効期間の具体例は、変動パターンAコマンドの内容に対応して決定された総変動時間内であって、表示制御装置3に確定コマンドが入力される前の予め定められた期間とする。
【0028】
図3は、変動パターンAにおける左図柄、右図柄、中図柄の変動状態の一例を示すタイムチャートである。なお、本実施形態では、変動パターンの種類によって大当り/はずれの別、リーチの有無、はずれリーチの場合の停止図柄の組合せ(左図柄及び右図柄に対する中図柄の何コマズレ)が設定されている。変動パターンAの場合は、総変動時間が21秒で、停止図柄の組合せ(左停止図柄、中停止図柄及び右停止図柄の組合せ)が、例えば、「777」とか「444」のように左停止図柄、中停止図柄及び右停止図柄が同一となる大当りとなる組合せ、或いは停止図柄の組合せが、例えば、「787」とか「454」のように左停止図柄及び右停止図柄が同一であって、中停止図柄が左停止図柄(右停止図柄)に対して図柄変動の順序において1図柄後となるはずれリーチとなる組合せとなる。
【0029】
なお、変動パターンAの場合の停止図柄の一例として、左停止図柄が「7」、右停止図柄が「7」で、大当りの場合であれば中停止図柄が「7」、はずれの場合であれば中停止図柄が「8」であるものとして説明する。また、前提として、液晶表示画面において、1図柄は、64×64ドットで表されるものとする。また、高速変動は、8ドット/16msec、即ち、1図柄/128msecであり、中速変動は、8ドット/64msec、即ち、1図柄/512msecであり、低速変動は、8ドット/128msec、即ち、1図柄/1024msecであり(なお、遊技者が変動している図柄の種類を十分識別できる速度である)、超低速変動は、8ドット/256msec、即ち、1図柄/2048msecである。
【0030】
変動開始時から、左図柄、右図柄及び中図柄が高速変動する。なお、各図柄とも上から下に向けて(順方向ということにする)スクロール表示にて移行する。左図柄は、20図柄分(2.560秒間)高速変動すると、コマンド指定された左停止図柄(上記の例では図柄「7」)の6図柄前の図柄(図柄「1」)に差し換えられて中速変動に切り換り、4図柄分(2.048秒間)中速変動すると低速変動に切り換り、2図柄分(2.048秒間)低速変動すると、左停止図柄(図柄「7」)で揺れ変動に切り換る。
【0031】
右図柄は、52図柄分(6.656秒間)高速変動すると、コマンド指定された右停止図柄(上記の例では図柄「7」)の6図柄前の図柄(図柄「1」)に差し換えられて中速変動に切り換る。なお、右図柄が中速変動に切り換るタイミングは、左図柄が揺れ変動に切り換るタイミングに一致する。右図柄は、4図柄分(2.048秒間)中速変動すると低速変動に切り換り、2図柄分(2.048秒間)低速変動すると、コマンド指定された右停止図柄(図柄「7」)で揺れ変動に切り換る。なお、右図柄が揺れ変動に切り換る時点で、揺れ変動している左図柄と揺れ変動している右図柄とが同一図柄「7」となって、リーチ発生となる。
【0032】
中図柄は、84図柄分(10.752秒間)高速変動すると、前記右停止図柄(上記の例では図柄「7」)の7図柄前の図柄(図柄「0」)に差し換えられて中速変動に切り換る。なお、中図柄が中速変動に切り換るタイミングは、右図柄が揺れ変動に切り換るタイミングに一致する(即ち、リーチ発生時に一致する)。中図柄は、4図柄分(2.048秒間)中速変動すると低速変動に切り換り、2図柄分(2.048秒間)低速変動すると超低速変動に切り換り、2図柄分(4.096秒間)超低速変動する。
【0033】
中図柄の超低速変動の開始時から超低速変動の終了時までの間、換言すれば中図柄の超低速変動中、操作スイッチ14による操作入力が有効となる。即ち、予め定められた有効期間は、本実施形態においては変動パターンAにおける中図柄の超低速変動中となる。
【0034】
中図柄の超低速変動中、遊技者は、操作スイッチ14をボタン操作して大当り図柄(上記の例では、左図柄及び右図柄が「7」で揺れ変動しているリーチ)で中図柄を停止させようとする(中図柄を図柄「7」で停止させようとする)。表示制御装置3は、前記有効期間の間、操作スイッチ14による操作入力があると、表示制御装置3は、液晶表示装置6に変動表示される中図柄のスクロールによる変動速度を遅延させる。一方、表示制御装置3は、操作スイッチ14の操作入力が停止されると、中図柄を遅延が行われなかった場合の変動状態に復帰するように表示制御する。具体的には、表示制御装置3は、遅延表示に相当する分の加速表示を行う。
【0035】
また、本実施形態では、中図柄の超低速変動の終了時から、即ち、操作スイッチ14による操作入力の有効期間の終了時から、2.026秒間の調整変動期間を設けてある。調整変動期間中は、操作スイッチ14による操作入力は無効となる。調整変動期間中、中図柄をコマンド指定された中停止図柄(大当りであれば図柄「7」、はずれであれば図柄「8」)まで低速変動し、調整変動期間の終了までの残り時間、中停止図柄で揺れ変動する。確定コマンドが入力されると、左図柄、右図柄及び中図柄の揺れ変動を停止し、左停止図柄、中停止図柄、右停止図柄を確定停止する。
【0036】
次に、表示制御装置3が行う図柄の変動について説明する。図1の表示制御装置3のRAMにはウインドウを設定するためのウインドウのアトリビュート領域が設けられ、VRAMにはウインドウのための仮想画面が設けられている。図4は、ウインドウのアトリビュート領域の概念図である。実施形態の表示制御装置3はウインドウを実画面上(液晶表示画面上)に一度に16個開くことができる。16個のウインドウに対応してウインドウ0〜ウインドウ15の各ウインドウのアトリビュート領域が設けられている。
【0037】
各ウインドウのアトリビュート領域は、水平仮想画面表示開始位置(IHPOS)、垂直仮想画面表示開始位置(IVPOS)、水平表示開始位置(DHPOS)、垂直表示開始位置(DVPOS)、水平表示サイズ(HSIZE)、垂直表示サイズ(HSIZE)の6つの設定領域により構成されている。
【0038】
図5は、ウインドウのアトリビュート領域に設定される各設定値と仮想画面上の図柄及びそのウインドウと実画面上に表示されるウインドウとの関係を示す図である。図5に示すように仮想画面は水平方向512ドット、垂直方向1024ドットの大きさを有している。また、図5の例では、仮想画面の所定の位置に「三角形」で表した図形及び「円と三角形と線」とで「人」を表した図形が貼り付けられている。
【0039】
ウインドウのアトリビュート領域の水平表示サイズ(HSIZE)及び垂直表示サイズ(HSIZE)は、ウインドウの大きさを設定するものであり、図5のウインドウ1では水平方向65ドット、垂直方向70ドットの大きさであり、ウインドウ2では水平方向63ドット、垂直方向80ドットの大きさである。
【0040】
ウインドウのアトリビュート領域の水平仮想画面表示開始位置(IHPOS)及び垂直仮想画面表示開始位置(IVPOS)は、仮想画面におけるウインドウの配置位置を設定するものであり、仮想画面の左上角を原点(0,0)とし、ウインドウの左上角を基準位置としてある。図5のウインドウ1では水平方向200ドット目、垂直方向110ドット目であり、ウインドウ2では水平方向400ドット目、垂直方向100ドット目である。
【0041】
ウインドウのアトリビュート領域の水平表示開始位置(DHPOS)及び垂直表示開始位置(DVPOS)は、実画面上におけるウインドウの配置位置を設定するものである。なお、実画面は水平方向320ドット、垂直方向234ドットの大きさを有し、実画面の左上角を原点(0,0)としてある。また、ウインドウの左上角を基準位置とし、図5のウインドウ1では水平方向100ドット目、垂直方向50ドット目であり、ウインドウ2では水平方向200ドット目、垂直方向60ドット目である。
【0042】
図5に示すように、ウインドウは、仮想画面に対して配置された箇所のウインドウ内部の図形を写し込み、実画面に対して配置された箇所に(所定の領域に)写し込んだ図形を転写することで図形を表示する。したがって、実画面上の所定領域において上下方向のスクロール変動を行わせる場合であれば、ウインドウのアトリビュート領域に設定される各設定値のうち、水平仮想画面表示開始位置(IHPOS)、水平表示開始位置(DHPOS)、垂直表示開始位置(DVPOS)、水平表示サイズ(HSIZE)、垂直表示サイズ(HSIZE)は変えないで、仮想画面におけるウインドウの垂直方向の配置位置を設定する垂直仮想画面表示開始位置(IVPOS)のみを所定の周期で所定の移動幅となるように変化させることで実現することができる。
【0043】
次に、例えば、図柄「6」→図柄「7」を上下方向の上から下に向けてスクロール変動を行わせる場合について説明する。なお、仮想画面の所定の位置には表示に用いられる全ての種類の図柄データ(例えば、数字の0から9)が所定順序で、例えば、上下方向の上から下に向けて0、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0のように配置されている。
【0044】
図6は、図柄「6」から図柄「7」を上下方向の上から下に向けてスクロール変動を行わせる場合での仮想画面における図柄データとウインドウの位置関係を示す図である。表示制御装置3は、仮想画面に設定された図柄「6」と実画面上の所定位置に対してウインドウを設定する。なお、各図柄の大きさは、水平方向64ドット、垂直方向64ドットの大きさを有している。また、ウインドウの大きさも図柄の大きさと同じであり、水平方向64ドット、垂直方向64ドットの大きさを有している。また、仮想画面上に表示する中図柄のウインドウの水平仮想画面表示開始位置(IHPOS)及び垂直仮想画面表示開始位置(IVPOS)を初期値(X0,Y0)とする。また、図柄が中図柄の場合であれば、実画面上の設定位置は中図柄表示領域となる。
【0045】
この時点から表示制御装置3は、所定周期で仮想画面上に設定するウインドウの垂直仮想画面表示開始位置(IVPOS)を所定のドット数Nだけ減らす(ウインドウの位置をドット数Nだけ上方にずらす)。表示制御手段は、ウインドウの垂直仮想画面表示開始位置(IVPOS)が初期値Y0−64となっている場合は、1図柄分のスクロール変動が完了したものとみなす。
【0046】
実画面上では、中図柄を表示するウインドウの水平位置及び垂直位置は変わらない定位置となる。仮想画面上におけるウインドウの位置を垂直方向に変えることに対応して図7に示すように中図柄が図柄「6」から図柄「7」へ上から下に向けてスクロール変動する。
【0047】
以上のように構成された表示制御装置3による中図柄の変動パターンAにおける超低速変動ついての表示制御処理について説明する。図8は、表示制御装置3のRAMに設定されたデータ記憶領域の一部の内容を示す図である。なお、表示制御装置3のCPU(以下、表示CPUという)は、電源投入時に初期化処理を行う。図8に示すデータ記憶領域の一部の内容は、初期化処理により全て0クリアされる。また、サブ制御装置2からコマンドが送信されると、表示制御装置3において割り込みが発生し、割込処理によりコマンドが受信され、受信したコマンドの種類が判別され、受信したコマンドが変動パターンコマンドであれば、変動パターンコマンドが変動パターン記憶エリアに記憶され、受信したコマンドが左停止図柄コマンドであれば、左停止図柄コマンドが左停止図柄記憶エリアに記憶され、受信したコマンドが中停止図柄コマンドであれば、中停止図柄コマンドが中停止図柄記憶エリアに記憶され、受信したコマンドが右停止図柄コマンドであれば、右停止図柄コマンドが右停止図柄記憶エリアに記憶され、受信したコマンドが副変動パターンコマンドであれば、副変動パターンコマンドが副変動パターン記憶エリアに記憶され、受信したコマンドが確定コマンドであれば、確定コマンドが確定コマンド記憶エリアに記憶される。
【0048】
表示CPUは、変動パターンコマンドを受信すると、左図柄、右図柄及び中図柄の高速変動を同時に開始する。なお、本実施形態では、変動パターンAを指定する変動パターンコマンドを受信したものとする。従って、表示CPUは、図3に示す変動パターンAのタイミングで左図柄、右図柄及び中図柄を変動する。また、左停止図柄コマンド、中停止図柄コマンド、右図柄コマンドについては、本実施形態では、左、中、右図柄の組合せが「777」で大当りとなる組合せ、またははずれリーチであって中図柄が左、右図柄に対して1図柄後となる組合せ、即ち、左、中、右図柄の組合せが「787」となる組合せを受信したものとする。また、副変動パターンコマンドは、表示画面に「キジ」と「猿」と「犬」が出現する副変動パターンコマンド「1203H」を受信したものとする。
【0049】
表示CPUは、中図柄を変動開始時から84図柄分(10.752秒間)高速変動すると、右停止図柄(上記の例では図柄「7」)の7図柄前の図柄、即ち図柄「0」に差し換えて中速変動に切り換える。なお、中図柄が中速変動に切り換るタイミングは、右図柄が揺れ変動に切り換るタイミングに一致する。なお、左図柄及び右図柄が共に図柄「7」で揺れ変動し、この時点から、リーチ発生となる。表示CPUは、中図柄を4図柄分(2.048秒間)中速変動すると低速変動に切り換え、中図柄を2図柄分(2.048秒間)低速変動する。表示CPUは、中図柄の2図柄分(2.048秒間)の低速変動を終えると、図9に示す条件判定処理を実行する。
【0050】
図9は、表示CPUが実行する条件判定処理のフローチャートである。表示CPUは、まず、変動パターンが変動パターンAであるか否かを判別する(ステップA10)。表示CPUは、変動パターンが変動パターンAでなければ、何も処理を行わず、条件判定処理を終える。一方、変動パターンが変動パターンAであれば、次に、副変動パターン(副変動パターンコマンド)が「1203H」(表示画面に「キジ」と「猿」と「犬」が出現する副変動パターン)であるか否かを判別する(ステップA11)。表示CPUは、副変動パターンが「1203H」でなければ、何も処理を行わず、条件判定処理を終える。一方、副変動パターンが「1203H」であれば、操作スイッチ14の操作入力を有効とする超低速変動を行う条件が成立したと判定し、ステップA12に進む。
【0051】
表示CPUは、変動時間タイマT1に超低速変動の時間(4.096秒)に相当する値をセットし(ステップA12)、切換タイマT2に超低速変動における中図柄の切換タイミング時間(中図柄のスクロールタイミング時間、32ms)に相当する値をセットし(ステップA13)、操作スイッチ14に関する操作回数カウンタC1を0クリアし(ステップA14)、超低速変動処理に関する実行フラグF1に1をセットし(ステップA15)、条件判定処理を終える。なお、超低速変動のスクロール速度は、8ドット/256msec、即ち、1図柄/2048msecであるから、1ドットでは、1ドット/32msecとなる。
【0052】
次に、中図柄の超低速変動処理について説明する。なお、以下の説明において、中図柄を表示するためのウインドウアトリビュート領域に設定される各設定値(中図柄表示データということにする)のうち、ウインドウの大きさを設定する水平表示サイズ(HSIZE)は64ドット、垂直表示サイズ(HSIZE)は64ドットで設定済みとする。また、実画面上の中図柄の表示位置を設定する水平表示開始位置(DHPOS)、垂直表示開始位置(DVPOS)も、例えば、水平表示開始位置(DHPOS)=A、垂直表示開始位置(DVPOS)=Bとして既に設定済みとする。さらに、仮想画面上における中図柄のウインドウの水平仮想画面表示開始位置(IHPOS)も、例えば、水平仮想画面表示開始位置(IHPOS)=X1として設定済みとする。なお、中図柄超低速変動処理において、中図柄を上から下に向けてスクロール変動させる場合、水平表示サイズ(HSIZE)、垂直表示サイズ(HSIZE)、水平表示開始位置(DHPOS)、垂直表示開始位置(DVPOS)、水平仮想画面表示開始位置(IHPOS)は一定であり、変化させない。
【0053】
図14は、仮想画面上に配置された各図柄データに対する中図柄に関するウインドウの超低速変動開始時の位置を示す図である。仮想画面上の図柄「7」の配置位置を、例えば、(a,b)と定義すると、図14に示すように図柄「6」は、図柄「7」の下(垂直方向の+方向)に配置され、図柄の大きさが水平方向および垂直方向共に64ドットであることから、図柄「6」の配置位置は、(a,b+64)となる。また、図柄「8」は、図柄「7」の上(垂直方向の−方向)に配置されていることから、図柄「8」の配置位置は、(a,b−64)となる。また、図3に示す変動パターンAのタイムチャートによれば、低速変動終了時(超低速変動開始時)に中図柄に表示されている図柄は、中速変動開始時の図柄「0」から6図柄後となるから図柄「6」である。従って、仮想画面における中図柄のウインドウの垂直方向の配置位置を設定する垂直仮想画面表示開始位置(IVPOS)は、図柄「6」の配置位置と同じ位置にある。なお、以下の説明において、垂直仮想画面表示開始位置(IVPOS)を「Y1」と記することにする。
【0054】
図10は、表示CPUが実行する中図柄超低速変動処理のフローチャートである。中図柄超低速変動処理は、先に説明した条件判定処理において実行フラグF1がセットされた場合に限り実行される処理である。表示CPUは、まず、実行フラグF1が1であるか否かを判別する(ステップA20)。実行フラグF1に1がセットされていない場合(F1=0の場合)、表示CPUは、中図柄超低速変動処理を終えて図示しない中図柄の表示制御のメインルーチンにリターンする。この場合は実質的な中図柄超低速変動処理は行われない。
【0055】
一方、実行フラグF1に1がセットされている場合は(F1=1の場合は)、表示CPUは、ステップA21に進み、切換タイマT2の値が0であるか否か、即ち、条件判定処理を行ってから、超低速変動における中図柄の切換タイミング時間(中図柄のスクロールタイミング時間、32ms)が経過したか否かを判別する(ステップA21)。表示CPUは、超低速変動における中図柄の切換タイミング時間(中図柄のスクロールタイミング時間)が経過していなければ、ステップA21を偽と判別して中図柄超低速変動処理を終え、中図柄の表示制御のメインルーチンにリターンする。なお、各タイマにセットされた値の減算処理(所謂、タイマ処理)は、図示しない中図柄の表示制御のメインルーチンにおいて所定周期毎(例えば、4ms毎)に行われる。表示CPUは、中図柄のスクロールタイミング時間(32ms)が経過するまで、ステップA20を真、ステップA21を偽と判別する処理を繰り返す。
【0056】
一方、超低速変動における中図柄の切換タイミング時間(中図柄のスクロールタイミング時間、32ms)が経過すると、切換タイマT2の値が0となる。表示CPUは、再び、切換タイマT2に中図柄の切換タイミング時間(中図柄のスクロールタイミング時間、32ms)に相当する値をセットし(ステップA22)、ステップA23に進んで、操作スイッチ14がオンであるか否か、即ち、遊技者によって操作スイッチ14が操作されているか否かを判別する(ステップA23)。操作スイッチ14がオンでなければ、表示CPUは、仮想画面における中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1を−1する(ステップA24)。即ち、仮想画面における中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1を1ドット図柄「7」に向けてずらす。
【0057】
次いで、表示CPUは、さらに、中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1を操作回数カウンタC1の値だけ減算する(ステップA25)。なお、操作回数カウンタC1は、操作スイッチ14の操作回数(操作スイッチ14が何回続けてオンであるか)をカウントするカウンタであり、初期値は「0」である。例えば、操作回数カウンタC1の値が「0」であれば、ステップA25による仮想画面における中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1はステップA24を行った位置と同じとなる。また、例えば、操作回数カウンタC1の値が「2」であれば、ステップA25による仮想画面における中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1は、ステップA24を行った位置から、さらに2ドット分、図柄「7」に向けてずらすことになる。
【0058】
表示CPUは、ステップA25を行うと、操作回数カウンタC1の値を0に戻し(ステップA26)、ステップA27に進み、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)に対して、仮想画面における中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1のみ変更した(Y1を「1+C1」ドットだけ図柄「7」に向けてずらした)中図柄表示データを出力することで、中図柄を表示する(ステップA27)。即ち、ステップA24〜ステップA27の処理により、図7に示すように中図柄が図柄「6」から図柄「7」へと上から下に向けてスクロール変動する。
【0059】
一方、ステップA23において、操作スイッチ14がオンであれば、表示CPUは、操作回数カウンタC1の値を+1し(ステップA28)、ステップA27に進み、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)に対して、仮想画面における中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1は変更しないままの中図柄表示データを出力することで、中図柄を表示する(ステップA27)。従って、操作スイッチ14がオンの場合、中図柄のスクロール変動は停止される。換言すれば、遊技者が操作スイッチ14を操作することにより、中図柄のスクロール変動を表示されている図柄で停止させることができる。
【0060】
表示CPUは、ステップA27を終えるとステップA29に進み、変動時間タイマT1が0であるか否か、即ち、超低速変動を開始してからの経過時間が、変動時間タイマT1にセットした超低速変動の時間(4.096秒)を満了したか否かを判別する(ステップA29)。表示CPUは、超低速変動を開始してからの経過時間が超低速変動の時間(4.096秒)を満了していない場合は、ステップA29を偽と判別し、中図柄超低速変動処理を終え、中図柄の表示制御のメインルーチンにリターンする。
【0061】
次周期以降、表示CPUは、中図柄のスクロールタイミング時間(32ms)が経過するまで、ステップA20を真、ステップA21を偽と判別する処理を繰り返す。そして、再び、中図柄のスクロールタイミング時間(32ms)が経過すると、ステップA22の処理後、ステップA23において、操作スイッチ14がオンであるか否かを判別する(ステップA23)。
【0062】
ここで、遊技者の立場から操作スイッチ14の操作と、操作に応じた中図柄の変動態様を説明する。中図柄の超低速変動開始時、中図柄は図柄「6」からスクロール変動を開始する。遊技者は、図柄「7」でリーチとなっているため、図柄「6」が表示されている段階では、操作スイッチ14をまだ操作しない。従って、操作スイッチ14はオフのままとなるため、操作回数カウンタC1の値は初期値「0」を維持する。従って、ステップA23を偽、ステップA24〜ステップA27の処理が中図柄のスクロールタイミング時間(32ms)毎に行われることになり、この結果、仮想画面における中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1の変化は、ステップA24による変化(1ドット)のみとなり、中図柄が図柄「6」から図柄「7」へと上から下に向けて1ドット/32msの超低速でスクロール変動する。
【0063】
中図柄に表示されている図柄が「7」までスクロールすると、遊技者が、操作スイッチ14をボタン操作して大当り図柄で中図柄を停止させようとする。即ち、中図柄を図柄「7」で停止させようとする。従って、操作スイッチ14が操作し続けられることになり、操作スイッチ14がオンを維持することになる。従って、ステップA23を真、ステップA28、ステップA27の処理が中図柄のスクロールタイミング時間(32ms)毎に行われることになり、操作回数カウンタC1の値がステップA28の処理回数分カウントされる。この結果、仮想画面における中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1は変化せず、中図柄のスクロール変動が停止し、中図柄が図柄「7」で停止表示される。なお、操作回数カウンタC1の値は、操作スイッチ14が操作されなかった場合にスクロール変動しているはずの本来の中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置と、現在の中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1とのズレ量(ドット数でいくらずれているか)を表している。
【0064】
遊技者が、中図柄が図柄「7」で停止表示されたと思い込み、操作スイッチ14のボタン操作をやめると、即ち、操作スイッチ14の操作を停止すると、操作スイッチ14がオフとなる。従って、ステップA23を偽、ステップA24〜ステップA27の処理が中図柄のスクロールタイミング時間(32ms)毎に行われることになるが、再度、ステップA24〜ステップA27の処理が最初に行われる場合は、操作回数カウンタC1の値が中図柄を停止表示に相当する回数分だけカウントされているため、仮想画面における中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1の変化は、ステップA24による変化(1ドット)に加えてステップA25による操作回数カウンタC1の値となり、この結果、中図柄が図柄「7」から図柄「8」へと上から下に向けて数ドット/32msの速度でスクロール変動する(即ち、中図柄を停止表示が行われなかった場合の変動状態に復帰するように、停止表示に相当する分の加速表示を行う)。
【0065】
超低速変動の変動時間(4.096秒)は2図柄分に相当するため、超低速変動を開始してからの経過時間が超低速変動の時間(4.096秒)を満了すると、変動時間タイマT1が0となり、表示CPUは、ステップA29を真と判別し、実行フラグF1を0クリアし(ステップA30)、ステップA31の状態判別処理を行う。そして、表示CPUは、状態判別処理を終えると中図柄超低速変動処理を終え、中図柄の表示制御のメインルーチンにリターンする。なお、実行フラグF1が0クリアされた結果、以後、中図柄超低速変動処理は行われない。また、中図柄超低速変動処理の実行中のみ操作スイッチ14による操作入力を有効としてあるので、表示CPUが実行フラグF1を0クリアした以後は、実質的に、操作スイッチ14による操作入力は無効となる。
【0066】
中図柄超低速変動処理において、遊技者が操作スイッチ14を全く操作しない場合、中停止図柄は図柄「6」から2図柄分変動するため図柄「8」まで変動することになる。また、中図柄超低速変動処理において、図柄「7」が表示された時点で、中図柄超低速変動処理の終了時まで遊技者が操作スイッチ14を操作し続けた場合、図柄「7」を停止させておくことができる。
【0067】
図11は、表示CPUが実行する中図柄の状態判別処理のフローチャートである。中図柄の状態判別処理は、中図柄の超低速変動処理の終了時の中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1と中停止図柄により中停止図柄までのスクロール方向を決定する処理である。
【0068】
表示CPUは、まず、中停止図柄が右停止図柄と同じであるか否かを判別する(ステップA311)。本実施形態では、変動パターンAの場合、大当りであれば中停止図柄が右停止図柄と同じとなり、はずれリーチであれば中停止図柄が右停止図柄の1図柄後になる。中停止図柄が右停止図柄と同じであれば、中停止図柄は図柄「7」であることになり、最終停止表示結果は大当り図柄「777」となる。表示CPUは、中停止図柄が右停止図柄と同じであれば、大当りフラグに1をセットする(ステップA312)。
【0069】
次いで、表示CPUは、中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1が仮想画面上の図柄「7」の垂直配置位置「b」に一致しているか否かを判別する(ステップA313)。中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1が仮想画面上の図柄「7」の垂直配置位置「b」に一致している場合には、実画面上で図柄「7」が表示されていることになり、表示CPUは、確定コマンドを受信するまで中図柄を実画面上で揺れ変動を行わせるための中図柄の揺れ変動処理に関する実行フラグF3に1をセットし(ステップA321)、状態判別処理を終えて中図柄超低速変動処理に戻り、さらに中図柄の表示制御のメインルーチンにリターンする。
【0070】
一方、ステップA313において、中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1が仮想画面上の図柄「7」の垂直配置位置「b」に一致していない場合には、ステップA314に進み、中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1が仮想画面上の図柄「7」の垂直配置位置「b」より小さいか否かを判別する(ステップA314)。
【0071】
中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1が仮想画面上の図柄「7」の垂直配置位置「b」より小さい場合、図15(a)に示すように、中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1が仮想画面上の図柄「8」の領域に入り込んでいることになる。表示CPUは、ステップA314が真の場合は戻しフラグに1をセットし(ステップA315)、調整変動処理に関する実行フラグF2に1をセットし(ステップA317)、切換タイマT2に中図柄の切換タイミング時間(中図柄の調整変動におけるスクロールタイミング時間、16ms)に相当する値をセットし(ステップA318)、状態判別処理を終えて中図柄超低速変動処理に戻り、さらに中図柄の表示制御のメインルーチンにリターンする。
【0072】
一方、ステップA314の判別結果が偽の場合は、即ち、中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1が仮想画面上の図柄「7」の垂直配置位置「b」より大きい場合、図15(b)に示すように、中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1が仮想画面上の図柄「7」の領域に入り込んではいるが、一致していないことになる。表示CPUは、ステップA314が偽の場合は戻しフラグを0クリアし(ステップA315)、調整変動処理に関する実行フラグF2に1をセットし(ステップA317)、切換タイマT2に中図柄の切換タイミング時間(中図柄の調整変動におけるスクロールタイミング時間、16ms)に相当する値をセットし(ステップA318)、状態判別処理を終えて中図柄超低速変動処理に戻り、さらに中図柄の表示制御のメインルーチンにリターンする。
【0073】
ステップA311において、中停止図柄が右停止図柄と同じでなければ、中停止図柄が右停止図柄の1図柄後の図柄「8」であることになり、最終停止表示結果ははずれ図柄「787」となる。表示CPUは、大当りフラグを0クリアする(ステップA319)。次いで、表示CPUは、中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1が仮想画面上の図柄「8」の垂直配置位置「b−64」より大きいか否かを判別する(ステップA320)。超低速変動における図柄の変動量は、最高で図柄「6」から2図柄分であるので、中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1が仮想画面上の図柄「8」の垂直配置位置「b−64」より小さくなることはない。
【0074】
中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1が仮想画面上の図柄「8」の垂直配置位置「b−64」より大きい場合には、表示CPUは、ステップA320を真と判別し、調整変動処理に関する実行フラグF2に1をセットし(ステップA317)、切換タイマT2に中図柄の切換タイミング時間(中図柄の調整変動におけるスクロールタイミング時間、16ms)に相当する値をセットし(ステップA318)、状態判別処理を終えて中図柄超低速変動処理に戻り、さらに中図柄の表示制御のメインルーチンにリターンする。大当りフラグを0クリアした場合、調整変動処理において中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1を1ドットずつ減少させて仮想画面上の図柄「8」の垂直配置位置「b−64」に一致させる。なお、実画面上では、図柄「7」から図柄「8」に向けて順方向のスクロール変動となる。
【0075】
ステップA320の判別結果が偽の場合、中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1が仮想画面上の図柄「8」の垂直配置位置「b−64」に一致していることになる。即ち、実画面上で図柄「8」が表示されていることになり、表示CPUは、確定コマンドを受信するまで中図柄を実画面上で揺れ変動を行わせるための中図柄の揺れ変動処理に関する実行フラグF3に1をセットし(ステップA318)、状態判別処理を終えて中図柄超低速変動処理に戻り、さらに中図柄の表示制御のメインルーチンにリターンする。
【0076】
次に、中図柄の調整変動処理について説明する。図12は、表示CPUが実行する中図柄調整変動処理のフローチャートである。中図柄調整変動処理は、先に説明した状態判別処理において実行フラグF2がセットされた場合に限り実行される処理である。表示CPUは、まず、実行フラグF2が1であるか否かを判別する(ステップA40)。実行フラグF2に1がセットされていない場合(F2=0の場合)、表示CPUは、中図柄調整変動処理を終えて図示しない中図柄の表示制御のメインルーチンにリターンする。この場合は実質的な中図柄調整変動処理は行われない。
【0077】
一方、実行フラグF2に1がセットされている場合は(F2=1の場合は)、表示CPUは、ステップA41に進み、切換タイマT2の値が0であるか否か、即ち、調整変動における中図柄の切換タイミング時間(8ドット/128msecの低速変動、1ドットで中図柄のスクロールタイミング時間16ms)が経過したか否かを判別する(ステップA41)。表示CPUは、調整変動における中図柄の切換タイミング時間(中図柄のスクロールタイミング時間)が経過していなければ、ステップA41を偽と判別して中図柄調整変動処理を終え、中図柄の表示制御のメインルーチンにリターンする。表示CPUは、中図柄のスクロールタイミング時間(16ms)が経過するまで、ステップA40を真、ステップA41を偽と判別する処理を繰り返す。
【0078】
一方、調整変動における中図柄の切換タイミング時間(中図柄のスクロールタイミング時間、16ms)が経過すると、切換タイマT2の値が0となる。表示CPUは、ステップA42を真と判別すると、大当りフラグがセットされているか否かを判別する(ステップA42)。大当りフラグがセットされている場合は、中停止図柄が図柄「7」であることになり、表示CPUは、中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1が仮想画面上の図柄「7」の垂直配置位置「b」に一致しているか否かを判別する(ステップA43)。
【0079】
ステップA43において、中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1が仮想画面上の図柄「7」の垂直配置位置「b」に一致していない場合、表示CPUは、戻しフラグがセットされているか否かを判別し(ステップA43)、戻しフラグがセットされていれば、仮想画面における中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1を+1し(ステップA45)、ステップA48に進む。即ち、仮想画面における中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1を図柄「8」の側から1ドット図柄「7」に向けてずらす。
【0080】
一方、戻しフラグが0クリアされていれば、仮想画面における中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1を−1し(ステップA46)、ステップA48に進む。即ち、仮想画面における中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1を図柄「6」の側から1ドット図柄「7」に向けてずらす。
【0081】
一方、ステップA42において、大当りフラグがセットされていない場合は、中停止図柄が図柄「8」であることになり、表示CPUは、ステップA47に進み、中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1が仮想画面上の図柄「8」の垂直配置位置「b−64」に一致しているか否かを判別する(ステップA47)。中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1が仮想画面上の図柄「8」の垂直配置位置「b−64」に一致していない場合、表示CPUは、ステップA46に進み、仮想画面における中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1を−1し(ステップA46)、ステップA48に進む。
【0082】
ステップA48に進むと、表示CPUは、再び、切換タイマT2に中図柄の切換タイミング時間(中図柄のスクロールタイミング時間、16ms)に相当する値をセットし(ステップA48)、ステップA49に進んで、VDPに対して、仮想画面における中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1を1ドットずらした中図柄表示データを出力することで、中図柄を表示し(ステップA49)、中図柄調整変動処理を終えて図示しない中図柄の表示制御のメインルーチンにリターンする。次周期以降、表示CPUは、中図柄のスクロールタイミング時間(16ms)が経過するまで、ステップA40を真、ステップA41を偽と判別する処理を繰り返す。そして、再び、中図柄のスクロールタイミング時間(16ms)が経過すると、ステップA41を真と判別する。
【0083】
従って、大当りとなる場合であって、戻しフラグに1がセットされている場合には、ステップA42を真、ステップA43を偽、ステップA44を真、ステップA45、ステップA48、ステップA49の処理を切換タイミング(16ms)毎に実行するので、中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1を1ドットずつ増加させて仮想画面上の図柄「7」の垂直配置位置「b」に一致させる。なお、実画面上では、図柄「8」から図柄「7」に向けて低速で逆方向のスクロール変動となる。
【0084】
また、大当りとなる場合であって、戻しフラグが0セットされている場合には、ステップA42を真、ステップA43を偽、ステップA44を偽、ステップA46、ステップA48、ステップA49の処理を切換タイミング(16ms)毎に実行するので、中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1を1ドットずつ減少させて仮想画面上の図柄「7」の垂直配置位置「b」に一致させる。なお、実画面上では、図柄「6」から図柄「7」に向けて低速で順方向のスクロール変動となる。
【0085】
また、大当りとならない場合、ステップA42を偽、ステップA47を偽、ステップA46、ステップA48、ステップA49の処理を切換タイミング(16ms)毎に実行するので、中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1を1ドットずつ減少させて仮想画面上の図柄「8」の垂直配置位置「b−64」に一致させる。なお、実画面上では、図柄「7」の側から図柄「8」に向けて低速で順方向のスクロール変動となる。
【0086】
なお、ステップA43において、中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1が仮想画面上の図柄「7」の垂直配置位置「b」に一致している場合、実画面上で中停止図柄「7」が表示されていることになり、表示CPUは、ステップA43を真と判別してステップA50に進む。
【0087】
また、ステップA47において、中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1が仮想画面上の図柄「8」の垂直配置位置「b−64」に一致している場合、実画面上で中停止図柄「8」が表示されていることになり、表示CPUは、ステップA47を真と判別してステップA50に進む。
【0088】
ステップA50に進むと、表示CPUは、中図柄調整変動処理に関する実行フラグF2を0クリアし(ステップA50)、確定コマンドを受信するまで中図柄を実画面上で揺れ変動を行わせるための中図柄の揺れ変動処理に関する実行フラグF3に1をセットし(ステップA51)、中図柄調整変動処理を終え、中図柄の表示制御のメインルーチンにリターンする。
【0089】
中図柄調整変動処理が行われることによって、中図柄として表示される図柄が中停止図柄コマンドによって指定された本来の中停止図柄(この例では、図柄「7」または図柄「8」)となる。そして、次に、説明する中図柄揺れ変動処理により、確定コマンドを受信するまで中図柄を揺れ変動させ、確定コマンドを受信すると、中停止図柄コマンドによって指定された本来の中停止図柄で確定停止させる。従って、図柄変動に関わる抽選結果の当りはずれは既に中停止図柄によって決定済みであるので、遊技者による操作スイッチ14の操作には関係しない。
【0090】
即ち、抽選結果が当りの場合、上記の例では中停止図柄は図柄「7」となり、遊技者が操作スイッチ14を全く操作しなくとも、中図柄調整変動処理が行われることによって、中図柄として表示される図柄が図柄「7」とされることになり、最終的に図柄「7」で確定停止されることになる。また、抽選結果が当りの場合、上記の例では中停止図柄は図柄「7」の場合、超低速変動中に、遊技者が操作スイッチ14を操作して図柄「7」で停止させた場合は、中図柄として表示される図柄が既に図柄「7」となっているため、中図柄調整変動処理は行われず、直接中図柄揺れ変動処理が行われ、最終的に図柄「7」で確定停止されることになる。但し、この場合、遊技者による操作スイッチ14への入力操作が行われているため、ボタン操作によって当った感覚を遊技者に植え付けることができる。
【0091】
また、抽選結果がはずれの場合、上記の例では中停止図柄は図柄「8」となる。超低速変動中に、遊技者が操作スイッチ14を操作して図柄「7」で停止させた場合は、中図柄調整変動処理が行われることによって、中図柄として表示される図柄が図柄「8」にされることなり、最終的に図柄「8」で確定停止されることになる。したがって、抽選結果がはずれの場合、遊技者が如何に操作スイッチ14を上手く操作してもはずれにしかならない。
【0092】
次に、中図柄揺れ変動処理について説明する。図13は、表示CPUが実行する中図柄揺れ変動処理のフローチャートである。中図柄揺れ変動処理は、先に説明した状態判別処理において実行フラグF3がセットされた場合、または調整変動処理において実行フラグF3がセットされた場合に限り実行される処理である。表示CPUは、まず、実行フラグF3が1であるか否かを判別する(ステップA60)。実行フラグF3に1がセットされていない場合(F3=0の場合)、表示CPUは、中図柄揺れ変動処理を終えて図示しない中図柄の表示制御のメインルーチンにリターンする。この場合は実質的な中図柄揺れ変動処理は行われない。
【0093】
一方、実行フラグF3に1がセットされている場合は(F3=1の場合は)、表示CPUは、ステップA61に進み、確定コマンドを受信したか否かを判別する(ステップA61)。表示CPUは、確定コマンドを受信していなければ、ステップA62に進み、中停止図柄で表示されている中図柄を揺れ変動させる(ステップA62)。なお、実画面上の所定領域において上下方向の揺れ変動を行わせる場合、ウインドウのアトリビュート領域に設定される各設定値のうち、水平仮想画面表示開始位置(IHPOS)、垂直仮想画面表示開始位置(IVPOS)、水平表示開始位置(DHPOS)、水平表示サイズ(HSIZE)、垂直表示サイズ(HSIZE)は変えないで、実画面上におけるウインドウの垂直方向の配置位置を設定する垂直表示開始位置(DVPOS)のみを所定の周期で所定の振幅となるように変化させることで揺れ変動を実現することができる。表示CPUは、今回周期の揺れ変動表示に関するステップA62の処理を終えると、中図柄揺れ変動処理を終えて図示しない中図柄の表示制御のメインルーチンにリターンする。
【0094】
表示CPUは、確定コマンドを受信するまで、ステップA60、ステップA61、ステップA62の処理を繰り返す。表示CPUは、確定コマンドを受信すると、ステップA61を真と判別し、ステップA63に移行する。表示CPUは、垂直表示開始位置(DVPOS)に中図柄停止表示位置をセットし(ステップA63)、中図柄表示データを出力することで、中図柄を停止表示し(ステップA64)、中図柄揺れ変動処理に関する実行フラグF3を0クリアし(ステップA65)、中図柄揺れ変動処理を終えて図示しない中図柄の表示制御のメインルーチンにリターンする。なお、中図柄の確定停止と同期して、揺れ変動している左図柄及び右図柄を確定停止する。
【0095】
以上に説明した本発明の実施形態では、超低速変動処理において操作スイッチ14の操作入力がある場合(操作スイッチ14がオン)、中図柄の変動(スクロール変動)を停止させるようにしているが、操作スイッチ14の操作入力がある場合に(ステップA23が真の場合)、中図柄のウインドウの垂直仮想画面表示開始位置Y1を所定のドット数だけ増加させる(例えば、Yの値を+1ドット増加させる)ようにすれば、操作スイッチ14の操作入力に応じ、例えば、図柄「8」から図柄「7」に向けて(下から上に向けて)中図柄を逆スクロールさせることができる。本発明において、液晶表示装置6に表示される抽選表示用図柄の変動速度を遅延させる態様は、このように通常の変動方向に対して、逆方向に変動させる態様も含むものである。
【0096】
また、実施形態では、操作スイッチ14(操作入力手段)の操作入力信号を直接表示制御装置3に入力する構成としているが、本発明において、操作スイッチ14(操作入力手段)の操作入力を表示制御装置3が検知できればよく、図1に鎖線で示すように、操作スイッチ14(操作入力手段)の操作入力信号は、サブ制御装置2を経由して間接的に表示制御装置3に入力する構成を含むものである。
【0097】
また、実施形態では、条件判定処理(図9参照)において、変動パターンが変動パターンAであって、かつ副変動パターンが「1203H」である場合に、操作スイッチ14の操作入力を有効とする超低速変動を行う条件が成立したと判定する構成としてあるが、本発明においては、副変動パターンを判定条件に入れることは必須要件ではなく、変動パターンが変動パターンAであれば、操作スイッチ14の操作入力を有効とする超低速変動を行う条件が成立したと判定する構成としてよい。
【0098】
本発明の実施形態では、図柄表示装置に表示される抽選表示用図柄(左、右、中図柄)の変動態様をスクロール変動として説明したが、抽選表示用図柄の変動態様はスクロール変動に限られるものではなく、図柄の切換変動、或いはカードめくりのような変動態様でもよい。
【0099】
また、本発明の実施形態では、遊技機の一態様としてパチンコ遊技機を用いて説明したが、本発明はパチンコ遊技機に限定されるものではなく、例えば、回転ドラムの他に液晶表示装置等の図柄表示装置を備えたスロットマシンにも適用できるものである。
【0100】
【発明の効果】
請求項1に記載の構成によれば、表示制御手段は、遊技者が操作入力手段による操作入力を行うと、図柄表示装置に表示される抽選表示用図柄の変動速度を遅延させるので、遊技者は、操作入力手段への操作入力に応じて抽選表示用図柄の変動速度を遅延させることができるため、図柄変動において遊技者に参加意識を持たせることによって遊技者の遊技意欲を盛り上げることができ、操作入力手段の操作入力が停止されると、抽選表示用図柄を遅延が行われなかった場合の変動状態に復帰するので、本来の図柄変動状態に合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のパチンコ遊技機に配備された制御系統の要部ブロック図
【図2】メイン制御装置からサブ制御装置に対して送信されるコマンド、並びにサブ制御装置から表示制御装置に送信されるコマンドを示すタイムチャート
【図3】変動パターンAにおける左図柄、右図柄、中図柄の変動状態の一例を示すタイムチャート
【図4】ウインドウのアトリビュート領域の概念図
【図5】ウインドウのアトリビュート領域に設定される各設定値と仮想画面上の図柄及びそのウインドウと実画面上に表示されるウインドウとの関係を示す図
【図6】図柄「6」から図柄「7」を上下方向の上から下に向けてスクロール変動を行わせる場合での仮想画面における図柄データとウインドウの位置関係を示す図
【図7】図6の仮想画面における図柄データとウインドウの位置関係に対応した実画面における図柄の表示態様を示す図
【図8】表示制御装置のRAMに設定されたデータ記憶領域の一部の内容を示す図
【図9】表示制御装置のCPUが実行する条件判定処理のフローチャート
【図10】表示制御装置のCPUが実行する中図柄超低速変動処理のフローチャート
【図11】表示制御装置のCPUが実行する中図柄の状態判別処理のフローチャート
【図12】表示制御装置のCPUが実行する中図柄調整変動処理のフローチャート
【図13】表示制御装置のCPUが実行する中図柄揺れ変動処理のフローチャート
【図14】仮想画面上に配置された各図柄データに対する中図柄に関するウインドウの超低速変動開始時の位置を示す図
【図15】超低速変動終了時、仮想画面上に配置された各図柄データに対する中図柄に関するウインドウの位置関係を示す図
【符号の説明】
1 メイン制御装置
2 サブ制御装置
3 表示制御装置
4 賞球制御装置
5 発射制御装置
6 液晶表示装置
7 ランプ
8 スピーカ
9 払出モータ
10 タッチセンサ
11 始動口入賞検出スイッチ
12 大入賞口開放ソレノイド
13 発射モータ
Claims (1)
- 遊技状態を制御するメイン制御装置と、
前記メイン制御装置からの指令に応じて図柄表示装置における表示態様を制御する表示制御装置とを備え、
前記メイン制御装置が、
予め定められた抽選開始条件が成立すると当り外れに関わる抽選を行う抽選手段と、
複数の図柄よりなる抽選表示用図柄の変動に関して変動パターンを決める変動パターン決定手段と、
前記変動パターン決定手段が決定した前記変動パターンを指定する変動パターンコマンドと、前記抽選の当り外れの別に応じたコマンドとを前記表示制御装置に送信するコマンド送信手段と、を有し、
前記表示制御装置が、
前記変動パターンコマンドと、前記抽選の当り外れの別に応じたコマンドとを受信するコマンド受信手段と、
受信した前記変動パターンコマンドに基づき、前記図柄表示装置に前記抽選表示用図柄を変動表示する抽選表示用図柄変動表示手段と、
前記受信した抽選の当り外れの別に応じたコマンドに基づき、抽選表示用停止図柄の組合せを決定する抽選表示用停止図柄決定手段と、を有し、
前記図柄表示装置に変動表示される前記抽選表示用図柄が当りの停止表示態様になると遊技者に有利となる特別遊技状態となる遊技機において、
前記変動パターンは、前記抽選表示用図柄の変動開始から変動停止までの総変動時間が予め設定され、
遊技者が操作可能な操作入力手段を設けると共に、前記操作入力手段による操作結果が前記表示制御装置に入力され、
前記表示制御装置に、
予め定められた特定の変動パターンに対応する総変動時間の後半部分において、前記操作入力手段による操作入力を有効とするスイッチ操作有効期間と、前記スイッチ操作有効期間に次いで、前記操作入力手段による操作入力が無効である調整変動期間とが設けられ、
前記表示制御装置は、
前記受信した変動パターンコマンドに応じた変動パターンが、前記特定の変動パターンである場合、前記抽選表示用図柄の変動開始後、前記スイッチ操作有効期間において前記操作入力手段による操作入力が行われている間は、前記抽選表示用図柄の変動速度を遅延させる変動速度遅延手段と、
前記調整変動期間において、前記抽選表示用停止図柄決定手段によって決定された抽選表示用停止図柄に一致するまで前記抽選表示用図柄を変動させた後待機する調整変動手段と、を備え、
前記表示制御装置は、
前記特定の変動パターンに対応する総変動時間が経過した時点で、前記抽選表示用停止図柄決定手段によって決定された抽選表示用停止図柄で図柄停止する、
ことを特徴とする遊技機。
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